(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-501209(P2015-501209A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】リン変性ゼオライト触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 37/28 20060101AFI20141212BHJP
B01J 37/30 20060101ALI20141212BHJP
B01J 37/00 20060101ALI20141212BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20141212BHJP
B01J 29/40 20060101ALI20141212BHJP
C07C 9/02 20060101ALI20141212BHJP
C07C 4/06 20060101ALI20141212BHJP
C07C 1/24 20060101ALI20141212BHJP
C10G 2/00 20060101ALI20141212BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20141212BHJP
【FI】
B01J37/28
B01J37/30
B01J37/00 D
B01J37/08
B01J29/40 Z
C07C9/02
C07C4/06
C07C1/24
C10G2/00
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-537146(P2014-537146)
(86)(22)【出願日】2012年10月16日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月16日
(86)【国際出願番号】US2012060385
(87)【国際公開番号】WO2013059172
(87)【国際公開日】20130425
(31)【優先権主張番号】61/548,038
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/548,057
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/548,015
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/548,044
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/548,064
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/548,052
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】390023630
【氏名又は名称】エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100068526
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭生
(74)【代理人】
【識別番号】100138863
【弁理士】
【氏名又は名称】言上 惠一
(74)【代理人】
【識別番号】100132252
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 環
(74)【代理人】
【識別番号】100138885
【弁理士】
【氏名又は名称】福政 充睦
(72)【発明者】
【氏名】ボー・ウォルドルップ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジェイ・マッカーシー
(72)【発明者】
【氏名】グアン・カオ
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア・エイ・ビーレンバーグ
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
4H129
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA07A
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4G169ZF09B
4H006AA02
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4H039CA19
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4H129KC18X
4H129KC18Y
4H129KD37X
4H129KD37Y
4H129NA22
4H129NA37
(57)【要約】
リン変性ゼオライト触媒の製造方法において、別個の無機系酸化物バインダーの不在下、又は実質的にアルミニウムを有しない別個の無機系酸化物バインダーの存在下、ゼオライト結晶を成形した触媒体に形成することができる。ゼオライト結晶を水素型に変換し、ゼオライト結晶の合成に使用されるいずれの有機構造規定剤も除去した後、成形した触媒体をリン化合物の水溶液で処理することができ、且つ、処理した触媒体を加熱して、水を除去しリン化合物を酸化物型に変換することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン変性ゼオライト触媒の製造方法であって、
(a)別個の無機系酸化物バインダーの不在下、又は実質的にアルミニウムを有しない別個の無機系酸化物バインダーの存在下のいずれかにおいて、ゼオライト結晶を成形した触媒体に形成する工程;
(b)前記ゼオライト結晶を水素型に変換する工程;
(c)前記ゼオライト結晶の合成に使用されるいずれの有機構造規定剤も除去する工程;
(d)前記成形した触媒体をリン化合物の水溶液で処理する工程;及び
(e)前記処理した触媒体を加熱して、水を除去し前記リン化合物を酸化物型に変換する工程
を含む方法。
【請求項2】
5重量%未満のアルミニウムを含む別個の無機系酸化物バインダーの存在下において、前記ゼオライト結晶を、成形した触媒体に形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゼオライト結晶を、前記形成工程(a)の前にシリカバインダーと混合する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成工程(a)を、押し出し成形によって遂行する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記変換工程(b)を、前記形成工程(a)の前に遂行する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記除去工程(c)を、前記形成工程(a)の前に遂行する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記処理工程(d)は、例えばリン酸素酸の水溶液を使用して含浸するなどの含浸によって遂行する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
(e)の前記加熱は、約0.2時間〜約5.0時間、約350℃〜約650℃の温度で実施する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ゼオライトは、約20〜約200、例えば約20〜約150のシリカのアルミナに対するモル比を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ゼオライトは、ZSM−5を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の方法によって製造されるリン変性ゼオライト触媒。
【請求項12】
有機化合物変換条件下、原料を請求項11に記載のリン変性ゼオライト触媒と接触させることを用いて有機化合物を変換する方法。
【請求項13】
前記有機化合物変換は、メタノールをガソリンの沸点範囲で沸騰する炭化水素に変換することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン変性ゼオライト触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リン変性は、例えば、メタノールの炭化水素への変換及びトルエンのメチル化によるキシレンの生成を含む、様々な化学プロセスに向けたゼオライト触媒の性能を向上させる周知の方法である。例えば、特許文献1及び特許文献2では、プロパン、プロピレン、又はメタノール等の1つ又は複数の非芳香族化合物を、無機系の酸化物バインダーと複合化した、ZSM−5等のゼオライトを含む触媒と接触させることで、芳香族炭化水素の製造方法が開示されている。リン酸アンモニウムの水溶液等の、リン酸イオン源で含浸させることによってリンで触媒を変性させ、次いで焼成させて触媒複合体の約0.05重量%〜50重量%、好ましくは約0.7重量%〜約15重量%の量の酸化リンを生成する。
【0003】
更に、特許文献3では、結合したリン変性ゼオライト触媒の製造方法を開示しており、この場合、ZSM−5等のゼオライトは、NH
4+型又はH
+型であることができ、リン化合物の水溶液でスラリーにされ、次いでスラリーから水を除去してリン変性ゼオライト触媒を形成する。次いで、リン変性した予め焼成したゼオライトは、アルミナ、粘土、リン酸アルミニウム、及び/又はシリカアルミナから選択される酸処理した無機系の酸化物バインダー材料と混合される。任意選択的な押し出し成形の後、ゼオライト−バインダーの混合物は、約400℃以上の温度で加熱され、通常は、ゼオライトのグラム当たり0.01〜約0.15グラムのリンの、結合したゼオライト触媒を形成する。特に、触媒は、メタノールでトルエンをアルキル化してキシレンを生成することに用いることを意図しているが、MTGプロセスに有用であるとも言われている。リン変性したトルエンメチル化触媒を生成する同様の方法が、特許文献4及び特許文献5、並びに特許文献6、特許文献7、及び特許文献8に開示されている。
【0004】
特許文献9では、トルエンメチル化反応における自身のパラ−キシレン選択性を増加させるゼオライト触媒を修飾する方法が開示されており、この場合、その方法は、約250〜約1000のSiO
2/Al
2O
3モル比を有するがバインダーを伴わないZSM−5−型ゼオライト及びリン含有化合物の水溶液から本質的になるスラリーを形成する工程と、スラリーから水を除去して、0.04gP/g以上のゼオライトのリン含有量及び0.2ml/g以下の細孔容積を有する非蒸気処理のリン処理したZSM−5ゼオライトを提供する工程と、を含む。得られたリン処理したZSM−5は、結合していない形態であるか、アルミナ、粘土、若しくはシリカ等のバインダーで複合化することができるかのいずれかである、トルエンメチル化触媒として使用することができる。リン変性したトルエンメチル化触媒を生成する同様の方法は、特許文献10に開示されている。
【0005】
特許文献11では、蒸気処理工程の際、触媒の微細孔容積が減少することを制御するために、酸化物改質剤、好ましくはリンの酸化物と組み合わされ極度に蒸気処理されたZSM−5触媒の全体に渡ってトルエンをメタノールと反応させることによって、パラ−キシレンを選択的に生成することを開示している。触媒へのリンの取り込みは、好都合には、単独で又はバインダー若しくはマトリックス材料と組み合わせて、ZSM−5を適切なリン化合物の溶液と接触させることで遂行され、次いで乾燥及び焼成させてリンを酸化物の形態に変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,590,321号明細書
【特許文献2】米国特許第4,665,251号明細書
【特許文献3】米国特許第7,662,737号明細書
【特許文献4】米国特許第7,368,410号明細書
【特許文献5】米国特許第7,507,685号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0149384号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0275280号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2009/0036723号明細書
【特許文献9】米国特許第7,285,511号明細書
【特許文献10】米国特許第7,399,727号明細書
【特許文献11】米国特許第6,504,072号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リンを付加することによってゼオライト触媒を変性することの望ましい結果の1つは、高温の蒸気に曝される場合、ゼオライトの触媒活性が損失する傾向を低減可能であることである。しかしながら、リンの付加に起因する蒸気安定性の向上/最大化を可能にすることにおいてリン変性ゼオライト触媒の開発に対する大きな関心が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、蒸気安定性が向上したゼオライト触媒は、自己結合した又は実質的にアルミニウムを有しないバインダーと組み合わされた、ゼオライト触媒のリン処理によって製造可能であることが、判明した。
【0009】
本出願は、各々が2011年10月17日付けで出願された、米国仮特許出願第61/548,015号明細書、米国仮特許出願第61/548,038号明細書、米国仮特許出願第61/548,044号明細書、米国仮特許出願第61/548,052号明細書、米国仮特許出願第61/548,057号明細書、及び米国仮特許出願第61/548,064号明細書に関連し、本明細書において記載される本発明のいかなる部分をも記載するために必要な範囲内において、これら各々の明細書の全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれていることに留意されたい。又、本出願は、各々が同日に出願され、且つ、前述の米国仮特許出願の利益を主張し、且つ、「リン変性ゼオライト触媒の製造方法」、「リン変性ゼオライト触媒」、「リン変性ゼオライト触媒」、「リン変性ゼオライト触媒」、及び「ジアルキルエーテルへのアルコールの選択的脱水」と各々題される、5つのその他の同時係属国際(PCT)出願に関連し、本明細書において記載される本発明のいかなる部分をも記載するために必要な範囲内において、これら各々の明細書の全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、更に本明細書に組み込まれている。
【0010】
一の要旨において、本発明は、リン変性(又は修飾)ゼオライト触媒の製造方法にあり、
前記方法は、
(a)別個の(別々の又は個別の)無機系酸化物バインダーの不在下、又は実質的にアルミニウムを有しない別個の無機系酸化物バインダーの存在下、合成したままのゼオライト結晶を成形した触媒体に形成する工程;
(b)ゼオライト結晶を水素型に変換する工程;
(c)ゼオライト結晶の合成に使用されるいずれの(又はいかなる)有機構造規定剤(有機構造指向剤又は有機指向剤:organic directing agent)も除去する工程;
(d)成形した触媒体をリン化合物の水溶液で処理する工程;及び
(e)処理した触媒体を加熱して、水を除去しリン化合物を酸化物型に変換する工程
を含む。
【0011】
好都合には、ゼオライト触媒は、5重量%未満の、例えば3重量%未満のアルミニウムを含む別個の無機系酸化物バインダーの存在下、成形した触媒体に形成することができる。
【0012】
好都合には、形成工程(a)は、押し出し成形によって遂行する(又は行う)ことができる。
【0013】
実施形態によっては、ゼオライト結晶は、形成工程(a)の前にシリカバインダーと混合することができる。
【0014】
追加的又は代替的に、実施形態によっては、変換工程(b)は、形成工程(a)の前に遂行することができる。
【0015】
追加的又は代替的に、実施形態によっては、除去工程(c)は、形成工程(a)の前に遂行することができる。
【0016】
好都合には、処理工程(d)は、リン酸素酸(又はリンオキシ酸:phosphorus oxyacid)の水溶液によるなどの含浸によって遂行することができる。
【0017】
好都合には、触媒体は、約0.1重量%〜約3重量%のリンの酸化物として存在するリン元素を含むことができる。
【0018】
好都合には、(e)の加熱工程は、約0.2時間〜約5.0時間の間、約350℃〜約650℃の温度で実施する(又は行う)ことができる。
【0019】
好都合には、ゼオライトは、約20〜約200、例えば、約20〜約150の、シリカのアルミニウムに対するモル比を有することができる。
【0020】
好都合には、ゼオライトは、ZSM−5を含むこと、ZSM−5から本質的になること、又はZSM−5であることができる。
【0021】
更なる態様においては、本発明は、本明細書において記載される方法によって製造されるリン変性ゼオライト触媒にありえ、及び/又は、有機変換反応、特にメタノールの炭化水素への変換プロセスにおける触媒の使用にありえる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
リン変性ゼオライト触媒の製造方法が、本明細書において記載される。本方法においては、別個の無機系酸化物バインダー(自己結合した)の不在下、又は実質的にアルミニウムを有しないことが有利であり得る別個の無機系酸化物バインダーの存在下、ゼオライトが成形した触媒体に形成された後に、リンの取り込みを遂行することができる。具体的には、バインダーを省くことによって、又は実質的にアルミニウムを有しないバインダーを使用することによって、触媒の熱安定性が、同量のリンを含む従来のアルミナ結合触媒と比較して、著しく向上可能であることが判明した。
【0023】
本方法を使用して、いかなる既知のゼオライト又はゼオライトの混合物をも含むリン変性ゼオライト触媒を生成することができる。一実施形態においては、本明細書において記載される触媒は、2〜12の拘束係数(Constraint Index)を有する少なくとも1つの、中間細孔のゼオライト(米国特許第4,016,218号明細書で定義される)を含むこと、このゼオライトから本質的になること、又はこのゼオライトであることができる。好適な中間細孔のモレキュラーシーブとしては、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48等、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ZSM−5は、米国特許第3,702,886号明細書及び再発行特許第29,948号明細書に詳細に記載される。ZSM−11は、米国特許第3,709,979号明細書に詳細に記載される。ZSM−12は、米国特許第3,832,449号明細書に記載される。ZSM−22は、米国特許第4,556,447号明細書に記載される。ZSM−23は、米国特許第4,076,842号明細書に記載される。ZSM−35は、米国特許第4,016,245号明細書に記載される。ZSM−48は、米国特許第4,234,231号明細書により詳細に記載される。
【0024】
追加的又は代替的に、本明細書において記載される触媒は、2未満の拘束係数を有する1つ又は複数の大細孔のゼオライトを含むことができる。好適な大細孔のモレキュラーシーブとしては、ゼオライトベータ、ゼオライトY、Ultrastable Y (USY)、Dealuminized Y (Deal Y)、モルデナイト、ZSM−3,ZSM−4,ZSM−18,ZSM−20等、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ZSM−14は、米国特許第3,923,636号明細書に記載される。ZSM−20は、米国特許第3,972,983号明細書に記載される。ゼオライトベータは、米国特許第3,308,069号明細書及び再発行特許第28,341号明細書に記載される。低ナトリウムのUltrastable Y モレキュラーシーブ(USY)は、米国特許第3,293,192号明細書及び米国特許第3,449,070号明細書に記載される。Dealuminized Y zeolite (Deal Y)は、米国特許第3,442,795号明細書において見出された方法によって調製されることができる。ゼオライトUHP−Yは、米国特許第4,401,556号明細書に記載される。モルデナイトは、天然由来の材料であるが、米国特許第3,766,093号明細書及び米国特許第3,894,104号明細書に開示されている、TEA−モルデナイト(即ち、テトラエチルアンモニウム構造規定剤を含む反応混合物から合成により調製される)等の、合成の形態でも入手可能である。
【0025】
更に追加的又は代替的に、本明細書において記載される触媒は、少なくとも1つのMCM−22系のモレキュラーシーブを含むことができる。本明細書において使用される場合、用語「MCM−22系のモレキュラーシーブ」(又は「MCM−22系の材料」又は「MCM−22系材料」又は「MCM−22系ゼオライト」)は:
・通常の一次結晶性構成要素単位格子(この単位格子はMWW構造トポロジー(MWW framework topology)を有する)でできているモレキュラーシーブ(単位格子は、3次元空間においてタイル状にされる場合、結晶構造を表す原子の空間的配置である。こうした結晶構造は、「Atlas of Zeolite Framework Types」、第5版、2001に記載されており、この開示内容全体は、参照により、本明細書に組み込まれている)、
・こうしたMWW構造トポロジー単位格子の2次元タイリング(tiling)であり、1つの単位格子厚、好ましくは1つのc−単位格子厚の単層を形成する、通常の二次構成要素でできているモレキュラーシーブ、
・1つ又は複数の1つの単位格子厚の層である、通常の二次構成要素でできているモレキュラーシーブ(ここで、2つ以上の単位格子厚の層は、1つの単位格子厚の少なくとも2つの単層を、積み重ねる、充填する、又は結合させることで作成することができる。こうした二次構成要素の積み重ねは、規則的な方法、不規則的な方法、無作為な方法、又はこれらの任意の組み合わせであることができる)及び、
・MWW構造トポロジーを有する単位格子の任意の規則的な又は無作為的な2次元的な又は3次元的な組み合わせによって作成されるモレキュラーシーブ
のうちの1つ又は複数を含む。
【0026】
MCM−22系のモレキュラーシーブは、12.4±0.25,6.9±0.15,3.57±0.07、及び3.42±0.07オングストロームでd面間隔最大を含むX線回折パターンを有するこうしたモレキュラーシーブを含むことができる。材料を特性分析するために使用されるX線回折データは、入射放射線として銅のKα二重線、並びに、収集システムとしてシンチレーションカウンター及び関連のコンピューターが装備された回折計を使用する標準的な方法によって得られることができる。
【0027】
追加的又は代替的に、MCM−22系の材料としては、MCM−22(米国特許第4,954,325号明細書に記載)、PSH−3(米国特許第4,439,409号明細書に記載)、SZ−25(米国特許第4,826,667号明細書に記載)、ERB−1(欧州特許第0293032号明細書に記載)、ITQ−1(米国特許第6,077,498号明細書に記載)、ITQ−2(国際出願公開第WO97/17290号パンフレットに記載)、MCM−36(米国特許第5,250,277号明細書に記載)、MCM−49(米国特許第5,236,575号明細書に記載)、MCM−56(米国特許第5,362,697号明細書に記載)、UZM−8(米国特許第6,756,030号明細書に記載)、及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
特定の好ましい実施形態においては、本明細書において記載される触媒は、ZSM−5を含むこと、又はZSM−5であることができる。追加的又は代替的に、本明細書において記載される触媒は、約20〜約200、例えば、約20〜約150の、シリカのアルミナに対するモル比を有するゼオライトを含むこと、又はこのゼオライトであることができる。
【0029】
ゼオライトに加えて、本方法に使用される触媒は、実質的にアルミニウムを有しない別個の無機系酸化物バインダーを含むことができる。「実質的に有しない」とは、別個の無機系酸化物バインダーが、5重量%未満、例えば3重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.3重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満のアルミニウムを含むこと、又は測定可能なアルミニウムを全く有しないことを意味する。好適な無機系酸化物バインダーの例としては、シリカ、チタニア、ジルコニア等、及びこれらの互いの混合物、並びに、その他の金属酸化物(この場合にも、通常アルミナを含まない)を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。無機系酸化物バインダーは、触媒全体の、約5重量%〜約65重量%、例えば約10重量%〜約35重量%の量で存在することができる。或いは、本ゼオライト触媒は、別個のバインダーの援助なしに、成形した触媒体に形成されることができる、即ち、触媒は、自己結合されることができる。シリカに富む触媒の生成に関する詳しい情報については、米国特許第4,582,815号明細書を参照されたく、本明細書の全ての開示内容は、本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれる。
【0030】
望まれるリン変性ゼオライト触媒を生成するために、目標のゼオライトの合成したままの結晶は、溶媒、一般的には水と、必要に応じて、実質的にアルミニウムを有しない無機系酸化物バインダーとを用いてスラリーに形成されることができる。次いで、得られたスラリーは、一般的は押し出し成形によって、成形した触媒体に形成されることができ、次いで触媒体は、リン酸素酸等のリン化合物の水溶液で処理されることができる。リン処理は、好都合には、含浸によって遂行されることができる。リン処理の後、処理した触媒体は、加熱されて水を除去しリン化合物を酸化物型に変換することができる。加熱は、有利なことに、例えば、約0.2時間〜約5.0時間の適切な時間、約350℃〜約650℃の温度で、空気中等の酸化環境において実施することができる。通常、最終となる触媒は、リンの酸化物として存在する、約0.1重量%〜約3重量%のリン元素を含むことができる。
【0031】
一般的には、必ずしもというわけではないが、望まれる触媒を生成するために使用される合成したままのゼオライト触媒は、ゼオライトの合成に使用される有機構造規定剤を含むことができる。このような構造規定剤は、多くの場合ゼオライトの細孔を塞ぐことができ、このため、ゼオライトが触媒として使用される前に、一般的には除去されなければならない。この場合、成形した触媒体が形成する前に、構造規定剤は除去されることができるが、好ましい実施形態によっては、構造規定剤は、例えば、約0.3時間〜約3時間の適切な時間、約400℃〜約820℃の温度で、酸化又は非酸化環境において(例えば、空気中)、成形した触媒体を加熱することによって除去されることできる。通常、加熱して有機構造規定剤を除去することは、成形した触媒体のリン処理の前に実施することができる。
【0032】
更に、多くのゼオライト合成プロセスは、アルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンの存在下、アルカリ条件において実施することができる。この場合、合成したままのゼオライト結晶は、多くの場合ナトリウム型であることができ、このため、使用前に触媒として活性のある水素型に変換されなければならない。こうした変換は、通常、アンモニウム陽イオンによるイオン交換及び加熱してアンモニアを飛ばすことによって遂行されることができ、その結果、H
+型のゼオライトが残る。この場合にも、こうした工程は、触媒の形成前に合成したままのゼオライト結晶に対して実施することができるが、好ましい実施形態によっては、アンモニアの交換とその後の水素型への変換は、成形した触媒体に対して実施することができる。通常、ゼオライトの水素型への変換は、ゼオライトの合成に使用される有機構造規定剤を除去した後を除いた、成形した触媒体のリン処理の前に実施することができる。
【0033】
本方法によって生成するリン変性したZSM−5触媒は、触媒の熱水安定性が重要である任意の有機系変換プロセスに特に有用であることができる。こうした方法の例としては、重質炭化水素をガソリン及びディーゼルの沸点範囲の炭化水素に流動接触分解すること、トルエンをメチル化及び不均化させてキシレンを生成すること、n−パラフィン(例えば、C
6以上)を環化すること、メタノールをガソリン及びディーゼルの沸点範囲の炭化水素へ変換すること等、及びこれらの組み合わせ及び/又は統合を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0034】
本発明は、追加的又は代替的に、1つ又は複数の以下の実施形態を含むことができる。
【0035】
実施形態1。リン変性ゼオライト触媒の製造方法であって、(a)別個の無機系酸化物バインダーの不在下、又は実質的にアルミニウムを有しない別個の無機系酸化物バインダーの存在下のいずれかにおいて、ゼオライト結晶を成形した触媒体に形成する工程;(b)ゼオライト結晶を水素型に変換する工程;(c)ゼオライト結晶の合成に使用されるいかなる有機構造規定剤をも除去する工程;(d)成形した触媒体をリン化合物の水溶液で処理する工程;及び(e)処理した触媒体を加熱して、水を除去しリン化合物を酸化物型に変換する工程、を含む方法。
【0036】
実施形態2。5重量%未満のアルミニウムを含む別個の無機系酸化物バインダーの存在下、ゼオライト結晶は成形した触媒体に形成される、実施形態1の方法。
【0037】
実施形態3。ゼオライト結晶は形成工程(a)の前にシリカバインダーと混合される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0038】
実施形態4。形成工程(a)は押し出し成形によって遂行される(又は行われる)、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0039】
実施形態5。変換工程(b)は形成工程(a)の前に遂行される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0040】
実施形態6。除去工程(c)は形成工程(a)の前に遂行される、実施形態5の方法。
【0041】
実施形態7。処理工程(d)は、例えばリン酸素酸の水溶液の使用などの含浸によって遂行される、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0042】
実施形態8。(e)の加熱は、約0.2時間〜約5.0時間の間、約350℃〜約650℃の温度で実施される(又は行われる)、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0043】
実施形態9。ゼオライトは、約20〜約200、例えば約20〜約150のシリカのアルミナに対するモル比を有する、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0044】
実施形態10。ゼオライトはZSM−5を含む、前述の実施形態のいずれかの方法。
【0045】
実施形態11。前述の実施形態のいずれかの方法によって製造されるリン変性ゼオライト触媒。
【0046】
実施形態12。有機化合物変換条件下にて原料を実施形態11のリン変性ゼオライト触媒と接触させることを用いる有機化合物を変換する方法。
【0047】
実施形態13。前記有機化合物変換が、メタノールをガソリンの沸点範囲で沸騰する炭化水素へ変換することを含む、実施形態12の方法。
【0048】
次に、本発明を、以下の非限定的な実施例及び添付の図面を参照してより詳細に記載する。
【実施例】
【0049】
実施例においては、使用したZSM−5結晶は、構造規定剤としてテトラプロピルアンモニウム臭化物を使用して生成した、シリカのアルミナに対するモル比が約50の合成したままのナトリウム型ZSM−5であった。
【0050】
実施例においては、アルファ値は、標準の触媒と比較して、触媒の接触分解活性の目安を提供するために、且つ、相対速度定数(単位時間当たり触媒容積当たりのノルマルヘキサンの変換速度)を評価する助けとなるために使用される。アルファ値は、1のアルファ(速度定数≒0.016秒
−1)とするシリカ−アルミナ分解触媒の活性に基づく。アルファ試験は、米国特許第3,354,078号明細書、the Journal of Catalysis,4,527(1965)、同文献6,278(1966)、及び同文献61,395(1980)に記載されており、その記載に関して各々が本明細書中で引用されることにより、本明細書に組み込まれている。本明細書において使用した試験の実験条件は、約1000°F(約538℃)に保持された反応器を通して流れるHeキャリヤーガスにおける約100トル(約13kPa)のヘキサン蒸気圧を含む。
【0051】
実施例1 アルミナを用いた押し出し成形の際のゼオライトへのリン付加
初めにアルミナ(固形分として約200グラム)を混合機に加え、乾燥加温した。次いで、脱イオン水(約100グラム)を加えてアルミナを湿らし、その後、目標のリン濃度を達成するためにある量のリン酸(それぞれの固形分として約0、約61、約122、又は約183.2グラム)を加えた。次いで、Na−ZSM−5結晶(固形分として約800グラム)及び追加の脱イオン水を加えて、混合物を約10〜30分間加温して望まれる押し出し成形の粘度を達成した。これにより、4つの異なるリン濃度(それぞれ約0、約1.7、約3.4、及び約4.2重量%)を有する混合物を調製した。次いで、それぞれの混合物を約1/16’’円柱物に押し出し成形した。押し出し成形物を、約250°F(約121℃)で一晩(約8〜16時間)乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、窒素中で前焼成した。次いで、それぞれの押し出し成形物を、1Nの硝酸アンモニウムの水溶液で2回交換した。得られた交換した触媒を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。
【0052】
実施例2 アルミナが結合したゼオライトへのリン付加
ZSM−5(固形分として約800グラム)及びVersal(商標)300アルミナ(固形分として約200グラム)を混合機に加え、乾燥加温した。加温の際、約492グラムの脱イオン水を加えて望まれる押し出し成形の粘度を達成した。次いで、混合物を約1/16’’円柱物に押し出し成形した。押し出し成形物を、約250°F(約121℃)で一晩(約8〜16時間)乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、窒素中で前焼成した。次いで、押し出し成形物を、1Nの硝酸アンモニウムの水溶液で2回交換した。交換した触媒を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。次いで、押し出し成形物を、リン酸水溶液を使用して、約2、約4、又は約6重量%のリンの目標濃度(実際の濃度を以下の表1に示す)で初期湿潤を介して含浸させた。次いで、含浸した結晶を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、その後約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。
【0053】
実施例3 シリカが結合したゼオライトへのリン付加
ZSM−5(固形分として約800グラム)及びUltrasil(商標)VN3SPシリカ(固形分として約100グラム)を混合機に加え、乾燥加温した。次いで、Ludox(商標)−40シリカ(約100グラム)を混合物に加え、その後、約60グラムの約50重量%腐食性(水酸化ナトリウム)溶液を加えた。加温の際、約85グラムの脱イオン水を加えて望まれる押し出し成形の粘度を達成した。次いで、混合物を約1/16’’円柱物に押し出し成形した。押し出し成形物を、約250°F(約121℃)で一晩(約8〜16時間)乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、窒素中で前焼成した。次いで、押し出し成形物を、1Nの硝酸アンモニウムの水溶液で2回交換した。交換した触媒を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。次いで、押し出し成形物を、リン酸水溶液を使用して、約2、約4、又は約6重量%のリンの目標濃度(実際の濃度を以下の表1に示す)で初期湿潤を介して含浸させた。次いで、含浸した結晶を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、その後約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。
【0054】
実施例4 自己結合したゼオライトへのリン付加
ZSM−5結晶(固形分として約1.4kg)を混合機に加え、乾燥加温した。次いで、加温の際、約190グラムの脱イオン水を加えた。約10分後、約450グラムの水と混合した約28グラムの約50重量%腐食性(水酸化ナトリウム)溶液を混合物に加え、更に約5分間加温した。次いで、混合物を約1/10’’四葉条物に押し出し成形した。押し出し成形物を、約250°F(約121℃)で一晩(約8〜16時間)乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、窒素中で前焼成した。次いで、押し出し成形物を、1Nの硝酸アンモニウムの水溶液で2回交換した。交換した触媒を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、次いで約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。次いで、押し出し成形物を、リン酸水溶液を使用して、約2、約4、又は約6重量%のリンの目標濃度(実際の濃度を以下の表1に示す)で初期湿潤を介して含浸させた。次いで、含浸した結晶を、約250°F(約121℃)で一晩乾燥させ、その後約1000°F(約538℃)で約3時間、空気中で焼成した。
【0055】
実施例5 P安定化触媒のヘキサン分解活性の測定
実施例1〜4のZSM−5を含む押し出し成形物を、リン含有量について分析し、約1000°F(約538℃)及び約14.7psia蒸気分圧で約96時間蒸気処理した。次いで、調製したままの触媒、及び蒸気処理したままの触媒を、定常のアルファ試験におけるヘキサン分解測定によって酸活性について分別した。実施例1〜4の押し出し成形物のアルファ値及びリン濃度を、以下の表1に示す。実施例1及び2のアルミナ含有触媒は、蒸気処理後の実施例3及び4のシリカが結合した触媒、及び自己結合した触媒よりはるかに低いアルファ活性を有することを、この結果は示している。蒸気処理後に約14及び約11アルファ値を保持するPを伴わない同一の触媒と比較して、約0.8重量%のPを伴うシリカが結合した触媒、及び自己結合した触媒はともに、蒸気処理後に約110アルファ値を保持する。
【0056】
【表1】
【0057】
本発明は、特定の実施形態を参照して記載及び例示される一方、当業者は、本発明が、本明細書において必ずしも例示されない変形に適することを理解するであろう。このため、本発明の真の範囲を設定する目的のためには添付の特許請求の範囲を専ら参照されたい。
【国際調査報告】