特表2015-506729(P2015-506729A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-506729外科手術器具への電力供給を制御するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-506729(P2015-506729A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】外科手術器具への電力供給を制御するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20150206BHJP
【FI】
   A61B17/39
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-546035(P2014-546035)
(86)(22)【出願日】2012年12月5日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月5日
(86)【国際出願番号】US2012068027
(87)【国際公開番号】WO2013086045
(87)【国際公開日】20130613
(31)【優先権主張番号】61/669,671
(32)【優先日】2012年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/567,603
(32)【優先日】2011年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】511248973
【氏名又は名称】ドメイン・サージカル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】デニス,スコット
(72)【発明者】
【氏名】マンワーイング,キム
(72)【発明者】
【氏名】エッガーズ,フィル
(72)【発明者】
【氏名】マンワーイング,プレストン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK13
4C160KK16
4C160KK24
4C160KK25
4C160KK36
4C160KK53
(57)【要約】
熱外科手術器具は、チップ上に配置された活性要素へのエネルギー源からの電力の供給を制御するためのシステムを有する。チップへの供給を制御するためのシステムは、チップ電流、SWRなどの一つ以上の計測を使用し、悪影響を及ぼす切断効果を必要とせずにそして外科医によって気づかないように電力を管理するために反映された電力に迅速に変化させる制御アルゴリズム含む。システムは、チップがある現在の環境を画定するために状態マシンを利用する。チップに供給される電力は、固定電力指標又は繰り返し的に実行される電力プロファイルに応じて選択的に管理される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術器具であって、
本体と、
本体上に配置されると共に振動電気エネルギーを受け取るように構成された熱要素と、
熱要素の構成パラメータに対して情報を記憶する情報記憶装置と、を備える、外科手術器具。
【請求項2】
請求項1記載の外科手術器具において、
熱要素が導電体の少なくとも一部分を覆う強磁性材を有する導電体を備え、強磁性材が加熱されるときに強磁性材の破砕を引き起こすことなく、空気と液体との間で移動可能である、外科手術器具。
【請求項3】
請求項1記載の外科手術器具において、
情報記憶装置は、熱要素の構成パラメータに関連する情報がアクセスされて振動電気エネルギーの熱要素への供給を制御するために使用されるように、振動電気エネルギーを供給するように構成された電源と連通して配置されている、外科手術器具。
【請求項4】
請求項3記載の外科手術器具において、
情報記憶装置は、EEPROMである、外科手術器具。
【請求項5】
請求項3記載の外科手術器具において、
熱要素が電源に接続され、電源は、情報記録部に記録された構成パラメータに基づいて熱要素に振動電気エネルギーを供給するように構成される、外科手術器具。
【請求項6】
請求項2記載の外科手術器具において、
本体は、ハンドピースである、外科手術器具。
【請求項7】
請求項6記載の外科手術器具において、
ハンドピースは、熱要素を取り外し可能に受け入れるように構成される、外科手術器具。
【請求項8】
請求項2記載の外科手術器具において、
本体は、その上に配置された熱要素を有する切断及び密閉器具である、外科手術器具。
【請求項9】
請求項1記載の外科手術器具において、
熱要素は、固体強磁性加熱要素を備える、外科手術器具。
【請求項10】
請求項1記載の外科手術器具において、
要素が、絶縁された導電体上に配置された強磁性スリーブを備える、外科手術器具。
【請求項11】
熱外科手術器具システムであって、
本体と、
本体上に配置されると共に振動電気エネルギーを受け取るように及び振動電気エネルギーの受け取りに応じて加熱するように構成された熱要素であって、熱要素の温度変化に応じて変化するインピーダンスを有する熱要素と、
熱活性要素のインピーダンスの変化を感知すると共に熱活性要素に受け入れられた振動電気エネルギーを調整するために信号を発生するように構成された熱活性要素と連通して配置された回路と、を備える、熱外科手術器具システム。
【請求項12】
請求項11記載の熱外科手術器具システムにおいて、
実質的に連続的した基盤上の回路からの信号を受け入れるためのマイクロコントローラを更に備える、熱外科手術器具システム。
【請求項13】
請求項12記載の熱外科手術器具システムにおいて、
信号に応じて熱活性要素に所望の電力を一貫して提供するように構成された電力制御アルゴリズムを備えた電力制御システムを更に備える、熱外科手術器具システム。
【請求項14】
請求項13記載の熱外科手術器具システムにおいて、
熱要素は、キュリー温度を有し、電力制御システムは、そのキュリー温度を超えるのを防止するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成される、熱外科手術器具システム。
【請求項15】
請求項13記載の熱外科手術器具システムにおいて、
電力制御システムは、所望以外の位置で外科手術器具の過熱を防止するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成される、熱外科手術器具システム。
【請求項16】
請求項13記載の熱外科手術器具システムにおいて、
電力制御システムは、摂氏約+30度乃至−30度の範囲にある実質的に特定の温度まで熱要素を加熱することを制御するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成される、熱外科手術器具システム。
【請求項17】
熱外科手術器具システムであって、
本体と、
本体に取り付け可能であると共に振動電気エネルギーを受け取るように構成された熱要素と、
熱要素の構成パラメータに対して情報を記憶する情報記憶装置と、
熱要素の動作特性を検知するために熱要素と連通して配置された検知回路と、
熱要素によって受け入れられた振動電気エネルギーの調整を行うための電力制御システムと、を備え、
電力制御システムは、熱活性要素の構成パラメータ及び熱要素の温度を調節するために熱要素の検知された動作特性に関連する情報を使用するために構成される、熱外科手術器具システム。
【請求項18】
請求項17記載の熱外科手術器具システムにおいて、
電力制御システムは、制御ループフィードバック機構を備える、熱外科手術器具システム。
【請求項19】
請求項18記載の熱外科手術器具システムにおいて、
制御ループフィードバック機構は、PIDコントローラである、熱外科手術器具システム。
【請求項20】
請求項18記載の熱外科手術器具システムにおいて、
制御ループフィードバック機構は、縦接続されたPIDコントローラである、熱外科手術器具システム。
【請求項21】
請求項17記載の熱外科手術器具システムにおいて、
電力制御システムは、熱要素の温度を調節するために可変ステージ状態マシンを実装するためにソフトウェアを使用する、熱外科手術器具システム。
【請求項22】
熱切断又は凝固器具を制御する方法であって、
熱要素に振動電気エネルギーを供給するステップと、
熱要素と関連した動作特性を検知するステップと、
熱要素の検知された動作特性に応じて振動電気エネルギーの供給を調整するステップと、を備える、熱切断又は凝固器具を制御する方法。
【請求項23】
請求項22記載の熱切断又は凝固器具を制御する方法において、
熱要素と関連した動作特性は、インピーダンス、電流及び定在波比の少なくとも一つを備える、熱切断又は凝固器具を制御する方法。
【請求項24】
請求項22記載の熱切断又は凝固器具を制御する方法において、
検知された動作特性は、熱要素のインピーダンスであり、
前記方法は、熱要素の温度を制御するために検知されたインピーダンスに応じて振動電気エネルギーの供給を調整するステップを備える、熱切断又は凝固器具を制御する方法。
【請求項25】
請求項22記載の熱切断又は凝固器具を制御する方法において、
熱要素に対して増加したパルスを検知し、熱要素の動作特性上の増加した電力のパルスの影響を監視するステップを更に備える、熱切断又は凝固器具を制御する方法。
【請求項26】
請求項22記載の熱切断又は凝固器具を制御する方法において、
熱要素の温度を周期的に増加するために熱要素に供給される電力を断続的に増加するステップを更に備える、熱切断又は凝固器具を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気外科的及び/又は熱的外科手術器具に関する。より具体的には、本発明は、エネルギー源から外科手術器具への電力供給を制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなデバイスは、一般的な医療デバイスの利益を提供できるので、手術中の電気外科的及び/又は熱的デバイスを使用することが一般的になってきている。例えば、電気外科的及び/又は熱的デバイスは、外科医が、制限された血液の損失で正確な切開を行うことを許容する。それらの利点のため、電気外科的及び/又は熱的デバイスは、ちょうど少し例を挙げれば、皮膚科の、婦人科の、心臓の、形成外科の、眼球の、脊椎の、耳鼻咽喉科の、顎顔面の、整形外科の、泌尿器科の、神経学的の、及び、一般的な外科的の、手術、並びに特定の歯科処置に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外科手術は、一般に、組織または他の物質を切断、修復及び/又は除去することを含む。電気外科的及び/又は熱的外科手術器具は、所望の温度まで組織または他の物質を加熱するために電気外科的及び/又は熱的外科手術器具を使用することによって、これらの処置の各々を実行するために使用される。しかしながら、組織は、異なる温度で異なる反応を得る。電気外科的及び/又は熱的外科手術器具の温度が適切に制御されない場合には、患者にとって有害な結果をもたらす望ましくない結果が生じる可能性がある。
【0004】
さらに、外科医は、所定の処置の間、長時間にわたって電気外科的及び/又は熱的外科手術器具を使用することを必要とされる。この時間の間、電気外科的及び/又は熱的外科手術器具が患者の体の一部と接触したり離れたり断続的に移動される。これは、デバイス内の熱管理だけでなく電気外科的及び/又は熱的外科手術器具の加熱された外科手術チップの熱管理に関する問題につながる。電気外科的及び/又は熱的外科手術器具が患者の組織、例えば、体液などの一部と接触しないとき、電気外科的及び/又は熱的外科手術器具は、患者の体の上の空気に保持され、加熱が望ましくないあるいは有害である器具の領域への熱の伝達を最小限にするために器具に供給される電力を制限することが重要である。例えば、外科医によって把持された電気外科的及び/又は熱的外科手術器具の一部分への熱伝達が適切に制御されていない場合、デバイスは非常に熱くなり、外科医は、処置を完了するのに必要な時間その器具を扱うことができない。
【0005】
さらに、熱要素などの、電気外科的及び/又は熱的外科手術器具の作用(アクティブ)部分が、過熱され、又は、過剰な熱応力にさらされ、熱要素は、破損してしまう可能性がある。
【0006】
従って、電気外科的及び/又は熱的外科手術器具及び/又は加熱される外科手術チップの過熱を防止するために、エネルギー源から電気外科的及び/又は熱的外科手術器具への電力供給を制御する改善されたシステム及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
改善された電気外科的及び/又は熱的外科手術器具を提供することが本発明の目的である。
【0008】
本発明の一態様によれば、その器具は、エネルギー源から器具への電力供給を管理するソフトウェア及びハードウェアを含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、電気外科的手術器具への電力供給を制御することは、電気外科的手術器具の作用(アクティブ)要素への電力供給を変化させるアルゴリズムを使用することを含み、従って、作用要素の環境(例えば、作用要素が組織治療のために使用されているか空気中に保持されているかなど)に応じて器具の動作特性を変化させることを含む。アルゴリズムは、約5W乃至125Wの固定された電力指標で管理され、そして、一貫した方法で電気外科的及び/又は熱的外科手術器具に所望の電力を供給するのに使用され、その器具の作用要素がキュリー点を超えるのを防止し、及び/又は作用要素が空気中にあるときにその器具の過熱を防止する。
【0010】
制御アルゴリズムは、外科医が、所望の組織効果のための最適温度を使用するのを許容し、また、外科医が、これらの異なる外科手術チップを使用するときに所望の制御を提供しながら異なる構成を有する外科手術チップを選択するのを許容する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、電気外科的手術器具への電力供給を制御することは、順方向電力又は正味電力のための単一あるいは縦接続の比例積分微分コントローラ(“PID”)、PIDチップ電流制限制御、定在波比(“SWR”)閾値制限、及び/又はロード/空気検出を使用することを含む。
【0012】
本発明の別の態様によれば、熱的外科手術器具は、電流検出、温度検出、インピーダンス検出などに応答できるハンドピースを含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、ハンドピース又は熱的外科手術器具の他の部分によって検出される、電流データ、温度データ、インピーダンスデータなどは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどを含む制御コンソールに送られることができる。
【0014】
本発明の別の態様によれば、電流データ、温度データ、インピーダンスデータなどは、実質的に連続的な基準で制御コンソールに送られることができる。例えば、データは、約10ミリ秒の間隔で制御コンソールに送られることができる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、外科手術器具は、熱的要素を含む。熱的要素は、例えば、その上にメッキされた強磁性材料を有する導体、固体強磁性加熱素子、強磁性スリーブの加熱が実質的に純粋に誘導性であるように絶縁導体上に配置された強磁性スリーブなどを含む。
【0016】
本発明の別の態様によれば、熱的外科手術器具の熱的要素は、様々な熱的要素がハンドピースで使用されるようにハンドピースによって取り外し可能に受け入れられることができる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、外科手術器具は、熱的要素(例えば、ブレード、ループ、スネア、鉗子、鋏、低侵襲手術器具、プローブ、カテーテルなど)の形状、寸法又は構成に応じて異なる、熱要素の電力出力を管理するのに必要な情報を含む。例えば、その情報は、ハンドピースに配置された単一の記録装置(EEPROM、フラッシュデバイス、レーザROM又フラムなど)又は本発明の外科手術器具システムの様々な場所に配置された複数の記録装置に格納される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、外科手術器具は、熱的要素の電力出力を管理するのに必要な以下の情報、電流制限;許容電力の設定;電力レベルによるSWRの制限;シリアル番号;キャリブレーション定数;チップ識別;タイミング定数(例えば、クールダウンなど);などを含むことができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、熱的外科手術器具は、ソフトウェアを含む。ソフトウェアは、可変ステージ状態マシンを実装するために熱的外科手術器具から受信された情報を使用できる。例えば、ソフトウェアは、5段階の状態マシンを実装するために熱的外科手術器具のハンドピース、チップ及び/又は電力測定器からの情報を受信できる。状態マシンのステージは、RFオン(例えば、RF電力がちょうどスイッチを入れられる)、空気(外科手術器具の熱的要素は空気中にある)、遷移(熱的要素は、組織から空気に遷移することが推測される)及びロード(チップは組織内にあることが確認される)を含む。
【0020】
本発明のさらに別の態様によれば、熱的外科手術器具への電力供給を制御することは、電気外科的手術器具のチップに供給される電力を断続的に増加させるために、一群の開始/終了期間セグメントを含む電力プロファイル制御アルゴリズムを含むことができる。従って、低温で動作されるチップで組織を治療するために上記器具を使用することが望まれるとき、例えば、組織を凝固させるとき、電力制御アルゴリズムは、チップが治療される組織に対して固着するのを防止するようにチップに供給される電力を断続的に増加させることができる。
【0021】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の熱的外科手術器具は、固定電力指標又は繰り返し的に実行される電力プロファイルに応じて外科手術チップへの電力供給を選択的に管理するための一つ以上の制御を有することができる。
【0022】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の図面及び関連する説明に示され記載された熱的に調整可能な外科手術器具で実現される。
【0023】
本発明の様々な実施形態が番号が付された図面を参照して示され記載される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の原理による熱外科手術ツールシステムの斜視図を示す。
図2図2は、その温度が増加したときの熱要素のインピーダンスのグラフ表示を示す。
図3図3は、その温度が増加したときの熱要素の定在波比のグラフ表示を示す。
図4図4は、本発明の熱外科手術器具のブロック図を示す。
図5図5は、本発明の一つの熱要素の拡大断面図を示す。
図6A図6Aは、切開ループを形成する熱要素の側面図を示す。
図6B図6Bは、切除ループを形成する熱要素の側面図を示す。
図7A図7Aは、本発明の原理による別の熱外科手術ツールシステムの斜視図を示す。
図7B図7Bは、熱要素がその上に配置された鉗子の斜視図を示す。
図7C図7Cは、熱要素がその上に配置された外科用メスの側面図を示す。
図8図8は、縦接続されたPIDコントローラのブロック図を示す。
図9図9は、本発明の原理による縦接続されたPIDコントローラを使用するときに、電流制限効果の一例のグラフを示す。
図10図10は、本発明の原理による5段階の状態マシンの図を示す。
図11図11は、本発明の原理による電気外科的手術器具のチップに供給される電力を断続的に増加させるための一群の開始/終了期間セグメントのグラフ表示を示す。
図12図12は、本発明の電力プロファイル制御アルゴリズムを例示するフローチャートを示す。
図13図13は、本発明の原理による熱的外科的手術器具の状態管理の一例のグラフを示す。
図14図14は、本発明のチップの作動に基づく図9のグラフ表示の拡大図を示す。
図15図15は、ロード状態から空気状態に戻って移行するチップの図9のグラフ表示の拡大図を示す。
図16図16は、組織への影響に関連した熱スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は例示であり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるであろう。図示の実施形態は、本発明の種々の態様および目的を達成する。単一の図では、本発明の各要素および態様を明白に示すことは不可能であり、多数の図面が、より明白に本発明の様々な詳細を個々に説明するために提示される
ことが理解される。同様に、全ての実施形態は、本発明のすべての利点を達成する必要はない。
【0026】
本発明及び添付の図面は、当業者が本発明を実施することができるようにそれらに提供された符号を参考にして述べられる。図面及び説明は、本発明の種々の態様の例示であり、添付の特許請求の範囲を狭めることを意図するものではない。
【0027】
本明細書に使用されるように、用語“強磁性の”、“強磁性体”及び“強磁性”は、鉄、ニッケル、コバルト等の物質及び高透磁率、飽和点特性、および磁気ヒステリシスを示す種々の合金を指す。
本発明は、複数の異なる実施形態およびアプリケーションを含むことができることを理解されるであろう。一態様では、外科手術器具は、本体と、本体上に配置されると共に振動電気エネルギーを受け取るように構成された熱要素と、熱要素の構成パラメータに対して情報を記憶する情報記憶装置と、を含む。また、器具は、次の一つ以上を含む。すなわち、器具は、本体がハンドピースであること;ハンドピースが熱要素を取り外し可能に受け入れるように構成されていること;本体がその上に配置された熱要素を有する切断及び密閉器具であること;熱要素が導電体の少なくとも一部分を覆う強磁性材を有する導電体を備え、強磁性材が加熱されるときに強磁性材の破砕を引き起こすことなく、空気と液体との間で移動可能であること;熱要素が電力供給に結合され、電力供給が情報記録部に記録された構成パラメータに基づいて熱要素に振動電気エネルギーを供給するように構成されること;熱要素が固体強磁性加熱要素を備えること;その要素が絶縁された導電体上に配置された強磁性スリーブを備えること;情報記録デバイスが熱要素の構成パラメータに関連する情報がアクセスされて振動電気エネルギーの熱要素への供給を制御するために使用されるように、振動電気エネルギーを供給するように構成された電源と連通して配置されていること;情報記録デバイスがEEPROMを備えること;及び、それらの組み合わせ、の一つ以上を含む。
本発明の別の態様では、熱外科手術器具システムは、本体と、本体上に配置されると共に振動電気エネルギーを受け取るように及び振動電気エネルギーの受け取りに応じて加熱するように構成された熱要素であって、熱要素の温度変化に応じて変化するインピーダンスを有する熱要素と、熱活性要素のインピーダンスの変化を感知すると共に熱活性要素に受け入れられた振動電気エネルギーを調整するために信号を発生するように構成された熱活性要素と連通して配置された回路と、を含む。熱外科手術器具は、さらに、次の一つ以上を含む。すなわち、器具は、実質的に連続的した基盤上の回路からの信号を受け入れるためのマイクロコントローラ;信号に応じて熱活性要素に所望の電力を一貫して提供するように構成された電力制御アルゴリズムを備えた電力制御システム;キュリー温度を有する熱要素、及び、外科手術器具の熱要素がそのキュリー温度を超えるのを防止するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成された電力制御システム;所望以外の位置で外科手術器具の過熱を防止するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成された電力制御システム;摂氏約+30度乃至−30度の範囲にある実質的に特定の温度まで熱要素を加熱することを制御するために電力制御アルゴリズムを使用するように構成された電力制御システム;及び、その組み合わせ、の一つ以上を含む。
本発明の別の態様では、熱外科手術器具システムは、本体と、本体に取り付け可能であると共に振動電気エネルギーを受け取るように構成された熱要素と、熱要素の構成パラメータに対して情報を記憶する情報記憶装置と、熱要素の動作特性を検知するために熱要素と連通して配置された検知回路と、熱要素によって受け入れられた振動電気エネルギーの調整を行うための電力制御システムと、を含み、電力制御システムは、熱活性要素の構成パラメータ及び熱要素の温度を調節するために熱要素の検知された動作特性に関連する情報を使用するために構成される。システムは、また、次の一つ以上を含む。すなわち、システムは、制御ループフィードバック機構を備える電力制御システム;PIDコントローラまたは縦接続されたPIDコントローラを備える制御ループフィードバック機構;熱要素の温度を調節するために可変ステージ状態マシンを実装するためにソフトウェアを使用する電力制御システム;又は、それらの組み合わせ、の一つ以上を含む。
別の態様では、本発明は、熱切断又は凝固器具を制御する方法に関し、方法は、熱要素に振動電気エネルギーを供給するステップと、熱要素と関連した動作特性を検知するステップと、熱要素の検知された動作特性に応じて振動電気エネルギーの供給を調整するステップとを含む。方法は、例えば、次の一つ以上を含む。すなわち、方法は、インピーダンス、電流及び定在波比の少なくとも一つを備える熱要素と関連した動作特性;検知された動作特性は、熱要素のインピーダンスを備え、その方法は、熱要素の温度を制御するために検知されたインピーダンスに応じて振動電気エネルギーの供給を調整するステップを備える;熱要素に対して増加したパルスを検知し、熱要素の動作特性上の増加した電力のパルスの影響を監視するステップ;熱要素の温度を周期的に増加するために熱要素に供給される電力を断続的に増加するステップ;又は、それらの組み合わせ、の一つ以上を含む。
図1乃至図3を参照すると、図1は、概ね符号10で示された熱外科手術器具のシステムの斜視図を示す。以下にさらに詳細に説明されるように、熱外科手術器具のシステムは、好ましくは、組織を治療又は破壊(例えば、内皮組織の溶接、動的平衡性、除去など)する強磁性材と関連された導体を使用する。
熱外科手術器具システム10は、従来の外科用メスなどに関する鋭利な縁部を使用しないで組織を切開するために熱を使用する。本発明の実施形態は、切刃を形成するように、比較的鋭利な縁部で行われるが、本明細書中に記載された熱コーティングが切断刃又は鋭利な縁部を必要とせずに組織を分離するのでそのようなことは必要としない。しかしながら、便宜上、用語の切断は、組織を分離することを述べるときに使用される。
本発明の一態様によれば、熱外科手術器具システム10は、電源30によって生成される出力エネルギーを制御するために一つ以上のフットペダル20などの一つ以上の制御機構を含む。電源30からのエネルギーは、無線周波数(RF)または振動電気エネルギーを介してケーブル40に沿って、導電体66と関連された強磁性体65などの熱要素60を有するハンドピースなどの本体50に送られる。図1に示されるように、導電体66は、磁性体コーティング65で外周が被覆された又はメッキされる。磁性体コーティング65は、熱が電気導体66上に配置された強磁性材65の全面又は“強磁性領域”に沿って実質的に均一であるように電気エネルギーを利用できる熱エネルギーに変える。
RFエネルギーは、“表皮効果”として周知なように導体66の表面に沿って移動する。表皮効果は、電流密度が導電体66の表面近傍で最も大きく、導電体66の大きな深さと共に減少するように、導電体66内に分布となる交流電流の傾向である。電流は、外面と表皮深さと呼ばれるレベルとの間の導電体66の“表皮”で主に流れる。表皮効果は、導電体66の実効抵抗を表皮深さが小さいほど高い周波数で増大させ、従って、導電体66の実効断面積を減少させる。表皮効果は、交流から生じる変化する磁場によって誘導される渦電流に起因する。表皮深さは、電気抵抗、電流を導電する材料の透磁率、及び印加されるRF交流電流の周波数の関数である。例えば、銅の60Hzで、表皮深さは、約8.5mmである。高周波数での表皮深さははるかに小さくなる。
電流の98%以上は、表面からの表皮深さの4倍の層内で流れ、最初の5表皮深さ内に事実上電流の全てがある。この現象は、通常、導体66の横断面にわたって均一に分布される直流電流のものとは異なる。導体66の表皮深さは次式で表すことができる。
【0028】
【数1】
【0029】
ここで、δ=表皮深さ(または侵入深さ)
ρ=導体の抵抗率
ω=電流の角周波数
μ=導体の絶対透磁率
σ=導体の伝導率
f=周波数
導体66の電流密度は、次式で表すことができる。
【0030】
【数2】
【0031】
ここで、Js=導体の表面での電流
δ=表皮深さ(または侵入深さ)
d=導体の表面からの深さ
導体66を通る電流の流れは、(オープンヒステリシスループとも呼ばれる)オープンループのB−H曲線を有する強磁性材65で作用することができる磁界を生成し、ヒステリシス損失が得られ、結果として熱エネルギーを生成する。例えば、パーマロイ(商標登録)のようなニッケル鉄コーティングのような電着膜は、任意に整合された微結晶の配列を形成し、高周波電流が導体66を通過するときに互いがオープンループのヒステリシス曲線を有する任意に整合されたドメインを生じる。
【0032】
ドメインが電流の各振動と再整合すると、強磁性材65は、強磁性材65のヒステリシス損失のせいで加熱する。ヒステリシス損失による強磁性材65の加熱は、以下に詳細に説明されるように材料はその磁性特性を失うためにそのキュリー点以上で止まる。さらに、強磁性材65の比透磁率は、温度に応じて変化し、関連される表皮深さも変化し、従って、皮膚層を介する通電量は、キュリー点付近で転移を受ける。従って、抵抗加熱による強磁性材65の加熱は、キュリー点に近づくにつれて低減する。
上述のように、強磁性材65は、キュリー温度を有する。キュリー温度は、コーティングの磁気特性が失われるように、材料が常磁性になる温度である。材料は常磁性になると、強磁性の加熱を大幅に低減あるいは停止することもできる。理論的に、これは、十分な電力がキュリー温度に達するように設けられている場合、キュリー温度付近で安定化する強磁性材65の温度を生じさせる。しかしながら、強磁性材65の温度が一定の動作条件の下で、その算出されたキュリー温度を超えることが分かった。十分な電力が印加された場合には、チップ温度は、導体全体の加熱に抵抗することにより上昇し続け、チップが潜在的にキュリー温度を超えることが観察されている。これが発生すると、一定の電力レベルで動作しながら、電流の増加が観察される。これは、少なくとも部分的に表皮深さの増加及びキュリー温度以上で得られたインピーダンスの低下に起因し得ると考えられている。増加は、順番に固定された電力レベルの電流レベルを上昇させる強磁性被覆落下の抵抗に起因し得る。増加電流は、導体の非強磁性部分でより抵抗加熱を引き起こす。これにより、高い導電性を有する下地導体を使用することが好ましい。
従って、導体66の面を通る交流電気エネルギーの通過は熱要素60に沿って(オーム加熱や抵抗加熱とも呼ばれる)ジュール加熱を引き起こす。交流電気エネルギーが強磁性領域に通過すると、電流は、導体上に配置された強磁性材65にジャンプする。このように、強磁性材65で作成された熱エネルギーのかなりの部分は、ジュール加熱に起因し得る。また、RFエネルギーは、強磁性材65のヒステリシス損失のせいで強磁性領域において熱エネルギーに変換することができる。
強磁性材65は、約5倍の皮膚の深さに相当する厚さを有するように構成され、導体66を流れる交流電気エネルギーの実質的に全てが、強磁性被覆65にジャンプする。皮膚の深さは、導体66及び/又は強磁性被覆65を流れる交流電気エネルギーの周波数の関数であるため、約5倍の皮膚の深さを達成するために必要な強磁性材65の厚さは、導体66に送達される交流電気エネルギーの周波数に応じて変化し得る。例えば、導体66への電気エネルギーの高周波交流の提供により、強磁性材65の薄層は、強磁性材65にジャンプする交流電流の実質的に全てを提供するのに十分である。本発明の一態様によれば、熱要素60は、それに配置されたパーマロイ(商標登録)の10μmの層を有する0.5mmの直径で構成され、40.68MHzの周波数を有する交流電流を導体に供給することは、交流電流の実質的にすべてをパーマロイ(商標登録)の層にジャンプさせる。
チップを含め最大信号源からのRF導体は(同調回路としても知られる)特定の周波数で共鳴回路を形成してもよい。従って、交流電流が導体66に供給されるときに、回路の定在波比(「SWR」)は、室温で約1である。熱要素60が加熱されると、熱要素60のインピーダンスは、変化し、それによって、全体の回路のインピーダンスを変化させる。直接的にあるいは間接的に図2に示された回路のインピーダンスの監視は、熱要素60の温度に関する情報を提供する。従って、回路のインピーダンスの監視は、熱要素60の温度を制御するために使用することができる。さらに、回路内のインピーダンス変化は、反射電力の量に影響を与え、従って、SWRの変化はまた、(図3に示すように)監視され、熱要素60の温度を制御するために使用することができる。従って、例えば、熱要素60の温度は、摂氏約+30度乃至−30度の範囲にある特定の温度、好ましくは摂氏約+20度乃至−20度の範囲にある温度、より好ましくは摂氏約+10度乃至−10度の範囲にある温度、さらに好ましくは摂氏約+5度乃至−5度の範囲にある温度に制御される。強磁性加熱することによって達成一つの利点は、強磁性体65が急速に切断温度に加熱することができることである。いくつかの例では、強磁性材65は、秒(例えば100ミリ秒などと短い)の小画分で加熱することができる。さらに、強磁性材65の比較的低質量、導体66の小さな熱質量、および、本体50の構成による小さな領域における加熱の局在のため、材料は、(例えば、いくつかの例では約二分の一秒で)非常に急速に冷却する。これは、熱器具が活性化されていないとき、組織に触れることによって生じる偶発的な組織の損傷を低減しつつ、正確な熱器具を外科医に提供する。
熱要素60を加熱し冷却するのに必要な時間は、導体66と強磁性被覆65の相対的な寸法および外科用器具の構造の熱容量に部分的に依存することが理解されるであろう。例えば、熱素子の加熱および冷却のための上記の例示的な期間は、約0.375mmの直径を有するタングステン導体及び約0.010ミリメートルの厚さ及び二センチメートルの長さのタングステン導体の周りの(ウェストヘーヴンのEnthone,Inc.から入手可能なNIRON(商標登録)などの)ニッケル鉄合金の強磁性体のコーティングで達成される。
本発明の1つの利点は、鋭いエッジが必要とされないことである。電源が外科手術器具に供給されていないときは、落下や取り扱いを誤った場合でも、器具が誤って患者のまたは外科医の組織を切断しない。電力が導体66と強磁性体65に供給されていない場合、器具の「切断」部分は、損傷のリスクなしにタッチされる。これは、取り扱いを誤った場合に患者または外科医を傷つける鋭利な切断刃とは対照的である。
外科用器具10は、適用されている電力の指標を含み、さらに電力を制御するための機構を含むことができることを理解すべきである。したがって、例えば、一連のディスプレイ52は、電力レベル、または、スイッチ、回転ダイヤル、ボタンのセット、電力を調整するために電源30に連通し組織に可変な効果を持つために強磁性材65の温度に影響を与えるタッチパッド又はスライド54を含む、ハンドピースのような本体50を示すために使用することができる。例えば、制御ダイヤル32などの制御部は、電源30に含まれ、あるいは、リモートコントロールなどの別々の制御器具に含まれる。その他の追加は、ハンドピース50、電源30、リモートコントロールなどの様々な場所に配置される。
強磁性材65の温度の調節は、手術器具の使用によって達成され得る組織効果の正確な制御を外科医に提供することができる。切断、止血、組織溶接、組織気化および組織炭化などの組織効果は異なる温度で生じる。電力出力を調整するためのユーザ制御を含むことによって、外科医(または他の医師など)は、強磁性材65に供給される電力を調整し、その結果、所望の結果を達成するために組織効果を制御することができる。
さらに、熱本体50への電力供給は、電源30またはハンドピース50で制御するフットペダルによって受け入れられる入力によって達成することができる強磁性被覆導体を駆動する定在波を達成するために、振幅、周波数または交流電流波形のデューティサイクル又は交流電流を変えることによって制御することができる。
さらに、より詳細に以下に述べるように、外科用器具10は、熱要素60を取り外し可能に受け入れることができるハンドピース50で構成することができる。例えば、様々な取り外し可能に取り付ける外科用チップ58は、それに関連した異なる熱要素60(例えば、サイズや形状が異なる等)を有する。したがって、様々な構成の熱要素60は、ハンドピース50と共に使用することができる。
図4を参照すると、本発明の熱外科手術器具10のブロック図が示されている。ハンドピース50は、電流感知、温度感知、インピーダンス感知などに応答可能である。熱要素60から収集されたデータは、実質的に連続的した基盤の電源30に送ることができる。例えば、データは、約10ミリ秒の短い間隔でマイクロプロセッサを供給するために送信されてもよい。
一つ以上の感知回路は、使用中に、どのくらいの電流が熱要素60に供給されているか、回路等のインピーダンス、又は熱要素60の動作特性の組み合わせなどの熱要素60の種々の動作特性を監視するために使用することができる。例えば、ピーク検出装置100は、(例えば、チップの回路基板トレース又はハンドピースまたは電源の対応する抵抗器などの)抵抗器104の両端の電圧降下を測定することにより、チップ60に供給される電流を決定することができ、それは、チップに流れる電流と直接的に一致する。電圧降下は、オームの法則(V=IR)による回路のブランチにおける電流に正比例する。電圧が高いほど、より多くの電流が分岐を通って流れる。抵抗器104の両端の電圧は、その動作範囲内で、40.68MHz信号のピークなどの信号のピークを追跡するためにピーク検出回路を通って通過させることができる。
また、センシング回路は熱要素の温度に関するフィードバックを提供する、熱要素60のインピーダンスを検出することができる(図2および3)。回路の出力は、DC、マイクロコントローラ、デジタル変換器等(「DAC」)、マイクロプロセッサ、アナログなどの変換器108に供給される電圧及びデジタル化することができる。このデータは、電源30に実質的に連続的に送られてもよいし、電力制御アルゴリズムで使用することができる。それは、一つ以上の感知回路は、制御卓等、ハンドピース、取り外し可能な外科用チップ、遠隔に位置する単位として、本発明の熱外科用器具システムの様々な位置に配置されてもよいことが理解されるであろう。
熱要素60の種々の特性を感知するため、チップ60上の強磁性材65の高透磁率(高μ)の性質が必要であり得る。これは、現在考えられている、すなわち、通常の動作中に、電流の流れの大部分が強磁性材65を通って表皮効果に起因し得る。現在のあまりに多くが、強磁性材65が流れると、キュリー温度に達することがあり、強磁性材65の透過性が劇的に低下することがあります。その結果、電流が熱要素60の抵抗を、低減導体66を介して、より顕著に流れ始める。抵抗が一定の電力レベルで減少すると、電流が増加すると、検出抵抗104の両端の電圧も増加する。したがって、現在、キュリー温度に達する又は表皮深さが増加すると、加熱されたチップ60の抵抗の低下に寄与する。それは電流の増加は、キュリー温度として起こることが観察されたことを超過するように超えていると考えられている。
【0033】
図5を参照する。本発明の一態様によれば、このような導線の導体66を有する外科用チップの一部分の断面図が示されている。これは、組織内の正確なカット、又は他の材料となるように導体66が比較的小さい直径または断面を有することが望ましい場合がある。しかし、それはまた、導体66は、比較的剛性であり、組織に遭遇したとき、曲げに抵抗することが望ましい場合がある。この特性を有する金属の例は、タングステン、チタン、ステンレス鋼、ハイネス188、ハイネス25を含んでいてもよい。
導体66に用いられる材料の他の特性が重要であり得る。これらの特性は、材料の抵抗率は、材料の熱的および電気伝導率、材料の熱容量、熱膨張係数の材料、材料のアニーリング温度、及び材料を含む、第2の材料をめっきする能力を含んでいてもよい。
【0034】
導体66として使用する材料を選択する際に、そのような材料による抵抗加熱に導体66の加熱を最小限に抑えるために低い抵抗率を有しながら、曲げに対する抵抗の最大量を有することが重要であり得る。さらに、それはまた、熱をこのように使用されていない場合に外科手術用チップは、急速に冷却する。導体66に記憶されないように、材料は、低熱容量を有することが重要であり得る。これは制限を助け、手術部位の隣接構造への巻き添え被害を防ぐことができます。
【0035】
また、導体66は、十分に高いアニール温度を有する材料で構成されることが望ましい。時々、外科用チップは、約摂氏400度と500摂氏度の間、温度で動作させることができる。このように、導体66の特性の変化を避けるために、導体として使用される材料のアニーリング温度は、外科用チップの予想動作範囲よりも十分に高くあるべきである。
【0036】

また、支持体70は、強磁性のめっきを容易にするような強磁性被覆78の強磁性材65の熱膨張係数に近い熱膨張係数の値を有する材料で構成されることが望ましいかもしれない。一部の構成では、導体66に78をコーティングする。
【0037】
これは、外科用チップの通常動作中(ヤング率)曲げに対する十分な耐性を有するいくつかの材料は、十分なめっき整合性のためには低すぎる熱膨張係数を有することができることが観察されている。したがって、1つまたは複数の介在層74は、熱膨張係数を有する中間体が導体66上にメッキされてもよい。
導体66に用いられる材料に関する別の重要な要因は、電気を伝導する能力であってもよい。そこに十分な支持を提供する複数の材料があるが、十分に導電性ではない。導体66の任意の望ましくない性質又は特性を最小にするようにこのように導体66は、異なる材料の複数の層から構成されてもよい。
【0038】
例えば、導体66を有していてもよい1つ以上の導電層を、銅、銀、など、または他の導電性材料74としてその上に配置する。介在層74は、エネルギーはチップがより急速に冷却することができように、かなりの抵抗を加熱せずに通過することができます。(図5の断面図は正確な縮尺である必要はなく、支持体が本明細書に記載の他の層の厚みよりも直径がはるかに大きくてもよいことが理解されるであろう。)また、当然のことながら、導電性介在層74は、導体66の全長を延長することができる。
【0039】
図5はまた、強磁性層または介在層74に隣接して配置された被覆を示している。強磁性層またはコーティング78は、介在層74上にめっきすることができる。強磁性被覆78が規定の位置で導体66の一部に沿って配置することができるのみ加熱が所望される領域における外科チップに沿って局所的な加熱を提供するようになっている。例えば、強磁性層またはコーティング78は、所望の領域における局所加熱を提供するように導体66の長さなど、約90%、50%、10%未満に沿って配置されてもよい。換言すれば、強磁性材料が延びる長さは、導体66の長さより小さくてもよい。強磁性被覆78を容易にする高い透過性を有していてもよい。強磁性コーティング78は、急熱の冷却を容易にするために、比較的高い熱伝導性と低熱容量を有することができる。
【0040】
強磁性被覆78が露出していてもよい又は強磁性被覆78と患者の組織との間の反応がないことを保証するために、生体適合性材料から作られた外部被覆80で覆われていてもよい。外部コーティング80はまた、外科チップに生物学的組織の付着を低減することによって処置されている外科手術用チップ部と組織との間の潤滑剤として作用し得る。例えば、外部コーティング80は、窒化チタン(またはその変異体の1つ)、TEFLON(登録商標)または他の生体適合性材料のホストであってもよい。
【0041】
外側層80は、強磁性体65と介在層74、および/または支持体70の層の酸化を防止するための酸素障壁として作用することができ、例えば、それが支持体70の酸化が生じる可能性があることが観察されている。これは、外側層80は、そのように実質的に強磁性材料を被覆する強磁性被覆78を覆うように、全体の導体66は、また、外側層は、導体66上に配置することができるような導体66の上に配置されてもよいことが理解されるであろう。
【0042】
本発明の一態様によれば、熱要素60は約2−5皮膚の深さに対応する断面厚さおよび断面厚さも約2に対応する強磁性層を有する中間層を有する導体を含むことができる。例えば、図1に示すような40.68MHzの周波数を有する振動電気エネルギーを受信することは、約500−750μmの直径を有する導体66を含んでもよい。
なお、本発明の熱伝導要素は、5より大きい皮膚の深さに対応する断面厚さを有する強磁性層を含んでもよいことが理解されるであろう。感熱素子の温度を制御することは、感熱素子は、温度が制限されなかった場合は、感熱素子が経験するより極端な熱サイクルに比べて、対象となる温度範囲を減少させることができる。熱素子の温度を制御するような極端な熱サイクルを減少させるので、本発明の原理に従って使用される熱素子は、良好な構造的完全性を有していてもよい。従って、導体上にプレーティングし、強磁性材65の薄い層に加えて、強磁性体スリーブ及び固体強磁性加熱素子を用いてもよい。
【0043】
熱要素60(あるいはチップ)が着脱可能にハンドピース50で受信されるように構成することができるシュラウド58(図1)に結合することができる。チップ60はまた、コンピュータの記憶装置を含むことができるような電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ、特にチップ60に関連する特定の構成パラメータを格納し、手術用ハンドピース50又は電力制御システム30内のマイクロプロセッサに、それらの設定パラメータを送信する。電力導体66に配信されると、強磁性材65は、供給される電力に応じて加熱することができる。電流が導体66を介して指示されると非常に迅速に加熱し、素早くクールダウンも停止する。
それは、種々の熱要素60は異なる熱要素は、特定の外科処置における使用のために、異なる大きさ、形状等を有し、および/または特定の外科用デバイスに関連して使用される構成であるように構築されてもよいことが理解されるであろう。
【0044】
例えば図6(a)は、解剖ループを示し、図6(b)は、切除ループを示しています。図6Aおよび6Bは、本発明の熱要素の異なる形状およびサイズを説明するために示されており、本発明の範囲を限定するものではない。さらに、図6は、解剖ループは導体上に配置された強磁性材65の長さと比較して、導体60上に配置された強磁性被覆の短い長さを有することができるように、強磁性材65は、様々な長さの導体60に沿って延びることができることを示している。
【0045】
また、本発明の熱要素60に配置されてもよいし、あるいはむしろスタンドアロン構成に比べて、外科用器具の表面に埋め込まれる。例えば、熱要素60は、図2に示すように、器具15を切断するとともに使用するために構築されてもよい。使用時には、シーリングおよび/または器具15の切断は、チップ部20Aの周囲に配置されてもよい。チップ部20Aおよび20Bは、ユーザの手に保持されているアーム30A、30Bの端部に配置されてもよい。ダクトまたは組織への圧力を提供するために、ヒント20A、20Bを引き起こし、器具の30Bを絞ることがあります。電気エネルギーは、その後、加熱した。能動素子で発生した熱は、ダクトまたは組織が密封させるために、ダクト又は組織に適用される。本発明の一態様によれば、第2のエネルギーレベルが離れてダクト又は組織を切断するのに十分に第2の熱要素60を加熱するために第2のサーマル素子60に印加されてもよい。
一つ以上の感熱要素60は、その表面上に配置さを有する。図7Bは、熱要素60に配置された鉗子を示し、図7Cは、メスに配置された熱要素60を示す。一つ以上の熱要素60は、熱要素60で発生した熱と手術部位の組織を治療するための提供するために示されていない他の手術器具上に配置することができることが理解されるであろう。
【0046】
さらに、熱要素60の各クラス(例えば2ミリメートルループ(図6A)は、4mmのループ(図6B)切除シール等の要素(図7A)を切断する)の下でその挙動で特徴付けられる。以下の情報は、サーマル素子60の各クラスについて、収集され、電力制御アルゴリズムの定数、またはコンフィギュレーションパラメータを作成するために使用される。
チップの構成パラメータや定数は、次のものがある。
【0047】
【表1】
【0048】
前述のパラメータの1つまたは複数は、一貫した方法で器具に所望の電力を供給するため、外科用器具の熱要素60がキュリー点を超えるのを防止するため、および/または熱外科手術器具の過熱及び所望の位置以外の器具の加熱を防止するために、電力制御システムによって使用されてもよい。電力制御システムは、電力制御アルゴリズムモジュールおよび/または器具への電力供給を制御するために、単独または組み合わせて使用することができるハードウェアを有するソフトウェアを含んでもよい。
【0049】
一貫性のある電力供給は、制御ループフィードバック機構を用いて達成することができる。フィードバック機構は、一つ以上の比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)を含むことができる。図8は、カスケード接続されたPIDコントローラのブロック図を示す。内側PIDコントローラ100は、その入力にフィードバックパラメータとして(矢印105によって示される)順方向電力を使用し、対照として(矢印106で示す)バイアス電圧を出力することができる。内側PIDコントローラ100は、電力レベルによって調整することができ、(すなわち、コントローラ100はPI制御器であってもよい)誘導体定数の使用を必要としなくてもよい。外側PIDコントローラ110は、その入力にフィードバックし、出力内側PID100にレベル(矢印118で示す)目標パワーとして(矢印115で示す)のチップ電流を使用することができる。(PIDコントローラは比例定数のみを使用することができる)。これらのコントローラの組み合わせは、最大チップ電流を超えることなく、ターゲット電力で一貫性のある制御を提供することができる。
【0050】
図4は、主に、順方向電力に基づいて、外科用チップ部の温度の制御を示し、チップ温度はまた、反射電力、定在波比、または正味の電力を測定し、制御することによって順方向電力マイナス反射電力を監視することによって制御することができる。本発明の一態様によれば、熱素子の温度が素子はキュリー温度を超えないように熱素子に供給される電力の量を調節することによって制御することができる。本発明の別の態様によれば、熱素子の温度は、要素が、実質的にユーザが所望するより具体的な温度を維持するように熱素子に供給される電力の量を調節することによって制御することができる。
【0051】
図9は、本発明の原理によるPIDコントローラを使用してカスケード接続された電流制限効果の一例を示すグラフである。進行波電力(FWD)130は、実質的に(右軸上4500)45Wのセットポイントを超えていない間に、現在の(HP−I)120は、一定であることに留意する。また、電力の制御は、実質的に45Wに維持することができる。また、チップを防止することもあり得る。所望に応じて、チップ電流が所定の限度を超えないように、チップが実行してもよい。
【0052】
さらに、チップ部60(図1)の加熱は、図1に関連して以下に説明するように状態機械を使用して管理されてもよい。簡単に言うと、発生した熱は、主にそのロード中に放散することができる。チップ電流が直ちに増加する負荷から除去され、熱がシュラウド58、続いて、ハンドピース50に戻されてもよい。しかし、制御アルゴリズムは、熱要素60が空気走行中である時間の量を最小化することができる。装置は、組織を治療するために使用されていないときに、外科用熱要素60の電力出力を最小限に抑えることがハンドピース50への熱伝達を最小にし、外科医のための装置をより快適になる。さらに、熱要素60の過熱を防止し、装置は、組織を治療するために使用されていない場合でも、熱素子の温度を低下させることが強磁性体65への損傷を防止する。
【0053】
上述したように、状態マシンは、空気中にあるとき熱要素60に供給される電力の量を最小限に抑えながら、強磁性材65が、組織中を加熱する所望の電力を提供するように設計されてもよい。これは提示することができる特定の課題は、物理的に、たとえば、空気と組織間を移動する器具の適切な対応である。この課題を克服するために、ソフトウェアは、例えば、(高いSWR空気を示し、低SWRは負荷を示す)チップの状態を判定するためのトリガとしてSWRを使用することができる。
【0054】
本発明の一態様によれば、熱要素60の手術環境を定期的に熱の挙動特性に熱影響を与える要素に増加電力のパルスを送信し、監視するなどして、決定することができる(インピーダンス、SWRなど)。サーマル素子60がウェル組織に結合されている場合などは、熱要素60の温度が(等電流、インピーダンス、SWRの変化、すなわち、比較的低い速度)を適度に上昇する。しかしながら、熱要素60が不十分に結合される場合(すなわち、熱素子が空中にある)場合、等電流、インピーダンス、SWRの変化率は、高い熱伝導素子が急速に加熱されていることを示す。電流、インピーダンス、SWRなどにおける変化率が検出される場合には、電力制御システムは、大幅に熱要素60および/または過熱の過熱を防止するために、熱要素60に供給される電力の量を制限することができる。
【0055】

大きな温度差および/または極端な熱サイクルにさらされたとき熱素子が損傷する可能性があるため、過熱を防ぐため、熱要素60に供給される電力の量を制限することも重要であり得る。例えば、大きな温度差による熱要素を供してずっと涼しい組織または液体と接触させること、次いで空気中で熱素子を加熱する場合は、特に、骨折への熱素子を構成する材料を引き起こす可能性がある。例えば、空気及び液体を移行する際にこのように、熱要素60に電力供給を制限し、それによって熱素子に達する温度を制限することによって、それが壊れにくくすることができる。
【0056】
次に図10は、本発明の原理による図5の段階状態機械が示されている。追従状態機械の説明は、所与の状態に滞在の長さを決定するための「カウント」を利用することができる。これらのカウントは、内部SWR計からそれぞれの新しいサンプリングインクリメントされてもよい。これらのサンプリングは、利用可能である。負荷状態250で、有効な電力制御を確実にするために、ソフトウェアは、定期的に内部電力測定値を検査し、SWR計から読み出された値を比較することができる。かなりの誤差には、電源アラームが表示され、RF無効(約5Wまたは電力の20%のいずれか大きい方の差)が存在する。
【0057】
RFは、オンされると、これは、状態210が所望の出力レベルに制御電力目標を設定することができる。エントリでRFと呼ばれることもある。また、状態210でRFの間に、SWRチップ電流のピーク値を監視することができる。この状態の目的は、チップ60の電力の初期条件を決定することであってもよい。一部の外科医は、空気中のチップ60を活性化し、次に、組織をタッチし、他の人が組織に触れている間、その後、チップ60を活性化することができる。したがって、状態210でRFチップ60が完全にそうである場合には電力供給されることを可能に組織と接触してオン状態またはチップは、出力電力を制限する電流及び/又は唯一のチップ60は、待ち状態210でRFに残存させることのいずれかである。
【0058】
状態210上のRFから、チップ60は、エアー状態220または負荷状態のいずれかを入力することができる。250は、特定の測定されたパラメータによって異なります。ピークSWRやチップ電流が目標電力設定は高すぎる場合など、チップ60は、エアー状態220に入ることができる。例えば、125カウント(例えば500ミリ秒)後、チップが負荷状態250に入ることができる、後のピークSWRが目標電力範囲内である代替的にあればそれは、任意の特定の持続時間チップは、本明細書に記載される特定の状態のままであることが理解される。従って、例えば、本発明の一態様に係るチップ60は、エアー状態210から負荷状態250に入ることができるピークSWRは250カウントの代わりに、125カウントの範囲内にある。
【0059】
より具体的には、エアー状態220を入力することが可能な組織として十分なヒートシンクに接触していない。チップ加熱を最小限にするエアー状態220に入るには、パワーが低く設定してもよい。エアー状態220を終了し、2つの主要な方法は、低SWRや反射電力の急激な減少の検出があります。反射電力の傾斜が安定するまでエアー状態220が早期に(出力電力を下げるとき例えば反射電力の急激な減少にも発生する可能性があります)終了していないことを確実にするために、ソフトウェアが最初に待機することがあります。一旦安定した、反射電力のSWRと傾きが(以下でより詳細に説明する)終了条件についてモニターすることができる。
【0060】
空気失速状態になるチップ60を防止するために(または低電力レベルで)状態を定期的に自動プリロード状態230に配信状態220から変化してもよく、例えば、チップ部60がある場合1秒以上の空気状態220は、状態をより積極的にチップ部60の状態をテストするために(以下でより詳細に記載する)プレ負荷状態230に変更してもよい。プリロード状態230にチップ60を変更しても、大幅にパワーネット高めるべきではありません(60Wに設定された電力でたとえばチップ60は、空気中で動作し、このアクティブ試験方法は、約18.75Wの総電力を供給する)。
【0061】
エアー状態220からの予圧状態230への終了条件は、例えば安定である反射電力の傾き、5カウント(例えば20ミリ秒)を含むことができる。
【0062】
プレ負荷状態230が安定状態として記述することができ、負荷状態250への前提条件として入力することができる。プレ負荷状態230へのエントリ時に、電力が目標値とSWRに設定することができる。プレ負荷状態230の総持続時間は約31および62カウントの間であってもよい。最初の31カウント(約125ミリ秒)の場合、システムは、電力制御が安定しているとき、許容範囲外の簡単な遷移を可能にする。残り31カウントのため、SWRが有効性を監視することができる。これにより、チップ部60が空中にある場合であっても、それだけで約125ミリ秒(ならびに現在限定されている)のための目標電力で作動しているであろう。
【0063】
さらに、むしろエアー状態220を超えた場合、アルゴリズムは予圧状態230が負荷状態250に行くことを意図して入力されたという仮定を行い、遷移状態240の代わりに移る。
【0064】
プレ負荷状態230から、チップ部60は、特定の測定されたパラメータに応じて、負荷状態250または遷移状態240のいずれかを入力することができる。SWRは約62カウント(約250ミリ秒)の範囲にあるときに、例えば、チップ60は、負荷状態250に入ることができる。SWRは約31カウント後の目標電力設定の制限を超えた場合に代替的には、チップが遷移状態240に入ることができる。特に遷移状態240に複数を参照すると、遷移状態240は、プリロードのいずれかから入力されてもよい状態230または負荷状態250、および、チップ60の現在の状態などを決定するために、中間工程として用いる。遷移状態240に入るときに、パワーが大きい5カウントのために最も低いレベル(例えば5W)に設定してもよいし、SWRが目標電力SWRの限度を下回る。
【0065】
そのため、遷移状態240を大幅に積極的にチップ60の現在の状態をチェック、空気からの予圧状態230への変更と同様、そのチップ60に供給される電力を減少させることができる。SWRが5つの連続試行限界を超え、それ以外の場合は、前の状態(プリロード230または負荷250のいずれか)がリセットされてもよい、それはチップ60が空中にあると仮定してもよいし、状態に応じて変更してもよい。1秒以上の負荷状態250で費やされたときに電力制御アルゴリズムは、この時点でパワー安定性をとることができるように、あるいは、試行カウンタがリセットされてもよい。
【0066】
遷移状態240から、チップ部60は、特定の測定されたパラメータに応じて、プリロード230またはエアー状態220に入ることができる。チップ60は、少なくとも5カウント(20ms)のための遷移状態240にあり、SWRが目標電力の限度を下回ったときに、例えば、チップ60は、プリロード状態230に入ることができる。チップ60は、代わりにエアー状態220に入ることがある。
【0067】
判定は、現在の空気/負荷状況を判断しているとき、チップ60は、電源が安定したと見なされ、SWR限界内で動作しているときにプレ負荷状態230から負荷状態250を入力するか、遷移状態の再入力ができる。チップ60は、目標電力レベルの制限のSWRが増加するような時まで、例えば、負荷状態250のままであってもよい。SWRが5連続した数(約20ミリ)の目標電力設定の制限を超えた場合に、より具体的には、負荷状態250を終了することがある。制御アルゴリズムは、チップが大気中であることを特定の状態で所望の動作範囲内にチップ60を維持するように電源装置を動作させるために使用される。したがって、特定のチップのために、構成パラメータは、温度や電源の制限だけでなく、このようなチューニングインピーダンスやリアクタンスと、SWR定数などの操作やコントロールパラメータなどの動作特性を決定する。論じたように、チップ自体はEEPROM等の記憶装置に記憶されたデータを有しており、チップが外科用ハンドピースに接続された電源にその情報を提供することができる。あるいは、チップ部60は、値の異なるチップ構成で異なり、特定のチップ構成を識別する抵抗として識別要素を含むことができる。これにより、電源は抵抗の値を感知し、チップ構造は、その固有の抵抗値に対応するテーブルから決定することができる。電源自体が記憶されたチップの異なるタイプの動作パラメータを有し、動作パラメータは、外科用ハンドピースに接続されたチップで使用されるべきかを決定するための識別要素を使用することができる。これは、構成パラメータは、電力供給とは別個のコンピュータまたはデバイスのような別の場所に格納することができることが理解されるであろう。
【0068】
図11は、間欠的に、本発明の原理に係る電気手術器具のチップ部に供給される電力を増加させるため、一般的に140で示される開始/終了期間線分群のグラフィカル表現が示されている。周囲の組織への最小限の巻き添えられた熱損傷で組織を凝固させるために所望より低い温度、例えば、外科手術で器具を操作するとき、チップ60の部分は、組織に付着する傾向がある。このような状況下では、電力制御アルゴリズム140は、実質的に治療される組織に付着するチップ60を防止するように間欠的にチップ60に供給される電力を増加させるために使用されてもよい。断続的な電力サージが瞬間的に組織に付着するチップ60の防止に役立つ強磁性層65の温度を上昇させることができる。例えば、電力制御アルゴリズムは、約90ミリ秒の持続時間のためにチップ60に5W以下を送達する10msの間、約30Wへの電力を増加させる。これは、配信の力を理解されるであろうし、その運搬のそれぞれの期間は変更になる場合がある。
【0069】
本発明の一態様によれば、熱外科用器具は、選択的に、ユーザは、外科用チップへの電力送達は、固定パワー指標またはモードに応じて管理されているモードで器具を操作できるように制御することができる場所への電力供給外科用チップが繰り返し実行パワープロファイルに従って管理される。例えば、電力供給管理を選択的に示すフットペダル20を作動させることによって制御することができる。
【0070】
本発明の一態様によれば、システムは、選択的に、チップが活性化されるべきモードを制御するためにユーザによって使用することができる少なくとも二つのフットペダル20を含んでもよい。ユーザは、例えば、組織を切開したい場合にこのように、彼または彼女は、固定パワー指標(例えば、約60W−約5W)に記載のチップに電力を供給するための第一のフットペダル20を作動させることができる。ユーザは、例えば、組織を凝固したい場合、代わりに、彼または彼女が繰り返し実行される電力プロファイルに従ってチップに電力を供給するために第二のフット・ペダル20を作動させることができる。
【0071】
図12は、本発明の電力プロファイル制御アルゴリズムを説明するためのフローチャートが示されている。電力の断続的な増大を提供することによって、熱外科用要素の外科用チップへの電力供給を管理することに加えて、電力プロファイル制御アルゴリズム140は、上記と同様の状態機械を用いてチップへの電力供給を管理することができる。
【0072】
図13に示すように、本発明の原理に係るサーマル外科手術用器具の状態管理の一例のグラフが示されている。
【0073】
図14は、図のグラフ表示の拡大図を示す。
【0074】
図15は、図のグラフィカルな表現のクローズアップビューを示す。
【0075】
図16に示すように、温度スペクトルが開示されている。組織は、(例えば、導体上に配置された強磁性材料のような)組織処置要素と異なる温度で異なる反応があり、したがって、異なる組織に対する処置は、異なる温度範囲で行うことができる。次の温度が有用であることが見出された。血管内皮溶接は摂氏58−62度で最適である。粘着なく、組織の止血は、70−80度Cで達成することができる。より高い温度で、焼け付くような組織および封止をより迅速に生じ得るが、凝塊はビルドアップができる。組織の切開は、縁で組織接着にいくつかのドラッグで、摂氏200度で達成することができる。組織切除および気化は400−500度摂氏の範囲で急激に発生することがあります。特定の組織の治療が患者に有害転帰のリスクを最小化するために起因組織タイプ及び患者の相違を含む不整合が幾分可変であってもよいが、熱的、外科用器具への電力供給の制御が望ましい。
【0076】
改良された電気外科および/または熱的外科用器具および外科器具へのエネルギー源からの電力の送達を制御するためのシステムが開示されている。これは、多数の変更が特許請求の範囲から逸脱することなく本発明に対してなされ得ることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】