特表2015-501852(P2015-501852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-501852廃棄熱可塑性プラスチック材料を再生して、その再生熱可塑性プラスチックを複合材料の生産に用いるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-501852(P2015-501852A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】廃棄熱可塑性プラスチック材料を再生して、その再生熱可塑性プラスチックを複合材料の生産に用いるための方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/04 20060101AFI20141216BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20141216BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20141216BHJP
【FI】
   C08J11/04ZAB
   B29B17/04
   B29B17/02
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-541009(P2014-541009)
(86)(22)【出願日】2011年11月10日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月10日
(86)【国際出願番号】TR2011000265
(87)【国際公開番号】WO2013070176
(87)【国際公開日】20130516
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】514110912
【氏名又は名称】グヴェン アリー ハカン
【氏名又は名称原語表記】GUVEN, Ali Hakan
(74)【代理人】
【識別番号】110001450
【氏名又は名称】特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】グヴェン アリー ハカン
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA28
4F401BB09
4F401CA02
4F401CA03
4F401CA19
4F401CA27
4F401CA29
4F401CA48
4F401CA60
4F401CB40
4F401DC02
4F401DC08
4F401EA01
4F401EA76
4F401EA81
4F401FA01Z
(57)【要約】
本発明は、廃棄プラスチック材料をいくらかの無機物で加工・処理することにより、高強度かつ低コストの熱可塑性プラスチック複合材料を生産するための方法に関する。本発明の目的は、大量の添加剤を含む再生方法を具体化することであり、その結果、高強度特性を有する複合材料が得られる。本発明の別の目的は、大量の添加剤が生産に用いられて、生産に用いられる機械が損傷しない再生方法を具体化することである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄プラスチック材料を再生して、その再生プラスチックを複合材料の生産に用いるための方法であって、以下のステップ;
−様々な種類の圧縮熱可塑性プラスチック廃棄材料を、解俵機中へ供給することにより、解放するステップ(110)、
−廃棄プラスチック材料を、分離ユニットへ供給して、その中で石、土、砂および他の粗大異物から分離するステップ(120)、
−前記廃棄プラスチック材料を切断機へ供給して、前記廃棄プラスチック材料を高速刃により小片に切断し、そして同時に、機械に水を注入して洗浄するステップ(130)、
−小片に切断された前記廃棄プラスチック材料を濁水分離機へ供給して、粘状の物質を濁水から遠心力により分離するステップ(140)、
−水で満たされたプール中に前記材料を移して、その中ですすぎ、そして同時に、その上に残っている可能性のある砂および他の重い物質を沈殿させるステップ(150)、
−前記材料を有機汚染物分離機へ移して、そしてここで、これ以前の工程では除去できない前記材料上の油および他の有機異物を、遠心力により洗浄するステップ(160)、
−前記材料を水分離機へ移して、そしてそこで、前記材料上の水および水分を遠心力により分離するステップ(170)、
−前記材料を貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(180)、
−前記材料を乾燥機へ移して、そしてここで、前記材料を加熱することにより乾燥させて、そして同時に、後の工程における機械への供給が容易になるように、しわ寄せ処理することにより粉末化するステップ(190)、
−乾燥してしわ寄せ処理した前記材料を、貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(200)、
−前記材料を水平型反応装置へ移すステップ(210)、
−前記材料を、前記水平型反応装置中で、圧力下で350℃の温度まで加熱するステップ(220)、
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質を、前記水平反応装置中で加熱された前記材料に、サイド供給ユニットを通じて加えるステップ(230)、
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質が加えられて前記水平反応装置中で加熱されている前記材料に、他方のサイド供給ユニットを通じて無機物質を加えるステップ(240)、
−前記プラスチック材料を、リニアリンクが壊れ、クロスリンクが確立され、そして材料が分子レベルで互いに再リンクするまで加熱するステップ(250)、
−前記水平反応装置から流出する融解した複合材料を、冷める前に直ちに鋳型へ注入するステップ、そして、圧縮による圧力下で、鋳型の内部で冷却されるステップ(260)
を含むことを特徴とする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄プラスチック材料をいくらかの無機物で加工・処理することにより、高強度かつ低コストの熱可塑性プラスチック複合材料を生産するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、木材、金属、鉄、石膏等のような材料のコストは高いので、上記の材料に代用し得る複合材料が生産されている。
【0003】
熱可塑性プラスチック複合材料は、主に、プラスチック材料を加工して、様々な化学物質および他の添加剤をプラスチック中に添加することにより生産される。これらの添加の目的は、熱可塑性プラスチック材料の機械的および化学的特性を、コストを増大させずに改善することである。それでもなお、製造される熱可塑性プラスチックは、望ましいコストではない。この状況はまた、建設業および建築業でのこれらの材料の使用を、より困難にもする。
【0004】
新しい再生方法もまた、熱可塑性プラスチック複合材料を得るために用いられる。熱可塑性プラスチック複合材料で用いられるプラスチック材料を、ごみから集められた廃棄プラスチックから得ることは、経済的および環境的観点の両方から、より好ましい。しかしながら、汚れ、油、化学物質等のような、廃棄プラスチック上の物質を完全に除去することができない場合、得られる熱可塑性プラスチック複合材料の質は、より低くなる。
【0005】
廃棄プラスチック材料の再生方法は、主に、以下のステップからなる;異物から廃棄プラスチックを分離するステップ、プラスチック材料を小片に切断するステップ、融解して所望の鋳型に流し込むステップ、冷却して所望の産物を得るステップ。さらに、ここで上述した融解工程中に、プラスチック材料へ添加剤を添加することにより、様々な熱可塑性プラスチック複合材料が生産される。
【0006】
公知の技術水準である日本国特許公報第2007−130885号に、高強度で耐久性良好かつ長持ちする複合材料の生産システムが開示されている。この方法では、強調される工程は、第一に、プラスチックに加えられる添加剤の量およびサイズを決定することである。第二に、添加剤の量および種類が決定される。第三のステップは、混合物を融解するステップ、および、鋳型内に形成される混合物の添加剤の予め決定された量および種類を調整するステップに関する。
【0007】
公知の技術水準である日本国特許公報第2009−132939号に、耐久性のある複合材料の生産技術が開示されており、廃棄プラスチック材料が原材料として用いられていて添加剤が混ぜ入れられている。再生可能なプラスチックは、第一ポリマーを含み、そして第二ポリマーと残留添加剤を含む。
【0008】
公知の技術水準である日本国特許公報第2010−234812号では、高強度で耐久性良好かつ長持ちするプラスチック鋳型の生産方法が、様々な技術および方法を用いて、開示されている。2またはそれ以上の添加剤を含む廃棄プラスチック材料を再生するために、廃棄材料は異物から分離されて、それからそれぞれ融解されて鋳型に入れられる。金属は混合濾過法によりプラスチックから分離されて、そして添加剤の種類および量の決定後、分離された金属および添加剤が、再生可能なプラスチックに加えられる。
【0009】
公知の技術水準である日本国特許公報第2004−042461号では、異物を含む、廃棄プラスチック上の汚れ、油、土、望ましくない化学物質および食品廃棄物を洗浄するステップ、分離および乾燥するステップなどの工程の操作方法が開示されている。再生可能なプラスチック材料は、液体中で小片に切断することにより粉末化される。それから、プラスチック材料が接着され、または、その中に含まれる物質がプラスチックから分離される。示差的な位置を有する各材料は、液体分離、プラスチックまたはプラスチック融解により分離される。
【0010】
しかしながら、プラスチック材料中に混合される添加剤の量は、得られる産物の強度に非常に重要である。より多くの添加剤(化学物質または無機物)を加えることができれば、得られる材料の強度は、比例的より高くなる。しかし、大量の添加剤が廃棄プラスチック中に混合されると、この混合物の融解が、より問題となる。通常、これらの工程は押出機内で行われる。押出機内には、プラスチック廃棄材料と添加剤が供給されて、生地形状の複合材料が得られる。この状況で、大量の添加剤が混合物へ混合されると、摩耗および故障が機械に生じ、添加剤を少量で用いると、材料は望ましい強度特性を獲得できない。
【0011】
公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより稼働するプラスチック加工機では、その動作原理は、融解した材料を圧力下で押し出して、穴を通過させる。そのシステムには、供給ゾーン(円錐またはサイド供給スクリュー)、ウォームギア(アルキメデススクリューとも呼ばれ、圧縮および押す役割がある)、および、ギアが内部で動いて高い圧力と最高で500℃までの温度に耐え得る円筒体(シェル)がある。この状況は、機械の生産および操作のコストが増加する。
【0012】
さらに、公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより操作されるプラスチック加工機では、硬くて研磨特性を有する充填剤が熱可塑性プラスチック供給ゾーンから供給されるため、より多くの摩耗が機械に生じる。この状況は、機械のメンテナンスおよび修理コストが増加する。
【0013】
さらに、公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより操作されるプラスチック加工機では、融解した混合物が圧縮ゾーンに到達すると、無機物に圧縮性がないため圧縮できず、ギアが詰まるか非常に高い逆トルク力が生じて壊れる。したがって、融解した熱可塑性プラスチック混合物に大量の無機物は用いられず、混合物は望ましい強度値に到達できない。
【0014】
さらに、公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより操作されるプラスチック加工機では、非常に特殊な鋳型を用いる必要がある。これらの鋳型の値段は非常に高い。
【0015】
さらに、公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより操作されるプラスチック加工機では、材料は、機械自体によって鋳型中に注入されて、必要な圧力もまた、機械自体により生産される。したがって、これらの機械は非常に複雑であり高価である。
【0016】
さらに、公知の技術水準で用いられる、注入および押出のようなシステムにより操作されるプラスチック加工機では、鋳型は機械に取り付けられているので、材料が鋳型内で冷却されている間は機械を運転するべきではない。結果として、これらのシステムは起動停止原理により操作され、それらの生産能力は低い。
【0017】
別の問題は、生地形状のプラスチック材料を鋳型中へ押した後に、冷却期間を待つことである。この状況では、鋳型内の複合材料が冷えるまで機械を運転できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、生産コストが低減された、廃棄プラスチックの再生方法を具体化することである。
【0019】
本発明の別の目的は、廃棄プラスチックから、それら上の汚れ、油、化学物質等のような物質が除去されている、再生方法を具体化することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、大量の添加剤を含む再生方法を具体化することであり、その結果、高強度特性を有する複合材料が得られる。
【0021】
本発明のさらに別の目的は、大量の添加剤が生産に用いられ、生産に用いられる機械が損傷しない再生方法を具体化することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、エネルギー消費の低い再生方法を具体化することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の目的を達成するために行われる、廃棄プラスチック材料を再生して、これらの再生プラスチックを複合材料の生産に用いる方法は、以下のステップを含む;
−様々な種類の梱包熱可塑性プラスチック廃棄材料を、解俵機中へ供給することにより、解放するステップ(110)、
−廃棄プラスチック材料を、分離ユニットへ供給して、その中で石、土、砂および他の粗大異物から分離するステップ(120)、
−前記廃棄プラスチック材料を切断機へ供給して、前記廃棄プラスチック材料を高速刃により小片に切断し、そして同時に、機械に水を注入して洗浄するステップ(130)、
−小片に切断された前記廃棄プラスチック材料を濁水分離機へ供給して、粘状の物質を濁水から遠心力により分離するステップ(140)、
−水が満たされたプール中に前記材料を移して、その中ですすぎ、そして同時に、その上に残っている可能性のある砂および他の重い物質を沈殿させるステップ(150)、
−前記材料を有機汚染物分離機へ移して、そしてここで、これ以前の工程では除去できない前記材料上の油および他の有機異物を、遠心力により洗浄するステップ(160)、
−前記材料を水分離機へ移して、そしてそこで、前記材料上の水および水分を遠心力により分離するステップ(170)、
−前記材料を貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(180)、
−前記材料を乾燥機へ移して、そしてここで、前記材料を加熱することにより乾燥させて、そして同時に、後の工程における機械への供給が容易になるように、しわ寄せ処理する(crinkling)ことにより粉末化するステップ(190)、
−乾燥してしわ寄せ処理した材料を、貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(200)、
−前記材料を水平型反応装置へ移すステップ(210)、
−前記材料を、前記水平型反応装置中で、圧力下で350℃の温度まで加熱するステップ(220)、
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質を、前記水平反型応装置中で加熱された前記材料に、サイド供給ユニットを通じて加えるステップ(230)、
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質が加えられて前記水平型反応装置中で加熱されている前記材料に、他方のサイド供給ユニットを通じて無機物質を加えるステップ(240)、
−前記プラスチック材料を、リニアリンク(linear link)が壊れ、クロスリンクが確立され、そして材料が分子レベルで互いに再リンクするまで加熱するステップ(250)、
−前記水平型反応装置から流出する融解した複合材料を、冷める前に直ちに鋳型へ注入して、圧縮による圧力下で、鋳型の内部で冷却するステップ(260)。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の目的を達成するために行なわれる、廃棄プラスチック材料を再生して、それらの再生プラスチック材料を複合材料の生産に用いる方法を、添付の図に示す。
【0026】
まず、様々な種類の熱可塑性プラスチック廃棄プラスチック材料を解俵機中へ供給して、圧縮廃棄プラスチック材料を解放する。(110)
【0027】
廃棄プラスチック材料を分離ユニットへ供給して、その中で石、土、砂および他の粗大異物から分離する。(120)
【0028】
廃棄プラスチック材料を切断機へ供給して、廃棄プラスチック材料を高速刃により小片に切断し、そして同時に、機械に水を注入して洗浄する。(130)
【0029】
小片に切断された廃棄プラスチック材料を濁水分離機へ供給して、粘状の物質を濁水から遠心力により分離する。(140)
【0030】
それから、水で満たされたプール中に材料を移して、その中ですすぎ、そして同時に、その上に残っている可能性のある砂および他の重い物質を沈殿させる。(150)
【0031】
材料を有機汚染物分離機へ移して、そしてここで、これ以前の工程では除去できない材料上の油および他の有機異物を、遠心力により洗浄する。(160)
【0032】
材料を水分離機へ移して、そしてそこで、材料上の水および水分を遠心力により分離する。(170)
【0033】
それから、材料を貯蔵サイロへ移すことにより保管する。(180)
【0034】
材料を乾燥機へ移して、そしてここで、材料を加熱することにより乾燥させて、そして同時に、後の工程における機械への供給が容易になるように、しわ寄せ処理することにより粉末化する。(190)
【0035】
乾燥してしわ寄せ処理した材料を、貯蔵サイロへ移すことにより保管する。(200)
【0036】
材料を水平型反応装置へ移す。(210)
【0037】
材料を、水平型反応装置中で、圧力下で350℃の温度まで加熱する。(220)
【0038】
ぺインターおよび相溶化剤の化学物質を、水平型反応装置中で加熱された材料に、サイド供給ユニットを通じて注入する。(230)
【0039】
無機物質を、他方のサイド供給ユニットを通じてシステムに注入する。(240)
【0040】
混合物を継続的に混合して、プラスチック材料のリニアリンクが壊れて分岐し、クロスリンクが形成されて材料が分子レベルで互いに再リンクするまで加熱して、そして反応が終了するのを待つ。(250)
【0041】
水平型反応装置から流出する融解した複合材料を、冷める前に直ちに鋳型へ注入して、圧縮による圧力下で、鋳型の内部で冷却する。(260)
【0042】
本発明による方法では、充填剤の添加後に圧縮がなく、大きな逆トルクが生じないので、大量の添加剤を熱可塑性プラスチックに加えることができる。
【0043】
本発明によるシステムでは、プラスチック材料の融解後の反応段階で充填剤を加えることにより、加熱のためのエネルギー損失が抑えられ、充填剤のための不必要なエネルギー消費が抑えられる。
【0044】
本発明によるシステムでは、充填剤および無機物は、プラスチック材料の融解後に反応容器中に供給されるので、機械の摩耗が最小限化される。
【0045】
本発明による方法では、大量の省エネルギーが提供される。注入および押出のようなシステムにより稼働する現在用いられているプラスチック加工機では、充填剤は熱可塑性プラスチック材料とともに始めに機械の中へ供給されて、そして、混合物を熱可塑性プラスチックの融点まで加熱する必要がある。ここで、熱可塑性プラスチックと充填剤の両方を加熱するためにエネルギーが消費されなければならない。本発明によるシステムでは、充填剤は後の段階でシステムに供給されるため、充填剤を加熱するためにエネルギーを消費する必要がない。
【0046】
本発明による方法では、水平型反応装置から出る融解した複合材料は、直ちに鋳型へ注入されて、圧縮による圧力下で冷却される。水平型反応装置の容量および鋳型内の融解複合材料の冷却時間に応じて、マルチプルの鋳型システムが用いられる。鋳型は連続して配置されて、1つの鋳型が充填されて放冷されて、次の鋳型が処理される。鋳型内での圧縮は、液圧プレスにより行われる。このシステムでは、フラッディングしない圧縮成形方法が用いられる。この方法により、特定の重さを有する大容量でのプラスチック材料は、より小さい容量の鋳型キャビティへの圧力により、鋳型内で圧縮される。フラッディングしない圧縮鋳型では、駆動パンチは、シリンダー−ピストンシステムのように、鋳型キャビティにぴったり合っている。
【0047】
本発明による方法では、フラッディングしない圧縮成形方法が用いられるので、鋳型は単純で非常に安価で生産される。
【0048】
本発明による方法では、鋳型を圧縮するために必要な圧力は、システムの分離パーツである液圧プレスにより提供されるので、このシステムにおける機械は、極めて複雑である必要はなく、したがって、投資コストが低い。
【0049】
本発明による方法では、用いられる鋳型が機械に取り付けられておらず、マルチプルの鋳型システムが用いられるので、材料が鋳型内で冷却されている間、他の機械が稼働し続ける。その結果、本発明による方法は、連続稼働の原理により運転され、生産能力が高い。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2014年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄プラスチック材料を再生して、その再生プラスチックを複合材料の生産に用いるための方法であって、以下のステップ;
−様々な種類の圧縮熱可塑性プラスチック廃棄材料を、解俵機中へ供給することにより、解放するステップ(110)、
−廃棄プラスチック材料を、分離ユニットへ供給して、その中で石、土、砂および他の粗大異物から分離するステップ(120)、
−前記廃棄プラスチック材料を切断機へ供給して、前記廃棄プラスチック材料を高速刃により小片に切断し、そして同時に、機械に水を注入して洗浄するステップ(130)、
−小片に切断された前記廃棄プラスチック材料を濁水分離機へ供給して、粘状の物質を濁水から遠心力により分離するステップ(140)、
−水で満たされたプール中に前記廃棄プラスチック材料を移して、その中ですすぎ、そして同時に、その上に残っている可能性のある砂および他の重い物質を沈殿させるステップ(150)、
−前記廃棄プラスチック材料を有機汚染物分離機へ移して、そしてここで、これ以前の工程では除去できない前記廃棄プラスチック材料上の油および他の有機異物を、遠心力により洗浄するステップ(160)、
−前記廃棄プラスチック材料を水分離機へ移して、そしてそこで、前記材料上の水および水分を遠心力により分離するステップ(170)、
−前記廃棄プラスチック材料を貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(180)、
−前記廃棄プラスチック材料を乾燥機へ移して、そしてここで、前記廃棄プラスチック材料を加熱することにより乾燥させて、そして同時に、後の工程における機械への供給が容易になるように、しわ寄せ処理することにより粉末化するステップ(190)、
−乾燥してしわ寄せ処理した前記廃棄プラスチック材料を、貯蔵サイロへ移すことにより保管するステップ(200)、
−前記廃棄プラスチック材料を水平型反応装置へ移すステップ(210)、
−前記廃棄プラスチック材料を、前記水平型反応装置中で、融解するまで、圧力下で350℃の温度まで加熱するステップ(220)、
を含み、
−前記方法が、さらに、以下のステップ;
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質を、前記水平型反応装置中で融解された前記廃棄プラスチック材料に、サイド供給ユニットを通じて加えるステップ(230)、
−ぺインターおよび相溶化剤の化学物質が加えられた、前記の融解された廃棄プラスチック材料に、前記水平型反応装置の他方のサイド供給ユニットを通じて無機物質を加えるステップ(240)、
−前記の融解された廃棄プラスチック材料を、さらに加熱して添加剤と混合するステップ(250)、
−前記水平型反応装置から自由流動する融解した複合材料を、冷める前に直ちに独立分離型の鋳型へ注入して、圧縮による圧力下で、個々の液圧プレスの手段により、鋳型の内部で冷却するステップ(260)
を含むことを特徴とする、
方法。
【国際調査報告】