(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-502544(P2015-502544A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】自動車の燃料タンクにおける充填レベル送信器、充填レベル送信器用の製造方法、及び充填レベル送信器の運転方法
(51)【国際特許分類】
G01F 23/36 20060101AFI20141219BHJP
G01F 23/30 20060101ALI20141219BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20141219BHJP
【FI】
G01F23/36
G01F23/30 A
F02M37/00 301R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-546520(P2014-546520)
(86)(22)【出願日】2012年12月13日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月18日
(86)【国際出願番号】EP2012075466
(87)【国際公開番号】WO2013087802
(87)【国際公開日】20130620
(31)【優先権主張番号】102011088816.0
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クライン
【テーマコード(参考)】
2F013
【Fターム(参考)】
2F013AB02
2F013BB01
2F013CA21
2F013CB01
(57)【要約】
本発明の対象は、抵抗回路網(11)が配置されている基板(10)と、レバーアーム(13)のスイングに基づいて、電気信号を形成するために抵抗回路網(11)に接触している1つ又は複数の電気的な接点(14)と、フロート(15)であって、レバーアーム(13)が充填レベルに基づいてフロート(15)により運動可能であるように、レバーアーム(13)に取り付けられているフロート(15)と、を有する、自動車の燃料タンクにおける充填レベル送信器(8)である。充填レベル送信器(8)は、電子機器(17)に接続されており、電子機器(17)は、充填レベル送信器(8)によって形成された電気信号に対してそれぞれ、対応する電気的な目標信号を提供するように形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗回路網が配置されている基板と、
レバーアームのスイングに基づいて、電気信号を形成するために抵抗回路網に接触している1つ又は複数の電気的な接点と、
フロートであって、前記レバーアームが充填レベルに基づいて前記フロートにより運動可能であるように、前記レバーアームに取り付けられているフロートと、
を有する、自動車の燃料タンクにおける充填レベル送信器であって、
前記充填レベル送信器(8)は、電子機器(17)に接続されており、
前記電子機器(17)は、前記充填レベル送信器(8)によって形成された電気信号に対してそれぞれ、対応する電気的な目標信号を提供するように形成されていることを特徴とする、充填レベル送信器。
【請求項2】
前記電子機器(17)は、前記対応する電気的な目標信号が表出可能である、表示ユニットに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の充填レベル送信器。
【請求項3】
前記電子機器(17)は、前記形成可能な電気信号に対して、前記対応する電気的な目標信号が記憶されている、プログラミング可能な構成要素(22)を有することを特徴とする、請求項1に記載の充填レベル送信器。
【請求項4】
前記電子機器(17)は、専ら前記充填レベル送信器(8)の運転用に設けられている電子機器(17)であることを特徴とする、請求項1に記載の充填レベル送信器。
【請求項5】
前記電子機器(17)は、前記充填レベル送信器(8)の支持体(9)又は基板(10)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の充填レベル送信器。
【請求項6】
前記電子機器(17)は、燃料タンク(1)の開口(3)を閉鎖するフランジ(4)内に配置されている他の電子機器内に組み込まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の充填レベル送信器。
【請求項7】
前記電子機器(17)は、前記自動車のエンジン制御部内に組み込まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の充填レベル送信器。
【請求項8】
前記抵抗回路網(11)は、線形の抵抗回路網であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の充填レベル送信器。
【請求項9】
前記レバーアーム(13)は、燃料耐性を有するプラスチックからなることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の充填レベル送信器。
【請求項10】
一方の端部位置から他方の端部位置へとレバーアームが運動させられる充填レベル送信器の製造方法であって、
前記レバーアームのスイング角に基づいて形成された電気信号を、それぞれ同じスイング角の対応する電気的な目標信号に割り当て、
前記電気信号の前記割当てを、電子機器内に記憶することを特徴とする、充填レベル送信器の製造方法。
【請求項11】
前記割当ての記憶前に、前記レバーアームを一方の端部位置から他方の端部位置へと2度運動させ、前記レバーアームのスイング角に基づいて形成された電気信号を、第1のスイングの信号と比較し、一致した場合に初めて記憶を行うことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記レバーアームを、充填レベル「エンプティ」、「リザーブ」、「1/4」、「1/2」及び「フル」に相当するスイング角に運動させ、該運動時に形成された電気信号だけを、それぞれ同じスイング角の対応する電気的な目標信号に割り当て、前記電気的な目標信号に対する割当て用に、前記充填レベルの間にある形成可能な電気信号を補間することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記形成可能な電気信号の割当てのために、前記レバーアームのスイング角の1°、好ましくは3°、特に5°毎の信号を使用することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記電気信号の割当てを、前記電子機器のプログラミング可能な構成要素内において行うことを特徴とする、少なくとも請求項8から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
充填レベル送信器の運転方法であって、該方法において、電気的な接点を、レバーアームのスイングに基づいて抵抗回路網と接触させて、前記抵抗回路網において、充填レベルに相当する電気信号を形成する、充填レベル送信器の運転方法において、
前記形成された電気信号を所定の電子機器に供給し、該電子機器において前記形成された電気信号に、対応する電気的な目標信号を生成することを特徴とする、充填レベル送信器の運転方法。
【請求項16】
前記対応する電気的な目標信号を、前記充填レベル用の表示ユニットに転送することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、抵抗回路網と、レバーアームのスイング角に基づいて、電気信号を形成するために抵抗回路網に接触する1つ又は複数の電気的な接点と、フロートであって、レバーアームが充填レベルに基づいてフロートにより運動可能であるように、レバーアームに取り付けられているフロートと、を有する、自動車の燃料タンクにおける充填レベル送信器である。また、本発明の対象は、上記充填レベル送信器用の製造方法、及び上記充填レベル送信器の運転方法である。
【0002】
上記レバー送信器は長期に亘って公知であるので、従来技術である。電気的な接点は、スライディングコンタクトとして形成されていてよく、このスライディングコンタクトは、フレームに取り付けられている。このフレームは、レバーアームに結合されているので、電気的な接点はレバーアームにより可動である。フレームは、レバーアームのスイングを保証するために、支持体に支承されている。支持体には同時に抵抗回路網が配置されている。また、電気的な接点を、磁石によって抵抗回路網と接触させられる、コンタクトばね構造の複数の曲げばねとして構成することも公知である。この構成において、抵抗回路網と結合している曲げばねは、磁石の位置に基づいており、磁石は、レバーアームと結合されていて、レバーアームのスイング時に、コンタクトばね構造を介して運動する。
【0003】
さらに、自動車における燃料タンクが、幾何学的な基本形状とは異なる形状を有していることが公知である。これにより、充填レベルは、充填レベル高さに対して比例しない。レバーアームのスイング時に形成される電気信号が充填レベルに対応するように、充填レベルに対する充填高さの比率は、抵抗回路網における特性曲線として形成されている。しかし最終的に形成される電気信号は、フロートに始まり抵抗回路網における接触までの構成部品公差と、充填レベル送信器の組付けに依存する。このことに基づいて、特性曲線により理論的に必要な電気信号に対して、実際に形成された電気信号のずれが生じる。したがって、各充填レベル送信器は、レバーアームの規定された変向角において形成された電気信号が、上記変向角に対して理論的に必要な電気信号にも対応するように、手によって調整する必要がある。この構成において手間のかかる検査は、「エンプティ」、「リザーブ」、「1/4」、「1/2」及び「フル」といったいくつかの特徴ある点に限定されている。手による調整は、充填レベル送信器の自動的な組付けを妨げ、さらに付加的な時間的手間を要する。
【0004】
本発明の根底にある目的は、調整のために少ない手間しか必要としない充填レベル送信器を提供することである。特に、人員による手間を減じたい。本発明の根底にある第2の目的は、上記充填レベル送信器用の製造方法を提供することである。第3の目的は、上記充填レベル送信器の運転方法を提供することにある。
【0005】
第1の目的は、充填レベル送信器が電子機器に接続されていて、電子機器が、充填レベル送信器によって形成される電気信号に対して、それぞれ対応する電気的な目標信号を提供するように構成されていることにより達成される。
【0006】
レバーアームのスイング角に基づいて形成された電気信号に対して、対応する電気的な目標信号の割当て及び提供により、他の表示用に一種の調整された信号が提供される。形成された電気信号の、対応する目標信号による電子的な調整の上記手法により、可能な限り正確に充填レベル特性曲線に相当する電気信号を達成するための、レバーアームの機械的な調整はもはや必要ではない。電子的な調整に必要な操作は、自動的に進めることができる。さらに、対応する電気信号の割当て及び提供は、手によるレバーアームの調整よりも迅速である。電子的な調整は、さらに、レバーアームの全スイング角に亘る調整を可能にし、これにより時間的な手間が、個々の点の電子的な調整の場合よりも著しく大きくなることはない。修理の場合又はメインテナンスの場合においても、充填レベル送信器は、小さな手間で再び機能可能である。
【0007】
さらなる利点は、類似の特性曲線を備えた燃料タンク用に、同じ抵抗回路網を備えた充填レベル送信器を使用する、という点にある。各特性曲線に対する充填レベル送信器の正確な適合は、対応する電気的な目標信号の割当て及び提供を介して行われる。これにより、各燃料タンク形状用に独自の抵抗回路網を開発し製造する必要はない。さらに、既にある抵抗回路網を、新たな燃料タンクに使用することもできる。このことは、結果として、少ない型展開に基づく、少ない製造コスト並びに設備コスト及び物流コストをもたらす。
【0008】
有利な構成において、簡単に構成されていてかつ製造することができることを特徴とする、線形の抵抗回路網を使用することができる。この場合、線形とは、上記抵抗回路網でもって、レバーアームのスイング角に基づいて線形の特性曲線が形成されることを意味し、これに対して、従来の抵抗回路網は、燃料タンクの複雑な形状に基づいて、スイング角に関して非線形の特性曲線を形成する。上記線形の抵抗回路網によって形成される電気信号は、これにより各燃料タンクの形状に基づき大きな誤差を孕んでいるが、そうであっても、対応する目標信号に対する特別な特性曲線の割当てを介して、実際の充填レベルを正確に再現する電気信号を形成することができる。
【0009】
別の構成において、電子機器は、対応する電気的な目標信号を表示可能である表示ユニットに接続されている。この表示ユニットは、例えば自動車のインストルメントパネルであってよい。
【0010】
形成可能な電気信号及び対応する電気的な目標信号は、有利な構成においては、電子機器の構成部品であるプログラミング可能な構成要素に保存される。
【0011】
電子機器は、充填レベル送信器の運転のためにのみ設けられている電子機器であると、比較的簡単で、ひいては廉価に構成されている。特に簡単な構成において、上記電子機器は、支持体に又は充填レベル送信器の基板に配置されている。
【0012】
電子機器を別個に配置することを、電子機器が他の電子機器内に統合されていることで回避する。この構成において、例えば燃料ポンプを制御するための電子機器の場合のように、電子機器が、充填レベル送信器の近くにおいて使用されると、有利である。上記電子機器は、例えば燃料タンクの開口を閉鎖するためのフランジ内に配置されている。
【0013】
他の構成において、電子機器は自動車のエンジン制御部内に組み込まれている。エンジン制御部は、複数の個々の制御部を内蔵し、ハードウェアに関してこれに応じて構成されていて、これと比較して充填レベル送信器用の電子機器は、比較的小さな手間でしかないので、電子機器は、小さな手間でエンジン制御部内に組み込むことができる。そのためにハードウェアに関する、エンジン制御部における拡張を行う必要はない。
【0014】
レバーアームの機械的な調整の省略は、さらにレバーアームの材料として、簡単かつ迅速に手により調整される、例えば金属ワイヤといった材料を使用するという要求を省く。したがって本発明に係る充填レベル送信器は、レバーアーム用に他の材料を使用することを許容する。この構成において、燃料耐性のあるプラスチックからレバーアームを製造することが有利であると分かった。プラスチックの使用により、金属よりも軽い材料の使用が可能である。この構成において、必要な形状安定は、レバーアームの横断面形状により行われ、使用される材料量を通じては行われない。これにより生じる重量節約は、必要な浮上りを確保するために、フロートはレバーアームの重量に基づき相応に大きな寸法を又は極めて小さな密度を有する必要があるので、フロートに積極的に作用する。レバーアームとしてプラスチックの使用は、通常、廉価である、小さな寸法を有するフロート、又は大きな相対密度を有する材料からなるフロートの使用を許容する。
【0015】
第2の目的は、レバーアームのスイング角に基づいて形成された電気信号を、それぞれ同じスイング角の対応する電気的な目標信号に割り当てて、電気信号のこの割当てが、電子機器内に記憶されることにより、達成される。
【0016】
上記方法において、レバーアームは、一方の端部位置から他方の端部位置へと運動する。この場合に形成された電気信号は、レバーアームのスイング角に基づき予め設けられている目標信号に割り当てられるので、レバーアームの検出されたスイング角に対して、それぞれ充填レベル送信器によって形成された電気信号、および対応する目標信号が存在する。所定のスイング角に対する2つの信号の割当ては、充填レベル送信器用の電子機器内に記憶される。したがって、充填レベル送信器は、電子的に調整されて、形成された電気信号をスイング角へ適合させるために、レバーアームの機械的な調整はもはや必要ではない。上記方法の別の利点は、レバーアームの一度限りのスイングでもって既に割当てが行われる、という点にある。手による調整において通常であるような、幾度にも亘る後調整は省かれる。
【0017】
割当ての検査は、レバーアームの割当ての記憶前に、一方の端部位置から他方の端部位置へ2度運動することにより、少ない手間で実現することができ、第1(最初)のスイングの信号を、第2(次ぎ)の第1のスイングの信号と比較して、一致して初めて、対応する目標信号に対する割当てが実施される。
【0018】
電子機器に対する手間は、充填レベルの幾つかの少ない特徴的な点だけを上記方法により記憶すると、著しく減じられる。上記点は、充填レベル「エンプティ」、「リザーブ」、「1/4」、「1/2」及び「フル」である。この場合に形成された電気信号だけが、それぞれ同じスイング角の対応する電気的な目標信号に割り当てられる。上記充填レベルの間にある形成可能な電気信号は、電気的な目標信号に対する割当てのために補間される。
【0019】
全範囲に亘っての充填レベル表示の高い正確性のために、特性曲線の正確な再現が有利である。この構成において、形成可能な電気信号の割当てのために、レバーアームのスイング角の1°、有利には3°、特に5°ずつの信号が使用される。タンク形状、タンク容積及びスイング角に応じて、対応するステップ幅を選択することができる。
【0020】
割当ての記憶は、電気信号の割当てが、電子機器のプログラミング可能な構成要素において行われると特に簡単に展開される。
【0021】
第3の目的は、充填レベルセンサによって形成された電気的な信号が、電子機器に供給されて、電子機器において、充填レベルセンサの形成された電気信号に基づいて、対応する電気的な目標信号を提供することにより達成される。
【0022】
上記方法によって、電子機器に、レバーアームの所定のスイング角において形成される電気信号が供給される。製造時に電子機器に記憶された、所定のスイング角毎の対応する電気信号に対する、形成された電気信号の割当てを介して、電子機器は、上記スイング角に適切に対応する電気的な目標信号を提供することができ、この目標信号は、例えば充填レベル用の表示ユニットに転送することができる。こうして、各充填レベル送信器における電子機器から、各スイング角に対して、常に規定された目標信号が提供される。所定のスイング角における信号の変動幅は、これによりゼロに減じられる。このことは、上記電気信号を処理する後続の機器に有利に作用する。その理由は、後続の機器も、電気信号の変動幅をもはや考慮する必要がないからである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】最終検査にある充填レベル送信器を示す図である。
【
図3】スイング角に基づく電気信号を示す図である。
【0024】
本発明を、実施の形態に沿って詳細に説明する。
【0025】
図1に示した燃料タンク1は圧送ユニット2を含む。この圧送ユニット2は、燃料タンク1の開口3を通して挿入され、フランジ4が、燃料タンク1における開口3を閉鎖する。圧送ユニット2はバッフルポット5を有し、このバッフルポット5は、燃料の他にとりわけ、バッフルポット5内に配置される、燃料を自動車の内燃機関(図示せず)に圧送する燃料ポンプ6を収容している。バッフルポットは、2つの支持エレメント7を介して、圧送ユニット2がバッフルポット5と共に燃料タンク1の底部に載置されるように、フランジ4に結合されている。バッフルポット5には、充填レベル送信器(センサ)8が取り付けられている。この充填レベル送信器8はそのために、バッフルポット5における取付けのために支持体9を有する。この支持体9上に、基板10が封止されてか又は封止されずに取り付けられている。基板10の上には抵抗回路網11が配置されて取り付けられている。フレーム12に収容されているレバーアーム13は、抵抗回路網11を備えた基板10上をスイングすることができるように、支持体9に支承されている。1つ又は複数の電気的な接点14が、レバーアーム13のスイングに基づいて抵抗回路網11と接続しており、電気信号が形成される。レバーアーム13の自由端部は、フロート(浮子)15に結合されているので、レバーアーム13は、燃料タンク1内の充填レベルに基づいてスイングする。2つの電気的な線路16を介して抵抗回路網11は、フランジ4内に配置されている電子機器17に接続されている。この実施の形態において、電子機器17は燃料タンク1の外面側の、フランジ4の面に配置されている。環境影響からの保護のために、電子機器17はハウジング18によってカバーされている。
【0026】
図2に、検査台にある燃料圧送ユニット2を示す。このために充填レベル送信器8の電子機器17は、検査台19に結合されている。適切な装置20を介して、フロート15は、一方の端部位置から他方の端部位置へと運動する。この運動中に、充填レベル送信器8は、電気的な線路16及び電子機器17を介して検査電子機器21によって記憶される複数の電気信号を形成する。これと同時に、装置20の運動から対応するスイング角を算出して、各スイング角に、充填レベル送信器8の形成された電気信号が割り当てられる。タンク特性曲線は、同様に検査電子機器21内に記憶されている。タンク特性曲線は、燃料タンク1の形状、及び充填レベル送信器8の予定されたスイング角の形に基づいて、目標信号が各スイング角に割り当てられる、ということを意味する。このスイング角を介して、測定される電気信号に、対応する目標信号を割り当てることができる。
【0027】
このステップは、下側の端部位置から上側の端部位置へのフロート15の運動時に実施される。装置20が出発状態へ戻る際に、フロート15は必然的に上側の端部位置から下側の端部位置へと運動する。この運動は、第1(最初)の運動の再検査のために利用され、この場合、先に述べたステップが再び繰り返される。次いで、2つの運動からのスイング角に基づいて形成された電気信号が比較される。2つの信号列が一致すると、フランジ4における電子機器17内に、形成された電気信号に、対応する目標信号の割当てが記憶される。
【0028】
図3に、2つの信号列を表すグラフを示す。信号列iは、充填レベル送信器によって形成された電気信号を示し、これに対して信号列iiは、電子機器によって伝送用に提供される、それぞれに対応する目標信号を示す。したがって、70°のスイング角においては、220Ωの電気信号が形成される。この電気信号には、130Ωの目標信号が割り当てられるので、電子機器は、220Ωの入力信号において、130Ωの出力信号を提供する。
【国際調査報告】