(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
前記バイオマーカーが、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、又はTCF-4Xである、請求項9記載の方法。
前記バイオマーカーの2種以上が、TCF-4、TCF-4アイソフォーム、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24からなる群から選択される、請求項14記載の方法。
前記バイオマーカーの2種以上が、TCF-4、TCF-4アイソフォーム、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、及びJAG1からなる群から選択される、請求項14記載の方法。
前記バイオマーカーの2種以上が、TCF-4、TCF-4アイソフォーム、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、及びCAMK2N1からなる群から選択される、請求項14記載の方法。
前記バイオマーカーの2種以上が、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、及びJAG1からなる群から選択される、請求項14記載の方法。
前記バイオマーカーの2種以上が、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、及びCAMK2N1である、請求項14記載の方法。
前記治療化合物が、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体である、請求項1記載の方法。
前記治療化合物が、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体である、請求項25記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(4.2 定義)
用語「治療する」、「治療している」又は「治療」とは、疾患、例えば肝細胞癌の、又は該疾患に関連した1以上の症状の緩和又は抑止;或いは、疾患それ自体の原因の緩和又は根絶をいう。
【0058】
用語化合物の「治療的有効量」とは、投与された場合に、治療される疾患、例えば肝細胞癌の1以上の症状の発症を予防するか又はある程度緩和するのに十分である化合物の量をいう。この用語はまた、生物学的分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、又はDNA)、細胞、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的反応を誘起するのに十分である化合物の量もいい、これは、研究者、獣医、医師又は臨床医により探索されている。更に化合物の治療的有効量は、単独での、又は疾患、例えば肝細胞癌の治療若しくは管理において治療的恩恵を提供する他の療法と組合せた、治療薬の量を意味する。この用語は、全般的治療を改善するか、疾患、例えば肝細胞癌の症状若しくは原因を減少若しくは回避するか、又は別の治療薬の治療的有効性を増強する量を包含している。
【0059】
用語「レベル」とは、バイオマーカー分子の量、蓄積又は速度をいう。レベルは、例えば、遺伝子によりコードされたメッセンジャーRNA(mRNA)の合成の量又は速度、遺伝子によりコードされたポリペプチド又はタンパク質の合成の量又は速度、或いは細胞又は生物学的液体中に蓄積された生物学的分子の合成の量又は速度により表すことができる。用語「レベル」とは、定常状態条件下又は非定常状態条件下で決定された、試料中の分子の絶対量、又は分子の相対量をいう。
【0060】
用語「反応性」又は「反応性の」とは、治療に関連して使用される場合、治療される疾患、例えば肝細胞癌の症状の軽減又は減少における、治療の有効性の程度をいう。例えば細胞又は対象の治療に関連して使用される場合用語「増大した反応性」とは、当該技術分野において公知の任意の方法を使用し測定される場合の、疾患の症状の軽減又は減少における、有効性の増加をいう。いくつかの実施態様において、有効性の増加は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%である。
【0061】
用語「有効な患者反応」とは、疾患、例えば肝細胞癌を治療している患者への治療的恩恵の増加をいう。いくつかの実施態様において、この増加は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%である。「有効な患者腫瘍反応」は、例えば、疾患の1以上の生理的症状又は腫瘍サイズの、約5%、約10%、約25%、約50%、又は約100%の減少であることができる。
【0062】
用語「尤度」とは、事象の見込みの増加をいう。用語「尤度」とは、疾患、例えば肝細胞癌の治療に対する患者反応の有効性に関連して使用される場合は、該疾患の症状が軽減又は減少される見込みの増加を意図している。
【0063】
用語「予測する」とは、一般に、前もって決定するか又は告知することを意味する。疾患(例えば肝細胞癌)の治療の有効性を「予測する」ために使用される場合は、例えば用語「予測する」は、治療の転帰の尤度を、着手時、治療開始前、又は治療期間が実質的に進行する前に決定することができることを意味することができる。
【0064】
本明細書において互換的に使用される用語「ポリペプチド」、「タンパク質」又は「ペプチド」とは、1つ以上のペプチド結合により連結された、連続したアレイ内の2個以上アミノ酸のポリマーをいう。この用語は、タンパク質、タンパク質断片、タンパク質類似体、オリゴペプチド、及びペプチドを包含している。ポリペプチド、タンパク質、又はペプチドのアミノ酸は、天然のアミノ酸又は合成のアミノ酸(例えば、天然のアミノ酸の模倣物)であることができる。このポリペプチド、タンパク質、又はペプチドは、合成により生成されるか、又は生物学的試料から精製され得る。このポリペプチド、タンパク質、又はペプチドはまた、例えば、糖ポリペプチド、糖タンパク質、又は糖ペプチド;或いは、リポポリペプチド、リポタンパク質、又はリポペプチドなどの、修飾されたポリペプチド、タンパク質、及びペプチドも包含している。
【0065】
用語「抗体」とは、エピトープ(例えば抗原)に特異的に結合するポリペプチドをいう。用語「抗体」とは、その最も広範な意味で本明細書において使用され、且つ完全に集成された抗体、抗原へ特異的に結合する能力を保持している抗体断片(例えば、Fab、F(ab')
2、Fv、及び他の断片)、単鎖抗体、ダイアボディ、キメラ抗体、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、及びヒト化抗体を対象として含んでいる。用語「抗体」はまた、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を対象として含んでいる。
【0066】
用語「発現された」又は「発現」とは、遺伝子の2本の核酸鎖の一方の領域に対し、少なくとも一部相補的である、RNA核酸分子、例えばmRNAを生じるための、遺伝子からの転写をいう。本明細書において使用される用語「発現された」又は「発現」とはまた、タンパク質、ポリペプチド又はそれらの一部を生じるための、RNA分子からの翻訳もいう。
【0067】
「制御されない」mRNAとは一般に、所与の治療又は条件に反応したmRNAの発現レベルの増加をいう。「ダウンレギュレート」されたmRNAとは一般に、所与の治療又は条件に反応したmRNAの発現レベルの「減少」をいう。一部の状況において、mRNAレベルは、所与の治療又は条件下で未変化のままであり得る。患者試料由来のmRNAは、「制御されない」ことができ、すなわちmRNAのレベルは、比較対照mRNAレベル又は参照レベルの、例えば約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約90%、約100%、約200%、約300%、約500%、約1,000%、約5,000%又はそれ以上だけ増加することができる。或いはmRNAは、「ダウンレギュレート」されることができ、すなわち、mRNAレベルは、比較対照mRNAレベル又は参照レベルの、例えば、約99%、約95%、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約2%、約1%又はそれ以下だけ減少することができる。
【0068】
同様に、患者試料由来のポリペプチド、タンパク質、又はペプチドのレベルは、対照又は参照レベルと比べ、増加することができる。この増加は、比較対照タンパク質レベル又は参照レベルの約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約90%、約100%、約200%、約300%、約500%、約1,000%、約5,000%又はそれ以上であることができる。或いは、タンパク質バイオマーカーのレベルは、減少することができる。この減少は、例えば、比較対照タンパク質レベル又は参照レベルの約99%、約95%、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約2%、約1%又はそれ以下のレベルで存在することができる。
【0069】
用語「決定する」、「測定する」、「評価する」、「査定する」又は「アッセイする」とは、本明細書において互換的に使用され、要素が存在するかどうかを決定することを含む、測定の形をいう。測定は、定量的決定及び/又は定性的決定であることができる。「存在を査定する」とは、それが存在するかどうかを決定することに加え、存在するものの量を決定することを含むことができる。
【0070】
用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書において互換的に使用され、例えばデオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチドなどのヌクレオチドのポリマー、又は例えばワトソン−クリック塩基対形成相互作用への参加などの、2つの天然の核酸の様式と同様の配列特異的様式で、天然の核酸とハイブリダイズすることができる化合物をいう。ポリヌクレオチド配列の文脈で本明細書において使用される用語「塩基類」(又は「塩基」)は、「ヌクレオチド類」(又は「ヌクレオチド」)、すなわちポリヌクレオチドのモノマーサブユニットと同義語である。用語「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」は、公知のプリン及びピリミジン塩基のみではなく、修飾されている他の複素環式塩基も含む、それらの部分を含むことが意図されている。そのような修飾は、メチル化されたプリン又はピリミジン、アシル化されたプリン又はピリミジン、アルキル化されたリボース又は他の複素環を含む。加えて用語「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」は、通常のリボース糖及びデオキシリボース糖のみではなく、更に他の糖も含んでいるそれらの部分も含む。修飾されたヌクレオシド又はヌクレオチドはまた、例えば1個以上のヒドロキシル基が、ハロゲン原子若しくは脂肪族基により置換されているか、又はエーテル、アミンなどとして官能基化されている、糖残基上の修飾も含む。用語「核酸」又は「ポリヌクレオチド」の「類似体」とは、類似構造を有する模倣体、誘導体、又は他の類似用語であるような、文献において認められる構造的特徴を有する分子をいい、且つ例えば、非天然ヌクレオチドを取り込んでいるポリヌクレオチド、2'-修飾されたヌクレオシドなどのヌクレオチド模倣体、ペプチド核酸、オリゴマーホスホネートヌクレオシド、及び保護基又は連結部分などの追加の置換基を有する任意のポリヌクレオチドを含む。
【0071】
用語「相補的」とは、ポリヌクレオチドの配列を基にした、ポリヌクレオチド間の特異的結合をいう。本明細書において使用されるように、第一のポリヌクレオチドと第二のポリヌクレオチドは、ストリンジェント条件下でのハイブリダイゼーションアッセイにおいてそれらが互いに結合する場合に、例えばハイブリダイゼーションアッセイにおいてこれらが所与の又は検出可能なレベルのシグナルを発生する場合に、相補的である。ポリヌクレオチドの一部が、例えばAはT(又はU)と対形成し、且つGはCと対形成するという、通常の塩基対形成則に従う場合に、これらは互いに相補的であるが、ミスマッチ、挿入、又は欠失された配列の小さい領域(例えば約3個未満の塩基)は存在してよい。
【0072】
2つの核酸配列の文脈における用語「配列同一性」又は「同一性」とは、特定された比較ウインドウに渡り最大の対応となるよう整列された場合に、同一である、2つの配列中の残基をいい、付加、欠失及び置換を考慮することができる。
【0073】
用語「実質的同一性」又は「相同」とは、ポリヌクレオチドの文脈においてそれらの様々な文法上の形で、一般に、ポリヌクレオチドが、参照配列と比べ、所望の同一性を、例えば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%及び少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含むことを意味する。ヌクレオチド配列が実質的に同一であることの別の指標は、2つの分子が、ストリンジェント条件下で互いにハイブリダイズするかどうかである。
【0074】
本明細書において使用される用語「結合された」は、直接又は間接の連結を指すように本明細書において使用することができる。化学構造の文脈において、「結合された」(又は「接着された(bonded)」)は、2つの部分を直接連結するか、又は2つの部分を間接に(例えば、連結基若しくはその分子の他の介在部分を介して)連結する化学結合の存在をいうことができる。この化学結合は、共有結合、イオン結合、配位錯体、水素結合、ファンデルワールス相互作用、若しくは疎水性スタッキングであることができるか、又は複数の型の化学結合の特徴を示すことができる。いくつかの例において、「結合された」は、連結が直接である実施態様、及びまた連結が間接である実施態様も含む。
【0075】
用語「単離された」及び「精製された」とは、物質(mRNA又はタンパク質などの)の単離をいい、その結果この物質は、その中に物質が存在する試料のかなりの部分を、すなわち該物質が典型的にはその天然の状態で又は単離されない状態で認められるものよりも大きい部分を構成する。典型的には、試料のかなりの部分は、例えば試料の約1%より大きい、約2%より大きい、約5%より大きい、約10%より大きい、約20%より大きい、約50%より大きい、又はそれ以上で、通常最大約90%〜100%までを含む。例えば単離されたmRNAの試料は、典型的には、少なくとも約1%の総mRNAを含むことができる。ポリヌクレオチドを精製する技術は、当該技術分野において周知であり、且つ例えば、ゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、流動選別、及び密度別沈降が挙げられる。
【0076】
本明細書において使用される用語「生物学的試料」とは、インビボ又はインサイチュにおいて入手された、到達された、又は収集された、生物学的組織又は液体起源の試料を含む、生物学的対象から入手された試料をいう。生物学的試料はまた、前癌又は癌の細胞又は組織を含む生物学的対象の領域由来の試料も含む。そのような試料は、哺乳動物から単離された臓器、組織、画分及び細胞であることができるが、これらに限定されるものではない。生物学的試料の例としては、細胞溶解液、細胞培養物、細胞株、組織、口腔内組織、消化器組織、臓器、細胞小器官、生物学的液体、血液試料、尿試料、皮膚試料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施態様において、生物学的試料は、全血、部分的に精製された血液、PBMC、組織生検などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0077】
本明細書において使用される用語「被検体」とは、試料の既知又は不明の成分をいう。
【0078】
本明細書において使用される用語「捕獲物質」とは、物質が均質な混合物由来のmRNA又はタンパク質に結合し且つ濃縮することが可能であるのに十分である相互作用を通じて、mRNA又はタンパク質に結合する物質をいう。
【0079】
本明細書において使用される用語「プローブ」とは、特異的標的mRNAバイオマーカー配列へ指向された捕獲物質をいう。従ってプローブセットの各プローブは、各々の標的mRNAバイオマーカーを有する。プローブ/標的mRNAデュプレックスは、プローブのその標的mRNAバイオマーカーへのハイブリダイゼーションにより形成された構造である。
【0080】
用語「核酸プローブ」又は「オリゴヌクレオチドプローブ」とは、化学結合の1種以上の型を通じて、通常相補的塩基対形成を通じて、通常水素結合形成を通じて、本明細書に提供されたmRNAバイオマーカーなどの、相補的配列の標的核酸へ結合することが可能である核酸をいう。本明細書において使用されるように、プローブは、天然塩基(例えば、A、G、C、若しくはT)又は修飾型塩基(7-デアザグアノシン、イノシンなど)を含んでよい。加えてプローブ内の塩基は、ハイブリダイゼーションを妨害しない限りは、ホスホジエステル結合以外の連結により接続されてよい。プローブは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに応じて、プローブ配列との完全な相補性を欠いている標的配列と結合することができることは、当業者には理解されるであろう。プローブは、例えば、発色団、発光団(lumiphore)、色原体などの、同位体により直接標識されるか、或いは後にストレプトアビジン複合体がそれに結合することができるビオチンにより間接標識されることが好ましい。プローブの存在又は非存在をアッセイすることにより、関心対象の標的mRNAバイオマーカーの存在又は非存在を検出することができる。
【0081】
用語「ストリンジェントアッセイ条件」とは、アッセイにおいて、所望のレベルの特異性を提供するのに十分な相補性の、核酸、例えばプローブ及び標的mRNAの結合対の作製には互換性があるが、所望の特異性を提供するには不充分な相補性の結合メンバー間での結合対の形成には一般に互換性のない条件をいう。用語「ストリンジェントアッセイ条件」とは、一般に、ハイブリダイゼーション条件及び洗浄条件の組合せをいう。
【0082】
核酸に関連して「標識」又は「検出可能な部分」とは、核酸と連結された場合、例えば、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、又は化学的手段により、該核酸を検出可能にする組成物をいう。標識の例としては、放射性同位元素、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド状粒子、蛍光色素、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「標識された核酸又はオリゴヌクレオチドプローブ」は、一般に、標識へ、リンカー若しくは化学結合を介して共有的に、又はイオン結合、ファンデルワールス力、静電引力、疎水性相互作用、若しくは水素結合を介して非共有的にのいずれかで結合されるものであり、その結果核酸又はプローブへ結合した標識の存在を検出することにより、該核酸又はプローブの存在を検出することができる。
【0083】
本明細書において使用される用語「ポリメラーゼ連鎖反応」又は「PCR」とは、一般に、例えばMullisの米国特許第4,683,195号に開示されたような、少量の核酸、RNA及び/又はDNAを増幅する手順をいう。一般にオリゴヌクレオチドプライマーをデザインすることができるように、関心対象の領域又はそれを超える領域の末端の配列情報が入手可能であることが必要であり;これらのプライマーは、増幅されるべき鋳型の反対鎖と、同じ又は類似の配列である。2つのプライマーの5'末端ヌクレオチドは、増幅される材料の末端と一致することができる。PCRを使用し、特定のRNA配列を、総ゲノムDNAから特定のDNA配列を、及び総細胞RNA、バクテリオファージ配列又はプラスミド配列から転写されたcDNAなどを増幅することができる。全般的には、Mullisらの文献、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol., 51: 263 (1987);Erlich編集の文献、「PCR技術(PCR Technology)」(Stockton Press社、NY、1989年)を参照されたい。
【0084】
PCR法に関連して本明細書において使用される場合の用語「サイクル数」又は「CT」とは、蛍光レベルが所定に設定された閾値レベルを超えるPCRサイクル数をいう。CT測定を、例えば当初の試料中のmRNAのレベルを概算するために使用することができる。CT測定値は、1つの核酸のCTを、別の核酸のCTから減算する場合、「dCT」又は「CTの差」スコアに関して使用されることが多い。
【0085】
用語「約」又は「およそ」とは、一部、その値が測定又は決定された方式によって左右される、当業者により決定された特定の値に関する許容し得る誤差を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。いくつかの実施態様において、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0086】
用語「TCF」又は「T-細胞因子」とは、TCF/LEFファミリータンパク質のメンバー、又はそれらの変種をいう。用語「TCF変種」は、未変性のTCFと実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のTCFのアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、TCF誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。TCF変種のアミノ酸配列は、未変性のTCFと、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。TCF/LEFファミリータンパク質の例は、TCF-1(TCF7)、LEF-1、TCF-3(TCF7L1)、及びTCF-4(TCF7L2)を含むが、これらに限定されるものではない。ヒトTCF-4は、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、及びhTCF-4Xを含む。TCF-4はまた、TCF7L2遺伝子又はヒトの遺伝子ID 6934によりコードされたタンパク質をいう(Castropらの文献、Nucleic Acids Res. 1992, 20, 611、この文献の開示はその全体が参照により組み入れられる)。
【0087】
用語「WISP2」又は「WNT1-誘導性-シグナル経路タンパク質2」とは、ヒトにおいてWISP2遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。Pennicaらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 95, 14717-14722を参照し、この文献の開示はその全体が参照により組み入れられる。用語「WISP2変種」は、未変性のWISP2と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のWISP2のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、WISP2誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。WISP2変種のアミノ酸配列は、未変性のWISP2と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0088】
用語「ASPH」又は「アスパルチル/アスパラギニルβ-ヒドロキシラーゼ」とは、ヒトにおいてASPH遺伝子によりコードされた酵素、又はそれらの変種をいう。Koriothらの文献、Gene, 1995, 150, 295-299;及び、Limらの文献、Gene, 2000, 255, 35-42を参照し;これらの各文献の開示はその全体が参照により組み入れられる。用語「ASPH変種」は、未変性のASPHと実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のASPHのアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、ASPH誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。ASPH変種のアミノ酸配列は、未変性のASPHと、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0089】
用語「IRS1」又は「インスリン受容体基質1」とは、ヒトにおいてISR-1遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。Sunらの文献、Nature, 1991, 352, 73-77を参照し;この文献の開示はその全体が参照により組み入れられる。用語「IRS1変種」は、未変性のIRS1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のIRS1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、IRS1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。IRS1変種のアミノ酸配列は、未変性のIRS1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0090】
用語「MAPK12」又は「マイトジェン-活性化プロテインキナーゼ12」は、細胞外シグナル-調節キナーゼ6(ERK6)又はストレス-活性化プロテインキナーゼ3(SAPK3)としても知られ、これは、ヒトにおいてMAPK12遺伝子によりコードされた酵素、又はそれらの変種をいう。用語「MAPK12変種」は、未変性のMAPK12と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のMAPK12のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、MAPK12誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。MAPK12変種のアミノ酸配列は、未変性のMAPK12と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0091】
用語「JAG1」とは、ジャギド1タンパク質又はそれらの変種をいう。用語「JAG1変種」は、未変性のJAG1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のJAG1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、JAG1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。JAG1変種のアミノ酸配列は、未変性のJAG1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0092】
用語「CLDN2」又は「クローディン2」とは、ヒトにおいてCLDN2遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。CLDN2は、上皮細胞バリアの密着性を減少することがわかっている。LEF-1及びTCF-4は、CLDN2プロモーターへ結合し、且つWnt-1を発現しているマウス乳腺上皮C57細胞におけるCLDN2発現を増加する(Mankertzらの文献、Biochem Biophys Res Commun. 2004; 314: 1001-7)。CLDN2は、結腸直腸癌において過剰発現し(Kinugasaらの文献、Anticancer Res. 2007; 27: 3729-34)、且つ結腸癌細胞における腫瘍原性を増大する。用語「CLDN2変種」は、未変性のCLDN2と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のCLDN2のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、CLDN2誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。CLDN2変種のアミノ酸配列は、未変性のCLDN2と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0093】
用語「STK17B」又は「セリン/トレオニンキナーゼ17b」とは、ヒトにおいてSTK17B遺伝子によりコードされた酵素、又はそれらの変種をいう。DAPキナーゼ-関連したアポトーシス-誘導性キナーゼ2及びSTK17Bは、アポトーシスを誘導することが報告されている(Sanjoらの文献、J Biol Chem. 1998;273: 29066-71)。用語「STK17B変種」は、未変性のSTK17Bと実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のSTK17Bのアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、STK17B誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。STK17B変種のアミノ酸配列は、未変性のSTK17Bと、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0094】
用語「SPP1」又は「分泌性リン酸化タンパク質1」とは、ヒトにおいてSPP1遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。SPP1は、オステオポンチン(OPN)をコードしている。SPP1は、骨リモデリング、抗アポトーシス、細胞接着、及び細胞遊走において役割を果たすことが知られている。SPP1は、ラット乳房上皮細胞株において(El-Tananiらの文献、Cancer Res. 2001; 61: 5619-29)及び乳癌細胞株において、TCF-4の下流標的遺伝子である。OPNは、結腸癌、胃癌、肺癌、乳癌、HCC、膀胱癌、前立腺癌、卵巣癌、甲状腺癌、及びメラノーマにおいて過剰発現される。OPNの過剰発現は、HCC細胞株の転移能と、及びHCC患者の予後不良と、有意に関連している。OPN血漿レベルは、HCC患者において上昇したことが報告されている。特に、OPNの感受性は、他のマーカーの感受性よりもより高いとみなされる。用語「SPP1変種」は、未変性のSPP1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のSPP1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、SPP1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。SPP1変種のアミノ酸配列は、未変性のSPP1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0095】
用語「AXIN2」とは、ヒトにおいてAXIN2遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。AXIN2は、β-カテニン分解複合体の一員である。AXIN2は、ヒト結腸癌における下流標的遺伝子であることがわかっており(Jhoらの文献、Mol Cell Biol 2002; 22: 1172-83)、これはネガティブフィードバックループを通じてWntシグナルを制御している。HCCにおけるAXIN2突然変異は、約2.7%及び37.5%であることが報告されている。用語「AXIN2変種」は、未変性のAXIN2と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のAXIN2のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、AXIN2誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。AXIN2変種のアミノ酸配列は、未変性のAXIN2と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0096】
用語「MMP7」又は「マトリクスメタロペプチダーゼ7」とは、ヒトにおいてMMP7遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。MMP7は、基底膜の成分(ラミニン、IV型コラーゲン、及びエンタクチンなど)を分解することが知られている。MMP7は、結腸直腸癌における下流標的遺伝子であることがわかっている(Schmalhoferらの文献、Methods Mol Biol. 2008; 468: 111-28)。MMP7は、食道癌、結腸直腸癌、胃癌、HCC、膵臓癌、腎細胞癌、及び前立腺癌において過剰発現され得る。用語「MMP7変種」は、未変性のMMP7と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のMMP7のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、MMP7誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。MMP7変種のアミノ酸配列は、未変性のMMP7と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0097】
用語「CADM1」又は「細胞接着分子1」とは、ヒトにおいてCADM1遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。CADM1は、肺癌1における腫瘍抑制因子であることがわかっている。CADM1は、細胞内接着を媒介することが報告された。CADM1は、腫瘍抑制因子遺伝子として機能し、且つ肺癌、HCC、及び膵臓癌においてダウンレギュレーションされ得る(Kuramochiらの文献、Nat Genet 2001; 27:427-30)。用語「CADM1変種」は、未変性のCADM1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のCADM1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、CADM1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。CADM1変種のアミノ酸配列は、未変性のCADM1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0098】
用語「ANXA1」又は「アネキシンA1」とは、ヒトにおいてANXA1遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。Ca-依存性リン脂質結合タンパク質の一員であるANXA1の過剰発現は、乳癌細胞においてNF-κBの活性化を通じて、転移を増強することがわかっている。ANXA1は、非癌細胞においてERK1/2 MAPKシグナルを介したサイクリンD1の阻害により、細胞増殖を調節することも報告されている(Alldridgeらの文献、Exp Cell Res 2003; 290: 93-107)。用語「ANXA1変種」は、未変性のANXA1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のANXA1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、ANXA1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。ANXA1変種のアミノ酸配列は、未変性のANXA1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0099】
用語「CAMK2N1」又は「カルシウム/カルモジュリン-依存性プロテインキナーゼインヒビターI」とは、ヒトにおいてCAMK2N1遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。CAMK2N1は、CAMK2Nファミリーの一員であり、恐らく前立腺癌のバイオマーカーである。用語「CAMK2N1変種」は、未変性のCAMK2N1と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のCAMK2N1のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、CAMK2N1誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。CAMK2N1変種のアミノ酸配列は、未変性のCAMK2N1と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0100】
用語「PLCD4」又は「ホスホリパーゼCデルタ4」とは、ヒトにおいてPLCD4遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。PLCD4の過剰発現は、ErbB1/2発現、ERKシグナル伝達経路、及び乳癌細胞における増殖をアップレギュレートすることが報告されている(Leungらの文献、Mol Cancer, 2004; 3: 15)。PCLD4は、正常な残存肝中及び肝癌などの腫瘍細胞中よりも、再生肝において過剰発現されることが知られている(Liuらの文献、J Biol Chem. 1996; 271: 355-60)。用語「PLCD4変種」は、未変性のPLCD4と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のPLCD4のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、PLCD4誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。PLCD4変種のアミノ酸配列は、未変性のPLCD4と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0101】
用語「GPR56」又は「Gタンパク質-共役型受容体56」とは、ヒトにおいてGPR56遺伝子によりコードされたタンパク質、又はそれらの変種をいう。GPR56は、オーファンG-タンパク質共役型受容体(GPR)ファミリーに属する。GPR56は、メラノーマ腫瘍の成長及び転移を阻害することが知られている(Xuの文献、Adv Exp Med Biol. 2010; 706: 98-108)。GPR56は、正常組織と比べ、腫瘍組織においてアップレギュレートされ、且つ食道癌におけるリンパ節転移及び腫瘍浸潤に有意に相関していることが報告された。用語「GPR56変種」は、未変性のGPR56と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のGPR56のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、GPR56誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。GPR56変種のアミノ酸配列は、未変性のGPR56と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0102】
用語「CD24」とは、ほとんどのBリンパ球及び分化している神経芽細胞の表面に発現された糖タンパク質である。CD24は、乳癌における下流標的遺伝子である(Shulewitzらの文献、Oncogene, 2006; 25: 4361-9)。CD24は、抗-アポトーシス、腫瘍の成長及び転移に関連し、且つB-細胞リンパ腫、腎細胞癌、肺癌、HCC、膵臓癌、及び結腸直腸癌においてアップレギュレートされることが知られている。用語「CD24変種」とは、未変性のCD24と実質的に相同であるタンパク質、すなわち未変性のCD24のアミノ酸配列と比べ、1以上の天然又は非天然のアミノ酸の欠失、挿入又は置換を有するタンパク質(例えば、CD24誘導体、ホモログ、及び断片)を含むことが意図されている。CD24変種のアミノ酸配列は、未変性のCD24と、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、又は少なくとも約95%同一である。
【0103】
本明細書に提供される実施態様の実践は、別に指摘しない限りは、当業者の技術の範囲内である、分子生物学、微生物学、及び免疫学の従来の技術を利用するであろう。そのような技術は、文献において十分に説明されている。参照するのに特に適した教本の例としては、以下が挙げられる:Sambrookらの文献、「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning; A Laboratory Manual)」(第2版)、1989年;Glover編集の文献、「DNAクローニング(DNA Cloning)」第I巻及び第II巻、1985年;Gait編集の文献、「オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesis)」、1984年;Hames及びHiggins編集の文献、「核酸ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybridization)」、1984年;Hames及びHiggins編集の文献、「転写及び翻訳(Transcription and Translation)」、1984年;Freshney編集の文献、「動物細胞培養(Animal Cell Culture)」、1986年;「固定された細胞及び酵素(Immobilized Cells and Enzymes)」、IRL Press社、1986年;「細胞及び分子生物学における免疫化学的方法(Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology)」(Academic Press社、ロンドン);Scopesの文献、「タンパク質精製:原理と実践(Protein Purification: Principles and Practice)」(第2版;Springer Verlag社、N.Y.)、1987年;並びに、Weir及びBlackwell編集の文献、「実験免疫学ハンドブック(Handbook of Experimental Immunology)」、I-IV巻、1986年。
【0104】
(4.3 バイオマーカー)
生物学的マーカー又は「バイオマーカー」は、その変化及び/又は検出が、例えば、治療化合物、例として、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療などの、所与の治療に対する、疾患、例えば肝細胞癌の反応性など、特定の生物学的状態を示す物質である。
【0105】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、T-細胞因子(TCF)又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1、LEF-1、TCF-3、TCF-4、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、LEF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-3、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、又はそれらの変種である。
【0106】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4のアイソフォームである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4B又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4D又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4E又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4F又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4G又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4H又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4I又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4J又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4K又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4L又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4M又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4X又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4Lである。
【0107】
TCF-4アイソフォームは、β-カテニン及び他のタンパク質と組合せた、WnVB-カテニンシグナルにより活性化された遺伝子の転写調節の基礎である。これらの転写因子はまた、インスリン/IGF-1増殖因子に加え、Notchシグナル経路も調節し、これらは全て、B型肝炎ウイルス(HBV)及びC型肝炎ウイルス(HCV)が関連した肝細胞癌の95%以上において高い活性がある。いくつかのTCF-4アイソフォームは、細胞増殖、細胞遊走、及び浸潤に加え、軟寒天におけるコロニー形成及び免疫欠損ヌードマウスにおける腫瘍成長により測定されるような、細胞の悪性転換に関与している遺伝子を調節することが、本明細書において明らかにされている。
【0108】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ヒトT-細胞因子(hTCF)、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、hLEF-1、hTCF-3、hTCF-4、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hLEF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-3、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、又はそれらの変種である。
【0109】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4のアイソフォームである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4X、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4B又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4D又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4E又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4F又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4G又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4H又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4I又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4J又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4K又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4L又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4M又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4X又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、及びhTCF-4Lである。
【0110】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCFのmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1、LEF-1、TCF-3、TCF-4のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、LEF-1のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-3のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4のmRNA、又はそれらの変種である。
【0111】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4のアイソフォームのmRNAである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4XのmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4AのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4BのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4CのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4DのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4EのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4FのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4GのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4HのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4IのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4JのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4KのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4LのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4MのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4XのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4LのmRNAである。
【0112】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ヒトT-細胞因子(hTCF)のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、hLEF-1、hTCF-3、hTCF-4のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hLEF-1のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-3のmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4のmRNA、又はそれらの変種である。
【0113】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4のアイソフォームのmRNAである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4XのmRNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4AのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4BのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4CのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4DのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4E又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4FのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4GのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4HのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4IのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4JのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4KのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4LのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4MのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4XのmRNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、及びhTCF-4LのmRNAである。
【0114】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCFのcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1、LEF-1、TCF-3、TCF-4のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-1のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、LEF-1のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-3のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4のcDNA、又はそれらの変種である。
【0115】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4のアイソフォームのcDNAである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4XのcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4AのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4BのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4CのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4DのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4EのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4FのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4GのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4HのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4IのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4JのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4KのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4LのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4MのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4XのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4LのcDNAである。
【0116】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ヒトT-細胞因子(hTCF)のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、hLEF-1、hTCF-3、hTCF-4のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-1、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hLEF-1のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-3のcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4のcDNA、又はそれらの変種である。
【0117】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4のアイソフォームのcDNAである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4XのcDNA、又はそれらの変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4AのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4BのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4CのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4DのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4E又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4FのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4GのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4HのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4IのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4JのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4KのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4LのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4MのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4XのcDNA又は変種である。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、及びhTCF-4LのcDNAである。
【0118】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4J依存性標的遺伝子又はそれらの産物である。TCF-4J依存性標的遺伝子は、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4及びCD24をコードしている遺伝子を含むが、これらに限定されるものではない。これらのTCF-4J標的遺伝子の1種以上の組合せもまた、バイオマーカーとして使用することができる。これらのTCF-4J標的遺伝子の1種以上もまた、いずれかのTCF-4アイソフォームと任意に組合せ、バイオマーカーとして使用することができる。
【0119】
いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のcDNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のcDNA、又はそれらの組合せである。
【0120】
いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のcDNA、又はそれらの組合せである。
【0121】
いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本明細書において利用される1種以上のバイオマーカーは、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のcDNA、又はそれらの組合せである。
【0122】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーのレベルは、例えば、治療化合物、例として、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療などの治療に対する疾患(例えば、肝細胞癌)の反応性と相関するか、又はその指標である。
【0123】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、mRNAである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、cDNAである。バイオマーカーのレベルは、本明細書に提供される方法を使用し、決定することができる。
【0124】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、タンパク質である。バイオマーカーがポリペプチド、タンパク質、又はペプチドである場合、バイオマーカーのレベルは、該バイオマーカーのタンパク質レベル、mRNAレベル、又は酵素活性を決定することにより、測定することができる。バイオマーカーのレベルは、本明細書に提供された方法を使用し、決定することができる。
【0125】
参照レベルは、複数の方法により決定することができる。いくつかの実施態様において、参照レベルは、治療決定が、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象が、参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有するかどうかを基になされるものである。参照レベルよりも高いバイオマーカーのレベルを有する対象は、参照レベルよりも低いバイオマーカーのレベルを有する対象よりも該治療に対する反応性の異なる見込みを有する。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象由来の生物学的試料と同時に測定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、予め決定されている。
【0126】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、同じ対象由来の肝細胞癌の細胞を含まない試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象の群由来の肝細胞癌の細胞を含まない試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌を有さない対象の群由来の試料から決定される。バイオマーカーの増加したレベルは、治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療に対する、対象の増大した反応性と正に相関している。
【0127】
いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の肝細胞癌の細胞を含まない試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の肝細胞癌の細胞を含まない肝臓細胞の試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の肝細胞癌の細胞を含まない試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の肝細胞癌の細胞を含まない肝臓細胞の試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、肝細胞癌を有さない対象由来の試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、肝細胞癌を有さない対象由来の肝臓細胞の試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、肝細胞癌を有さない対象群由来の試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、肝細胞癌を有さない対象群由来の肝臓細胞の試料である。対照試料のレベルと比べ、1種以上のバイオマーカーの増加したレベルは、治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療に対する、対象の増大した反応性と正に相関している。
【0128】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、個別に決定される。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される2種以上のバイオマーカーは、同時に決定される。
【0129】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカー核酸又はポリペプチドのレベルは、対象由来の生物学的試料において、例えば対象由来の肝細胞癌の細胞含有試料において測定される。いくつかの実施態様において、親和性結合アッセイを使用し、バイオマーカーポリペプチドのレベルを測定する。本明細書において提供される方法における使用に関して適用可能である親和性結合アッセイは、可溶性相アッセイ及び固相アッセイの両方を含む。
【0130】
可溶性相親和性結合アッセイの例は、バイオマーカー結合剤、例えばバイオマーカーポリペプチドと反応性である抗体を使用する、免疫沈降である。固相親和性結合アッセイの例は、免疫組織化学結合アッセイ及び免疫親和性結合アッセイを含む。免疫親和性結合アッセイの例は、免疫組織化学法、免疫ブロット法、ELISA及び放射免疫測定(RIA)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0131】
本明細書に提供される方法において有用な抗体は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を含む。本明細書に提供される方法において有用な抗体は、天然の抗体に加え、非天然の抗体、例えば、一本鎖抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体、及びそれらの抗原-結合断片を含む。
【0132】
生物学的試料は、肝臓組織、又は血液、血清、若しくは尿などの液体であることができる。いくつかの実施態様において、対象由来の細胞の試料は、生検を介して入手することができる。一旦バイオマーカーのレベルが決定されたならば、この値は、その試料が由来した患者の臨床データ、例えば所与の治療に対する患者の反応性と相関させることができる。
【0133】
いくつかの実施態様において、対象由来の細胞の試料は、生検を介して入手することができる。
【0134】
いくつかの実施態様において、ただ1種のバイオマーカーのレベルが、モニタリングされる。いくつかの実施態様において、2種以上のバイオマーカーのレベルが、同時にモニタリングされる。
【0135】
(4.3.1 治療のために対象を特定するためのバイオマーカーの使用)
いくつかのバイオマーカーにおける検出可能な増加又は減少が、所与の治療(例えば、治療化合物、例として、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療)に対して反応性である、肝細胞癌を伴う対象において認められるという知見に一部基づき、これらのバイオマーカーのレベルを、本明細書に提供された治療化合物による治療のための、肝細胞癌(例えば、分化不良であるHCC)を有する対象を特定するために使用することができる。
【0136】
一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程:を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0137】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで対象の試料中の該バイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0138】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0139】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0140】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。
【0141】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料からは独立して決定される。
【0142】
一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0143】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0144】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0145】
更なる別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0146】
いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。
【0147】
従って一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;並びに
b)対象由来の対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで、該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0148】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;並びに
b)対象由来の対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0149】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0150】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0151】
いくつかの実施態様において、対照試料中のバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、対照試料中のバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0152】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などの、本明細書に提供される治療化合物による治療と組合せられる。
【0153】
従って一実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)該試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0154】
別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)該試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0155】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0156】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0157】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0158】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0159】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0160】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のバイオマーカーのレベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0161】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。
【0162】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4Lの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4Lの組合せである。
【0163】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0164】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0165】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0166】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0167】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0168】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0169】
(4.3.2 有効性を予測するためのバイオマーカーの使用)
いくつかのバイオマーカーにおける検出可能な増加又は減少が、所与の治療(例えば、治療化合物、例として、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療)に対して反応性である、肝細胞癌を伴う対象において認められるという知見に一部基づき、これらのバイオマーカーのレベルを、該治療に対する対象の反応性を予測するために使用することができる。
【0170】
一実施態様において、治療化合物に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)該試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0171】
別の実施態様において、治療化合物に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)該試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0172】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0173】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該バイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0174】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。
【0175】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0176】
いくつかの実施態様において、参照レベルと比較した肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などに対する対象の増大した反応性と正に相関している。
【0177】
一実施態様において、治療化合物に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;
b)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の試料中の該バイオマーカーのレベルを、対照試料中の該バイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0178】
別の実施態様において、治療化合物に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;
b)対照試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の試料中の該バイオマーカーのレベルを、対照試料中の該バイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0179】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定しする工程;及び
d)対象由来の試料中の該バイオマーカーのレベルを、対照試料中の該バイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0180】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のバイオマーカーのレベルを決定する工程;
c)対照試料中の該バイオマーカーのレベルを決定しする工程;及び
d)対象由来の試料中の該バイオマーカーのレベルを、対照試料中の該バイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0181】
いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。
【0182】
いくつかの実施態様において、対照試料中のバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、対照試料中のバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0183】
いくつかの実施態様において、対照試料と比較した肝細胞癌の細胞-含有試料中のバイオマーカーの増加したレベルは、治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などに対する、対象の増大した反応性と正に相関している。
【0184】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。
【0185】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、又はそれらの組合せである。
【0186】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。
【0187】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4Lの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4Lの組合せである。
【0188】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0189】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0190】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0191】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0192】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0193】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0194】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーのレベルは、対象から細胞試料を入手する工程、これらの細胞を治療化合物の存在又は非存在下で培養する工程、及びこれらの細胞をバイオマーカーのレベルについて試験する工程であって、ここで治療化合物の存在下での該バイオマーカーの減少したレベルは、該治療化合物に対する対象の反応性の尤度を示している工程を含む、肝細胞癌の治療(例えば、本明細書に提供された治療化合物による治療)に対する対象の反応性を予測するための、インビトロアッセイにおいて測定される。
【0195】
(4.3.3 治療のための対象を特定するためのバイオマーカーとしてのmRNAの使用)
いくつかのmRNAにおける検出可能な増加又は減少は、所与の治療(例えば、治療化合物、例としてば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療)に対して反応性である肝細胞癌を伴う対象において認められるという知見に一部基づき、mRNAバイオマーカーのレベルを、本明細書に提供された治療化合物による治療のために、肝細胞癌(例えば、分化不良であるHCC)を有する対象を特定するために使用することができる。
【0196】
一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0197】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0198】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0199】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0200】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。
【0201】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0202】
一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0203】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0204】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0205】
更なる別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0206】
いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。
【0207】
従って、一実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対象由来の対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0208】
別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対象由来の対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0209】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0210】
更に別の実施態様において、治療化合物に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルよりも高い場合、該対象は該治療に恐らく反応する方法が、本明細書において提供される。
【0211】
いくつかの実施態様において、対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0212】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供された治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療と組み合わせられる。
【0213】
従って、一実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0214】
別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0215】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0216】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0217】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0218】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該mRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0219】
更に別の実施態様において、肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0220】
更に別の実施態様において、分化不良である肝細胞癌を治療する方法であって:
(i)治療化合物に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定する工程であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程を含み、ここで該対象の試料中のmRNAバイオマーカーのレベルが、該対照試料中のmRNAバイオマーカーの参照レベルよりも高い場合には、該対象は該治療に恐らく反応する工程;並びに
(ii)該治療に恐らく反応すると特定された対象に、本化合物の治療的有効量を投与する工程:を含む方法が、本明細書において提供される。
【0221】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。
【0222】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。
【0223】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1、又はそれらの組合せである。
【0224】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4LのmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4LのmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4LのmRNAの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4LのmRNAの組合せである。
【0225】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0226】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0227】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0228】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0229】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0230】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に恐らく反応する、分化不良である肝細胞癌を有する対象を特定するために使用される。
【0231】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーのレベルは、対象から得られた生物学的試料において測定される。
【0232】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーのレベルは、対象から細胞の試料を入手する工程、これらの細胞を、治療化合物の存在又は非存在下で培養する工程、及びこれらの細胞をバイオマーカーのレベルについて試験する工程を含み、ここで該治療化合物の存在下での該バイオマーカーの減少したレベルは、該治療化合物に対する対象の反応性の尤度を示している、肝細胞癌の治療に対する対象の反応性を予測するための、インビトロアッセイにおいて測定される。
【0233】
いくつかの実施態様において、ただ一種のmRNAバイオマーカーのレベルが、モニタリングされる。いくつかの実施態様において、2種以上のmRNAバイオマーカーのレベルが、同時にモニタリングされる。
【0234】
(4.3.4 有効性予測のためのバイオマーカーとしてのmRNAの使用)
いくつかのmRNAにおける検出可能な増加又は減少が、所与の治療(例えば、本明細書に提供された治療化合物、例として、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などによる治療)に対して反応性である、肝細胞癌を伴う対象において認められるという知見に一部基づき、これらのmRNAバイオマーカーのレベルを、該治療に対する対象の反応性を予測するために使用することができる。
【0235】
一実施態様において、治療化合物に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0236】
別の実施態様において、治療化合物に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
b)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0237】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0238】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、該mRNAバイオマーカーの参照レベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0239】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料から決定される。
【0240】
いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、参照レベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0241】
いくつかの実施態様において、参照レベルと比べた肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、本明細書に提供される治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などに対する、対象の増大した反応性と正に相関している。
【0242】
一実施態様において、治療化合物に対する肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0243】
別の実施態様において、治療化合物に対する分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象由来の肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;
b)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
c)対象由来の試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0244】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;及び
d)対象由来の試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0245】
更に別の実施態様において、治療化合物に対する分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測する方法であって:
a)対象から生物学的試料を入手する工程;
b)該試料中のmRNAバイオマーカーのレベルを決定する工程;
c)対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを決定しする工程;及び
d)対象由来の試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルを、対照試料中の該mRNAバイオマーカーのレベルと比較する工程;を含み、ここで該試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、該化合物治療に対する対象の増大した反応性と相関している方法が、本明細書において提供される。
【0246】
いくつかの実施態様において、対照試料は、同じ対象由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。いくつかの実施態様において、対照試料は、対象群由来の非-肝細胞癌の細胞-含有試料である。
【0247】
いくつかの実施態様において、対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料と同時に決定される。いくつかの実施態様において、対照試料中のmRNAバイオマーカーのレベルは、肝細胞癌の細胞-含有試料から独立して決定される。
【0248】
いくつかの実施態様において、対照試料と比べた比較における肝細胞癌の細胞-含有試料中のmRNAバイオマーカーの増加したレベルは、本明細書に提供された治療化合物、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体などに対する、対象の増大した反応性と正に相関している。
【0249】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。
【0250】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1のmRNA、又はそれらの組合せである。
【0251】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、JAG1のmRNA、又はそれらの組合せである。
【0252】
いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4A、TCF-4B、TCF-4C、TCF-4D、TCF-4E、TCF-4F、TCF-4G、TCF-4H、TCF-4I、TCF-4J、TCF-4K、TCF-4L、TCF-4M、TCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4A、hTCF-4B、hTCF-4C、hTCF-4D、hTCF-4E、hTCF-4F、hTCF-4G、hTCF-4H、hTCF-4I、hTCF-4J、hTCF-4K、hTCF-4L、hTCF-4M、hTCF-4X、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、WISP2、ASPH、IRS1、MAPK12、CLDN2、JAG1、GPR56、ANXA1、CAMK2N1、STK17B、SPP1、AXIN2、MMP7、CADM1、PLCD4、CD24のmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、TCF-4LのmRNA、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4L、又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、TCF-4C、TCF-4J、及びTCF-4LのmRNAの組合せである。いくつかの実施態様において、本バイオマーカーは、hTCF-4C、hTCF-4J、hTCF-4LのmRNAの組合せである。
【0253】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0254】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0255】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0256】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0257】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0258】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0259】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーのレベルは、対象から細胞の試料を入手する工程、治療化合物の存在又は非存在下で細胞を培養する工程、並びに細胞を、本mRNAバイオマーカーのレベルについて試験する工程を含み、ここで該治療化合物の存在下での本mRNAバイオマーカーの減少したレベルは、該治療化合物に対する対象の反応性の尤度を示している、治療化合物による肝細胞癌の治療に対する対象の反応性を予測するためのインビトロアッセイにおいて、測定される。
【0260】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0261】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、又は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0262】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、サリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0263】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、レナリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0264】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、ポマリドマイドによる治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0265】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーは、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体による治療に対する、分化不良である肝細胞癌を有するか又は有することが疑われる対象の反応性を予測するために使用される。
【0266】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーのレベルは、対象から得られた生物学的試料中で測定される。
【0267】
いくつかの実施態様において、本mRNAバイオマーカーのレベルは、対象から細胞の試料を入手する工程、治療化合物の存在又は非存在下で細胞を培養する工程、並びに細胞を、本バイオマーカーのレベルについて試験する工程を含み、ここで該治療化合物の存在下での本バイオマーカーの減少したレベルは、該治療化合物に対する対象の反応性の尤度を示している、治療化合物による肝細胞癌の治療に対する対象の反応性を予測するためのインビトロアッセイにおいて、測定される。
【0268】
いくつかの実施態様において、ただ一種のmRNAバイオマーカーのレベルが、モニタリングされる。いくつかの実施態様において、2種以上のmRNAバイオマーカーのレベルが、同時にモニタリングされる。
【0269】
(4.4 治療化合物)
一部の実施態様において、本治療化合物は、免疫調節化合物である。一実施態様において、本治療化合物は、Celgene社のIMIDS(登録商標)として公知のそれらの免疫調節化合物を包含している。
【0270】
本明細書において使用され且つ別に指定されない限りは、用語「免疫調節化合物」は、LPS誘導性の単球TNF-α、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1α、MCP-1、GM-CSF、G-CSF、及びCOX-2の産生を阻害する、いくつかの小型有機分子を包含している。具体的免疫調節化合物は、本明細書に提供されている。
【0271】
TNF-αは、急性炎症時にマクロファージ及び単球により産生される炎症サイトカインである。TNF-αは、細胞内の多様な範囲のシグナル事象に関与している。特定の理論により限定されるものではないが、本明細書に提供される免疫調節化合物により発揮される生物学的作用の一つは、骨髄細胞のTNF-α産生の減少である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される免疫調節化合物は、TNF-α mRNAの分解を増強する。
【0272】
本明細書に提供される免疫調節化合物の例としては、米国特許第5,929,117号に開示されたもののような、置換されたスチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号及び第5,955,476号に開示されたもののような、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)-イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)-イソインドリン;米国特許第5,798,368号に開示されたもののような、四置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン(piperdin)-3-イル)-1-オキソイソインドリン;非限定的に、米国特許第5,635,517号、第6,281,230号、第6,316,471号、第6,403,613号、第6,476,052号、及び第6,555,554号に開示されたものを含む、1-オキソ-及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体)、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド、及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;米国特許第6,380,239号に開示されたような、インドリン環の4-又は5-位で置換された1-オキソ-及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば、4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイルブタン酸);米国特許第6,458,810号に開示されたような、2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルにより2-位で置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3-ジオン(例えば、2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1-オン);米国特許第5,698,579号及び第5,877,200号に開示された、非-ポリペプチド環状アミドのクラス;並びに、米国特許出願公開第2003/0045552号及び第2003/0096841号、及び国際公開公報WO 02/059106に開示されたものなどの、イソインドール-イミド化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書において指定された特許及び特許出願公開の各々の開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0273】
本明細書に提供される様々な免疫調節化合物は、1個以上のキラル中心を含み、且つエナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物)又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。本明細書に提供される方法は、そのような化合物の立体的に(stereomerically)純粋な形に加え、それらの形の混合物の使用を包含している。例えば、特定の免疫調節化合物のエナンチオマーの等量又は非等量含有する混合物は、本明細書に提供される方法において使用することができる。これらの異性体は、不斉合成されるか、又はキラルカラム若しくはキラル分割剤などの標準技術を用い分割されてよい。Jacquesらの文献、「エナンチオマー、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience社、ニューヨーク、1981年);Wilenらの文献、Tetrahedron、33:2725 (1977);Elielの文献、「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill社、NY、1962年);及び、Wilenの文献、「分割剤及び光学分割の一覧(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)」、268頁(Eliel編集、ノートルダム大学出版、ノートルダム、IN、1972年)参照。
【0274】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、その特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,635,517号に開示されたものを含む、ベンゾ環においてアミノにより置換された、1-オキソ-又は1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-イソインドリンである。
【0275】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、式Iの構造を有する:
【化1】
(式中、X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方は、C=O又はCH
2であり、並びにR
2は、水素又は低級アルキルであり、一実施態様においては、メチルである。
【0276】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は:
【化2】
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(レナリドマイド);
【化3】
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン(ポマリドマイド);又は
【化4】
1,3-ジオキソ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドール、又はそれらの光学的に純粋な異性体である。本免疫調節化合物は、標準の合成方法により入手することができる。米国特許第5,635,517号を参照することとし、この特許の開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている。本免疫調節化合物は、Celgene社(ワーレン、NJ)からも入手可能である。
【0277】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、レナリドマイドである。いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、ポマリドマイドである。
【0278】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-フタルイミド又は置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールであり、米国特許第6,281,230号;第6,316,471号;第6,335,349号;及び、第6,476,052号、並びに国際公開公報WO 98/03502に開示されたものを含み、これらの各特許の開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0279】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、下記式である:
【化5】
(式中:
X及びYの一方はC=Oであり、X及びYの他方は、C=O又はCH
2であり;
(i)R
1、R
2、R
3、及びR
4の各々は、他から独立して、ハロ、C
1-4アルキル、又はC
1-4アルコキシであるか;或いは、(ii)R
1、R
2、R
3、及びR
4の一つは、-NHR
5であり、且つR
1、R
2、R
3、及びR
4の残りは、水素であり;
R
5は、水素又はC
1-8アルキルであり;
R
6は、水素、C
1-8アルキル、ベンジル、又はハロであり;
但し、X及びYが、C=Oであり、且つ(i)R
1、R
2、R
3、及びR
4の各々が、フルオロであるか、又は(ii)R
1、R
2、R
3、及びR
4の一つが、アミノである場合、R
6は、水素以外であることを条件とする。)。
【0280】
いくつかの実施態様において、本免疫調節化合物は、下記式である:
【化6】
(式中、R
1は、水素又はメチルである。)。
【0281】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法において使用される免疫調節化合物は、鏡像異性的に純粋である(例えば、光学的に純粋な(R)-又は(S)-エナンチオマー)。
【0282】
別の実施態様において、本治療化合物は、サリドマイド、すなわち2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオンである。
【0283】
他の実施態様において、本治療化合物は、米国特許第7,635,700号に開示されたものを含む、5-置換されたキナゾリノンであり、この特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0284】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、式IVの構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である:
【化7】
(式中:
R
1は:
水素;
ハロ;
-(CH
2)
nOH;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシ;又は
-(CH
2)
nNHR
a(式中、R
aは:
水素;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;
-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール)又は-C(O)-(CH
2)
n-(5〜10員のヘテロアリール)(式中、アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自身1個以上のハロにより任意に置換されたC
1-6アルキル;若しくは、それ自身1個以上のハロにより任意に置換されたC
1-6アルコキシ:の1個以上により任意に置換されている。);
-C(O)-C
1-8アルキル(式中、アルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
bR
c(式中、R
b及びR
cは、各々独立して:
水素;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシ;若しくは
ハロ;それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;若しくは、
それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシ:の1個以上により任意に置換された、6〜10員のアリールである。);
-C(O)-(CH
2)
n-O-C
1-6アルキル;又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール)である。)であり;
R
2は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-C
1-6 アルキル;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;
R
3は:水素;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;並びに
nは、0、1、又は2である。)。
【0285】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、式Vの構造を有する化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である:
【化8】
(式中:
R
4は:水素;ハロ; -(CH
2)
nOH;1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシであり;
R
5は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-C
1-6アルキル;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;
R
6は:水素;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;並びに
nは、0、1、又は2である。)。
【0286】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、下記のものである:
【化9】
。
【0287】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、式VIの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である:
【化10】
(式中:
R
dは:水素;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;
-C(O)-C
1-8アルキル(式中、アルキルは、1個以上のハロにより任意に置換されている。);
-C(O)-(CH
2)
n-C
3-10シクロアルキル;
-C(O)-(CH
2)
n-NR
eR
f(式中、R
e及びR
fは、各々独立して:
水素;
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;若しくは
1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシである。);又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-C
1-6アルキルであり;
R
7は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O- C
1-6アルキル;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;
R
8は:水素;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;並びに
nは、0、1、又は2である。)。
【0288】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、下記のものである:
【化11】
。
【0289】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、若しくはそれらの立体異性体、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、若しくは多形体である。
【0290】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、式VIIの化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、若しくは立体異性体である:
【化12】
(式中:
R
gは:-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール)又は-C(O)-(CH
2)
n-(5〜10員のヘテロアリール)(式中、アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、(C
1-C
6)アルキル;若しくは、それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシ:の1個以上により任意に置換されている。);
-C(O)-(CH
2)
n-NHR
h(式中、R
hは:ハロ;それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキル;若しくは、それ自身1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルコキシ:の1個以上により任意に置換された、6〜10員のアリールである。);又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員のアリール)であり;
R
9は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-C
1-6アルキル;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり;
R
10は:水素;又は、1個以上のハロにより任意に置換された、C
1-6アルキルであり:並びに
nは、0、1、又は2である。)。
【0291】
いくつかの実施態様において、本治療化合物は、下記のものである:
【化13】
。
【0292】
本明細書記載の化合物は全て、市販されているか、又は本明細書に明らかにされた特許又は特許公報に説明された方法に従い調製されるかのいずれかであることができる。更に、光学的に純粋な化合物は、不斉合成されるか、又は既知の分割剤若しくはキラルカラム、更には他の標準合成有機化学技術を使用し分割されることができる。
【0293】
本明細書に提供される化合物は、分子量約1,000g/mol未満を有する小型有機分子であることができ、且つタンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖又は他の高分子ではない。
【0294】
描かれた構造とその構造に与えられた名称の間に矛盾が存在する場合、その描かれた構造がより重要であることは留意されるべきである。加えて構造又は構造の一部の立体化学が、例えば太線又は破線により示されない場合、その構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含すると解釈されるべきである。
【0295】
(4.5. バイオマーカーレベルの検出方法)
(4.5.1 試料中のmRNAレベルの検出方法)
mRNAレベルを検出又は定量するいくつかの方法が、当該技術分野において公知であり、且つ本バイオマーカーのレベルを測定するために本明細書に提供される方法において使用するのに適している。方法の例としては、ノーザンブロット、リボヌクレアーゼ保護アッセイ、及びPCR-ベースの方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本バイオマーカーがmRNA分子である場合、mRNA配列、又はそれらの断片を使用し、少なくとも部分的に相補的であるプローブを作製することができる。その後このプローブを使用し、PCR-ベースの方法、ノーザンブロット、又はディップスティックアッセイなどのいずれか好適なアッセイを用い、試料中の該mRNA配列を検出することができる。
【0296】
本アッセイ方法は、所望のmRNA情報の種類に応じて変動し得る。方法の例としては、ノーザンブロット及びPCR-ベースの方法(例えばqRT-PCR)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。qRT-PCRのような方法は、試料中のmRNAの量を正確に定量することもできる。
【0297】
いずれか好適なアッセイプラットフォームを使用し、試料中の本mRNAの存在を決定することができる。例えば、アッセイは、ディップスティック、メンブレン、チップ、ディスク、試験片、フィルター、ミクロスフェア、スライド、マルチウェルプレート、又は光ファイバーの形状であってよい。アッセイ系は、その上に該mRNAに対応する核酸が連結されている固形支持体を有することができる。固形支持体は、例えば、プラスチック、ケイ素、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿、ゲル、ポリマー、シート、球形、多糖、キャピラリー、フィルム、プレート、又はスライドを含んでよい。これらのアッセイ成分は、作製され、且つmRNA検出キットとして一緒に包装されることができる。
【0298】
核酸は、望ましいならば、標識し、標識されたmRNAの集団を作製することができる。全般的に、試料は、当該技術分野において周知の方法(例えば、DNAリガーゼ、末端転移酵素の使用、又はRNA骨格の標式によるなど;例えば、Ausubelらの文献、「分子生物学の簡単なプロトコール(Short Protocols in Molecular Biology)」、第3版、Wiley & Sons社、1995年、及びSambrookらの文献、「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」、第3版、2001年、Cold Spring Harbor、N.Y.)を用いて、標識することができる。いくつかの実施態様において、試料は、蛍光ラベルにより標識されている。蛍光色素の例としては、キサンテン色素、フルオレセイン色素、ローダミン色素、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、6-カルボキシフルオレセイン(FAM)、6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(JOE又はJ)、N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA又はT)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX又はR)、5-カルボキシローダミン6G(R6G5又はG5)、6-カルボキシローダミン6G(R6G6又はG6)、及びローダミン110;シアニン色素、例えばCy3、Cy5及びCy7色素;Alexa色素、例えばAlexa-fluor-555;クマリン、ジエチルアミノクマリン、ウンベリフェロン;ベンズイミド色素、例えばHoechst 33258;フェナントリジン色素、例えばテキサスレッド;エチジウム色素;アクリジン色素;カルバゾール色素;フェノキサジン色素;ポルフィリン色素;ポリメチン色素、BODIPY色素、キノリン色素、ピレン、フルオレセインクロロトリアジニル、R110、エオシン、JOE、R6G、テトラメチルローダミン、リサミン、ROX、及びナフトフルオレセインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0299】
これらの核酸は、固形支持体上、特異的、アドレス可能な位置に存在することができ;各々、バイオマーカーのmRNA配列の少なくとも一部に対応している。
【0300】
いくつかの実施態様において、mRNAアッセイは、1)1種以上のバイオマーカーに関する表面-結合されたプローブを入手する工程;2)表面-結合されたプローブへ、mRNAの集団を、特異的結合を提供するのに十分な条件下でハイブリダイズさせる工程;(3)ハイブリダイゼーション工程において未結合の核酸を除去する工程;並びに、(4)ハイブリダイズされたmRNAを検出する工程:を含む。
【0301】
ハイブリダイゼーションは、適したハイブリダイゼーション条件下で、実行することができ、所望通りストリンジェンシーに変動することができる。典型的条件は、相補性の結合要員間で、すなわち表面-結合されたプローブと試料中の相補的mRNAの間で、固形表面上においてプローブ/標的複合体を形成するのに十分である。
【0302】
いくつかの実施態様において、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が使用される。標準ハイブリダイゼーション技術(例えば、試料中の標的mRNAのプローブへの特異的結合を提供するのに十分な条件下)は、Kallioniemiらの文献、Science, 258:818-821 (1992)及びWO 93/18186に説明されており、これら各々の開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。全般的技術のいくつかの指針が利用可能であり、例えば、Tijssenの文献、「核酸プローブとのハイブリダイゼーション(Hybridization with Nucleic Acids Probes)」、パートI及びII(Elsevier社、アムステルダム、1993年)である。インサイチュハイブリダイゼーションに適した技術の説明については、Gallらの文献、Meth. Enzymol., 21:470-480 (1981);及び、Angererらの文献、「遺伝子工学:原理と方法(Genetic Engineering: Principles and Methods)」、(Setlow及びHollaender編集)、第7巻、43-65頁(Plenum Press社、ニューヨーク、1985年)を参照されたい。温度、塩濃度、ポリヌクレオチド濃度、ハイブリダイゼーション時間、及び洗浄条件のストリンジェンシーを含む、好適な条件の選択は、試料の給源、捕獲物質の同一性、予想される相補性の程度などを含む、実験デザインによって決まり、且つ当業者にとっては慣習的実験の事項として決定され得る。
【0303】
mRNAハイブリダイゼーション手順の後、表面結合したポリヌクレオチドは、未結合の核酸を除去するために洗浄される。洗浄は、通常の洗浄プロトコールのいずれかを使用し行うことができる。いくつかの実施態様において、洗浄条件は、ストリンジェントである。その後標的mRNAのプローブへのハイブリダイゼーションが、標準技術を用い検出される。
【0304】
(4.5.2 試料中のmRNAレベルのPCR-ベースの検出方法)
いくつかの実施態様において、バイオマーカーのmRNAレベルは、PCR-ベースの方法を用い決定される。PCRアッセイの例は、米国特許第6,927,024号に認めることができ、この文献の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。RT-PCR法の例は、米国特許第7,122,799号に認めることができ、この特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。蛍光インサイチュPCR法の例は、米国特許第7,186,507号に認めることができ、この特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0305】
いくつかの実施態様において、リアルタイム逆転写-PCR(qRT-PCR)が、mRNAの検出及び定量の両方に使用される(Bustinらの文献、Clin. Sci., 2005, 109, 365-379)。qRT-PCRにより得られた定量的結果は、一般に定性的データよりもより情報に富んでいる。qRT-PCR-ベースの方法の例は、米国特許第7,101,663に認めることができ、この特許の開示はその全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
【0306】
通常の逆転写酵素-PCR及びアガロースゲルによる分析とは対照的に、リアルタイムPCRは、定量的結果をもたらす。リアルタイムPCRの追加の利点は、比較的容易であり且つ使用が簡便であることである。Applied Biosystems 7500などのリアルタイムPCR装置は、市販されている。TaqMan配列検出化学などのリアルタイムPCRのための試薬も、市販されている。
【0307】
特定のアンプリコン蓄積に関連した蛍光シグナルが閾値を超えるサイクル数(CTと称される)を決定するために、データは、例えば、7500リアルタイムPCRシステム配列検出ソフトウェアv1.3を使用し、比較CT相対定量計算法を用い、解析することができる。この方法を用いると、結果(output)は、発現レベルの倍数変化として表される。一部の実施態様においては、閾値レベルは、そのソフトウェアにより自動的に決定されるように選択することができる。一部の実施態様において、閾値レベルは、ベースラインを上回るが、増幅曲線の指数的成長領域内であるよう十分に低いように設定される。
【0308】
(4.5.3 ポリペプチド又はタンパク質バイオマーカーの検出方法)
本バイオマーカーがタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドである場合、いくつかのタンパク質検出法及び定量法を使用し、バイオマーカーレベルを測定することができる。いずれか好適なタンパク質定量法を、本明細書に提供される方法において使用することができる。いくつかの実施態様において、抗体-ベースの方法が使用される。使用することができる方法の例としては、免疫ブロット法(ウェスタンブロット)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫組織化学、フローサイトメトリー、細胞計測ビーズアレイ、及び質量分光法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。直接ELISA、間接ELISA、及びサンドイッチELISAを含む、いくつかの型のELISAが、通常使用される。
【0309】
(4.6 バイオマーカーレベルの検出キット)
いくつかの実施態様において、1種以上のバイオマーカーのmRNAレベルを検出するためのキットが、本明細書において提供される。いくつかの実施態様において、本キットは、1種以上のバイオマーカーのmRNAへ特異的に結合するプローブを1種以上備えている。いくつかの実施態様において、本キットは更に、洗浄液を備えている。いくつかの実施態様において、本キットは更に、ハイブリダイゼーションアッセイを実行するための試薬、mRNAの単離又は精製の手段、検出手段、更には陽性対照及び陰性対照を備えている。いくつかの実施態様において、本キットは更に、キットを使用するための指示書を備えている。本キットは、家庭での使用、診療所での使用、又は研究室での使用に適合させることができる。
【0310】
いくつかの実施態様において、1種以上のバイオマーカーのタンパク質レベルを検出するためのキットが、本明細書に提供される。いくつかの実施態様において、本キットは、タンパク質バイオマーカーを認識する抗体によりコーティングされたディップスティック、洗浄液、アッセイを実行するための試薬、タンパク質の単離又は精製の手段、検出手段、更には陽性対照及び陰性対照を備えている。いくつかの実施態様において、本キットは更に、キットを使用するための指示書を備えている。本キットは、家庭での使用、診療所での使用、又は研究室での使用に適合させることができる。
【0311】
そのようなキットは、例えば、ディップスティック、メンブレン、チップ、ディスク、試験片、フィルター、ミクロスフェア、スライド、マルチウェルプレート、又は光ファイバーを利用することができる。キットの固形支持体は、例えば、プラスチック、ケイ素、金属、樹脂、ガラス、膜、粒子、沈殿、ゲル、ポリマー、シート、球形、多糖、キャピラリー、フィルム、プレート、又はスライドであってよい。生物学的試料は、例えば、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、臓器、細胞小器官、生物学的液体、血液試料、尿試料、又は皮膚試料であってよい。
【実施例】
【0312】
(5. 実施例)
下記実施例は、別に詳細に説明されたものを除き、当業者に周知であり且つ慣習的である、標準技術を使用し実行される。これらの実施例は、単なる例証であることが意図されている。
【0313】
(5.1 HCC細胞株におけるTCF-4転写因子に対するレナリドマイドの作用)
Focus細胞及びHub7細胞を、DMSO中10μMレナリドマイド(「LM」)又は対照としてのDMSOにより24時間処理した。核及び細胞質ゾルのタンパク質を、個別に抽出し、TCF-4の発現を、ウェスタンブロットにより分析した。TCF-4のロング及びショートの両アイソフォームの核発現は、ImageJ(NIH)を用いて認定し、及びラミン(lamin)の発現により規準化した。
図1に示したように、LM処理時には、ショート形態及びロング形態のTCF-4発現は、分化不良の細胞(Focus)において減少した。
【0314】
(5.2 レナリドマイド及び3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの細胞遊走及び浸潤に対する作用)
(細胞遊走アッセイ):Focus細胞及びHub7細胞を、DMSO中の10μM LM又は対照としてのDMSOにより24時間処理した。これらの細胞を、遊走チャンバー(BD Biosciences社)へ移した。下側チャンバーを、化学誘引物質としての10%FBS-含有培地により満たし、且つ8μm有孔メンブレンにより、上側チャンバーから分離した。16時間後、上側チャンバー内に残存する細胞(非-遊走細胞)を除去し、メンブレンの下側に連結した細胞(遊走細胞)を、クリスタルバイオレットにより染色し、Stereologer(SRC社)を用い、メンブレンの10の異なる視野で計数した。
図2に示したように、LM処理は、分化不良であるHCC細胞株(Focus)における細胞遊走を阻害した。
【0315】
(細胞浸潤アッセイ):Focus細胞及びHub7細胞を、DMSO中の10μM LM又は対照としてのDMSOにより24時間処理した。これらの細胞を、Matrigelによりコートされた遊走チャンバー(BD Biosciences社)へ移した。16時間後、メンブレンの下側に連結した浸潤細胞を、染色/計数し、且つ対応する非-コート遊走チャンバー内の遊走細胞の数により規準化した。
図2はまた、LM処理は、分化不良であるHCC細胞株(Focus)における細胞浸潤を阻害したことを示している。
【0316】
別の実験セットにおいて、LM及び3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(「化合物A」)のHCC細胞遊走に対する作用を、HAK-1A細胞株(良く分化したHCC細胞株)を利用したことを除き、先に説明した手順に類似した手順を用いて評価した。
図3に示したように、LM及び化合物Aは、HAK-1A細胞株における細胞遊走に影響を及ぼさないことが分かった。
【0317】
別の実験セットにおいて、LM及び化合物AのHCC細胞遊走及び浸潤に対する作用を、HAK-1B細胞株(分化不良であるHCC細胞株)を利用したことを除いて、先に説明した手順に類似した手順を用いて評価した。
図4に示したように、LM及び化合物Aは、分化不良であるHAK-1B HCC細胞株における細胞遊走を阻害したことが分かった。加えて、化合物A(及びはるかに少ない程度でLM)は、分化不良であるHAK-1AB HCC細胞株において細胞浸潤を阻害したことがわかった。
【0318】
別の実験セットにおいて、LM及び化合物AのHCC細胞遊走及び浸潤に対する作用を、FOCUS細胞株(分化不良であるHCC細胞株)を使用し、先に説明した手順に類似した手順を用いて評価した。
図5に示したように、LM及び化合物Aは、分化不良であるFOCUS HCC細胞における細胞遊走を阻害しなかったことが分かった。しかし、LM及び化合物Aは、分化不良であるFOCUS HCC細胞における細胞浸潤を阻害したことがわかった。
【0319】
別の実験セットにおいて、LM及び化合物AのHCC細胞遊走に対する作用を、HAK-1A細胞株(良く分化したHCC細胞株)における創傷治癒アッセイを用いて評価した。以下の手順を使用した。
1. 細胞播種:プレート(60mm)の下面上に格子を、紙の線図に従い描いた。細胞を、60mmディッシュ上に播種した(集密な細胞を目的として)。
2. 擦過創傷:チップ(緑色)を用い、擦過創傷を作製した。これらの創傷の位置は、紙上に図示することにより記録した。SF DMEM+トリプシンアリコートを、インキュベーターから回収し、且つディッシュから培地/浮遊細胞を吸引した。細胞を、DMEM+トリプシンにより洗浄し、創傷から完全に擦過採取されなかった細胞を除去した。次にディッシュを、10%FBS DMEMの4mlにより満たした。
3. 写真撮影:同じ創傷面積を追い続けるために、マーカーを画像フレームの一番上に含んだ。次に指定された時点で、それらの創傷の写真を、撮影した。結果を、最初の幅に対し規準化された、細胞遊走の指数としての、創傷閉鎖の割合として表した。
【0320】
図6に示したように、LM及び化合物Aは、HAK-1A細胞株における細胞遊走に影響を及ぼさないことが分かった。
【0321】
別の実験セットにおいて、LM及び化合物AのHCC細胞遊走に対する作用を、FOCUS細胞株(分化不良であるHCC細胞株)における創傷治癒アッセイを用いて評価した。
図7に示したように、LM及び化合物Aは、分化不良であるFOCUS細胞株における細胞遊走を減少したことが分かった。
【0322】
別の実験セットにおいて、LM及び化合物AのHCC細胞遊走に対する作用を、HAK-1B細胞株(分化不良であるHCC細胞株)における創傷治癒アッセイを用いて評価した。
図8に示したように、化合物Aは、分化不良であるHAK-1B細胞株における細胞遊走を減少したが、LMは減少しなかったことが分かった。
【0323】
(5.3 TCF-4アイソフォームのTCF転写活性)
細胞(HEK 293及びHuh7)を、TCF-レポータープラスミドTOPFlash及びTCF-4のアイソフォームC、J、又はL、並びに活性化補助因子としてβ-カテニンにより同時トランスフェクションした。空ベクター(EV)をTCF活性の基本レベルのための対照として、及び抑制されたTCF転写活性を評価するためのTCF-4のドミナントネガティブ型(dn)を使用した。トランスフェクションの24時間後、細胞を溶解し、レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)の発現を、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega社)を用いる化学ルミネセンスにより定量した。TCF-4アイソフォームの転写活性を、
図9に示している。
【0324】
(5.4 ヒトHCC組織におけるTCF-4アイソフォームの発現プロファイル)
腫瘍の85%(17/20)が慢性HCV感染症に関連付けられた個人から得たHCC腫瘍及び対応する隣接した無関係の肝臓組織の20対における、TCF-4C、J、及びLの相対mRNAレベルを、測定した。半定量的RT-PCRにより、3種の組織学的に正常な肝臓標本に対する比較を行った。これらの20対の試料において、3種のアイソフォーム、すなわちTCF-4C、J、及びL全てのアップレギュレーションが、4つの腫瘍組織において認められた(
図10)。
図10において、N、pT、及びTは、各々、正常肝臓標本、周辺腫瘍組織、及び腫瘍組織を表す。
【0325】
別の実験セットにおいて、27対のHBV-関連したHCC腫瘍及び対応する隣接周辺腫瘍(
図11A)、並びに20対のHCV-関連したHCC腫瘍(
図11B)において、TCF-4J mRNAのレベルを、RT-PCRにより測定した。
図11A及び11Bの右側パネルは、TCF-4J mRNA発現レベルの平均を示している。これらの図に示したように、TCF-4Jは、腫瘍、特に分化不良である腫瘍において、有意にアップレギュレートされたことがわかった。
【0326】
(5.5 ヌードマウスにおける異種移植された腫瘍の成長に対するTCF-4J発現の作用)
HAK-1A-由来の安定したクローンを、異種移植実験に使用した:親のHAK-1A細胞は、ヌードマウスにおいて腫瘍を形成しなかった。TCF-4J-過剰発現しているHAK-1Aの安定したクローン(J細胞)は、高度に腫瘍原性であった。K細胞は小型腫瘍を発生したが、これらは、腫瘍細胞注入よりも遅れて(約40日)現れ、非常にゆっくり成長した。対照(EV)細胞は、腫瘍を生じなかった。細胞(1×10
6個)を、5週齢の雄のBALB/cヌードマウス(n=12)へ、皮下注射した。腫瘍サイズを、電気キャリパーを使用し、1週間に2回、2つの直交方向に測定した。より長い直径が10mmに達した時点で、マウスを屠殺した。
図12に示したように、TCF-4Jアイソフォーム発現は、腫瘍原性を促進した。
【0327】
(5.6 TCF-4J依存性標的遺伝子のアップレギュレーション)
Trizolを使用することにより、HAK-1A-J又は-Kを過剰発現している安定細胞から抽出された総RNA(50ng)を、Agilent Low-Input QuickAmp標識キットで標識した。総ゲノム発現プロファイル作製を、ホールヒトゲノムマイクロアレイキット4×44kにおいて行い、これは、4種の高解像力(high-definition)44kアレイ(Agilent Technologies社)を伴う、各々フォーマットされた5個のガラススライドを含んだ。データ解析は、Feature Extractionソフトウェア(Agilent社)を用いて行い、結果を表1にまとめた。
表1 遺伝子アップレギュレーション
【表1】
【0328】
HAK-1A細胞株においてTCF-4J アイソフォーム-依存型アップレギュレートされた標的遺伝子のリストは、
図13に示している。これらの遺伝子は、3つの経路、すなわち、HCC病理進行において重要であることがわかっている、Wnt/β-カテニン、IRS-1、及びNotchシグナルに関連していることがわかった。
【0329】
標的遺伝子の発現レベルは、47対のあるヒトHCC腫瘍(
図14において「T」と示した)及び対応する隣接する周辺腫瘍(「pT」と示した)及び3種の正常肝臓組織(「N」と示した)において、qRT-PCRにより測定した。
図14は、TCF-4J特異的標的遺伝子の増大した発現レベルを図示している。
【0330】
測定されたTCF-4J発現レベルに従い順番づけた、腫瘍試料中で選択された10種の発現レベルを示している、3D棒グラフを、
図15に提供している。TCF-4Jの発現レベルは、半定量的RT-PCRにより評価し、それらの値は、GAPDHに対して規準化した。qRT-PCRを使用し、選択された遺伝子の発現レベルを評価し、それらの値を、18S rRNAに対して規準化した。
図15に示したように、高いTCF-4J発現を伴う腫瘍は、より多くの標的遺伝子の発現の増加を有する傾向があった。
【0331】
(5.7 レナリドマイドのTCF-4アイソフォームに対する作用)
HCC細胞株(Focus及びHub7)を、DMSO中10μM LM又は対照としてのDMSOにより24時間処理した。総RNAを抽出し、cDNAへ逆転写し、且つTCF-4アイソフォームをPCRにより増幅した。TCF-4C、J、及びLの発現を、ゲル上のPCR産物の認定により分析し、且つImageJを使用し、ハウスキーピング遺伝子GAPDHの発現により規準化した。結果は、
図16に示している。
【0332】
(5.8 3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの細胞傷害性)
HCC細胞株Huh7、FOCUS、HAK-1A及びHAK-1Bに関する化合物Aの毒性を評価するために、MTSアッセイを行った。1μM〜100μMの範囲の様々な濃度の化合物Aを、特定の細胞と、24又は72時間インキュベーションした。
図17に示したように、化合物Aについて、HCC細胞増殖に対する作用は認められなかった。
【0333】
(5.9 HAK1A-J異種移植モデル−パイロット試験)
HAK1A-J異種移植片モデルにおけるLM及び化合物Aの作用を、5匹の動物(マウス)を使用するパイロット試験において試験した。試験手順の概略図を、
図18に示した。LM及び化合物Aの抗腫瘍作用は、異種移植後に、薬物による処置した後に、腫瘍容積を測定することにより、評価した。
図19に示したように、LM及び化合物Aの両方は、対照と比べ、腫瘍容積を有意に減少した。
【0334】
(5.10 HAK1A-J異種移植モデル)
HAK1A-J異種移植モデルにおけるLM及び化合物Aの作用を、50匹の雄の4週齢のマウスを使用し、試験した。試験手順の概略図を、
図20に示した。LM及び化合物Aの抗腫瘍作用は、異種移植後に、薬物による処置した後に、腫瘍容積を測定することにより、評価した。
図21に示したように、LM及び化合物Aの両方で処理したマウスにおいて、腫瘍容積の減少が認められる一方で、化合物Aは、対照又はLM処置したマウスと比べ、腫瘍容積をより大きく有意に減少した。
【0335】
HAK-1A異種移植腫瘍におけるTCF-4J反応性標的遺伝子の発現に対するLM及び化合物Aの作用を、LM、化合物A及び対照媒体で処置した異種移植腫瘍におけるTCF-4Jアイソフォーム依存性標的遺伝子のmRNA発現レベルを測定することにより、評価した。下記の手順を使用した:総RNAを、TRIzol試薬を使用し、腫瘍から抽出し、且つ逆転写を、RT-PCRのための第一鎖cDNA合成キット(AMV社)により行った。定量的リアルタイムPCRを、SYBR Green PCR試薬を使用し、Mastercycler ep realplex装置及びソフトウェア上で実行した。相対的定量を、ΔΔCt法を用いて行い、18S rRNAに対して規準化した。解離曲線を作製し、PCR産物の特異性及び純度を評価した。
図22に示したように、CLDN2、ASPH、JAG1、GPR56、ANXA1及びCAMK2N1のmRNAレベルは、化合物Aによる処置後に減少することがわかった。
【0336】
前述のことから、具体的な実施態様が例証を目的として本明細書において説明されているが、本明細書に提供される精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることは、明らかであろう。先に言及された全ての参考文献は、それらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。