特表2015-503651(P2015-503651A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスケー イノベーション  カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ エスケー グローバル ケミカル カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2015-503651ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法及びそれにより製造された成形品
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-503651(P2015-503651A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法及びそれにより製造された成形品
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/18 20060101AFI20150106BHJP
   C08L 69/00 20060101ALI20150106BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20150106BHJP
   C08K 5/29 20060101ALI20150106BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20150106BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20150106BHJP
【FI】
   C08J9/18CFD
   C08L69/00
   C08L101/00
   C08K5/29
   C08K5/00
   C08K3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-549979(P2014-549979)
(86)(22)【出願日】2012年12月24日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月27日
(86)【国際出願番号】KR2012011348
(87)【国際公開番号】WO2013100508
(87)【国際公開日】20130704
(31)【優先権主張番号】10-2011-0147165
(32)【優先日】2011年12月30日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0131569
(32)【優先日】2012年11月20日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】308007044
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK INNOVATION CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】511061589
【氏名又は名称】エスケー グローバル ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK GLOBAL CHEMICAL CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】パク, ヨン ヒョ
(72)【発明者】
【氏名】チュン, クワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】オク, ミュン アン
(72)【発明者】
【氏名】ホン セウン グエオン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン, ミン ホ
【テーマコード(参考)】
4F074
4J002
【Fターム(参考)】
4F074AA17
4F074AA22
4F074AA23
4F074AA24
4F074AA41
4F074AA48
4F074AA48A
4F074AA66
4F074AA66A
4F074AA68
4F074AA70
4F074AA90
4F074AB01
4F074AC31
4F074AC32
4F074AC35
4F074AD02
4F074AD04
4F074AD12
4F074AD13
4F074AD14
4F074AD17
4F074AG01
4F074AG10
4F074AG20
4F074BA32
4F074BB01
4F074CA34
4F074CA49
4F074CC04Y
4F074CC34Y
4F074DA02
4F074DA32
4F074DA33
4F074DA35
4J002BB03X
4J002BB07X
4J002BB12X
4J002BB18X
4J002BB22X
4J002BC113
4J002BF02X
4J002BG06X
4J002BN144
4J002BN174
4J002CF18X
4J002CF19X
4J002CG004
4J002CG01W
4J002CP033
4J002DA029
4J002DA119
4J002DE079
4J002DE099
4J002DE109
4J002DE119
4J002DE129
4J002DE137
4J002DE149
4J002DE189
4J002DE229
4J002DG049
4J002DH039
4J002DH049
4J002DJ007
4J002DJ019
4J002DJ037
4J002DJ047
4J002DJ057
4J002DK009
4J002DM007
4J002EC038
4J002EC046
4J002EC048
4J002EE058
4J002EJ008
4J002EJ059
4J002EN008
4J002EN009
4J002EP009
4J002ER006
4J002ER009
4J002ER029
4J002ET009
4J002ET019
4J002EU189
4J002EV129
4J002EW129
4J002EW149
4J002EW159
4J002EX039
4J002FD017
4J002FD068
4J002FD133
4J002FD139
4J002FD146
4J002GG02
4J002GN00
(57)【要約】
本発明は、ポリプロピレンカーボネート発泡体(expandable polypropylene carbonate)を製造するための組成物の製造方法及びそれにより製造されたポリプロピレンカーボネート発泡体に関し、より詳細には、発泡剤として超臨界二酸化炭素を使用し、適正な発泡方法により成形性の良い発泡体を製造することができるポリプロピレンカーボネート発泡体製造用組成物の製造方法に関する。本発明による組成物を用いることで、優れた熱安定性及び寸法安定性を有する高倍率のポリプロピレンカーボネート発泡体を製造することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)、熱可塑性樹脂(a2)、及び架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を用いた架橋段階と、
2)前記1)段階で得られた物質、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)、無機物質(D)、及び熱安定剤(E)を混合する段階と、を含むポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項2】
前記1)段階の架橋段階は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)とを混練して架橋するか、前記ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)をそれぞれ架橋した後、混合する段階である、請求項1に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項3】
前記1)段階の架橋段階は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)を単独で架橋した後、架橋されたポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)を熱可塑性樹脂(a2)と2次架橋する段階を含む、請求項1に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項4】
前記ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物は、
ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)10〜90重量%及び熱可塑性樹脂(a2)10〜90重量%からなるベース樹脂(A)100重量部と、
ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)0.1〜20重量部と、
架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)0.01〜10重量部と、
無機物質(D)0.1〜10重量部と、
熱安定剤(E)0.01〜1重量部と、を含む、請求項1に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項5】
前記ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物は、難燃剤(F)0.01〜50重量部及び衝撃補強剤(G)1〜20重量部から選択される1つまたは2つ以上の混合物をさらに含む、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項6】
前記ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)は、重量平均分子量が10,000〜1,000,000である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂(a2)は、PETG(Polyethylene Terephthalate Glycol)、ポリ乳酸、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリエチレンメタクリレートグリシジルメタクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び下記構造のコポリエステルからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【化1】
(前記式中、‐[R‐O]z‐は、(a)分子量200〜10,000のポリエステルポリオールトリオール、(b)分子量200〜10,000のポリエーテルグリコール、及び(c)分子量10,000以下のポリエステルポリオールジオールからなる群から選択されるポリオールであり、mは2〜10の整数であり、nは0〜18の整数であり、pは2〜10の整数であり、v、w、x及びyは、それぞれ0〜100の整数である。)
【請求項8】
前記ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)は、重量平均分子量が5,000〜10,000,000g/molのアクリル系共重合体である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項9】
前記アクリル系共重合体は、直鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、分岐状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、環状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2種以上のモノマーの共重合により形成された重合体である、請求項8に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)は、重量平均分子量が500〜1,000,000g/molである低分子量のポリプロピレンカーボネートまたはポリプロピレンカーボネート共重合体である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項11】
前記架橋剤は、2,4‐トリレンジイソシアネート、2,6‐トリレンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート、m‐フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートエステル、1,4‐シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´‐ジメチル‐4,4´‐ビフェニレンジイソシアネート、N‐p‐マレイミドフェニルイソシアネート、1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートからなる群から選択される1つまたは2つ以上のポリイソシアネート混合物である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項12】
前記鎖延長剤は、エチレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,10‐デカンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、トリメチルプロパノール、ビスフェノール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項13】
前記無機物質(D)は、二酸化チタン、タルク、カオリン、ケイ灰石、雲母、及びチタン(Ti)、鉛(Pb)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、タングステン(W)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)及び希金属元素からなる群から選択される1つ以上の金属を含むセラミック粒子からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項14】
前記熱安定剤(E)は、フェノール系、ヒドロキノン系、ベンジルアルコール系、キノン系、及びアミン系化合物からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項4に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項15】
前記熱安定剤は、フェノチアジン、p‐メトキシフェノール、クレゾール、ベンズヒドロール、2‐メトキシ‐p‐ヒドロキノン、2,5‐ジ‐tert‐ブチルキノン、及びジイソプロピルアミンからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項14に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項16】
前記難燃剤(F)は、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコン系難燃剤、無機系難燃剤、メラミン系難燃剤、及びハロゲン系難燃剤からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項5に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項17】
前記衝撃補強剤(G)は、コア‐シェル構造の共重合体及び鎖構造の補強剤からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物である、請求項5に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【請求項18】
前記コア‐シェル構造の共重合体は、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるゴムで形成されたコアに、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、酸無水物、アルキルまたはフェニル核置換マレイミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される不飽和モノマーがグラフトされることでシェルが形成された構造を有することである、請求項17に記載のポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法及びそれにより製造された成形品に関し、より詳細には、発泡剤として超臨界二酸化炭素を使用し、適正な発泡方法により成形性の良い発泡体を製造することができるポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法及びそれにより製造された成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂発泡体は、軽く、優れた断熱及び緩衝効果を有するため、断熱材、包装材、緩衝材、内装材などの様々な用途に用いられている。この際、使用される合成樹脂としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの様々な樹脂が挙げられる。しかし、これらは、製品の廃棄時に発生する公害問題を有するため、長期的に環境にやさしい製品への転換が要求されている状況である。
【0003】
韓国公開特許第2008‐87070(特許文献1)には、合成樹脂発泡体としてポリカーボネート発泡体が開示されている。
【0004】
ポリプロピレンカーボネートは、二酸化炭素を原料として製造される製品であって、石油化学原料で製造される製品に比べ、石油化学原料コストの約50%が低減される効果を有する、環境にやさしい製品であり、焼却時にも既存の合成樹脂から発生する有毒ガスが生じないという利点がある。しかし、このような環境にやさしいポリプロピレンカーボネートを単独で発泡する場合、発泡後に常温で収縮するため、初期形状が維持されないという欠点がある。
【0005】
したがって、環境にやさしく、既存の合成樹脂発泡体に代替可能であるとともに、発泡後にも使用温度で形状維持能力及び寸法安定性を有するポリプロピレンカーボネート発泡体が、経済的且つ環境的な点で要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第2008‐87070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れた発泡性能及び発泡形状維持能力を有するとともに、燃焼時に発生する有毒ガスが著しく減少された、環境にやさしいポリプロピレンカーボネート発泡体を製造するための組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、本発明による組成物を用いて製造されたポリプロピレンカーボネート発泡体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、1)ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)、熱可塑性樹脂(a2)、及び架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を用いた架橋段階と、2)上記1)段階で得られた物質、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)、無機物質(D)、熱安定剤(E)を混合する段階と、を含むポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるポリプロピレンカーボネート発泡体の組成物及びその製造方法によれば、燃焼時に発生する有毒ガスが著しく減少され、優れた熱安定性及び寸法安定性を有する、高倍率のポリプロピレンカーボネート発泡体を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、1)ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)、熱可塑性樹脂(a2)、及び架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を用いた架橋段階と、2)前記1)段階で得られた物質、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)、無機物質(D)、熱安定剤(E)を混合する段階と、を含むポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【0012】
より詳細に、本発明は、三つの様態によるポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【0013】
一様態として、前記1)段階の架橋段階は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)とを混練した後、架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を用いて架橋する段階を含む、ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【0014】
他の様態として、前記1)段階の架橋段階は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)及び熱可塑性樹脂(a2)を、架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を用いてそれぞれ架橋する段階を含むポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【0015】
さらに他の様態として、前記1)段階の架橋段階は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)を単独で架橋した後、架橋されたポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)を熱可塑性樹脂(a2)と2次架橋する段階を含むことを特徴とする、ポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法を提供する。
【0016】
ここで、架橋段階は、上述の樹脂と、架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)とを混合した後、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出して、ペレット成形する段階を含むことができる。
【0017】
また、混練して架橋する段階は、前記ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)とを混合した後、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出して、ペレット成形する段階を含むことができる。
【0018】
本発明によるポリプロピレンカーボネート発泡体製造用組成物の製造方法によれば、架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を投入することで、加工温度での溶融強度を高めるとともに、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)を投入することで、ベース樹脂(A)を構成するポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)との相溶性を増大させることで、優れた熱安定性及び寸法安定性を有する高倍率のポリプロピレンカーボネート発泡体を製造することができる。
【0019】
前記ベース樹脂(A)は、ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)10〜90重量%及び熱可塑性樹脂(a2)10〜90重量%からなり、前記ポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)は、高分子量のポリプロピレンカーボネートまたはポリプロピレンカーボネート共重合体であって、重量平均分子量が10,000〜1,000,000であることが好ましい。
【0020】
また、前記熱可塑性樹脂(a2)を添加することで、ポリプロピレンカーボネート発泡体の寸法安定性及び耐熱性を向上させることができる。熱可塑性樹脂の使用含量が10重量%未満である場合には、発泡成形製品の寸法安定性及び耐熱性が期待できない。熱可塑性樹脂(a2)としては、具体的に、PETG(Polyethylene Terephthalate Glycol)、ポリ乳酸、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリエチレンメチルアクリレートグリシジルメタクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及び下記構造のコポリエステルからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用できる。本発明の実施例によれば、熱可塑性樹脂(a2)として、ポリブチレンスクシネート(PBS、分子量:170,000)、ポリ乳酸(PLA、Natureworks、分子量:90,000)などが使用できる。
【0021】
【化1】
【0022】
(前記式中、‐[R‐O]z‐は、(a)分子量200〜10,000のポリエステルポリオールトリオール、(b)分子量200〜10,000のポリエーテルグリコール、及び(c)分子量10,000以下のポリエステルポリオールジオールからなる群から選択されるポリオールであり、mは2〜10の整数であり、nは0〜18の整数であり、pは2〜10の整数であり、v、w、x及びyは、それぞれ0〜100の整数である。)
【0023】
前記ベース樹脂(A)中におけるポリプロピレンカーボネート樹脂(a1)と熱可塑性樹脂(a2)との相溶性を増加させるために、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(B)は、ベース樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部で使用する。前記相溶化剤は、重量平均分子量が5,000〜10,000,000g/molのアクリル系共重合体であるか、重量平均分子量が500〜1,000,000g/molである低分子量のポリプロピレンカーボネートまたはポリプロピレンカーボネート共重合体であることができる。前記アクリル系共重合体は、直鎖状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、分岐状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、環状アルキル(メタ)アクリレートモノマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも2種以上のモノマーの共重合により形成された重合体である。
【0024】
前記架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物(C)を投入することで、ポリプロピレンカーボネート(PPC)及び熱可塑性重合体の溶融粘度が上昇し、発泡時に安定した形状が得られる。この際、架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物の使用含量が0.01重量部未満であると、使用する意味がなく、10重量部以上であると、混合物の溶融粘度が過度に高くなって、加工するに適しなくなる。前記架橋剤として、2,4‐トリレンジイソシアネート、2,6‐トリレンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m‐フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネートエステル、1,4‐シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4´‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´‐ジメチル‐4,4´‐ビフェニレンジイソシアネート、N‐p‐マレイミドフェニルイソシアネート、1,6‐ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートからなる群から選択される1種以上のポリイソシアネートが使用でき、前記鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、1,10‐デカンジオール、2,2‐ジメチル‐1,3‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、トリメチルプロパノール、ビスフェノール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、及びポリカーボネートジオールからなる群から選択される1つまたは2つ以上のジオール及びポリオール混合物が使用でき、前記架橋剤と鎖延長剤とを組み合わせて使用してもよい。
【0025】
前記無機物質(D)は、発泡後における発泡体の形状安定性及び耐熱特性の向上を付与するために使用されるものであって、その含量が0.1重量部未満であると、添加する意味がなく、10重量部以上であると、発泡性能が減少する。前記無機物質(D)としては、具体的に、二酸化チタン、タルク、カオリン、ケイ灰石、雲母、及びチタン(Ti)、鉛(Pb)、バリウム(Ba)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、タングステン(W)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)及び希金属元素からなる群から選択される1つ以上の金属を含むセラミック粒子からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用できる。
【0026】
前記熱安定剤(E)は、素材の加工時に発生し得る熱分解現象から組成物を保護するために使用されるものであって、その含量が0.01重量部未満であると、添加する意味がなく、1重量部以上であると、それ以上の熱安定性が期待できない。前記熱安定剤(E)としては、フェノール系、ヒドロキノン系、ベンジルアルコール系、キノン系、及びアミン系化合物からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用でき、より具体的には、フェノチアジン、p‐メトキシフェノール、クレゾール、ベンズヒドロール、2‐メトキシ‐p‐ヒドロキノン、2,5‐ジ‐tert‐ブチルキノン、及びジイソプロピルアミンからなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物を使用することが好ましい。
【0027】
また、前記構成成分(A)〜(E)の他に、難燃剤(F)、衝撃補強剤(G)、またはこれらの混合物をさらに含むことができる。
【0028】
前記難燃剤は、難燃性を付加するか、耐熱性を向上させるために使用されるものであって、特に限定されるものではないが、具体的には、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコン系難燃剤、無機系難燃剤、メラミン系難燃剤、及びハロゲン系難燃剤からなる群から選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用できる。
【0029】
前記リン系難燃剤は、通常のリンを含有する難燃剤を意味し、例えば、具体的に、赤色亜リン酸塩(red phosphite)、リン酸塩(phosphate)、ホスホン酸塩(phosphonate)、ホスフィン酸塩(phosphinate)、ホスフィンオキシド(phosphine oxide)、ホスファゼン(phosphazene)、及びこれらの金属塩などが適用できるが、必ずしもこれに制限されるものではない。前記窒素化合物系難燃剤としては、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、含窒素複素環化合物、シアン(cyan)化合物、脂肪族アミド、芳香族アミド、尿素、チオ(thio)尿素などが挙げられる。前記シリコン系難燃剤としては、シリコン樹脂、またはシリコンオイルが挙げられる。前記シリコン樹脂としては、RSiO3/2、RSiO、RSiO1/2の単位を組み合わせることができる三次元網状構造を有する樹脂などが挙げられる。ここで、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基、または前記置換基にビニル基を含有した置換基を示す。前記シリコンオイルは、ポリジメチルシロキサン、及びポリジメチルシロキサンの測鎖または末端の少なくとも1個のメチル基が、水素、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、メルカプト基、クロロアルキル基、アルキルアルコールエステル基、アルコール基、アリル基、ビニル基、トリフルオロメチル基及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものによって変性された改質ポリシロキサンまたはその混合物である。前記無機系難燃剤としては、酸化ケイ素(SiO2)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン、炭酸ナトリウム、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一スズ、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイド(metalloid)との複合酸化物、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、黒鉛、タルク、及び膨張黒鉛などが挙げられる。前記メラミン系難燃剤としては、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、及びメラミンシアヌレートなどが挙げられる。前記ハロゲン系難燃剤としては、難燃剤の役割ができるハロゲン系化合物であれば、制限されずに使用できる。
【0030】
例えば、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエタン、テトラブロモビスフェノール‐A、テトラブロモビスフェノール‐Aエポキシオリゴマー、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、エチレン‐ビス‐テトラブロモフタルイミド、トリス(トリブロモフェノール)トリアジン、及び臭化ポリスチレンなどの、商品化されているハロゲン系難燃剤が使用できる。
【0031】
前記難燃剤は、ベース樹脂100重量部に対して0.01〜50重量部でさらに含まれることができ、難燃剤の含量が0.01重量部未満である場合には、難燃効果が得られず、50重量部を超過する場合には、衝撃強度などの物性が著しく低下する恐れがある。
【0032】
前記衝撃補強剤は、耐衝撃性をより向上させるために使用されるものであって、ベース樹脂100重量部に対して1〜20重量部でさらに含まれることができ、前記衝撃補強剤を1重量部未満で使用する場合には、衝撃補強の効果が劣り、20重量部を超過して使用する場合には、耐スクラッチ性及び難燃性などが低下する恐れがある。前記衝撃補強剤としては、コア‐シェル構造の共重合体及び鎖構造の補強剤からなる群から選択される1種以上が使用できる。前記コア‐シェル構造の共重合体は、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコン系ゴム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるゴムで形成されたコアに、アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、酸無水物、アルキルまたはフェニル核置換マレイミド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される不飽和モノマーがグラフトされることでシェルが形成された構造を有することが好ましい。
【0033】
また、本発明のポリプロピレンカーボネート発泡体は、超臨界状態の流体を適正温度及び適正圧力下で維持させた後、(A)燃焼時に有毒ガスが発生しないポリプロピレンカーボネート及び熱可塑性樹脂からなるベース樹脂、(B)ポリプロピレンカーボネート相溶化剤、(C)架橋剤、鎖延長剤、またはこれらの混合物、(D)無機物質、及び(E)熱安定剤を含むポリプロピレンカーボネート発泡体製造用組成物を発泡させることにより製造される。
【0034】
本発明によるポリプロピレンカーボネート発泡体製造用組成物を用いてポリプロピレンカーボネート発泡体を製造する際に、主反応器に前記組成物及び発泡剤として超臨界流体を投入した後、前記組成物に含まれている熱可塑性樹脂の融点に近い温度まで加熱することが好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂が溶融されると、発泡剤が前記組成物中に均一に浸透しにくいため、前記組成物が流動性を有し、且つ完全に溶融される前まで加熱することが好ましい。このような加熱温度は、熱可塑性樹脂の種類に応じて選択することができる。一例として、ポリプロピレンカーボネートと熱可塑性樹脂としてポリブチレンスクシネート(PBS)とを混合して組成物を製造する場合、発泡体の製造時における加熱は、常温(25℃)から80〜100℃の設定温度まで施し、前記設定温度で5〜30分間維持することが好ましい。その後、80〜100℃の温度で超臨界流体を除去して発泡を施すことが好ましい。
【0035】
本発明によるポリプロピレンカーボネート発泡体製造用組成物を用いてポリプロピレンカーボネート発泡体を製造する際に、発泡剤は、第1発泡剤及び第2発泡剤の2種をともに使用してもよく、第2発泡剤の1種のみを使用してもよい。
【0036】
前記第1発泡剤としては、従来のポリオレフィン発泡体の製造時に通常的に使用する発泡剤であれば何れも使用できる。本発明では、このような従来のポリオレフィン発泡体の製造時に使用する第1発泡剤として、例えば、イソブタン、ブタン、プロパン、ペンタンから選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用できる。
【0037】
本発明では、前記第2発泡剤として超臨界流体を使用する。この際、超臨界流体としては、発泡剤として使用できる超臨界状態の流体であれば何れも使用できる。本発明では、ポリオレフィンの製造時に使用する第2発泡剤である超臨界流体として、例えば、超臨界二酸化炭素、超臨界イソブタン、超臨界ブタン、超臨界プロパン、超臨界ペンタンから選択される1つまたは2つ以上の混合物が使用できる。本発明によれば、発泡剤中の第2発泡剤の含量は、第1発泡剤の含量の1倍〜20倍であることができる。
【実施例】
【0038】
上記のように本発明によるポリプロピレンカーボネート発泡体組成物の製造方法により製造されたポリプロピレンカーボネート発泡体が本発明の範囲に属する。
【0039】
以下、本発明の内容を実施例を挙げて具体的に説明する。しかし、これらは本発明をより詳細に説明するためのものであって、本発明の権利範囲がこれらにより限定されるものではない。
【0040】
以下、物性を下記の方法により測定した。
【0041】
<耐熱温度の評価方法>
発泡体を該当温度で所定時間維持させて、変形が発生せず、発泡体の初期形状及び寸法安定性を維持する上限温度を測定した。
【0042】
<燃焼性の評価方法>
発泡体の燃焼性をKSM 3808の燃焼性評価方法に従って測定し、点火した炎が3秒以内に消えるかを評価した。
【0043】
[実施例1]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)70重量%及びポリブチレンスクシネート(PBS、分子量:170,000)30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、Polymeric-4,4'‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から105℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0044】
[実施例2]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)100重量部をPolymeric-4,4'‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、製造されたペレット70重量%及びポリブチレンスクシネート30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部、Polymeric-4,4'‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。その後、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から105℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0045】
[実施例3]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)70重量%及びポリブチレンスクシネート(PBS)、分子量:170,000)30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットとPolymeric-4,4'‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部とを混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から105℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0046】
[実施例4]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)100重量部をPolymeric-4,4'‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット(以下、M‐PPC)成形した。次に、ポリブチレンスクシネート(PBS)、分子量:170,000)100重量部を4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット(以下、M‐PBS)成形した。次に、製造されたM‐PPC70重量%及びM‐PBS30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から110℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0047】
[実施例5]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)50重量%及びポリブチレンスクシネート50重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、Polymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から110℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0048】
[実施例6]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)100重量部をPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、製造されたペレット50重量%及びポリブチレンスクシネート50重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部、Polymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から110℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0049】
[実施例7]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)50重量%及びポリブチレンスクシネート(PBS)、分子量:170,000)50重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットとPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部とを混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から110℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0050】
[実施例8]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)100重量部をPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット(以下、M‐PPC)成形した。次に、ポリブチレンスクシネート(PBS)、分子量:170,000)100重量部をPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット(以下、M‐PBS)成形した。次に、製造されたM‐PPC50重量%及びM‐PBS50重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から110℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0051】
[実施例9]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)70重量%及びポリ乳酸(PLA、Natureworks、分子量:90,000)30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、Polymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から130℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0052】
[実施例10]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)100重量部をPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部と混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、製造されたペレット70重量%及びポリ乳酸(PLA、Natureworks、分子量:90,000)30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部、Polymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から130℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0053】
[実施例11]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)70重量%及びポリ乳酸(PLA、Natureworks、分子量:90,000)30重量%からなるベース樹脂100重量部、ポリプロピレンカーボネート相溶化剤(ポリプロピレンカーボネート共重合体、分子量:150,000、SKエネルギー社)1重量部、CaCO35重量部、及び熱安定剤(Songnox1076、ソンウォン産業)0.02重量部を混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してペレット成形した。次に、前記工程で製造されたペレットとPolymeric-4,4’‐diphenylmethane diisocyanate(MDI)0.5重量部とを混合し、二軸押出機(Twin screw extruder)で押出してさらにペレット成形した。次に、最後の工程で製造されたペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から130℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0054】
[比較例1]
ポリプロピレンカーボネート(分子量:150,000)ペレットを主反応器に投入し、二酸化炭素を注入した後、常温から40℃まで昇温させながら、超臨界二酸化炭素状態でペレット中に二酸化炭素ガスが浸透するように1時間維持させた。その後、排気口を介して二酸化炭素ガスを排気させることで、発泡体を形成した。発泡結果を下記表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
前記表1から分かるように、比較例1で形成された発泡体の発泡倍率は40倍であって、形成された発泡体は常温で0.5時間以内に収縮されて、形状が維持されなかった。実施例1〜11で形成された発泡体の発泡倍率は10〜30倍であって、形成された発泡体は、70〜90℃のオーブンで24時間維持する場合にも、優れた形状安定性及び寸法安定性を示した。
【国際調査報告】