特表2015-504087(P2015-504087A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-504087(P2015-504087A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(54)【発明の名称】安定化PTH製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/22 20060101AFI20150109BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20150109BHJP
   A61P 5/18 20060101ALI20150109BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20150109BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20150109BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20150109BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20150109BHJP
【FI】
   A61K37/24
   A61P19/10
   A61P5/18
   A61K9/08
   A61K47/14
   A61K47/18
   A61K47/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-552739(P2014-552739)
(86)(22)【出願日】2013年1月19日
(85)【翻訳文提出日】2014年9月17日
(86)【国際出願番号】IB2013050503
(87)【国際公開番号】WO2013108235
(87)【国際公開日】20130725
(31)【優先権主張番号】53/KOL/2012
(32)【優先日】2012年1月20日
(33)【優先権主張国】IN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】502425916
【氏名又は名称】ルピン・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LUPIN LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】デオカ バイブハブ デヤネシュウォー
(72)【発明者】
【氏名】アプテ−デシュパンデ アンジャリ ディーパック
(72)【発明者】
【氏名】ラート シータル アルビンド
(72)【発明者】
【氏名】ダモダラン バラジ
(72)【発明者】
【氏名】カーカリア キュロス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076CC30
4C076DD37R
4C076DD38Q
4C076DD43Q
4C076DD43Z
4C076DD51Q
4C076DD51Z
4C076FF36
4C076FF39
4C076FF63
4C076GG43
4C076GG45
4C084AA02
4C084AA03
4C084DB32
4C084MA17
4C084MA55
4C084NA03
4C084NA20
4C084ZA971
(57)【要約】
ヒト副甲状腺ホルモンを含む安定な医薬製剤を提供する。安定化水性医薬製剤は、ヒト副甲状腺ホルモン、および乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファーを含む。他の実施形態において、ヒト副甲状腺ホルモン(1−34)、(1−37)、(1−38)、(1−41)の群から選択されるヒト副甲状腺ホルモン、乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファー、安定化剤、および非経口的に許容される保存剤を含む安定化水性医薬製剤を提供し、前記製剤は、無菌であり、非経口投与する状態になっており、pH3〜7の範囲内のpHを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト副甲状腺ホルモン、および乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファーを含む安定化水性医薬製剤。
【請求項2】
安定化水性医薬製剤であって、
ヒト副甲状腺ホルモン(1−34)、(1−37)、(1−38)、(1−41)の群から選択されるヒト副甲状腺ホルモン、乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファー、安定化剤、および非経口的に許容される保存剤を含み、
前記製剤は、無菌であり、非経口投与する状態になっており、pH3〜7の範囲内のpHを有する安定化水性医薬製剤。
【請求項3】
ヒト副甲状腺ホルモンはhPTH(1−34)である請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記安定化剤は、マンニトール、グリシン、グリセロール、EDTA、DTPA、またはEGTA、プロリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびNaClからなる群から選択される請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記安定化剤は、マンニトールである請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記保存剤は、メタクレゾールである請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項7】
安定化水性医薬製剤であって、
ヒト副甲状腺ホルモン(1−34)、乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファー、安定化剤としてマンニトール、および非経口的に許容される保存剤としてメタクレゾールを含み、前記製剤は、無菌であり、非経口投与する状態になっている安定化水性医薬製剤。
【請求項8】
約10μg/ml〜1000μg/mlのhPTH(1−34)、約1mM〜100mMの乳酸塩バッファー、約2〜20wt−%のマンニトール、約0.1〜2wt%のメタクレゾールを含み、pH3.0〜7.0の範囲内のpHを有する請求項7に記載の医薬製剤。
【請求項9】
約10μg/ml〜1000μg/mlのhPTH(1−34)、約1mM〜100mMのグルタミン酸塩バッファー、約2〜20wt−%のマンニトール、約0.1〜2wt%のメタクレゾールを含み、pH3.0〜7.0の範囲内のpHを有する請求項7に記載の医薬製剤。
【請求項10】
請求項1に記載の医薬製剤を投与することを含む骨粗しょう症の治療方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明はヒト副甲状腺ホルモンを含む安定な水性医薬製剤を提供する。
[発明の背景]
副甲状腺ホルモン(PTH)は、副甲状腺の主細胞から分泌される。副甲状腺は、血液および骨のカルシウム量を調節することにも関与する。副甲状腺は、Ca+2濃度の少しの変化に敏感である。最初に、副甲状腺ホルモンは、115アミノ酸の長さのより大きなプレプロホルモンとして合成される。このプレプロホルモンは、生物学的に活性なホルモンを形成するために、後に、粗面小胞体において切断され、その後、ゴルジ体で切断され、84アミノ酸ペプチドとなり、分子量が9425ダルトンになる(Kim et al.2009Korean J.Lab.Med.29,104−109)。PTHの主要な生物学的活性部位は、初めの34アミノ末端アミノ酸である。PTHのカルボキシル末端断片は、生物学的に不活性である。さらにPTHの切断は、副甲状腺または血液循環のどちらかにおいて起こることができる。切断PTHは、一方または両方の末端(アミノ末端、およびカルボキシ末端)からの切断によって生成され、生物学的活性は低下しない。PTHの分泌は、負のフィードバックシステムによって制御される。Ca+2の血中濃度は、特有のGタンパク連結型カルシウム受容体によって検出される。Ca+2濃度が増加すると、ホスホリパーゼC(PLC)を刺激し、アデニル酸シクラーゼ(AC)を阻害し、さらにPTH放出を減らす。そしてその逆もまた同じである。PTH分泌は、血漿Ca+2濃度に反比例するということが結論づけられる。Ca+2濃度が正常範囲内である場合、両経路は平衡化されて、PTHの基礎分泌は維持される。PTHは、骨から血液へのCa+2の移動を増加させるように骨に作用する。また、PTHは、骨形成および骨吸収のために骨細胞を刺激する。
【0002】
PTHは、ネフロンにおけるCa+2の再吸収を促進し、Ca+2の排出を減少させ、Ca+2の腸内吸収を増加させるカルシトリオールの産生を刺激する。最近の研究では、骨粗しょう症の治療に少量のPTHが投与され、骨形成および骨強化に役立つ(Cosman et al.2002 Osteoporos Int.3(4),267−77)。PTHは、骨芽細胞産生速度を増加させ、さらに骨格量の増加につながり、かつ骨微細構造を改善する当該アポトーシスを阻害する(Lyritis et al.2010 Ann.N.Y.Acad.Sci.1205,277−283)。
【0003】
PTHは、骨粗しょう症の治療のための同化剤として使用される(Black et al.2003 N Engl J Med.349,1207−1215;Jodar−Gimeno 2007 ClinInterv Aging 2,163−174;Hodsman et al.2003 J ClinEndocrinolMetab.88,5212−5220)。組換えヒト副甲状腺ホルモン(r−hPTH)の二つの型が広く使用される。第一の型は、副甲状腺ホルモンの34アミノ末端残基であるhPTH(1−34)である。hPTH(1−34)は、4117.8ダルトンの分子量を有する。当該アミノ酸配列を次に示す:H−Ser−Val−Ser−Glu−Ile−Gln−Leu−Met−His−Asn−Leu−Gly−Lys−His−Leu−Asn−Ser−Met−Glu−Arg−Val−Glu−Trp−Leu−Arg−Lys−Lys−Leu−Gln−Asp−Val−His−Asn−Phe−OH。組換え副甲状腺ホルモンは、骨吸収よりも骨形成を高く刺激する(Resimini et al.2011 Aging ClinExp Res 23,30−32;Borba et al 2010 Arq Bras EndocrinolMetabol 54(2),213−9)。r−hPTHの第二の型は、プレオタクト(Preotact)であり、インタクトな活性84アミノ酸ヒトPTH(1−84)である。
【0004】
組換えDNA技術によって達成されるタンパク質は、純粋な型である。組換えDNA技術によって達成されるタンパク質は、標準大気下ではあまり安定でない。そのため有効成分(active principle ingredient)(API)の分解を遅らせる安定な医薬製剤を調製することが重要になる。このホルモンの商業的な使用には、保存安定性を与え、生物活性を保持し、調製が容易になる製剤の発展を必要とする。
【0005】
副甲状腺ホルモンの製剤は、分解するために不安定である。副甲状腺ホルモンの製剤は、従来の小分子よりも不安定である。副甲状腺ホルモンの製剤は、酸化PTH種を生じさせる8位および18位のメチオニン残基の酸化に対して極めて敏感である。さらに、副甲状腺ホルモンの製剤は、16位のアスパラギン残基で脱アミド化を受けることができる。ペプチド結合の切断によるN−末端およびC−末端でのペプチド鎖の切断の可能性がある。すべてのこれらの反応は、このたんぱく質の生物活性を重大に妨げ得る。PTHの適切な製剤はこれらの副作用を防ぐだろう。
【0006】
米国特許Nos US 7,550,434;US 7,144,861、およびUS 6,770,623は、hPTH(1−34)を含む医薬製剤を開示している。
PCT出願WO2006/129995は、副甲状腺ホルモンを含む液体副甲状腺ホルモンを開示している。
[発明の概要]
一つの実施形態において、本発明は、生物学的に活性なhPTH、および乳酸バッファーまたはグルタミン酸バッファーから選択されるバッファーを含む安定な医薬製剤に関する。
【0007】
他の実施形態において、本発明は、hPTH、およびpH3.0〜7.0のpH範囲を有する乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファーを含む安定な医薬製剤に関する。
【0008】
さらに他の実施形態において、本発明は、一つ以上の等張化剤または保存剤をさらに含む医薬製剤に関する。
他の実施形態において、副甲状腺ホルモンは、hPTH(1−34)、hPTH(1−37)、hPTH(1−38)、hPTH(1−41)、およびhPTH(1−84)からなる群から選択される。
【0009】
一つの実施形態において、本発明は、生物学的に活性なhPTH(1−34)、および乳酸バッファーまたはグルタミン酸バッファーから選択されるバッファーを含む安定な医薬製剤に関する。
【0010】
下記に説明される本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、実際の一例にすぎず、本発明の範囲を制限することを意図しない。本発明の他の特徴、物質、利点は明細書、および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0011】
本発明は、充填済シリンジの、バイアル、カートリッジ、またはペン入りの安定な水性医薬製剤に関する。好ましい実施形態において、本発明は、バイアル、カートリッジ、またはペン入りの安定な水性医薬製剤に関する。
[発明の詳細な説明]
本発明は、hPTHを含む安定な水性医薬製剤を提供する。医薬製剤溶液は、無菌であり、長期間保存することができる。本発明は、安定なhPTH、および乳酸塩またはグルタミン酸塩から選択されるバッファーを含むカートリッジ入りの医薬製剤を提供する。本発明の製剤は、無菌であり、非経口投与する状態になっている。
【0012】
本発明の実施形態において、生物学的に活性なhPTHは、hPTH(1−34)、hPTH(1−37)、hPTH(1−38)、hPTH(1−41)、およびhPTH(1−84)を含む群から選択される。hPTHの濃度は、10μg/ml〜1000μg/mlであり、好ましい濃度は、25μg/mlである。
【0013】
本発明の実施形態において、乳酸および乳酸ナトリウムは、乳酸バッファーを構成し、グルタミン酸およびグルタミン酸ナトリウムは、グルタミン酸バッファーを構成する。本発明の実施形態において、溶液中のバッファー濃度は、1mM〜100mMであり、好ましい濃度は10mMである。
【0014】
本発明の実施形態において、使用されるバッファー系は、酸および塩の組み合わせであり、水溶液のpHを維持するために使用される。実施形態において、本発明の製剤のpH範囲は、pH3.0〜7.0である。好ましいpHは4.0である。
【0015】
本発明の実施形態において、溶液中に含まれる安定化剤は、マンニトールのようなサッカライドの群、グリシン、グリセロール;EDTA、DTPA、およびEGTAの群から選択されるキレート化剤;プロリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンの群から選択されるアミノ酸;NaClなどから選択される。好ましい安定化剤は、マンニトールである。安定化剤の濃度は、全溶液の約2〜20wt%まで幅がある。
【0016】
本発明の他の実施形態において、安定化水性組成物は、非経口的に許容できる保存剤を含む。保存剤の例は、メタクレゾール、パラクレゾール、オルトクレゾールなどのようなクレゾールの群;フェノール、ベンジルアルコール、パラベン、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノールなどの群から選択される。好ましい保存剤は、メタクレゾールであり、濃度範囲は、全溶液の約0.1〜2wt%であった。
【0017】
本発明の他の実施形態において、製剤は、乳酸バッファーまたはグルタミン酸バッファーを含み、安定化剤としてマンニトールを含み、保存剤としてメタクレゾールを含み、5℃〜40℃の温度範囲、好ましくは5℃で長い保存期間を有する安定なhPTH(1−34)溶液である。製剤は、5℃で長い保存期間を有する。
【0018】
さらに他の実施形態において、本発明は、本発明の安定な医薬製剤を用いて病気を治療する方法に関する。病気は、男性および女性におけるグルココルチコイド誘発性骨粗しょう症、または女性における閉経後に誘発性される骨粗しょう症、または、初期のもしくは性機能低下性の骨粗しょう症を有する男性における骨量の増加であり得る。
[実験項]
次の実施例は、本発明の実例であり、制限するものではない。
[実施例1]
0.25mgのhPTH(1−34)、45.5mgのマンニトール、0.3mgのm−クレゾール、10mMの乳酸および乳酸ナトリウムを、1mlの蒸留水の溶液に混合した。溶液のpHを、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpH4.0に調節した。
【0019】
【表1】
実施例1の製剤におけるバッファーは、乳酸バッファーであり、等張化剤としてマンニトール、および保存剤としてメタクレゾールと共に用いる。RP−HPLCおよびSE−HPLCの結果によると、実施例1の製剤は安定であると結論付けられる。
[実施例2]
0.25mgのhPTH(1−34)、45.4mgのマンニトール、0.3mgのm−クレゾール、10mMの乳酸および乳酸ナトリウムを、1mlの蒸留水の溶液に混合した。溶液のpHを、水酸化ナトリウムまたは塩酸を用いてpH4.0に調節した。
【0020】
【表2】
実施例1および実施例2の上記製剤を、酢酸バッファー中の製剤原料のゲル濾過クロマトグラフィー(GFC)によって調製した。GFCを、所望の製剤を得るためのバッファー交換のために行い、バッファー交換後の所望の製剤におけるタンパク質濃度は、各製剤において〜0.6mg/mlであった。0.25mg/mlの最終タンパク質濃度に達成するために、同じバッファーを用いてさらに希釈した。これらの製剤を3ml容量のカートリッジに無菌で充填し、タンパク質の安定性を検査するために5℃〜40℃で維持した。様々な時点(0、3、9、および12月)でのタンパク質の安定性を、RP−HPLC、SEHPLCによるタンパク質プロファイルをチェックすることによって決定した。製剤におけるhPTH(1−34)のpH、オスモル濃度、および生物活性を12月後に決定した。酢酸塩評価を、GFC中に適切なバッファー交換が行われたことを保証するために全ての製剤について行った。hPTH(1−34)の有効性は3月後、および12月後にも算出された。初期の実施例1の有効性は、0.92×10IU/mgであり、3月後5℃での有効性は、1.27×10IU/mgであり、12月後5℃での有効性は、1.14×10IU/mgであった。さらに、3月後40℃での実施例1の有効性は、0.99×10IU/mgであった。実施例2において、初期の有効性は、1.2×10IU/mgであり、3月後5℃での有効性は、0.85×10IU/mgであり、12月後5℃での有効性は、1.21×10IU/mgであった。さらに、3月後40℃での実施例2の有効性は、0.85×10IU/mgであった。
【0021】
実施例1および実施例2の製剤は、一年を超える期間5℃で安定であった。
実施例−1および実施例−2の製剤は、最大4週まで40℃で安定であった。
[実施例3]
【0022】
【表3】
実施例3の製剤は、安定化剤としてマンニトール、pHを4.0に維持する緩衝剤として乳酸および乳酸ナトリウム、保存剤としてメタクレゾールを含む。マンニトールの濃度は、45.4mg/mlである。
[実施例4]
【0023】
【表4】
実施例4の製剤は、安定化剤としてグリセロール、pHを4.0に維持する緩衝剤として乳酸および乳酸ナトリウム、保存剤としてメタクレゾールを含む。グリセロールの濃度は、23.02mg/mlである。
[実施例5]
【0024】
【表5】
実施例5の製剤は、安定化剤としてグリシン、pHを4.0に維持する緩衝剤として乳酸および乳酸ナトリウム、保存剤としてメタクレゾールを含む。実施例5のためのグリシンの濃度は、18.76mg/mlである。
[実施例6]
【0025】
【表6】
実施例6の製剤は、安定化剤として塩化ナトリウム、pHを4.0に維持する緩衝剤として乳酸および乳酸ナトリウム、保存剤としてメタクレゾールを含む。実施例6の塩化ナトリウムの濃度は、7.3mg/mlである。
【0026】
本出願において引用される全ての特許、特許出願、特許公報は、個々の特許、特許出願または特許公報が、個別に示されたものであるとして、その同じ範囲まで全ての目的のために、個々の特許、特許出願または特許公報の全体において参照することにより本願に含まれる。
【0027】
特定の実施形態および実施例が上記に詳細に述べられているが、当業者は、その教示から逸脱することなく、いくつかの修正が、実施形態および実施例において可能であることが明らかに理解されるであろう。
【国際調査報告】