特表2015-506473(P2015-506473A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-506473管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭を測定する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-506473(P2015-506473A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(54)【発明の名称】管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭を測定する装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20150203BHJP
   G01B 5/20 20060101ALI20150203BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20150203BHJP
【FI】
   G01B21/20 C
   G01B5/20 C
   G01B21/20 D
   G01B21/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-549514(P2014-549514)
(86)(22)【出願日】2012年12月26日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月26日
(86)【国際出願番号】FR2012000551
(87)【国際公開番号】WO2013098493
(87)【国際公開日】20130704
(31)【優先権主張番号】11/04149
(32)【優先日】2011年12月29日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】504255249
【氏名又は名称】ヴァルレック オイル アンド ガス フランス
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】モロー,レジ
(72)【発明者】
【氏名】マルタン,ピエール
【テーマコード(参考)】
2F062
2F069
【Fターム(参考)】
2F062AA08
2F062AA51
2F062AA81
2F062BB04
2F062BC11
2F062CC22
2F062CC26
2F062EE01
2F062EE09
2F062EE62
2F062FF07
2F062GG61
2F062GG71
2F062MM06
2F069AA03
2F069AA04
2F069AA13
2F069AA39
2F069AA40
2F069AA64
2F069AA66
2F069AA83
2F069CC02
2F069DD25
2F069DD27
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069HH15
2F069JJ10
2F069MM04
2F069NN09
(57)【要約】
この装置(20)は、管状コンポーネント(12)の半径の測定を行う第1のセンサ(22)と、このコンポーネント(12)の主軸と直交する所定の平面上の円形軌道において第1のセンサ(22)を駆動することができる支持体(24)と、を備えている。特に、支持体(24)は、着脱自在の取付け手段(28)を介して管状コンポーネント(12)に取り付け可能な本体(26)と、第1のセンサ(22)を支えるアーム(32)が取り付けられ、管状コンポーネント(12)の内部の円形軌道またはその周囲の円形軌道において第1のセンサ(22)の移動を可能にする回転軸(30)と、を備えている。また、この装置(20)は、第1のセンサ(22)が半径を測定するときの第1のセンサ(22)の角度位置(θ)を測定する第2のセンサ(34)を備え、第1のセンサ(22)と第2のセンサ(34)の半径と角度の測定によって所定の平面(P)における管状コンポーネント(12)の輪郭が決定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状コンポーネント(12)の端部(14)の外部輪郭(14A)または内部輪郭(14B)を測定する装置(20)であって、
所定の基準(PO)に対する前記管状コンポーネント(12)の半径の測定(R)を行う第1のセンサ(22)と、前記管状コンポーネント(12)の主軸(Z)と直交する所定の平面(P)の円形軌道において前記第1のセンサ(22)を駆動することができる支持体(24)と、を備え、
前記支持体(24)は、取付け手段(28)を介して前記管状コンポーネント(12)を着脱自在に取り付けることができる本体(26)と、前記管状コンポーネント(12)の内部の円形軌道またはその周囲の円形軌道において前記第1のセンサ(22)が移動できるように前記第1のセンサ(22)を支えるアーム(32)が取り付けられる、本体(26)に対して回転可能な軸(30)を備え、
前記装置(20)は、前記第1のセンサ(22)が半径を測定するときの前記第1のセンサ(22)の角度位置(θ)を測定する第2のセンサ(34)を備え、前記第1のセンサ(22)と前記第2のセンサ(34)の半径と角度の測定が所定の平面(P)における前記管状コンポーネント(12)の輪郭の決定を可能にすることを特徴とする装置(20)。
【請求項2】
前記第1のセンサ(22)は接触型または非接触型であり、例えば、誘導型または光検出型である請求項1に記載の装置(20)。
【請求項3】
前記アーム(32)は、前記第1のセンサ(22)の軸方向および半径方向の並進が調整できるように構成した、請求項1または2に記載の装置(20)。
【請求項4】
前記軸(30)を回転させるクランク型の作動手段(33)を備える、先行する請求項の何れか一項に記載の装置(20)。
【請求項5】
前記本体(26)は直立部を備え、前記着脱自在の取付け手段(28)の位置を前記直立部に沿って調節できる、先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項6】
前記着脱自在の取付け手段(28)は、前記管状コンポーネントをその内側または外側で固定することができるクランプラグを備える、先行する請求項の何れか一項に記載の装置(20)。
【請求項7】
前記第1のセンサ(22)と前記第2のセンサ(34)によって実行された半径の測定値(R)と角度の測定値(θ)から2次元の輪郭を計算するユニットと情報をやり取りする手段(36)を備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項8】
前記第2のセンサ(34)は前記本体(26)と一体化された第1の固定要素(34A)と、前記第1の固定要素(34A)に対して回転自在に前記回転軸(30)に取り付けられる第2の要素(34B)とを備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(20)。
【請求項9】
前記第2のセンサ(34)はロータリエンコーダである、先行する請求項の何れか一項に記載の装置(20)。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の装置(20)を用いて管状コンポーネント(12)の内部輪郭(14B)(外部輪郭(14A))を測定するための方法であって、
前記軸(30)が前記管状コンポーネント(12)の主軸(Z)と実質的に一致するように、前記着脱自在の取付け手段を用いて前記装置(20)のための前記支持体の前記本体(26)を前記管状コンポーネントに固定するステップと、
前記軸(30)を回転させて、前記管状コンポーネント(12)の内部輪郭(外部輪郭)の複数の半径の測定値(R1乃至Rn)と、前記複数の半径の測定値(R1乃至Rn)と対応する複数の角度の測定値(θ1乃至θn)と、を収集するステップと、
前記収集した半径の測定値(R1乃至Rn)と前記角度の測定値(θ1乃至θn)を用いて前記管状コンポーネント(12)の内部輪郭(14B)(外部輪郭(14A))を計算するステップと、を備える方法。
【請求項11】
一連の測定値は、管状コンポーネント(12)の主軸(Z)に沿って、複数の平面で生成される、請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の平面で生成された前記一連の測定値から、前記管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭のディジタルモデルがコンピュータプログラムを用いて生成され、前記ディジタルモデルについての有限要素計算が実行し、少なくとも1つの物理的制約の関数として前記管状コンポーネントの挙動を決定する、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭を測定する装置に関する。更に詳しくは排他的ではなく、油またはガスの採掘を目的とする管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭の測定に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
このような管状コンポーネントは、一般に、他の管状コンポーネントの雌型または雄型端部と接続可能な雄型または雌型ねじ端部を備えている。そのため、このような管の厚さまたは真円度における欠陥は、具体的には、それらのコンポーネントを満足のいく方法で接続しなければならないとき、特に重要である。そのため、このような欠陥が欠陥のある管状コンポーネント間の接続部で該管状コンポーネントに疲労を生じさせ、それに伴ってコンポーネントにクラックを生じさせる可能性がある。さらに、封止面およびねじ切り部(threading)における半径方向の干渉の値としての封止が、該接続部が確実に封止を提供できる最適レベルにないとき、このような寸法欠陥が該封止に問題を引き起こす危険性がある。そして、該ねじ切り部が望ましい寸法公差を超えているとき、その坑井の稼働中に、その管ストリングが破裂する危険性がある。
【0003】
そのため、このような管状コンポーネントの品質が該コンポーネントの製造後に検査されている。この検査は、本質的に、楕円率が幾らかを検出するための直径の測定である。したがって、この検査によって欠陥のあるコンポーネントを識別し、排除することが可能となる。
【0004】
製造されたコンポーネントの寸法特性が一連の所定の許容公差の範囲内にあることをチェックする必要がある。このような検査作業は、排除されるべき何らかの欠陥のある管状コンポーネントを識別するために不可欠である。このような品質管理工程は、可能な限り正確で、繰り返しが可能で、効率的でなければならない。
【0005】
従来技術として、管状コンポーネントの内径または外径測定が可能なゲージが既に知られている。そのツールは2つの接触部材を支える支持体を備え、一方の接触部材が固定され、他方の接触部材が移動可能になっている。該コンポーネントの直径に応じて該ツールを適応させるために調整された距離で、検査される該コンポーネントを挟んで該2つの接触部材が互いに対向して配置される。次いで、オペレータは、理想的な輪郭の較正コンポーネントに接する該2つの部材の距離を予め調節し、該検査されるコンポーネントに接して該支持体を配置する。その較正中に実行された基準測定に対する該可動接触部材のずれと対応する該測定の結果を読み取るため、ニードルインジケータを用いることが可能である。
【0006】
真円度の欠陥を検出するため、オペレータは、個々の軸平面で該管状コンポーネントに対して該ツールを回転させ、最小直径および最大直径を測定する。それら2つの測定値間の差分が望ましい公差と比較され、大きすぎる場合には、そのコンポーネントは欠陥品としてはねられる。該ツールの欠点は、信頼性があり再現可能な測定を実行するために、該オペレータが該ツールに慣れていなければならないことである。該コンポーネントに対する該ツールの回転は、円弧の弦ではなく円の直径と該軸平面で該ツールを保持するため、オペレータは多くの練習を必要とする。したがって、その測定値は、該オペレータの経験により、オペレータによって変わり、その結果、該測定値は全く信頼できない。
【0007】
また、従来技術として、具体的には、欧州特許第2194358号明細書には、支持体が光センサを備え、該支持体がベンチに固定された測定装置が開示されている。このように、その装置は使用が面倒なので、様々な管状コンポーネントの迅速かつ効率的な測定にはあまり適していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、測定を行うオペレータに関係なく信頼できる測定が実行でき、操作しやすく、且つ運びやすい、管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭の測定装置を提供する必要性がある。
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、管状コンポーネントの端部の外部輪郭または内部輪郭を測定する装置であって、所定の基準に対する前記管状コンポーネントの半径の測定を行う第1のセンサと、前記管状コンポーネントの主軸と直交する所定の平面の円形軌道において前記第1のセンサを駆動することができる支持体と、を備え、前記支持体は、取付け手段を介して前記管状コンポーネントを着脱自在に取り付けることができる本体と、前記管状コンポーネントの内部の円形軌道またはその周囲の円形軌道において前記第1のセンサが移動できるように前記第1のセンサを支えるアームが取り付けられる、本体に対して回転可能な軸を備え、前記装置は、前記第1のセンサが半径を測定するときの前記第1のセンサの角度位置を測定する第2のセンサを備え、前記第1のセンサと前記第2のセンサの半径と角度の測定が所定の平面における前記管状コンポーネントの輪郭の決定を可能にする装置を提供する。
【0010】
本発明のため、該支持体は、取付け手段を介して着脱自在に取り付けられるので、該測定装置を一方の管状コンポーネントから他方へ移動させることは簡単なことである。さらに、一旦、該支持体が該管状コンポーネントに取り付けられると、単に軸を回転させて、それによって、それとともに回転する半径と角度測定のセンサを駆動させることになるため、その測定の信頼性は該オペレータと無関係である。極座標の位置を完全に決定する2つの測定値は、該コンポーネントの外部(それぞれ内部)輪郭を再現できることを意味している。したがって、測定精度が向上する。
【0011】
また、装置は、支持体が管状コンポーネントに対して着脱自在であることから、1つの環状コンポーネントから他の環状コンポーネントに容易に運ぶことが可能である。
【0012】
好ましくは、前記第1のセンサは接触型または非接触型であり、例えば、誘導型または光検出型である。
【0013】
好ましい実施の形態では、前記アームは、前記第1のセンサの軸方向および半径方向の並進の調整が可能なように構成される。
【0014】
軸方向と径方向への第1のセンサの移動調整が、異なる管径に対する測定装置の適応を容易にしているだけでなく、同じ管状コンポーネント対しても、このコンポーネントの下位部輪郭または外部輪郭への装置の適応を容易にしている。
【0015】
好ましくは、前記装置が、前記軸を回転させるクランク型の作動手段を備える。この簡潔な機構は、オペレータに従来の知識がなくても装置を使用できることを意味している。このように、この装置は非常に使い易い。
【0016】
好ましくは、前記本体は直立部を備え、前記着脱自在の取付け手段の位置を前記直立部に沿って調節できる。同様に、これらの調整手段のため、測定装置を違った型の管状コンポーネントに適応させることが容易である。
【0017】
好ましくは、前記着脱自在の取付け手段は、前記管状コンポーネントをその内側または外側で固定することができるクランプラグを備える。このように、内部(または外部)輪郭測定中において、取付け手段が第1センサの軌道を妨げることはない。
【0018】
好ましくは、前記装置は、前記第1のセンサと前記第2のセンサによって実行された半径の測定値と角度の測定値から2次元の輪郭を計算するユニットと情報をやり取りする手段を備える。
【0019】
好ましい実施の形態では、前記第2のセンサは前記本体と一体化された第1の固定要素と、前記第1の固定要素に対して回転自在に前記回転軸に取り付けられる第2の要素とを備える。
【0020】
好ましくは、前記第2のセンサはロータリエンコーダである。
【0021】
本発明は、本発明の前記装置を用いて管状コンポーネントの内部輪郭(または外部輪郭)を測定するための方法であって、前記方法は、前記軸が前記管状コンポーネントの主軸と実質的に一致するように、前記着脱自在の取付け手段を用いて前記装置のための前記支持体の前記本体を前記管状コンポーネントに固定するステップと、前記軸を回転させて、前記管状コンポーネントの内部輪郭(または外部輪郭)の複数の半径の測定値と、前記複数の半径の測定値と対応する複数の角度の測定値と、を収集するステップと、前記収集した半径の測定値と前記角度の測定値を用いて前記管状コンポーネントの内部輪郭(または外部輪郭)を計算するステップと、を備える。
【0022】
好ましくは、一連の測定値は、管状コンポーネントの主軸に沿う複数の平面で生成される。このように、管状コンポーネントの輪郭を三次元で決定することができる。
【0023】
好ましい実施の形態では、前記複数の平面で生成された前記一連の測定値から、前記管状コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭のディジタルモデルがコンピュータプログラムを用いて生成され、前記ディジタルモデルについての有限要素計算が実行し、少なくとも1つの物理的制約の関数として前記管状コンポーネントの挙動を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の特徴と利点は、添付図面を参照した下記の記述から明らかになる。
図1図1は、測定装置の第1の構成における管状コンポーネントと本発明の測定装置の斜視図である。
図2図2は、図1の装置の一部切欠き斜視図である。
図3図3は、コンポーネントと図1の装置の断面図である。
図4図4は、測定装置の第2の構成における図1の測定装置の斜視図である。
図5図5は、図4に示された測定平面Pにおける図1乃至図3の管状コンポーネントの外部輪郭の線図である。
図6図6は、本願の測定装置から得られる管状コンポーネントの外部輪郭の曲線を示す結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1乃至図4は管状コンポーネントを検査する装置を表している。この装置は参照番号10によって示される。
【0026】
この実施例は、外部輪郭14Aと内部輪郭14Bを有する端部14を備える管状コンポーネント12を検査するユニット10について説明している。前記管状コンポーネント12の端部14には、一般に、組立によって他方の管状コンポーネント(図示せず)との接続を可能にするねじ山が形成されている。図示された実施例において、管状コンポーネント12は雄型端部16を備えている。前記管状コンポーネントは、一般に、長さが数メートルである。前記管状コンポーネントは、主軸Z(図3)に対する回転体を備えている。コンポーネント12の内部輪郭14B(または外部輪郭14A)は、コンポーネント12のエンベロープ、すなわち、コンポーネント12の軸Zに対する該コンポーネントの内部(または外部)エンベロープと定義される。理想的には、該軸と直交する面のコンポーネント12の内部輪郭14Bまたは外部輪郭14Aは完全な円形であるが、実際の輪郭は完全な円形ではなく、具体的には、図5に示すように、楕円を呈している可能性がある。この図において、理想的な外部輪郭14Aは点線で示され、実際の内部輪郭14Aは実線で示されている。また、該コンポーネントが半径方向の厚さの欠陥(図示せず)を有している可能性がある。
【0027】
図1乃至図4から見て取れるように、検査ユニット10は本発明の測定装置20を備えている。この装置20がコンポーネント12の端部14の外部輪郭14Aまたは内部輪郭14Bを測定することを意図している。図1乃至図3に図示された第1の測定構成では、装置20がコンポーネント12の外部輪郭14Aを測定することを意図している。図4に図示された第2の測定構成では、装置20がコンポーネント12の内部輪郭14Bを測定することを意図している。次に、これら2つの構成の装置20について詳細に説明する。これらの図の同様の構成要素は、同一の参照符号によって示されている。
【0028】
具体的には、前記装置20は、主軸Zと直交する所定の平面で、管状コンポーネント12の半径を測定する第1のセンサ22を備えている。この測定平面を、以後、記号Pで示す。したがって、「半径の測定」という用語は、該平面におけるコンポーネント12の外部輪郭14A(または内部輪郭14B)上の測定点Mと、これもまた平面Pにおける測定基準点P0との間の、管状コンポーネント12の半径方向における、すなわち、コンポーネント12の主軸Zに垂直な方向における距離の測定を意味している。すなわち、検査されるコンポーネント12の外部輪郭14Aは、図5の測定平面Pに示される。半径を測定する第1のセンサ22を用いて行われる測定の基準点P0は、コンポーネント12の該外部または内部輪郭の中心点“O”と重ね合わせてはならないことに留意することが重要である。したがって、概略的に図示された外部輪郭14Aの幾何学的中心と一致する点“O”が、該測定の原点である点“P0”とは異なることが、図5から分かる。
【0029】
第1のセンサ22は、半径の測定を実行するために、外部輪郭14Aの外側または内部輪郭14Bの内側で駆動される。この目的を達成するために、装置20は、測定面Pの所定の円形軌道において第1のセンサ22を駆動することができる支持体24を備えている。
【0030】
記載されている実施例において、センサ22は、例えば、誘導式の接触型センサである。センサ22は、好ましくは、コンポーネント12の外部輪郭14Aまたは内部輪郭14Bをたどることができる測定ヘッド22Aを備えている。前記第1のセンサ22は、例えば、示差測定の原理に従って機能する誘導線形移動センサである。較正は、この種の示差測定センサを用いて、該センサの変位の変化を基準値に対して測定できるように実行されるべきである。本発明は、明らかに、この種のセンサに限定されることなく、光センサや非接触センサ等の他のセンサもこの用途に適すると思う。
【0031】
この装置20の操作を容易にするため、支持体24は、着脱自在の取付け手段28を用いてコンポーネント12に固定することができる本体26を備えている。図1乃至図4に図示された実施例において、支持体24は、管状コンポーネント12の内部端部に固定される。したがって、装置20がコンポーネント12に都合よく固定され、他のいかなるコンポーネントにも容易に設置することができる。該測定装置のための該支持体は、該コンポーネントに都合よく一体的に取り付けられる。
【0032】
好ましくは、図1乃至図4に示すように、本体26は、コンポーネント12の半径方向にのびる直立部26Aを備え、着脱自在の取付け手段28は、その位置を該半径方向において調整可能である。これは、装置20が様々な管状コンポーネントの寸法に適応可能なことを意味している。さらに好ましくは、着脱自在の取付け手段28は、その内側または外側にコンポーネント12を固定できるクランプラグ28Aを備えている。これによって、装置20の1つの測定構成から他の測定構成への適応を容易にしている。
【0033】
該外部輪郭測定のために図示された実施例では、クランプラグ28Aが内側からコンポーネント12を固定するため、前記クランプラグ28Aの存在により、より一般的には、コンポーネント12の内部にある着脱自在の取付け手段28によって、管状コンポーネント12の周囲の第1のセンサ22の円形軌道が決して妨げられることはない。これとは対照的に、図4ではラグ28Aが外側からコンポーネント12を固定しており、すなわち、センサ22の自由行程がコンポーネント12の内側に設けられていることが分かる。
【0034】
半径の測定センサ22を回転させて作動させるため、装置20は、第1のセンサ22を支えるアーム32が固定される回転軸30を備えている。好ましくは、本発明の好適な実施形態において、装置20は、軸30を回転させて作動させるクランク型の作動手段33を備えている。したがって、オペレータは、クランク33の単純な操作で該測定装置を使用できる。
【0035】
好ましくは、アーム32は、半径方向および軸方向の並進においてセンサ22を該コンポーネントに対して調節できるように構成されている。したがって、図1乃至図4に示された実施例では、アーム32が軸30に対して垂直にのび、その軸30と一体的に形成さされた第1の部分32Aを備えている。図1乃至図3に示された特定の測定の構成では、アーム32が軸30と平行に延び、第1のセンサ22が設けられた第2の部分32Bを備えている。好ましくは、前記第2の部分32Bは、第1の部分32Aに対して軸方向および半径方向に並進移動可能である。
【0036】
これとは対照的に、図4に示された測定の構成では、センサ22が第1の部分32Aに直接取り付けられている。この第1の部分32Aの軸方向位置は、好ましくは、回転軸30に沿って調節可能である。
【0037】
アーム32は、例えば、一緒に組み立てられる一連のプレートとロッドによって形成されている。具体的には、アーム32の第1の部分32Aが2つのロッドによって形成され、一組のプレートを介して該軸に固定され、各プレートは、該ロッド用の2つの貫通穴と、2つの溝によって形成された空間で該2つのプレートが該回転軸を固定するように形成された1つの中心溝と、を備えることが、図から見て取れる。明らかに、その他の形態や型の構成要素であっても該アームの形成に用いることが可能である。
【0038】
また、第1のセンサ22は、主軸Zに沿った幾つかの連続する測定平面で該管の輪郭を測定するために、管状コンポーネント12に沿って軸方向に動かすこともできる。さらに、センサ22の位置は、一方においては、測定装置20を、既存の管状コンポーネントの様々な直径に適応できるように、また、特に、管状コンポーネントBのいかなるテーパにも適応するように、検査される個々のコンポーネントの内部輪郭14Bまたは外部輪郭14Aの軸方向変動に応じて該装置が適応できるように、半径方向の調節も可能である。
【0039】
さらに、装置20は、第1のセンサ22が各半径を測定するときの第1のセンサ22の角度位置を測定する第2のセンサ34を備えている。第1のセンサ22および第2のセンサ34の半径と角度の測定は、所定の平面Pにおける管状コンポーネント10の輪郭を極座標で完全に定義できることを意味している。この第2のセンサ34は、例えば、装置10の本体に一体化された固定要素34Aと、回転軸30に一体化された、前記固定要素34Aに対して移動可能な要素34Bと、を備えている。そのため、第2のセンサ34は、好ましくは、ロータリエンコーダである。該移動可能な要素34Bは、例えば、軸30に一体化されたディスクである。
【0040】
さらに、第1の測定センサ22と第2の測定センサ34は、それらが所定の取得周期で、同期された半径方向および角度の測定を実行するように、該センサをガイドすることができる制御手段(図示せず)に接続されている。実施例として、該測定のための取得周期は、1ミリ秒から1秒の範囲とすることができる。
【0041】
さらに、その結果の分析を可能にするために、装置20は、該半径と角度の測定から2次元の内部輪郭または外部輪郭を計算するユニット38と、情報をやり取りする通信手段36を備えている。通信手段36は、例えば、有線通信である。しかし、変形例として、通信手段36が、例えば、無線通信でもよい。
【0042】
半径の測定値R1乃至Rnと、対応する角度の測定値θ1乃至θnは、測定点M1乃至Mnが極座標の平面Pで完全に定義されることを意味している。したがって、該管状コンポーネントの2次元輪郭を測定することが可能である。この極座標の原点は、図5の“P0”測定値の基準である。
【0043】
楕円率は、図5の概略図を参照した下記計算から、所定の円形軌道に関する1回転の測定から判断される。
【0044】
具体的には、O(x,y)で示される該コンポーネントの内部輪郭または外部輪郭の中心点の位置は、以下のように、前記中心点を該内部輪郭または該外部輪郭の点Miの重心と一致させることにより、測定点Mi(ri,θi)の数nから決定される。
【0045】
ただし、
であり、θは0度から360度である。
【0046】
ただし、
である。
【0047】
さらに、その楕円形の特性は、最小直径(Dmin)および最大直径(Dmax)を計算することによって決定される。すなわち、
楕円率は、下記の式から導かれる。
【0048】
次に、本発明の装置20を用いて、管状コンポーネント12の輪郭を測定する方法の主要ステップについて説明する。管状コンポーネント12の外部輪郭を測定するステップを図示した。本発明は、明らかに、内部輪郭の測定(図4)にも適用可能である。この場合、先行図面における説明とは対照的に、クランプラグ28Aが、図4から見て取れるように、管状コンポーネント12の外部に固定可能である。
【0049】
第1のステップでは、オペレータが、好ましくは、センサ22を基準値で初期化するために、装置20の本体26を較正コンポーネントの内部末端の縁に固定する。次に、第2のステップでは、該オペレータが、着脱自在の取付け手段28を用いて装置20の本体をコンポーネント12に取り付ける。実施例として、管状コンポーネント12の内部への内側固定によって本体24が該内部の縁への取り付けが可能である。したがって、取付け手段28のクランプラグ28Aは、管状コンポーネント12の内壁に接触して同一平面上に配置される。
【0050】
さらに、第2のステップでは、該オペレータが、回転軸30が管状コンポーネント12の主軸Zと実質的に一致するように、同様の方法で本体26を位置決めする。本発明の利点の1つは、上記の計算式から分かるように、直径および楕円率を計算する場合、該装置の軸と該コンポーネントの軸とのノンアラインメントは全く重要ではないということである。このことは、該装置を用いるとき、特に、該測定装置の位置決め公差に関して大きな柔軟性があることを意味している。
【0051】
次に、第3のステップでは、該オペレータが、例えば、クランク33を用いて、軸30を回転させる。これは、第1のセンサ22を支えるアーム32と、第2のセンサ34の回転ディスク34Bを回転させることができることを意味している。このステップの前に、該オペレータは、測定周期、例えば、10msを決めて、その後、測定点の数がこの所定の測定周期と一回転にかかる時間とに直接関連付けられる。
【0052】
この第3のステップは、管状コンポーネント12の角度に応じて複数の半径の測定が行われることを意味している。この実施例における測定点の数は、取得周期と一回転の時間とによって決まる。実施例として、回転周期が20秒で、且つ取得周期が10msの場合、該装置は2000の測定点を取得することができる。
【0053】
最後のステップでは、上述の計算を適用して、既に収集した半径の測定値と角度の測定値から軸平面P上の管状コンポーネント12の外部輪郭14Aを計算するために、処理手段が使用される。このようにして、管状コンポーネント12の外部輪郭14Aを表わす図6のグラフが得られる。この外部輪郭14Aは、上述の計算に従って決定された中心点“O”に中心がある。これらの測定値を処理した結果は下記の通りである。
【0054】
【0055】
この実施例では、楕円率は許容可能と判断され、該コンポーネントははねられなかった。この一連の測定を、例えば、4つの異なる軸平面で繰り返し、他の3つの平面でも同様に該コンポーネントが所定の公差内にあることを確認する。
【0056】
また、好ましくは、コンピュータプログラムを用いて、異なる平面で得られた該一連の測定値から該管状コンポーネントのディジタルモデルまたは内部輪郭または外部輪郭を得ることができ、該ディジタルモデルに関して有限要素計算が実行され、少なくとも1つの物理的制約に応じて該コンポーネントの挙動を決定する。コンピュータプログラムは、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)プログラムである。
【0057】
本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、明らかに、他の実施の形態も想定することができる。したがって、実施例としてここに記載された本発明に対して様々な変更を行うことが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】