(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-502874(P2015-502874A)
(43)【公表日】2015年1月29日
(54)【発明の名称】ベベルを有するパネル
(51)【国際特許分類】
B32B 3/04 20060101AFI20141226BHJP
E04F 15/02 20060101ALI20141226BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20141226BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20141226BHJP
【FI】
B32B3/04
E04F15/02 A
E04F13/08 A
B32B27/30 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-541636(P2014-541636)
(86)(22)【出願日】2012年11月14日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月3日
(86)【国際出願番号】EP2012072582
(87)【国際公開番号】WO2013072349
(87)【国際公開日】20130523
(31)【優先権主張番号】202011107844.6
(32)【優先日】2011年11月15日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】507258098
【氏名又は名称】アクツェンタ パネーレ ウント プロフィレ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ユルゲン ハンニッヒ
【テーマコード(参考)】
2E110
2E220
4F100
【Fターム(参考)】
2E110AB03
2E110AB04
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2E220GB49X
4F100AH01B
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4F100AH07B
4F100AH10A
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4F100JL06
(57)【要約】
本発明は、キャリア層と、必要に応じて、アクリル樹脂、PVC、PU、PCPP、PPE、PMMAなどのプラスチックでできた少なくとも1つのカバー層とを有する、床、壁、天井などを被覆するためのパネルに関する。本発明によれば、パネルは、少なくとも1つのパネル端部に適用されたベベルを有する床、天井または壁装材として設計され、ベベル領域は、プラスチックの膨潤を引き起こす、および/またはプラスチックを溶解させることができる成分を含む材料によってコーティングされる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床、天井または壁装材としてのパネルであって、プラスチック材料でできた少なくとも1つの層、2つのパネルがロックされた状態で協働する少なくとも2つのパネル端部に備えられた相補的ロッキング手段、および少なくとも1つのパネル端部に備えられたベベルを含み、前記ベベル領域が材料でコーティングされ;
前記コーティング材料が、前記プラスチック材料の膨潤を引き起こす、および/または前記プラスチック材料を溶解させることができる成分を含むことを特徴とするパネル。
【請求項2】
キャリア層と、前記キャリア層の少なくとも一面上にプラスチック材料でできたカバー層とを有することを特徴とする、請求項1に記載のパネル。
【請求項3】
キャリア層がプラスチック材料から構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のパネル。
【請求項4】
カバー層のプラスチック材料が、必要に応じて表面で架橋した熱可塑性材料であることを特徴とする、請求項2または3に記載のパネル。
【請求項5】
熱可塑性材料が、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリスチレンを含むことを特徴とする、請求項4に記載のパネル。
【請求項6】
膨潤および/または溶解成分が、酸素および/または窒素を含む複素環式化合物を含むことを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載のパネル。
【請求項7】
膨潤および/または溶解成分が、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン化炭化水素、アセトン、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリコール、およびグリコール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載のパネル。
【請求項8】
コーティング材料が水性ポリマー分散液を含むことを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載のパネル。
【請求項9】
ポリマー分散液がアクリル酸エステルおよびスチレンのコポリマーを含むことを特徴とする請求項8に記載のパネル。
【請求項10】
ポリマー分散液が、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチルエステルまたはそれらの混合物のポリマーを含むことを特徴とする請求項8に記載のパネル。
【請求項11】
コーティング材料が防汚特性を有することを特徴とする、前記いずれかの請求項に記載のパネル。
【請求項12】
コーティング材料が疎水性材料の粒子を含むことを特徴とする、請求項11に記載のパネル。
【請求項13】
ベベル領域のコーティングが多層構造を有し、最上層だけが防汚特性を有することを特徴とする請求項11または12に記載のパネル。
【請求項14】
床、天井または壁装材を製造するための方法であって、
プラスチック材料の少なくとも1つの層および2つのパネルのロックされた状態で協働する少なくとも2つのパネル端部に備えられた相補的ロッキング手段および少なくとも1つのパネル端部に備えられたベベルを含むキャリアを提供するステップ;
少なくともベベル領域を、プラスチック材料の膨潤を引き起こす、および/またはプラスチック材料を溶解させることができる成分を含む材料でコーティングするステップ
を含む方法。
【請求項15】
少なくともベベルの領域を、膨潤および/または溶解成分として、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン化炭化水素、酸素および/または窒素を含む複素環式化合物、アセトン、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリコールおよびグリコール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む材料でコーティングする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリア層と、必要に応じて、例えば、アクリル樹脂、PVC、PU、PCPP、PPE、PMMAなどのプラスチック材料でできた少なくとも1つのカバー層とを有する、床、壁、天井などを覆うためのパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
上記パネルは広く知られている。例えば、欧州特許第1634696B1号明細書には、耐圧性木質材料でできたキャリアプレートと、ビニル層間に配置された発泡コアを含む発泡ポリ塩化ビニルでできたカバー層とを含む床材エレメントが開示されている。
【0003】
パネルの少なくとも2つの向かい合う辺に面取り部を形成することは、木質材料コアを含む装飾パネルに関する国際公開第01/96688A1号から公知である。同文献では、設置中、パネルが回転する際に端部が互いに押しつけられる場合には、面取り部を使用して、装飾層への損傷を防止している。装飾層への妨害を隠すために、このベベルの領域が印刷されている。
【0004】
欧州特許第1512809A1号明細書では、凹所またはベベルの壁上に耐湿性コーティングを提供することがクレームされている。これは、木質材料でできたキャリアの材料中への有害な水分浸透を防止するためである。コーティングは、ワニス、塗料または可撓性を有しかつ弾性を有する材料から形成することができ、コーティングを押しつけることによって2枚のパネルを連結する際に、継ぎ目が隠されるような厚さで塗布することができる。
【0005】
独国実用新案第202008011589U1号明細書には、装飾層を有し、接触面部分を生じさせることができる相補的ロッキング手段を有するキャリアとして、柔軟性を有しかつ可撓性を有するプラスチック材料でできたパネルが開示されている。個々のパネル間の必然的に異なる間隙を隠すため、そして美的魅力を改善するために、面取り部またはベベルを少なくとも1つのパネル端部に設ける。
【0006】
欧州特許第1382774A1号明細書には、木質材料でできたパネル、および化粧紙または化粧板を含む装飾層が開示されている。同文献では、伝統的な寄木細工の外観をもたらすことを目的とし、ワニスまたは粘着テープでさらにコーティングされていてもよいを面取り部を提供している。
【0007】
しかしながら、ベベルの公知技術を、プラスチックでできたキャリアおよび/またはカバー層を含むパネルに適用する際に問題が生じる。特にキャリアがある程度の可撓性を有する場合、またはカバー層が柔軟性を有する場合、このことは設置中および使用中のどちらでも好都合なのであるが、凹所のコーティングは容易に剥離する可能性がある。これは、面取り部または凹所がコーティングにまで及ぶ場合、コーティングは細長い一片にすぎず、カバー層とキャリア層との両方で接着することが要求されるためである。特に、隣接するパネルのコーティングが組立中に一緒に押し付けられる場合にこの危険性がある。通常のワニスはプラスチック表面での接着性が不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1634696B1号明細書
【特許文献2】国際公開第01/96688A1号
【特許文献3】欧州特許第1512809A1号明細書
【特許文献4】独国実用新案第202008011589U1号明細書
【特許文献5】欧州特許第1382774A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、端部凹所のコーティングが、設置中や長期使用後であっても剥離することがない、プラスチックでできたカバー層を含むパネルを提供することにある。さらに、本発明の1つの目的は、対応するパネルの製造方法を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本目的は、メインクレームのパネルによって、パネルに関して達成される。
【0011】
本発明のパネルは、1つのプラスチック層のみから構成される。特に、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド(PA)、ポリスチレン(PS)ならびにこれらの基礎をなすモノマーおよびそれらの混合物のコポリマーなどの熱可塑性樹脂がプラスチック材料として考慮される。加えて、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などの三元重合体をプラスチック材料として使用することができる。
【0012】
本発明のパネルは、好ましくは少なくとも1つのキャリア層、およびプラスチック材料でできたカバー層を少なくとも片面上に含む。
【0013】
意外なことに、ベベル領域中のカバー層のプラスチック材料に対するコーティングの接着性を促進する成分によって、ベベルによって影響を受けるさらなる層の接着性が、前記問題がもはや起こらない程度まで改善されることがわかった。
【0014】
ベベルは、例えば、面取り部(斜面)、丸みまたは階段状のひだであってもよい。その幅はとりわけパネルの厚さに依存し、好ましくは0.5〜5mmである。
【0015】
本発明のパネルのキャリア層は、木材系材料、例えば、HDFボード、OSBボード、MDFボードおよびパーティクルボード、さらにはプラスチック材料、例えば、熱可塑性樹脂、未架橋もしくは架橋エラストマーおよびデュロマー、またはこれらのポリマーの混合物をはじめとする様々な材料で構築することができる。これらは、ポリ塩化ビニルに加えて、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリスチレンでもあってもよい。紙、ボール紙、鉱物のプレート(例えば、天然石および人造石のスラブ)、コンクリートスラブ、石膏繊維ボード、いわゆるWPCプレート(プラスチックおよび木材の混合物から作製された)、ならびにコルクおよび木材などの天然原料から作製されるプレートも有用である。さらに、わら、トウモロコシわら、竹、葉、海藻エキス、麻、アブラヤシ繊維などのバイオマスからのプレートを使用することができる。さらに、前記材料の再生材料が有用である。キャリア層はさらに、複数の前記材料を混合物でまたはラミネートとして含んでもよい。例には、石膏ボードまたは木材−プラスチックラミネートボードがある。
【0016】
プレートキャリア材料は、完成したパネルの所望の物理的特性に応じて、重く高密度であってもよいし、または多少大きな空隙を含んでいてもよく、例えば、発泡されていてもよいし、またはほぼプレート寸法程度のサイズの空隙を含んでいてもよい。
【0017】
カバー層のプラスチック材料は、好ましくは、熱可塑性材料、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリスチレンである。これらの層は、あらかじめ形成されたフィルムとしてキャリア層上に積層することができるか、または例えば、溶融材料または溶液からその場で形成させてもよい。積層は、接着される材料に関して選択される接着剤を用いて行うことができる。本発明において使用される接着剤は、好ましくは、特にポリウレタン系の物理的および化学的に硬化する接着剤である。反応性ホットメルト接着剤も好適である。これらは、好ましくはキャリアの表面上またはカバー層の表面上に、例えば110〜200℃、好ましくは130℃までの温度にて溶融状態で塗布される。塗布プロセス直後に、カバー層をキャリアの表面上に置き、不織布とキャリアとの接着を、ホットメルト接着剤を冷却および凝固することによって行う。好適なホットメルト接着剤にはポリウレタンが挙げられる。上記反応性ホットメルト接着剤は、例えば、欧州特許第777695B2号明細書に記載される。基本的には二成分を含む反応性接着剤またはさらに簡単なホットメルト接着剤(ホットメルト)も使用することができる。さらに、低温硬化性一液形接着剤および分散液接着剤(白色のり)を使用することができる。
【0018】
例えば、電子線架橋により、キャリア層への接着の前後で摩耗に対して高度に耐性のあるカバー層の自由表面を作製することも可能である。適切な電子線硬化フィルムは、いわゆるESHフィルムとして商業的に入手することができる。カバー層は、コランダム、炭化ホウ素などの耐擦傷性添加剤を含有してもよい。
【0019】
カバー層のプラスチック材料は、通常のフィラー、例えば、炭酸カルシウム(チョーク)、アルミナ、シリカゲル、石英粉末、木粉、石膏を含有してもよい。さらに、それらは公知の方法で着色することができる。カバー層用の材料として、再生プラスチック材料、特に熱可塑性樹脂も使用することができる。キャリア層およびカバー層はどちらも、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、または他の高強度プラスチックおよび炭素繊維を加えることにより安定化させることができる。
【0020】
カバー層はさらに、例えば、層の全体積の10〜50%を構成していてもよく、層の製造中に発泡剤を添加することによって公知方法で生じさせることができる気泡を含んでいてもよい。
【0021】
カバー層の厚さは、一般的に0.1〜10mmである。好ましくは0.1〜5mmの範囲であり、特に好ましくは0.2〜2mmである。
【0022】
特に、といっても限定されるわけではないが、コーティング層は、あらかじめ形成されたフィルムとしてキャリア層上に積層される場合、多層複合材の形態で使用することができる。
【0023】
本発明によるパネルのカバー層は、例えば、キャリア層に接着する前に、印刷などにより特別に着色またはパターニングを行うことによって装飾してもよい。印刷されたパターンをキャリア層に適用すると、キャリア層はフィルムによる摩耗から保護される。この場合、カバー層は透明でなければならない。さらに、レリーフをカバー層の表面に刻印してもよく、これをおそらくは既存の装飾と空間的に関連付けて、例えば、木材または石などの天然材料をまねることができる。インプリンティングプロセスは、ローラーまたはプレス板によって公知方法で実施することができる。第一のカバー層内に装飾を、そして上を覆う第二のカバー層内に、必要に応じて摩耗保護を含むインプリントを提供することも可能である。
【0024】
ベベルの領域、特に面取り部または丸みづけの領域にインプリントを有するコーティングを備えることも可能である。これは、別のステップで、または表面層のインプリントとともに実施することができる。
【0025】
ベベル、特に面取り部または丸み付けの領域に、コーティング材料の塗布前に、装飾パターンを施すことができ、好ましくは印刷することができる。この場合、コーティング剤は透明であることが好ましい。前記コーティングにも、インプリントを施して、これも同様にベベルの装飾と一致させることができる。
【0026】
キャリア層および必要に応じてカバー層に加えて、本発明のパネルは、特定の耐摩耗性外層、装飾層、バック層などのさらなる層を含んでもよい。
【0027】
本発明によるパネル中に存在するコーティング材料は接着促進成分を含む。好ましくは、これらはプラスチック材料の膨潤の原因となる材料である。さらに、濃度を十分低く設定する場合には、プラスチック材料の溶媒である材料を使用することができる。次いで、ベベルの部分の最上部に溶解ではなく、膨潤だけが起こる。例えば、カバー層材料のポリ塩化ビニルに関して、トルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、窒素および/または酸素を複素原子として含む芳香族または脂肪族の複素環式化合物、特にジオキサン、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピリジン、ピリミジン、ピペリジン、スルホランなどの環状エーテル、酢酸ブチルなどの脂肪族エステル、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエステル、エチレングリコールモノブチルエーテルまたは1,2−プロパンジオールなどのグリコール。接着促進効果は、膨潤したプラスチック材料とコーティング材料のバインダーから形成されるポリマーフィルムとの部分溶接および/またはプラスチック材料の部分溶解または膨潤に起因する拡大された接着面積に基づくと考えられる。
【0028】
本発明の1つの実施形態において、キャリア層上への塗布時のコーティング材料の溶媒または膨潤剤含有量は、1重量%以上〜15重量%以下、好ましくは2重量%以上〜10重量%以下、特に好ましくは4重量%以上〜8重量%以下、とりわけ5重量%以上〜7重量%以下の範囲内である。
【0029】
接着促進および膨潤誘発成分の効果は、湿潤剤によって増大させることができる。この場合、コーティング材料は、アルキルフェノールエトキシレート(APEO)を含まないことが好ましい。
【0030】
コーティング材料は、天然または合成高分子量バインダーおよびそれに好適な溶媒を含んでもよい。しかしながら、好ましいコーティング材料は、ポリマーバインダーが水性相中に分散されたものである。そのようなコーティング材料は一般的に公知であり、加えて、湿潤剤、顔料、染料、フィラーなどのさらなる添加剤を含む。本明細書中で、ポリマー分散液の粒子は、好ましくは10〜1000nmの範囲内のサイズを有し、凝結によって分散媒(水)の蒸発後にフィルムを形成する。この場合の接着促進成分または膨潤促進成分は、コーティング材料の水性相と十分な混和性を有していなければならない。
【0031】
本発明におけるコーティング材料のバインダーとして特に好ましいのは、アクリル酸エステル、特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルと、スチレンとのコポリマーである。そのようなコポリマーは、溶媒に対して、また応力腐食割れに対して特に耐性であることが判明している。
【0032】
着色剤の添加によって、コーティング材料の色をプラスチックまたはカバー層表面または必要に応じて装飾の色と一致させることができる。さらに、少なくともフィルム形成後に透明なコーティング材料を使用することができる。
【0033】
好適なコーティング材料は、Heidelberger Lackfabrik Rentzsch GmbH & Co. KGによって商標名「Farblacksystem HD−Aquafix Fasenlack Color Art. Nr. 7331」により製造される。
【0034】
撥汚性添加剤をコーティング材料に添加することが特に有効である。凹所部分は設置された状態で2つの各パネルの接触線のところで埋没しているので、それらはパネルで覆われた表面に機械的なクリーニングを行うときは弱い強度で処理され、したがって、それが汚れの蓄積の原因となる。撥汚性添加剤は、疎水性材料、例えば、フッ素化ポリマー(例えば、テトラフルオロポリエチレン)、ワックス、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アミドワックス、カルナウバワックス、パラフィンおよび疎水化シリカゲルの粒子を含んでもよい。そのような粒子のサイズは、有利には10nm〜10μmの範囲内である。そのような疎水性粒子の添加は、プラスチックキャリアおよび/または装飾層へのコーティングの接着性に望ましくない方法で悪影響を及ぼすことがあるので、疎水性粒子を含まない少なくとも一層のコーティング材料をまず塗布し、次いで後者を最後に塗布した層に添加するだけで、例えばこの外層だけを撥汚性にすることが有利であり、十分である。
【0035】
特定の用途にあわせて、カバー層のプラスチック材料は多少の可塑剤、例えば、ジオクチルフタレートなどの高級アルコールのフタル酸エステルを含んでもよい。コーティング材料中の接着促進添加剤または膨潤促進添加剤の量は、カバー層のプラスチック材料中の可塑剤の量によって決定することができ、この場合、典型的には可塑剤の量が多いほど、必要な添加剤は少ない。
【0036】
ベベル、すなわち面取り部の領域上へのコーティング材料の塗布は、適用可能な場合、装飾表面およびパネルの側面を汚染することなく面取り部の細長い領域をコーティングすることが可能な特別に適合された方法によって有利に行うことができる。これは、例えばコーティング材料をベベルの外側の部分から遠ざける吸引手段と関係のある噴射ノズルであってもよい。面取り部表面と接触させ、その外周の別の位置でコーティング溶液中に浸漬させたテクスチャー表面を必要に応じて有するローラーまたはトランスファーホイールによってコーティング材料を塗布することも可能である。最終的に、装置は、例えば、独国実用新案第202005011120U1号明細書または旧東ドイツ国経済特許第156468A3号明細書に記載されるように適用することができる。ここで、パネル端部は、コーティング材料を連続して供給し、過剰の材料を吸引することによってコーティングヘッド上に安定して形成される一滴のコーティング材料とちょうど接触するが、コーティングヘッド自体とは接触しない。
【0037】
本発明を実施する目的で、40%のポリ塩化ビニルと、23%の可塑剤(ジ−i−ノニルフタレート/i−ノニルベンゾエート)、24%の炭酸カルシウム、ならびに発泡剤および他の添加剤の残部から作製された厚さ4.1mmのキャリアプレートに、着色した厚さ1.5mmのPVCフィルムを積層させた。長方形プレートから、パネルを切り出し、接続部材を装備し、長手方向の辺に45°で1mm面取りした。面取り部領域を独国実用新案第202005011120U1号明細書に相当する装置によって、本発明におけるコーティング材料でコーティングした。塗布された層は、パネルを曲げたり、クリーニング装置で処理したりしても、面取り部表面に良好に接着していた。
【0038】
さらなる例では、厚さ約1.7mmの発泡PVCフィルムを、厚さ6.5mmのHDFプレートでできたキャリア上に積層し、コーティングされた面取り部を有するパネルを複合材料から作製した。ここでも、面取り部領域のコーティングは、非常に良好な接着強度を示した。
【0039】
第三の例では、電子線の使用によって表面上で架橋したPVCフィルム(厚さ0.25mm)を第一の例で使用したキャリア上に積層させた。この場合では、面取り部はキャリアプレート中に及ぶが、面取り部のコーティングの優れた接着強度が観察された。
【0040】
方法に関して、本目的は請求項14記載の方法によって達成される。
【0041】
したがって、床、天井または壁装材を製造するための方法であって、プラスチック材料の少なくとも1つの層、2つのパネルがロックされた状態で協働する少なくとも2つのパネル端部に備えられた相補的ロッキング手段、および少なくとも1つのパネル端部に備えられたベベルを含むキャリアを提供するステップ;少なくともベベル領域を、プラスチック材料の膨潤を引き起こす、および/またはプラスチック材料を放出することができる成分を含有する材料でコーティングするステップを含む方法が提案される。
【0042】
上述の方法の好ましい実施形態によると、膨潤および/または溶解成分として、芳香族炭化水素、脂肪族ハロゲン化炭化水素、酸素および/または窒素を有する複素環式化合物、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)グリコールおよびグリコール誘導体からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む材料でベベルの領域をコーティングする。
【国際調査報告】