(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2021年2月25日
【発行日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】弾性繊維用処理剤及びその利用
(51)【国際特許分類】
D06M 15/643 20060101AFI20210924BHJP
【FI】
D06M15/643
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2021-536369(P2021-536369)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2020年8月6日
(31)【優先権主張番号】特願2019-150131(P2019-150131)
(32)【優先日】2019年8月20日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2019-150129(P2019-150129)
(32)【優先日】2019年8月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,IT,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000188951
【氏名又は名称】松本油脂製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中西 久嗣
(72)【発明者】
【氏名】安永 和史
(72)【発明者】
【氏名】中川 幹生
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AA04
4L033AB01
4L033AC09
4L033CA59
4L033CA60
(57)【要約】
飛散防止性及び制電性に優れた弾性繊維用処理剤と弾性繊維の製造方法とを提供する。
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000である、弾性繊維用処理剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、
前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000である、弾性繊維用処理剤。
【請求項2】
前記変性シリコーン(A1)及び/又は前記変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度が5〜10000mm2/sである、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項3】
前記変性シリコーン(A1)の重量平均分子量が1000〜100000である、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項4】
前記変性シリコーン(A1)が下記一般式(1)で示される、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【化1】
(一般式(1)において、
X
1:一般式(2)で示される有機基。
X
2:炭素数4〜30のアルキル基
X
3:一般式(3)で示される有機基
X
4:一般式(4)で示される有機基
a:0〜1000の整数
b:1〜1000の整数
c:1〜1000の整数
d:0〜1000の整数
e:0〜1000の整数
但し、a、b、c、d、eの結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。)
【化2】
(但し、一般式(2)において、
R
1:水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、又はR
2−(CO)−で示される有機基
R
2:炭素数1〜30の炭化水素基
f:0〜20の整数
g:2〜200の整数
h:0〜200の整数
但し、g、hの結合単位はランダムでもブロックでもよい)
【化3】
(一般式(3)において、R
3は、炭素数1〜30アルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基等の非置換又は置換一価炭化水素基、又は前記一般式(2)の有機基である。R
3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
i:1〜5の整数
j:0〜500の整数)
【化4】
R
4:炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
R
5:水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基
【請求項5】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも1つが1〜1000の整数である、請求項4に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項6】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも2つが1〜1000の整数である、請求項4又は5に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項7】
前記a、前記d及び前記eが1〜1000の整数である、請求項4〜6のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項8】
処理剤に占める前記シリコーン(A)の重量割合が0.01〜20重量%、前記平滑剤(B)の重量割合が80〜99.99重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤が弾性繊維本体に対して付与されてなる、弾性繊維。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性繊維用処理剤及び該処理剤が付与された弾性繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性繊維用処理剤は通常ベース成分として、シリコーン油、鉱物油およびエステル油などの液状成分が用いられている(特許文献1)。特に単糸繊度の小さい細物弾性繊維銘柄を紡糸する際には、給油時にローラーやノズルに糸が取られて糸切れすることを抑制する為に、低粘度の液状成分をベースとした油剤が使用される。しかし昨今の紡糸工程の高速化に伴い、従来の弾性繊維用処理剤では給油時およびその後の工程での油剤飛散量が顕著化しており、作業環境の改善や処理剤の使用量低減の観点で、油剤飛散量の抑制が切望されていた。
また、上記油剤飛散の問題に加え、高速化する加工工程において、静電気発生量増加に伴う糸揺れにより、糸切れや加工品の品質悪化が問題となるケースがある。特に細物銘柄において静電気の影響を大きく受けやすい為、静電気発生量の低減の必要性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−348783
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、飛散防止性及び制電性に優れた弾性繊維用処理剤と弾性繊維の製造方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のシリコーン化合物と平滑剤を含む弾性繊維用処理剤であれば、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明の弾性繊維用処理剤は、ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000である。
【0006】
前記変性シリコーン(A1)及び/又は前記変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度が5〜10000mm
2/sであると好ましい。
前記変性シリコーン(A1)の重量平均分子量が1000〜100000であると好ましい。
前記変性シリコーン(A1)が下記一般式(1)で示されると好ましい。
【0007】
【化1】
(一般式(1)において、
X
1:一般式(2)で示される有機基。
X
2:炭素数4〜30のアルキル基
X
3:一般式(3)で示される有機基
X
4:一般式(4)で示される有機基
a:0〜1000の整数
b:1〜1000の整数
c:1〜1000の整数
d:0〜1000の整数
e:0〜1000の整数
但し、a、b、c、d、eの結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。)
【0008】
【化2】
(但し、一般式(2)において、
R
1:水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、又はR
2−(CO)−で示される有機基
R
2:炭素数1〜30の炭化水素基
f:0〜20の整数
g:2〜200の整数
h:0〜200の整数
但し、g、hの結合単位はランダムでもブロックでもよい)
【0009】
【化3】
(一般式(3)において、R
3は、炭素数1〜30アルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基等の非置換又は置換一価炭化水素基、又は前記一般式(2)の有機基である。R
3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
i:1〜5の整数
j:0〜500の整数)
【0010】
【化4】
R
4:炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
R
5:水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基
【0011】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも1つが1〜1000の整数であると好ましい。
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも2つが1〜1000の整数であると好ましい。
前記a、前記d及び前記eが1〜1000の整数であると好ましい。
処理剤に占める前記変性シリコーン(A1)の重量割合が0.01〜20重量%、前記平滑剤(B)の重量割合が80〜99.99重量%であると好ましい。
【0012】
本発明の弾性繊維は、上記弾性繊維用処理剤を弾性繊維本体に対して付与してなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の弾性繊維用処理剤は、飛散防止性と制電性に優れる。本発明の弾性繊維は、制電性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の弾性繊維用処理剤は、特定のシリコーン化合物と平滑剤を含むことを特徴とする。以下に詳細に説明する。
【0016】
〔シリコーン(A)〕
シリコーン(A)は、ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種である。
【0017】
〔ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)〕
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)は、本発明に必須の成分であり、後述する平滑剤(B)と併用されることにより、飛散防止効果がある。
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数は4〜30であり、6〜26が好ましく、10〜22がより好ましい。炭素数が3以下では、飛散防止性が低下し、炭素数が30を越えると、制電性が低下する。
【0018】
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)の25℃における動粘度は、飛散防止性及び制電性が優れる観点から、5〜10000mm
2/sが好ましく、20〜8000mm
2/sがより好ましく、50〜5000mm
2/sがさらに好ましい。
【0019】
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)の重量平均分子量は、1000〜100000が好ましく、2000〜70000がより好ましく、3000〜40000がさらに好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、制電性が低下し、100000を超えると、摩擦特性の悪化に繋がり、布品位が低下することがある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
【0020】
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)は、飛散防止性及び制電性が優れる観点から、上記一般式(1)で示されると好ましい。
X
1は、一般式(2)で示される有機基である。
X
2は炭素数4〜30の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、炭素数6〜28が好ましく、炭素数8〜24がより好ましく、炭素数10〜22がさらに好ましい。
X
3は、一般式(3)で示される有機基である。
X
4は、一般式(4)で示される有機基である。
aは、0〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500が好ましく、1〜200がより好ましい。
bは、1〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜400が好ましく、1〜200がより好ましく、1〜100がさらに好ましい。
cは、1〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
dは、0〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500の整数が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
eは、0〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
一般式(1)において、a,b,c,d及びeの結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。
【0021】
一般式(2)中、R
1は、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、又はR
2−(CO)−で示される有機基である。飛散防止効果の観点から、水素原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜18がより好ましく、炭素数1〜16がさらに好ましい。
R
2は、炭素数1〜30の炭化水素基である。飛散防止効果の観点から、炭素数2〜28の炭化水素基が好ましく、炭素数6〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数8〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
【0022】
一般式(3)において、R
3は、炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基等の非置換又は置換一価炭化水素基、又は前記一般式(2)の有機基である。
iは、1〜5の整数であり、特にビニルシロキシ基とSiH基との反応から合成する場合、iは2である。
jは、0〜500の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜50が好ましい。
【0023】
一般式(4)において、R
4は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、炭素数1〜8が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。
R
5は、水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、水素原子、又はメチル基が好ましい。
【0024】
〔アラルキル変性シリコーン(A2)〕
アラルキル変性シリコーン(A2)は、分子内にアラルキル基を有するシリコーン化合物であり、かつ、分子内にポリエーテル変性基のないものである。すなわち、上記変性シリコーン(A1)とは相違するものである。
アラルキル変性シリコーン(A2)の重量平均分子量は1000〜100000が好ましく、2000〜70000がより好ましく、3000〜40000がさらに好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、制電性が低下し、100000を超えると、摩擦特性の悪化に繋がり、布品位が低下することがある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
【0025】
アラルキル変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度は、5〜10000mm
2/sであり、この範囲外では飛散防止性及び制電性が劣る。後述する平滑剤(B)と併用されることにより、飛散防止効果がある。
アラルキル変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度は、飛散防止性及び制電性が優れる観点から、20〜6000mm
2/sがより好ましく、50〜4000mm
2/sがさらに好ましい。
【0026】
アラルキル変性シリコーン(A2)は、飛散防止性及び制電性が優れる観点から、下記一般式(11)で示されると好ましい。
【0027】
【化11】
(一般式(11)において、
X
11:一般式(12)で示される有機基
X
12:炭素数2〜30の脂肪族炭化水素基
a1:0〜1000の整数
b1:1〜1000の整数
c1:0〜1000の整数
但し、a1、b1、c1の結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。)
【0028】
【化12】
(一般式(12)において、
R
11:炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
R
12:水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基)
【0029】
X
12は、炭素数2〜30の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、炭素数3〜28が好ましく、炭素数7〜25がより好ましく、炭素数10〜22がさらに好ましい。
a1は、0〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500の整数が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
b1は、1〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
c1は、0〜1000の整数であり、飛散防止効果の観点から、1〜500の整数が好ましく、1〜350がより好ましく、1〜200がさらに好ましい。
一般式(11)において、a1、b1及びc1の結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。
【0030】
一般式(12)中、R
11は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、炭素数1〜8が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。
R
12は、水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基であり、飛散防止効果の観点から、水素原子、又はメチル基が好ましい。
【0031】
〔平滑剤(B)〕
前記平滑剤(B)は、シリコーン油(B1)、鉱物油(B2)、ポリαオレフィン(B3)、及びエステル油(B4)より選ばれる少なくとも1種である。当該平滑剤(B)は、上記弾性繊維用処理剤に必須な成分であり、繊維/金属間の摩擦を低減する剤である。
【0032】
シリコーン油(B1)は、ポリエーテルアルキル変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)を除くシリコーン成分である。
シリコーン油(B1)としては、特に限定はないが、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−10cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−20cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−50cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−100cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−1000cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−96−1万cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−50−100cs、信越化学工業株式会社製の商品名KF−4003、信越化学工業株式会社製の商品名KF−4917、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−5A、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−10、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−20、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−30、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−50、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−100、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−1000、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−1M、東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名SH200−10CS、東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名SH200−20CS、東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名SH200−50CS、東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名SH510−100CS、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製の商品名WACKER SILICONE FLUID AK10、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製の商品名WACKER SILICONE FLUID AK20、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製の商品名WACKER SILICONE FLUID AK50等のポリジメチルシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン等を挙げることができる。1種または2種以上を併用してもよい。また、原料由来の未反応シラノール基や未反応のハロゲン基、重合触媒、環状シロキサン等を含んでいてもよい。
【0033】
鉱物油(B2)としては、特に限定はないが、例えば、sonneborn社製の商品名Semtol40 OIL、sonneborn社製の商品名Carnation、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンD、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンE、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンRC、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンRB、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモニュートラル100、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモニュートラル150、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモニュートラル350、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモホワイトP200、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモホワイトP260、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモホワイトP350P、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアセイフティー10、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアセイフティー22、コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアセイフティー32、富士興産株式会社製の商品名フッコールNT−60、富士興産株式会社製の商品名フッコールNT−100、S−OIL社製の商品名Ultra−S 2、S−OIL社製の商品名Ultra−S 3、S−OIL社製の商品名Ultra−S 4、S−OIL社製の商品名Ultra−S 6、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 3、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 4、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 4 Plus、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 6、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 6 Plus、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 6J、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 8、SK Lubricants社製の商品名YUBASE 8J、出光興産株式会社製の商品名ダイアナフレシア W8、出光興産株式会社製の商品名ダイアナフレシア W32、出光興産株式会社製の商品名ダイアナフレシア G9、出光興産株式会社製の商品名ダイアナフレシア K8、出光興産株式会社製の商品名ダイアナフレシア S32、エクソンモービル社製の商品名クリストール N72、日本サン石油社製の商品名SUN 60N等の マシン油、スピンドル油、流動パラフィン等を挙げることができる。これらの中でも、鉱物油としては、臭気の発生が低いという理由から、流動パラフィンが好ましい。鉱物油は、1種または2種以上を併用してもよい。
【0034】
ポリαオレフィン(B3)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン等のαオレフィンから合成されたものが挙げられる。具体的には新日鉄住金化学社製の商品名PAO201、新日鉄住金化学社製の商品名PAO401、新日鉄住金化学社製の商品名PAO601、新日鉄住金化学社製の商品名PAO801、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名リポルーブ40、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名リポルーブ60、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名リポルーブ80等が挙げられる。
【0035】
エステル油(B4)としては、1価アルコールと1価カルボン酸とのエステル、1価アルコールと多価カルボン酸とのエステル、又は多価アルコールと1価カルボン酸とのエステルであれば特に限定はなく、1種又は2種以上を使用してもよい。1価アルコールとしては、後述の1価の脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール、フェノール類等を使用できる。これらの中でも、一価の脂肪族アルコール、芳香族アルコールが好ましい。
【0036】
1価の脂肪族アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、1−エイコサノール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
脂環式アルコールとしては、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロペンタノール、メントール等が挙げられる。
【0037】
1価カルボン酸としては、同じく後述の1価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸を使用できる。これらの中でも、一価の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が好ましい。
【0038】
上記1価カルボン酸としては、特に限定はないが、例えば、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、安息香酸等が挙げられる。
【0039】
多価カルボン酸としては、特に限定はないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、クエン酸、イソクエン酸等が挙げられる。
【0040】
多価アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0041】
エステル油(B4)の具体例としては、特に限定はないが、例えば、吉草酸ヘプチル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプリル酸セチル、ラウリン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ラウリン酸オレイル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸トリデシル、ステアリン酸イソブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸オレイル、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジミリスチル酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリプロピレングリコール、ジミリスチン酸ポリプロピレングリコール、ジオレイン酸ポリプロピレングリコール、ジステアリン酸ポリプロピレングリコール、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジイソオクチル、コハク酸ジラウリル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジオクチル、フマル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソブチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソステアリル、グリセリントリイソオクチル、グリセリントリラウリル、グリセリントリミリスチル、グリセリントリオレイル、グリセリントリステアリル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリパルミテート等が挙げられる。
【0042】
〔その他成分(D)〕
本発明の弾性繊維用処理剤は、平滑性、解舒性、制電性、の性能向上、チーズの巻き形状の改善という観点から、上記で説明した各成分以外に、変性シリコーン(A1)及び変性シリコーン(A2)以外の変性シリコーン、シリコーンレジン、高級アルコール、多価アルコール、有機リン酸エステル、有機アミン、金属石鹸、オルガノポリシロキサン樹脂、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも一種のその他成分をさらに含有してもよい。その他成分は、1種または2種以上を使用してもよい。
【0043】
上記変性シリコーンとは、一般には、ジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン)等のポリシロキサンの両末端、片末端、側鎖、側鎖両末端の少なくとも1ヶ所において、反応性(官能)基または非反応性(官能)基が少なくとも1つ結合した構造を有するものをいう。
【0044】
上記変性シリコーンとしては、より詳細には、長鎖アルキル基(炭素数6以上のアルキル基や2−フェニルプロピル基等)を有する変性シリコーン等のアルキル変性シリコーン;エステル結合を有する変性シリコーンであるエステル変性シリコーン;ポリオキシアルキレン基(たとえば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等)を有する変性シリコーンであるポリエーテル変性シリコーン等;アミノプロピル基やN−(2−アミノエチル)アミノプロピル基等を有する変性シリコーンである、アミノ変性シリコーン;アルコール性水酸基を有する変性シリコーンであるカルビノール変性シリコーン;グリシジル基または脂環式エポキシ基等のエポキシ基を有する変性シリコーンであるエポキシ変性シリコーン;カルボキシル基を有する変性シリコーンであるカルボキシ変性シリコーン;メルカプト基を有する変性シリコーンであるメルカプト変性シリコーン等を挙げることができる。
【0045】
上記シリコーンレジンとは、オルガノポリシロキサン樹脂のことで、3次元架橋構造を有するシリコーンを意味する。シリコーンレジンは、一般に、1官能性構成単位(M)、2官能性構成単位(D)、3官能性構成単位(T)および4官能性構成単位(Q)から選ばれた少なくとも1種の構成単位からなっている。
【0046】
上記シリコーンレジンとしては、特に限定されないが、例えば、MQシリコーンレジン、MQTシリコーンレジン、Tシリコーンレジン、DTシリコーンレジン等のシリコーンレジン等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記MQシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるR
aR
bR
cSiO
1/2(但し、R
a、R
bおよびR
cはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO
4/2と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
【0048】
上記MQTシリコーンレジンとしては、たとえば、1官能性構成単位であるR
aR
bR
cSiO
1/2(但し、R
a、R
bおよびR
cはいずれも炭化水素基である。)と、4官能性構成単位であるSiO
4/2と、3官能性構成単位であるRSiO
3/2(但し、Rは炭化水素基である。)と含むシリコーンレジン等を挙げることができる。
【0049】
上記Tシリコーンレジンとしては、たとえば、3官能性構成単位であるRSiO
3/2(但し、Rは炭化水素基である。)を含むシリコーンレジン(その末端は炭化水素基のほか、シラノール基やアルコキシ基となっていても良い。)等を挙げることができる。
【0050】
上記DTシリコーンレジンとしては、たとえば、2官能性構成単位であるR
aR
bSiO
2/2(但し、R
a、およびR
bはいずれも炭化水素基である。)と、3官能性構成単位であるRSiO
3/2(但し、Rは炭化水素基である。)等を挙げることができる。
【0051】
R、R
a、R
bおよびR
cの炭化水素基としては、炭素数1〜24の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等を挙げることができ、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基が好ましい。
【0052】
上記高級アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数6〜30の直鎖及び/又は分岐鎖のアルコールが挙げられ、具体例として、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ヘネイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ペンタコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、ノナコサノール、およびトリアコサノール等の直鎖アルコール;2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘプタノール、2−ブチルオクタノール、1−メチルヘプタデカノール、2−ヘキシルオクタノール、1−ヘキシルヘプタノール、イソデカノール、イソトリデカノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール等の分岐アルカノール;ヘキセノール、ヘプテノール、オクテノール、ノネノール、デセノール、ウンデセノール、ドデセノール、トリデセノール、テトラデセノール、ペンタデセノール、ヘキサデセノール、ペンタデセノール、ヘキサデセノール、ヘプタデセノール、オクタデセノール、ノナデセノール、エイセノール、ドコセノール、テトラコセノール、ペンタコセノール、ヘキサコセノール、ヘプタコセノール、オクタコセノール、ノナコセノールおよびトリアコンセノール等の直鎖アルケノール;イソヘキセノール、2−エチルヘキセノール、イソトリデセノール、1−メチルヘプタデセノール、1−ヘキシルヘプテノール、イソトリデセノール、およびイソオクタデセノール等の分岐アルケノール等が挙げられる。
【0053】
上記多価アルコールとしては、具体例として、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパンが挙げられる。
【0054】
上記有機リン酸エステルとしては、分子中に炭化水素基もしくはオキシアルキレン基を少なくとも一つ以上含むものであれば特に限定はされないが、例えばヘキシルリン酸エステル、オクチルリン酸エステル、デシルリン酸エステル、ドデシルリン酸エステル、テトラデシルリン酸エステル、ヘキサデシルリン酸エステル、オクタデシルリン酸エステル、ベヘニルリン酸エステル、トリオクタコサニルリン酸エステル、オクタデセニルリン酸エステル、2−エチルヘキシルリン酸エステル、イソへプチルリン酸エステル、イソオクチルリン酸エステル、イソノニルリン酸エステル、イソデシルリン酸エステル、イソウンデシルリン酸エステル、イソドデシルリン酸エステル、イソトリデシルリン酸エステル、イソテトラデシルリン酸エステル、イソヘキサデシルリン酸エステル、イソオクタデシルリン酸エステル、t−ブチルリン酸エステル、ベンジルリン酸エステル、オクチルフェニルリン酸エステル、シクロヘキシルリン酸エステル、ポリオキシエチレン5モル付加ヘキサデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン15モル付加ヘキサデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン7モル付加ポリオキシプロピレン3.5モル付加セカンダリーアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン2モルポリオキシプロピレン5モル付加ドデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレン3モル付加セカンダリーアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン2モル付加ドデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレン4モル付加フェノールリン酸エステル等が挙げられる。
【0055】
有機アミンとしては、分子中に炭化水素基もしくはオキシアルキレン基を少なくとも一つ以上含むものであれば特に限定はされないが、例えばラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、ポリオキシプロピレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ラウリルアミン、ポリオキシエチレン付加ステアリルアミン、ポリオキシエチレン付加オレイルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ラウリルエタノールアミン、トリオクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルステアリルアミン等が挙げられる。
【0056】
上記金属石鹸としては、炭素数8〜22の脂肪酸の1価、2価又は3価の金属塩を挙げることができる。金属石鹸としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、2−エチルヘキシル酸マグネシウム、ベヘニン酸亜鉛、トリベヘニン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。これらの金属石鹸は、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0057】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、炭素数8〜22のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのオキシアルキレン付加物(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)などの多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノール、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルフェノールのオキシアルキレン付加物(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)、脂肪酸ポリオキシアルキレングリコールエステル(オキシアルキレンが1〜20モル、オキシアルキレンはオキシエチレン及び/又はオキシプロピレンであり、ランダム及び又はブロックである。)等が挙げられる。これらのノニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0058】
上記カチオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば上記有機アミン又はその塩、及び4級アンモニウム塩がある。4級アンモニウム塩として具体的には、ジデシルジメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらのカチオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0059】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルカンスルホン酸及び/またはその塩、ジアルキルスルホコハク酸及び/またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸及び/またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸及び/またはその塩、アルキル硫酸及び/またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及び/またはその塩、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、またはこれらの成分の塩等がある。具体的には、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルカンスルホン酸及び/またはその塩、後述するジアルキルスルホコハク酸エステル及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸及び/又はその塩、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及び/またはその塩、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸、炭素数6〜22のアルキル基を有するアルキルリン酸のアルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、炭素数が6〜22のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルアリ土類金属塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。
【0060】
〔弾性繊維用処理剤〕
本発明の弾性繊維用処理剤の30℃における粘度は、好ましくは5〜80mm
2/s、より好ましくは5〜50mm
2/s、さらに好ましくは6〜30mm
2/sである。粘度が低すぎると、紡糸及び後加工工程で弾性繊維を走行させる際に処理剤が霧状に飛散し、周辺を汚したり作業者が吸入したりする場合がある。また、粘度が高すぎると、紡糸および後加工工程で弾性繊維を走行させる際、粘着性によって走行ローラーに糸が巻き付き、糸切れを生じる場合がある。
【0061】
本発明の弾性繊維用処理剤の製造方法については、特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、いくつかの成分を予め配合していて、それ以外の成分と混合する方法でもよく、全成分を一挙に混合する方法でもよい。
【0062】
脂肪酸金属塩を含む弾性繊維用処理剤は、既に粉砕された脂肪酸金属塩をベース成分に混合して製造してもよく、また、ベース成分に脂肪酸金属塩を混合し、縦型ビーズミル、横型ビーズミル、コロイドミル、サンドグラインダー等の従来公知の湿式粉砕機を用いて、所定の平均粒子径になるように粉砕して、製造してもよい。脂肪酸金属塩の粉砕時には、従来公知の特開平10−259577号公報、特開2000−328459号公報などに記載の分散助剤を用いてもよい。
【0063】
処理剤に占める前記シリコーン(A)の重量割合は0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜15重量%がより好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましく、0.2〜8重量%が特に好ましい。0.01質量部未満では、飛散防止性と制電性が低下することがある。20質量部を超えると、摩擦特性の悪化に繋がり、布品位が低下することがある。
【0064】
処理剤に占める前記平滑剤(B)の重量割合は80〜99.99重量%が好ましく、84〜99.5重量%がより好ましく、88〜97重量%がさらに好ましく、90〜95重量%が特に好ましい。前記平滑剤(B)の割合が80重量%未満であると摩擦特性の悪化に繋がり、布品位が低下することがある。
【0065】
弾性繊維用処理剤がその他成分を含有する場合、処理剤を使用する際の流動性を維持するという見地から、弾性繊維用処理剤全体に占めるその他成分の重量割合は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜13重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0066】
〔弾性繊維〕
本発明の弾性繊維は、弾性繊維本体に、本発明の弾性繊維用処理剤が付与されたものである。弾性繊維全体に占める弾性繊維用処理剤の付着割合は特に限定は無いが、0.01〜15重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.5〜8重量%がさらに好ましい。弾性繊維本体に本発明の弾性繊維用処理剤を付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。
【0067】
本発明の弾性繊維(弾性繊維本体)は、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテルエステルエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリアミドエラストマー等を使用した弾性を有する繊維であり、その伸度は通常300%以上である。
【0068】
本発明の弾性繊維としては、PTMGやポリエステルジオールと有機ジイソシアネートを反応させ、次いで、1,4ブタンジオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミンなどで鎖延長した、ポリウレタンあるいはポリウレタンウレアから構成されるものが挙げられる。例えば、ポリウレタンウレア弾性繊維は、分子量1000〜3000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを用意し、PTMG/MDI=1/2〜1/1.5(モル比)でジメチルアセトアミドやジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させ、エチレンジアミン、プロパンジアミン等のジアミンで鎖延長して得られるポリウレタンウレアポリマーの20〜40%溶液を乾式紡糸で、紡糸速度400〜1200m/minで紡糸することにより製造できる。弾性繊維本体の適応繊度は、特に制限はない。
【0069】
本発明の弾性繊維本体は、酸化チタン、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、二価の金属石鹸等の無機物を含有してもよい。二価の金属石鹸としては、2−エチルヘキシル酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、カプリン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。無機物は、1種又は2種以上を用いてもよい。
【0070】
本発明の弾性繊維の用途として、CSY、シングルカバリング、PLY、エアーカバリング等のカバリング糸等の加工糸や、丸編み、トリコット等により、布帛として使用することができる。また、これらの加工糸、布帛を使用してストッキング、靴下、下着、水着等の伸縮性が必要とされる製品や、ジーンズ、スーツ等のアウターウェア等に快適性のために伸縮性を付与させる目的でも使用される。さらに最近では、紙おむつにも適用される。
【実施例】
【0071】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに記載した実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例に示される「パーセント(%)」及び「部」は、特に限定しない限り、「重量%」及び「重量部」を示す。なお、実施例及び比較例において、弾性繊維用処理剤の各特性の評価は次の方法に従って行った。
【0072】
〔静電気発生量評価法〕
制電性の代用評価方法として測定した。
図1において、(5)の位置に春日式静電気測定器をセットし、静電気評価測定機の解舒側に処理剤を付与した弾性繊維のチーズ(1)をセットし、巻き取り側紙管(2)をセットする。解舒速度比を、解舒速度/巻取速度=1/2の一定速度にセットした後、ローラー(3)及び(4)を同時に起動させる。20℃、60%RHの条件下においてチーズから解舒された糸(6)上0.5cmにおいて発生する静電気量を測定する。
以下の評価基準で、○以上を合格とした。
◎:0.5kV未満(非常に良好)
○:0.5kV以上1kV未満(良好)
△:1kV以上2kV未満(やや不良)
×:2kV以上(不良)
【0073】
〔油剤飛散量測定〕
図2において、飛散油剤捕集器(9)は紡糸側の直径が15cm、巻取り側の直径が5cmで、走行糸条方向の長さは20cmである。オイリングノズル(8)から円錐状の飛散油剤捕集器(9)までの距離は15cmである。紡糸された糸条(7)をオイリングノズル(8)を経て、飛散油剤捕集器(9)の中を通し、巻き取る。この状態で毎分1000mの速度で、44dtexの繊維に対して油剤を6重量%付与しながら紡糸を行い、10分後の飛散油剤捕集器(9)の中に溜まった油剤の重量を精秤する。このときの重量を油剤飛散量とし、この値が小さいほど、油剤飛散が少ない事を示す。
◎:100mg未満(非常に良好)
○:100mg以上200mg未満(良好)
×:200mg以上(不良)
【0074】
(実施例1〜25、比較例1〜5)
平均分子量1600のポリテトラメチレンエーテルグリコールと、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートをモル比率1:2で反応させ、次いで1,2−ジアミノプロパンのジメチルアセトアミド溶液を用いて鎖延長し、紡糸原液としてポリマー濃度33%のジメチルアセトアミド溶液を得た。なお、紡糸原液の濃度は1900mPaS(測定温度:30℃)であった。
【0075】
得られた紡糸原液を4つの細孔を有する紡糸口金より195℃のN
2気流中に吐出して乾式紡糸した。弾性繊維用処理剤をそれぞれオイリングローラーで、紡糸中の走行糸(弾性繊維本体)に対して6重量%付与した。従って、弾性繊維全体に対して弾性繊維用処理剤が5.66重量%付与された。その後、弾性繊維用処理剤で処理した弾性繊維をそれぞれ毎分500mの速度でボビンに巻取り、44dtexマルチフィラメントチーズ(巻き量450g)を得た。得られたチーズを用いて、上記評価方法によりそれぞれ評価した。
【0076】
実施例に適用した変性シリコーン(A1)及び比較例に適用した変性シリコーン(a1)は、表1の通りである。
実施例に適用したアラルキル変性シリコーン(A2)は、表2の通りである。
【0077】
弾性繊維用処理剤に適用した平滑剤(B)及びその他成分(D)は次の通りである。
B−1:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−5A
B−2:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−10
B−3:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名TSF451−50
B−4:コスモ石油ルブリカンツ株式会社製の商品名コスモピュアスピンE
B−5:S−OIL社製の商品名Ultra−S 2
B−6:SK Lubricants社製の商品名YUBASE 6
B−7:新日鉄住金化学社製の商品名PAO601
D−1:シリコーンレジン(MQレジン)(500mm
2/s(25℃))
D−2:イソステアリルアルコール:ファインオキソコール180T(日産化学工業製)
D−3:ラウリルアミン EO3モル付加物
D−4:ステアリン酸マグネシウム
D−5:イソヘキサデシルリン酸エステル
評価結果は、表3〜6に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
表3〜6から分かるように、実施例1〜25に係る弾性繊維処理剤は、ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、
前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000であるために、本願発明の課題である飛散防止性及び制電性を解決できている。
一方、比較例1〜5に係る弾性繊維処理剤は、変性シリコーンを含まない(比較例5)か、変性シリコーンを含んでいても、変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30でない(比較例1〜4)ために、本願発明の課題である飛散防止性及び制電性のいずれかが解決できていない。
【符号の説明】
【0085】
1 捲糸体
2 巻き取り側紙管
3 ローラー
4 ローラー
5 春日式静電気測定器のセット位置
6 チーズから解除された糸
7 走行糸条(紡糸塔側)
8 オイリングノズル
9 飛散油剤捕集器(円錐型)
10 走行糸条(巻き取り側)
【手続補正書】
【提出日】2021年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、
前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000であ
り、前記平滑剤(B)は、シリコーン油(B1)、鉱物油(B2)、ポリαオレフィン(B3)、及びエステル油(B4)より選ばれる少なくとも1種であり、
処理剤に占める前記平滑剤(B)の重量割合が80〜99.99重量%であり、
前記変性シリコーン(A1)が下記一般式(1)で示される、
弾性繊維用処理剤。
【化1】
(一般式(1)において、
X
1:一般式(2)で示される有機基。
X
2:炭素数4〜30のアルキル基
X
3:一般式(3)で示される有機基
X
4:一般式(4)で示される有機基
a:0〜1000の整数
b:1〜1000の整数
c:1〜1000の整数
d:0〜1000の整数
e:0〜1000の整数
但し、a、b、c、d、eの結合単位はランダムでもブロックでもよく、結合順序は問わない。)
【化2】
(但し、一般式(2)において、
R
1:水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、又はR
2−(CO)−で示される有機基
R
2:炭素数1〜30の炭化水素基
f:0〜20の整数
g:2〜200の整数
h:0〜200の整数
但し、g、hの結合単位はランダムでもブロックでもよい)
【化3】
(一般式(3)において、R
3は、炭素数1〜30アルキル基、アリール基、アラルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、カルボキシル置換アルキル基等の非置換又は置換一価炭化水素基、又は前記一般式(2)の有機基である。R
3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
i:1〜5の整数
j:0〜500の整数)
【化4】
R
4:炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基
R
5:水素原子、又は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基
【請求項2】
前記変性シリコーン(A1)及び/又は前記変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度が5〜10000mm2/sである、請求項1に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項3】
前記シリコーン(A)が前記変性シリコーン(A1)を含み、前記変性シリコーン(A1)の重量平均分子量が1000〜100000である、請求項1又は2に記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項4】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも1つが1〜1000の整数である、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項5】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも2つが1〜1000の整数である、請求項1〜4のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項6】
前記a、前記d及び前記eが1〜1000の整数である、請求項1〜5のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項7】
処理剤に占める前記シリコーン(A)の重量割合が0.01〜20重量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の弾性繊維用処理剤が弾性繊維本体に対して付与されてなる、弾性繊維。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のシリコーン化合物と平滑剤を含む弾性繊維用処理剤であれば、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明の弾性繊維用処理剤は、ポリエーテルアルキル共変性シリコーン(A1)及びアラルキル変性シリコーン(A2)から選ばれる少なくとも1種であるシリコーン(A)と、平滑剤(B)と、を含む弾性繊維用処理剤であって、前記変性シリコーン(A1)を構成するアルキル基の炭素数が4〜30であり、前記変性シリコーン(A2)の重量平均分子量が1000〜100000であ
り、前記平滑剤(B)は、シリコーン油(B1)、鉱物油(B2)、ポリαオレフィン(B3)、及びエステル油(B4)より選ばれる少なくとも1種であり、処理剤に占める前記平滑剤(B)の重量割合が80〜99.99重量%であり、
前記変性シリコーン(A1)が下記一般式(1)で示される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記変性シリコーン(A1)及び/又は前記変性シリコーン(A2)の25℃における動粘度が5〜10000mm
2/sであると好ましい。
前記変性シリコーン(A1)の重量平均分子量が1000〜100000であると好ましい。
前記変性シリコーン(A1)が下記一般式(1)で示され
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも1つが1〜1000の整数であると好ましい。
前記a、前記d及び前記eから選ばれる少なくとも2つが1〜1000の整数であると好ましい。
前記a、前記d及び前記eが1〜1000の整数であると好ましい。
処理剤に占める前記変性シリコーン(A1)の重量割合が0.01〜20重量
%であると好ましい。
【国際調査報告】