【実施例】
【0279】
合成例
合成例1:9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)のジアステレオマー混合物の調製
【化5】
【0280】
(0294)
a.化合物11の調製
イソプロピルL−アラニンエステル塩酸塩10(1kg、5.97モル、1.0当量)及び炭酸水素カリウム(1.45kg、14.5モル、2.43当量)をDCM(4kg)中,ポット温度を19〜25℃の間に維持しながら、10〜14時間、最大振盪で振盪した。次に、この混合物を濾過し、DCM(2kg)でよくすすいだ。濾液を4Åモレキュラーシーブスのベッド上で、溶液の水分含量が≦0.05%となるまで乾燥させた。次に、得られた化合物11含有原液をポット温度が−20℃となるまで冷却し、その後の使用のために保持した。
【0281】
(0295)
b.化合物13aの調製
60℃にて、アセトニトリル(5.5kg)中、塩化チオニル(0.72kg、6.02モル、2.19当量)の溶液に、化合物12(1kg、2.75モル、1.00当量)を10等分にして2時間かけて加えた。次に、ポット温度を70℃に調整し、1〜3時間、
31P NMR分析により完了したと思われるまで(目標:12.6ppmでの出発材料シグナルの、22.0ppmでの生成物シグナルへの変換率が>97.0%)撹拌した。次に、ポット温度を40℃に調整し、真空を適用した。この混合物を、最大ジャケット温度を40℃に維持しながら、蒸留乾固させた。その後、乾燥残渣をジクロロメタン(30kg)に溶かし、ポット温度を19〜25℃に調整した。得られた化合物13a含有スラリーをその後の使用のために保持した。
【0282】
(0296)
c.化合物15の調製
−25℃で、イソプロピルL−アラニンエステル11(4.82当量)の原液に、化合物13a(1.0当量)を含有するスラリーを、ポット温度を≦−10℃に維持しながら最低2時間かけて加えた。次に、この混合物を少なくとも30分間、≦−10℃の温度に維持した後、ウォーターウェットpH試験紙を用いてpHを確認した。pHが<4であれば、トリエチルアミンでpH4〜7への調整を行った。次に、ポット温度を室温(19〜25℃)に調整した。別の容器に、水(16kg)中、第一リン酸ナトリウム(2.2kg、18モル、6.90当量)の溶液を調製した。この第一リン酸ナトリウム溶液の半量をホスホンアミデート反応槽に投入し、激しく撹拌した。層を安定させ、分液した。有機層を、残りの半量の第一リン酸ナトリウム溶液で再び洗浄した。別の容器に、水(5.5kg)中、炭酸水素カリウム(1.1kg、11モル、4.22当量)の溶液を調製した。この炭酸水素カリウム溶液の半量を前記有機相に投入し、激しく撹拌した。層を安定させ、分液した。有機層を残りの半量の炭酸水素カリウム溶液で再び洗浄した後、最終の水(3.3kg)洗浄を行った。次に、この有機相を保持し、およそ6Lの容量となるまで蒸留した。得られた溶液の水分含量を分析した。水分含量が>1.0%であれば、DCMを投入し、およそ6Lまでの蒸留を繰り返すことができる。溶液の水分含量が約1.0%以下となったところで、ポット温度を19〜25℃に調整した後、DCM原液を排出し、9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)のジアステレオマー混合物を得た。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3): δ1.20 - 1.33 (m, 12H), 3.62 - 3.74 (m, 1H), 3.86 - 4.22 (m, 5H), 4.30 - 4.44 (m,1H), 4.83 - 5.10 (m, 1H), 6.02 (br s, 3H), 7.18 - 7.34 (m, 5H), 7.98 - 8.02 (m,1H), 8.32 - 8.36 (m, 1H);
31P NMR (162 MHz, CDCl
3): δ.21.5, 22.9。
【0283】
合成例2:9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)のジアステレオマー混合物の結晶化誘導動的分割による9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(16)の取得
【化6】
【0284】
(0297)
オーバーヘッドスターラー、蒸留装置、及び窒素入口を備えた容器に、アセトニトリル中、9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)のジアステレオマー混合物の22質量%溶液(2.3kg溶液、0.51kg 15、1.1モル、1当量)を投入した。この混合物を45〜55℃の温度範囲にて100〜300ミリバールでの蒸留により終濃度30〜35質量%まで濃縮した。次に、蒸留装置を取り外し、溶液を20℃まで冷却した。この溶液に2.0%化合物16を種結晶として加え、20℃で1時間撹拌した。フェノール(9.9g、0.11モル、0.1当量)及びDBU(16g、0.11モル、0.1当量)を加え、この混合物を更に24時間又は溶液中に残留する化合物16の質量パーセントが12%未満となるまで撹拌した。次に、このスラリーを0℃まで冷却し、0℃で更に18時間撹拌した。このスラリーを濾過し、0℃にて酢酸イソプロピル:アセトニトリルの1:1溶液(1.5L)で洗浄した。これらの固体を50℃の真空炉で乾燥させ、0.40kgの化合物16を白色固体として得た(収率80%)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3): δ 1.21 (m, 9H), 1.28 (d, J = 7.0 Hz, 3H), 3.65 (dd, J= 13.1, 10.7, 1H) 4.00 (m, 4H), 4.33 (dd, J= 14.4, 3.1 Hz, 1H), 5.00 (m, 1H) 6.00 (bs, 2H), 6.99 (m, 2H), 7.07 (m, 1H), 7.19 (m, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.33 (s, 1H)。
31P NMR (162 MHz, CDCl
3): δ.20.8。
【0285】
(0298)
合成例3:高ジアステレオマー純度での化合物13aの調製
周囲温度にて、トルエン(60mL)中、化合物12(10.0g、27.5mモル、1.00当量)のスラリーに、塩化チオニル(3.0mL、41mモル、1.5当量)を加えた。このスラリーを70℃に加熱し、HPLCにより反応及びジアステレオマー富化が完了したと思われるまで(目標:化合物12から化合物13aへの変換率>97.0%且つ化合物13aのジアステレオマー比>90:10)、48〜96時間振盪した。この混合物を真空蒸留により濃縮乾固し、乾燥残渣をトルエン(50mL)に溶かした。得られた化合物13a含有スラリーをその後の使用のために周囲温度で保持した。
【0286】
(0299)
合成例4:高ジアステレオマー純度での9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)の調製
−25℃にて、DCM(80mL)中、イソプロピルL−アラニンエステル11(4.50当量)の溶液に、トルエン(50mL)中、化合物13a(1.00当量)(ジアステレオマー純粋が少なくとも90%)含有スラリーを、内部温度を≦−20℃に維持しながら、最低45分かけて加えた。次に、この混合物を≦−20℃の温度で少なくとも30分間保持し、ウォーターウェットpH試験紙を用いてpHを確認した。pHが<4であれば、それをトリエチルアミンでpH4〜7に調整した。ポット温度を室温(19〜25℃)に調整した。この混合物を分液漏斗に移し、10%質量/容量第一リン酸ナトリウム水溶液(2×50mL)、15%質量/容量炭酸水素カリウム水溶液(2×20mL)、及び水(50mL)で順次洗浄した。最終の有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、粘稠な琥珀色の油状物を得た。この油状物をトルエン/アセトニトリル(4:1)(50mL)に溶解させ、この溶液に9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(約1mg、9ジアステレオマー比9:1)を種結晶として加え、周囲温度で2時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキをトルエン/アセトニトリル(4:1)(15mL)で洗浄し、40℃の真空炉で16時間乾燥させ、生成物9−[(R)−2−[[(R,S)−1−[[(S)−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(15)を白色固体として得た(10.0g、76.4%、ジアステレオマー比97.5:2.5)。
1HNMR (400 MHz, CDCl
3): δ 1.20 - 1.33 (m, 12H), 3.62 - 3.74 (m, 1H), 3.86 - 4.22 (m, 5H), 4.30 - 4.44 (m, 1H), 4.83 - 5.10 (m, 1H), 6.02 (br s, 3H), 7.18 - 7.34 (m, 5H), 7.98 - 8.02 (m, 1H), 8.32 - 8.36 (m, 1H);
31P NMR (162 MHz, CDCl
3): δ.21.5, 22.9。
【0287】
(0300)
合成例5:化合物12の調製
オーバーヘッドスターラー、還流冷却器及び窒素入口を備えた容器に、PMPA(100.0g、0.35モル、1当量)、次いで、アセトニトリル(800mL)を投入した。この容器にトリエチルアミン(71.0g、0.70モル、2当量)、次いで、DMAP(42.6g、0.35モル、1当量)及び亜リン酸トリフェニル(162.1g、0.52モル、1.5当量)を加えた。この混合物を80℃まで加熱し、80℃で≧48時間、又は
31P NMRにより反応が完了するまで振盪した(この反応から直接サンプルを採取し、D
2O中10%H
3PO
2を含有するインサートを加える。生じた中間体は無水PMPAであり、6ppmにあり;生成物は11ppmにある。この反応は、存在する無水物が5%未満となった場合に完了とみなされる)。この反応混合物をアセトニトリルが約1.5容量となるまで蒸留し、酢酸エチル(200mL)及び水(300mL)で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(200mL)で2回洗浄した。この水層を前記容器に再投入し、12.1M HCl(21.0mL)を用いてpHをpH3に調整した。次に、この反応物に、0.05%の化合物12を種結晶として加え、25℃で撹拌した。pH2となるまで、更に12.1M HClを20分かけて加えた(7.0mL)。この結晶体を周囲温度で30分間撹拌した後、2時間かけて10℃まで冷却した。10℃となったところで、この結晶体を10℃で2.5時間撹拌した。このスラリーを濾過し、pH1.5の水(200g)で洗浄した。真空炉で乾燥させた後、102.2gの化合物12(収率81%)が白色固体として得られた。
1HNMR (400 MHz, D
2O): δ 1.31 (d, J= 6.1 Hz, 3H), 3.59 (dd, J = 14.0, 9.0 Hz, 1H), 3.85 (dd, J= 14.0, 9.0 Hz, 1H), 4.1 (m, 1H), 4.3 (dd, J= 15.0, 9.0 Hz, 1H), 4.5 (dd, J= 15.0, 2 Hz, 1H), 6.75 (d, J= 7 Hz, 2H), 7.15 (t, J= 7 Hz, 1H), 7.25 (t, J= 7 Hz, 2H), 8.26 (s, 1H), 8.35 (s, 1H)。
31P NMR (162 MHz, D
2O): δ.14.8。
【0288】
(0301)
合成例−テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩
合成例6
テノホビルアラフェンアミド一フマル酸塩固体(5.0g)及び9−[(R)−2−[[(R)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(GS−7339)一フマル酸塩固体(0.75g)を、22℃で35gのMTBEに投入し、この混合物を1時間撹拌した。スラリーが形成され、ロータリーエバポレーターで乾燥した。これらの固体に58gのアセトニトリル(ACN)を投入し、この混合物を加熱還流して前記固体を溶解させた。得られた溶液を振盪しながら自然冷却した。スラリーが形成され、このスラリーを氷水浴によって更に冷却した。これらの固体を濾過により単離し、5gのACNで洗浄した。これらの固体を40℃の真空炉で一晩乾燥させた。5.52gの灰白色固体を得た。これらの固体をXRPDにより分析したところ、テノホビルアラフェンアミド一フマル酸塩、GS−7339一フマル酸塩、及びテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を含有することが判明した。
【0289】
(0302)
合成例7:選択的結晶化によるテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩の調製
ACN中のスラリーとしての9−[(R)−2−[[[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(9.7kgスラリー、13.8質量%、1.0kg(2.10モル、1モル当量)の9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンと0.35kgの9−[(R)−2−[[(R)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンのジアステレオマー混合物を反応槽に投入し、ジクロロメタン(5kg)でよく洗浄した。この混合物を、40℃より低いジャケット温度で約3Lまで真空濃縮した。次に、この濃縮物を、40℃より低いジャケット温度で約3Lまで真空下でACN(6kg)とともに共蒸発させた。この濃縮物をACN(8.5kg)で希釈し、40〜46℃まで温めた。この温混合物を第2の反応槽へと濾過し、濾液を19〜25℃まで冷却した。
【0290】
(0303)
上記の溶液にフマル酸(0.13kg、1.12モル、0.542モル当量)、次いで、ACN(1kg)を投入し、この混合物を67〜73℃に加熱した。この熱混合物を、ポリッシングフィルター(polishing filter)を介して反応槽に移した後、54〜60℃に調整した。ヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドの種結晶(5g)を投入し(例えば、この混合物に、合成例6又はそれに続く製造で生成されたテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を種結晶として加えることができる)、得られた混合物を54〜60℃で約30分間振盪した。この混合物を最低4時間かけて0〜6℃まで冷却した後、0〜6℃で最低1時間振盪した。得られたスラリーを濾過し、冷却した(0〜6℃)ACN(2kg)ですすいだ。この生成物を、乾燥減量(LOD)及び有機揮発性不純物(OVI)限界が適合するまで(LOD≦1.0%、ジクロロメタン含量≦0.19%、アセトニトリル含量≦0.19%)、45℃より低い温度にて真空下で乾燥させ、ヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドの最終化合物を白色〜灰白色粉末として得た(典型的収量は約0.95kgである)。
1HNMR (400 MHz, d6 DMSO): δ 1.06 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 1.12-1.16 (m, 9H), 3.77 (dd, J = 10.4, 11.6 Hz, 1H), 3.84-3.90 (m, 2H), 3.94 (m, 1H), 4.14 (dd, J = 6.8, 14.8 Hz, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.85 (heptet, J = 6.0 Hz, 1H), 5.65 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.05 (d.J = 7.6 Hz, 2H), 7.13 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.24 (s, 2H), 7.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 8.13 (t, J = 13.6 Hz, 2H)。
31PNMR (162 MHz, d6 DMSO): δ 23.3。
【0291】
(0304)
合成例8:テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩の調製
オーバーヘッドアジテーターを備えたジャケット付き反応槽に、9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(10g)、フマル酸(1.22g)、及びACN(100mL)を投入した。この混合物を70〜75℃に加熱して固体を溶解させた。不溶性の粒子をカートリッジフィルターにより濾去した。濾過した溶液を60〜65℃に冷却し、種結晶として1%(質量)のテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を加えた。このスラリーを30分間熟成させ、2時間かけて0〜5℃に冷却した。この温度を1〜18時間維持し、得られたスラリーを濾過し、2mlの冷ACN(0〜5℃)で洗浄した。これらの固体を50℃にて真空下で乾燥させてヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドを得、これを下記のように特性決定した。
【0292】
(0305)
合成例8からのテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩の特性決定
合成例8からのテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩は、9−[(R)−2−[[(S)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンと2分の1当量のフマル酸からなる。テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩は無水、非吸湿性であり、且つ、DSC開始発熱が約131℃である。
【0293】
(0306)
X線粉末回折
テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩のXRPD図形は、以下の実験設定:45KV、45mA、Kα1=1.5406Å、スキャン範囲2.〜40°、ステップサイズ0.0084°、カウント時間:8.25秒。テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩のXRPD図形を
図13に示す。特徴的なピークとしては、6.9±0.2°、8.6±0.2°、10.0±0.2°、11.0±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、20.2±0.2°、及び20.8±0.2°が含まれる。
【0294】
(0307)
単結晶X線回折
結晶サイズは0.32×0.30×0.20mm
3であった。サンプルを50.6℃(123K)で保持し、データは、1.59〜25.39°のθ範囲で波長0.71073Åの線源を用いて採取した。単結晶X線回折の条件、及びそれから採取されたデータを表1に示す。
【0295】
【表1】
【0296】
(0308)
DSC分析
DSC分析は、2.517mgのテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を用いて行った。これを40〜200℃の範囲にわたって10℃/分で加熱した。開始発熱は約131℃であることが判明した(
図14)。
【0297】
(0309)
TGAデータ
TGAデータは、4.161mgのテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を用いて得た。これを25〜200℃の範囲にわたって10℃/分で加熱した。このサンプルは融解前に0.3%の質量を失った(
図15)。これは無水型であると判定された。
【0298】
(0310)
DVS分析
DVS分析は、4.951mgのテノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を用いて行った。この材料を25℃にて窒素中、10%〜90%の相対湿度範囲の複数の湿度で維持し、各段階を120分間平衡化した。吸着等温線を
図16に示す。この材料は、非吸湿性で、相対湿度90%で0.65%の水を吸着することが判明した。
【0299】
(0311)
ジアステレオマー不純物のパージ
テノホビルアラフェンアミドの従来の合成では、主要不純物の1つは一般にジアステレオマー9−[(R)−2−[[(R)−[[(S)−1−(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンである。合成例8からのヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミド、一フマル酸塩形態の能力(例えば、米国特許第7,390,791号明細書に記載)に比べて、このジアステレオマー不純物をパージする例外的能力を有する。表2(下記)のデータは、テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩(バッチ2)は、ジアステレオマー不純を出発濃度の10分の1未満にまでパージしたのに対して、テノホビルアラフェンアミドの一フマル酸塩形態(バッチ1)は、ジアステレオマー不純物をわずかにパージするに過ぎなかった。
【0300】
【表2】
【0301】
(0312)
化学安定性
ヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドの化学安定性を一フマル酸塩形態と比較した。表3(下記)に示されるように、同じ条件下で、ヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドは、一フマル酸塩形態よりも化学安定性が高く、より良い長期保存安定性を示し、有意に分解(%全分解産物)が少ない。評価した条件には、温度、相対湿度(RH)、及び容器の蓋の開閉状態が含まれる。
【0302】
【表3】
【0303】
(0313)
熱力学的安定性
テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩の安定な形態のスクリーニングは、それがACN、トルエン、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、アセトン、THF、及び2−メチルTHFなどのほとんどの溶媒中で熱力学的に安定であることを示した。一フマル酸塩形態についての同様の安定な形態のスクリーニングは、この形態が上記に挙げた溶媒中で熱力学的に安定でないことを示した。これらの溶媒に懸濁させた場合、一フマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドは、THF及び2−メチルTHF中ではヘミフマル酸塩形態に完全に変換し、ACN、酢酸エチル、MTBE、及びアセトン中、並びに周囲温度でヘミフマル酸塩形態に部分的に変換する。
【0304】
(0314)
熱安定性
DSCデータにより示されるように、ヘミフマル酸塩形態のテノホビルアラフェンアミドは、一フマル酸塩形態の融点よりも約10℃高い融点を有し、ヘミフマル酸塩形態が一フマル酸塩形態に比べて熱安定性が向上していることを示す。
【0305】
(0315)
生物学的実施例1:輸送研究
caco−2経上皮輸送研究: 継代培養43代〜69代の間のcaco−2細胞を24ウェルポリエチレンテレフタレート(PET)トランスウェルプレート(BD Biosciences、ベッドフォード、MA)上で少なくとも21日にわたりコンフルエントまで増殖させた。Life Technologies(グランドアイランド、NY)から入手した10mM HEPES及び15mMグルコース含有Hank緩衝塩溶液(HBSS)を用いて実験を行った。供与バッファー及び受容バッファーは、それらのpHをそれぞれpH6.5及び7.4それぞれに調整されていた。受容ウェルには、1%ウシ血清アルブミンを添加したHBSSバッファーを用いた。輸送阻害を判定するために行った試験では、輸送体結合部位を飽和させるために、単層をアッセイバッファーと阻害剤の存在下で60分間プレインキュベートした。プレインキュベーション後、阻害剤と試験化合物を含有する新鮮なアッセイバッファーを加えた。アッセイチャンバー中の試験化合物濃度は、タンデム質量分析に連結した液体クロマトグラフィー(LC/MS/MS)によって分析した。経上皮電気抵抗値(TEER)及びルシファー・イエロー透過性を測定して膜の健全性を確認した。各個の実験は二反復で行い、対照化合物であるアテノロール(低透過性)、プロプラノロール(高透過性)、及びビンブラスチン(排出輸送)の透過は、アッセイプレートの各バッチの承認基準を満たすと判定された。
【0306】
(0316)
トランスフェクトされたメイディン・ダービーイヌ腎臓(MDCKII)細胞におけるPgp及びBCRP阻害アッセイ: Pgp媒介性輸送の阻害は、Pgp基質カルセインAM、及びヒトMDR1(ABCB1)遺伝子(Pgpをコードする)でトランスフェクトされたMDCKII細胞を用いて試験した。同様に、BCRP媒介性輸送の阻害は、BCRP基質Hoechst33342、及びヒトABCG2遺伝子(BCRPをコードする)でトランスフェクトされたMDCKII細胞を用いて試験した。簡単に述べれば、MDCKII細胞を底が透明な96ウェル黒色細胞培養プレートに5×10
4細胞/ウェルの密度で播種し、一晩コンフルエントまで増殖させた。試験化合物を10μM Hoechst33342を含有する細胞培養培地で希釈し、MDCKII−BCRP及び非トランスフェクト細胞と共に3時間インキュベートした。Hoechst33342及び試験化合物を含有する培地を除去した後、細胞を温培地で2回洗浄し、20mM Tris−HCl pH9.0及び0.4% Triton X−100を含有するバッファーに、室温で5〜10分間溶解させた。ウェルのHoechst33342蛍光を励起353nm及び発光460nmで分析した。
【0307】
(0317)
トランスフェクトされたMDCKII細胞におけるPgp及びBCRP基質アッセイ: MDCKII細胞を24ウェルPETトランスウェルプレート(BD Biosciences)上で4〜6日にわたってコンフルエントまで増殖させた。caco−2試験に関して上記したように、同じバッファーを供与ウェル及び受容ウェルに用いた。実験はcaco−2経上皮輸送試験に関して上記したように行い、サンプルをLC/MS/MSにより分析した。caco−2試験に関して上記したものと同様の品質対照及び承認基準を用いた。TEER値並びにルシファー・イエロー、アテノロール、及びプロプラノロールの透過性は、アッセイプレートの各バッチの承認基準を満たすと判定された。排出比は、モデルPgp基質ビンブラスチン及びBCRP基質プラゾシンに関して、非トランスフェクト単層よりもトランスフェクト単層で少なくとも3倍高いと判定された。
【0308】
(0318)
データ分析: 最大輸送体特異的輸送を50%阻害するために必要とされる試験品濃度と定義される、MDCKII細胞で行った蛍光蓄積試験における輸送体の50%阻害定数(IC
50)値は、GtaphPad Prism5(GraphPad Software Inc.、サンディエゴ、CA)を用いた、濃度に対する阻害の、変数Hill係数を有するシグモイド曲線への非線形曲線フィッティングを用いて計算した。caco−2又はMDCKII細胞における経細胞実験からの見かけの透過係数及び排出比(ER)は、従前に記載されている通りに計算した(Tong et al.(2007) Antimicrob Agents Chemother 51:3498-504)。適当であれば、試験条件間に見られる差の統計的有意性を、対応のある両側スチューデントt検定を用いて評価した。
【0309】
(0319)
トランスフェクトされたMDCKII細胞におけるPgp及びBCRPの阻害: リトナビル並びに既知の輸送阻害剤シクロスポリンA(CSA)及びフミトレモルギンCに比べた、コビシスタットによるPgp及びBCRPの阻害を、MDCKII−MDR1細胞及びMDCKII−ABCG2細胞においてそれぞれ蛍光プローブ基質カルセインAM及びHoechst33342の、Pgp依存性及びBCRP依存性蓄積に対する同時インキュベーションの効果をモニタリングすることによって試験した。コビシスタットはPgp及びBCRPを、それぞれIC
50値36±10μM及び59±28μMで阻害した。リトナビルは、アッセイバッファーにおけるそのおよその溶解度限界(20μM)でインキュベートした場合、Pgpの35%阻害及びBCRPの21%阻害を示した。コビシスタットは、中性pHでは35倍を超える水溶解度であるために、更に高い濃度が達成可能であった。コビシスタットとリトナビルの濃度の違いが大きいほど、酸性条件下でのそれらの個々の溶解度に基づき消化管(GI)に存在できる。これらのことを考え合わせると、溶解度及び阻害の結果は、GI管においてコビシスタットはリトナビルと同等のPgp及びBCRPの阻害を持つはずであることを示す。
【0310】
(0320)
トランスフェクトされたMDCKII細胞におけるPgp及びBCRP基質アッセイ: コビシスタットとPgp(多剤耐性タンパク質1;MDR1)及びBCRPとの相互作用機構を更に特徴付けるために、ヒト輸送タンパク質の遺伝子でトランスフェクトされた細胞で双方向透過性アッセイを行い、コビシスタットがこれらの排出輸送体の基質であるかどうかを決定した(
図10)。コビシスタット(10μM)の双方向透過性は、MDCKII−WT、MDCKII−MDR1(
図10A)及びMDCKII−BCRP細胞(
図10B)で評価した。黒いバーは頂端側から基底側へ(A−B)の透過性を示し、白いバーは基底側から頂端側へ(B−A)の透過性を示す。排出比は、各実験条件に関して上のグラフに示す。CSA(10μM)及びKo134(10μM)を、それぞれPgp及びBCRPの既知の阻害剤として使用した。結果は、個々の阻害剤の存在下又は不在下で、野生型MDCKII(MDCKII−WT)細胞とMDCKII−MDR1細胞又はMDCKII−BCRP細胞を比較して行った代表的な並行実験からの二反復ウェルの平均値である。MDCKII細胞におけるPgp又はBCRPの過剰発現は、コビシスタットの排出比を増大させた。これらの排出比の増大は、コビシスタットの順方向の透過性の低下及び逆方向の透過性の増大を表した。Pgp依存性及びBCRP依存性輸送と一致して、コビシスタット排出はPgp阻害剤CSA及びBCRP阻害剤Ko134の存在下で低下した。これらの結果は、コビシスタットがPgp及びBCRPの両方の基質であることを示し、見られた阻害は結合部位をめぐっての各輸送体の競合のためであり得ることを示唆する。
【0311】
(0321)
caco−2細胞単層を通過するモデルPgp及びBCRP基質の双方向透過性に対するコビシスタットの効果: caco−2細胞は、Pgp及びBCRPを含む腸管輸送体の極性発現を助ける、GI吸収の生理学的関連モデルとして報告されている。caco−2細胞単層を通過する10μMのPgp基質ジゴキシン(
図11A)及びBCRP基質プラゾシン(
図11B)の双方向透過性に対する、コビシスタット(COBI;90μM)及びリトナビル(RTV;20μM)の効果を検討した。FDA及び国際輸送体コンソーシアムの推奨に基づき、それぞれPgp及びBCRPのモデル基質として、ジゴキシン及びプラゾシンを選択した。既知のPgp阻害剤CSA(10μM)及びBCRP阻害剤フミトレモルギンC(2μM;
図11Bでは「FTC」として示す)を陽性対照として使用した。黒いバーは頂端側から基底側へ(A−B)の透過性を、白いバーは基底側から頂端側へ(B−A)の透過性を示し、排出比は、各実験条件に関して上のグラフに示す。結果は、二反復で行った少なくとも4回の独立した実験の平均±標準偏差であり、統計的有意性は、対応のある両側スチューデントt検定を用い、結果を同時処理のないウェルと比較することによって評価した(
*、P<0.05;
**、P<0.01)。既知のPgp阻害剤CSAと同様に、コビシスタット及びリトナビルは排出比を著しく低下させ、且つ、ジゴキシンの頂端側から基底側へ(A−B)の透過性を有意に増大した(
図11A)。同様の効果が、BCRP基質プラゾシンの透過性に対する、既知のBCRP阻害剤フミトレモルギンCに比べてのコビシスタット及びリトナビルの効果を検討する実験でも見られた(
図11B)。これらのデータは、ジゴキシンのPgp媒介性輸送及びプラゾシンのBCRP媒介性輸送に対するコビシスタット及びリトナビルの同等の阻害効果を示唆する。
【0312】
(0322)
caco−2細胞単層を通過するHIVプロテアーゼ阻害剤及びGS−7340の双方向透過性に対するコビシスタットの効果: caco−2細胞単層を通過する、HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)であるアタザナビル、ダルナビル、ロピナビル、及び試験HIV PIであるGS−8374の双方向透過性に対する、コビシスタット(90μM)及びリトナビル(20μM)の効果を評価した。RTV及びCOBIの効果は、10μMのHIV PIであるアタザナビル(
図12A)、ダルナビル(
図12B)、ロピナビル(
図12C)、及びGS−8374(
図12D)をもちいて評価した。黒いバーは、頂端側から基底側へ(A−B)への透過性を、白いバーは基底側から頂端側へ(B−A)の透過性を示し、排出比は、各実験条件に関して上のグラフに示す。結果は、二反復で行った少なくとも4回の独立した実験の平均±標準偏差であり、統計的有意性は、対応のある両側スチューデントt検定を用い、方向結果を同時処理のないウェルと比較することによって評価した(
*、P<0.05;
**、P<0.01;
***、P<0.001)。COBI(90μM)の効果は、A−B(
図12E)及びB−A(
図12F)方向における、2時間の経時的推移にわたるcaco−2単層を通過するGS−7340(10μM)の双方向透過性に対して評価した。白い記号はCOBIの存在を示し、黒い記号は不在を示す。結果は、2回の独立した実験からの二反復の測定の平均±標準偏差である。これらの化合物をPgp基質であると報告している従前の研究と一致して、前記プロテアーゼ阻害剤のそれぞれで有意な排出が見られた。コビシスタットとリトナビルの併用投与は、プロテアーゼ阻害剤のA−B方向の流束を増大させ、且つ、B−A方向の流束を低減することによって、排出比を同等に低下させた(
図12A〜D)。caco−2単層を通過するGS−7340透過性に対するコビシスタットの効果を2時間にわたってモニタリングしたところ、コビシスタットはGS−7340のA−B方向の流束を増大させると同時に、B−A方向の流束を低減した(
図12E〜F)。
【0313】
(0323)
これらの結果は、コビシスタットがGS−7340のPgp媒介性腸分泌を阻害する働きをしている可能性があるという仮説を裏付ける。
【0314】
(0324)
生物学的実施例2
ヒトにおいて3種類の用量レベルでGS−7340暴露を想定するために薬物動態試験を行った。適格な対象を、用量8mgのGS−7340、用量25mgのGS−7340、用量40mgのGS−7340、テノホビル(TDFとして)300mg又は適合プラセボGS−7340のいずれかを10日間受容するように無作為化した。(注:GS−7340の用量は、他の形態のGS−7340を投与した場合であっても、GS−7340の遊離塩基の質量として示した。)対象を非盲検にて与えられるテノホビルを受容するように無作為化した以外、GS−7340は盲検にて投与した。
【0315】
(0325)
図1は、試験1日目の患者のテノホビル血漿中濃度を示す。一番上の線(記号無し)は、300mgのテノホビル(TDFとして)を投与した患者におけるテノホビル濃度を示す。その次の線(下向きの三角)は、40mgのGS−7340を投与した患者におけるテノホビル濃度を示す。その次の線(上向きの三角)は、25mgのGS−7340を投与した患者におけるテノホビル濃度を示す。一番下の線(四角)は、8mgのGS−7340を投与した患者におけるテノホビル濃度を示す。グラフの下の表は、得られたCmax及びAUC値を示す。
【0316】
(0326)
図2は、試験10日目の患者のテノホビル血漿中濃度を示す。一番上の線(菱形)は、300mgのテノホビルを投与した患者のテノホビル濃度を示す。その次の線(下向きの三角)は、40mgのGS−7340を投与した患者のテノホビル濃度を示す。その次の線(上向きの三角)は、25mgのGS−7340を投与した患者のテノホビル濃度を示す。一番下の線(四角)は、8mgのGS−7340を投与した患者のテノホビル濃度を示す。グラフの下の表は、得られたCmax及びAUC値を示す。
【0317】
(0327)
生物学的実施例3
1日1回エムトリシタビン(FTC)/GS−7340一定用量の合剤、コビシスタット増強ダルナビル+単剤としてのGS−7340、及びエファビレンツ又はコビシスタット増強ダルナビルの間の薬物相互作用能を、非盲検、クロスオーバー、単一施設、多用量、多コホート試験で評価した。
【0318】
(0328)
表4は、投与計画及び試験に関するスケジュールを示す。
【0319】
【表4】
【0320】
(0329)
この試験の薬物動態分析の結果を
図3〜5に示す。(注:GS−7340の用量は、他の形態のGS−7340を投与した場合であっても、GS−7340の遊離塩基の質量として示す。)
【0321】
(0330)
図3Aは、コホート1の患者における、エムトリシタビンとGS−7340(上向きの三角)、及びエムトリシタビンとGS−7340とエファビレンツ((初期値=100ng/ml);下向きの三角)の用量に対するGS−7340(テノホビルアラフェンアミド)濃度(ng/ml)を示す。GS−7340暴露に対するCmax及びAUC結果を下の表に示す。エムトリシタビンとGS−7340(上の線;上向きの三角)及びエムトリシタビンとGS−7340とエファビレンツ(下の線:下向きの三角)の用量に対するテノホビル(TFV)濃度を
図3Bに示す。テノホビル暴露に対するCmax及びAUC結果を下の表に示す。
【0322】
(0331)
図4Aは、コホート2の患者における、エムトリシタビンとGS−7340(上向きの三角)、及びエムトリシタビンとGS−7340とダルナビルとコビシスタット(下向きの三角)の用量に対するGS−7340濃度(ng/ml)を示す。GS−7340暴露に対するC
max及びAUC結果を下の表に示す。エムトリシタビンとGS−7340(上向きの三角)、及びエムトリシタビンとGS−7340とダルナビルとコビシスタット(下向きの三角)の用量に対するテノホビル(TFV)濃度を
図4Bに示す。テノホビル暴露に対するC
max及びAUC結果を下の表に示す。
【0323】
(0332)
図5Aは、GS−7340単独、及びGS−7340とコビシスタット(上向きの三角)の用量に対するGS−7340濃度(ng/ml)を示す。GS−7340暴露に対するC
max及びAUC結果を下の表に示す。GS−7340単独(上向きの三角)、及びGS−7340とコビシスタット(下向きの三角)の用量に対するテノホビル(TFV)濃度を
図5Bに示す。テノホビル暴露に対するC
max及びAUC結果を下の表に示す。
【0324】
(0333)
単剤としてのGS−7340(8mg)に対して、GS−7340(8mg)とCOBI(150mg)として投与した場合、GS−7340(テノホビルアラフェンアミド)及びTFVに対する暴露の増大が見られた。GS−7340 AUC
last及びC
maxはそれぞれ約2.7倍及び2.8倍高かったが、TFV AUC
tau及びC
maxはそれぞれ約3.3倍及び3.3倍高かった。これらのデータは、恐らくはテノホビルアラフェンアミド(GS−7340)のPgp媒介性腸分泌の阻害のために、相互作用がCOBI媒介性であることを示唆する。
【0325】
(0334)
生物学的実施例4
GS−7340及びコビシスタットを臨床試験においてエルビテグラビル及びエムトリシタビンと併用投与し、これらの化合物の相対的バイオアベイラビリティを決定した。これらの化合物は、エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル(参照)又はGS−7340(TFV)(参照)からの暴露(エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン)に対して25mg又は40mg用量のGS−7340(試験)を用いて投与した。第2のコホートを同様の計画で、エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/GS−7340 STRの別の製剤で評価した。(注:化合物の用量は、他の形態のGS−7340を投与した場合であっても、GS−7340の遊離塩基の質量として示した。)エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/GS−7340(単層)錠剤は、エムトリシタビン/GS−7340顆粒をエルビテグラビル顆粒及びコビシスタットとブレンドし、打錠し、錠剤をフィルムコーティングし、パッケージングすることによって製造した。エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/GS−7340二層錠剤は、エルビテグラビル/コビシスタット層及びエムトリシタビン/GS−7340層を圧縮し、錠剤をフィルムコーティングし、パッケージングすることにより製造される。試験処置と参照処置の間の薬物動態比較のロバスト評価を提供するために、均衡ウィリアムズ4×4計画を各コホートに用いた。
【0326】
(0335)
エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/GS−7340中のエルビテグラビルの用量(150mg)、コビシスタットのブースト用量(150mg)、及びエムトリシタビン(200mg)の用量は、現検討用量(エルビテグラビル、コビシスタット)又はHIV感染患者において持続的有効性及び長期安全性が実証されている市販用量(エムトリシタビン)に相当する。
【0327】
(0336)
評価には20名の患者の2つのコホートを用いた。コホート1では、以下の試験処置を施した。
【0328】
(0337)
処置A:1×製剤1(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと25mgのGS−7340(31.1mgのフマル酸塩GS−7340−02として))QDのシングルタブレットレジメン(STR)、12日間午前中に投与。
【0329】
(0338)
処置B:1×STR 製剤1(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと40mgのGS−7340(49.7mgのフマル酸塩GS−7340−02として))QD、12日間午前中に投与。
【0330】
(0339)
処置C:1×STR(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと300mgのテノホビル(フマル酸テノホビルジソプロキシルとして)QD、12日間午前中に投与。
【0331】
(0340)
処置D:1×25mg GS−7340錠剤QD、12日間午前中に投与。
【0332】
(0341)
患者を4つのシーケンスのうち1つ(I、II、III又はIV)に無作為化した。
【0333】
【表5】
【0334】
(0342)
製剤1(単層)は、エムトリシタビン/GS−7340顆粒をエルビテグラビル顆粒及びコビシスタットとブレンドし、打錠し、錠剤をフィルムコーティングし、パッケージングすることによって調製した。EVG/COBI/FTC/GS−7340 STR錠剤コアは、不活性成分としてコロイド二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含有し、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク、及び二酸化チタンでフィルムコーティングされる。
【0335】
(0343)
コホート2では、以下の試験処置を施した。
【0336】
(0344)
処置E:1×STR 製剤2(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと25mgのGS−7340(31.1mgのフマル酸塩GS−7340−02として))QD、12日間午前中に投与。
【0337】
(0345)
処置F:1×STR 製剤2(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと40mgのGS−7340(49.7mgのフマル酸塩GS−7340−02として))QD、12日間午前中に投与。
【0338】
(0346)
処置C:1×STR(150mgのエルビテグラビルと150mgのコビシスタットと200mgのエムトリシタビンと300mgのテノホビル)QD、12日間午前中に投与。
【0339】
(0347)
処置D:1×25mgのGS−7340錠剤QD、12日間午前中に投与。
【0340】
(0348)
患者を4つのシーケンスのうち1つ(I、II、III又はIV)に無作為化した。
【0341】
【表6】
【0342】
(0349)
製剤2は二層錠剤として調製し、これらはエルビテグラビル/コビシスタット層及びエムトリシタビン/GS−7340層を圧縮し、錠剤をフィルムコーティングし、パッケージングすることによって製造した。EVG/COBI/FTC/GS−7340 STR錠剤コアは、不活性成分としてコロイド二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含有し、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、タルク、及び二酸化チタンでフィルムコーティングした。
【0343】
(0350)
図6は、コホート1(製剤1、単層)において処置した患者からのGS−7340に関する薬物動態データを示す。上の線(下向きの三角)は、40mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。真ん中の線(上向きの三角)は、25mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。下の線(四角)は、25mgのGS−7340を単独で投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。これらの結果は、GS−7340をコビシスタットと共に投与する場合、25mgのレベルでの投与の2.2倍高いGS−7340レベルを示す。
【0344】
(0351)
図7は、コホート2(製剤2、二層)において処置した患者からのGS−7340に関する薬物動態データを示す。上の線(下向きの三角)は、40mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。真ん中の線(上向きの三角)は、25mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。下の線(四角)は、25mgのGS−7340を単独で投与する場合のGS−7340濃度(ng/ml)を示す。これらの結果は又、GS−7340をコビシスタットと共に投与する場合、25mgのレベルでの投与の2.2倍高いGS−7340レベルを示す。
【0345】
(0352)
図8は、コホート1(製剤1、単層)において処置した患者からのテノホビルに関する薬物動態データを示す。上の線(記号無し)は、300mgのテノホビルをコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。その次の線(上向きの三角)は、40mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。その次の線(四角)は、25mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。下の線(下向きの三角)は、25mgのGS−7340を単独で投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。これらの結果は又、テノホビル又はGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合、25mgのレベルでの投与の3〜4倍高いテノホビルレベルを示す。
【0346】
(0353)
図9は、コホート2(製剤2、二層)において処置した患者からのテノホビルに関する薬物動態データを示す。上の線(丸)は、300mgのテノホビルをコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。その次の線(上向きの三角)は、40mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。その次の線(四角)は、25mgのGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。下の線(下向きの三角)は、25mgのGS−7340を単独で投与する場合のテノホビル濃度(ng/ml)を示す。これらの結果は又、テノホビル又はGS−7340をコビシスタットと共に投与する場合、25mgのレベルでの投与の3〜4倍高いGS−7340レベルを示す。
【0347】
(0354)
EVG/COBI/FTC/GS−7340(25mg)製剤1及び2の投与の後、幾何平均GS−7340及びTFV暴露は、単剤としてのGS−7340(25mg)に比べて実質的に高かった。EVG/COBI/FTC/GS−7340(25mg)の両製剤では、GS−7340のAUC
last及びC
maxはそれぞれ約2.2倍及び2.3倍高く、TFVのAUC
tau及びC
maxはそれぞれ約3.1倍及び3.7倍高かった。EVG/COBI/FTC/GS−7340(25mg)に対してEVG/COBI/FTC/GS−7340(40mg)の後では、GS−7340及びTFV暴露は一般に用量比例的であった。
【0348】
(0355)
生物学的実施例5
GS−7340を、エルビテグラビル(EVG)、コビシスタット(COBI)、及びエムトリシタビン(FTC)と共に製剤化してシングルタブレットレジメン(STR)とした。STR臨床開発のためのGS−7340用量選択を助けるため、3つの健康被験者試験で、EVG/COBI/FTC/GS−7340 STRの多回用量薬物動態(PK)及び/又はGS−7340とCOBIの間の相互作用能を評価した。
【0349】
(0356)
試験1(n=20)では、被験者は、均衡ウィリアムズ4×4計画、12日/処置にて、EVG/COBI/FTC/GS−7340(150/150/200/40若しくは150/150/200/25mg)、EVG/COBI/FTC/TDF(150/150/200/300mg)又はGS−7340 25mg単剤(SA)を受けた。試験2(n=12)では、被験者は、12日間のGS−7340(8mg)SA(参照)及び10日間のGS−7340とCOBI(8/150mg)(試験)を順次受けた。試験3(n=34)では、2つのコホート(各2×2クロスオーバー計画)で、被験者は、EVG/COBI/FTC/GS−7340(150/150/200/10mg)(試験、両コホート)、EVGとCOBI(150/150mg)(参照、コホート1)、及びFTCとGS−7340(200/25mg)(参照、コホート2)を受け、各処置は12日間施した。GS−7340とTFVの統計比較は、70〜143%の90%信頼区間(CI)で幾何平均比(GMR)を用いて行った(試験1:試験=EVG/COBI/FTC/GS−7340、参照=GS−7340SA)。安全性評価は、投与及び追跡調査を通じて行った。
【0350】
(0357)
全ての処置は全般的に十分耐用性があった。試験1は19/20名の完了者を含み、1名は有害事象(AE)(GS−7340SA受容中の横紋筋融解(グレード2))から中止した。被験者は全員、試験2を完了し、34名中33名が試験3を完了した。これらの試験中にはグレード3又は4のAEは見られなかった。試験1では、GS−7340(25mg)をEVG/COBI/FTC/GS−7340として投与した場合、得られたTFV暴露はGS−7340 SAよりも実質的に高かった(GMR(90%CI)GS−7340 AUC
last:222(200、246)及びC
max:223(187、265);TFV AUC
tau:307(290、324)、C
max:368(320、423))。試験2では、GS−7340 SAに比べてGS−7340とCOBIとして投与した場合、GS−7340暴露は同等に高かったが、このことは、試験1で見られた相互作用はCOBI媒介性であったことを示唆する(GMR(90%CI)GS−7340 AUC
last:265(229、307)及びC
max:283(220、365、TFV AUC
tau:331(310、353)、C
max:334(302、370)、及びC
tau:335(312、359))。試験3では、GS−7340の用量を10mgに調整したところ、EVG/COBI/FTC/GS−7340(150/150/200/10mg)、参照に匹敵するGS−7340及びTFV暴露がもたらされた(GMR(90%CI)GS−7340 AUC
last:89.0(76.7、103)及びC
max:97.3(82.1、115)、TFV AUC
last:124(113、136)、C
max:113(98.8、129)、及びC
tau:120(103、140))。EVG/COBI/FTC/GS−7340 STRは、参照処置及び過去のデータと同等のEVG、COBI、及びFTC暴露をもたらした。
【0351】
(0358)
GS−7340及びTFV暴露は、COBIとの又はEVG/COBI/FTC/GS−7340投与としての併用投与の後に約2〜3倍増大するが、これはGS−7340のPgp媒介性腸分泌のCOBI阻害によるものであり得る。10mg用量のGS−7340を用いる場合、EVG/COBI/FTC/GS−7340は、25mgでのGS−7340と同等のGS−7340及びTFV暴露及びEVG/COBI/FTC/TDFよりも約90%低いTFV暴露をもたらした。
【0352】
(0359)
生物学的実施例6
EVG/COBI/FTC/TDF及びEVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を、HIV+治療ナイーブ成人における安全性及び有効性を評価する第2相臨床試験で、シングルタブレットレジメン(STR)として投与した。被験者は全員、>5000c/mlのHIV−1 RNAを有していた。24週目のデータは、2回のSTR処置で、EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩では被験者の87%が、EVG/COBI/FTC/TDFでは被験者の90%が<50c/mlのHIV−1 RNAを有する結果となることを示した。EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩STRは十分な耐用性があり、EVG/COBI/FTC/TDFの既知の安全性プロフィールに比べて、新たな又は予想されない有害な薬物反応は確認されなかった。
【0353】
(0360)
24週目に被験者において腎機能を評価した。EVG/COBI/FTC/TDFを服用した被験者に比べた場合、EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を服用した被験者は、推定糸球体濾過量(eGFR)の減少が有意に低く、タンパク尿低減傾向を持ち、且つ、尿細管性タンパク尿が統計的に少なかった。これらの違いは、無症候性のテノホビル関連腎毒性の軽減を表し得る。
【0354】
(0361)
骨密度を評価するため、ベースライン時と24週目に二重エネルギーX線吸収測定スキャンを行った。EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を服用した被験者は、EVG/COBI/FTC/TDFを服用した被験者に比べて、24週間後の脊椎及び股関節部とも、骨密度の低下が有意に小さかった。重要なことには、股関節部骨密度がベースラインから>3%低下している被験者の割合は、EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩群では、EVG/COBI/FTC/TDF群の10分の1であった(3.0%対31.6%)。
【0355】
(0362)
考え合わせると、これらのデータは、EVG/COBI/FTC/テノホビルアラフェンアミドヘミフマル酸塩を投与した被験者ではテノホビルレベルが90%低下することから、TDF関連腎及び骨毒性は、循環中のテノホビルにより促されるという仮説を裏付ける。
【0356】
(0363)
本明細書に引用されている全ての参照文献、刊行物、特許、及び特許文献は、個々に本明細書の一部として援用される場合と同様に、本明細書の一部として援用される。本発明は、種々の具体的且つ好ましい実施形態及び技術に関して記載されている。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲にとどまりながら、多くの変形及び改変を行うことができると理解すべきである。
【0357】
(0364)
本発明(以下の特許請求の範囲を含む)の記載に関して用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び同様の冠詞などは、本明細書において特に断りのない限り又は文脈によりそうではないことが明示されない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「含む」、「有する」、「包含する」、及び「含有する」は、そうではないことが示されない限り、オープンエンド用語(すなわち、「限定されるものではないが包含する」ことを意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に断りのない限り、単に、その範囲内にある独立した各値を個々に列挙することの簡略表記法として用いることが意図され、独立した各値は、それが本明細書に個々に列挙された場合と同様に、本明細書に組み入れられる。本発明に記載の方法は全て、本明細書において特に断りのない限り又は文脈によりそうではないことが明示されない限り、いずれの好適な順序で行ってもよい。本明細書に示されるいずれか及び全ての例、又は例示用語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く明らかにすることを意図したものであり、そうではないことが主張されない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書の用語に、本発明の実施に不可欠なものとして特許請求されていない任意の要素を示すと解釈されるべきものはない。
【0358】
(0365)
本明細書内の実施形態は、本発明の実施形態の例示を提供するものであって、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。当業者ならば、多くの他の実施形態が特許請求される発明によって包含されること、又、本明細書及び実施例は単に例と考えられることが意図されることを認識し、本発明の真の範囲及び趣旨は下記の特許請求の範囲によって示される。