(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-503973(P2015-503973A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(54)【発明の名称】航空機において飲料を淹れるための装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20150109BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20150109BHJP
B64D 11/04 20060101ALI20150109BHJP
【FI】
A47J31/44 Z
B67D1/08 Z
B64D11/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-551331(P2014-551331)
(86)(22)【出願日】2013年1月4日
(85)【翻訳文提出日】2014年7月10日
(86)【国際出願番号】US2013020255
(87)【国際公開番号】WO2013103793
(87)【国際公開日】20130711
(31)【優先権主張番号】61/583,801
(32)【優先日】2012年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/733,747
(32)【優先日】2013年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ケリー、ルーク イー.
(72)【発明者】
【氏名】アロンソン、ウィリアム、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】レイマス、セバスチャン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ディボルド、キース アール.
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD20
3E082FF09
4B104AA11
4B104BA68
4B104EA22
4B104EA23
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、製造時にはコーヒーカップやマグを支え、プラテンが収容不能な場合だとギャレーのスペースに入り込んでしまう領域をなくすために不使用時に引っ込められる収納式のプラテンを含む航空機のギャレー用の飲料を淹れる装置に関する。プラテンは、必要時には専用設計された空間から延伸し、使用後は収納ポジションに押し戻される引き出しのように機能する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
清浄水の供給を受ける注入口と、
単独かつ独立に動作可能な少なくとも二つの注ぎヘッドと、
各注ぎヘッドを制御するためのユーザ操作部と、
コーヒー容器を支える引き出し型のプラテンと、を備え、
前記引き出し型のプラテンは、不使用時には装置内部に収納可能に構成されることを特徴とする航空機において飲料を淹れるための装置。
【請求項2】
前記引き出し型のプラテンは、前記飲料を淹れるための装置の引き出しとして滑り出ることを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項3】
前記引き出し型のプラテンは、コーヒー容器を保持するために上面に溝が配列されることを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項4】
製造中に、使用されたコーヒーポッドを受け取って保管するように構成された保管領域、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項5】
前記使用されたコーヒーポッドを前記保管領域に自動的に送る機構、を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項6】
前記引き出し型のプラテンは、前記飲料を淹れるための装置から完全に取り外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項7】
前記引き出し型のプラテンは、コーヒー容器をその上に維持するための粘着性のある表面を有することを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【請求項8】
前記引き出し型のプラテンは、延伸ポジションから格納ポジションへの旋回軸に対して第1の端部に沿ってヒンジ固定されることを特徴とする請求項1に記載の飲料を淹れるための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2012年1月6日に出願された米国仮出願第61/583,801号、および2013年1月3日に出願された米国非仮出願第13/733,747号の優先権を要求し、その全体が参照により援用される。
【0002】
本発明は、飲料を淹れる設備に関し、特に、航空機のギャレー(調理室)に対応した飲料製造機に関する。
【背景技術】
【0003】
商用航空機のギャレーは、効率性と、重量および空間の節減を証明するものである。航空機ギャレーのすべての部材は、こういった節減原則を守り、コンパクトかつ効率的でなければならないが、機能性と利便性も維持しなければらなない。航空機のギャレーで主要かつ最も頼りにされる設備の一つがコーヒー・メイカーである。コーヒー・メイカーは、大きな役割を果たすとともに頻繁に使用されるため、通常、アクセスしやすい場所に配置され、他の周辺設備と共有する区画空間(狭い空間)に固定されねばならない。
【0004】
コーヒーを淹れる機器の最近のはやりは、「ポッド」、すなわち1回または複数回使えるプリ・パッケージされたコーヒー・カートリッジを使用するものである。ポッドは、保存しやすく、必要なときにコーヒー製造機に挿入できるので、フライト・アテンダントはコーヒー粉の量を測ったり、コーヒー粉をこぼしてしまうかもと気にすることはない。コーヒーを淹れる装置は、水を必要な温度にして、プリ・パッケージのポッドを突き刺すなどして開けて中身を取り出し、乗客の好みに応じて1杯以上のコーヒーを作る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような飲料を淹れる装置の一つの難点は、コーヒーを作っているときにカップやマグを置くための棚状物、すなわち、プラテン(台)が必要なことである。このようなプラテンは飲料を淹れる装置の本体から突き出し、航空機のギャレーの通路や狭い区域にはみ出てしまう。フライト・アテンダントの限られた作業スペースに何かが突き出してくるというのはいいことではないので、飲料を淹れる装置のこのような点は、コンパクトかつ効率的という上述の原則からはずれる。また、廃棄されたポッドは、ギャレーにおいて保管上の問題がある。すなわち、ポッドが消費されると、そのポッドは取り除かれ、ギャレーが散らからないように貯蔵コンテナに入れられる。ポッドがたまってくると、フロアの上や飲料を淹れる装置の後ろに落ちて安全上や防火上の問題を起こす可能性がある。更に、単一の注ぎヘッドと単一の製造能力しか有さないコーヒー製造機の場合には、効率性や空間節約をうまく達成できない。二人の乗客が、最初の1杯の注ぎ出しが終わるまで待つことなく、同時に別々のエスプレッソやコーヒーを楽しむことができるような複数並行製造型の方が便利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、航空機のギャレーにおいて飲料を淹れる装置であり、効率性とコンパクト性を向上させるものである。本発明における飲料を淹れる装置は、特に、不使用時に収納可能な収納型プラテンを有し、プラテンが収納不可能な場合に生じるギャレーのスペース上の制約をなくす。プラテンは、引き出しのように機能し、必要なときにはその設計された空洞部から延伸し、使用後は引き出された場所に押し戻される。あるいは、プラテンは跳ね橋、すなわち、「マーフィー・ベッド(murphy bed)」のように底部のヒンジ構造から上にたたまれる構造であってもよい。プラテンを飲料を淹れる装置に収納する他の方法として、プラテンを受け口(socket)の中でスライドさせてもいいし、あるいは、不使用時に配備場所から取り外してもいい。本発明の他の特徴は、同時に別々の設定、別々の味わいにて複数の飲料を製造できる複数の注ぎヘッドを備えるシステムであることである。本発明の製造を淹れる装置は、また、製造後の使い終わったポッドを自動的に排出し、使用済みポッドを、広がったポッドを捕獲するように設計された内部ホッパーに移動させるポッド排出機構を有する。ホッパーは外観からは隠されており、大量のポッドをため込むことができるので、フライト・アテンダントは、フライト中にホッパーを空にする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の飲料を淹れる装置の外観正面図である。
【
図2】本発明の飲料を淹れる装置の外観側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、
図1および
図2に示される航空機用の飲料を淹れる装置に関する。飲料を淹れる装置100は通常のやり方で操作され、流路30からハウジング10に内蔵される製造ステーションに連なる清浄水の供給機構を有する。装置100は、電源ボタン110、注ぎボタン115、エスプレッソやコーヒーなどのさまざまな選択ボタン120、指示灯130などの製造を操作するための一連の操作装置105を有する。本発明において二つの注ぎヘッド12,14が図示されているが、この数に限定するものではなく、本発明の他の実施形態においてはそれ以上の注ぎヘッドを設けてもよい。各注ぎヘッド12,14は独立に動作し、他方の注ぎヘッドとは別個に操作可能である。このため、複数の乗客はマシンが順次処理するのを待つことなく、同時にサービスを受けることができるので、装置の効率性がよくなる。
【0009】
図2に特に示されているように、飲料を淹れる装置100は、使用時にそれが収納される引き出し25から延伸可能な引き出し型のプラテン20を有する。プラテン20は、こぼれた飲料を受け止めてギャレーのフロアがぬれるのを防ぐ複数の溝25を有する畝のある上面35を有してもよい。あるいは、航空機が乱流などに巻き込まれたときでもカップがマシンから滑り落ちないように摩擦力のあるテープや粘着性の材質を着けてもよい。使用時には、プラテン20は飲料を淹れる装置100の前面から数インチ分延伸してカップやマグを載せるためのスペースを提供し、不使用時には引き出し25の中に邪魔にならないように収納されてもよい。プラテン20は、プラテン20の上面よりも上に突き出るフロントフェイス45を形成されてもよく、それにより、プラテン20を引き出し25から引き出すための「へり」として機能させつつ飲料を淹れる装置からカップやマグが滑り落ちないようにしてもよい。プラテン20はレール(図示せず)をすべり、あるいは、引き出し25の開口部によって支えられてもよい。プラテンが装置から完全に滑り出てしまわないように、引き出し25の開口部よりプラテンの背面を大きくする止め具をつけてもいい。このように、プラテン20を引き出し25に固定すれば、プラテン20はなんらかのかたちではずれたり、間違って取り付けられたり、破損したりしなくなる。
【0010】
引き出しの出し入れに加えて、必要時にはマーフィー・ベッドに似たやり方でたたんだり広げたりできるようにプラテン20を下面でヒンジ固定してもよい。フライト・アテンダントやクルーの邪魔にならないように、本実施形態におけるハウジング100の前面に対してプラテン20を上回転させる。プラテン20は、飲料を淹れる装置100の空洞50にぴったりと収まるサイズで、ヒンジ部材(図示せず)により下面にてヒンジ固定される。他のプラテンの収納方法としては、プラテンをアコーディオンのように折りたたみ可能とし、不使用時に邪魔にならないように折りたたんで縮小してもよい。
【0011】
本発明の別の特徴は、製造終了時における使い終わったポッドの自動排出と保管である。通常はプラスチックのカプセルだったり、小型の使い捨てカップであるポッドは製造エリアにため込まれ、製造ステーションの周りをちらかす可能性がある。これを防ぐため、本発明では、飲料を淹れる装置100の内部において、使用済みポッドを保持するために専用設計されたホッパーにポッドを排出するキッカー(kicker)を備えるポッド排出システムを使っている。ホッパーは製造ステーションの後ろのハウジング10の中にあり、20〜30以上のポッドを保持できる。ポッドを排出する前に潰せば、ホッパーが保持可能な使用済みポッドの数をおよそ倍にすることができる。このため、フライト・クルーは、使用済みポッドを手ずから捨てる必要はなく、ポッドがフロアに落ちてクルーが滑ったり転んだりすることもない。
【0012】
本発明は、紅茶、コーヒー、エスプレッソなどのあらゆる飲料製造に適用可能である。本発明は、装置に大した重量を追加するものでもないし、スペースを節約しつつ効率性を高めることができる。プレートの引き出し、引き下ろしにより、不使用時において飲料装置の周りのスペースの利用性が高まるし、あるポジションから別のポジションに最小限の労力で簡単にプレートを動かすことができる。更に、2つの独立した注ぎヘッドがあるので、1つの飲料を淹れる装置で単一ヘッドのシステムと同様に2(以上)の乗客に飲料サービスできる。加えて、使用済みポッドの自動排出は、クルーがポッドにさわって廃棄する必要性を減らし、内蔵のホッパーはポッドが適切に廃棄されるまでポッドをため込むのに便利な場所を提供している。
【国際調査報告】