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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2021年2月4日
【発行日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】緩衝器及び鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/348 20060101AFI20210816BHJP
   F16F 9/44 20060101ALI20210816BHJP
   F16F 9/54 20060101ALI20210816BHJP
   B62K 25/20 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
   F16F9/348
   F16F9/44
   F16F9/54
   B62K25/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】特願2019-553987(P2019-553987)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年7月31日
(11)【特許番号】特許第6692503号(P6692503)
(45)【特許公報発行日】2020年5月13日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000146010
【氏名又は名称】株式会社ショーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 大輔
【テーマコード(参考)】
3D014
3J069
【Fターム(参考)】
3D014DD02
3D014DF04
3D014DF25
3D014DF35
3J069AA52
3J069AA54
3J069CC13
3J069CC34
3J069DD50
3J069EE06
3J069EE24
3J069EE36
(57)【要約】
緩衝器は、シリンダの軸方向の第1端部に固定された第1減衰力発生部と、シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生装置100と、を備え、第2減衰力発生装置100は、シリンダ内の空間を区画するピストン92の軸方向を貫通する第1流路121と、第1流路121の軸方向の第1端部側の端部に配置されて第1流路121を開閉する開閉部材135と、開閉部材135の軸方向の位置を調整する調整ユニット190と、第1流路121とは異なる位置においてピストン92の軸方向を貫通する第2流路122と、第2流路122の第2端部側の端部に配置されて第2流路122を開閉する第2バルブ132と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダの軸方向の第1端部に固定された第1減衰力発生部と、前記シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生部と、を備え、
前記第2減衰力発生部は、前記シリンダ内の空間を区画するピストンの軸方向を貫通する第1流路と、前記第1流路の前記第1端部側の端部に配置されて前記第1流路を開閉する開閉部材と、前記開閉部材の前記軸方向の位置を調整する調整ユニットと、前記第1流路とは異なる位置において前記ピストンの軸方向を貫通する第2流路と、前記第1端部とは反対側の前記軸方向の端部である第2端部の側における前記第2流路の端部に配置されて前記第2流路を開閉する第2バルブと、を有する緩衝器。
【請求項2】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、をさらに有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、前記支持部材の位置を調整する調整部と、を有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項4】
前記第2減衰力発生部は、前記第1流路における前記第2端部側の開口部を開閉する第1バルブをさらに有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項5】
前記第2バルブは、前記シリンダ内における前記ピストンによって区画された前記第1端部側の室の圧力が、予め定められた所定圧力以上になった場合に前記第2流路を開き、
前記第1減衰力発生部は、前記第1端部側の室の圧力が前記所定圧力未満でも減衰力を発生させる
請求項1から4のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項6】
前記第2減衰力発生部は、前記ピストンの前記第1端部側において、前記ピストンの内側を通されたロッドに締め付けられることで、前記ピストンの位置を定めるナットを有し、
前記ナットは、前記第1流路と前記シリンダ内の空間とを連通する連通路を有する
請求項1から5のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項7】
前記調整ユニットは、前記開閉部材の位置を、前記ナットの前記第1端部側の面に前記開閉部材を接触させることで前記連通路の開口部を塞ぐ位置と、前記第1端部側の面から前記開閉部材を離間させることで前記連通路の開口部を開放する位置とに調整可能である
請求項6に記載の緩衝器。
【請求項8】
前記シリンダは、前記第1端部側が車体側に配置され、
前記ピストンを前記第1端部側の端部に保持して、前記第2端部側の端部が車輪側に配置されたロッドをさらに備える
請求項1から7のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項9】
車体と、前記車体の進行方向の前方に配設された前輪と、前記進行方向の後方に配設された後輪と、前記車体と前記前輪との間に配設された第1緩衝器と、前記車体と前記後輪との間に配設された第2緩衝器と、を備え、
少なくとも前記第2緩衝器が、請求項1から8のいずれか1項に記載された緩衝器である、鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝器及び鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、緩衝器のシリンダ内でピストンが高速度に移動し、油が高い流速で流動した場合の減衰特性を改善する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された緩衝器は、ピストンに対してピストンロッドとは反対側に設けられ、内筒の一端側の端部よりも外筒の前記一端側の端部を前記ピストンロッドが配された側に位置させた状態で前記外筒及び前記内筒を保持する保持部材を備え、前記保持部材は、減衰力発生部を収容するダンパ収容部と、前記内筒の内側と前記ダンパ収容部とを連通する第一連通路と、隙間と前記ダンパ収容部とを連通する第二連通路と、前記外筒の端部よりも前記ピストンロッドとは反対側に形成され、前記第二連通路と前記隙間とを連通する流路開口部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−180801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された緩衝器の減衰力発生部は、ピストンが低速度で移動する低速域における減衰力を調整する機能を有している。しかしながら、特許文献1に記載された緩衝器では、ピストンが低速度よりも速い中速度で移動する中速域や、中速度よりも速い高速度で移動する高速域の減衰力を調整するという点で、さらなる改善の余地があった。
本発明は、ピストンの幅広い移動速度領域に亘って減衰力を調整することが可能な緩衝器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、本開示について説明する。以下の説明では、本開示の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本開示が図示の形態に限定されるものではない。
本開示の1つの態様は、シリンダ(11)の軸方向の第1端部(11t)に固定された第1減衰力発生部(40)と、前記シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生部(100、200)と、を備え、前記第2減衰力発生部は、前記シリンダ内の空間を区画するピストン(92)の軸方向を貫通する第1流路(121)と、前記第1流路の前記第1端部側の端部に配置されて前記第1流路を開閉する開閉部材(135)と、前記開閉部材の前記軸方向の位置を調整する調整ユニット(190、140)と、前記第1流路とは異なる位置において前記ピストンの軸方向を貫通する第2流路(122)と、前記第1端部とは反対側の前記軸方向の端部である第2端部の側における前記第2流路の端部に配置されて前記第2流路を開閉する第2バルブ(132)と、を有する緩衝器(1、2、3)である。
ここで、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第2バルブ(132)に対し閉じる方向の力を付与するバネ(137)と、前記バネ(137)の前記第2端部側の端部を支持する支持部材(138)と、をさらに有しても良い。
また、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第2バルブ(132)に対し閉じる方向の力を付与するバネ(161)と、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材(162)と、前記支持部材の位置を調整する調整部(170)と、を有しても良い。
また、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第1流路(121)における前記第2端部側の開口部を開閉する第1バルブ(131)をさらに有しても良い。
また、前記第2バルブ(132)は、前記シリンダ(11)内における前記ピストン(92)によって区画された前記第1端部側の室(S1)の圧力が、予め定められた所定圧力(P2)以上になった場合に前記第2流路(122)を開き、前記第1減衰力発生部(40)は、前記第1端部側の室の圧力が前記所定圧力未満でも減衰力を発生させても良い。
また、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記ピストン(92)の前記第1端部側において、前記ピストンの内側を通されたロッド(93、293)に締め付けられることで、前記ピストンの位置を定めるナット(97)を有し、前記ナットは、前記第1流路(121)と前記シリンダ(11)内の空間とを連通する連通路(97a)を有しても良い。
また、前記調整ユニット(190、140)は、前記開閉部材(135)の位置を、前記ナット(97)の前記一方側の面に前記開閉部材を接触させることで前記連通路(97a)の開口部を塞ぐ位置と、前記第1端部側の面から前記開閉部材を離間させることで前記連通路の開口部を開放する位置とに調整可能であっても良い。
また、前記シリンダ(11)は、前記第1端部側が車体側に配置され、前記ピストン(92)を前記第1端部側の端部に保持して、前記第2端部側の端部が車輪側に配置されたロッド(93、293)をさらに備えても良い。
また、本開示の他の態様は、車体(4)と、前記車体の進行方向の前方に配設された前輪(5)と、前記進行方向の後方に配設された後輪(6)と、前記車体と前記前輪との間に配設された第1緩衝器(7)と、前記車体と前記後輪との間に配設された第2緩衝器(1、2、3)と、を備え、少なくとも前記第2緩衝器が、上記何れかの緩衝器(1、2、3)である、鞍乗型車両(10)である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ピストンの幅広い移動速度領域に亘って減衰力を調整することが可能な緩衝器等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】鞍乗型車両10の概略構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る緩衝器1の概略構成の一例を示す図である。
図3】緩衝器1に備えられる第1減衰力発生装置40の断面の一例を示す図である。
図4図2のIV部の拡大図である。
図5図2のV部の拡大図である。
図6】開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を開放している場合の、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係の一例を示す図である。
図7】開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を塞いでいる場合の、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る緩衝器2の断面の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る緩衝器2の断面の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態に係る第2減衰力発生装置200の一部の斜視図の一例を示す図である。
図11】第3の実施形態に係る緩衝器3の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態例について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す形態に限定されない。
<第1の実施形態>
図1は、鞍乗型車両10の概略構成の一例を示す図である。
鞍乗型車両10は、車体4と、車体4の進行方向の前方に配設された前輪5と、進行方向の後方に配設された後輪6と、を備える。車体4は、鞍乗型車両10の骨格をなす車体フレーム4aと、ハンドル4bと、シート4cと、を有する。
また、鞍乗型車両10は、車体4と前輪5との間に配設された第1緩衝器7と、車体4と後輪6との間に配設された第2緩衝器1と、を備える。以下の説明では、第2緩衝器1を、単に「緩衝器1」と称することがある。
【0009】
図2は、緩衝器1の概略構成の一例を示す図である。
図3は、緩衝器1に備えられる第1減衰力発生装置40の断面の一例を示す図である。
図2乃至図3を参照しつつ、緩衝器1の概要及び第1減衰力発生装置40について説明する。
緩衝器1は、シリンダ11と、スプリング14と、ダンパーケース15と、ロッドガイド25と、リザーバ30と、第1減衰力発生装置40と、を備える。シリンダ11、スプリング14、ダンパーケース15、ロッドガイド25、リザーバ30、第1減衰力発生装置40は、それぞれ、特許文献1に記載された、シリンダ11、スプリング14、ダンパーケース15、ロッドガイド25、リザーバ30、減衰力発生装置40と同一であることを例示することができる。以下の説明において、緩衝器1と、特許文献1に記載された緩衝器とで、同じ形状、機能を有する部材及び部位については同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下の説明では、第1減衰力発生装置40を、単に「減衰力発生装置40」と称することがある。
また、以下の説明において、シリンダ11の中心線方向を「軸方向」と称する場合がある。また、シリンダ11の軸方向に関して、第1端部11t側に相当する図2の上側を一方側、第2端部11b側に相当する図2の下側を他方側と称する場合がある。また、シリンダ11の中心線から、半径方向内側を「内側」、半径方向外側を「外側」と称する場合がある。
【0010】
緩衝器1は、さらに、ピストンロッド93と、ピストンロッド93の一方側の端部に固定されたピストン92と、ピストンロッド93の他方側の端部に固定された取付部材95と、を備える。取付部材95は、特許文献1に記載された車軸側取付部材に対して、ピストンロッド93よりも他方側の位置に、半径方向の挿入孔95aを有する点が異なる。ピストン92も、特許文献1に記載されたピストンとは異なる。ピストン92については後で詳述する。
また、緩衝器1は、さらに、第2減衰力発生装置100を備える。第2減衰力発生装置100は、特許文献1に記載された緩衝器が備えていない装置である。第2減衰力発生装置100については後で詳述する。
【0011】
以下、緩衝器1の構成について詳述する。
シリンダ11は、内筒20と外筒21とによって構成されている。
内筒20は、その上端部20tが、ダンパーケース15に形成された内筒保持凹部18に挿入されて保持されている。外筒21は、その上端部21tがダンパーケース15に設けられた外筒保持部16に挿入されて保持されている。
ロッドガイド25は、外筒21の下端部21bの内側に設けられている。ロッドガイド25には、ピストンロッド93が挿通される挿通孔25hが形成されており、ピストンロッド93を軸方向に摺動可能にガイドする。また、ロッドガイド25は、内筒20と外筒21との間の環状流路101を閉塞する。また、ロッドガイド25の内側には、リバウンドスプリング32が設けられている。
【0012】
ピストン92は、ピストンロッド93の上端部93tに、ナット97によって連結されている。ピストン92は、ピストンロッド93とともに、シリンダ11の内筒20の内部に、内筒20の軸方向に沿って摺動可能に設けられている。ピストン92は、外周面に、シリンダ11の内筒20に接触することで、ピストン92の外周面と内筒20の内周面との間をシールするシール部材92sを有する。シール部材92sによって、シリンダ11の内筒20の内部空間は、油室S1と、油室S2とに区画されている。
【0013】
ピストンロッド93の下端部93bに、取付部材95が装着されている。取付部材95における一方側には、緩衝器1の底付きを防ぐためのバンプラバー28がピストンロッド93に挿通して設けられている。
ダンパーケース15は、取付部材10tを有する。ダンパーケース15には、内筒20の上端部20tの開口に対向する位置に、連通路102の一端が開口して形成されている。この連通路102は、油室S1と減衰力発生装置40の油室S11とを連通する。
【0014】
内筒20の下端部20bには、周方向に間隔をあけて複数の油孔103が形成されている。これらの油孔103により、油室S2と環状流路101とが連通している。
ダンパーケース15には、開口部104が形成されている。この開口部104に連続して、減衰力発生装置40の油室S13と環状流路101とを連通する連通路105が形成されている。
【0015】
リザーバ30は、エア等のガスが充填されたブラダ31を備える。また、リザーバ30内において、ブラダ31の外側の空間は、油溜室S3とされ、連通路107を介して、減衰力発生装置40の油室S12に連通している。
シリンダ11内の油室S1、油室S2、環状流路101、リザーバ30内の油溜室S3、及び減衰力発生装置40内には、流体である油が充填されている。
【0016】
(減衰力発生装置40)
減衰力発生装置40は、ホルダ部材42と、アウターキャップ43と、メインダンパ60と、減衰調整部80と、を有するダンパーユニット41を備える。
ホルダ部材42は、軸状部45と、大径部46と、を有する。大径部46には、他端42b側から一端42a側に窪んだ凹部47が形成されている。また、大径部46には、凹部47と径方向外側とを連通する孔46hが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ホルダ部材42には、軸状部45の中心軸C方向に沿って連続し、一端42aと凹部47とを連通する中心孔48が形成されている。
アウターキャップ43は、ダンパ収容部29の開口部29aを塞ぐよう設けられ、開口部29aの内周面に装着されたCリング49によって、ダンパ収容部29から抜け出る方向への移動が規制されている。
【0017】
メインダンパ60は、チェック弁61、ピストン62、バルブ63、中間部材64、バルブ65、ピストン66、チェック弁67、及びストッパプレート68を有する。
ピストン62には、複数のポート62tとポート62cとが、それぞれ、ピストン62を中心軸C方向に貫通して形成されている。
バルブ63は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。
チェック弁61は、ディスクバルブからなり、ポート62cの大径部46側の出口を塞ぐように設けられている。
【0018】
ピストン66には、複数のポート66cとポート66tとが、それぞれ、ピストン66を中心軸C方向に貫通して形成されている。
バルブ65は、複数枚のディスクバルブが積層されることで構成されている。
チェック弁67は、ディスクバルブからなり、ポート66tのストッパプレート68側の出口を塞ぐように設けられている。
【0019】
中間部材64には、流路64hが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。ホルダ部材42の軸状部45には、中間部材64の各流路64hに連通する位置に、中心孔48から径方向外側に延びる流路70が形成されている。
ストッパプレート68は、チェック弁67に対して、ホルダ部材42の軸状部45の一端42a側に配置されている。
軸状部45の一端42aに形成されたネジ溝45nには、ナット部材69が螺着されている。
【0020】
減衰調整部80は、調整弁81と、アジャスタ82と、調整弁83と、アジャスタ84と、を備える。
調整弁81は、先端部側が、凹部47から中心孔48内に挿入され、基端部側には、凹部47内で円板状のエンドピース81bが結合されている。
調整弁81は、中心孔48の内径よりも小さな外径を有し、これによって、中心孔48の内周面と調整弁81の外周面との間には、流路85が形成されている。また、調整弁81は、その先端部側に弁部81vを備える。中心孔48には、流路70よりもホルダ部材42の一端42a側に、内径が絞られた絞り部71が形成されており、弁部81vは、絞り部71に挿入されている。
【0021】
アジャスタ82は、凹部47内に延び、エンドピース81bに螺合している。アジャスタ82の基部82aは、インナーキャップ87から外方に露出している。これにより、ダンパーケース15の外側からアジャスタ82を回転させると、アジャスタ82に沿ってエンドピース81bが中心軸C方向に進退する。すると、調整弁81の弁部81vが絞り部71に対して進退し、絞り部71と弁部81vとの間の隙間を増減する。
【0022】
調整弁83は、凹部47内に設けられ、中心孔48の凹部47側における開口に向かって延びる筒状の弁部83vを一体に備える。
アジャスタ84は、凹部47内に延び、調整弁83に螺合している。アジャスタ84の基部84aは、インナーキャップ87から外方に露出している。これにより、ダンパーケース15の外側からアジャスタ84を回転させると、調整弁83が中心軸C方向に進退する。すると、調整弁83の弁部83vが中心孔48の開口に対して進退し、弁部83vと流路85との間の隙間を増減する。
【0023】
上述した減衰力発生装置40において、ピストン62及びピストン66の外周面には、径方向外側に突出した突出壁75が周方向に連続して形成されている。突出壁75の外周面には、ダンパ収容部29の内周面に突き当たることで、ピストン62及びピストン66と、ダンパ収容部29の内周面と、の間をシールするシールリング76A、76Bが設けられている。
ダンパ収容部29内は、ピストン66のシールリング76Aと、ピストン62のシールリング76Bとによって、油室S11、油室S12、油室S13に区画されている。
【0024】
(第2減衰力発生装置100)
図4は、図2のIV部の拡大図である。
図5は、図2のV部の拡大図である。
図4及び図5を主に参照しつつ、第2減衰力発生装置100について、説明する。
第2減衰力発生装置100は、シリンダ11内の空間を区画するピストン92の軸方向を貫通する第1流路121と、第1流路121の他方側の端部に配置されて第1流路121を開閉する第1バルブ131と、を有する。また、第2減衰力発生装置100は、第1流路121の一方側の端部に配置されて第1流路121を開閉する開閉部材135と、開閉部材135の軸方向の位置を調整する調整ユニット190と、を有する。ピストンロッド93は、内周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリングを有しており、このシールリングが、ピストンロッド93の内周面と開閉部材135の外周面との間の隙間をシールする。
【0025】
また、第2減衰力発生装置100は、第1流路121とは異なる位置、より具体的には、第1流路121よりも外側においてピストン92の軸方向を貫通する第2流路122と、第2流路122を開閉する第2バルブ132と、を有する。また、第2減衰力発生装置100は、第2バルブ132に対し閉じる方向の力を付与する第2バネ137と、第2バネ137の他方側の端部を支持する支持部材138と、を有する。支持部材138は、伸側行程のときに、リバウンドスプリング32に突き当たることで、ピストンロッド93の他方側への移動を制限する機能を有する。
また、第2減衰力発生装置100は、ピストンロッド93の周りを囲むように配置されて、第1バルブ131と支持部材138との間の距離を定める円筒状のカラー139を有する。
【0026】
第1流路121は、ピストン92の半径方向中央部に形成されてピストンロッド93を通す中央孔92aよりも外側の位置に形成されている。第1流路121は、周方向に等間隔に複数形成されている。各第1流路121は、一方側の端部に形成されて軸方向に円柱状に伸びた部位である第1部121aと、他方側の端部に形成されて軸方向に円柱状に伸びた部位である第2部121bと、を有する。第1部121aは第2部121bよりも内側に形成されている。また、各第1流路121は、中央孔92aから半径方向外側に伸びるように形成され、第1部121aと第2部121bとを接続する第3部121cを有する。
第2流路122は、第1流路121よりも外側の位置に形成されている。第2流路122は、周方向に等間隔に複数形成されている。第2流路122の内径は、第1流路121の内径よりも小さい。
【0027】
第1バルブ131は、複数枚の環状のディスクバルブが積層されることで構成されている。第1バルブ131の内径は、ピストンロッド93の外径よりも大きく、第1バルブ131は、ピストンロッド93の周りを囲むように配置されている。
第2バルブ132は、1枚の環状のディスクバルブである。第2バルブ132の内径は、第1バルブ131の外径よりも大きく、第2バルブ132は、第1バルブ131よりも外側の位置に配置されている。第2バルブ132は、第1バルブ131の周りを囲むように配置されている。
第1流路121の他方側の開口部を塞ぐように配置されている第1バルブ131及び第2流路の他方側の開口部を塞ぐように配置されている第2バルブ132は、それぞれ、ピストン92における他方側の端部に配置されている。
【0028】
ピストン92は、他方側の端面における中央孔92aの周囲に、第1バルブ131を支持する円環状の支持面92bを有する。また、ピストン92は、第1流路121と第2流路122との間に、第1バルブ131における外側の端部を支持する円環状の支持面92cを有する。支持面92cは、第2バルブ132における内側の端部をも支持する。また、ピストン92は、第2流路122よりも外側に、第2バルブ132における外側の端部を支持する円環状の支持面92dを有する。また、ピストン92は、支持面92dの周囲に、支持面92dよりも他方側に突出した外壁92eを有する。外壁92eは、第2バルブ132の半径方向への移動を抑制する。外壁92eには、半径方向に貫通する貫通孔92fが形成されている。
【0029】
ナット97は、内周面に、ピストンロッド93の一方側の端部に形成された雄ネジと噛み合う雌ネジが形成された円筒状の部材である。ナット97の外径は、ナット97の外周面が、第1流路121の第1部121aよりも外側であって、第2流路122よりも内側に位置するように設定されている。そして、ナット97には、雌ネジよりも外側に、軸方向に貫通して、第1流路121と油室S1とを連通する連通路97aを有している。ゆえに、ナット97は、第1流路121及び第2流路122における一方側の開口部を開放する。ナット97は、他方側の面に、ピストン92における一方側の面に接触することで、ナット97とピストン92との間をシールするシールリングを有する。
【0030】
開閉部材135は、一方側に設けられた円板状の板状部135aと、他方側に設けられた円柱状の柱状部135bと、を有する。板状部135aの外径は、板状部135aの外周面が、連通路97aよりも外側に位置するように設定されている。柱状部135bにおける他方側の端部には、後述する保持部材193の第1部193aが嵌め込まれる凹部が形成されているとともに、その内周面には、第1部193aの外周面に形成された雄ネジと噛み合う雌ネジが形成されている。
【0031】
支持部材138は、半径方向中央部に中央孔138aが形成された円板状の部材である。中央孔138aの径は、ピストンロッド93の外径よりも大きく、支持部材138は、ピストンロッド93の外側に配置されている。支持部材138の外径は、第2バネ137の外径よりも大きい。また、支持部材138は、一方側の端面から一方側に突出して、第2バネ137の他方側の端部を保持する保持部138bを有する。支持部材138は、他方側の面が、ピストンロッド93に設けられた段付き部93cに接触することで、他方側への移動が抑制される。
カラー139は、円筒状の部材である。その内径は、ピストンロッド93の外径よりも大きく、カラー139は、ピストンロッド93の周りを囲むように配置されている。また、カラー139の外径は、ピストン92の支持面92bの外径よりも小さい。カラー139は、第1バルブ131における外側の部位が撓み変形可能なように、第1バルブ131の内側の部位を支持する。
そして、ピストン92、第1バルブ131、カラー139及び支持部材138は、ピストンロッド93の一方側の端部にナット97が締め付けられることで、ナット97とピストンロッド93の段付き部93cとの間に挟み込まれている。
【0032】
[調整ユニット190]
調整ユニット190は、開閉部材135を保持する保持部材193と、回転操作することで開閉部材135の位置を変更可能な操作部195とを有する。
保持部材193は、それぞれ径が異なる4つの円柱状の部位である、第1部193a、第2部193b、第3部193c、及び、第4部193dを、一方側から他方側にかけて順に有する。第1部193a、第2部193b、第3部193c、及び、第4部193dの外径は、いずれもピストンロッド93の内径よりも小さく、保持部材193は、ピストンロッド93をその軸方向に貫通する貫通孔の内側に挿入されている。
【0033】
第1部193aにおける一方側の端部には、開閉部材135に形成された雌ネジと噛み合う雄ネジが形成されている。
第2部193bの外径は、第1部193aの外径よりも大きく、第2部193bにおける一方側の端面が、開閉部材135の他方側への移動を抑制する。
第3部193cの外径は、第2部193bの外径よりも小さく、第4部193dの外径は、第3部193cの外径よりも大きい。第4部193dは、外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリングを有しており、このシールリングが、保持部材193とピストンロッド93の内周面との間の隙間をシールする。第4部193dにおける他方側の端部には、中心線からの距離が、一方側から他方側にかけて徐々に小さくなるように面取り193eが施されている。
【0034】
操作部195は、挿入孔95a内に嵌め込まれたベース196と、外部から回転操作されるアジャスタ197と、を有する。また、操作部195は、アジャスタ197の操作によりシリンダ11の半径方向に移動することで、保持部材193の軸方向の位置を定める位置決め部材199を有する。
ベース196は、中央部に中央孔196aが形成された円筒状の部材である。ベース196は、外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリングを有しており、このシールリングが、ベース196と挿入孔95aとの間の隙間をシールする。ベース196には、中央孔196aの内部とベース196の外部とを連通する連通孔196bが、周方向に等間隔に複数形成されている。
【0035】
アジャスタ197は、それぞれ径が異なる3つの円柱状の部位である、第1部197a、第2部197b、第3部197cを順に有する。第1部197aは、ベース196の中央孔196a内に挿入され、第3部197cは、取付部材95に形成された凹部に支持されている。この凹部がアジャスタ197を回転可能に支持する。第1部197aは、外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリングを有しており、このシールリングが、アジャスタ197とベース196の内周面との間の隙間をシールする。第2部197bの外周面には、雄ネジ197dが形成されている。また、アジャスタ197は、軸方向に形成された凹部に挿入されたコイルバネと、コイルバネに支持されるとともに例えばコイルバネが自由長である場合に外周面から突出し、ベース196の連通孔196bに嵌り込む嵌合部材197eを有する。また、アジャスタ197には、外側の端面から内側に直方体状に凹んだ操作溝197fが形成されている。
【0036】
位置決め部材199は、円筒状の部材であり、挿入孔95a内に挿入されている。その内周面には、アジャスタ197の第2部197bに形成された雄ネジ197dと噛み合う雌ネジ199aが形成されている。また、位置決め部材199における、保持部材193の面取り193eと対向する部位には、面取り199bが施されている。
【0037】
[調整ユニット190の機能]
調整ユニット190においては、取付部材95の外側から操作部195のアジャスタ197が回転操作されると、アジャスタ197に形成された雄ネジ197dと、位置決め部材199に形成された雌ネジ199bとの噛み合いにより、位置決め部材199が半径方向に移動する。例えば、雄ネジ197d及び雌ネジ199bが左ネジである場合には、アジャスタ197が右回りに回転操作されると、位置決め部材199は、ベース196から遠ざかる方向へと移動する。すると、保持部材193の面取り193eの位置が、位置決め部材199の面取り199bに沿って他方側へ移動する。そして、保持部材193が他方側へ移動するのに伴って、開閉部材135が他方側へ移動し、開閉部材135の板状部135aが、連通路97aの開口部を塞ぐ。その結果、第1流路121が閉ざされる。他方、例えば、雄ネジ197d及び雌ネジ199bが左ネジである場合には、アジャスタ197が左回りに回転操作されると、位置決め部材199がベース196に近づく方向へと移動するのに伴って、保持部材193の面取り193eが一方側へ移動し、開閉部材135が一方側へ移動する。その結果、開閉部材135の板状部135aが、連通路97aの開口部を開放する。その結果、第1流路121が開放される。
【0038】
[第2減衰力発生装置100の機能]
以上説明したように構成された第2減衰力発生装置100においては、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を開放することにより、第1流路121における一方側の開口部を開けている場合、以下のように設定されている。すなわち、第1バルブ131は、油室S1の圧力Psが予め定められた第1圧力P1以上になった場合に、第1流路121を開く。また、第2バルブ132は、圧力Psが予め定められた第2圧力P2(>第1圧力P1)以上になった場合に、第2流路122を開く。なお、減衰力発生装置40のバルブ65が開く圧力は、第1バルブ131が開く圧力よりも小さくなるように設定されている。
一方、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を閉じることにより、第1流路121を閉じている場合、第1バルブ131は、開かない。かかる場合には、油室S1の圧力Psが第2圧力P2以上になった場合に、第2流路122を開く。
【0039】
[緩衝器1の機能]
〈伸側行程〉
後輪の上下動によってピストン92がシリンダ11内で後輪側に移動する伸側行程においては、油室S2内の油がピストン92により圧縮される。すると、油室S2内の油は、内筒20の下端部に形成された油孔103を通り、内筒20と外筒21との間に形成された円筒状の環状流路101へと流れ込む。この環状流路101を流れる油は、ダンパーケース15に形成された開口部104、連通路105を通り、減衰力発生装置40の油室S13へと送り込まれる。
【0040】
油室S13に送り込まれた油は、ピストン62のポート62tに流れ込み、その出口側に設けられたバルブ63を押し開くことで減衰力が発生する。バルブ63を押し開いて通過した油は油室S12へと流れ込む。
また、油室S13に送り込まれた油のうちの一部は、ホルダ部材42の大径部46に形成された孔46hから凹部47内に流れ込む。そして、油は、調整弁83の弁部83vと流路85との間の隙間を通って、流路85,軸状部45に形成された流路70、中間部材64に形成された流路64hを介し、油室S12に流出する。油が調整弁83の弁部83vと流路85との隙間を通るときに、減衰力が発生する。また、アジャスタ84で調整弁83を進退させて調整弁83の弁部83vと流路85との隙間を調整することで、この隙間を油が通るときに生じる減衰力を調整することができる。
【0041】
また、ピストン92の移動にともなうシリンダ11内におけるピストンロッド93の容積変化を補償するため、ダンパーケース15に形成された連通路107を通り、油溜室S3から油室S12に油が流れ込む。
油室S12に流れ込んだ油は、ピストン66のポート66tを通り、チェック弁67を押し開いて油室S11へと流れ込む。
油室S11内の油は、ダンパーケース15に形成された連通路102を通して油室S1に送り込まれる。
【0042】
〈圧側行程〉
ピストン92がシリンダ11内で車体側に移動する圧側行程においては、油室S1内の油がピストン92により圧縮される。すると、油室S1内の油は、連通路102を通って、油室S11に送り込まれる。
油室S11に送り込まれた油は、ポート66cに流れ込み、その出口側に設けられたバルブ65を押し開き、油室S12へと流出する。バルブ65を押し開いて油が通ることで、減衰力が発生する。
【0043】
また、油室S11内の油の一部は、ホルダ部材42の一端42aに開口した中心孔48に流れ込み、調整弁81の弁部81vと絞り部71との隙間を通って、軸状部45に形成された流路70、中間部材64に形成された流路64hを介し、油室S12に流出する。油が調整弁81の弁部81vと絞り部71との隙間を通るときに、減衰力が発生する。また、アジャスタ82で調整弁81を進退させて弁部81vと絞り部71との隙間を調整することで、弁部81vと絞り部71との隙間を油が通るときに生じる減衰力を調整することができる。
【0044】
油室S12に流れ込んだ油の一部は、ピストン92の移動にともなうシリンダ11内におけるピストンロッド93の容積変化を補償するため、連通路107を通り、油溜室S3に流れ込む。また、油室S12に流れ込んだ油の残部は、ピストン62のポート62cに流れ込み、チェック弁61を押し開いて油室S13へと流れ込む。
油室S13に流れ込んだ油は、連通路105、環状流路101、複数の油孔103を通って、油室S2に流入する。
【0045】
開閉部材135が連通路97aの開口部を開放することにより、第1流路121を開けている場合、油室S1内の圧力Psが第1圧力P1以上になると、第2減衰力発生装置100も減衰力を発生する。
圧力Psが第1圧力P1以上第2圧力P2未満である場合、油室S1内の油は、第1流路121の他方側端部に設けられた第1バルブ131を押し開き、油室S2に流出する。第1バルブ131を押し開いて油が通ることで、減衰力が発生する。
圧力Psが第2圧力P2以上になると、油室S1内の油は、第1バルブ131に加えて、さらに、第2流路122の他方側端部に設けられた第2バルブ132を押し開き、油室S2に流出する。第2バルブ132を押し開いて、貫通孔92f等を油が通ることで、減衰力が発生する。
【0046】
一方、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を閉じることにより、第1流路121を閉じている場合、油室S1内の圧力Psが第2圧力P2以上になると、油室S1内の油は、第2流路122の他方側端部に設けられた第2バルブ132を押し開き、油室S2に流出する。第2バルブ132を押し開いて、貫通孔92f等を油が通ることで、減衰力が発生する。
【0047】
図6は、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を開放している場合の、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係の一例を示す図である。
第2減衰力発生装置100の第1バルブ131及び第2バルブ132、減衰力発生装置40のバルブ65が開く圧力が上述したように設定されていることにより、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係は、図6に示すようになる。なお、図6では、第1の実施形態に係る緩衝器1の減衰力Dを実線で示している。また、緩衝器1に対して、第2バルブ132が開かない構成(以下、「第1比較構成」と称する場合がある。)の減衰力D1を破線で示している。また、緩衝器1に対して、第1バルブ131及び第2バルブ132が開かない構成(以下、「第2比較構成」と称する場合がある。)の減衰力D2を二点鎖線で示している。
【0048】
第2比較構成においては、第2減衰力発生装置100では減衰力が発生せず、減衰力発生装置40で速度Vpに応じた減衰力が生じる。
緩衝器1及び第1比較構成においては、第2減衰力発生装置100の第1バルブ131が開くので、圧力Psが、第1バルブ131が開く圧力となる速度Vp以上で、減衰力D及び減衰力D1が、減衰力D2よりも小さくなる。
また、緩衝器1においては、圧力Psが、第2バルブ132が開く圧力以上になる、速度Vp以上で、第2減衰力発生装置100の第1バルブ131及び第2バルブ132が開く。そのため、その速度Vp以上で、減衰力Dが、減衰力D1及び減衰力D2よりも小さくなる。
【0049】
したがって、緩衝器1によれば、速度Vpが速く、第2減衰力発生装置100の第1バルブ131及び第2バルブ132が開く高速域での乗り心地を、第1比較構成及び第2比較構成よりも良くすることができる。また、緩衝器1によれば、速度Vpが速く、第2減衰力発生装置100の第2バルブ132は開かないが第1バルブ131が開く中速域での乗り心地を、第2比較構成よりも良くすることができる。
【0050】
そして、緩衝器1は調整ユニット190を有するので、中速域及び高速域での減衰力Dを調整することができる。
例えば、第2比較構成で、低速域及び中速域の乗り心地は良いが、高速域の乗り心地は悪い場合に、高速域の乗り心地を良くするためには、減衰力発生装置40におけるバルブ65等の仕様変更で対応することが考えられる。しかし、高速域の乗り心地を良くするために、減衰力発生装置40のバルブ仕様を変更すると、低速域及び中速域の減衰特性も変化する。そのため、第2比較構成では、高速域の乗り心地を良くするためにバルブ仕様を変更すると、低速域や中速域の乗り心地が悪化する虞がある。
これに対して、緩衝器1においては、第2減衰力発生装置100を備えているので、中速域の減衰力、及び、高速域の減衰力のそれぞれを、減衰力発生装置40を用いて減衰力を調整する低速域での減衰力の調整とは別に、独立して調整することができる。したがって、緩衝器1によれば、低速域、中速域、及び、高速域の減衰力をそれぞれ独立して制御することができない第2比較構成よりも、ピストンの幅広い移動速度領域(幅広いVp領域)に亘って減衰力を調整することができる。
【0051】
図7は、開閉部材135が連通路97aの開口部を塞いでいる場合の、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係の一例を示す図である。
開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を塞いでいる場合、第2減衰力発生装置100の第2バルブ132及び減衰力発生装置40のバルブ65が開く圧力が上述したように設定されていることにより、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係は図7に示すようになる。なお、緩衝器1の減衰力Dを実線で示している。また、緩衝器1に対して、第1バルブ131及び第2バルブ132が開かない構成(以下、「第2比較構成」と称する場合がある。)の減衰力D2を二点鎖線で示している。
【0052】
第2比較構成においては、第2減衰力発生装置100では減衰力が発生せず、減衰力発生装置40で速度Vpに応じた減衰力が生じる。
緩衝器1においては、圧力Psが、第2バルブ132が開く圧力以上になる、速度Vp以上で、第2減衰力発生装置100の第2バルブ132が開く。そのため、その速度Vp以上で、減衰力Dが、減衰力D2よりも小さくなる。
【0053】
したがって、緩衝器1によれば、速度Vpが速く、第2減衰力発生装置100の第2バルブ132が開く高速域での乗り心地を、第2比較構成よりも良くすることができる。また、高速域での乗り心地の調整を、第2バネ137の仕様を変更することで調整可能である。ゆえに、減衰力発生装置40が発生する低速域での減衰力の調整とは別に、高速域での減衰力を独立して調整することができる。したがって、緩衝器1によれば、中速域以下の領域の減衰力と高速域の減衰力とをそれぞれ独立して制御することができない第2比較構成よりも、ピストンの幅広い移動速度領域(幅広いVp領域)に亘って減衰力を調整することができる。
また、たとえ、調整ユニット190により、操縦安定性を高めるべく後輪を路面に対して押さえつける機能を高めるために、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を塞ぐように調整されたとしても、高速域では第2減衰力発生装置100の第2バルブ132が開く。そのため、開閉部材135が第1流路121を閉じるように調整されたとしても、緩衝器1によれば、シリンダ11内の圧力が高くなり過ぎることを抑制できる。
【0054】
<第2の実施形態>
図8及び図9は、第2の実施形態に係る緩衝器2の断面の一例を示す図である。
図10は、第2の実施形態に係る第2減衰力発生装置200の一部の斜視図の一例を示す図である。
緩衝器2は、上記緩衝器1に対して、第2減衰力発生装置100に代えて第2減衰力発生装置200を有するところが異なる。また、緩衝器2は、第1の実施形態のピストンロッド93に代えてピストンロッド293を有するところが異なる。ピストンロッド293は、ピストンロッド93に対して、内側と外側とを連通する連通孔293aが形成されている点が異なる。また、ピストンロッド293の内径は、ピストンロッド93の内径よりも大きく、後述する接触部材173を収容可能である。
以下、第2減衰力発生装置200について、第2減衰力発生装置100と異なる点について説明する。第2減衰力発生装置200と第2減衰力発生装置100とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0055】
第2減衰力発生装置200は、上記調整ユニット190に代えて、開閉部材135の軸方向の位置を調整する第1調整ユニット140を有する。また、第2減衰力発生装置200は、第2バルブ132が開くのに必要な力を調整する第2調整ユニット160を有する。また、第2減衰力発生装置200は、伸側行程のときに、リバウンドスプリング32に突き当たることで、ピストンロッド93の他方側への移動を制限する環状の制限部材181を有する。また、第2減衰力発生装置200は、ピストンロッド293の周りを囲むように配置されて、第1バルブ131と制限部材181との間の距離を定める円筒状のカラー182を有する。カラー182には、ピストンロッド293の連通孔293aに対応する位置に、内側と外側とを連通する連通孔182aが形成されている。
【0056】
[第1調整ユニット140]
第1調整ユニット140は、開閉部材135の位置を調整する第1調整部150を有する。第1調整部150は、開閉部材135を保持する保持部材153と、回転操作することで開閉部材135の位置を変更可能な第1操作部155とを有する。
保持部材153は、それぞれ径が異なる4つの円柱状の部位である、第1部153a、第2部153b、第3部153c、及び、第4部153dを、一方側から他方側にかけて順に有する。
第1部153aにおける一方側の端部には、開閉部材135に形成された雌ネジと噛み合う雄ネジが形成されている。
第2部153bの径は、第2支持部材171の中央孔171aの径よりも小さく、第2部153bは、第2支持部材171の中央孔171a内に通されている。
第3部153cの径は、第2部153bの径よりも小さい。第4部153dの径は、第3部153cの径よりも小さい。第3部153cにおける他方側の端部には、外周面から全周に亘って突出した突出部153eが設けられている。そして、突出部153eは、外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリング153fを有する。
第4部153dにおける他方側の端部は半球体状に成形されている。
【0057】
第1操作部155は、取付部材95の挿入孔95a内に嵌め込まれた第1ベース156と、外部から回転操作される第1アジャスタ157と、を有する。また、半径方向に伸びた操作部である第1操作部155は、第1アジャスタ157の操作によりシリンダ11の半径方向に移動することで、保持部材153の軸方向の位置を定める第1位置決め部材158と、第1位置決め部材158に挿入されたピン159とを有する。
第1ベース156は、中央部に中央孔156aが形成された筒状の部材である。第1ベース156には、中央孔156aと第1ベース156の外部とを連通する連通孔156bが、周方向に等間隔に複数形成されている。第1ベース156における内側の部位には、第1位置決め部材158に形成された雄ネジ158cと噛み合う雌ネジ156cが形成されている。
【0058】
第1アジャスタ157は、円柱状の部材であり、第1ベース156の中央孔156a内に挿入されている。第1アジャスタ157は、内側の端部から内側に柱状に突出した柱状部157aを有する。また、第1アジャスタ157は、軸方向に形成された凹部に挿入されたコイルバネを有する。また、第1アジャスタ157は、コイルバネに支持されるとともに、例えばコイルバネが自由長である場合に外周面から突出することにより、連通孔156bに嵌り込む嵌合部材157bを有する。また、第1アジャスタ157は、第1アジャスタ157の外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリング157cを有する。また、第1アジャスタ157には、外側の端面から内側に凹んだ操作溝157dが形成されている。
【0059】
第1位置決め部材158は、円柱状の基部158aと、円錐台状の先端部158bとを有する。
基部158aの外周面には、第1ベース156に形成された雌ネジ156cと噛み合う雄ネジ158cが形成されている。また、基部158aにおける外側の端面には、内側に柱状に凹んだ溝158dが形成されている。溝158dには、第1アジャスタ157の柱状部157aが嵌め込まれている。
また、第1位置決め部材158には、基部158a及び先端部158bを、半径方向に貫通する孔158eが形成されている。孔158eにピン159が挿入されている。
【0060】
[第2調整ユニット160]
第2調整ユニット160は、第2バルブ132に対し閉じる方向の力を付与するコイルバネである第2バネ161と、第2バネ161の他方側の端部161bを支持する支持部材162と、支持部材162の位置を調整する第2調整部170と、を有する。
【0061】
支持部材162は、中央部に中央孔162aが形成された部材である。中央孔162aの径は、カラー182の外径よりも大きく、支持部材162は、カラー182の周りを囲むように配置されている。
支持部材162は、第2バネ161の他方側の端部を支持する支持部162bと、後述する第2支持部材171を介して伝えられる軸方向の力を受ける受け部162cと、支持部162bと受け部162cとを接続する接続部162dと、を有する。
【0062】
支持部162bは、環状の部位である。支持部162bにおける一方側の面の形状は、内径が第2バネ161の内径よりも小さく、外径が第2バネ161の外径よりも大きい。支持部162bにおける一方側の面が第2バネ161に接触する。
受け部162cは、支持部162bよりも内側かつ一方側に設けられた、環状の部位である。受け部162cにおける他方側の面の外径は、第2支持部材171の外径以上である。
接続部162dは、内径及び外径が一方側から他方側に行くに従って徐々に大きくなっている筒状の部位である。接続部162dは、その周りを囲むように配置された第2バネ161の半径方向の移動を抑制するとともに、内側に配置された第2支持部材171の半径方向の移動を抑制する。
【0063】
第2調整部170は、支持部材162に軸方向の力を伝える第2支持部材171と、第2支持部材171と支持部材162との間に配置される板状部材172と、を有する。また、第2調整部170は、第2支持部材171に接触する、第2支持部材171とは別体の部材である接触部材173と、回転操作することで、第2支持部材171の軸方向における位置を変更可能であり、これにより、支持部材162の軸方向における位置も変更可能な第2操作部175とを有する。
【0064】
第2支持部材171は、中央部に中央孔171aが形成された環状の部材である。第2支持部材171の外径は、カラー182の外径よりも大きく、支持部材162の接続部162dにおける他方側の内径以下である。図10にも示されているように、第2支持部材171は、ピストンロッド293の連通孔293aに通されている。
【0065】
板状部材172は、中央部に中央孔172aが形成された環状の部材である。中央孔172aの径は、カラー182の外径よりも大きく、板状部材172は、カラー182の周りを囲むように配置されている。板状部材172の外径は、支持部材162の受け部162cにおける他方側の面の外径以下である。板状部材172は、支持部材162の接続部162dの内側に配置されている。
【0066】
接触部材173は、それぞれ軸方向の位置が異なる4つの円筒状の部位である、第1部173a、第2部173b、第3部173c、及び、第4部173dを、一方側から他方側にかけて順に有する。そして、接触部材173は、ピストンロッド93の内側であって、第1調整部150の保持部材153の周りを囲むように配置されている。
【0067】
第1部173aの内径は、保持部材153の第2部153bの外径よりも大きく、第1部173a内に、第2部153bの一部が挿入されている。
第2部173bの内径は、第3部153cに設けられた突出部153eの外径よりも大きく、第2部173b内に、第3部153c、第4部153dの一部、及び、突出部153eが挿入されている。そして、突出部153eに嵌め込まれたシールリング153fが、接触部材173と保持部材153との間の隙間をシールする。また、第2部173bの内径は、保持部材153の第2部153bの外径よりも小さく、第2部153bが他方側へ移動することを抑制する。
【0068】
第3部173cの内径は、第4部153dの外径よりも大きく、第3部173c内に、第4部153dが挿入されている。また、第3部173cの内径は、突出部153eの外径よりも小さく、突出部153eが他方側へ移動することを抑制する。
図9に示したように、第4部173dの内径は、第4部153dの外径よりも大きく、第3部173c及び第4部173dの内側に、第4部153dが挿入されている。第4部173dには、外周面から凹んだ溝にシールリング173eが嵌め込まれている。そして、シールリング173eが、接触部材173とピストンロッド93の内周面との間の隙間をシールする。また、第4部173dにおける他方側の端部であって、第2操作部175が配置された側の部位には、他方側に突出する突出部173fが設けられている。突出部173fの先端には、中心線からの距離が、一方側から他方側にかけて徐々に小さくなるように面取り173gが施されている。
【0069】
第2操作部175は、取付部材95の挿入孔95a内に嵌め込まれた第2ベース176と、外部から回転操作される第2アジャスタ177と、を有する。また、第2操作部175は、第2アジャスタ177の操作により半径方向に移動することで、接触部材173の軸方向の位置を定める第2位置決め部材178を有する。第2操作部175は、第1操作部155と同様に、半径方向に伸びた操作部である。第1操作部155及び第2操作部175は、シリンダ11の軸中心を通り軸方向に平行な平面を挟んでそれぞれ反対側に、同軸状に配置されている。このような配置にすることにより、第1調整ユニット140及び第2調整ユニット160を備える第2減衰力発生装置200を、小型化することができる。
第2ベース176は、中央部に中央孔176aが形成された筒状の部材である。第2ベース176には、中央孔176aと第2ベース176の外部とを連通する連通孔176bが、周方向に等間隔に複数(例えば4つ)形成されている。
【0070】
第2アジャスタ177は、円柱状の部材であり、第2ベース176の中央孔176a内に挿入されている。第2アジャスタ177は、内側の端部から外側に凹んだ凹部177aが形成されている。凹部177aには、ピン159が嵌め込まれている。また、第2アジャスタ177は、軸方向に形成された凹部に挿入されたコイルバネに支持されるとともに、例えばコイルバネが自由長である場合に外周面から突出することにより、連通孔176bに嵌り込む嵌合部材177bを有する。また、第2アジャスタ177は、第2アジャスタ177の外周面から凹んだ溝に嵌め込まれたシールリング177cを有する。また、第2アジャスタ177には、外側の端面から内側に凹んだ操作溝177dが形成されている。第2アジャスタ177の先端部には、第2位置決め部材178に形成された雌ネジ178aと噛み合う雄ネジ177eが形成されている。
第2位置決め部材178は、円筒状の部材であり、取付部材95の挿入孔95a内に挿入されている。その内周面には、第2アジャスタ177の雄ネジ177eと噛み合う雌ネジ178aが形成されている。また、第2位置決め部材178における内側の端部であって、第4部173dの面取り173gに対向する部位には、面取り178bが施されている。
【0071】
[第1調整ユニット140の機能]
第1調整ユニット140においては、取付部材95の外側から第1操作部155の第1アジャスタ157が回転操作されると、柱状部157aが嵌め込まれている第1位置決め部材158がピン159回りに回転する。そして、第1位置決め部材158に形成された雄ネジ158cと、第1ベース156に形成された雌ネジ156cとの噛み合いにより、第1位置決め部材158が半径方向に移動する。例えば、雄ネジ158c及び雌ネジ156cが右ネジである場合には、第1アジャスタ157が右回りに回転操作されると、第1位置決め部材158は、嵌合部材157bから遠ざかる方向へと移動する。すると、保持部材153の第4部153dにおける他方側の端部の位置が、第1位置決め部材158の先端部158bの外周面に沿って他方側へ移動する。このようにして保持部材153が他方側へ移動するのに伴って、開閉部材135が他方側へ移動し、開閉部材135の板状部135aが、ナット97の連通路97aの開口部を塞ぐ方向に移動する。他方、第1アジャスタ157が左回りに回転操作されると、第1位置決め部材158が嵌合部材157bに近づく方向へと移動するのに伴って、保持部材153が一方側へ移動し、開閉部材135の板状部135aが、ナット97の連通路97aの開口部を開放する方向に移動する。
【0072】
[第2調整ユニット160の機能]
第2調整ユニット160においては、取付部材95の外側から第2操作部175の第2アジャスタ177が回転操作されると、第2アジャスタ177に形成された雄ネジ177eと、第2位置決め部材178に形成された雌ネジ178aとの噛み合いにより、第2位置決め部材178が半径方向に移動する。例えば、雄ネジ177e及び雌ネジ178aが左ネジである場合には、第2アジャスタ177が右回りに回転操作されると、第2位置決め部材178は、外側から内側へと移動する。すると、接触部材173の面取り173gの位置が、第2位置決め部材178の面取り178bに沿って一方側へ移動する。このようにして接触部材173が一方側へ移動するのに伴って、一方側へと移動する接触部材173によって、第2支持部材171が一方側へと押されることにより、第2支持部材171が一方側へ移動し、支持部材162が一方側へ移動する。その結果、第2バネ161の長さが短くなり、第2バネ161のプリセット荷重であるプリセット荷重Fが大きくなる。他方、例えば、雄ネジ177e及び雌ネジ178aが左ネジである場合には、第2アジャスタ177が左回りに回転操作されると、第2位置決め部材178が内側から外側へと移動するのに伴って、接触部材173及び第2支持部材171が他方側へ移動し、支持部材162が他方側へ移動する。その結果、第2バネ161の長さが長くなり、プリセット荷重Fが小さくなる。
【0073】
[第2減衰力発生装置200の機能]
開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を開放している場合、プリセット荷重Fが最小値である場合においても、第2バルブ132は、圧力Psが第1圧力P1よりも大きくなった場合に第2流路122を開くように設定されている。それゆえ、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係は、図6に示した関係となる。また、開閉部材135がナット97の連通路97aの開口部を塞いでいる場合、ピストン92の速度Vpと圧側行程時の減衰力との関係は、図7に示した関係となる。
【0074】
[緩衝器2の機能]
以上のように構成された緩衝器2においては、第2操作部175を操作することにより、第2バルブ132が開く圧力Psを調整することができる。そのため、緩衝器1よりも、低速域及び中速域での減衰力の調整とは別に、高速域での減衰力を独立して、容易に調整することができる。したがって、緩衝器2によれば、緩衝器1よりも、高速域における減衰力を容易に調整することができる。
【0075】
<第3の実施形態>
図11は、第3の実施形態に係る緩衝器3の断面の一例を示す図である。
緩衝器3は、上記緩衝器1に対して、第2減衰力発生装置100に代えて第2減衰力発生装置300を有するところが異なる。
以下、第2減衰力発生装置300について、第2減衰力発生装置100と異なる点について説明する。第2減衰力発生装置300と第2減衰力発生装置100とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0076】
第2減衰力発生装置300は、第2減衰力発生装置100に対して、油室S1から第1バルブ131へ至る流路が異なる。すなわち、第3の実施形態に備えられているピストン392は、上記ピストン92に対して、第1部121aを有していない点が異なる。つまり、第3の実施形態に備えられている第1流路321は、第2部121bと第3部121cとから構成されている。また、第3の実施形態に係るナット397は、上記ナット97に対して、連通路97aが形成されていない点が異なる。また、第3の実施形態に係るピストンロッド393は、上記ピストンロッド93に対して、内側と外側を連通する連通孔393aが、軸方向においてピストン392の第3部121cに対応する位置に形成されている。
【0077】
以上のように構成された第2減衰力発生装置300においては、開閉部材135の板状部135aが、ナット397における一方側の端面と接触していない場合には、油室S1内の油は、開閉部材135の柱状部135bとピストンロッド393の内周面との間の隙間、ピストンロッド393の連通孔393a、ピストン392の第3部121c及び第2部121bを介して、第1バルブ131へ至る。
第2減衰力発生装置300がこのように構成されていても、第2減衰力発生装置100と同様の効果を奏することができる。
なお、第2減衰力発生装置200においても、油室S1から第1バルブ131へ至る流路が、第2減衰力発生装置300と同様に構成されていても良い。
【符号の説明】
【0078】
1,2,3…緩衝器、11…シリンダ、11b…第2端部、11t…第1端部、40…減衰力発生装置、92…ピストン、93,293…ピストンロッド(ロッド)、93b…第2端部側の端部、93t…第1端部側の端部、97…ナット、97a…連通路、100,200,300…第2減衰力発生装置、121…第1流路、122…第2流路、131…第1バルブ、132…第2バルブ、135…開閉部材、140…第1調整ユニット、150…第1調整部、160…第2調整ユニット、161…第2バネ、161b…第2バネの第2端部側の端部、162…支持部材、170…第2調整部、190…調整ユニット、S1…油室(第1端部側の室)、P1…第1圧力、P2…第2圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11

【手続補正書】
【提出日】2020年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダの軸方向の第1端部に固定された第1減衰力発生部と、前記シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生部と、を備え、
前記シリンダは、内筒と外筒とによって構成され、
前記内筒の上端部及び前記外筒の上端部は、ダンパーケースに挿入されて保持され、
前記ダンパーケースには、前記内筒の前記上端部の開口に対向する位置に、前記内筒の内部空間である前記第1端部側の油室と前記第1減衰力発生部の油室とを連通する第1連通路の一端が開口して形成され、
前記ダンパーケースには、開口部が形成され、該開口部に連続して、前記第1減衰力発生部の前記第1端部側の油室とは異なる油室と、前記内筒と前記外筒との間の流路である環状流路とを連通する第2連通路が形成され、
前記第2減衰力発生部は、前記シリンダ内の空間を区画するピストンの軸方向を貫通する第1流路と、前記第1流路の前記第1端部側の端部に配置されて前記第1流路を開閉する開閉部材と、前記開閉部材の前記軸方向の位置を調整する調整ユニットと、前記第1流路とは異なる位置において前記ピストンの軸方向を貫通する第2流路と、前記第1端部とは反対側の前記軸方向の端部である第2端部の側における前記第2流路の端部に配置されて前記第2流路を開閉する第2バルブと、を有し、
前記第1流路は、前記ピストンの半径方向中央部に形成されてピストンロッドを通す中央孔よりも半径方向外側の位置に形成され、
前記第2流路は、前記第1流路よりも前記シリンダの半径方向外側に形成され、
前記ピストンの前記第1端部側において、前記ピストンの内側を通された前記ピストンロッドに締め付けられることで、前記ピストンの位置を定めるナットを有し、
前記ナットは、前記第1流路と前記シリンダ内の空間とを連通する連通路を有し、
前記開閉部材は、前記第1端部側に設けられた円板状の板状部と、前記第2端部側に設けられた円柱状の柱状部と、を有し、
前記開閉部材の前記板状部が前記連通路の開口部を開放することにより、前記第1流路が開放される緩衝器。
【請求項2】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、をさらに有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、前記支持部材の位置を調整する調整部と、を有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項4】
前記第2減衰力発生部は、前記第1流路における前記第2端部側の開口部を開閉する第1バルブをさらに有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項5】
前記第2バルブは、前記シリンダ内における前記ピストンによって区画された前記第1端部側の油室の圧力が、予め定められた所定圧力以上になった場合に前記第2流路を開き、
前記第1減衰力発生部は、前記第1端部側の油室の圧力が前記所定圧力未満でも減衰力を発生させる
請求項1から4のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項6】
前記調整ユニットは、前記開閉部材の位置を、前記ナットの前記第1端部側の面に前記開閉部材を接触させることで前記連通路の開口部を塞ぐ位置と、前記第1端部側の面から前記開閉部材を離間させることで前記連通路の開口部を開放する位置とに調整可能である
請求項1から5のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項7】
前記シリンダは、前記第1端部側が車体側に配置され、
前記ピストンロッドは、前記ピストンを前記第1端部側の端部に保持して、前記第2端部側の端部が車輪側に配置されている
請求項1から6のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項8】
車体と、前記車体の進行方向の前方に配設された前輪と、前記進行方向の後方に配設された後輪と、前記車体と前記前輪との間に配設された第1緩衝器と、前記車体と前記後輪との間に配設された第2緩衝器と、を備え、
少なくとも前記第2緩衝器が、請求項1から7のいずれか1項に記載された緩衝器である、鞍乗型車両。
【請求項9】
(削除)

【手続補正書】
【提出日】2020年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダの軸方向の第1端部に固定された第1減衰力発生部と、前記シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生部と、を備え、
前記シリンダは、内筒と外筒とによって構成され、
前記内筒の上端部及び前記外筒の上端部は、ダンパーケースに挿入されて保持され、
前記ダンパーケースには、前記内筒の前記上端部の開口に対向する位置に、前記内筒の内部空間である前記第1端部側の油室と前記第1減衰力発生部の油室とを連通する第1連通路の一端が開口して形成され、
前記ダンパーケースには、開口部が形成され、該開口部に連続して、前記第1減衰力発生部の前記第1端部側の油室とは異なる油室と、前記内筒と前記外筒との間の流路である環状流路とを連通する第2連通路が形成され、
前記第2減衰力発生部は、前記シリンダ内の空間を区画するピストンの軸方向を貫通する第1流路と、前記第1流路の前記第1端部側の端部に配置されて前記第1流路を開閉する開閉部材と、前記開閉部材の前記軸方向の位置を調整する調整ユニットと、前記第1流路とは異なる位置において前記ピストンの軸方向を貫通する第2流路と、前記第1端部とは反対側の前記軸方向の端部である第2端部の側における前記第2流路の端部に配置されて前記第2流路を開閉する第2バルブと、を有し、
前記第1流路は、前記ピストンの半径方向中央部に形成されてピストンロッドを通す中央孔よりも半径方向外側の位置に形成され、
前記第2流路は、前記第1流路よりも前記シリンダの半径方向外側に形成され、
前記ピストンの前記第1端部側において、前記ピストンの内側を通された前記ピストンロッドに締め付けられることで、前記ピストンの位置を定めるナットを有し、
前記ナットは、前記第1流路と前記シリンダ内の空間とを連通する連通路を有し、
前記開閉部材は、前記第1端部側に設けられた円板状の板状部と、前記第2端部側に設けられた円柱状の柱状部と、を有し、
前記開閉部材の前記板状部が前記連通路の開口部を開放することにより、前記第1流路が開放される緩衝器。
【請求項2】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、をさらに有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
前記第2減衰力発生部は、前記第2バルブに対し閉じる方向の力を付与するバネと、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材と、前記支持部材の位置を調整する調整部と、を有する
請求項1に記載の緩衝器。
【請求項4】
前記第2減衰力発生部は、前記第1流路における前記第2端部側の開口部を開閉する第1バルブをさらに有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項5】
前記第2バルブは、前記シリンダ内における前記ピストンによって区画された前記第1端部側の室の圧力が、予め定められた所定圧力以上になった場合に前記第2流路を開き、
前記第1減衰力発生部は、前記第1端部側の室の圧力が前記所定圧力未満でも減衰力を発生させる
請求項1から4のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項6】
前記調整ユニットは、前記開閉部材の位置を、前記ナットの前記第1端部側の面に前記開閉部材を接触させることで前記連通路の開口部を塞ぐ位置と、前記第1端部側の面から前記開閉部材を離間させることで前記連通路の開口部を開放する位置とに調整可能である
請求項1から5のいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項7】
前記シリンダは、前記第1端部側が車体側に配置され、
前記ピストンロッドは、前記ピストンを前記第1端部側の端部に保持して、前記第2端部側の端部が車輪側に配置されている
請求項1からのいずれか1項に記載の緩衝器。
【請求項8】
車体と、前記車体の進行方向の前方に配設された前輪と、前記進行方向の後方に配設された後輪と、前記車体と前記前輪との間に配設された第1緩衝器と、前記車体と前記後輪との間に配設された第2緩衝器と、を備え、
少なくとも前記第2緩衝器が、請求項1からのいずれか1項に記載された緩衝器である、鞍乗型車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
以下、本開示について説明する。以下の説明では、本開示の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本開示が図示の形態に限定されるものではない。
本開示の1つの態様は、シリンダ(11)の軸方向の第1端部(11t)に固定された第1減衰力発生部(40)と、前記シリンダ内を軸方向に移動可能に配置された第2減衰力発生部(100、200)と、を備え、前記シリンダは、内筒(20)と外筒(21)とによって構成され、前記内筒の上端部(20t)及び前記外筒の上端部(21t)は、ダンパーケース(15)に挿入されて保持され、前記ダンパーケースには、前記内筒の前記上端部の開口に対向する位置に、前記内筒の内部空間である前記第1端部側の油室(S1)と前記第1減衰力発生部の油室(S11)とを連通する第1連通路(102)の一端が開口して形成され、前記ダンパーケースには、開口部(104)が形成され、該開口部に連続して、前記第1減衰力発生部の前記第1端部側の油室とは異なる油室(S13)と、前記内筒と前記外筒との間の流路である環状流路(101)とを連通する第2連通路(105)が形成され、前記第2減衰力発生部は、前記シリンダ内の空間を区画するピストン(92)の軸方向を貫通する第1流路(121)と、前記第1流路の前記第1端部側の端部に配置されて前記第1流路を開閉する開閉部材(135)と、前記開閉部材の前記軸方向の位置を調整する調整ユニット(190、140)と、前記第1流路とは異なる位置において前記ピストンの軸方向を貫通する第2流路(122)と、前記第1端部とは反対側の前記軸方向の端部である第2端部の側における前記第2流路の端部に配置されて前記第2流路を開閉する第2バルブ(132)と、を有し、前記第1流路は、前記ピストンの半径方向中央部に形成されてピストンロッド(93、293)を通す中央孔よりも半径方向外側の位置に形成され、前記第2流路は、前記第1流路よりも前記シリンダの半径方向外側に形成され、前記ピストンの前記第1端部側において、前記ピストンの内側を通された前記ピストンロッドに締め付けられることで、前記ピストンの位置を定めるナット(97)を有し、前記ナットは、前記第1流路と前記シリンダ内の空間とを連通する連通路(97a)を有し、前記開閉部材は、前記第1端部側に設けられた円板状の板状部(135a)と、前記第2端部側に設けられた円柱状の柱状部(135b)と、を有し、前記開閉部材の前記板状部が前記連通路の開口部を開放することにより、前記第1流路が開放される緩衝器(1、2、3)である。
ここで、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第2バルブ(132)に対し閉じる方向の力を付与するバネ(137)と、前記バネ(137)の前記第2端部側の端部を支持する支持部材(138)と、をさらに有しても良い。
また、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第2バルブ(132)に対し閉じる方向の力を付与するバネ(161)と、前記バネの前記第2端部側の端部を支持する支持部材(162)と、前記支持部材の位置を調整する調整部(170)と、を有しても良い。
また、前記第2減衰力発生部(100、200)は、前記第1流路(121)における前記第2端部側の開口部を開閉する第1バルブ(131)をさらに有しても良い。
また、前記第2バルブ(132)は、前記シリンダ(11)内における前記ピストン(92)によって区画された前記第1端部側の室(S1)の圧力が、予め定められた所定圧力(P2)以上になった場合に前記第2流路(122)を開き、前記第1減衰力発生部(40)は、前記第1端部側の室の圧力が前記所定圧力未満でも減衰力を発生させても良い。
また、前記調整ユニット(190、140)は、前記開閉部材(135)の位置を、前記ナット(97)の前記一方側の面に前記開閉部材を接触させることで前記連通路(97a)の開口部を塞ぐ位置と、前記第1端部側の面から前記開閉部材を離間させることで前記連通路の開口部を開放する位置とに調整可能であっても良い。
また、前記シリンダ(11)は、前記第1端部側が車体側に配置され、前記ピストンロッド(93、293)は、前記ピストン(92)を前記第1端部側の端部に保持して、前記第2端部側の端部が車輪側に配置されていても良い。
また、本開示の他の態様は、車体(4)と、前記車体の進行方向の前方に配設された前輪(5)と、前記進行方向の後方に配設された後輪(6)と、前記車体と前記前輪との間に配設された第1緩衝器(7)と、前記車体と前記後輪との間に配設された第2緩衝器(1、2、3)と、を備え、少なくとも前記第2緩衝器が、上記何れかの緩衝器(1、2、3)である、鞍乗型車両(10)である。
【国際調査報告】