特表2015-505517(P2015-505517A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-505517立てた状態の扁平物を複数の撮像検出手段を使用して仕分けるための仕分け機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-505517(P2015-505517A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】立てた状態の扁平物を複数の撮像検出手段を使用して仕分けるための仕分け機
(51)【国際特許分類】
   B07C 1/04 20060101AFI20150127BHJP
   B65G 47/08 20060101ALI20150127BHJP
【FI】
   B07C1/04
   B65G47/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-555280(P2014-555280)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(85)【翻訳文提出日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】FR2012053097
(87)【国際公開番号】WO2013114008
(87)【国際公開日】20130808
(31)【優先権主張番号】1250991
(32)【優先日】2012年2月2日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514135362
【氏名又は名称】ソリスティック
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エル・ベルヌッシ,イシャム
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,アニエス
(72)【発明者】
【氏名】ギニャール,セリーヌ
【テーマコード(参考)】
3F079
3F080
【Fターム(参考)】
3F079AA03
3F079BA09
3F079CB29
3F079DA12
3F079EA15
3F080AA20
3F080BA05
3F080BB05
3F080BC07
3F080BD02
3F080BF04
3F080BF19
3F080CE06
3F080DA17
3F080EA10
(57)【要約】
立てた状態の扁平物(2)を仕分けるための仕分け機(1)であり、上流側コンベヤ(10)と扁平物(2)を挟んで搬送する下流側コンベヤ(30)とを含み、上流側コンベヤ(10)と下流側コンベヤ(30)は検出手段(100)により分離させられ、前記検出手段(100)は、中間コンベヤ(20)を含み前記扁平物(2)を挟んで搬送する中間ベルト(22)が備えられており、任意の扁平物(2)を前記中間ベルト(22)の一方または他方に押し付ける吸引手段(24、25)にそれぞれ結合される中間ベルト(22)と、前記中間ベルト(22)間を通過する前記扁平物(2)の底部の画像を撮るための撮像手段(26)と、前記扁平物(2)の任意の束を検出するために前記画像を分析処理するために分析処理手段(4)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立てた状態の扁平物(2)を仕分けるための仕分け機(1)にして、上流側コンベヤ(10)と、互いに面して配置される側方下流側ベルト(32)を備え、前記(2)扁平物を挟んで搬送する構造の下流側コンベヤ(30)と、前記扁平物(2)の束を検出するための検出手段(100)とを含む仕分け機(1)であって、前記検出手段(100)は、前記上流側コンベヤ(10)と前記下流側コンベヤ(30)との間に配設され、さらに、
互いに面して配置される側方有孔中間ベルト(22)を備え、前記扁平物(2)を挟まずに搬送する構造の中間コンベヤ(20)と、
前記中間ベルト(22)に個々に結合され、前記中間ベルト(22)それぞれにおいて、前記中間ベルト(22)間を流れる任意の扁平物(2)を前記中間ベルト(22)の一方または他方に押し付けるのに適した吸引力を発生させるのに適した吸引手段(24、25)と、
前記中間ベルト(22)間を通過する前記扁平物(2)の縁部の画像(40〜48)を撮るのに適した撮像手段(26)であって、前記中間ベルト(22)によって画定される通過ゾーン(27)に面して前記通過ゾーン(27)の下流側部分に配置される撮像手段(26)と、
前記画像(40〜48)に基づいて、前記扁平物(2)の任意の束を検出するのに適した画像分析処理手段(4)と
を含むことを特徴とする仕分け機(1)。
【請求項2】
前記上流側コンベヤ(10)が、互いに面して配置される側方上流側ベルト(12)と下ベルト(11)とを備え、前記扁平物(2)を挟まずに前記下ベルト(11)上で高さ方向を基準にして搬送する構造であることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機。
【請求項3】
前記上流側コンベヤ(10)の前記上流側ベルト(12)が第1の距離(D1)だけ互いに離間され、前記中間ベルト(22)はほぼ前記第1の距離(D1)に等しい、またはそれより大きい第2の距離(D2)だけ互いに離間されることを特徴とする、少なくとも請求項2に記載の仕分け機(1)。
【請求項4】
前記第1の距離(D1)および前記第2の距離(D2)が一定であり、15mm〜30mmの範囲にあり、前記第1の距離(D1)は、好ましくは、ほぼ18mmであり、前記第2の距離(D2)は、好ましくは、ほぼ22mmであることを特徴とする、少なくとも請求項3に記載の仕分け機(1)。
【請求項5】
前記中間コンベヤ(20)が、前記中間ベルト(22)をほぼ互いに同じ速度で同時に移動させる構造であることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項6】
前記吸引手段(24、25)が、それぞれの中間ベルト(22)の吸引力がほぼ互いに同じになるような構造であることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項7】
前記下ベルト(11)が、前記中間ベルト(22)の長さの少なくとも一部まで伸びることによって、前記扁平物(2)の底部を支持すると同時に、前記通過ゾーン(27)の下流側部分にある前記撮像手段(26)の視野ゾーンを確保することを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項8】
前記吸引手段(24、25)が、前記中間ベルト(22)の底部の限られた高さのみに吸引力を加えるような構造であることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項9】
前記撮像手段(26)が、LED照明が取り付けられたマトリックスアレイ型カメラを含むことを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項10】
一方の吸引手段(24)の上流側縁部が、他方の吸引手段(25)の上流側縁部に対して前記中間ベルト(22)から上流側にずらされることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項11】
前記吸引手段(24、25)が、前記中間ベルト(22)のそれぞれにおいて、少なくとも約150m/時〜約600m/時未満の流量で、10mbar〜12mbarの吸引力を発生させるような構造であることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【請求項12】
前記中間ベルト(22)間を隔てる通過ゾーン(27)が、前記通過ゾーン(27)の空気力学的外乱を制限する構造の保護プレートで覆われることを特徴とする、少なくとも請求項1に記載の仕分け機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立てた状態の扁平物を仕分けるための仕分け機であって、上流側コンベヤと、互いに面する側方下流側ベルトを備え、扁平物を挟んで搬送する構造の下流側コンベヤと、扁平物の束を検出する検出手段とを含む仕分け機に関する。
【0002】
例えば、扁平物は、手紙のような小型郵便物または雑誌のような大型郵便物である。
【0003】
この仕分け機により、扁平物アンスタッカーと仕分け出口のいずれかとの間で扁平物を連続して搬送することができ、仕分け出口それぞれにおいて、扁平物は所定の仕分け計画に従って重ねられる。
【0004】
扁平物の仕分けの分野において、用語「一個取り」または「一個送り」は、扁平物が単独で、すなわち、束にならずに一つずつ隙間を空けて搬送される時の状態を示すのに使用され、用語「複数取り」または「複数送り」は、扁平物が完全にまたは一部が重なって搬送される、すなわち、束になって搬送される時の状態を示すのに使用され、この場合、このようにして重なった物体の一部が仕分けエラーになり、仕分け機の下流側で詰まるのを防ぐための特別な処理が必要となる。
【背景技術】
【0005】
周知の形では、扁平物は、扁平物がばらしプレートに対して押し付けられるマガジン内で重なって立てた状態で配置される。例えば、ばらしプレートは、重なった第1の扁平物を残りの扁平物に対して移動させるのに適したベルトを備える。このようにして、扁平物は、次々とばらし方向にばらされ、その後、搬送装置によって仕分け出口に向かって搬送される。最適な動作条件下で、ばらされた扁平物は相互に重なることなく、すなわち、束にならずに一個取りで次々と送られる。しかし、2つの連続する扁平物が重なって束または「複数取り」を形成する場合もある。確実に扁平物を下流側で最適に処理するために、複数取りの束になった扁平物を分離する、または束になった扁平物を後で再度処理するために除去する必要がある。いずれの場合も、束になる、すなわち、複数取りになることを的確に配慮するには、その束を検出して、束になった扁平物を任意の次の処理の前に分離する必要がある。
【0006】
束になった扁平物を分離する装置が周知である。特に、米国特許第6494446号明細書には、ニップゾーンに続いて2つの異なる吸引ベルト経路を有し、1つの経路は扁平物の処理を継続できるようにし、他方の経路は扁平物を次の処理のために除去するようにする分離装置が記載されている。ニップゾーンは、側方ベルトによって形成され、扁平物は搬送するために側方ベルト間で挟持される。ニップゾーンの側方ベルト間の距離は、扁平物の厚さに応じて調節され、それぞれの扁平物の厚さはニップゾーンから上流側に設けられた検出器によって決定される。先行する扁平物より多少厚い扁平物がニップゾーンの入口に到着すると、前記ニップゾーンの幅は、扁平物を最適に挟持できるように調整される。束の場合、複数取りがニップゾーンを通過すると、束の扁平物の1つが吸引力によって第1のベルト経路によって次の処理ゾーンへと送られ、残りの扁平物は第2のベルト経路によって除去トレイへと送られる。こうして束はばらされて、除去された扁平物は後で再処理される。
【0007】
また、米国特許出願公開第2009/0218751号明細書には、上述のニップゾーンと同様のニップゾーンを有し、ニップゾーンにおける駆動ベルトの進行速度が異なり、一方のベルトの方が速い複数取り分離装置が開示されている。したがって、束の場合、複数取りの扁平物の1つは、速い方のベルトで搬送され、一方の扁平物は遅い方のベルトで搬送される。このような速度差はせん断力を発生しやすく、このせん断力により複数取りを構成する束の扁平物を分離することができる。しかし、残念ながら、せん断力が壊れやすい扁平物、特に、覆われていない扁平物またはプラスチック包装の扁平物を損傷してしまうリスクが高いことが分かっている。
【0008】
仏国特許出願公開第2958276号明細書に記載されている分離装置のような他の分離装置も周知である。この分離装置は、複数取りで束になった2つの平坦物の重ね合わせた厚さより大きい間隔で互いに面して配置された2つの吸引ベルトで画定されるトンネルを有する。したがって、通常の動作では、トンネルに入るそれぞれの扁平物は、吸引力によって、扁平物が搬送される吸引ベルトの一方または他方に押し付けられる。束の場合、複数取りの扁平物の1つは第1の吸引ベルトに押し付けられ、残りの扁平物は第2の吸引ベルトに押し付けられることで、互いに側方に分離されると同時に、扁平物が受けるせん断応力を抑える。それぞれの吸引ベルトの速度および吸引力は、複数取りの扁平物の1つが他の扁平物に対してずれるように制御することができる。吸引ベルトを適切に制御するために、分離装置は、吸引ベルトの上流側に、扁平物の到着物の輪郭を決定して、任意の束を検出するのに適した検出手段を備える。また、これらの検出手段は、扁平物の厚さを測定する測定手段に接続され、測定手段は、トンネルから上流側にも設けられ、測定手段により吸引ベルト間の距離を調整することができる。
【0009】
上述の分離装置により、束を検出して、その後でその束を処理することができる。しかし、特定の状況において、分離装置と直接関連付けられていない独立した検出手段で、複雑でなく、より効果的な技術を使用することができる検出手段を使用可能であることが有利である場合がある。検出された任意の複数取り分は、その後、次の再処理のために仕分け機の特定の出口に排出される。
【0010】
このような分離装置の他に、独立した束検出手段も周知である。例えば、仏国特許出願公開第2891168号明細書に記載されている検出手段と同じように、検出手段は、扁平物を挟んで搬送するベルトを含む。照明手段およびカメラが配設された検出ゾーンは、挟まれた扁平物が通過する通過ゾーンの下に設けられる。扁平物が挟まれて搬送される通過ゾーンでは、扁平物の底部は必ずしも同じ高さにあるとは限らない。したがって、その問題を軽減するために、照明手段がより高い位置にある任意の束の扁平物の底部に届くように照明手段を押し上げなければならない。さらに、カメラの深度設定値および関係する照明範囲で、その扁平物を複数取りの他の束の扁平物の底部の高さと異なる高さで検出することができるようにする必要がある。カメラで撮られた画像は、その後、束になっているか否かを判断するために分析される。しかし、処理される扁平物に応じて、確実な方法で束を検出するのが難しい場合が多い。これは、特に、一緒に挟まれた重なった葉書または薄いクーポン券の場合に言えることであり、このような扁平物間の隙間は検出できないほど小さい。また、特定の扁平物が単独で流れているのを検出するのも難しい。これは、例えば、透明のプラスチックで包装されている雑誌やカタログのような複数の要素を含む扁平物、または特定の印刷カバーの扁平物の場合に言えることであり、このカバーの印刷は、画像内に束の検出を妨げるようなアーチファクトを生成してしまう。単独で流れている扁平物が間違って束で流れていると検出されると、その扁平物は次の再処理に回すために自動仕分けプロセスから除去されてしまうので、コストが高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6494446号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0218751号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2958276号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2891168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、代替方法として、束を確実に、かつ再現可能に検出して、検出された位置から下流側で効果的に処理することを確実にできるようにする仕分け機を提案することで、上述の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、立てた状態の扁平物を仕分けるための仕分け機にして、上流側コンベヤと、互いに面して配置される側方下流側ベルトを備え、扁平物を挟んで搬送する構造の下流側コンベヤと、扁平物の束を検出するための検出手段とを含む仕分け機であって、検出手段は、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの間に配設され、さらに、
互いに面して配置される側方有孔中間ベルトを備え、扁平物を挟まずに搬送する構造の中間コンベヤと、
中間ベルトと個々に結合され、中間ベルトそれぞれにおいて、中間ベルト間を流れる任意の扁平物を中間ベルトの一方または他方に押し付けるのに適した吸引力を発生させるのに適した吸引手段と、
中間ベルト間を通過する前記扁平物の縁部の画像を撮るのに適した撮像手段であって、中間ベルトによって画定される通過ゾーンに面して、通過ゾーンの下流側部分に配置される撮像手段と、
画像に基づいて扁平物の任意の束を検出するのに適した画像分析処理手段と
を含むことを特徴とする仕分け機を提供する。
【0014】
本発明の基本概念は、扁平物を挟まずに搬送する上流側コンベヤと扁平物を挟んで搬送する下流側コンベヤとの間に検出手段を配設することである。したがって、検出手段は、扁平物の高さ方向を基準にして独立して動作することができる。検出手段はさらに、扁平物を挟まずに搬送しながら束を検出するように設計されているので、撮像および束検出がより容易に、かつより確実になる。扁平物が通過ゾーンの両側に吸引されることで、せん断力が加わることなく扁平物を側方に分離することができ、扁平物間の距離から扁平物を区別して検出するのがより容易になる。
【0015】
本発明の仕分け機は、有利には、
上流側コンベヤは、互いに面して配置される側方上流側ベルトと下ベルトとを備え、扁平物を挟まずに下ベルト上で高さ方向を基準にして搬送する構造であり、
上流側コンベヤの上流側ベルトは第1の距離だけ互いに離間され、中間ベルトはほぼ前記第1の距離に等しい、またはそれより大きい第2の距離だけ互いに離間され、
第1の距離および第2の距離は一定であり、15ミリメートル(mm)〜30mmの範囲にあり、第1の距離は、好ましくは、ほぼ18mmであり、第2の距離は、好ましくは、ほぼ22mmであり、
中間コンベヤは、中間ベルトをほぼ互いに同じ速度で同時に移動させる構造であり、
吸引手段は、それぞれの中間ベルトの吸引力がほぼ互いに同じになるような構造であり、
下ベルトは、前記中間ベルトの長さの少なくとも一部まで伸びることによって、前記扁平物の底部を支持すると同時に、前記通過ゾーンの下流側部分にある前記撮像手段の視野ゾーンを確保し、
吸引手段は、中間ベルトの底部の限られた高さのみに吸引力を加えるような構造であり、
前記撮像手段は、発光ダイオード(LED)照明が取り付けられたマトリックスアレイ型カメラを含み、
一方の吸引手段の上流側縁部は、他方の吸引手段の上流側縁部に対して前記中間ベルトから上流側にずらされ、
吸引手段は、中間ベルトのそれぞれにおいて、少なくとも約150m/時〜約600m/時未満の流量で、10ミリバール(mbar)〜12mbarの吸引力を発生させるような構造であり、
中間ベルト間を隔てる通過ゾーンは、通過ゾーンの空気力学的外乱を制限する構造の保護プレートで覆われる
という特徴を有することができる。
【0016】
非限定的な例として添付図面を参照して後述する一実施形態の詳細な説明を読めば、本発明はより良く理解され、他の利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の仕分け機の平面図である。
図2図1の仕分け機の部分平面図である。
図3】本発明の仕分け機の検出手段の撮像手段によって撮られた一連の画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、本発明の仕分け機1は、順番に、扁平物を収納する収納マガジン50と、重なった扁平物をばらして連続して配置するのに適したアンスタッカー60と、扁平物を搬送するための上流側コンベヤ10と、下流側コンベヤ30と、扁平物の宛先を解読するための解読システム70と、予め解読された宛先に応じて所定の仕分け計画に従って扁平物を受け取ってその扁平物を重ねるのに適した仕分け出口90とを含む。仕分け機11はさらに、扁平物の束を検出するための検出手段100を含み、検出手段は、上流側コンベヤ10と下流側コンベヤ30との間に配置される。さらに、仕分け機1は、検出手段100によって束であると検出された扁平物を除去するのに適した周知のタイプの除去手段、または束であると検出された前記扁平物を分離するのに適した周知のタイプの分離手段80を含んでもよい。また、仕分け機1の要素間に追加の搬送手段を配設してもよく、仕分け機1は任意の他の適切な機器を含んでもよい。
【0019】
図2を参照すると、上流側コンベヤ10(または「安定化コンベヤ」とも呼ばれる)は、扁平物2が載る下ベルト11であって、扁平物2を仕分け機1の長手方向Fの下流側端部に向かって搬送するのに適した下ベルト11を含む。さらに、上流側コンベヤ10は、上流側プーリー13によって担持され、下ベルト11にほぼ垂直に互いに面して配置される側方上流側ベルト12を含む。上流側ベルト12は、互いにほぼ平行で、第1の距離D1だけ離間しており、その距離D1内では扁平物2を挟まれずに受け取られることができる。第1の距離D1は一定であり、15mm〜30mmであり、好ましくは、ほぼ18mmである。したがって、この第1の距離D1は、束になった2つの扁平物2の厚さより大きい。上流側ベルト12は、扁平物2が単独で流れているか、または束になって流れているかに関係なく、扁平物2が下ベルト11上を長手方向Fに移動する時に扁平物を挟まずに扁平物2を伴う。扁平物2は、高さ方向を基準にして、扁平物2の底部が下ベルト11上に載るようにして自由に配置される。したがって、扁平物2は、高さ方向に設置されて安定されるので、順次束の検出が容易になる。
【0020】
下流側コンベヤ30は、下流側プーリー33によって担持される下流側ベルト32を含み、下流側プーリー33は互いに面して配置され、扁平物2を挟むためのニップ点34を形成するように互いに引き寄せられる。このようにして挟まれた扁平物2は、制御された形で搬送される。下流側コンベヤ30の後に、後述する検出手段100によって束であると検出された扁平物2を除去するのに適した除去手段(図示せず)が配置されてもよい。また、下流側コンベヤ30の後に、例えば、束になった扁平物を単独物に変えるために扁平物2間に長手方向の隙間を形成し、別の扁平物よりも扁平物2の1つを加速させることで、束になった扁平物2を分離するのに適した分離手段80が配置されてもよい。分離手段80の後には、図1に示されている仕分け出口90が配置され、その間に扁平物2は所定の仕分け計画に従って仕分け出口に分配されて重ねられる。
【0021】
検出手段100は、上流側コンベヤ10と下流側コンベヤ30との間に配設される。検出手段100は、中間コンベヤ20と、吸引手段24および25と、撮像手段26と、画像分析処理手段(図2においてブロック4で示されている)とを含む。
【0022】
中間コンベヤ20は、中間プーリー23によって担持され、通過ゾーン27を画定するように下流側ベルト12とほぼ位置合わせして互いに面して配置される側方中間有孔ベルト22を含む。それぞれの中間ベルト22の速度は、互いに等しくなるように、例えば、4m/秒で選択される。中間ベルト22は、第2の距離D2だけ互いに離間され、第2の距離D2内では扁平物2は挟まれずに受け取られることができる。第2の距離D2は、第1の距離以上であり、好ましくは、ほぼ22mmである。例えば、中間ベルト22は、少なくとも約190mmの長さまで伸び、空気を通過させることができるように孔(詳細には図示せず)が開けられている。この最小の長さにより、後述する吸引力が扁平物2を互いに側方に分離する際、および束を確実に検出することを保証する際に十分に効果的となる。下流側ベルト12に沿って伸びる上述の下ベルト11も同様に、中間ベルト22の一部に沿って伸びる。したがって、中間ベルト22は、扁平物2が下ベルト11上を長手方向Fに移動する時に、扁平物2を挟まずに扁平物2を伴う。下ベルト11は、後述する検出手段の視野窓を保護するために中間ベルト22の下流側端部まで伸びない。したがって、この視野窓は、扁平物2が通過する通過ゾーン27に面して配設される。
【0023】
それぞれの中間ベルト22は、横矢印Aで示されるように、中間ベルト22内の孔を通して吸引力を生成するのに適した吸引手段24、25に結合される。したがって、扁平物2が1つずつ中間ベルト22間を移動すると、扁平物2のそれぞれは、吸引力によって、個々に近い方の中間ベルト22に向かって押し付けられる。通過ゾーン27の入口に束が存在すると、扁平物2の1つが吸引力によって中間ベルト22の一方に押し付けられ、他の扁平物2は吸引力によって中間ベルト22の他方に押し付けられる。したがって、束になった扁平物2は、一時的に側方に分離される。吸引手段24、25は、好ましくは、互いに独立し通過ゾーン27に対して中間ベルト22のそれぞれの裏側に延在する2つの吸引室に接続される従来式の2つの真空ポンプ(図示せず)を含む。吸引力に関して吸引手段24、25が互いに独立していることにより、扁平物2が束の場合、扁平物2の1つが中間ベルト22の一方に押し付けられることで他方の中間ベルト22を通る吸引力が増すことはないので、他の扁平物2に吸引力を作用させる際、および第1の扁平物2を中間ベルト22に押し付けるのを妨げることなく前記扁平物2を他方の中間ベルト22に押し付ける際に効果的となり得る。有利には、吸引手段24および25は、中間ベルト22の両方から等しい吸引力が加えられるように配置される。吸引手段24および25は、同時に作用して、中間ベルト22のそれぞれにおいて、好ましくは、約150m/時の流量で、10ミリバール(mbar)〜12mbarの吸引力を生成するように制御され、流量は、約600m/時の限界を超えない限り、もっと速くすることも可能であるが、約600m/時を超えると、吸引ゾーンにおける空気力学的外乱が束になった2つの扁平物2のそれぞれを中間ベルト22のそれぞれに押し付ける効果に悪影響を及ぼす。さらに、吸引手段24および25は、中間ベルト22からの吸引力が、限られた高さのみに影響を及ぼすように、すなわち、中間ベルト22の底部(例えば、下ベルト11より25mm上〜100mm上の範囲)のみに影響を及ぼすように配置される。そのためには、限られた高さの吸引口を備え、および/または孔が中間ベルト22の高さの一部のみに伸びた中間ベルト22を備えることも可能である。この特定の構造により、後述する撮像手段のちょうど上にある扁平物2に悪影響をもたらす空気力学的外乱を制限することができる。さらに、通過ゾーン27は、好ましくは、通過ゾーン27の空気力学的外乱を制限することができる水平保護プレート(図示せず)の下に延在する。この保護プレートは、有利には、通過ゾーン27を通過する扁平物2が操作者に見えるように保護プレート2の長さのほとんどが透明であり、束の検出を妨げないように、後述する撮像手段の上は不透明である。最後に、吸引手段24および25は、有利には、長手方向Fに互いに対してずらされる。したがって、吸引手段25の上流側縁部は、吸引手段24の上流側縁部から下流側に配置される。この構造により、通過ゾーン27に入る第1の扁平物2を、吸引力が早く生じる側、すなわち、吸引手段24と同じ側の中間ベルト22に押し付けやすくなる。束の場合、2つの扁平物2のうちの第1の扁平物2(アンスタッカー60の設計により、ほとんどの場合、吸引手段24と同じ側にある)は、吸引手段24と同じ側の中間ベルト22に押し付けられ、第2の扁平物2が吸引手段25と同じ側の他方の中間ベルト22に容易に押し付けられるように、第2の扁平物2から離れる。
【0024】
検出手段100はさらに、例えば、1つ(または複数)の白色LED(図示せず)のような照明手段と、撮像手段、具体的には、視野窓に面して配置され、例えば、長さが約40mm〜45mm、幅が約22mmのカメラ26とを含む。LED照明は周知のタイプである。このタイプの照明は、扁平物2の底部を予め下ベルト11に対する基準に合わせておくことで使用することができる。カメラ26の視野ゾーンは、通過ゾーン27の下流側部分の中間ベルト22の出口に設けられ、通過ゾーン27の幅全体を覆うことに適している。したがって、カメラ26は、通過ゾーン27を通過する任意の扁平物2の縁部の画像を撮ることができる。さらに、カメラ26の特定の配置により、束になった扁平物2がカメラ26の視野ゾーンに達するまでに、吸引されて中間ベルト22に対して通過ゾーン27の両側に押し付けられる時間が十分にある。このようにして、カメラ26は、扁平物2それぞれの縁部の正確な画像を撮ることができるので、束の検出がより容易になり、より確実になる。有利には、マトリックスアレイ型カメラ26が使用される。このカメラは、線形アレイ型カメラよりコストが安く、変形がなく、画像取得時にコンベヤを通る扁平物の移動によるアートファクトが全くない撮像が可能になるので、分析を信頼性のあるものにすることができる。カメラ26は、特に、クリーニングおよび/またはメンテナンスの作業のために格納できるように枢動可能に取り付けられた支持部(図示せず)によって担持される。扁平物2が予め下ベルト11上に高さ方向に設置されるので、カメラ26が鮮明な画像、および新しい扁平物2が通過ゾーン27に到達する度に調節する必要なく使用できる画像を取得することができるように、カメラ26の焦点を正確に設定することができ、また、同じ理由から、大きな被写界深度または広範囲の照明も必要ない。同様に、束になった扁平物2が通過ゾーン27の両側に吸引されて中間ベルト22に押し付けられることで側方に分離されることにより、カメラ26を使用して扁平物2をより確実に検出することができる。図3は、通過ゾーン27を通過する束になった2つの扁平物2の連続画像取得40〜48の一例を示した図である。例えば、画像40〜48は、一定の時間間隔で、長さ方向に4ドット/mm(dpmm)、幅方向に16dpmmの分解能で、一秒につき100枚の画像数という頻度で撮られる。撮像は、扁平物2の存在を検出した時点で開始することができる。これらの画像40〜48により、視野窓の上の通過ゾーン27を通過する扁平物(単数または複数)2の動的挙動をより細かく分析することができる。束になった扁平物2をより検出しやすくするために側方に分離される扁平物2の挙動が図3に示されている。検出手段100はさらに、画像40〜48に基づいて扁平物2の任意の束を検出するのに適した画像分析処理手段4を含む。画像分析処理手段4は、2つの束になった扁平物2が中間ベルト22に吸引されて押し付けられることにより生じる扁平物2の軌跡間の距離の変動を利用することができる。画像分析処理手段4は、例えば、扁平物2が中間コンベヤ20の後に配設された下流側コンベヤ30によって引き寄せられることで一緒になるように形成される円錐形200を検出するように設定されたパラメータを有してもよい。束になった扁平物2が中間ベルト22からの吸引力によって側方に分離されると、再び下流側コンベヤ30のニップ点34で互いに押し付けられて、再び束になり、この束は仕分け機1のさらに下流側で処理される。
【0025】
変形形態では(図示せず)、下ベルトは下流側ベルトに沿って伸びるだけで、下ベルトの次に、中間ベルトに沿って延在し、かつ視野窓を保護するように延在する平滑摺動ベッドが配置される。この場合、扁平物の公称速度は、扁平物を吸引して扁平物を搬送する中間ベルトによって維持される。
【0026】
本発明により、上述の目的を達成することができる。本発明の仕分け機1により、扁平物2の束の検出がより確実になるので、そのような束をさらに下流側で別個に処理することができる。束になった扁平物を体系的かつ物理的に分離することにより、透明の柔らかいプラスチックで包装された複数の冊子を含む扁平物2の場合に頻繁に発生するような束の誤検出の割合を減らすことができる。特に、中間ベルト22間の第2の距離D2により、このような扁平物2のプラスチック包装がそれぞれの中間ベルト22の両側に押し付けられるのを防ぐことができる。側方に分離される扁平物2に対して行われる束の検出は、挟まれている扁平物に対して行われる検出に比べてはるかに簡単である。
【0027】
当然、本発明は、上述した本発明の実施形態の1つの説明に限定されず、本発明の範囲を逸脱せずに上述の実施形態に修正を施すことが可能である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】