(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-503321(P2015-503321A)
(43)【公表日】2015年1月29日
(54)【発明の名称】マグネットホイール
(51)【国際特許分類】
H02K 29/08 20060101AFI20141226BHJP
H02K 11/00 20060101ALI20141226BHJP
G01D 5/245 20060101ALI20141226BHJP
【FI】
H02K29/08
H02K11/00 C
G01D5/245 110M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-547948(P2014-547948)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2012076069
(87)【国際公開番号】WO2013092653
(87)【国際公開日】20130627
(31)【優先権主張番号】102011089243.5
(32)【優先日】2011年12月20日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ローター シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヴァイマー
【テーマコード(参考)】
2F077
5H019
5H611
【Fターム(参考)】
2F077AA42
2F077NN02
2F077NN04
2F077NN17
2F077NN24
2F077VV31
5H019AA10
5H019BB01
5H019BB05
5H019BB19
5H019CC03
5H019CC10
5H611AA01
5H611BB07
5H611BB08
5H611PP07
5H611QQ03
5H611RR02
5H611UA08
5H611UB02
(57)【要約】
本発明は、シャフト(2)と、磁性粒子を含むプラスチックから成るディスク(3)とから形成されており、ディスク(3)は、支持ハブ(4)上に配置されており、支持ハブ(4)は、シャフト(2)に押し付けられている、電動モータ用のマグネットホイールに関する。支持ハブ(4)は、スリットが設けられたリングとして構成されており、リングの周りに、ディスク(3)が射出成形により一体的に成形されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、磁性粒子を含むプラスチックから成るディスクとから形成されており、該ディスクは、支持ハブ上に配置されており、該支持ハブは、シャフトに押し付けられている、電動モータ用のマグネットホイールであって、
前記支持ハブ(4)は、スリットが設けられたリングとして構成されており、該リングの周りに、前記ディスク(3)が射出成形により一体的に成形されている、ことを特徴とする、電動モータ用のマグネットホイール。
【請求項2】
前記支持ハブ(4)は、帯材からロール加工されたものである、請求項1記載のマグネットホイール。
【請求項3】
前記支持ハブ(4)は、スリット(5)が形成された切削部材又は打抜部材である、請求項1記載のマグネットホイール。
【請求項4】
前記支持ハブ(4)は、半径方向外側でノッチ(6)を備える、請求項1から3までのいずれか1項記載のマグネットホイール。
【請求項5】
前記ノッチ(6)は、所定の域に配置されており、該域の終端部は、前記スリット(5)から少なくとも90°離れて配置されている、請求項4記載のマグネットホイール。
【請求項6】
前記ノッチ(6)は、少なくとも1つの押込成形部として、好適にはローレット目(7)として構成されている、請求項5記載のマグネットホイール。
【請求項7】
前記ノッチ(6)は、前記スリット(5)とは反対側に配置された、前記支持ハブ(4)に設けられた単一の切欠(8)である、請求項4記載のマグネットホイール。
【請求項8】
前記ノッチ(6)は、前記スリット(5)に対して対称的に配置された、前記支持ハブ(4)に設けられた2つから4つの切欠(8)である、請求項5記載のマグネットホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフトと、磁性粒子を含むプラスチックから成るディスクとから形成されており、ディスクは、支持ハブ上に配置されており、支持ハブは、シャフトに押し付けられている、電動モータ用のマグネットホイールに関する。
【0002】
この種のマグネットホイールは、ポジションセンサの構成要素としてブラシレス直流モータに使用され、従って公知である。マグネットホイールのディスクは、鉄粒子を含むプラスチックの射出成形により支持ハブ上に形成される。支持ハブは、鋼又は黄銅のような適切な材料から成る閉じたリングである。続いて、一体的に射出成形されたディスクを備える支持ハブは、シャフト上に被せ嵌められる。このような態様における欠点は、支持ハブを被せ嵌める際のシャフトの製造技術的な製造誤差に基づいて時折支持ハブに極めて大きな荷重が生じ、この荷重がマグネットホイールの耐用期間を短縮することにある。特にひどい場合、マグネットホイールが故障に瀕し、ポジションセンサの機能エラーを招く恐れがある。
【0003】
従って本発明の課題は、製造に起因して生じる負荷により個々の構成要素の故障がもたらされることのないマグネットホイールを提供することである。
【0004】
この課題は、支持ハブが、スリットが設けられたリングとして構成されており、リングの周りに、ディスクが射出成形により一体的に成形されていることにより解決される。
【0005】
スリットが設けられた支持ハブの態様は、シャフトの製造誤差に対して極めて良好な反応を可能にする。これにより、支持ハブは、ある種のばねとしてシャフトを包囲し、これにより、支持ハブは、より大きなシャフト直径の場合に拡開することができる。このようにして、支持ハブにおける荷重が大幅に低減され、これにより、マグネットホイールの耐用期間が延長される。プラスチックのより大きな耐久性に基づいて、支持ハブの拡開は、ディスクにおける荷重の増加にほとんど影響しない。別の利点は、スリットが設けられた支持ハブに基づいて、シャフト直径及びハブ孔におけるより大きな製造誤差も許容され、これにより製造が簡単になることにある。
【0006】
製造は、支持ハブのリングが帯材からロール加工されている場合、極めて経済的に行われる。
【0007】
支持ハブのリングは、別の態様では、従来のように、スリットが形成された切削部材(切削加工で形成された構成要素)又は打抜部材(打ち抜き加工で形成された構成要素)であってよい。この態様は、特に、リングがインサート成形前に更に加工される場合に好適である。
【0008】
支持ハブの拡開の結果、ディスクと支持ハブとの相対運動が生じることがある。この場合、支持ハブが半径方向外側にノッチを備え、この支持ハブとディスクとを、確実な回転モーメント伝達のために、相互に結合することが好適であると判った。
【0009】
支持ハブとディスクとの確実な結合は、その際に支持ハブの拡開を阻止することなく、ノッチが所定の域に配置されており、その域の終端部がスリットから少なくとも90°離れて配置されている場合、所定のノッチにより達成される。従って、スリットのそれぞれ少なくとも90°左右にノッチは配置されていない。この域で、拡開時にディスクと支持ハブとの間の相対運動が生じ得る。これにより、荷重が最小限に減らされる。
【0010】
支持ハブとディスクとの密接な結合は、少なくとも1つの押込部の構成をした、好適にはローレット目の構成をしたノッチにより達成される。
【0011】
ノッチは、別の態様では、ノッチがスリットとは反対側に配置された、支持ハブに設けられた単一の切欠である場合、特に簡単に製作可能である。単一の切欠は、伝達すべき僅かな回転モーメントに基づいて、大抵は十分である。更に好適には、プラスチックと支持ハブとの相対運動を可能にする、支持ハブの広い域が存在する。
【0012】
より大きなモーメント伝達のために、スリットに対して対称的に配置された、2つから4つの切欠を支持ハブに配置してもよい。
【0013】
1つの態様につき、本発明を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】マグネットホイールを半分に切った断面図である。
【0015】
マグネットホイール1は、電子整流電動モータのシャフトであってよいシャフト2と、フェライトが結合されたプラスチックから成るディスク3とから形成されている。このプラスチックは、射出成形により、支持ハブ4上に一体的に成形される。支持ハブは、スリット5を備える。スリット5は、視認性を良好にするために切断平面上に配置されている。スリット5とは反対側に、ひいては180°の間隔を置いて、支持ハブ4は、半径方向外側に、切欠8の構成をしたノッチ6を備える。フェライト結合プラスチックの射出成形に際して、フェライト結合プラスチックは、ノッチ6を充填し、これにより支持ハブ4との密接した結合を形成する。ディスク3を備える支持ハブ4をシャフト2上に被せ嵌める際に、支持ハブ4は拡開することができ、その際、スリット5の左右の域で、支持ハブ4とディスク3との間の相対運動を生じさせることができる。
【0016】
図2以下の図面では、支持ハブ4は、ディスク及びシャフトを省いて図示されている。
図2には、2つのローレット目7の構成をしたノッチ6を備える支持ハブ4が示されている。ローレット目7は、スリット5に対して反対側で対称的に、60°の角度にわたって延在している域に配置されている。ローレット目7は、それぞれ20°の範囲にわたって延在していて、相互に20°の間隔を有する。従って、ローレット目7は、スリット5に対して150°の間隔を有する。
図3の支持ハブ4は、スリット5に対して対称的に配置された3つの切欠8の構成をしたノッチ6を備える。切欠8は、相互に30°の間隔を有する。
【国際調査報告】