(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-505522(P2015-505522A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(54)【発明の名称】改良型の航空機ギャレー
(51)【国際特許分類】
B64D 11/04 20060101AFI20150127BHJP
【FI】
B64D11/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-553519(P2014-553519)
(86)(22)【出願日】2013年1月22日
(85)【翻訳文提出日】2014年7月23日
(86)【国際出願番号】US2013022583
(87)【国際公開番号】WO2013112485
(87)【国際公開日】20130801
(31)【優先権主張番号】61/589,668
(32)【優先日】2012年1月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/746,250
(32)【優先日】2013年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ゴドカー、ウィリアム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バード、ピーター ジョン レスリー
(72)【発明者】
【氏名】アロンソン、ウィリアム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ズウィーテン、ニコラース ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ペトリー、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ピリー、クリストファー アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ケメリー、マイク
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ニルセン、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ゴー、エディー
(57)【要約】
【解決手段】独立型の飲料ステーションと独立型の調理ステーションを備える航空機ギャレーを開示する。各ステーションは、伸縮型の作業デッキと、脱着自在な統合型の設備を有する。飲料ステーションは、飲料を淹れるステーションと、トップ・ローディング方式のゴミのコンパートメントを有し、調理ステーションは、複数のオーブンと冷却ユニットを備える。ギャレーは、乗客に飲料をセルフサービスする場所として使うことができるサイド冷却ユニットを更に含み、両ステーションは、更に、乗客とやりとりするためのLEDディスプレイを備えてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ステーションと調理ステーションの2つの独立型構造物を備え、
前記飲料ステーションは、複数の飲料カート格納室と複数の飲料を淹れる装置とを統合し、
前記調理ステーションは、複数の飲料カート格納室と複数のオーブンを備えており、更に、
シンクおよび蛇口と、
前記2つの独立型構造物のいずれかの少なくとも片面に設置される表示スクリーンと、
前記独立型構造物の側面から飲料を提供可能な少なくとも一つのサイド冷却ユニットと、
トップ・ローディング方式のゴミ捨てと、
作業照明と、
ギャレーの設備を操作するための少なくとも一つのタッチスクリーン・インタフェースと、
を備えることを特徴とする航空機ギャレー。
【請求項2】
各独立型構造物は、LED表示スクリーンを備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項3】
前記飲料ステーションは、少なくとも、一つのコーヒーを淹れる装置と、一つのエスプレッソ・マシンと、一つの給湯装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項4】
前記コーヒーを淹れる装置の上にカップ保管棚を更に備え、
前記カップ保管棚は透明窓を有することを特徴とする請求項3に記載の航空機ギャレー。
【請求項5】
少なくともいずれかの前記独立型構造物の外面にブランディング・プレースホルダー(branding placeholder)を設置することを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項6】
前記ブランディング・プレースホルダーは、実質的に前記独立型構造物の全長に達する大きさであることを特徴とする請求項5に記載の航空機ギャレー。
【請求項7】
前記飲料ステーションは、二つのハーフ・オーブンを備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項8】
前記飲料ステーションと前記調理ステーションは、いずれも伸縮型作業デッキを備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項9】
前記調理ステーションは、食料を冷やす第1半部と飲料を冷やす第2半部を含むダブルの冷却ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項10】
前記冷却ユニットは、乗客に飲料を提供するために前記独立型構造物の側面に開く扉を有するサイド冷却ユニット、を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の航空機ギャレー。
【請求項11】
前記調理ステーションは、シングル・オーブンとダブル・オーブンを備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項12】
前記調理ステーションは、排気機構に統合される照明を有することを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【請求項13】
前記飲料カート格納室は、格納室をロックするラッチを有しており、片手で開放可能であることを特徴とする請求項1に記載の航空機ギャレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2012年1月23日に出願された米国仮出願第61/589,668号の優先権を要求し、その全体が参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
伝統的には、現在の商用航空機には、一般的にギャレーとよばれる飲食調理のための場所が乗客とクルーへのサービスために設けられる。ギャレーは、冷却ユニット、ヒーター、オーブン、飲料を淹れる装置(beverage brewing machines)など、飲食物の保管・調理・廃棄のためのさまざまな設備を有する。上述の装置に加えて、ギャレーの設備としては飲料ディスペンサー、ごみ圧縮機、飲料カートなどの装置が含まれることもある。しかしながら、現状のギャレーは、こういった設備を単一システムの部品として統合するよりも、箱の中の道具類(items in a box)として扱っている。あらゆる航空機設備と同様、今日の航空機ギャレーは、重量・空間の節減と効率性の模範になろうとしている。航空機ギャレーのすべての部材は、こういった節減原則を守り、コンパクトかつ効率的でなければならないが、機能性と利便性も維持しなければらなない。すべての設備は、割り当てられた空間を効率的に活用するとともに人間工学にもかなうような配置をされねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ギャレーをうまく機能させるためには統合化(organization)こそが決定的に重要である。ギャレーは、ゆとりのある保管スペースを持つとともに効率的に手作業できるものでなければならない。ギャレーには、特殊で絶え間なく変化する食事サービスや乗客の要望に応じられるだけの柔軟性も求められる。手早く調理・清掃が可能な機能的装備も、ギャレーをうまく機能させる上では重要である。人間工学も、ギャレーのデザインとっては重要な役割を担う。電気機器や頭上の保管場所(overhead storage)は、比較的背の低いフライトアテンダントにとって取り扱いにくいこともある。やっかいな繰り返しの動作は、疲労や怪我につながることもあるので、ギャレーは、可能なら、このような繰り返し動作に関連したストレスをやわらげられるようにデザインされなくてはならない。現状のギャレーはアテンダントが問題のある姿勢を取ることなく調理や清掃をするのに必要なだけの作業スペースを確保できていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、効率性、安全性、省スペースと軽量化を促進するようにデザインされたモジュラー式の航空機ギャレーに関する。本発明のギャレーは、飲料ステーション(bevarage station)と調理ステーション(food preparation station)という2つの独立型ステーション(stand-alone station)を含む。各ステーションは、統合型の電気機器と効率性と安全性を向上させる空間節約機構を有する。飲料ステーションは、複数の飲料を淹れる装置、飲料カート保管室(bevarage cart storage compartment)、乗客用のセルフサービスの冷蔵庫、必要時にカウンターのスペースを拡大する少なくとも一つの引き出し式の作業デッキを含む。調理ステーションは、複数のオーブン、冷却ユニット(refrigeration unit)、飲料カート保管室、少なくとも一つの引き出し式の作業デッキ、セルフサービスの冷蔵庫、タッチスクリーン操作装置を備える。本発明におけるモジュラー式のギャレーは、コンパクトな空間節約構造にて、商用航空機における飲食サービスを効率的に提供するのに必要なすべての装備を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【0006】
【
図2】好ましい実施形態における飲料ステーションの正面図である。
【0007】
【0008】
【
図4】シンクと蛇口がある場所の拡大正面図である。
【0009】
【
図5】トップ・ローディング方式のゴミ捨て(top loading trash chute)の拡大正面図である。
【0010】
【0011】
【
図7】第1の実施形態における調理ステーションの正面図である。
【0012】
【
図8】オーブンと冷却ユニットの立面斜視図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【
図12】冷蔵庫、キャビネット、オーバーヘッド・ライトの斜視図である。
【0017】
【
図13】引き出し棚(pull-out shelves)の斜視図である。
【0018】
【
図14】セルフロック・キャビネットの斜視図である。
【0019】
【
図15】オーバーヘッド・キャビネットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明におけるモジュラー式の統合型ギャレーの外観図を示す。ギャレーは、独立型の飲料ステーション100と、独立型の調理ステーション200を含む。飲料ステーション100は、コーヒー、エスプレッソなど要望されるさまざまな飲料を準備して乗客に提供する。一方、調理ステーション200は、オーブンや冷蔵庫など食事サービスに必要な保管・調理・清掃のための設備を有する。各ステーション100,200の外部には、たとえば、LEDスクリーンのような表示スクリーン110,210があり、乗客に指示したり、航空会社の収益に貢献する広告を表示したり、ギャレーが提供するアメニティの情報を提供できる。より好ましくは、各ステーションの外部に、航空会社を宣伝したり、航空会社または他の広告主によって貸し出し可能な広告スペースを提供するブランディング・プレースホルダー215(branding placeholder 215:ブランド表示領域)を設置してもよい。ブランディング・プレースホルダー215は、大きく、露出と可視性を最大化するために乗客からよく見えるところに置かれる。
【0021】
図2は、本発明の第1の好ましい実施形態において、ギャレーにおける独立型の飲料ステーション100を示し、このステーションは商用航空機における飲料配布センターとして機能する軽量構造体13を含む。モジュラー式の飲料センター100は、乗客にソフトドリンクをセルフサービスで提供するサイド冷却ユニット(side refrigeration unit)、2つのハーフ・オーブン12、2つのコーヒー・メイカー14、2つのエスプレッソ・メイカー16、2つの給湯器18、を含めた乗客サービス用の統合設備を有する。構造体13は、乗客サービスを補助するための飲料カートを収納する6つの飲料カート格納室20、シンク30、蛇口29、トップ・ローディング方式のゴミ捨て、作業照明、タッチスクリーン・ユーザインタフェースを備える。すべての部材は、作業性を犠牲にせずに機能性を実現できるように、コストと空間の観点からみて効率的な利用が可能な配置がなされる。以下に、各部の詳細を述べる。
【0022】
図3は、飲料ステーション100の左右に位置する第1および第2の飲料センター22を示す。各飲料センター22は、作業の流れを最大化するために航空機通路に隣接している。飲料センター22は、フライトアテンダントが作業場を見やすくするためにオーバーヘッド・ライト40を備える。キャビネット24の上のタッチ式操作装置31によりオーバーヘッド・ライト40を操作する。飲料センター22の上のキャビネット24は、乗客用の多数のコーヒーカップやティーカップ42を収納するサイズを有し、かつ、取り扱いやすい収納場所となっている。キャビネット24は作業場の邪魔になるようなハンドルをもたず、フライトアテンダントが容易に届く高さに配置してもよい。しずく受け(drip tray)27を有する飲料センター22の前のカウンター26は、食事トレイ全体を支えることができるので、フライトアテンダントは、飲料の準備中にそこにトレイを置いておくことができる。好ましくは、キャビネット24の上にあるギャレー上部面のタッチ式操作装置31により、飲料ステーション100にある電気機器を個別に制御できるとよい。専用タッチスクリーン31は個別に電気機器を制御し、ユーザインタフェース・スクリーン33はカスタマイズおよびアップグレードが可能である。フライトアテンダントに操作感を与える方法としては、ハプティクス(触覚技術)や他の画面表示反応などが考えられる。
【0023】
図4は、好ましい実施形態におけるオーブン28、シンク30、蛇口29の配置を示している。オーブン28は、1回で複数の食事を調理できるように複数段39を有している。タッチスクリーン操作装置32とインタフェース画面33によりオーブン28を簡単かつ効率的に操作できる。好ましい実施形態においてはハーフ・オーブンを使っているので、さまざまな温度でさまざまな料理を作ることができる。このため、他の乗客とは違う料理を望む乗客の特別な要望にも応えることができる。オーブン28は、特別な状況で発生する必要性にも応えられるようにフルサイズの食事トレイを複数セットできる構造になっている。シンク30は2つのオーブン28の間にあり、皿を洗ったり他の調理をするための蛇口29を有する。本発明における飲料ステーション100の他の特徴として、オーブン28とシンク30のオーバーヘッド・タッチ操作装置32が、特定の電気機器の上にあるので使いやすい。
図5に示すようにシンク30のとなりには、飲食準備に際して生じるゴミを簡便に廃棄するため、旋回扉41付きのトップ・ローディング方式のゴミ捨て34が設置される。ゴミ捨て34の上部開閉は、横積みのゴミバケツよりも使いやすいので、ゴミの廃棄と清掃に要する時間を減らすことができる。
【0024】
図6は、本発明におけるギャレーの飲料センター22と保管領域24とともに、オーバーヘッド照明40の別の外観も示す。飲料センター22には、紅茶やインスタントコーヒーのための給湯口51を有する給湯器18、さまざまな紅茶や飲料を準備するためのエスプレッソ・メイカー15やコーヒー・メイカー14がある。これらの電気機器は人間工学を考慮して作業デッキの高さに備えられているので、怪我の可能性や乱気流でこぼしてしまう可能性を減らすことができる。また、これらは飲料ステーション100の再設計をしなくても、手早く取り替えられるようにモジュール化されている。保管キャビネット24は、飲料を淹れる装置のすぐ上にあり、コーヒーカップやマグ42を積み重ねなくてもゆったりと収容できる。これは、乱気流がモノを動かしたり、キャビネットを開いたときに落としたりすることがあるため重要な点である。保管キャビネットのドア46は、フライトアテンダントがキャビネット24の中のものが不安定になっていてもあらかじめ注意し、カップなどの保管されているものの状態を素早く簡単に確認できるように透明であることが好ましい。航空会社が飲料ユニットの数やタイプをカスタマイズできるように飲料ユニットは取り付け自在となるように設計されることがより好ましい。
【0025】
図7は、飲料ステーション100と連携してフルサービスのギャレーを構成する調理ステーション200を示す。調理ステーション200は、乗客のセルフサービス用の冷蔵庫となるサイド冷却ユニットと、ダブル冷蔵庫50と、ダブル・オーブン60と、ハーフ・オーブン65と、6つの飲料カート格納室20と、伸縮型作業デッキを有する。これらの詳細について以下に述べる。
【0026】
図8に示すように、調理ステーション200は、ダブル冷却ユニット50と、ダブル・オーブンユニットを備えてもよい。ダブル冷却ユニット50(
図9参照)は、飲料冷却のためのサイド52と、食料保存のためのサイド54に分かれている。ダブル冷却セクションは、飲食物を冷却し、横からセルフサービスで取り扱える。一方、サイド冷却セクションは、前から冷えた飲食物を搬入し、通路からセルフサービスで取り扱える。冷却ユニットの前には、デッキの上で飲み物を注げるように伸縮可能な作業デッキ71があり、デッキはギャレーでの通行の邪魔にならないように空洞部に戻される。タッチ操作装置61は、操作しやすくするために冷却ユニットのすぐ上に設置されている。ダブル冷却ユニット50は容量が大きいため、複数のシングル冷却ユニットよりもスペースと重量を節減できる。ダブル冷却ユニット50の各半部は、簡単に外に開く扉59と、半部ごとの操作に対応するタッチ操作装置61を有する。食料保存側54は、調理ステーション200の側面において
図10に示すように乗客セルフサービスの飲み物を置く場所にしてもいい。となりの半部54上にある冷蔵庫50の扉81は、ハンドル85により矢印83の方向に滑らせて開けることで、冷えた飲料の缶87を取り出せてもよい。このように、乗客はギャレーのところに歩いていって、アテンダントに手伝ってもらわなくても、また、ギャレーに入り込まなくても、好きな飲み物を選ぶことができる。
図10に示すセルフサービスの冷蔵庫は、飲料ステーション100と調理ステーション200の双方それぞれの両端または一端に設置されることに留意されたい。また、スライド扉のとなりには、メニュー表示や広告表示のために充分なスペースがある。
【0027】
図11に示すように、調理ステーション200はダブル・オーブンユニット60とハーフ・オーブンユニット65を備えている。このような構成によればシングル・オーブンユニットを複数備えるよりも空間と重量を節減できる。各電気機器は、それぞれを個別制御可能なタッチスクリーン付きのオーバーヘッド・タッチスクリーン操作装置32を備える。ユーザインタフェース画面はカスタマイズ可能かつアップグレード可能であり、ユーザに操作感を与えるために触覚を提供してもよい。
図11に更に示すように、オーブンのとなりの作業エリアはデッキ80をひっぱることで広くなるので、作業性と利便性がいっそう向上する。引き出し式のデッキ80は空間を節約し、ギャレーを通行しやすくするために不使用時にはステーションに戻される。限られた力で引き出せるようにしつつもデッキ80を支える溝またはレールによって、引き出し式のデッキ80を支えてもよい。引き出し式のデッキ80がフライト中に不意に伸びてこないように、戻り止めや留め具(図示せず)を設けてもよい。
【0028】
図12は、キャビネットとオーブンの上の通気および照明構造を示す。作業照明90は、通気構造92と一体化し、作業デッキ26と伸縮型作業デッキ99を上から照らす。照明90や通気口92を既存構造に取り込んでいるので、照明設備が作業の流れをさまたげるほど突き出すことはない。
図13は、更に、好ましい実施形態においては通常のポジションから6インチ延伸可能な伸縮型の作業デッキ99を示している。前面97は、作業デッキを引き出すリリースラッチ95を有し、ラッチ95を押し込むと作業デッキ99は不意に飛び出ないようにロックされる。伸縮型の作業デッキ99は、必要に応じて使用可能な作業スペースを実質2倍にすることができ、かつ、簡単に素早く収納できる。
【0029】
図14は、ハウジング扉94の開放のためのラッチ機構96を示す。好ましい実施形態において、キャビネットとコンパートメントは、取り扱いやすいように大文字の「C」のような凹部98を備えた二重保持パドルラッチ96を利用している。好ましい実施形態においては、片手で操作できるくらい近くにこれらのラッチ96がある。ハウジング扉94のロック機構はハンドル93の中にあるので、扉94がしまっているときにはラッチ94は自動的にかみ合う。これによりアテンダントが介在しなくても扉94を確実に固定できる。
図15に示すような頭上のコンパートメントにおいては、補助ハンドル103がカップボード扉107と一体化していて、大きな二重保持パドルラッチ109は標準ユニット扉の下にあるので使いやすくなっている。標準ユニット扉107は、ラッチを外すと少しだけ開くようになっているので、片手で操作できる。これらのラッチ109は近くにあるので同様に片手操作できる。
【0030】
本発明のギャレーに導入される便利で経済的なシステムとしては、以下に限定されるものではないが、空水冷、配管、エアダクト、電気操作装置(スマート・バー:smart bar)も含まれる。構造物の至るところで排気システムに成型炭素繊維を用いて構築する方法もある。構造物への挿入物(inserts into the structure)と扉のラッチ(トロリーや標準ユニット扉)を一体化してもよい。扉はドアバンプを帯状に一体的に有し(Doors include door bump stripe integration)、ギャレーは持ち運び可能な踏み台や飲料カートの保管庫を有する。オーブンとしては、シングル・オーブン、ダブル・オーブン、トリプル・オーブン、ハーフ・オーブンを採用可能である。ゴミ捨ては、トップ・ローディング方式のもの、カウンターから投入できるゴミ容器、トップ・ローディング式のゴミ圧縮機を含む。冷却ユニットは、二倍幅の冷蔵庫や複数の冷却ゾーンを有する二扉式(two door access)のものを含む。飲料エリアは、脱着自在に形成されることが好ましい。蛇口は、ハンズフリーでつかえるように中央センサー前の動きで蛇口をオン・オフ可能な近接センサを備える。電気制御システムは、タッチスクリーンのユーザインタフェースを含み、かつ、脱着可能である。すべての導入操作と単一のPCBのために、単一のファームウェアを、本体から切り離されたユーザインタフェースに導入することもできる。ユーザインタフェースは、診断機能によりカスタマイズ、アップグレード/アップデートできてもよい。
【0031】
ギャレーをコンパクトにすることで従来の航空機ギャレーよりも空間を節約でき、その分、乗客シートを追加するための貴重なスペースを作ることができる。
本発明のこれらの特徴は、添付の図面に示されるが、これらはあくまでも例示であり本発明の権利範囲を制限するものではない。
【国際調査報告】