特表2015-501771(P2015-501771A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-501771(P2015-501771A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】振動式螺旋移送デバイス
(51)【国際特許分類】
   B65G 27/02 20060101AFI20141216BHJP
   B65G 27/08 20060101ALI20141216BHJP
   B65G 27/20 20060101ALI20141216BHJP
【FI】
   B65G27/02
   B65G27/08
   B65G27/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-542912(P2014-542912)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(85)【翻訳文提出日】2014年4月28日
(86)【国際出願番号】FR2012052469
(87)【国際公開番号】WO2013076397
(87)【国際公開日】20130530
(31)【優先権主張番号】1160726
(32)【優先日】2011年11月24日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514107646
【氏名又は名称】テクニカル アライアンス
【氏名又は名称原語表記】TECHNICAL ALLIANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ミツカト、マルタン
【テーマコード(参考)】
3F037
【Fターム(参考)】
3F037BA07
3F037CA02
3F037CA17
(57)【要約】
本発明は、複数のn個の対の振動モータ(5)を支持する堅固な連結部片を有する支持部(4)を備える振動モジュール(1b)によって振動状態で作動される螺旋導管(3)を備える移送モジュール(1a)を備える移送デバイス(1)に関し、前記堅固な連結部片は、凹部分でメカノ溶接構造であり、複数の少なくとも2つのn個の垂直構造要素(4ci)及び複数の少なくとも2つのn個の水平構造要素(4dj)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸と呼ばれる垂直の長手方向(XX’)に延在する第1の円筒形支持部(2)を備える移送モジュール(1a)であって、前記第1の円筒形支持部が同一の第1の軸(XX’)の螺旋シュート又は導管(3)を支持する移送モジュール(1a)と、
上方及び下方の2つのテーブル(4a,4b)を備え、前記同一の第1の軸(XX’)の第2の支持部(4)を備える振動モジュール(1b)であって、前記2つのテーブルのうちの1つの振動伝達テーブルが少なくとも前記第1の円筒形支持部の長手方向端部に固定され、それによって振動伝達テーブルが前記振動を伝達することが可能になり、前記第2の支持部が、同一の水平面(P)、好適には中間の水平面(P)、より好適には前記第2の支持部の外周の側壁(6)にわたって均等に配分された、少なくともn個の対の振動モータ(5)を支持し、各モータが、水平に対して同一の傾斜αにしたがって長手方向(YiYi’、ただしi=1から2n)で延在し、各対のうちの2つのモータが、正反対に配置され、前記第2の支持部が、異なる振動モータと前記振動伝達テーブルとの間の堅固な連結部片を備え、それによって前記モータのアセンブリの振動状態での同時の作動が第1の支持部の螺旋振動を発生させることが可能である振動モジュール(1b)とからなる振動式移送デバイス(1)において、
前記堅固な連結部片が、少なくとも、
a)対で正反対に位置する外側縁部(4c’)を備える垂直構造要素(4ci、ただしi=1〜2n)と呼ばれる垂直方向に延在する複数の少なくとも2n個の構造要素であって、前記垂直構造要素が異なる径方向ZjZj’(ただしj=1からn)に延在する平坦な部分を備え、各前記垂直構造要素が水平断面で開いた横断面、及び前記径方向に垂直な垂直断面を有する構造要素と、
b)対で正反対に位置する外側外周縁部(4d’)を備える水平構造要素(4dj,4di−j、ただしi=1〜4、J=1〜p、p=2又は3)と呼ばれる水平方向に延在する複数の少なくとも2n個の構造要素であって、前記水平構造要素が前記垂直方向(XX’)に異なるレベルで配置された平坦な部分を備え、各前記水平構造要素が垂直断面で開いた横断面を有する構造要素と、
c)少なくとも1つの前記水平構造要素(4dj,4di−j、ただしi=1〜4、j=1〜p、p=2又は3)に溶接された各前記垂直構造要素(4ci)であって、各前記水平構造要素が少なくとも1つの前記垂直構造要素に溶接され、複数の対(4c1,4c3)で前記正反対に位置する垂直構造要素のうちの少なくとも2(n−1)個が同一の垂直連結要素に溶接された内側縁部(4c’)を備え、前記水平構造要素のうちの少なくとも1つの部分が、同一の垂直な軸方向連結要素(4c)に溶接された内側縁部(4d’’)を備えている各前記垂直構造要素(4ci)と、
d)好適には第1の装着プレート又は第1のフランジ(7)によって、
少なくとも1つの前記垂直構造要素(4ci、ただしi=1から4)の少なくとも1つの前記外周の外側縁部(4c’’)、及び少なくとも1つの前記水平構造要素の少なくとも1つの前記外周の外側縁部(4d’)のいずれか、
又は好適には少なくとも1つの前記垂直構造要素(4ci)の少なくとも1つの前記外周の外側縁部(4c’’)に溶接され、少なくとも1つの水平構造要素(4dj、4di−j)の少なくとも1つの前記外周の外側縁部(4d’)に溶接された側壁(6)の一部分に固定された各前記振動モータ(5)と、
を溶接することによる少なくとも1つのアセンブリを備える、同一の垂直軸XX’の部分的に中空にされたメカノ溶接構造であることを特徴とする
振動式移送デバイス(1)。
【請求項2】
全ての前記垂直構造要素が、同一の軸方向垂直連結要素(4c)に溶接された内側縁部(4c’)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項3】
前記堅固な連結部片が、
完全に平坦な前記垂直構造要素(4ci)、及び
完全に平坦な前記水平構造要素(4di,4di−j,4e,4e−j)
を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記軸方向連結要素(4c)が、前記同一の垂直軸(XX’)の垂直の管状連結要素であり、好適には全ての前記垂直構造要素(4ci)が管状の前記同一の垂直連結要素に溶接されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
正反対に位置する外周縁部を有する2つの前記垂直構造要素(4c2,4c4)が、前記中央の垂直軸(XX’)に対して連続的かつ対称に延在し、前記垂直な軸方向連結要素(4c)を形成する垂直な中央の平坦な部分を有する同一の部片によって構成され、もう一方の垂直構造要素(4c1,4c3)が、前記軸方向連結要素の前記平坦な中央部分の面に溶接された内側縁部(4c’)を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記堅固な連結部片が、
前記上方のテーブル(4a)と下方のテーブル(4b)の間に垂直に、かつ実質的に前記垂直軸XX’及び前記モジュールの外周から径方向に延在する、前記完全に平坦な垂直構造要素(4ci)と、
前記垂直構造要素(4ci)に溶接された、前記内側縁部(4d’’)を形成する、2つの径方向に延在する側方縁部を備え、各前記平坦な垂直構造要素が前記垂直方向の異なるレベル(p)で複数の前記平坦な水平構造要素に溶接されている、前記完全に平坦な水平構造要素(4di−j)と
を備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記垂直方向での各前記pのレベルで、2n個の前記平坦な水平構造要素(4di−j、ただしi=1〜2n、n=2、かつj=1〜3)が前記垂直方向での同一のレベルに配置されることを特徴とする、請求項5及び6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記堅固な連結部片が、垂直に整列され空隙(4e)を有する平坦な部分を備える前記垂直方向にpのレベルで前記水平構造要素を備え、前記空隙内に点検梯子が配置され、又は前記空隙内に点検梯子を配置することを可能にすることができ、好適にはp=2からp=5であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記堅固な連結部片が、
好適には、2つの前記上方のテーブル(4a)と下方のテーブル(4b)の間、又は2つの前記水平構造要素の2つの平坦な部分の間に延在する開いた横断面を有するプロファイルによって構成された垂直の補強要素(4g,4h)、及び
水平補強要素(4f)であって、その径方向の内側縁部が、前記垂直構造要素の平坦な部分にその外周の外側縁部(4c’’)から溶接され、好適には2つの前記水平補強要素が前記平坦な部分の2つの対向する面に溶接される水平補強要素(4f)
のうちの少なくとも一方を備えることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記対のモータの数がn=2から6であり、前記中間平面での異なる径方向(ZjZj’)の異なる対のモータが、90°(n=2)、60°(n=3)、45°(n=4)、36°(n=5)、30°(n=6)の同一のベータ角度で角度的に間隔を置いて配置されていること
を特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記振動モータ(5)が、振動状態で電気的に作動可能なアンバランス・モータであり、該モータが、同一の値の傾斜の角度αでの傾斜、及び前記第1の軸XX’から同一の距離で配置された前記第1の軸XX’に平行な平面での同一の回転方向にしたがって長手軸方向(YY’)に延在する円筒形フードを備え、前記モータのそれぞれが、該モータの前記長手軸方向の軸YY’を中心に内部回転で回転することが可能な偏心した内部の質量を備え、前記モータのそれぞれが、そのフードのレベルで第1の装着プレート又は前記側壁(6)と一体の第1のフランジ(7)、あるいは第2のプレート又は第2のフランジ(6c)によって前記側壁に固定され、前記第1の装着プレート又は第1のフランジ(7)が前記フードと一体のフランジ又はカラー(5a)に固定され、前記第1のプレート又は第1のフランジ(7)が、前記側壁(6)又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジ(6c)に対して固定され、前記第1のプレート又は第1のフランジ(7)が、同一の径方向の軸を中心とした前記第1のプレート又は第1のフランジの回転によっていくつかの留め位置をとることが可能であり、それによって前記モータ(5)の前記長手方向軸の前記可変の傾斜αを可能にすることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1のプレート又は第1のフランジ(7)が開口部(7a)を備え、それぞれが好適には同一の長さの円の弧の部分にわたって延在し、異なる複数の開口部が同一の円に沿って間隔を置いて配置され、好適には均等に間隔を置いて配置され、留めネジ又はフィンガ(7b)が前記開口部(7a)を通過して前記側壁(6)又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジ(6c)に連結され、前記第1のプレート又は第1のフランジの位置が、各開口部に沿った任意の位置にしたがって前記側壁(6)又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジ(6c)に対して回転して、及び前記ネジ又はフィンガ(7b)を通過する前記開口部(7a)のオフセットにより調整可能であることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記上方のテーブルが、前記第1の支持部の下端に固定され、前記下方のテーブルが好適にはエラストマ材料で作製された減衰ピン(8)を下側に備えることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記振動モータのアセンブリの同時の作動及び停止の連続が、前記移送モジュールの前記螺旋振動を生成するように行われることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のデバイスを作動する方法。
【請求項15】
前記モータが、該モータの長手軸方向の軸YY’の周りで内部回転で回転することが可能な偏心した内部の質量を備えるアンバランス・モータ(5)であり、正反対に位置する異なる対の2つのモータが反対方向に内部回転で回転することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り扱われる製品を振動によって移送するためのデバイスに関する。より詳細には、この品は螺旋ランプ又はシュートに沿って、熱的に取り扱われる製品であり、その螺旋ランプ又はシュートは、特に中央カラムの周囲又は内側に固定され、巻きつけられた螺旋導管又は管状の蛇行体の形態で、取り付けられた振動モジュールによって振動可能である、移送デバイスに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、好適にはアンバランス・モータタイプの振動モータによって振動可能な新規の振動モジュールを備えるようなデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
振動エレベータ(elevateurs a secousse)とも呼ばれるこのタイプの螺旋振動エレベータ装置が、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7に記載されている。
【0004】
これらのデバイスでは、中央カラムの振動は螺旋導管の振動を生じることで中央カラムを硬化させ、螺旋導管を支持する。前記の螺旋導管は少なくとも2つの螺旋ピッチを備える。ランプ又は螺旋導管の振動は、前記振動に起因するランプ又は螺旋導管に沿った跳躍による前進で、特定の循環する取り扱われる製品の振動を生じる。一般に、前記中央カラムは鉛直に配置される。この振動は、ランプ又は螺旋導管の下端からその上端に、前記のランプ又は螺旋導管に導入された製品の粒子の高さ変位を生じる。したがって、カラムの振動は、ランプ又は螺旋導管に収容されたバルク製品を前進させる。
【0005】
これらの装置は、螺旋移送導管の外側又は内側を循環する熱伝達流体との直接的な接触によって、又は螺旋導管の壁面に電流を流すことによるジュール効果によって加熱された壁面と接触することによって、粉末状又は粒子状の製品を連続的に加熱、又は冷却するために用いられ得る。熱は、伝導、対流、及び放射の複雑な組み合わせによって螺旋導管内を循環する製品に伝達される。このようにして、装置は分割された固体の連続的な熱処理を700℃〜1000℃に達する温度で15t/hに達する流量で可能にする。螺旋導管の内側の製品の周囲の空間は、熱伝達流体と呼ばれる不活性ガス、反応性ガス、及び乾燥用空気のうちの少なくとも一つによって占有され得る。装置は、前記螺旋移送導管の内側の連続的な真空又は圧力の下での適用にも使用され得る。
【0006】
このタイプの振動エレベータは、REVTECH社(フランス共和国)及びSINEX社(フランス共和国)などのその他の会社によって販売されている。
知られているように、いくつかの基準、特に体積流れ、製品の見掛密度及び熱容量、処理又は不活性ガスの特性、滞留時間、好適な温度プロファイル、そして最後に好適な排出高さが装置の前記の螺旋導管の寸法を決定する。
【0007】
ランプ又は螺旋導管の上方の角度、すなわち水平に対する螺旋の傾斜は、慣例的には1°〜10°、好適には1°〜5°である。前記螺旋導管の横断面は好適には概ね円形をなす。
【0008】
螺旋導管内側での製品粒子の変位は、小さな跳躍によって生じ、前記製品の移送速度は、製品が1時間まで継続することが可能な滞留時間の間に30cm/sに達することが可能である。螺旋導管の直径は、一定の関数、又は取り扱われる製品の流れの関数のうちの少なくとも一方であり、直径は50〜300mmである。取り扱われる製品のt/hでの
流量における処理能力は、装置の寸法及び重量に依存する。制限要因には、装置の総重量を考慮に入れた、装置を振動させる振動モジュールの能力が含まれる。
【0009】
中央カラム及び螺旋導管の振動は、振動モジュールの振動から生じ、振動モジュールは、振動モータが固定された側壁に、支持ベース部の頂部又は基部で固定された振動伝達ブラケットを備え、それによって前記基部及び前記振動伝達ブラケットが、前記基部に固定された前記振動モータによって振動可能になる。
【0010】
振動モータの好適な例は、アンバランス(「不均衡」)モータである。一般にアンバランス振動モータは、偏心した内部の質量を回転駆動することが可能な電気デバイスを密封する閉じた円筒形のフードを備え、上記質量の遠心力及びモーメント(作動トルク)が、それによって生じるベース・フレーム及び振動伝達ブラケットの振動の振幅を決定する。偏心した内部の質量は、電気デバイスによって回転駆動される。前記フードはフランジによって囲まれ、又はフードをブラケット、テーブル又はフランジに固定するための留め足部を備えられ、そのブラケット、テーブル、又はフランジは、ベース・フレームと一体にカウンター・ブラケット、カウンター・テーブル、又はカウンター・フランジと回転して協働し、それによって前記基部の軸XX’に対して前記モータが可変に傾斜することが可能になる。
【0011】
本明細書で上記に引用した従来技術では、振動モジュールが、周囲又は内部に前記螺旋導管が延在する中央コラムへの支持部として機能する振動テーブル又は振動プラットフォームを備えるベース・フレームを備え、ベース・フレームが、それに対して、又はその周囲に配置された2つのアンバランス・モータによって振動状態で作動可能であり、前記2つのアンバランス・モータは、ベース・フレームが支持する前記中央カラムの垂直軸XX’に対応する、前記ベース・フレームの垂直軸XX’に対して同一の傾斜αで対称に配置されている。
【0012】
それに応じて、正反対に位置する両方のアンバランス・モータの堅固な横断する連結構造を備える、前記ベース・フレームに配置及び固定されて、2つのアンバランス・モータが反対の回転方向に同時に作動することにより、前記ベース・フレームの螺旋振動を生成し、上方のプラットフォームの振動、したがって互いに堅固に取り付けられている、ベース・フレームが支持する中央カラムの振動を生じる。
【0013】
より詳細には、振動は前記軸方向XX’での並進運動及び前記軸XX’に対する回転運動の2つの組み合わせにより得られる。これらの連続的な組み合わされた前方及び後方への比較的振幅の少ない並進及び回転運動は、モータが同時に作動することによるねじ込み、及びモータ又は回転運動を同時に停止することによるねじ戻しの連続を構成する。水平に対するモータの軸YY’の傾斜αの関数として、並進運動(α=90°)の成分又は反対に回転運動(α=0°)の成分が好ましい。実際には、並進又は回転でのこれらの運動の振幅は、並進に関する方向XX’、又は回転運動に関する円の弧の長さにおいて、3cmを越えるピッチ距離、より詳細には2cm以下のピッチ距離に対応する。また、螺旋導管の内側の製品粒子の跳躍による変位の幅及び速度は、振動運動の性質にも依存する。実際には、2つのアンバランス・モータの2つの軸YY’の傾斜は、水平(P)に対して10°〜60°、より詳細には30°〜45°の角度αで調整される。
【0014】
往復の並進/回転運動を実現し、このねじ込み、ねじ戻し振動を生成するために、2つのモータは反対方向に同一の速度で不均等な回転をなす必要がある。2つのモータの堅固な横断結合ビームにより、モータの自動同期、すなわちモータのそれぞれの強度及び速度の均一性が確実になる。
【0015】
上記に記載したように、2つの堅固なモータの間の横断結合構造によって2つのモータが正反対に対称に傾斜して配置された場合、2つのモータの自動同期が2つのモータによって発生した2つの横断方向の力が、それぞれ2つのモータの堅固な横断結合ビームで、反対方向の同時の圧縮又は反対方向の同時の伸張で相互に打ち消し合うことによって安定して実現される。
【0016】
したがって、2つのモータの横断結合ビームにより、前記モータの内側で遠心力又は対称の向心力によって発生した圧縮力又は伸張力が吸収されることが確実になり、その結果全ての運動が振動の並進/回転運動に変換される。2つのアンバランス・モータの横断結合ビームにより、2つのモータが同一の水平面に対して十分に対称に配置され、それによっていかなるねじりトルクも防止される。
【0017】
このタイプのモータは、特にFRIEDRICH SCHWINGTECHNIK GmbH(ドイツ連邦共和国)、VISAM(イタリア共和国)、WAMGROUP,OLIの系列会社(フランス共和国)、及びITALVIBRAS(イタリア共和国)などの会社によって販売されている。より大きな能力のこれらのモータは、180,000Nの遠心力及び6,000kg・cmの作動モーメントを有する。このタイプのモータは、740rpm(12.5Hz)の周波数を有し、8つの極(4対の極)を備え、照会番号F6000−8−10.0でFRIEDRICH SCHWINGTECHNIK GmbH社によって販売されている。
【0018】
上記に説明した最大出力の2つのアンバランス・モータは、9,000kgの重量の振動モジュールを含む振動エレベータ・デバイスの4gまでの加速を生成する。この4gの加速は、10t/h(トン/時間)の生産速度を処理するために8mの高さの導管を構成する、直径が20.32cm(8インチ)で直径2.2mのカラムの周囲に15回巻かれた、いわゆる螺旋導管において、0.4m/sまでの粒子の変位速度に達することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】フランス国特許第2680637号
【特許文献2】フランス国特許第2683896号
【特許文献3】フランス国特許第2634187号
【特許文献4】フランス国特許第2701861号
【特許文献5】フランス国特許第2788260号
【特許文献6】フランス国特許第2788336号
【特許文献7】フランス国特許第2712965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、装置の重量、したがってカラムの寸法及び螺旋導管の寸法を増加させ、したがって取り扱われる製品の速度を少なくとも20t/hまで増加させ、粒子の変位速度を0.4m/sを超えて増加させることを可能にすることであり、実際に、たとえば直径が少なくとも3mのカラムの周囲を囲む、少なくとも17巻回にわたって延在し、少なくとも17mの螺旋導管の高さを構成する直径およそ27から49cm(10から18インチ)のパイプに対して少なくとも15tの装置を必要とする。
【0021】
実際には、本発明による振動エレベータ・デバイスでは、目的は振動運動の振幅値を最大にし、特に実際には2cmから3cmの運動振幅に対して15Hzから20Hz以下、より詳細には10Hz程度に振動周波数を低下させることである。
【0022】
市販の最大出力のアンバランス・モータでは、本明細書で上記に示したように、20t/hの製品処理速度を得るために必要な15,000kgの振動エレベータ・デバイスの総質量の2gから5gの加速及び10mmから30mmの振幅で周波数が10Hzから10Hzの振動を得ることが不可能である。
【0023】
したがって、本発明の目的はより大きな質量及びより大きな寸法を振動状態で駆動するための改善された螺旋エレベータに対して振動モジュールを提供し、2つのアンバランス・モータのみを伴う現況技術の振動システムを使用したよりも大きな製品処理速度を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明によれば、複数の対の振動モータを備える新規の振動モジュールが提供される。
より詳細には、本発明によれば、
− 第1の軸と呼ばれる垂直の長手方向XX’に延在する第1の円筒形支持部を備える移送モジュールであって、前記第1の円筒形支持部が同一の第1の軸XX’の螺旋シュート又は導管を支持する移送モジュールと、
− 2つの上方及び下方のテーブル(又はブラケット)を含む、同一の第1の軸XX’の第2の支持部を備える振動モジュールであって、その1つの振動伝達テーブルが少なくとも前記第1の円筒形支持部の長手方向端部に固定され、それによって振動伝達テーブルが長手方向端部に前記振動を伝達することが可能になり、前記第2の支持部が、同一の水平面P、好適には中間の水平面P、より好適には前記第2の支持部の外周の側壁6にしたがって前記第2の支持部の側方の外周にわたって均等に配分された、少なくともn個の対の振動モータを支持し、各モータは、水平に対して同一の傾斜αにしたがって長手方向(YiYi’、ただしi=1から2n)で延在し、各対のうちの2つのモータが、前記垂直軸XX’から同一の距離で正反対に配置され、前記第2の支持部が、異なる振動モータと前記振動伝達テーブルとの間の堅固な連結部片を備え、それによって前記モータのアセンブリの同時の振動作動が第1の支持部の螺旋振動を発生させることが可能である振動モジュールとを備える、振動移送デバイスが提供される。
【0025】
フランス国特許第2223649号は、正反対に位置し、同一の傾斜を有する2つのアンバランス・モータのみを備える螺旋ランプ(図21)を備えるエレベータ移送装置を記載している。また、環状のランプを有する振動オーブン(図1,4)の場合は、交差方向に配置された2対の振動モータが利用され、2対のモータが互いに対して反対に傾斜して傾けられ、個別に作動されるように意図されており、それは第1の対のモータが環状のガターの内側で時計回り方向に製品を移送するように機能し、それに対して第2の対のモータが取り扱われる製品を反対方向に移送するように機能すること(12ページ第17〜37行)によるものである。
【0026】
ヨーロッパ特許第965805号は、全てが同一の傾斜にしたがって同一の方向に傾斜され同時に作動される、交差方向に配置された2対の振動モータによって振動可能なバレルの形の容器での乾燥デバイスを記載している。しかし、高能力螺旋エレベータに対してこの振動オーブンの重量が比較的軽いことにより、2対のモータが交差方向に配置された2つの連結管によって形成されたコネクタによって連結されている。交差方向に配置されたこの堅固な連結管部片は、本発明の目的を維持する際にかなりの重量及び寸法の螺旋エレベータを振動させるために必要な高出力振動の場合には、溶接された管のアセンブリの破断を機械的に阻止しない。
【0027】
米国特許第3053380号は、本明細書で上記に説明したタイプの移送デバイスの振動を記載し、図8でのように同一の方向に傾斜した2対のアンバランス・モータを使用し
たものを提示する。しかし、壁の間の横断方向のコネクタなしに、モータが立方体基部に正反対に壁に対して単純に固定される。図9に示されるように、モータを支持する正方形断面の管の部分は、螺旋エレベータ・デバイスの外部に同軸に、上端と下端それぞれの間の中間の高さに配置される。正反対に位置する2つのモータの間には直接的かつ堅固な結合はなく、亀裂を生じる危険がある。また、モータの組の自動同期が結合のたわみ性のために開始しない危険がある。
【0028】
本発明によれば、振動モジュールのアセンブリ、特に前記堅固な連結部片がかなりの重量及び大きさの螺旋エレベータにおいて振動によって作動させるために振動状態に置かれたときに破断する危険を伴わずに、複数の対の振動モータの同時の作動によって生成された振動を伝達して、高能力かつ機械的に耐性のある移送モジュールを振動させることが可能である堅固な連結部片を備える振動モジュールが提供される。
【0029】
より詳細には、本発明は本明細書で上記に定義された螺旋の振動伝達デバイスを提供し、前記堅固な連結部片は、少なくとも、
a)対で正反対に位置する外側縁部を備える垂直構造要素と呼ばれる垂直方向に延在する複数の少なくとも2n個の構造要素であって、前記垂直構造要素は異なる径方向ZjZj’(ただしj=1からn)に延在する平坦な部分を備え、各前記垂直構造要素は水平断面で開いた横断面、及び前記径方向に直交する垂直断面を有する構造要素と、
b)対で正反対に位置する外側外周縁部を備える水平構造要素と呼ばれる水平方向に延在する複数の少なくとも2n個の構造要素であって、前記水平構造要素は垂直方向XX’に異なるレベルで配置された平坦な部分を備え、各前記水平構造要素は垂直断面で開いた横断面を有する構造要素と、
c)少なくとも1つの前記水平構造要素に溶接された各前記垂直構造要素であって、各前記水平構造要素が少なくとも1つの前記垂直構造要素に溶接され、前記正反対に位置する垂直構造要素のうちの少なくとも2(n−1)個が次いで同一の垂直連結要素に溶接された内側縁部を備え、前記水平構造要素のうちの少なくとも1つの部分が、同一の垂直な軸方向連結要素に溶接された内側縁部を備えている各前記垂直構造要素と、
d)各前記振動モータであって、好適には第1の装着ブラケット又は第1のフランジによって、
− 少なくとも1つの前記垂直構造要素の少なくとも1つの前記外周の外側縁部、及び少なくとも1つの水平構造要素の少なくとも1つの前記外周の外側縁部のいずれか、
− 又は好適には、少なくとも1つの前記垂直構造要素の少なくとも1つの前記外周の外側縁部に溶接され、少なくとも1つの水平構造要素の少なくとも1つの前記外周の外側縁部に溶接された側壁の一部分に固定された各前記振動モータと
を溶接することによる少なくとも1つのアセンブリを備える、同一の垂直軸XX’の部分的に中空にされたメカノ溶接構造であることを特徴とする。
【0030】
前記垂直構造要素及び前記水平構造要素のうちの少なくとも1つの部分が、前記軸方向連結要素及びその外側外周縁部からの材料の連続性を有する水平断面に延在することが理解される。
【0031】
このタイプのアセンブリは、異なる構成要素の溶接が、その横断面の形態により実施が容易である点で有利であるが、とりわけそれが堅固な連結部片、同時に高い慣性かつ低い重量のモーメントを提供し、それによって振動モータの出力の本質部分が前記第1の支持部の振動のために伝達され、第2の支持部の振動が吸収する量は比較的少ないものでしかない点で有利である。
【0032】
ここで、
− 「中間平面」は、前記モータの長手方向でその全長の半分の部分を通過する平面を
意味し、
− 「螺旋振動」又は「螺旋運動による振動」は、連続的であり、前記第1の垂直軸XX’に対するものであり、モータが作動された場合に前進し、モータが同時に停止した場合に戻る、並進及びそれ自体の回転での変位を組み合わせる交互の螺旋運動を意味し、
− 「前記モータのアセンブリの振動状態での同時作動」は、前記モータの同時の作動及び同時の停止の連続を意味し、
− 「横断面」は、第1の水平プロファイルに関して垂直又は補強要素に関して水平である、長手方向に対して直交する方向の断面を意味し、
− 「内側縁部」は、垂直軸XX’に最も近い縁部を意味し、
− 「開いた断面」は、管の断面などの閉じた断面とは反対に断面の輪郭によって完全に閉じた内側の空間の境界を定めない形を意味する。このようにして、開いた断面の既知のプロファイルはビームであり、その断面はI、T、U、又はHの形状を有し、
− 「正反対」は前記垂直軸XX’から同一の距離で、前記垂直軸XX’に対して180°で反対に整列した2つの方向で前記外周の壁のレベルに配置され、前記外周の壁の水平断面が前記軸XX’の円に入り、前記外周の壁の前記水平断面が特に正多角形を形成することを意味し、
− 「径方向」は、垂直軸方向XX’に直交し、前記軸方向XX’を通過する方向を意味し、
− i、j、p、及びnは整数である。
【0033】
好適には、全ての前記垂直構造要素は、同一の垂直な軸方向連結要素に溶接された内側縁部を備える。
より詳細には、前記堅固な連結部片は、
− 前記完全に平坦な垂直構造要素、及び
− 前記完全に平坦な水平構造要素を備える。
【0034】
これらの完全に平坦な構造要素は、金属又は鋼で作製されたプレートを構成することが理解される。
第1の変形実施形態では、前記軸方向連結要素は、同一の垂直軸XX’の管状の垂直連結要素であり、好適には全ての前記垂直構造要素は同一の前記管状の垂直連結要素に溶接されている。
【0035】
第2の変形実施形態では、正反対に位置する外周縁部を有する2つの前記垂直構造要素は、前記中央の垂直軸XX’に対して連続的かつ対称に延在し、前記垂直な軸方向連結要素を形成する平坦な垂直の中央部分を有する同一の部片によって構成され、もう一方の垂直構造要素は、前記軸方向連結要素の前記平坦な中央部分の面に溶接された内側縁部を有する。
【0036】
より詳細には、第1の変形実施形態では、前記堅固な連結部片が、
− 前記上方のテーブルと下方のテーブルの間に垂直に、かつ実質的に前記垂直軸XX’及び前記モジュールの外周から径方向に延在する前記完全に平坦な垂直構造要素と、
− 前記完全に平坦な水平構造要素であって、前記垂直構造要素に溶接された、前記内側縁部を形成する、2つの径方向に延在する側方縁部を備え、各前記平坦な垂直構造要素は垂直方向の異なるレベルpで複数の前記平坦な水平構造要素に溶接されている水平構造要素とを備える。
【0037】
各水平構造要素は、2つの垂直構造要素の間の角度セクタ(secteur angulaire)を占めることが理解される。
両方の実施形態では、垂直方向2nでの各pレベルにおいて、前記平坦な水平構造要素が垂直方向での同一のレベルに配置されている。
【0038】
より詳細には、両方の実施形態において、前記堅固な連結部片は、垂直に整列された空隙を有する平坦な部分を備える垂直方向にpのレベルで前記水平構造要素を備え、その空隙内に点検梯子が配置され、又は空隙内に点検梯子を配置することを可能にし、好適にはp=2からp=5である。
【0039】
さらにより詳細には、異なる実施形態において、前記堅固な連結部片が、
− 好適には2つの前記上方のテーブルと下方のテーブルの間、又は2つの前記水平構造要素の2つの平坦な部分の間に延在する開いた横断面を有するプロファイルによって構成された垂直補強要素、及び/又は
− 水平補強要素であって、その径方向の内側縁部が、前記垂直構造要素の平坦な部分に垂直構造要素の外周の外側縁部から溶接され、好適には2つの前記水平補強要素が前記平坦な部分の2つの対向する面に溶接される水平補強要素を備える。
【0040】
前記水平補強要素は、前記モータの固定用のブラケットの反対側の側壁の固定用の相補的な側方水平翼形部(aileron)を構成する。
さらにより詳細には、n=2から6の個数の前記対のモータ、及び前記中間平面での異なる対のモータの異なる径方向ZjZj’が、90°(n=2)、60°(n=3)、45°(n=4)、36°(n=5)、30°(n=6)、好適にはn=2の同一の角度で角度的に間隔を置いて配置される。
【0041】
さらにより詳細には、前記振動モータは、振動状態で電気的に作動可能なアンバランス・モータであり、前記モータは、同一の値の傾斜の角度αで前記中間平面に対して同一の傾斜α、及び前記第1の軸XX’から同一の距離で配置された前記第1の軸に平行な平面のうちの2つにおいて同一の回転方向にしたがって長手軸方向YY’に延在する円筒形フードを備え、各前記モータは、前記モータの長手軸方向の軸YY’を中心に内部回転で回転することが可能な偏心した内部の質量を備え、各前記モータは、そのフードのレベルで第1の装着プレート又は前記側壁と一体の第1のフランジ、あるいは第2のプレート又は第2のフランジによって前記側壁に固定され、前記第1の装着プレート又は第1のフランジは前記フードと一体のフランジ又はカラーに固定され、前記第1のプレート又は第1のフランジは、前記側壁又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジに対して固定され、前記第1のプレート又は第1のフランジは、同一の径方向の軸を中心とした前記第1のプレート又は第1のフランジの回転によっていくつかの留め位置nをとることが可能であり、それによって前記モータの長手方向軸の前記可変の傾斜αを可能にする。
【0042】
より詳細には、前記第1のプレート又は第1のフランジは開口部を備え、それぞれが好適には同一の長さの円の弧の部分にわたって延在し、異なる複数の開口部が同一の円に沿って間隔を置いて配置され、好適には均等に間隔を置いて配置され、ネジ又は留めフィンガが前記開口部を通過して前記側壁又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジに連結され、前記第1のプレート又は第1のフランジの位置は、各開口部に沿った任意の位置にしたがった前記側壁又は前記第2のプレートもしくは第2のフランジに対する回転、及び前記ネジ又はフィンガを通過する開口部のオフセットにより調整可能である。
【0043】
本発明によるデバイスの振動モジュールは、円筒形の側壁を備え、好適には多角形の断面を備える中央カラムを備える前記第1の円筒形支持部を振動させることが可能であり、その支持部の周囲及びそれに対して螺旋導管を備えるシュートが巻きつけられ固定され、全体が10tを超え、好適には15tを超える重量があり、15t/hを超え、好適には20t/hを超える速度で、特定の製品、好適には粉末状の製品を熱処理することが可能である。
【0044】
より好適には、前記上方のテーブルは、前記第1の支持部の下端に固定され、前記下方のテーブルは好適にはエラストマ材料で作製された減衰ピンを下側に備える。
本発明は、本発明による振動する螺旋移送デバイスを作動するための方法も提供し、前記振動モータのアセンブリの同時の作動及び停止の連続が、前記移送モジュールの前記螺旋振動を生成するようになされることを特徴とする。
【0045】
より詳細には、本発明による方法では、前記モータが、前記モータの軸方向の長手方向軸YY’の周りで内部回転で回転することが可能な偏心した内部の質量を備えるアンバランス・モータであり、正反対に位置する異なる対の2つのモータが反対方向に内部回転で回転する。
【0046】
本発明のその他の特徴及び利点が、図1から3と共に与えられる2つの実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】4つのアンバランス・モータ5を備えた振動モジュール1bを備え、シュート又は螺旋導管3を支持する多角形断面の円筒形の中央カラム2を備える移送モジュール1aを振動させることが可能な振動式移送デバイス1を示す図。
図1A】4つのアンバランス・モータ5を備えた振動モジュール1bを備え、シュート又は螺旋導管3を支持する多角形断面の円筒形の中央カラム2を備える移送モジュール1aを振動させることが可能な振動式移送デバイス1を示す図。
図2】振動モジュール1bの堅固な連結部片及び前記第2の支持部4の第1の変形実施形態の斜視図。
図2A】上方のテーブル4aのない、図2の振動モジュール1bの斜視図。
図2B】垂直構造要素4c4のレベルでの垂直断面での図2の振動モジュール1bの図。
図2C】水平構造要素を含む2つのレベルの間の水平断面での図2の振動モジュール1bの図。
図3】振動モジュール1bの堅固な連結部片及び前記第2の支持部4の第2の実施形態を斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1〜3は、4つのアンバランス・モータ5を備えた垂直軸XX’の前記第2の支持部4を備える、振動モジュール1bの好ましい変形実施形態を示す。
この振動モジュール4は、堅固な連結部片を支持する平坦な環状形状の下方のテーブル4bを備え、堅固な連結部片は、同一の垂直軸XX’の部分的に中空にされた、又は部分的に空洞にされたメカノ溶接構造を備え、4つの垂直構造要素4c1、4c2、4c3、4c4を溶接することによるアセンブリを備え、垂直かつ軸XX’から径方向に配置された平面シートによって構成される。より詳細には、2つの垂直構造要素4c2及び4c4は、前記中央の垂直軸XX’に対して連続的かつ対称に延在し、正反対に位置する外側外周縁部4c’’を有する同一のプレートを形成する。2つの他の垂直構造要素4c1,4c3は、ここでは2つの垂直構造要素4c2,4c4によって構成されている垂直な軸方向連結要素4cに直交して配置されている。これらの2つの要素4c1,4c3は、中央の垂直軸XX’のレベルで、それぞれ前記プレート又は垂直な軸方向連結要素4cの2つの面に溶接されている内側縁部4c’を有する。各垂直構造要素4c1から4c4は、それぞれ径方向Z1Z’1,Z2Z’2,Z3Z’3,Z4Z’4に延在し、4つの方向及び4つの要素4c1から4c4は交差方向に配置されている。
【0049】
同一の軸XX’の平坦な環状の上方のテーブル4aが、要素4c1から4c4の上方に溶接されている。上方のテーブル4aは、パネル6aと6bの上方縁部6’及び4つの垂
直構造要素4ci(ただしi=1から4)の上方縁部4c’’’の上方に位置しかつ溶接されている。
【0050】
金属シート6aのパネルが垂直に配置され、各前記垂直構造要素4c1から4c4の外周の外側縁部4cのレベルで各前記垂直構造要素4c1から4c4に直交して溶接される。
【0051】
第2の支持部4の前記堅固な連結部片は、中央部分4eで空隙にされた平面プレート又はシートによっても構成される水平構造要素4di−j、(ただしi=1から4、j=1から3、全部で12個)(4d1−1、4d1−2、4d1−3、4d2−1、4d2−2、4d2−3、4d3−1、4d3−2、4d3−3、4d4−1、4d4−2、4d4−3)も備える。
【0052】
12個の水平構造要素4di−j、(ただしi=1から4、j=1から3)は3つのレベルに水平に配置され、垂直構造要素4ci(ただしi=1から4)の高さで均等に配分され、それによって各レベルに4つの水平構造要素があり、各水平構造要素が2つの連続した垂直構造要素の間にそれぞれに対して配置及び溶接され、すなわち90°で配置されている。このようにして、底部の層には、4つの水平構造要素4d1−1,4d2−1,4d3−1,4d4−1は、
− 互いに重なり合い、高さにわたって均等に配分された4つの要素4d1−j(ただしj=1から3)が2つの垂直要素4c4と4c1の間に配置され、
− 3つの要素4d2−j(ただしj=1から3)が垂直要素4c1と4c2の間に配置され、
− 3つの要素4d3−j(ただしj=1から3)が垂直要素4c2と4c3の間に配置され、
− 3つの水平要素4d4−j(ただしj=1から3)が垂直要素4c3と4c4の間に配置される様式でそれぞれ配置及び溶接される。
【0053】
各水平構造要素4di−jは、径方向に延在し、全体の長さにわたって2つの垂直プレート4ciに対して溶接された2つの側方の内側縁部4d’’を備える。各水平構造要素4di−jは、90°で配置された2つの垂直構造要素4ciの間の空間全体を占める。その結果、各水平構造要素4di−jの2つの側方の内側縁部4d’’は90°になる。
【0054】
各レベルj=1から3に対する4つの水平構造要素4di−j(ただしi=1から4)全ての輪郭は、水平断面に8角形を形成し、それは4つの垂直構造要素4ci(ただしi=1から4)の外側の垂直縁部4c’’に対して配置された4つのパネル6a、及びプレート6aの間に挿入された要素4di−jの外周の外側縁部4d’に対して配置された4つのプレート6bの断面の形にも一致する。
【0055】
一方で、外側縁部4d’及びパネル6a,6bによって形成されたエンベロープ壁6全体の水平断面の周囲は、正八角形の形を有し、それによって各水平構造要素4di−jの外周の外側縁部4d’が3つの直線の断面4d’1,4d’2,4d’3を有する。各2つの垂直構造要素4ciの端部から延在し、それらの間に前記水平構造要素が配置及び溶接されている各端部4d’1,4d’3での2つの断面は、同一の長さのものであり、90°で配置されている。また、2つの末端断面4d’1,4d’3を接合する中間の断面4d’2が末端断面に対して135°で配置されている。したがって、各末端断面4d’1,4d’3は、モータ5を支持する垂直プレート6aの幅の半分にわたって延在することが理解される。中間の断面4d’2は、末端断面4d’1,4d’3の2倍の長さを有する。
【0056】
空隙4eが、各水平構造要素4ci−j(ただしi=1〜4かつj=1〜3)の中心部に配置されている。3つの重畳された要素4ci−jの空隙4eが、各3つのレベルに互いに対して向かい合って配置され、垂直に整列され、それによって梯子を振動モジュール1bの内側に配置することができ、必要な場合に保守要員が振動モジュール1b内に入ることができるようにする。
【0057】
垂直構造要素4c1から4c4、ならびにエンベロープ壁6のプレート6a,6bは、同一の軸XX’の平坦な下方の環状のブラケット4bに載置される。
下方のブラケット4bの下側には、エラストマ材料8で作製された減衰ピンが配置される。
【0058】
前記アンバランス・モータ5は、形状が円形の第1の固定プレート7に固定された円筒形フードを備え、第1の固定プレート7は側壁6aに対して固定される。各側壁6aは、前記第1の装着プレート7及び前記モータ5を支持する。モータ5のフードは、各フードを囲み、第1の装着プレート7のネジとナット5cによって連結された第2のプレート5bを備えるフランジ5aによって第1のプレート7に対して固定される。4つの第1の固定プレート7は、それぞれが垂直構造要素4ci(ただしi=1から4)に対して同一の高さで、対称に、直交して配置されている。前記第1の固定プレート7は、円形に湾曲し、互いに均等に間隔を置いて配置された穴7aを備え、それによって前記第1の固定プレート7をそれ自体を基準に回転して動かすことができ、それは壁6aに連結された留めネジ又はフィンガ7bが前記開口部7aを通過し、前記第1の固定プレート7をナット7cによって所与の回転位置に連結及び固定することによるものである。
【0059】
4つのモータ5は、同一の値の傾斜の角度で水平に対する同一の傾斜αにしたがって長手方向の軸方向YY’に延在し、前記第1の軸から同一の距離で配置された前記第1の軸に平行な2つの平面で同一の回転方向に延在する円筒形のフードを備える。各前記モータは、前記側壁6と一体の第1の装着プレート7によって前記側壁にそのフードのレベルで固定されている。前記第1のプレート7は、前記第1のブラケットの同一の径方向の水平軸の周りで、それ自体を基準にした回転によっていくつかの留め位置をとることができ、それによって前記モータ5の前記長手方向軸の可変の傾斜αが可能になる。
【0060】
水平(P)に対する角度αの傾斜は、α=30〜60°、好適にはα=45°の値を有する。
各前記モータは、前記モータの長手方向軸の軸YY’の周りでの内部回転で回転することが可能である偏心した内部の質量を備える。
【0061】
偏心した内部の質量は、前記フードの内側で回転して、フードの軸YY’に対して直角で平面での多方向の振動を生成し、その振動の周波数は、回転速度によって決定され、その振動の振幅は前記質量の重量に比例している。振動モジュール4に連結されたモータは、振動を前記モジュールに伝達する。
【0062】
使用されるモータは、180,000Nの遠心力及び6,000kg・cmの作動モーメントを有する。このタイプのモータは、740rpm(12.5Hz)の周波数を有し、8つの極(4対の極)を備え、照会番号F6000−8−10.0でFRIEDRICH SCHWINGTECHNIK GmbH社によって販売されている。2対のモータによって正反対に位置する2つのモータは、反対方向での内部回転で回転し、それによって前記振動モータのアセンブリの同時の作動及び停止の連続がなされるとき、これが前記振動モジュールの上方のテーブル4aのレベルでの螺旋振動を生成する。
【0063】
図3は、振動モジュール4の第2の変形実施形態を示し、その前記堅固な連結部片は、
軸方向連結要素4cを備え、それは垂直の管状連結要素である。前記堅固な連結部片は、4つの垂直構造要素4ci(ただしi=1から4)を備え、径方向に配置されたプレート又は平坦な垂直の金属シートによって構成され、その垂直内側縁部4c’は垂直管4cの外側の面に溶接される。4つの垂直構造要素4ci(ただしi=1から4)は、前記垂直の中央の管4cの周りに交差方向に配置される。要素4c1から4c4の垂直の外側縁部4c’’は、前記垂直構造要素4ciに対して垂直かつ直交して配置された外周のエンベロープ壁6(図示せず)のパネル又は円形のフランジ6cを支持する。各フランジ6cは、前記アンバランス・モータ5、又は前記アンバランス・モータ5が外側の面に固定される前記第1の装着プレート7を直接的に支持する。前記フランジ6c又は外周の壁6(図示せず)のパネルは、以下のように配置及び溶接された2つの水平構造要素4d1、4d2によっても支持される。2つの水平構造要素4d1、4d2は、それぞれその外周の輪郭が八角形の境界を定めているかぎり、円周全体にわたって垂直管4cの外側の面から延在する平坦な水平のシートをなす。前記八角形の4つの直線断面が、前記フランジ6cの内側の面に溶接された水平の外周の外側縁部4d’の部分を形成する。第1の下方の水平構造要素4d1が中央の連結管4cの下端から前記フランジ6cに延在し、第2の上方の水平構造要素4d2は、前記中央の連結管4cの上端から前記フランジ6cに延在する。
【0064】
第1の下方の水平構造要素4d1は、4つの水平構造要素4c1から4c4の下方縁部4c’’’に溶接され、第2の上方の水平連結要素4d2は、4つの垂直構造要素4c1から4c4の上方縁部4c’’’に溶接される。
【0065】
水平補強要素はそれぞれ、各前記垂直構造要素4c1から4c4の2つの対向する面に対して配置及び溶接された2つの翼形部4fを備える。各翼形部4fは、前記垂直構造要素4ciの外周の垂直外側縁部4c’’から延在する水平で径方向の側方の内側縁部4f、及び前記垂直の外側外周縁部4c’’に対して直交して延在し、前記フランジ6cの面に溶接された外側外周縁部4f’’を備える。各翼形部4fは、前記垂直構造要素4ciの実質的に中間の高さに配置される。このようにして、4つのフランジ6cのそれぞれは、前記フランジ及び2つの水平の下方の構造要素4d1及び上方の構造要素4d2を支持する垂直構造要素4ciのそれぞれの側に配置された2つの翼形部4fによって支持される。
【0066】
2つの水平構造要素4d1,4d2は、90°で配置された2つの連続した垂直構造要素4ciの間に配置された垂直補強要素4gによっても連結される。4つの垂直補強要素4gは、T字形に開いた横断面のプロファイルによって構成される。
【0067】
前記堅固なメカノ溶接された部片は、第1の下方の水平連結要素4d1の下方及び第2の水平連結要素4d2の上方にそれぞれ配置され、管4pの2つの部分は、前記中央の管4cと同一の軸XX’にしたがって配置される2つの管状の連結要素4pも備える。第1の下方の管状の連結要素4p1は、第1の水平連結要素4d1の下方の面及び環状の下方のテーブルプレート4bの上方の面の溶接による接合を確実にする。また、第2の管状の連結要素4p2は、同一の軸XX’の第2の水平構造要素4p2の上方の面、環状の上方のテーブル4aの下方の面、前記環状の下方のテーブル4b及び、前記環状の上方のテーブル4aの溶接による接合を確実にする。径方向に配置された垂直補強要素4hは、下方の水平構造要素4d1と下方のテーブル4bの間、及び上方の水平構造要素4d2と上方のテーブル4aの間の両方での接合の固定化を完全にする。径方向に配置された相補的な垂直補強要素4hのうちで、外側の補強要素4h1は、前記管状の連結要素4p1,4p2の外側の面に溶接された垂直の内側縁部から突き出る形で溶接されそれを支え、内側の垂直補強要素4h2は、前記管状の連結要素4p1,4p2の内側の面に溶接されている。
【0068】
本明細書で上記に特定された2つの実施形態の2つの振動モジュール4は、上記に説明したような4つのアンバランス・モータを支持することができ、全てが水平平面に対して同一の角度αで傾斜し、全てが同一の回転方向に傾斜され、2つのモータが正反対に位置し、各対のモータ5が反対方向に内部回転で回転する。これらのモータ5は、FRIEDRICH SCHWINGTECHNIK GmbH社によって販売され、本明細書で上記に説明した特徴を有する。このようにして、20t/hまでの粒子を処理するための、直径273mmから約491mm(10から18インチ)の螺旋導管において50cm/sの変位速度に達することが可能な振動式螺旋移送デバイス1の螺旋導管3を支持するカラム2を振動させることが可能である。中央カラム2及びパイプ3の全体は、2つのみのアンバランス・モータを備える振動モジュールでは達成することができない、直径3mのカラム及び17巻回にわたって延在する17mのパイプ高さに対して15tを超える重量にすることができる。
図1
図1A
図2
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】