特表2015-506757(P2015-506757A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンセス・ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2015-506757インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法
<>
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000003
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000004
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000005
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000006
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000007
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000008
  • 特表2015506757-インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-506757(P2015-506757A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】インプラントのひずみ読み取り値を正規化し骨治癒を評価する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/68 20060101AFI20150206BHJP
【FI】
   A61B17/58 310
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-553509(P2014-553509)
(86)(22)【出願日】2013年1月22日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月27日
(86)【国際出願番号】US2013022477
(87)【国際公開番号】WO2013112441
(87)【国際公開日】20130801
(31)【優先権主張番号】13/355,970
(32)【優先日】2012年1月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】デイルメンジアン・カール
(72)【発明者】
【氏名】ミカイル・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ピールソン・グレン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL29
4C160LL32
(57)【要約】
骨プレートを含む骨治療用の装置及び方法であって、該プレートは連結部分によって互いに接合された第1及び第2の部分を含み、連結部分の剛性は第1及び第2の部分のそれぞれの剛性より小さい骨プレートと、更に、第1の部分上のひずみを測定する第1の部分に取り付けられた第1のセンサと、第2の部分上のひずみを測定する第2の部分に取り付けられた第2のセンサと、を含む、骨治療用の装置及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を治療する装置であって、
連結部分によって互いに接合された第1及び第2の部分を含む骨プレートであって、前記連結部分の剛性は前記第1及び第2の部分のそれぞれの剛性より小さい、骨プレートと、
前記第1の部分上のひずみを測定する、前記第1の部分上に取り付けられた第1のセンサと、
前記第2の部分上のひずみを測定する、前記第2の部分上に取り付けられた第2のセンサと、を含む、骨を治療する装置。
【請求項2】
前記骨プレートは、当該骨プレートの長手方向軸に沿って延在する長さと当該骨プレートを横断する幅とを有し、前記連結部分は前記第1及び第2の部分の幅より小さい幅を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連結部分は、少なくとも所定のしきい値のねじりがかけられたときに壊れるように設計された脆弱な連結具として形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のセンサは、MEMSセンサ、ひずみゲージ、及びプリント基板に接続された給電式素子の中の1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のセンサは受動的給電式素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサは外部のデータ収集ユニットに無線でデータを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のひずみと前記第2のひずみとの比率を計算し前記骨上の荷重の影響を正規化する処理ユニットを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
骨の破砕した部位を覆って位置する骨プレートの第1の部分上のひずみを前記第1の部分上に取り付けられた第1のセンサによって測定することと、
前記骨の健全な部位を覆って位置する前記骨プレートの第2の部分上のひずみを前記第2の部分上に取り付けられた第2のセンサによって測定することと、
前記第1のセンサによって測定したひずみと前記第2のセンサによって測定したひずみとの比率を決定し前記骨上の荷重の影響を正規化し前記骨の治癒のレベルを決定することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の部分と第2の部分との間で伝達されるひずみが減少するように、前記第1及び第2の部分のそれぞれより小さい剛性を有する連結部分によって前記第1及び第2の部分が接続されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記骨プレートは、当該骨プレートの長手方向軸に沿って延在する長さと当該骨プレートを横断する幅とを有し、前記連結部分は前記第1及び第2の部分の幅より小さい幅を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記連結部分は、所定のレベルのねじりがかけられたときに壊れるように設計された脆弱な連結具として形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記骨プレートの前記第1及び第2の部分は互いに接続されない、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1及び第2のセンサは、MEMSセンサ、ひずみゲージ、及びプリント基板に接続された給電式素子の中の1つである、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1及び第2のセンサは受動的給電式素子である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記第1及び第2のセンサによって測定される前記ひずみを外部のデータ収集ユニットに無線で送信することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
骨を治療するためのシステムであって、
第1の骨プレートであって、当該第1の骨プレート上のひずみを測定するために当該第1の骨プレート上に取り付けられた第1のセンサを含む、第1の骨プレートと、
第2の骨プレートであって、当該第2の骨プレート上のひずみを測定するために当該第2の骨プレート上に取り付けられた第2のセンサを含む、第2の骨プレートと、
前記第1のセンサによって測定したひずみと前記第2のセンサによって測定したひずみとの比率を決定し前記骨上の荷重の影響を正規化し前記骨の治癒のレベルを決定するプロセッサと、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「Device and Method for Normalizing Implant Strain Readings to Assess Bone Healing」と題する2012年1月23日申請の米国特許仮出願第13/355,970号の優先権を主張し、その全ての開示を参照により本明細書の開示に含める。
【背景技術】
【0002】
ひずみゲージは骨治癒の進行を追跡するために整形外科インプラントに設置することができる。インプラント設置当初、インプラントはより高いレベルのひずみを経験することが予期され、ひずみのレベルは治癒の間に骨がより多くの荷重をインプラントと分担し始めるにつれて減少する。しかしながら、現在、骨治癒を評価するために、インプラントのひずみ値は骨に加えられる既知の荷重で評価されることを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、骨プレートを含む骨の治療用の装置及び方法に関し、連結部分によって互いに接合された第1及び第2の部分を含む骨プレートであって、連結部分の剛性が第1及び第2の部分のそれぞれの剛性より小さい、骨ネプレートと、更に、第1の部分上のひずみを測定する第1の部分上に取り付けられた第1のセンサと、第2の部分上のひずみを測定する第2の部分上に取り付けられた第2のセンサと、を一緒に含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本発明の第1の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
図2】本発明の第2の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
図3】本発明の第3の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
図4図3のシステムの骨固定要素の側面図を示す。
図5】本発明の第4の例示的な実施形態によるシステムの斜視図を示す。
図6】本発明の第5の例示的な実施形態によるシステムの平面図を示す。
図7】本発明の別の実施形態によるシステムの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明文及び付属の図面を参照することで本発明のより深い理解が得られるであろう。なお、図中、同様の要素は同じ参照符号により示されるものとする。本発明の例示的な実施形態は、骨治癒の進行を追跡するシステム及び方法に関する。特に、例示的な実施形態は、インプラント及び/又は骨に沿った多数の部位のひずみの比率を計算するシステム及び方法を説明する。システムの例示的な実施形態は、骨の弱化部分に近接した部位に位置するように適合されたインプラントの表面上の第1のセンサを含むことができる。この位置におけるインプラント上のひずみは、弱化した骨の強さ又は剛性、及び患者によって骨にかかる荷重に影響を受ける。測定したひずみが骨治癒過程に実質的に不変であるように、第2のセンサは測定したひずみが骨にかかる荷重によってのみ作用される位置においてインプラント上に設置することができる。したがって、第1のセンサ及び第2のセンサによって測定したひずみの間の比率は、骨上の荷重に関係なく、骨治癒に対する情報を提供する。例示的な実施形態は、脚骨の治癒過程の追跡を具体的に説明するが、本発明は任意の荷重負荷骨の治癒の進行を追跡するために使用できることが当業者に理解されるであろう。例示的な実施形態は2つのセンサを具体的に示し説明するが、本発明は、異なる領域の骨治癒の進行に対応する比率を決定するために、骨の異なる領域に沿って追加のセンサが含まれてもよいことも当業者に理解されるであろう。更に、例示的な実施形態は骨プレートを示すが、本発明は、例えば、ねじ、骨髄内装置、外部固定器、脊椎固定インプラント、及び補綴物等の他の固定要素と共に使用されてもよい。
【0006】
図1に示すように、本発明の第1の例示的な実施形態によるシステム100は、インプラント102(例えば、骨プレート)、第1のセンサ104、及び第2のセンサ106を含む。インプラント102は、例えば、破砕部110の固定、又は骨108の弱化部分の支持のために、骨108の目標部分を覆って固定するように構成される。第1及び第2のセンサ104、106が骨108に機械的に連結されるように、第1及び第2のセンサ104、106はインプラント102の表面114に沿って取り付けられる。インプラント102が所望の位置で骨108に固定されるとき、表面114が骨108と反対に向いて示されるが、センサ104、106はインプラント102の任意の表面に沿って取り付けできることが当業者に理解されるであろう。例えば、センサ104、106は更に、骨108の方に向いてインプラント102の表面、又はインプラント102の側方の表面に取り付けできる。インプラントが骨108上の所望の位置にあるとき、第1のセンサ104は破砕部110の部位を覆って置かれ、第2のセンサ106は骨108の健全な(つまり、中実)部分112を覆って破砕部110から離れているように、第1及び第2のセンサ104、106はインプラント102に位置決めされ、インプラント102に沿ったこれらの位置で、インプラント102上の歪み及び/又は荷重のレベルが測定される。第2のセンサ106は、骨108の健全な部分112に締められた2つのねじの間で隔離しているべきで骨108上の荷重を測定する。
【0007】
この実施形態のセンサ104、106は、ひずみの測定に用いられ、当業者に理解されるであろうデータ収集装置への無線接続用のインターフェースを含み受動的に給電供給されるMEMSセンサであってもよい。別の実施形態では、センサ104、106は、プリント基板(PCB)に接続された給電式素子であってもよい。これによりセンサ104、106に物理的にアクセスすることなく、インプラント102のひずみが測定され、更に処理されるためにデータ収集装置に送信されることが可能となる。センサ104、106によって検出されるひずみ測定値は、実際のひずみ値を表わす必要はなく、基材のひずみの変化に基づいて変わる任意の信号が含まれてもよいことが当業者に理解されるであろう。例えば、MEMSセンサ104、106は変形するRF装置であってもよく、ひずみがその上にかけられるとき、センサ104、106のキャパシタンスの変化によって生じた振動数のシフトとなり、その結果、振動数のシフトがひずみの変化に対応する。当業者に理解されるように、センサ104、106に信号を無線で提供するために外部装置が用いることができるであろう。次に、戻ってきた信号の変化を測定し、センサにかけられたひずみのレベルを決定することができる。次に、第1のセンサ104によって測定したひずみと第2のセンサ106によって測定したひずみとの比率が医師又は他の専門家によって決定され、治癒過程を追跡することができる。あるいは、比率は処理装置によって決定されてもよく、その装置は更にひずみ測定値及び決定比率を格納することができ(例えば、内部記憶装置中に、又は外部記憶装置に)、その結果、比率の変化を再調査し経時的な治癒の進行をより完全に理解することができる。
【0008】
骨108が折れた又は破砕した当初のとき、破砕部110の位置でのインプラント102上のひずみは、治癒する過程の間の骨108の機械的特性の変化、及び骨108にかかる荷重(例えば、患者が脚にかける体重)によって変わり、健全な部分112で測定したひずみは骨108にかかる荷重によってのみ変わることが当業者に理解されるであろう。したがって、2つのセンサ104、106によって測定したひずみの比率を取ることで、センサ104、106上の荷重の影響が正規化され、破砕部位110での骨108の剛性に対応するデータが提供される。第1のセンサ104からの測定値と第2のセンサ106からの測定値との比率は、治癒過程中、経時的に減少パターンの傾向にあるべきで、一方で治癒の欠乏は経時的に認識できる傾向を示さないであろう。
【0009】
図2に示すように、本発明の第2の例示的な実施形態によるシステム200は、インプラント202、及び少なくとも2つのセンサ204、206を含み、システム100に実質的に類似している。しかしながら、センサ204、206の両方がインプラント202上に位置するのではなく、第1のセンサ204は骨208の破砕部に対応する位置でインプラント202の表面214に置かれ、第2のセンサ206はインプラント202の境界線の外部の骨208の中実部分212に直接置かれる。したがって、第1のセンサ204は破砕部210の部位に対応する位置でインプラント202上のひずみを測定し、第2のセンサ206は骨208の中実部分212上のひずみを測定する。システム100と同様に、第1のセンサ204及び第2のセンサ206によって測定したひずみの間の比率が決定され、骨208の治癒の進行を調べるために追跡される。上述のとおり、第1のセンサ204からのひずみ測定値と第2のセンサ206からのひずみ測定値との比率は、骨208が治癒するにつれて減少パターンの傾向にあるべきで、一方で治癒の欠乏は経時的に認識できる傾向を示さないであろう。
【0010】
図3〜4に示すように本発明の第3の例示的な実施形態によるシステム300は、インプラント302、及び少なくとも2つのセンサ304、306を含み、システム200に実質的に類似している。第1のセンサ204と同様に、(インプラント302が所望の位置で骨308に取り付けられたとき)第1のセンサ304は、破砕部310の位置でインプラント302上のひずみを測定するために、骨308の破砕部310の位置に対応する位置でインプラント302の表面314上に設置され、一方第2のセンサ306は骨308の中実部分312に直接的に設置される。しかしながら、第2のセンサ306は、骨308の外面上に置かれるのではなく、例えば、骨固定要素316(例えば、ねじ)で中実部分312内に置かれる。
【0011】
骨固定要素316が骨の中実部分312に挿入されるとき、第2のセンサ306が骨308の皮層壁と接触するように、第2のセンサ306は骨固定要素316の近位端318に隣接して装着することができる。第2のセンサ306は、骨固定要素316の部分の周りに印刷される又は取り付けられてもよく、骨308上のひずみと直接関係がある骨308の変形を測定する。次に、第1のセンサ304からの測定値と第2のセンサ306からの測定値との比率は、上述した同じ方法で治癒過程を追跡するために決定することができる。
【0012】
図5に示すように、本発明の第4の例示的な実施形態によるシステム400は、インプラント402、並びに両方ともインプラント402に取り付けられる第1のセンサ404及び第2のセンサ406を含み、システム100に実質的に類似している。第1のセンサ104と同様に、第1のセンサ404は、インプラント402が所望の位置にあるとき、破砕部410の位置に対応する位置でインプラント402上に置かれ、その結果、第1のセンサ404は破砕部410の部位に対応する位置でインプラント402上のひずみを測定する。第2のセンサ406はインプラント402の部分420上に位置し、第1のセンサ404が取り付けられるインプラント402の部分より高い可撓性を有する。例えば、部分420は、その幅(すなわち、インプラント402の長手方向軸に垂直な方向で骨に面する表面を横切るインプラント402の延在部分)、及び/又はその厚さ(すなわち、骨に面する表面と骨と反対に向く表面との間の距離)をインプラント402の残りの部分に比べて減少させることによって、インプラント402の他の部分より高い可撓性を持たせることができる。好ましい実施形態では、骨408の下にある部分412が中実であることを確実にするに十分大きい距離だけ離れたけ第2のセンサ406が破砕部410から離れているように、可撓性部分420はインプラント402の端部422に隣接している。
【0013】
インプラント402の可撓性部分420上の第2のセンサ406は、例えば、対向する両側の穴424に挿入された止めねじによって骨408の中実部分412に固定される。第2のセンサ406からの測定値が第1のセンサからの測定値の正規化に使用できるように、第2のセンサ406は骨408の中実部分412に対応するインプラント402の部分のひずみを測定する。システム200及び300と共に説明したように、骨中又は骨上へのセンサの直接配置と同様に、第2のセンサ406をインプラント402の可撓性のより高い部分420の2つの固定したねじの間に置くことは、第2のセンサ406をインプラント402の剛性がより高い部分に置いて得る結果と比べて、骨408の下にある中実部分412上のひずみのより正確な測定を可能にする。第1のセンサ404からの測定値と第2のセンサ406からの測定値との比率は、治癒過程の間、経時的に骨408の剛性度が高くなっていることを示すパターンの傾向にあるべきで、一方で治癒の欠乏は経時的に認識できる傾向を示さないであろう。
【0014】
図6に示すように、本発明の別の例示的な実施形態によるシステム500は、骨プレート502、第1のセンサ504、及び第2のセンサ506を含み、システム100に実質的に類似していることができる。第1及び第2のセンサ504、506が骨プレート502によって骨に機械的に連結されてもよいように、第1及び第2のセンサ504、506は骨プレート502の表面514に沿って取り付けられる。システム100に関して上述したように、骨プレート502が骨に沿って所望の位置にあるときに、第1のセンサ504は骨の破砕した部位を覆って位置し、一方第2のセンサ506は(好ましくは、骨の健全な(例えば、中実)部分を覆って)破砕部から離れているように、第1及び第2のセンサ504、506は骨プレート502上に置かれる。第1及び第2のセンサ504、506は、骨プレート502のこれらの位置で骨プレート502上のひずみのレベルを測定し、第1及び第2のセンサ504、506によって測定したひずみの比率は経時的な骨の治癒の進行を示す。
【0015】
システム100とは対照的に、骨プレート502は、第1の部分522に第1のセンサ504が取り付けられ、第1の部分522に対向する連結部分520の側の第2の部分524に第2のセンサ506が取り付けられ、連結部分520によって互いに連結した第1の部分522及び第2の部分524を含む。したがって、第1のセンサ504が破砕した部位の上を覆うように第1の部分522が位置し、一方第2のセンサ506が骨の健全な部分を覆って延在するように第2の部分524が位置するとき、連結部分520は第1及び第2のセンサ504、506との間に延在する。連結部分520は、第1及び第2の部分522、524の間を伝達するひずみを減少させるように設計される。特に、連結部分520は第1及び第2の部分より剛性が小さく、第2のセンサ524に加えられるねじりひずみを減少させる。例えば、第1及び第2の部分522、524の幅に比べて連結部分520の幅を減少させ、連結部分520を第1及び第2の部分522、524より高い可撓性にしてもよい。これは、骨プレート502の長手方向軸に実質的に垂直な方向に表面514を横切って骨プレート502の剛性を減少させ、第2のセンサ506を破砕した部位に関連するひずみからより実質的に機械的に分離させ(すなわち、破砕した部位を横切って加えられ第2のセンサ506に伝達されるねじりひずみを減少させる)、その結果、第2のセンサ506は骨の健全な部分のみに関連したひずみのレベルをより正確に測定する。破砕した部位を覆って位置する第1のセンサ504は、それにより検出されるいかなるねじりひずみよりも著しく大きい曲げひずみを検出し、その結果、これらのねじりひずみは、第1のセンサ504によって測定される全ひずみにごく僅かな影響を与えることが当業者に理解されるであろう。
【0016】
別の例では、連結部分520は、加えられたねじり力が所定のしきい値を超えるとき壊れるように設計される脆弱な連結具として形成されてもよい。したがって、脆弱な連結具が壊れる前に、第2のセンサ506はしきい値によって制限されたねじりひずみを受け、脆弱な連結具が切断した後、骨プレート502の第1及び第2の部分522、524は完全に分離し互いから孤立し、破砕した部位から生じる任意のねじりひずみが第2のセンサ506に影響を与えることをなくす。脆弱な連結具が壊れないとき、健全な骨に見られることが予期されるひずみのレベルに比べて第1の部分522から第2のセンサ506に伝達されるねじりひずみの最大レベルがごく僅かなであるように、連結部分520が壊れるしきい値せ設定されることが好ましいことは当業者に理解されるであろう。図7に示すように、更に別の実施形態では、システム500’は、第1及び第2のセンサ504’、506’がそれぞれ取り付けられる2つの別個の骨プレート522’、524’を含む。第1及び第2の骨プレート522’、524’は互いに接続しておらず、第1のプレート522’が破砕した部位を覆って装着され、一方第2のプレート524’が離れて骨の健全な部分を覆って装着されることを可能にし、破砕した部位から第2のセンサ506’へねじりが伝達されるのを完全になくす。
【0017】
目標位置で骨に取り付けられるとき、その骨の破砕部の位置又は他の弱化部分に対応するインプラントの部分上のひずみの測定値を正規化するために、他の機構が使用されてもよいことは当業者に理解されるであろう。例えば、インプラント上のセンサのひずみ測定と同時に荷重測定を得ることができるように、患者は罹患した手足で押す又は立つ荷重センサを提供されてもよい。あるいは、罹患した骨が大腿骨又は脛骨である場合、患者は(例えば、靴の底部に配置した)センサを提供され、罹患した脚にかかる荷重が測定されてもよい。
【0018】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明の構造及び方法に様々な改変及び変更を行うことが可能である点は当業者には明らかであろう。したがって、本発明の改変及び変更が、付属する特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲に含まれるものであれば本発明はそれらを包含するものとする。
【0019】
〔実施の態様〕
(1) 骨を治療する装置であって、
連結部分によって互いに接合された第1及び第2の部分を含む骨プレートであって、前記連結部分の剛性は前記第1及び第2の部分のそれぞれの剛性より小さい、骨プレートと、
前記第1の部分上のひずみを測定する、前記第1の部分上に取り付けられた第1のセンサと、
前記第2の部分上のひずみを測定する、前記第2の部分上に取り付けられた第2のセンサと、を含む、骨を治療する装置。
(2) 前記骨プレートは、当該骨プレートの長手方向軸に沿って延在する長さと当該骨プレートを横断する幅とを有し、前記連結部分は前記第1及び第2の部分の幅より小さい幅を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記連結部分は、少なくとも所定のしきい値のねじりがかけられたときに壊れるように設計された脆弱な連結具として形成される、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記第1のセンサは、MEMSセンサ、ひずみゲージ、及びプリント基板に接続された給電式素子の中の1つを含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記第1のセンサは受動的給電式素子を含む、実施態様1に記載の装置。
【0020】
(6) 前記第1及び第2のセンサは外部のデータ収集ユニットに無線でデータを提供する、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記第1のひずみと前記第2のひずみとの比率を計算し前記骨上の荷重の影響を正規化する処理ユニットを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(8) 骨の破砕した部位を覆って位置する骨プレートの第1の部分上のひずみを前記第1の部分上に取り付けられた第1のセンサによって測定することと、
前記骨の健全な部位を覆って位置する前記骨プレートの第2の部分上のひずみを前記第2の部分上に取り付けられた第2のセンサによって測定することと、
前記第1のセンサによって測定したひずみと前記第2のセンサによって測定したひずみとの比率を決定し前記骨上の荷重の影響を正規化し前記骨の治癒のレベルを決定することと、を含む、方法。
(9) 前記第1の部分と第2の部分との間で伝達されるひずみが減少するように、前記第1及び第2の部分のそれぞれより小さい剛性を有する連結部分によって前記第1及び第2の部分が接続されている、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記骨プレートは、当該骨プレートの長手方向軸に沿って延在する長さと当該骨プレートを横断する幅とを有し、前記連結部分は前記第1及び第2の部分の幅より小さい幅を有する、実施態様9に記載の方法。
【0021】
(11) 前記連結部分は、所定のレベルのねじりがかけられたときに壊れるように設計された脆弱な連結具として形成される、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記骨プレートの前記第1及び第2の部分は互いに接続されない、実施態様8に記載の方法。
(13) 前記第1及び第2のセンサは、MEMSセンサ、ひずみゲージ、及びプリント基板に接続された給電式素子の中の1つである、実施態様8に記載の方法。
(14) 前記第1及び第2のセンサは受動的給電式素子である、実施態様8に記載の方法。
(15) 前記第1及び第2のセンサによって測定される前記ひずみを外部のデータ収集ユニットに無線で送信することを更に含む、実施態様8に記載の方法。
【0022】
(16) 骨を治療するためのシステムであって、
第1の骨プレートであって、当該第1の骨プレート上のひずみを測定するために当該第1の骨プレート上に取り付けられた第1のセンサを含む、第1の骨プレートと、
第2の骨プレートであって、当該第2の骨プレート上のひずみを測定するために当該第2の骨プレート上に取り付けられた第2のセンサを含む、第2の骨プレートと、
前記第1のセンサによって測定したひずみと前記第2のセンサによって測定したひずみとの比率を決定し前記骨上の荷重の影響を正規化し前記骨の治癒のレベルを決定するプロセッサと、を含む、システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】