特表2015-502579(P2015-502579A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-502579エレクトロウェッティング表示装置の駆動
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-502579(P2015-502579A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(54)【発明の名称】エレクトロウェッティング表示装置の駆動
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20141219BHJP
   G02F 1/19 20060101ALI20141219BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20141219BHJP
【FI】
   G09G3/34 Z
   G02F1/19
   G09G3/20 623C
   G09G3/20 621B
   G09G3/20 641C
   G09G3/20 641Q
   G09G3/20 624B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-546583(P2014-546583)
(86)(22)【出願日】2012年12月18日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月16日
(86)【国際出願番号】EP2012076049
(87)【国際公開番号】WO2013092646
(87)【国際公開日】20130627
(31)【優先権主張番号】1121928.4
(32)【優先日】2011年12月20日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】513234008
【氏名又は名称】リクアビスタ ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】オーバート,ジョゼフ エリサベス
(72)【発明者】
【氏名】デルクッス,ヘンリクス ペトロネーラ マリア
(72)【発明者】
【氏名】フィーンストラ,ボッケ ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】スラク,アンソニー ジョン
【テーマコード(参考)】
2K101
5C080
【Fターム(参考)】
2K101AA33
2K101CA04
2K101CB13
2K101EC08
2K101EC09
2K101EC76
2K101ED74
2K101ED75
2K101EE02
2K101EJ11
5C080AA14
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD01
5C080EE29
5C080EE30
5C080FF09
5C080FF11
5C080GG11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
(57)【要約】
少なくとも1つの画素を含むエレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法。この方法は、表示期間において画素の表示状態を維持するステップと、表示期間の第1の部分において第1の画素電圧を画素へ印加するステップであって、第1の画素電圧は、表示状態へ対応する、ステップと、表示期間の第2の部分において第2の画素電圧を画素へ印加するステップであって、第2の画素電圧は表示状態に対応し、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップとを含む。実施形態は、エレクトロウェッティングデバイスおよび表示装置を駆動する表示駆動システムにさらに関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示期間において画素の表示状態を維持するため、少なくとも1つの画素を含むエレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法であって、
前記表示期間の第1の部分において第1の画素電圧を前記画素へ印加するステップであって、前記第1の画素電圧は、前記表示状態へ対応する、ステップと、
前記表示期間の第2の部分において第2の画素電圧を前記画素へ印加するステップであって、前記第2の画素電圧は前記表示状態に対応し、前記第1の画素電圧および前記第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも短い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部分および前記第2の部分は等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の表示期間において第1の表示状態を維持し、後続の第2の表示状態において第2の表示状態を維持するため、
前記第1の表示期間の最終部分において前記第1の表示状態に対応する第3の画素電圧を印加するステップと、
前記第2の表示状態の第1の部分において前記第2の表示状態に対応する第4の画素電圧を印加するステップであって、前記第3の画素電圧および前記第4の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップと、
を含む、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記画素は、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートと、前記第1の支持プレートおよび前記第2の支持プレート間の空間とを含み、前記空間は、相互に非混和性である少なくとも1つの第1の流体および第2の流体を含み、前記第2の流体は、電気伝導性または極性であり、
前記画素は、前記第1の支持プレート内の第1の電極を含み、前記表示装置は、前記第2の流体と電気的に接触する第2の電極を含み、前記画素電圧は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加され、
前記方法は、前記第2の電極へ交流電圧をを印加するステップを含む、
請求項1、2、3または4に記載の方法。
【請求項6】
エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法であって、前記エレクトロウェッティング表示装置は、前記画素への画素電圧の印加に応答して表示状態を提供するための少なくとも1つの画素を含み、前記画素電圧は表示入力データに対応し、前記方法は、
表示入力データから画素電圧の大きさへの第1の変換を用いて第1の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を印加するステップと、
表示入力データから画素電圧の大きさへの第2の異なる変換を用いて第2の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を印加するステップであって、前記第1の画素電圧および前記第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の変換および前記第2の変換により、異なるオフセット電圧が印加される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の変換および前記第2の変換により、異なる形状の画素電圧対入力データ曲線が適用される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の期間および前記第2の期間は表示期間である、請求項6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の期間および前記第2の期間は、単一の表示期間の部分である、請求項6、7または8に記載の方法。
【請求項11】
前記部分の長さは、請求項2または3に規定される通りである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法であって、前記エレクトロウェッティング表示装置は、第1の電極および蓄積キャパシタおよび第2の電極を有する少なくとも1つの画素を含み、前記蓄積キャパシタは、前記第1の電極と前記第2の電極との間で直接接続され、
前記方法は、
第1の所望の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加するステップと、
第2の所望の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加するステップであって、前記第1の画素電圧および前記第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項13】
エレクトロウェッティング表示装置を駆動する表示駆動システムであって、前記エレクトロウェッティング表示装置は、表示入力データについての入力および画素電圧を提供するための出力および前記入力データを前記画素電圧へ変換するプロセッサを有し、前記プロセッサは、請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように適合される、システム。
【請求項14】
エレクトロウェッティング表示装置を駆動する表示駆動システムであって、前記エレクトロウェッティング表示装置は、表示入力データについての入力および画素電圧を前記表示装置の画素へと提供するための出力と、前記入力データを前記画素電圧へ変換するプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記画素電圧を第1の極性から異なる第2の極性へと変化させるように適合され、また、前記第1の極性を有する前記画素電圧についての前記表示入力データから画素電圧の大きさへの第1の変換と、前記第2の極性を有する前記画素電圧についての第2の異なる変換とを用いるように適合される、
システム。
【請求項15】
請求項13または14に記載の表示装置および表示駆動システムを含む、表示装置。
【請求項16】
表示駆動システムおよび表示装置を含む表示装置であって、
前記表示装置は、第1の電極および蓄積キャパシタを有する少なくとも1つの画素を含み、
前記表示装置は、第2の電極を含み、
前記表示駆動システムは、前記第1の電極と前記第2の電極との間で極性が定期的に変化する画素電圧を提供するように適合され、前記画素電圧は、所望の表示状態に対応し、
前記蓄積キャパシタは、前記第1の電極と前記第2の電極との間において直接接続される、
表示装置。
【請求項17】
前記表示駆動システムは、前記第2の電極への電圧印加を周期的に交番させるように適合される、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示駆動システムは、請求項13または14に記載のように適合される、請求項16または17に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法と、上記方法を用いるように適合された表示駆動システムと、表示駆動システムおよびエレクトロウェッティング表示装置を含む表示装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のエレクトロウェッティング表示装置は、複数の画素素子または画素と、画素を駆動する方法とを有する。画素は、第1の非導電性流体および第2の導電性流体を含む。画素中の第1の流体の位置は、印加電圧によって制御され、画素の表示状態を提供する表示効果をもたらす。画素を駆動する際、画素へ印加される電圧の極性が各後続フレームまたは走査周期の間において変化する。この公知の方法の場合、第2の流体上に交流電圧が印加されまた画素の蓄積キャパシタのプレートの1つに一定電圧が印加されることにより、特定の表示装置およびその内部において用いられる第1の流体に対する画素閾電圧の依存の問題を解消する。公知の方法によって作動させられる公知の表示装置の場合、画像表示において不満足な点がある。
【0003】
よって、画像表示が向上したエレクトロウェッティング表示装置を操作する方法を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0004】
第1の実施形態によれば、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法が提供される。このエレクトロウェッティング表示装置は、少なくとも1つの画素を含む。この方法は、以下を含む:表示期間において画素の表示状態を維持するステップと、
表示期間の第1の部分において第1の画素電圧を画素へ印加するステップであって、第1の画素電圧は、表示状態へ対応する、ステップと、
表示期間の第2の部分において第2の画素電圧を画素へ印加することであって、第2の画素電圧は表示状態に対応し、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップ。他の実施形態は、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法に関連する。このエレクトロウェッティング表示装置は、画素への画素電圧の印加に応答して表示状態を提供するための少なくとも1つの画素を含む。画素電圧は、表示入力データに対応する。この方法は、以下のステップを含む。
【0005】
表示入力データから画素電圧の大きさへの第1の変換を用いて第1の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を印加するステップと、
表示入力データから画素電圧の大きさへの第2の異なる変換を用いて第2の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を印加するステップであって、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップ。
【0006】
さらなる実施形態は、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法に関連する。エレクトロウェッティング表示装置は、以下を含む:
第1の電極および蓄積キャパシタおよび第2の電極を有する少なくとも1つの画素であって、蓄積キャパシタは、第1の電極と第2の電極との間で直接接続される、少なくとも1つの画素。
【0007】
この方法は、以下のステップを含む。
第1の所望の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を第1の電極と第2の電極との間に印加するステップと、
第2の所望の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を第1の電極と第2の電極との間に印加し、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップ。
【0008】
実施形態はまた、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する表示駆動システムに関する。このエレクトロウェッティング表示装置は、表示入力データについての入力と、画素電圧を提供するための出力と、入力データを画素電圧へ変換するプロセッサとを有する。プロセッサは、実施形態による方法を実行するように、適合される。
【0009】
さらなる特徴は、以下の実施形態の説明から明らかとなる。以下の実施形態の説明は単に例示的なものであり、添付図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態によるエレクトロウェッティング表示装置の一部の模式的断面を示す。
図2】実施形態による表示装置の模式的回路図である。
図3】実施形態による画素への電圧印加の時間図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の実施形態によれば、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法が提供される。このエレクトロウェッティング表示装置は、少なくとも1つの画素を含む。方法は、表示期間において画素の表示状態を維持するステップと、
表示期間の第1の部分において第1の画素電圧を画素へ印加するステップであって、第1の画素電圧は、表示状態へ対応するステップと、
表示期間の第2の部分において第2の画素電圧を画素へ印加するステップであって、第2の画素電圧は表示状態に対応し、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップとを含む。
【0012】
公知の表示装置によって表示される画像の場合、表示期間において画素電圧が同一レベルで保持されているのにも関わらず、長い表示期間において(すなわち、低フレームレートにおいて)表示状態が維持されない点において不十分である。実施形態による方法によれば、表示期間において、画素電圧の極性が逆転される。表示期間において極性を逆転させることにより、表示期間における表示状態の維持が向上する。
【0013】
画素への画素電圧印加が長時間にわたった結果、表示入力データに関連する表示状態を示す画素が得られた場合、画素電圧は、所望の表示状態に対応する。所望の表示状態は通常は、短い設定時間の後に得られる。共通エレクトロウェッティング画素の設定時間は、数ミリ秒のオーダーであり、通常は5ms未満である。表示期間とは、所望の表示状態が維持されるべき期間であり、その長さは、フレーム内に表示される画像のためのフレームに等しい。
【0014】
表示装置の表示期間が比較的長い(例えば、100msまたは1s)表示期間において電圧極性を2回以上逆転させることにより、表示状態が徐々に劣化するのを無効化することができ、これにより、画素の表示状態を実質的に同一に保持することができる。この方法はまた、表示期間開始時における極性の逆転を含む。長い表示期間において表示状態を保持することが可能であるため、エレクトロウェッティング表示装置を低周波数で駆動する適切な実施形態が可能となる。
【0015】
他の実施形態は、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法に関連する。このエレクトロウェッティング表示装置は、画素への画素電圧の印加に応答して表示状態を提供するための少なくとも1つの画素を含む。画素電圧は、表示入力データに対応する。この方法は、以下のステップを含む:
表示入力データから画素電圧の大きさへの第1の変換を用いて第1の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を印加するステップと、
表示入力データから画素電圧の大きさへの第2の異なる変換を用いて第2の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を印加するステップであって、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップ。
【0016】
公知の表示装置によって表示される画像の場合、同じ大きさの正の画素電圧および負の画素電圧によって駆動された画素の表示状態が異なって発見されるという点において、不充分である。そのため、同じ大きさの画素電圧によって駆動された場合、後続フレームの表示状態が異なってくる。実施形態による方法によれば、表示入力データから正の画素電圧および負の画素電圧のための画素電圧の大きさへの変換を異ならせることにより、この差が補償される。電圧の大きさは、電圧の絶対値または複素数における絶対値である。これら2つの期間は、連続し得る。また、実施形態は、2つの変換を用いた表示駆動システムに関連する。
【0017】
さらなる実施形態は、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する方法に関連する。このエレクトロウェッティング表示装置は、以下を含む:
第1の電極および蓄積キャパシタおよび第2の電極を有する少なくとも1つの画素であって、蓄積キャパシタは、第1の電極と第2の電極との間で直接接続される、少なくとも1つの画素。
【0018】
この方法は、以下のステップを含む:
第1の所望の表示状態を提供するために、第1の期間において第1の画素電圧を第1の電極と第2の電極との間に印加するステップと、
第2の所望の表示状態を提供するために、第2の期間において第2の画素電圧を第1の電極と第2の電極との間に印加するステップであって、第1の画素電圧および第2の画素電圧は、異なる極性を有する、ステップ。
【0019】
この画素は、第1の支持プレートおよび第2の支持プレートと、第1の支持プレートおよび第2の支持プレート間の空間とを含み得る。空間は、相互に非混和性である少なくとも1つの第1の流体および第2の流体を含み、第2の流体は、電気伝導性または極性である。第1の電極は、第1の支持プレート内に配置され得、第2の電極は、第2の流体と接触する。所望の表示状態とは、表示期間において維持されるべき表示状態である。
【0020】
公知の表示装置によって表示される画像の場合、表示期間において所望の表示状態が維持されない点において、不十分である。その部分的な理由として、画素内の蓄積キャパシタが第1の電極および一定基準電圧へ接続されている点がある。実施形態によれば、蓄積キャパシタを第2の電極にではなく一定基準電圧へ接続することにより、表示期間において所望の表示状態が維持される。実施形態は、蓄積キャパシタの接続を有する表示装置にさらに関連する。
【0021】
実施形態はまた、エレクトロウェッティング表示装置を駆動する表示駆動システムに関連する。エレクトロウェッティング表示装置は、表示入力データについての入力および画素電圧を提供するための出力と、入力データを画素電圧へ変換するプロセッサとを含む。プロセッサは、実施形態による方法を実行するように適合される。
【0022】
以下、実施形態の例について詳述する。
【0023】
図1は、エレクトロウェッティング表示装置1の一部の模式的断面を示す。この表示装置は、少なくとも1つの画素素子または画素2を含む。少なくとも1つの画素素子または画素2のうち1つを図示している。図中、画素の横方向範囲を2本の破線3および4によって示す。表示装置は、第1の支持プレート5および第2の支持プレート6を含む。これらの支持プレートは、各画素の別個の部分であり得るが、これらの支持プレートを複数の画素によって共有することも可能である。これらの支持プレートは、ガラスまたはポリマー基板7および8を含み得、剛性または可撓性であり得る。
【0024】
表示装置は、透過型、反射型または半透過型であり得る。
【0025】
表示装置は、セグメント型表示装置であり得、画像はセグメントによって構成され、各セグメントは、1つ以上の画素を含み得る。表示装置は、アクティブマトリックス駆動型であってもよいし、あるいはパッシブ駆動型であってもよい。複数の画素は、モノクロであり得る。あるいは、フルカラーの表示装置の場合、図示の画素はサブ画素であり得、各サブ画素は異なる色を有する。あるいは、色フィルタおよび/または色付き流体を用いて、異なる個々の画素により異なる色を示すこともできる。
【0026】
支持プレート間の空間11は、2つの流体(すなわち、第1の流体12および第2の流体13)を含む。流体は、例えば液体であり得る。第2の流体は、第1の流体に対して非混和性である。第2の流体は、導電性または極性であり、例えば水または食塩水(例えば、水およびエチルアルコール混合物中の塩化カリウム溶液)であり得る。第2の流体は透明であり得るが、色がついていてもよい。第1の流体は非導電性であり、例えば、アルカン様ヘキサデカンまたは(シリコーン)油であり得る。第1の流体は、光学スペクトルのうち少なくとも一部を吸収する。第1の流体は、色フィルタを形成する光学スペクトルのうち一部において透過性であり得る。この目的のため、色素粒子または染料の付加により、第1の流体を色付けすることができる。あるいは、第1の流体を(光学スペクトルのうち実質的に全部分を吸収する)黒色にしてもよい。
【0027】
疎水性層14は、支持プレート5内に配置され、透明であるかまたは反射型であり得る。この疎水性層は、連続する層であり得、図示のように複数の画素2にわたって延びてもよいし、あるいは不連続の層であってもよく、各部分は1つ以上の画素2のみにわたって延びる。この層は、例えば非結晶質フッ素重合体層であり得る(例えば、AF1600または別の低表面エネルギーポリマー)。このような疎水性により、第1の流体12は選好的に第1の支持プレート5に付着する。
【0028】
第1の支持プレート5は、各画素のための第1の電極15を含む。この電極は、電気的に絶縁性のカバー層によって流体から分離される。このカバー層は、疎水性層14であってもよいし、あるいはさらなる絶縁層(図示せず)であってもよい。さらなる層を疎水性層と電極との間に配置することができる。第1の電極15は、任意の所望の形状または形態であり得、本例においては平面であり、導電性材料によって構成され、透明型または反射型であり得る。隣接画素の電極は、絶縁層16によって分離される。第1の電極15は、模式的に図示される回路17へと接続される。回路17により、第1の電極へ電圧が供給される。コンデンサ18は、回路の一部である。
【0029】
第2の電極19は、導電性の第2の流体13と接触する。この電極は、1つの画素に関連するものである場合もあるし、あるいは、図の実施形態におけるように、複数の画素または全画素に共通するものである場合もある。画素2の表示状態は、第1の電極15と第2の電極19との間に印加される画素電圧Vによって制御され得る。電極19と、各画素について、電極15とはそれぞれ、表示駆動システムへと接続される。マトリックス形態で配置される要素を有する表示装置において、電極は、第1の支持プレート内の制御ラインのマトリックスへと接続され得る。
【0030】
第1の流体12は、画素の範囲を追随する壁部20により、単一の画素へ制限される。これらの壁部は、第1の支持プレートから第2の支持プレートへと延び得るが、第1の支持プレートから部分的に第2の支持プレートへと延びてもよい。これらの壁部を疎水性層14の平面から突出する第1の支持プレート5の構造として図示しているが、これらの壁部を第1の流体をはじく第1の支持プレートの表面層(例えば、親水性層)としてもよい。破線3および4によって示す画素の範囲は、壁部20の中心によって規定される。画素の壁部間の疎水性層14の面積は、表示領域22である。表示領域22上において、表示効果が発生する。表示領域22は、疎水性層14の表面23の面内に配置される。
【0031】
電極間に印加される電圧が無い場合、第1の流体12は、図示のように壁部20間に層を形成する。この層の典型的な厚さは4マイクロメータであり得る。第2の流体13の層の典型的な厚さは、50マイクロメータのオーダーであり得る。表示領域22の典型的なサイズは、160マイクロメータ×160マイクロメータである。第1の電極15と第2の電極18との間に電圧が印加されると、図中の破線の形状21によって示すように、第1の流体が例えば壁部と接触する。第1の流体の形状は、印加電圧の制御によって制御することが可能であり、第1の流体の形状を用いて、画素素子を光弁(light valve)として作動させ、これにより、表示領域22上に表示効果を提供する。表示装置の特徴のさらなる詳細について、国際特許公開第WO2003/071346号中に記載がある。本明細書中、同文献の内容を参考のため援用する。
図2は、表示装置25の模式回路図である。表示装置25は、表示駆動システムと、アクティブマトリックス型構成を有するエレクトロウェッティング表示装置とを含む。表示入力データ26は、表示装置上に表示されるべき画像を示す。データは、コントローラ27への入力である。コントローラ27は、当該データを処理し、信号28を出力する。信号28は、電極19へと接続される。電極19は、表示装置の全画素に共通する。信号28は、第2の流体13へ印加される電圧を決定する。信号28は、DC信号またはAC信号であり得る。
【0032】
コントローラ27はまた、画素のゲートを制御するためのタイミング情報と共に、制御信号29を出力する。制御信号29は、表示行ドライバ30へと接続される。表示行ドライバ30は、制御信号29に依存して、ゲート制御ライン31および31’(行制御ラインとも呼ぶ)を介してゲートパルスを送る。表示ドライバはまた、各ゲート制御ラインのためのドライバステージを含む。
【0033】
コントローラ27は、画素それぞれの表示状態を示す信号33をさらに出力する。コントローラ34は、以下に説明するように、表示サイクルに応じて2つの出力35および36間において信号33を切り換える。出力35は第1の変換器37へと接続され、出力36は第2の変換器38へと接続される。これらの変換器は、表示入力データを画素へ印加されるべき電圧(すなわち、画素電圧)に対応する電圧へと変換して、表示入力データの現在値に対応する表示状態を示す。この変換においては、画素の応答特性が考慮される。画素の特性は画素電圧の極性に依存し得るため、画素電圧の第1の極性について第1の変換器37によって行われる変換は、第1の極性と逆の第2の極性について第2の変換器38によって行われる変換と異なる。結合器39により、これら2つの変換器の出力が単一の制御信号40へと結合される。各変換器は、ルックアップテーブルの形態を持ち得る。要素34、37、38および39は、2つのルックアップテーブルを有する単一の変換器において結合され得る。これら2つのルックアップテーブル間の選択は、表示サイクルに依存して行われる。
【0034】
制御信号40は、表示列ドライバ41へと接続される。表示列ドライバ41は、分配器を含む。分配器は、制御信号40中の電圧をソース制御ライン42および42’(列制御ラインとも呼ばれる)上に分配する。表示列ドライバはまた、各ソース制御ラインのためのドライバステージを含む。
図2はまた、表示装置内において4つの画素がマトリックス構成で構成された回路図を示す。さらなる画素のための回路図を公知の方法で追加することができる。図中の画素は、水平行および垂直列において配置される。
【0035】
制御ライン31および42へ接続された画素の回路は、TFT50を含む。TFT50は、ゲート制御ライン31のうち1つへ接続されたゲート51と、ソース制御ライン42のうち1つへ接続されたソース52と、コンデンサとして描かれた要素54へと接続されたドレイン53とを有する。コンデンサの下側プレートは、図1中の画素2の電極15である。第2の流体13は、コンデンサのトッププレートによって示される。図1および図2の実施形態において画素間において第2の流体が共有されている様子を、マトリックス中の全画素のコンデンサのトッププレートの接続によって示す。トッププレートは、電極19へと接続され、信号28によって設定される。ゲート制御ライン31およびソース制御ライン42上の電圧はそれぞれ、VおよびVである。電極19は、共通電圧Vcにある。画素電圧(すなわち、コンデンサ54上の電圧)はVである。
【0036】
表示装置の実施形態において、回路は、蓄積キャパシタ55も含む。蓄積キャパシタ55の1つのプレートは、ドレイン53へと接続され、他方のプレートは、第1の支持プレート5内の蓄積キャパシタ線56により、他方の画素の対応するプレートへと接続される。蓄積キャパシタにより、画素が電圧を保持することが可能な時間が増加する。さらなる実施形態において、蓄積キャパシタ線56は、第2の電極19へと直接接続される。「直接接続される」という言い回しは、表示装置の動作時において蓄積キャパシタ55のトッププレートおよび第2の流体13が実質的に同じ電圧を有することを意味する。
【0037】
図2に示す表示装置は、表示駆動システムと、表示装置とを含む。この表示駆動システムは、要素27、34、37、38および39を含む表示コントローラと、表示行ドライバ30および表示列ドライバ41を含む表示ドライバとを含む。この表示装置は、要素51〜56を含む。表示駆動システムは、表示装置の第1の支持プレート5上に一体化され得る。要素27、34、37、38および39は、1つ以上のプロセッサ内において実行することができる。
【0038】
以下、表示装置の動作について、図3を参照して説明する。図3は、図2中の画素のための電圧Vを、2つのフレームF1およびF2に対する時間tの関数として示す。フレームは、表示すべき映像の静止画像である。フレームレートとは、画像を更新する速度を表す。フレームF1の開始時において、表示コントローラは、時間t〜tにおけるサブフレームSF1内の表示装置のマトリックス内の全画素をアドレス指定し、表示入力日付26のフレームF1の表示対象画像に関連する画素電圧と共に当該画素をロードする。時間t〜tの後続サブフレームSF2において、逆の極性を有する同一の画素電圧がロードされる。次のサブフレームSF3において、tからフレームFlの終わりであるtにおいて、画素電圧が画素内に保持される。次のフレームにおいて、次の画像であるF2が表示される。
【0039】
図3は、図2中の制御ライン31および42へ接続された画素のための電圧を示す。第1のサブフレームSF1において、第2の流体Vへ印加される電圧は負(例えば、−15V)であり、第2のサブフレームSF2において、正(例えば、+15V)である。第3のサブフレームSF3において、Vは、ゼロであってもよいし、あるいは他の任意の電圧(例えば、+15Vまたは−15V)であってもよい。
【0040】
図3中のソース電圧Vは、マトリックス列内の各画素のための画素電圧(すなわち、各行または線のための1つの画素電圧)を提供するために列制御ライン42へ印加される電圧である。明確さのため、図中、10本の線に対応する10個の電圧のみを図示している。実際の表示装置においては、例えば480本の行および640本の列があり得る。実施形態において、線のアドレス指定のために10マイクロ秒が必要である場合、サブフレームSF1およびSF2の長さはそれぞれ4.8msであり、フレームレート50Hzに対応するフレーム長さが20msである場合、サブフレームSF3の長さは15.2msである。
【0041】
図3中、時間t〜tにおいてマトリックスの第2の行に対応する行制御ライン31上にパルスがあるとき、制御ライン31および42へ接続された画素は、TFTスイッチ50を閉鎖させる。期間t〜tにおける列制御ライン42上に存在する瞬間電圧Vは、電極15上に設定され、蓄積キャパシタが存在する場合、蓄積キャパシタ55のプレート上に設定される。
【0042】
画素電圧V(すなわち、電極15と第2の流体13との間に印加される電圧)は、V−Vに等しい。例えばVが−10VでありかつVが−15Vである場合、Vは+5Vである。時間t3(すなわち、ゲートパルス終了時)において、TFTスイッチ50が開き、コンデンサ54および55がフロートする(フローティングになる)。そのため、コンデンサ54上の電圧が維持される(リーク電流を除く)。画素内の流体の構成は、電圧Vに合わせて調節される。このような調節は典型的には、数ミリ秒にわたって行われる。そのため、画素の表示状態は、サブフレームのサブフレームSF1内において長さ4.8msにわたって表示される。
【0043】
時間tにおいて第2のサブフレームSF2においてアドレス指定されるまで、電圧Vが画素上において維持される。時間tにおける共通電圧Vは、Vに影響しない。なぜならば、コンデンサ54はその瞬間においてフロートしているからである。蓄積キャパシタ55が存在する場合、蓄積キャパシタ55はコンデンサ54へ並列接続されるため、Vの変化は画素電圧に影響しない。これとは対照的に、US2011/0032276中に記載される表示装置の蓄積キャパシタは、電極19へ接続されるのではなく、一定電圧へと接続される。そのため、共通電圧がどのように変化しても、公知の表示装置内の画素電圧に影響はでない。
【0044】
時間tにおいて、行制御ライン31を再度アドレス指定し、TFTは、電極15上の瞬間電圧Vを通過する。この時、電圧変化Vが発生し、画素に影響を与える。例えばVが+10Vであり、Vが+15Vである場合、VはV−V(すなわち、−5V)である。画素の空間11内の流体の構成が画素電圧の極性に対して感度を持たない場合、同じ表示状態がサブフレームSF1およびSF2内において維持される。
【0045】
第3のサブフレームSF3において、TFT50は開口しており、画素電圧Vは維持される。画素が時間tにおいて再度アドレス指定されると、Vが変化し得る。そのため、第1の表示期間DP1(すなわち、tからt)において表示状態が維持される。そのため、SF3は保持ステージとなり、行の画素はアドレス指定されない。tにおいて、第2の表示期間DP2が開始する。表示期間DPの長さは、フレームFの長さと同じである。表示期間およびフレームは、マトリックスの第1の行について一致し、その他の行において時間がシフトする。
【0046】
制御ライン31へ接続された行内の次の画素についても、同様の時間図を描くことができる。しかし、ソース電圧Vは、図3に示すものと異なる。次の行内の画素の時間図も図3のものと同様であるが、パルスVが右側方向へ1つの位置分だけ移動しており、tからではなくtから開始する。
【0047】
図3中の第2のフレームF2はまた、時間t12においてVの極性が逆転する。加えて、図中の極性は、第2のフレームの開始時において時間tにおいて変化する。表示期間DP1の最終部分(t〜t)における第3の画素電圧Vである図中の−5Vは、表示期間DP2(t〜t12)の第1の部分において正の第4の電圧に変化する。この第4の電圧は、表示期間DP2における画素によって示されるべき表示状態に対応する。これら2つの部分は連続的であり得るが、中間期間によって分離することもできる。このような極性変化により、フレームF2内の画素の応答が向上する。
【0048】
図3中の表示期間DP1によって示される画素電圧Vは、以下のように表すことができる:+−h(すなわち、正の電圧、負の電圧、保持ステージ)。あるいは、表示期間は、以下を持ち得る:−+h、+h−h、−h+h、+−+h、−+−h等。さらに、1つの表示状態から別の表示状態への遷移における極性は、同じである場合もあれば、あるいは変化する場合もある。
【0049】
流体の構成が画素電圧の極性に依存する場合、この依存性を補償するために、サブフレームSF1およびSF2内の画素電圧を異なる大きさに設定する必要がある。この依存性は、オフセットの差および/または異なる形状の画素応答曲線(すなわち、表示効果対画素電圧の曲線)に関連し得る。このオフセットは、正の画素電圧および負の画素電圧における画素の応答曲線間の閾電圧の差を補償する。例えば、SF1における画素電圧+5.0Vに起因して、SF2における同じ表示状態は−5.1Vとなり得る。これらの異なる大きさは、SF1内の変換器37(図2を参照)およびSF2内の変換器38を用いて設定することができる。これらの異なる大きさにより、異なる形状の画素電圧対入力データ曲線を適用することにより、正の画素電圧および負の画素電圧に対して異なるガンマ補正を行うことが可能になる。その結果、US2011/0032276に記載される解決法と比較して、オフセット差に対して向上した解決法を得ることが可能になる。
【0050】
変換器37および38は、いわゆるキックバックも考慮に入れることができる。キックバックとは、Vの変化に起因して、TFT50の寄生ゲート−ドレインコンデンサを通じてVに影響が出る現象を指す。キックバックの補償方法について、特に特許US6392626号およびUS7834837号に記載がある。
【0051】
流体構成の極性依存性についての補償は、画素電圧の逆転を用いた任意の表示装置において用いることができる。この補償は、極性逆転がフレーム開始時(すなわち、第1のサブフレームSF1)のみにおいて行われるか、または、フレーム開始時およびフレームの最中双方において行われる実施形態において用いられ得る。
【0052】
図3に示す方法の実施形態において、2つの連続するサブフレームSF1およびSF2を含むフレームF1が用いられる。サブフレームSF1およびSF2において、マトリックスの行が走査され、画素電圧の極性が逆転され、その後保持期間SF3が走査無しに行われる。SF1において設定された第1の画素電圧は、表示期間t〜tの第1の部分t〜tについて画素に印加される。SF2において逆転した極性が設定された第2の画素電圧が、第2の部分t〜tの間、画素へ印加される。図3において、第1の部分は、第2の部分よりも短い。すなわち、第1の部分は走査周期長さ(すなわち、アクティブマトリックス型表示装置の全ての線を後でアドレス指定するために必要な期間)を有する。
【0053】
あるいは、フレームF1は、サブフレームSF1を含み得る。サブフレームSF1に続いて、保持期間、サブフレームSF2、および別の保持期間が追随する。この場合、第1の部分および第2の部分は均等であり得る。第1のサブフレームおよび第2のサブフレームの長さがフレームの長さに等しい場合、第1の部分および第2の部分は同様に等しい。
【0054】
図3に示す方法の実施形態において、フレームF1の開始時およびフレームF1における第2のサブフレームSF2において、第1のサブフレームSF1の極性逆転が行われる。あるいは、第1のサブフレームは、先行フレームの終了時における画素電圧と同じ極性を用いてもよく、サブフレームSF2は、フレーム内において極性を逆転させる。フレーム長さが長い場合、フレーム内における極性逆転数を2よりも多く(例えば、3、4またはそれ以上)にすることができる。
【0055】
図3の実施形態のように、ゼロボルト周囲において交互に変化する電圧Vを用いることにより、画素電圧の30Vのスイングを−15〜+15V電源において動作する回路を用いて達成することが可能になる。この回路は、0〜30V電源で動作する駆動回路よりも製造コストが低い。別の効果として、この回路の方が電力消費も小さい。あるいは、0Vと正電圧(例えば、30V)との間または0Vと負電圧(例えば、−30V)との間において交互に変化する電圧Vを用いてまたはVのためのDC電圧を用いて表示装置を動作させることもできる。これらの代替的例において、電圧Vも相応に変化させる必要がある。
【0056】
他の実施形態は、電極(すなわち、図2に示すような第2の流体コンデンサ54)と並列接続された画素内に蓄積キャパシタ55を有する表示装置に関連する。この表示装置は、フレーム内の1回以上、または、2つ以上の連続フレーム内において1回、極性を変化させる方法を用いて駆動され得る。この表示装置の駆動は、図2に示す二重変換器37および38を用いて行ってもよいし、あるいは用いずに行ってもよい。
【0057】
さらなる実施形態は、二重変換器37および38を有する表示装置に関連する。この表示装置は、第1の期間と第2の期間との間において極性を変化させる方法を用いて駆動され得る。第1の期間および第2の期間は、単一の表示期間の一部であってもよいし、あるいは、表示期間であってもよい。表示装置は、図2に示すように接続された蓄積キャパシタを持ち得る。
【0058】
画素電圧の極性逆転は、公知のリセットパルス技術と同様に、表示期間における表示状態の維持において効果を持つようにみえる。極性逆転の場合、リセットパルスの場合よりも、行アドレス指定においてより少数の走査が用いられる。すなわち、極性逆転の場合、走査は1回で済む一方、リセットパルスの場合、走査は2回必要となる。そのため、極性逆転は、リセットパルスよりも高速で実行することができる。さらに、極性逆転の場合、リセットパルスよりも少ないエネルギーで実行が可能である。なぜならば、リセットパルスの場合、画素帯電を2回変更するのに対し、極性逆転においては1回しか変更しないからである。リセットパルス時において画素へ印加される電圧は通常は、最大電圧または最小電圧である点に留意されたい。すなわち、リセットパルス時において画素へ印加される電圧は、表示期間において維持される表示状態に対応する電圧ではない。リセットパルスの長さは、表示状態におけるいかなる変化をも見えなくするために、充分に短くする必要がある。これとは対照的に、極性が変化されるサブフレームは、表示状態変化を見えるようにするために、充分な長さの期間を有することができる。
【0059】
上記の実施形態は、例示として理解されるべきである。さらなる実施形態が考えられる。任意の1つの実施形態に関連して述べた任意の特徴は、単独で用いてもよいし、あるいは、記載の他の特徴と組み合わせて用いてもよく、また、他の任意の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてまたは、他の任意の実施形態の任意の組み合わせと共に用いることが可能であることが理解される。さらに、上記に述べていない均等例および改変例を、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく用いることが可能である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】