特表2015-501257(P2015-501257A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-501257(P2015-501257A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】繊維複合材料製車輪フレーム
(51)【国際特許分類】
   B60B 21/02 20060101AFI20141212BHJP
   B60B 5/02 20060101ALI20141212BHJP
【FI】
   B60B21/02 D
   B60B21/02 K
   B60B21/02 P
   B60B5/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-542688(P2014-542688)
(86)(22)【出願日】2012年10月23日
(85)【翻訳文提出日】2014年2月17日
(86)【国際出願番号】CN2012083376
(87)【国際公開番号】WO2014063307
(87)【国際公開日】20140501
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514029773
【氏名又は名称】中山市富達運動▲器▼材有限公司
【氏名又は名称原語表記】FULL TECH COMPOSITE MANUFACTURING COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】許 秀政
(57)【要約】
【課題】重量が軽いだけでなく断裂し難い繊維複合材料製車輪フレームを提供する。
【解決手段】
繊維複合材料製車輪フレームは、複数のリムを有しており、各リムは、発泡材により作られた発泡体と、前記発泡体の外部に覆設し、且つ繊維複合材料により作られた繊維複合材料製外層部を有しており、各リムの両端それぞれは、一つの接続面を形成しており、複数のリムは、繊維複合材料製外層部の接続面をもって環状に接続され、二つ隣接のリムにおける接続面の接続箇所には、支持面を形成する。よって、前記繊維複合材料製車輪フレームは、重量が軽いだけでなく、断裂しがたい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリムを備え、
前記リムは、発泡材により作られている発泡体、および、前記発泡体の外部に覆設され繊維複合材料により形成されている繊維複合材料製外層部を有し、前記繊維複合材料製外層部が環状に連接されることで車輪フレームを形成し、
二つずつ隣接している前記リムの接続面は、接続した後に支持面を形成し、
前記支持面は、リブ構造として車輪フレームを支持することができることを特徴とする繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項2】
前記リムの前記発泡体は、少なくとも一つの溝部を有し、
前記リムの前記繊維複合材料製外層部は、一部が前記発泡体の前記溝部内を充填していることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項3】
前記リムの前記発泡体の前記溝部は、前記リムの長軸方向に沿って延伸し、前記発泡体を囲んでいることを特徴とする請求項2に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項4】
前記リムの前記発泡体の前記溝部は、前記リムの短軸方向に沿って延伸し、前記発泡体を囲んでいることを特徴とする請求項2に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項5】
前記リムの前記繊維複合材料製外層部は、タイヤを設置するのに用いられる外側部と、前記外側部とは反対側に位置している内側部と、前記外側部と前記内側部とを連接する二つの接続面および二つの側面を有しており、
互いに隣接している二つの前記リムの前記接続面は、繊維複合材料により連接されていることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項6】
前記リムの前記接続面には、溝部がさらに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項7】
前記リムの前記繊維複合材料外層部は、二つの前記外側部から延出している鉤部をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【請求項8】
前記繊維複合材料は、炭素繊維複合材料であることを特徴とする請求項1に記載の繊維複合材料製車輪フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤを設置するのに用いられる車輪フレームに関し、特に、繊維複合材料製車輪フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の発明では、従来の自転車における車輪フレームが、中空状態を呈している。車輪フレームは、外側部にタイヤ溝が形成され、タイヤの接着または嵌設に用いられる。車輪フレームは、内側部に複数のスポークを接続するのに用いられ、複数のスポークにより自転車のハブと接続されており、さらにハブと連動して回転する。
【0003】
従来の自転車における車輪フレームは、材質が鉄であり、その構造は強固であるが、重量が大きいので、車輪フレームの重量を軽減するために、その後、車輪フレームの材質の多くがアルミニウムに変えられた。しかしながら、従来のアルミニウム合金製車輪フレームは、50mm以上のフライホイールのフレームおよびバトンホイールまたはディスクホイールを製造するときの生産方法が困難である。また、現在において、自転車の構造は、日増しに軽量化になり、車体は、硬質で、且つ比重がアルミニウムより小さい炭素繊維複合材料により製造されるほか、一部の車輪フレームの材質も炭素繊維複合材料に変えられた。たとえば、上述の特許発明者のようである。
【0004】
しかしながら、炭素繊維複合材料は、すべてブロー成形であり、内部は、中空状態であるため、厚さが小さすぎると断裂しやすくなる。逆に厚さを増大すると、軽量化の目的を実現することができない。さらに、ブロー成形された車輪フレームは、比較的に柔らかいので、運転者の作用力またはねじり力を完全かつ有効にタイヤに伝達することができないだけでなく、方向転換操作による破裂をもたらすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第I329080号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、重量が軽いだけでなく断裂し難い繊維複合材料製車輪フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的に達成するために、本発明の繊維複合材料製車輪フレームは、複数のリムを備える。各リムは、発泡材により作られた発泡体、および、発泡体の外部に覆設され繊維複合材料によって作られた繊維複合材料製外層部を有する。複数のリムは、繊維複合材料製外層部により環状に連接されている。よって、繊維複合材料製車輪フレームは、非常に薄い繊維複合材料製外層部を有するにもかかわらず、複数の発泡体の緩衝作用により、断裂しがたい性質をもっているだけでなく、重量も非常に軽くなるメリットがある。また、繊維複合材料製車輪フレームは、一体成形により成形されていないが、リムは、すべて繊維複合材料製外層部をもって相互に接続されているため、良好な接合効果を有する。よって、繊維複合材料製車輪フレームは、異なる材料が熱を受けて相互に分離する問題を抑制することができる。
【0008】
本発明による繊維複合材料製車輪フレームの具体的な構造と特徴および組立方法または使用方法について、後続の実施形態で詳細に説明する。但し、下記の詳細な説明および本発明を実施するために挙げる特定の実施形態は、単なる本発明を説明するためであって、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態による繊維複合材料製車輪フレームを示す平面図である。
図2】本発明の第一実施形態による繊維複合材料製車輪フレームのリムを示す斜視図である。
図3図2の3−3線断面図である。
図4】本発明の第一実施形態による繊維複合材料製車輪フレームを自転車に応用した状態を示す図である。
図5】本発明の第二実施形態による繊維複合材料製車輪フレームにおけるリムを示す断面図である。
図6】本発明の第三実施形態による繊維複合材料製車輪フレームにおけるリムを示す斜視図である。
図7図6の7−7線断面図である。
図8図6の8−8線断面図である。
図9図6の9−9線断面図である。
図10図6の10−10線断面図である。
図11図1の11−11線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に実施形態と図面とを合わせて、本発明の技術内容および特徴を詳細に説明する。予め説明すべきことは、以下に紹介する実施形態および図面における同一番号は、同一または類似する部材、またはその構造特徴を示している。
【0011】
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態における繊維複合材料製車輪フレーム10は、十二個のリム20を有する。図2および図3に示すように、各リム20は、発泡体30、および、発泡体30の外部に覆設されている繊維複合材料製外層部40を有する。
【0012】
発泡体30は、発泡材により作られている。発泡材は、たとえば、ポリウレタン(Polyurethane;略称はPUである)またはポリカーボネート(Polycarbonate;略称はPCである)のような材料である。これらの材料は、高靭性および耐衝突性を有する。
【0013】
繊維複合材料製外層部40は、炭素繊維、ガラス繊維またはその他のポリエステル繊維の複合材料により作られ、硬質で比重が小さく、耐高温性および耐食性をもっている。本実施形態においては、炭素繊維を例にして説明する。発泡体30は、特定の形状に作られ、繊維複合材料製外層部40が、発泡体30に覆設された後、陥凹状を呈する外側部42、凸出状を呈する内側部44、および、外側部42と内側部44との間連接する二つの接続面46と二つの側面48とを形成する。各接続面46と他のリム20の接続面46とは、熱圧の方法により相互に固着される。よって、複数のリム20は、繊維複合材料製外層部40における接続面46により、車輪フレーム10が円環状に接続される。二つの隣接するリムの接続面46は、接続した後に支持面を形成する。支持面は、二つの隣接するリムの外側部42、内側部44および二つの側面48を連結することにより、車輪フレームにI型縦材のような支持効果を与えることができる。
【0014】
図4に示すように、車輪フレーム10は、タイヤ50を複数のリム20における繊維複合材料製外層部40の外側部42に設置するのに用いられ、複数のスポーク60により自転車の運転者の駆動により回転可能であるハブ70に接続する。このとき、各リム20における繊維複合材料製外層部40の内側部44は、ハブ70側に向いている。
【0015】
繊維複合材料について説明すべきことは、本発明の重点は、車輪フレーム10が緩衝作用を有する発泡体30、および、発泡体30の外部に覆設している繊維複合材料製外層部40から成り、且つ複数のリム20により同一材料(繊維複合材料)をもって接続することにより車輪フレーム10の重量が非常に軽いだけでなく、発泡体を設置することにより全体の車輪フレームが、中の詰まっている構造になることで、繊維複合材料製外層部40は、非常に薄いにもかかわらず、断裂しがたい。また、繊維複合材料製車輪フレーム10のリム20の数量は制限がない。三つ、五つ、八つまたは十個でも構わない。リムの数量が円環状に連接することができればよい。
【0016】
(第二実施形態)
上述の実施形態において、タイヤ50は、粘着する方法により複数のリム20における繊維複合材料製外層部40の外側部42に固定される。
図5に示すように、本発明の第二実施形態は、他の種類の繊維複合材料製車輪フレームを提供する。このリム80と上述したリム20との相違点は、リム80における繊維複合材料製外層部90は、二つの外側部92から延出する鉤部94をさらに有することである。よって、鉤部94とタイヤとが係合することにより、タイヤと車輪フレームとの結合の安定性高めることができる。
【0017】
(第三実施形態)
図6から図10に示すように、本発明の第三実施形態は、他の繊維複合材料製車輪フレームを提供する。このリム20´と上述のリム20との相違点は、リム20´の発泡体30´に二つの溝部32´が形成されており、リム20´の繊維複合材料製外層部40´が発泡体30´に覆設された場合、繊維複合材料製外層部40´の一部が複数の溝部32´内を充填することにより、補強リブ42´がさらに形成されていることである。よって車輪フレームの構造強度がさらによくなるだけでなく、繊維複合材料製外層部40´と発泡体30´との結合効果がさらによくなる。第三実施形態において、各溝部32´および補強リブ42´は、リム20´の長軸方向に延伸している。すなわち繊維複合材料製外層部40´の一つの接続面46´の位置から他の接続面46´に向いて延伸し、且つ接続面においても溝部が延伸して形成されている。よって、図8に示すように、二つの接続面が接続するときの結合強度を増加することができる。但し、各リム20´の溝部32´と補強リブ42´の数量および形態は横方向の補強リブに限らない。図6図9および図10に示すリム20´のように、その発泡体30´の溝部32´´および繊維複合材料製外層部40´の補強リブ42´´は、発泡体30´を周回している。
【0018】
本発明の特徴は以下のとおりである。
発泡材を心材とし、発泡材に溝部を形成することにより補強リブが形成される。これは、ブロー成形された繊維複合材料製車輪フレームが、達成できない構造である。タイヤを組み立てるとき、車輪フレームとハブとは、スポークにおける鋼線が、一定の張力を加えることにより組み立てられ、スポークと車輪フレームとが所定の夾角を呈し、この夾角は、車輪フレームに側面方向の内部応力を発生させる。このとき、発泡材間の補強リブは、中空状態の車輪フレームよりに優れた高抗張力強度を発生し、車輪フレームの側面方向の内部応力を最小になるまで減少させ、スポークの張力の増大および保持がさらに容易となるようにする。
【0019】
車輪フレームは、ブレーキをかけたとき、ブレーキパッドと摩擦することにより発熱する。従来の中空状態の炭素繊維製車輪フレームは、支持部がないため、発熱による変形生じる。これに対し、本発明における車輪フレームは、発泡材の支持により、車輪フレームが変形する状況を抑制することができる。
【0020】
リブ構造を加えた発泡材車輪フレームは、乗車するとき、中空車輪フレームに比べて、応力および振動を分散および吸収する効果をさらに高めることができるので、乗車がさらに快適となる。
【0021】
リブ構造を加えた発泡材車輪フレームは、各方向における剛性およびねじり力が、中空状態の車輪フレームより優れているため、踏み込みの力がさらに完全に伝達され、踏み込み効率をさらに容易に発揮させることができる。
【0022】
最後に、再び説明すべきことは、本発明の実施形態に記載されている構成部材は、発明を説明するためであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。バトンホイールやディスクホイールのような他の部材への等価置換または変化は、いずれも本発明の特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0023】
10 繊維複合材料製車輪フレーム
20 リム
30 発泡体
40 繊維複合材料製外層部
42 外側部
44 内側部
46 接続面
48 側面
50 タイヤ
60 スポーク
70 ハブ
80 リム
90 繊維複合材料外層部
92 外側部
94 鉤部
20´ リム
30´ 発泡体
32´ 溝部
40´ 繊維複合材料製外層部
42´ 補強リブ
46´ 接続面
32´´ 溝部
42´´ 補強リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】