(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-501427(P2015-501427A)
(43)【公表日】2015年1月15日
(54)【発明の名称】高密度導電部を有するテスト用ソケット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20140101AFI20141212BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20141212BHJP
H01R 33/76 20060101ALI20141212BHJP
H01R 11/01 20060101ALI20141212BHJP
【FI】
G01R31/26 J
G01R1/073 D
H01R33/76 A
H01R11/01 501Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-538736(P2014-538736)
(86)(22)【出願日】2013年4月3日
(85)【翻訳文提出日】2014年4月23日
(86)【国際出願番号】KR2013002748
(87)【国際公開番号】WO2013151316
(87)【国際公開日】20131010
(31)【優先権主張番号】10-2012-0034578
(32)【優先日】2012年4月3日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】514102940
【氏名又は名称】アイエスシー カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISC Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェハク
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
5E024
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AG01
2G003AG12
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB08
2G011AC14
2G011AE22
2G011AF07
5E024CA18
(57)【要約】
高密度導電部を有するテスト用ソケット及びその製造方法に係り、さらに詳細には、被検査デバイスと検査装置との間に配置され、被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットであって、被検査デバイスの端子と対応する位置に配置されるが、弾性物質内に、多数の第1導電性粒子が厚み方向に配列される第1導電部と、該第1導電部を支持しながら、隣接した第1導電部から絶縁させる絶縁性支持部と、を含む弾性導電シート;該弾性導電シートの上面側及び下面側のうち少なくともいずれか一方に付着されるが、該被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、貫通孔が形成される支持シート;該支持シートの貫通孔内に配置されるが、弾性物質内に、多数の第2導電性粒子が厚み方向に配置される第2導電部;を含んで構成されるが、該第2導電性粒子は、該第1導電性粒子より、弾性物質内に高密度に配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットであって、
被検査デバイスの端子と対応する位置に配置されるが、弾性物質内に、多数の第1導電性粒子が厚み方向に配列される第1導電部と、前記第1導電部を支持しながら、隣接した第1導電部から絶縁させる絶縁性支持部と、を含む弾性導電シートと、
前記弾性導電シートの上面側及び下面側のうち少なくともいずれか一方に付着されるが、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、貫通孔が形成される支持シートと、
前記支持シートの貫通孔内に配置されるが、弾性物質内に、多数の第2導電性粒子が厚み方向に配置される第2導電部と、を含んで構成されるが、
前記第2導電性粒子は、前記第1導電性粒子より、前記弾性物質内に高密度に配置されていることを特徴とする高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項2】
前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項3】
前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より2〜10倍ほど小さいことを特徴とする請求項2に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項4】
前記第2導電部は、前記貫通孔内に一体的に付着していることを特徴とする請求項1に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項5】
前記第2導電部は、前記第1導電部に一体的に付着していること特徴とする請求項1に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項6】
前記支持シートは、前記絶縁性支持部より高強度であることを特徴とする請求項1に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項7】
前記支持シートには、互いに隣接した第2導電部を互いに独立して作動させる分離部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項8】
前記分離部は、支持シートを切断して形成される切断溝または切断ホールであることを特徴とする請求項7に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケット。
【請求項9】
被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットの製造方法であって、
シート状の支持シートに、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、多数の貫通孔を形成する段階と、
内部に空洞が形成された金型を準備し、前記空洞内に、前記シート状の支持シートを配置する段階と、
前記貫通孔内に、多数の第2導電性粒子が分布している液状弾性物質を充填する段階と、
前記空洞内に、第1導電性粒子が分布している液状弾性物質を充填する段階と、
磁場を加え、前記第1導電性粒子を、被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、一列に配置させる段階と、を含むが、
一列に配置される第1導電性粒子より、前記貫通孔内に分布された第2導電性粒子が高密度に密集されるように、前記液状弾性物質内に分布される第2導電性粒子の数を決定することを特徴とする高密度導電部を有するテスト用ソケットの製造方法。
【請求項10】
前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より小さいことを特徴とする請求項9に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケットの製造方法。
【請求項11】
前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径と同等であることを特徴とする請求項9に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケットの製造方法。
【請求項12】
被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットの製造方法であって、
シート状の支持シートに、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、多数の貫通孔を形成する段階と、
前記貫通孔内に、多数の第2導電性粒子が分布された液状弾性物質を充填し、前記液状弾性物質を硬化させる段階と、
金型内に、多数の第1導電性粒子が分布された液状弾性物質を充填した後、被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに磁場を加え、前記第1導電性粒子を一列に配置し、前記液状弾性物質を硬化させて弾性導電シートを製作する段階と、
前記弾性導電シートの上面及び下面のうち少なくともいずれか一方に、前記支持シートを付着させる段階と、を含むことを特徴とする高密度導電部を有するテスト用ソケットの製造方法。
【請求項13】
前記弾性導電シートと、前記支持シートは、接着物質によって互いに接着されることを特徴とする請求項12に記載の高密度導電部を有するテスト用ソケットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度導電部を有するテスト用ソケット及びその製造方法に係り、さらに詳細には、被検査デバイスの端子との電気的接触性能を高めることができ、耐久性にすぐれる高密度導電部を有するテスト用ソケット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、被検査デバイスの電気的特性検査のためには、被検査デバイスとテスト装置との電気的連結が安定してなされなければならない。通常、被検査デバイスとテスト装置との連結のための装置として、テスト用ソケットが使用される。
【0003】
かようなテスト用ソケットの役割は、被検査デバイスの端子と、テスト装置のパッドとを互いに連結させ、電気的な信号が双方に交換可能にするのである。このために、テスト用ソケットの内部に使用される接触手段として、弾性導電シートまたはポゴピンが使用される。かような弾性導電シートは、弾性を有する導電部を、被検査デバイスの端子と接続させるものであり、ポゴピンは、内部にスプリングが設けられており、被検査デバイスとテスト装置との連結を円滑にし、連結時に発生しうる機械的な衝撃を緩衝することができ、ほとんどのテストソケットに使用されている。
【0004】
かようなテスト用ソケットの一例として、
図1に図示されているように、テスト用ソケット20は、BGA(ball grid array)半導体素子2のボールリード(ball lead)4が接触する領域に形成された導電性シリコン部8と、前記導電性シリコン部8を支持するように、半導体素子2の端子4が接触しない領域に形成され、絶縁層の役割を行う絶縁シリコン部6と、から構成される。前記半導体素子2のテストを行うソケットボード12の接触パッド10と、半導体素子2のリード端子4と、を電気的に連結する導電性シリコン部8の上端表面には、リング型の伝導性リング7が実装されている。
【0005】
前記テスト用ソケットによれば、いくつかの半導体素子を押し付けて電気的な接触をなさせるテストシステムに効率的であり、それぞれの導電シリコン部が独立して押し付けられるので、周辺装置の平坦度に対応が容易であって特性が向上しうる。また、金属リング内部にある導電性シリコン部が、半導体素子のリード端子によって押し付けられるとき、広がらないようにし、変位を最小化するので、コンタクタの寿命が長くなるという特徴がある。
【0006】
従来技術の他の例として開示された
図2のテストソケットは、半導体素子2のテストを行うソケットボード12の接触パッド10と、半導体素子2のリード端子4とを電気的に連結する導電性シリコン部8の上端及び下端の表面に、メッキ、エッチング、コーティングなどの方法を利用して、導電体22を実装する構造が開示される。
【0007】
しかし、前述の技術では、完成された導電性シリコン部の上端/下端表面にメッキ、エッチング、コーティングなどの方法を利用して、「強固な(rigid)」導電体22を実装しているので、導電体のない状態のシリコン部に比べ、接触部の弾性力が低下するということは、当然のことであるので、半導体素子の端子及びテストボードなどのパッドに弾性的に接触させることを目的にする集積化されたシリコンコンタクタの長所が希薄になり、頻繁な接触によって、前記メッキ、エッチング、コーティング面、及び相手方半導体素子端子またはテストボードのパッドが損傷され、異物が入り込むような問題が生じている。
【0008】
かような問題を解決すべく、
図3に開示されているようなテスト用ソケットが開示されている。かようなテスト用ソケットは、BGA半導体素子2のボールリード4が接触する領域に形成され、シリコンに導電性金属パウダーが混合された導電性シリコン部8と;前記導電性シリコン部8を支持するように、半導体素子2のリード端子4が接触しない領域に形成され、絶縁層の役割を行う絶縁シリコン部6と、を開示している。このとき、前記導電性シリコン部8の上部(
図3の(a)参照)または下部(
図3の(b)参照)、または上下部いずれにも、前記導電性シリコン部8の導電性パウダー密度より高い密度の導電強化層30,30’が形成されている。かような
図3に開示されたテスト用ソケットは、導電性を向上させるという効果がある。
【0009】
しかし、かような従来技術は、次のような問題点がある。
【0010】
導電強化層によって、導電性が向上するという長所はあるが、前記導電強化層は、導電性シリコン部の上側に突設されており、半導体素子2の端子との頻繁な接触過程で、容易に変形したり、あるいは損傷されたりするというような恐れがある。特に、端子との頻繁な接触によって、突出した導電強化層がその形状をそのまま維持することができずに破損される恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述の問題点を解決するために創出されたものであり、さらに詳細には、電気的接触性を高めながら、耐久性が向上する高密度導電部を有するテスト用ソケット及びその製造方法に係わるものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を果たすための本発明の高密度導電部を有するテスト用ソケットは、被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットであって、被検査デバイスの端子と対応される位置に配置されるが、弾性物質内に、多数の第1導電性粒子が厚み方向に配列される第1導電部と、前記第1導電部を支持しながら、隣接した第1導電部から絶縁させる絶縁性支持部を含む弾性導電シート;前記弾性導電シートの上面側及び下面側のうち少なくともいずれか一方に付着されるが、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、貫通孔が形成される支持シート;及び前記支持シートの貫通孔内に配置されるが、弾性物質内に、多数の第2導電性粒子が厚み方向に配置される第2導電部;を含んで構成されるが、前記第2導電性粒子は、前記第1導電性粒子より、前記弾性物質内に高密度に配置される。
【0013】
前記テスト用ソケットで、前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より小さくもある。
【0014】
前記テスト用ソケットで、前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より2〜10倍ほど小さくもある。
【0015】
前記テスト用ソケットで、前記第2導電部は、前記貫通孔内に一体的にも付着される。
【0016】
前記テスト用ソケットで、前記第2導電部は、前記第1導電部に一体的にも付着される。
【0017】
前記テスト用ソケットで、前記支持シートは、前記絶縁性支持部より強度が強くもある。
【0018】
前記テスト用ソケットで、前記支持シートには、互いに隣接した第2導電部を互いに独立して作動させる分離部が形成されもする。
【0019】
前記テスト用ソケットで、前記分離部は、支持シートを切断して形成される切断溝または切断ホールでもある。
【0020】
前述の目的を果たすための本発明のテスト用ソケットの製造方法は、被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットの製造方法であって、シート状の支持シートに、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、多数の貫通孔を形成する段階と、内部に空洞が形成された金型を準備し、前記空洞内に、前記シート状の支持シートを配置する段階と、前記貫通孔内に、多数の第2導電性粒子が分布している液状弾性物質を充填する段階と、前記空洞内に、第1導電性粒子が分布している液状弾性物質を充填する段階と、磁場を加え、前記第1導電性粒子を、被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに一列に配置させる段階と、を含むが、一列に配置される第1導電性粒子より、前記貫通孔内に分布された第2導電性粒子が高密度に密集されるように、前記液状弾性物質内に分布される第2導電性粒子の数を決定することができる。
【0021】
前記製造方法で、前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径より小さくもある。
【0022】
前記製造方法で、前記第2導電性粒子の平均粒径は、前記第1導電性粒子の平均粒径と同等でもある。
【0023】
前述の目的を果たすための本発明のテスト用ソケットの製造方法は、被検査デバイスと検査装置との間に配置され、前記被検査デバイスの端子と、検査装置のパッドとを互いに電気的に連結するテスト用ソケットの製造方法であって、シート状の支持シートに、前記被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに、多数の貫通孔を形成する段階と、前記貫通孔内に、多数の第2導電性粒子が分布された液状弾性物質を充填し、前記液状弾性物質を硬化させる段階と、金型内に、多数の第1導電性粒子が分布された液状弾性物質を充填した後、被検査デバイスの端子と対応する位置ごとに磁場を加え、前記第1導電性粒子を一列に配置し、前記液状弾性物質を硬化させて弾性導電シートを製作する段階と、前記弾性導電シートの上面及び下面のうち少なくともいずれか一方に、前記支持シートを付着させる段階と、を含む。
【0024】
前記製造方法で、前記弾性導電シートと、前記支持シートは、接着物質によって互いに接着される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるテスト用ソケットは、第2導電性粒子が高密度に集積されて配置された第2導電部が、支持シート内に支持されているので、電気的な伝導性が全体的に高くなるのは言うまでもなく、耐久性が増進するのである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来技術によるテスト用ソケットを示す図面である。
【
図2】従来技術によるテスト用ソケットを示す図面である。
【
図3】従来技術によるテスト用ソケットを示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態によるテスト用ソケットを示す図面である。
【
図6】
図4に開示されたテスト用ソケットを製造する一実施形態を示す図面である。
【
図7】
図4に開示されたテスト用ソケットを製造する一実施形態を示す図面である。
【
図8】
図4に開示されたテスト用ソケットを製造する一実施形態を示す図面である。
【
図9】
図4に開示されたテスト用ソケットを製造する他の実施形態を示す図面である。
【
図10】
図4に開示されたテスト用ソケットを製造する他の実施形態を示す図面である。
【
図11】本発明の他の実施形態によるテスト用ソケットを示す図面である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態によるテスト用ソケットを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態によるテスト用ソケットについて、添付された図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
本発明の一実施形態によるテスト用ソケット100は、被検査デバイス900と、検査装置800との間に配置され、前記被検査デバイス900の端子910と、検査装置800のパッド810とを電気的に連結させる。
【0029】
かようなテスト用ソケット100は、弾性導電シート110、支持シート120及び第2導電部130を含んで構成される。
【0030】
前記弾性導電シート110は、厚み方向には、電気的な流れを可能にし、厚み方向と直角である面方向では、電気的な流れを不可とするものであり、弾性的に圧縮されながら、被検査デバイス900の端子910から加えられる衝撃力を吸収するように設計されている。かような弾性導電シート110は、第1導電部111と、絶縁性支持部112と、を含んで構成される。
【0031】
前記第1導電部111は、被検査デバイス900の端子910と対応する位置に配置されるが、弾性物質内に、多数の第1導電性粒子111aが、厚み方向に一列配置される。
【0032】
前記第1導電部111を形成する弾性物質としては、架橋構造を有する耐熱性の高分子物質が望ましい。かような架橋高分子物質を得るために利用することができる硬化性の高分子物質形成材料としては、多様なものを利用することができるが、液状シリコンゴムが望ましい。液状シリコンゴムは、付加型のものでも縮合型のものでもよいが、付加型液状シリコンゴムが望ましい。第1導電部111を、液状シリコンゴムの硬化物(以下、「シリコンゴム硬化物」とする)によって形成する場合において、前記シリコン硬化物は、150℃における圧縮永久歪曲が、10%以下であることが望ましく、さらに望ましくは、8%以下、さらに望ましくは、6%以下である。該圧縮永久歪曲が10%を超える場合には、得ることができる弾性導電シート110を高温環境の下において反復して使用したときには、接続用導電部における導電性粒子の連鎖に乱れが生ずる結果、所望の導電性を維持し難くなる。
【0033】
前記第1導電性粒子111aとしては、磁性を示すコア粒子の表面に、高導電性金属が被覆されてなるものを利用することが望ましい。ここで、「高導電性金属」とは、0℃における導電率が5×10
6Ω/m以上であることをいう。導電性粒子Pを得るための磁性コア粒子は、その数平均粒子径が3ないし40μmであることが望ましい。ここで、磁性コア粒子の数平均粒子径は、レーザ回折散乱法によって測定されたものをいう。磁性コア粒子を構成する材料としては、鉄;ニッケル;コバルト;それら金属を、銅、樹脂にコーティングしたものなどを利用することができるが、その飽和磁化が、0.1Wb/m
2以上であるものを望ましく利用することができ、さらに望ましくは、0.3Wb/m
2以上、特に望ましくは、0.5Wb/m
2以上のものであり、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金を挙げることができる。
【0034】
磁性コア粒子の表面に被覆される高導電性金属としては、金、銀、ロジウム、白金、クロムなどを利用することができ、それらのうちでは、化学的に安定しており、かつ高い導電率を有するという点で、金を利用することが望ましい。
【0035】
前記絶縁性支持部112は、前記導電部を支持しながら、導電部間に絶縁性を維持させる機能を遂行する。かような絶縁性支持部112は、前記第1導電部111内の弾性物質と同一の素材が使用されるが、それに限定されるものではなく、弾性力にまさり、絶縁性にすぐれる素材であるならば、いかなるものでも使用可能であるということは、言うまでもない。
【0036】
前記支持シート120は、前記弾性導電シート110の上面側に付着する。かような支持シート120には、前記被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに、貫通孔121が形成される。前記支持シート120は、後述する第2導電部130を支持する機能を遂行することであり、望ましくは、前記支持シート120より強度が強い素材が使用される。例えば、ポリイミドのような合成樹脂素材が使用される。ただし、それに限定されるものではなく、シリコン、ウレタン、またはその他弾性素材が使用されるということは、言うまでもない。
【0037】
前記支持シート120の貫通孔121は、レーザによっても形成され、その他機械的加工によって形成されもするということは、言うまでもない。
【0038】
前記第2導電部130は、前記支持シート120の貫通孔121内に配置されるが、弾性物質内に、多数の第2導電性粒子131が厚み方向に配列されている。かような第2導電部130を構成する弾性物質は、前記第1導電部111の弾性物質と同一であるか、あるいは類似した素材が使用される。また、必要によっては、第1導電部111の弾性物質より、高強度の素材が使用されるということは、言うまでもない。前記第2導電部130内に配置される弾性物質の量は、前記第1導電部111内に配置される弾性物質の量と比べ、単位面積当たりさらに少量が充填されていることが望ましい。
【0039】
前記第2導電性粒子131は、前記第1導電性粒子111aと同一の素材または類似した素材が使用される。ただし、前記第2導電性粒子131は、前記第1導電性粒子111aより、前記弾性物質内に高密度に配置される。例えば、単位面積当たり、第2導電性粒子131が占める部分が、前記第1導電性粒子111aが占めている部分より大きいことが望ましい。従って、前記第2導電性粒子131は、詰まって密集して配置される。かような第2導電性粒子131は、その平均粒径が、前記第1導電性粒子111aの平均粒径より小さいことが望ましい。例えば、第1導電性粒子111aより小さい粒径を有する第2導電性粒子131が、弾性物質内に詰まって配置されていることが好ましい。そのとき、前記第2導電性粒子131の平均粒径は、前記第1導電性粒子111aの平均粒径より2〜10倍ほど小さい。
【0040】
一方、前記第2導電部130は、支持シート120の第1貫通孔121及び前記第1導電部111に一体的にも付着される。このように、支持シート120及び第1導電部111に一体的に付着していることにより、被検査デバイス900の端子910と頻繁に接触する場合にも、容易に離脱されたり破損したりすることが少なくなる。
【0041】
一方、図面番号140,320は、それぞれ金属フレーム及びガイドピンを指す。前記金属フレーム140は、前記弾性ゴムシート110の周辺部を形成するものであり、前記ガイドピン320は、前記検査装置800から上向き突出し、テスト用ソケットの位置を整列させる。
【0042】
かような本発明の一実施形態によるテスト用ソケット100は、次のように製作される。
【0043】
まず、テスト用ソケット100の製造方法の一例が、
図6ないし
図8に図示されている。テスト用ソケット100を製作するために、まず、シート状の支持シート120に、被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに、多数の貫通孔121を形成する。かような貫通孔121は、レーザまたは機械的な加工によっても形成される。
【0044】
その後、前記シート状の支持シート120を、
図6に図示されているように、金型400内に挿入する。このとき、金型400は、上金型、及び前記上金型と対をなす下金型が対向するように配置されて構成され、前記上金型と下金型との間の内部空間には、空洞Cが形成されている。
【0045】
前記上金型には、基板410の下面に、被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに、強磁性体層411が形成され、前記強磁性体層411以外の部分には、非磁性体層412が形成されている。また、前記下金型には、基板417の上面に、前記被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに、強磁性体層416が形成され、前記強磁性体層416以外の部分には、非磁性体層415が形成されている。一方、前記非磁性体層のエッジ側には、1対のスペーサ413,414が配置され、前記スペーサ413,414間には、金属フレーム140が配置されている。
【0046】
かような金型400内に、前記支持シート120を配置する。具体的には、金型400の空洞C内に、前記支持シート120を載置するが、前記支持シート120の貫通孔121が、前記強磁性体層416と対応するように位置させる。
【0047】
その後、前記貫通孔121内に、多数の第2導電性粒子131が分布している液状弾性物質130’を充填する(
図6参照)。
【0048】
その後、前記空洞内に、第1導電性粒子111aが分布している液状弾性物質111’を充填する(
図7参照)。
【0049】
その後、図示されていない電磁石を介して磁場を加え、それによって、磁場が上下互いに対向する強磁性体層411,416の間に形成されながら、その磁場が形成される間、第1導電性粒子111aが一列配置される(
図8)。
【0050】
その後、前記第1液状弾性物質130’と、第2液状弾性物質111’とを加熱することによって硬化させることにより、製作を完了する。
【0051】
このとき、前記一列に配置される第1導電性粒子111aより、前記貫通孔121内に配置される第2導電性粒子131の方が、弾性物質内に高密度に配置されるように、第2導電性粒子131を多数配置することが望ましい。すなわち、単位面積当たり分布される導電性粒子の数をあらかじめ計算しておき、前記第1導電性粒子111aより、前記第2導電性粒子131の方が詰まって配置されるように、第1導電性粒子111a及び第2導電性粒子131の数を決定しておく。
【0052】
そのとき、前記第2導電性粒子131の平均粒径は、前記第1導電性粒子111aの平均粒径より小さいことが望ましいが、それに限定されるものではなく、同等なサイズを有することも可能である。
【0053】
一方、本発明のテスト用ソケット100に係わる製造方法の他の例を、
図9及び
図10に図示する。まず、
図9に図示されているように、シート状の支持シート120に、前記被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに、多数の貫通孔121を形成し、その後には、前記貫通孔121内に、多数の第2導電性粒子131が分布された液状弾性物質を充填し、前記液状弾性物質を硬化させる。
【0054】
また、金型内に、多数の第1導電性粒子111aが分布された液状弾性物質を充填した後、被検査デバイス900の端子910と対応する位置ごとに磁場を加え、前記第1導電性粒子111aを一列に配置し、前記液状弾性物質を硬化させ、弾性導電シート110を製作する。前記弾性導電シート110を製作する方法については、
図6ないし
図8に図示された製造方法と類似しているので、詳細な説明は省略する。製作が完了した支持シート120を、前記弾性導電シート110と近接するように位置させる(
図9参照)。
【0055】
その後には、前記弾性導電シート110の上面及び下面のうち少なくともいずれか一方に、前記支持シート120を付着させる。このとき、前記支持シート120は、接触物質により、前記弾性導電シート110に付着することになる(
図10参照)。
【0056】
かような本発明のテスト用ソケットは、次のような長所を有する。
【0057】
まず、本発明の一実施形態によるテスト用ソケットは、被検査デバイスと接触する第2導電部内に、多数の導電性粒子が高密度に充填されているので、電気的な接続力にすぐれるという長所がある。特に、第2導電部は、周辺が支持シートによって支持されているので、反復的な被検査デバイスの接触にもかかわらず、本来の形態をそのまま維持しやすいという長所がある。
【0058】
特に、第2導電粒子を第1導電粒子より小さく形成する場合には、高密度に弾性物質内に配置することができて望ましい。また、第2導電粒子の平均粒径が小さい場合には、被検査デバイスの端子と点接触する部位が増大することになる。例えば、第2導電性粒子のサイズが小さく、詰まって配置される場合には、被検査デバイスの端子と接触する第2導電性粒子の量が多くなり、それにより、被検査デバイスの端子と接触する部位が増大する。それにより、電気的な接続力が全体的に増大するという長所がある。
【0059】
かような本発明の一実施形態によるテスト用ソケットは、次のように変形される。
【0060】
まず、
図11に図示されているように、支持シート220に、互いに隣接した第2導電部230が互いに独立して作動するように、分離部が形成される。かような分離部222は、レーザまたはカッティング器具によって、前記支持シート220の一部を切開した切断溝または切断ホールでもある。このように、支持シート220が、分離部222によって分離されている場合には、互いに隣接した第2導電部230が、互いに独立して上下動することができる。すなわち、いずれか1つの第2導電部230が、隣接した第2導電部230によって、それと同じ高さまたは同等な高さに下がることがなくなり、独立して位置移動することができることになる。
【0061】
また、
図12に図示されているように、支持シート320,340は、弾性導電シート310の上面側及び下面側に配置される。言うまでもないが、第2導電部330,350も、前記弾性導電シート310の第1導電部311の上面及び下面に付着される。また、それに限定されるものではなく、支持シートが下面側にのみ配置されることも可能であるということは、言うまでもない。
【0062】
以上、多様な実施形態を挙げ、本発明のテスト用ソケットについて説明したが、それらに限定されるものではなく、本発明の権利範囲から合理的に解釈されるものであるならば、いなかるものでも本発明の権利範囲に属するということは、言うまでもない。
【国際調査報告】