(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-506811(P2015-506811A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】クイックリリース式スクイジー組立体を有する表面メンテナンス車
(51)【国際特許分類】
A47L 11/16 20060101AFI20150206BHJP
A47L 11/40 20060101ALI20150206BHJP
【FI】
A47L11/16
A47L11/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-557766(P2014-557766)
(86)(22)【出願日】2013年2月14日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月15日
(86)【国際出願番号】US2013026120
(87)【国際公開番号】WO2013123174
(87)【国際公開日】20130822
(31)【優先権主張番号】61/599,773
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514207429
【氏名又は名称】テンナント カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エル.シンラー
(57)【要約】
クイックリリース式スクイジー組立体を有する表面メンテナンス車と、床表面メンテナンス車のブラシデッキにスクイジー組立体を連結する方法。単一のリリースラッチが、スクイジー組立体とブラシデッキとを連結および連結解除するために使用されるだろう。ブラシデッキ上とスクイジー組立体のフレーム上との対応する位置決め構造が、互いに係合させられる時に、ブラシデッキとフレームを位置合せし、ブラシデッキとフレームとの間の相対的な運動が制限される箇所を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クイックリリース式スクイジーを有する床表面メンテナンス車であって、
ブラシデッキによって支持されている床係合ブラシを有するブラシデッキと、
少なくとも1つのスクイジーブレードと、前記少なくとも1つのスクイジーブレードが取り付けられているフレームとを有するスクイジー組立体であって、前記少なくとも1つのスクイジーブレードは、前記ブラシ付近の下に位置する床の上を引き摺られるようになっているスクイジー組立体と、
前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに連結して取り付ける単一のリリースラッチであって、前記スクイジー組立体は、この単一のリリースラッチが取り外される時に前記ブラシデッキから取り外し可能である、単一のリリースラッチと、
を備える、
床表面メンテナンス車。
【請求項2】
前記ブラシデッキと前記フレームは、互いに係合させられる時に、前記フレームを前記ブラシデッキに対して位置合せし、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動が制限される2つ以上の箇所を提供する、それぞれに対応する位置決め構造を含む、
請求項1に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項3】
前記2つ以上の箇所は、前記単一のリリースラッチが前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに連結して取り付ける場所に対して、同一直線上にはない、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項4】
前記ブラシデッキと前記フレームの前記それぞれに対応する位置決め構造が、前記2つ以上の箇所を形成するために、かつ、前記ブラシデッキに対して前記フレームを位置合わせするために互いに係合させられる時に、前記フレームの穴が、前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに連結して取り付ける前記単一のリリースラッチを受け入れるように、前記ブラシデッキ上の歯止めと位置合わせする、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項5】
前記2つ以上の箇所が、前記フレームの穴が前記ブラシデッキ上の前記歯止めと位置合わせする場所に対して同一直線上にない、
請求項4に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項6】
前記ブラシデッキは、前記位置決め構造の1つを形成するテーパ付き楔状部を含み、
前記フレームは、前記位置決め構造の別の1つを形成する1つまたは複数のタブを含み、
前記テーパ付き楔状部は、前記ブラシデッキと前記フレームを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限するために、前記タブを受け入れて保持するようになっている、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項7】
前記1つまたは複数のタブはV字形である、
請求項6に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項8】
前記ブラシデッキは、前記位置決め構造の1つを形成する直立ピンを含み、
前記フレームは、前記位置決め構造の別の1つを形成する漸進的に幅が狭まるスロットを含み、
前記漸進的に幅が狭まるスロットは、前記ブラシデッキと前記フレームとを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限するために、前記直立ピンを受け入れるようになっている、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項9】
前記漸進的に幅が狭まるスロットはV字形である、
請求項8に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項10】
前記ブラシデッキは、前記位置決め構造の1つを形成する開放スロットを含み、
前記フレームは、前記位置決め構造の別の1つを形成する下向きタブを含み、
前記開放スロットは、前記ブラシデッキと前記フレームとを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限するために、前記下向きタブを受け入れるようになっている、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項11】
前記ブラシデッキは歯止めを有し、
前記フレームは、前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに取り付けるために、前記単一のリリースラッチが前記歯止めの中に解放可能に受け入れられるように中を通って延びることができる穴を含む、
請求項2に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項12】
前記ブラシデッキと前記スクイジー組立体は、前記床表面メンテナンス車のサイドブラシ組立体を形成する、
請求項1に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項13】
前記スクイジー組立体は、さらに、前記少なくとも1つのスクイジーブレードを前記フレームに締め付け固定するクランプバンドを含む、
請求項1に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項14】
前記クランプバンドは、前記クランプバンドと前記少なくとも1つのスクイジーブレードとを前記フレームに取り付けるために前記クランプバンドを締め付ける選択的に解放可能なラッチを含む、
請求項13に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項15】
前記少なくとも1つのスクイジーブレードは、2つ以上の開放スロット列を含み、
前記フレームは、前記少なくとも1つのスクイジーブレードを前記フレームに取り付けることを補助するために、前記開放スロット列のうちの1つの列の対応する開放スロットを通って延びる一連の突出タブを含む、
請求項1に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項16】
前記下に位置する床に対する前記少なくとも1つのスクイジーブレードの相対的な高さが、前記開放スロット列のうちの異なる1つの列の対応する開放スロットを通るように前記一連の突出タブを延在させることによって調節可能であり、これによって、前記フレームに対する前記少なくとも1つのスクイジーブレードの相対的な位置が、前記開放スロット列のどの列が前記一連の突出タブに連結するかに基づいて変化する、
請求項15に記載の床表面メンテナンス車。
【請求項17】
スクイジー組立体を床表面メンテナンス車のブラシデッキに連結する方法であって、
前記スクイジー組立体は、少なくとも1つのスクイジーブレードと、前記少なくとも1つのスクイジーブレードが取り付けられているフレームとを有する、
方法において、
前記ブラシデッキに対して前記フレームを各々位置合せし、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な移動が制限される2つ以上の箇所を各々提供する、前記ブラシデッキ上および前記フレーム上に対応する位置決め構造を係合させる工程と、
前記スクイジー組立体を前記デッキブラシに対して連結しかつ取り付けるための単一のリリースラッチを係合させる工程であって、前記単一のリリースラッチが取り外される時に前記スクイジー組立体が前記ブラシデッキから取り外し可能である、工程と、
を含む、
方法。
【請求項18】
前記2つ以上の箇所は、前記単一のリリースラッチが前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに連結して取り付ける場所に対して同一直線上にない、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記2つ以上の箇所は3つ以上の箇所であり、
前記3つ以上の箇所は同一直線上にない、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ブラシデッキ上および前記フレーム上の対応する位置決め構造を係合させることによって前記ブラシデッキに対して前記フレームを位置合せすることは、さらに、前記単一のリリースラッチを受け入れるために、前記フレームの穴を前記ブラシデッキ上の歯止めに対して位置合せする、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記スクイジー組立体を前記ブラシデッキに連結して取り付けるために、前記単一のリリースラッチのピンを前記穴の中を通して前記歯止めの中に挿入する工程をさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記ブラシデッキ上および前記フレーム上の前記対応する位置決め構造は、前記ブラシデッキ上のテーパ付き楔状部と、前記フレーム上の1つまたは複数のタブとを含み、
前記対応する構造を係合させる工程は、前記ブラシデッキに対して前記フレームを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限する箇所の1つを形成するために、前記テーパ付き楔状部の中に前記タブを挿入する工程を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記ブラシデッキ上および前記フレーム上の前記対応する位置決め構造は、前記ブラシデッキ上の直立ピンと、前記フレーム上のV字形スロットとを含み、
前記対応する構造を係合させる工程は、前記ブラシデッキに対して前記フレームを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限する箇所の1つを形成するために、前記V字形スロットの中に前記直立ピンを挿入する工程を含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記ブラシデッキ上および前記フレーム上の前記対応する位置決め構造は、前記ブラシデッキ上の開放スロットと、下向きタブとを含み、
前記対応する構造を係合させる工程は、前記ブラシデッキに対して前記フレームを位置合せするために、かつ、前記ブラシデッキと前記フレームとの間の相対的な運動を制限する箇所の1つを形成するために、前記開放スロットの中に前記下向きタブを挿入する工程を含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床表面クリーニング装置に一般的に関する。さらに特に、本発明は、こうした装置と共に使用するための、新規性のあるアタッチメントおよびクイックリリース機構を有するスクイジー組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
(優先権主張)
本発明は、2012年2月16日付けで出願された米国仮特許出願第61/599,773号明細書に基づく優先権を主張し、この明細書の開示内容は本明細書中にその全体が参照として援用される。
【0003】
表面メンテナンス車が公知である。こうした車両および装置は、電源内蔵形、曳航式、または、後押し式、および/または、手動式であり、クリーニング動作中に人間のオペレータを乗せて運ぶこともある。こうした車両は、屋外と屋外の両方の実質的に平らな表面の一部分をクリーニングし、擦り洗いし、拭き取りし、および/または、乾燥させることが意図されている、スクラバー(scrubber)、吸取り機(extractor)、スイーパー(sweeper)、掃除機(vacuum)、および、これらの組み合わせを含む。こうした装置は、典型的には、クリーニング溶液の供給源と、クリーニング溶液を床表面上に塗布するための溶液塗布手段と、濡れた床表面に係合するためのスクラビング手段と、床表面から汚れたクリーニング溶液を取り除くための真空システムとを含む。クリーニング溶液は、典型的には、その車両の下部部分から動作する回転スクラブブラシを通してまたはその付近において床表面に対して供給される。この真空システムは、典型的には、各々が本明細書に参照として援用されている特許文献1と特許文献2と特許文献3とに開示されているスクイジー要素のような1つまたは複数のスクイジー要素を含む。
【0004】
こうした従来技術のクリーニング車のスクイジー組立体は、クリーニング溶液(浮遊したゴミと粒子と汚染物質を含む)が除去される除去場所にクリーニング溶液を送るために表面メンテナンス車の後部または後部付近に取り付けられることが多い。このスクイジー組立体は、クリーニングおよびワイピングされるべき表面に対する均一な接触を促進するように、互いに間隔を置いてその支持部材に固定されている2つのスクイジーブレードを有する概ね弓形の形状構成のスクイジー支持部材を含むだろう。
【0005】
2のスクイジーブレードを有する特定の従来技術のクリーニング車では、真空源が、このブレードの間の隙間から遠隔のリザーバまたは他の回収ユニットに充填クリーニング溶液を吸い上げるためにワイピング組立体に連結されているだろう。このスクイジー組立体は、クリーニング車のスクラブブラシおよび/または車輪の経路幅を少なくとも完全に範囲内に含むために十分なだけ幅広であることが多い。スクイジー組立体の端部はその車両の側部に露出されている傾向があり、および、したがって、クリーニング動作中にまたはクリーニング動作間に車両を移送する時に遭遇させられることがある不動の障害物との接触によって、潜在的に損傷を受けやすい。
【0006】
このタイプの機械のスクイジーブレードは摩耗/整備点検物品(wear/service item)であることが多い。このブレードが摩耗すると、汚れたクリーニング溶液および/または水を吸い上げるその機械の能力が低下する。特定の特に過酷な環境内では、スクイジーブレードは、その機械の寿命中に何度も交換される。ツールの入手可能性が限定されている現場においてオペレータによってこれが何度も行われる。特定の従来技術の機械では、スクイジーブレードを保持するための蝶ねじが備えられている。
【0007】
Tennant Companyのモデル433 Walk Behind Scrubberは、着脱式のスクイジーブレードとリテーナ(retainer)とを含んでいる。この設計では、リテーナとブレードは締結具によって互いに連結されている。この設計は、ブレードの周りの隙間を増大させることによって、道具が不要なブレード交換を実現し、したがって、ブレードは、リテーナ受け溝の中で押されたり引かれたりすることが可能である。
【0008】
特定の従来技術のスクイジー組立体の連結具(coupling)が、スクイジー組立体によって捕らえれているブッシュの一部分と、スクイジーサスペンション(squeege suspension)内に捕らえられているそのブッシュの残り部分とを有する、規格対応のブッシュを使用する。スクイジー組立体とスクイジーサスペンションとの間にブッシュを取り付けるために、ねじ式の締結具が使用される。スクイジーサスペンションのポケット状の輪郭が、開放端のスロット輪郭の中を通してスルーハードウェア(through hardware)が解放されることを可能にし、および、規格対応のブッシュの一部分のためのポケットを提供する。このスルーハードウェアは、通常の動作のためにスクイジー組立体を一体的に保持する。
【0009】
従来技術のねじ式のハードウェアは取り扱いが困難で時間浪費的であり、汚れた環境内に位置しておりかつねじ山が汚れるので、取り扱いが面倒である。過去においては、スクイジーの分解とブレードの交換は、長時間を要する手間のかかる作業だった。したがって、改善された組立/分解特徴を有し、おそらくは、改良された解放可能な連結具を含む、改良されたスクイジー組立体が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,895,633号明細書
【特許文献2】米国特許第6,705,332号明細書
【特許文献3】米国特許第6,602,018号明細書
【発明の概要】
【0011】
本発明の特定の実施態様が、ブラシデッキ(brush deck)とスクイジー組立体と単一のリリースラッチ(release latch)とを含む、クイックリリース式スクイジーを有する床メンテナンス車を含む。このブラシデッキは、このブラシデッキによって支持されている床係合ブラシを有する。スクイジー組立体は、少なくとも1つのスクイジーブレードと、このスクイジーブレードが取り付けられているフレームとを含む。このスクイジーブレードは、ブラシの付近の床の上を引き摺られるようになっている。単一のリリースラッチがスクイジー組立体をブラシデッキに連結して取り付ける。このスクイジー組立体は、単一のリリースラッチが取り外される時にブラシデッキから取り外し可能である。
【0012】
本発明の特定の実施態様が、床表面メンテナンス車のブラシデッキにスクイジー組立体を連結する方法を提供し、この場合に、スクイジー組立体は、少なくとも1つのスクイジーブレードと、この少なくとも1つのスクイジーブレードが取り付けられているフレームとを含む。この方法は、ブラシデッキに対してフレームを位置合せし、かつ、ブラシデッキとフレームとの間の相対的な移動が制限される2つ以上の箇所を提供する、ブラシデッキ上およびフレーム上の対応する位置決め構造を係合させることを含む。この方法は、さらに、スクイジー組立体をブラシデッキに連結しかつ取り付けるための単一のリリースラッチを係合させることを含み、単一のリリースラッチが取り外される時にスクイジー組立体がブラシデッキから取り外し可能である。
【0013】
次の図面は、本発明の特定の実施形態を例示するものであり、したがって本発明の範囲を限定するものではない。これらの図面は、(特に指摘しない限り)必ずしも同一の縮尺で描かれてはおらず、および、以下の詳細な記述における説明に関連した使用が意図されている。以下では、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明し、および、同じ番号が同じ要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、サイドブラシ組立体に取り付けられている本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態を使用する例示的な床表面クリーニング機械の上部斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、サイドブラシ組立体に取り付けられている本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態を使用する例示的な床表面クリーニング機械の下部斜視図である。
【
図2】
図2は、サイドブラシ組立体の一部分に取り付けられている本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態の右側斜視図である。
【
図3】
図3は、サイドブラシ組立体の一部分に取り付けられている本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態の背面図である。
【
図4】
図4は、本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態の一部分を示す、スクイジー組立体の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態の一部分を示す、ブラシデッキの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明のクイックリリース式スクイジーアタッチメントの一実施形態の一部分を示す、リリースラッチの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aと
図1Bは、それぞれに例示的な床表面クリーニング機械100の上部斜視図と下部斜視図である。機械100の実施形態は、電動式の移動本体上に支持されている構成要素を含む。この移動本体は、クリーニング動作が上で行われる表面全体を移動するための車輪102上に支持されているフレームを備える。この移動本体は、オペレータ用制御装置とステアリングホイール104とを含み、このステアリングホイール104は、機械100の着座したオペレータが機械100の前部中央の車輪108を舵取りするように、機械100のシート106に対して配置されている。機械100が、座席の下方の区画の中に収容されることがある1つまたは複数の電池によって給電されることが好ましい。あるいは、代替案として、動力源が、内燃機関であるか、電気コードを通して給電されるか、または、1つまたは複数の発電セルが機械100に給電するために使用されることがある。
【0016】
クリーニング構成要素は機械100の下側から延びる。例えば、スクラブヘッド(scrub head)110が機械100の中間部分に配置されている形で示されている。このスクラブヘッド110は、2つのスクラブブラシ(scrub brush)114を収容するハウジング112を有する。ブラシ114は2つの電気モータによって駆動される。スクラブヘッド110とハウジング112との間に取り付けられている電気アクチュエータが、移送のためにスクラブヘッド110を上昇させ、作業のためにスクラブヘッド110を下降させ、および、床上でのそのスクラブヘッドの下向き圧力(down pressure)を調節する。電気アクチュエータと、これに関連した機械的連結との追加の側面を、さらに詳細に後述する。スクラブヘッド110は、互いに平行な垂直軸を中心に回転する2つの円板スクラブブラシ114を使用する。あるいは、代替案として、スクラブヘッドは、1つだけの円板スクラブブラシ、または、水平な軸を中心に回転する1つまたは複数の円筒形ブラシで作られることもある。スクラブヘッド110が図面に示されているが、表面メンテナンス、表面調整(surface conditioning)、および/または、表面クリーニングを表面に対して提供するための任意の器具または道具が、本発明による関連した機械または車両に連結されてもよい。
【0017】
車両100は、より大きな床包絡面をクリーニングするための、全体的に116で示されているサイドブラシ組立体を含む。このサイドブラシ組立体は、機械または壁に損傷を与えることなしに付近の壁または障害物をクリーニングすることをより容易化すると同時に、生産性を増大させるようにその機械のクリーニング経路を拡幅する。このサイドブラシ組立体は、機械100の前方右側に取り付けられており、および、機械の中央部から遠ざかる形で外方に、かつ、クリーニング対象である表面に向かって下方に揺動する。
【0018】
湿式スクラビング動作中に、タンク118内に収容されている水またはクリーニング液が、スクラブヘッド110の付近において、機械100の下方の表面に噴霧される。ブラシ114が表面を擦り洗いし、および、その後に、汚れたクリーニング液が流体回収システムによって収集され、および、廃棄物回収タンク120内に入れられる。機械100の流体回収システムの一具体例が、機械100の後端部の付近に取り付けられている真空スクイジー(vacuum squeege)を含む。この真空スクイジーは、一般的に、機械100の幅全体にわたって延びるスクイジー122と、このスクイジー122を支持するフレームとを含む。この真空スクイジーは、さらに、吸出しファン(vacuum fan)に真空連通させられている真空ポート124を含む。この吸出しファンは、廃棄物回収タンク120内に入れるために、真空スクイジー122によって集められた液体および微粒子廃棄物を取り除く働きをする。
【0019】
代替案の実施形態では、床表面メンテナンス機械100は、スイーパー(sweeper)機械とスクラバー機械との組み合わせであるだろう。こうした実施形態では、上述の要素に加えて、機械100は、さらに、掃除ブラシと、機械100の下側から延びるホッパー(hopper)も含み、この掃除ブラシは、ホッパーの中に埃とゴミを送り込むように設計されている。さらに別の実施形態では、機械100はスイーパー単体であるだろう。こうした実施形態では、機械100は、スイーパーおよびスクラバー機械のための上述の要素を含むだろうが、スクラバー、スクイジー、および、(例えば、洗剤、回収した流体、および、清浄水のための)流体貯蔵タンクのような擦り洗い要素を含まないだろう。あるいは、代替案として、機械100は、この機械の背後について歩くオペレータによる使用のために設計されることがあり、または、この機械は、車両の背後に牽引されるように構成されることもある。
【0020】
図2は、ブラシモータのような幾つかの構成要素が図の明瞭化のために省略されている、サイドブラシ組立体116の一部分を示す、車両100の上部右側から見た斜視図である。サイドブラシ組立体116は、このサイドブラシ組立体116の動作中に床表面に係合するための電動フロアブラシ202を有するブラシデッキ200を含む。サイドブラシ組立体116は、機械の中心線から遠ざかる形でサイドブラシ組立体116を外方に延在させるための、および、ブラシ202を床表面と接触させるように下降させるための機構(図示されていない)を含む。この機構の作動が、ユーザ用の制御パネルで操作可能なスイッチによって実現されることが好ましい。サイドブラシ組立体116は、床上のスクラブ水が機械100から側方に離れて拡散しないように、ブラシ202の側部に沿って床の上を引き摺られるスクイジー組立体204を含む。スクイジー組立体は、スクイズ水を機械100に中心に向けて方向付けてスクラブヘッド110に戻し、さらに真空スクイジー122に戻すように、その後端部において内方に湾曲する。サイドブラシ組立体116は機械100に対して相対的に「浮いている(float)」ように設計されており、これによって、床表面が幾分か不規則的または不均一である場合にさえ、クリーニングされる表面に対してブラシ202が接触した状態を保つ。スクイジー組立体204はサイドブラシ組立体116の一部分を形成するので、このスクイジー組立体204は、床表面が幾分か不規則的または不均一であってさえ、スクイジー組立体204がクリーニング対象の床表面との接触状態のままであることを可能にするように、機械100に対して浮いている。さらに詳細に後述するように、本発明の実施形態は、スクイジーブレードの交換がより著しく迅速かつ容易であるように、機械100に対するスクイジー組立体の迅速かつ容易な着脱を実現する。単一のリリースハンドル(release handle)を作動させることによって、スクイジー組立体204は機械100から取り外され、オペレータが都合が良いと判断する場所で整備点検されることが可能である。
【0021】
図3は、ブラシモータとブラシ202のような幾つかの構成要素が図の明瞭化のために省略されている、サイドブラシ組立体116の一部分の背面図である。
図4から
図6は、分解されかつ分離された形で示されている、
図3に示されているサイドブラシ組立体116の構成要素の斜視図である。例えば、
図4は、
図3と
図4に示されているスクイジー組立体204の斜視図である。
図5は、
図3と
図4に示されているブラシデッキ200の斜視図である。
図6は、リリースラッチ206の斜視図である。
【0022】
図3から
図6を参照すると、スクイジー組立体204は、フレーム208と、スクイジーブレード210と、クランプバンド(cramp band)212とを含む。ブレード210は、互いに対して間隔が開けられているかまたは密着している1つまたは複数の可とう性ブレードを含むだろう。ブレード210は床表面に接触し、および、ゴム状物質、ネオプレン、ウレタン等のような適切な材料で作られている。この1つまたは複数の可とう性ブレードは同一または異なる厚さであってもよく、異なるレベルの可とう性を有してもよく、および、異なる下部長さを有してもよい。
【0023】
ブレード210は、各ブレード210の高さに沿って延びる複数の列の開放スロット214を含む。フレーム208は、複数の列の開放スロット214の1つの列を通って延びる一連の突出タブ216を有する。タブ216によって使用されるスロット214の列は、フレーム208に対する相対的なブレードの高さを規定する。すなわち、タブが下方のスロット214の列の中を通って延びる場合には、ブレード210の底部はフレーム208に比べてより高い位置にあるだろう。ブレード210は、クランプバンド212によってフレーム208に押し付けられて保持されている。クランプバンド212は可動ラッチ218を含み、この可動ラッチ218は、クランプバンド212を締めるために、および、ブレード210と共にクランプバンド212をフレーム208に取り付けるために、選択的に操作されるだろう。
【0024】
スクイジー組立体204は、迅速かつ容易な連結と分離を可能にするためにブラシデッキ200上の対応する位置決め構造と共に協働する幾つかの位置決め構造を有する。ブラシデッキ200上とフレーム208上の対応する位置決め構造は、その車両の通常の使用と動作とのために、ブラシデッキ200に対してフレーム208を位置合せする。ブラシデッキ200上とフレーム208上の対応する位置決め構造の各々の組が、さらに、ブラシデッキ200とフレーム208との間の相対的移動(例えば、回転、滑動等)が制限される箇所を形成する。特定の実施形態では、2つ以上のこうした箇所が使用される。特定の実施形態では、3つ以上のこうした箇所が使用される。2つ以上の箇所が使用される実施形態では、単一のリリースラッチが係合させられ、このことがその連結部を完成させて取り付ける前に、ブラシデッキ200とフレーム300との間の潜在的な相対的移動の量をより適切に減少させるために、少なくとも2つのこうした箇所は、単一のリリースラッチ206が使用される場所に対して同一直線上にはない。3つ以上の箇所が使用される特定の実施形態では、単一のリリースラッチが係合させられ、このことがその連結部を完成させて取り付ける前に、ブラシデッキ200とフレーム300との間の潜在的な相対的移動の量をより適切に減少させるために、少なくとも3つのこうした箇所は同一直線上にない場所に位置させられている。
【0025】
さらに詳細に後述するように、ブラシデッキ200は、1組の互いに協働する位置決め構造を形成するために、フレーム208上のV字形スロットと協働するピン300を有する。ブラシデッキ200は、さらに、1組の互いに協働する位置決め構造を形成するために、フレーム208上のV字形タブ306と協働するテーパ付き楔状部(tapered wedge)304も有する。ブラシデッキ200は、さらに、別の組の互いに協働する位置決め構造を形成するために、フレーム208上の下向きのタブ310と協働する開放スロット308も有する。これらの協働構造が一実施形態として示され説明されているが、こうした組の協働構造は併用され組み合わされてもよく、および、他のタイプの互いに協働する位置決め構造が使用されてもよいということを理解されたい。こうした組の協働構造が、位置決め構造の各組が同時にまたは組み合わせの形で噛み合わせられるために、ブラシデッキ200に対してフレーム208を位置合せするために、および、フレーム208とブラシ電気200との間の相対的移動が制限される箇所を形成するために、組み合わせの形で適切に作用することが好ましい。
【0026】
さらに、さらに詳細に後述するように、フレーム208は穴312を有し、この穴312の中を通してリリースラッチ206が挿入されて、ブラシデッキ200に固定されている歯止め(pawl)314に対して所定の位置に取り付けられるだろう。単一のリリースラッチ206を単に作動させることによって、スクイジー組立体は、ブラシデッキ200に固定されるか、または、ブラシデッキ200から解放されるだろう。
【0027】
スクイジー組立体を機械100に取り付ける際に、最初に、ピン300がV字形スロット302の頂点または基部に突き当たるまでピン300に向かってV字形スロット302を動かすことによって、スクイジー組立体204が正確に位置決めされることが可能である。ピン300に向かうV字形スロット302の移動と同時に、V字形タブ306がテーパ付き楔状部304に向かって方向付けられる。テーパ付き楔状部304のテーパ部とV字形タブ306のV字形とが、ブラシデッキ200の頂部表面(図面に示されている)に押し付けてフレーム208の下側面(図示されていない)を保持する形で協働する。さらに、スロット302内のピン300が、テーパ付き楔状部304に対して2つのV字形タブ306によって提供される2つの接触箇所と組み合わさって、フレーム208とブラシデッキ200との間に、同一直線上にはない3つの安定箇所を提供する。
【0028】
その次に、スクイジー組立体204をブラシデッキ200に取り付ける時に、フレーム上のタブ310が、ブラシデッキの開放スロット308の中に下向きに挿入されるだろう。開放スロット308内のタブ310は、スクイジー組立体204の移動に抵抗するための追加の構想を提供し、その機械が前方に移動中でありかつスクイジーブレード210が障害物に遭遇する時のように、スクイジー組立体を後方に押す抵抗力を含む。
【0029】
タブ310が開放スロット308の中に挿入された後に、および、スロット302内のピン300が、フレーム208とブラシデッキ200との間に同一直線上にない3つの安定箇所を提供するためにテーパ付き楔状部304に突き当たる2つのV字形タブ306によって提供される2つの接触点と組み合わさった後に、フレーム208の穴312が、ブラシデッキ200上の歯止めの開口部316と位置合わせするかまたは概ね位置合わせするだろう。解放可能なラッチ206のピン318は、穴312の中を通して、かつ、開口部316の中を通して挿入され、および、特定の実施形態では、単にリリースラッチの206のハンドル320の180度の回転によって、歯止め314に固定されることが可能である。リリースラッチ206を歯止め314に固定する作用が、ブラシデッキ200の頂部に押し付けてフレーム208を保持するだけでなく、さらにはV字形タブ306をテーパ付き楔状部340の中にさらに深く押し込む。
【0030】
機械100からスクイジー組立体204を連結解除するために、逆の手順がたどられるだろう。したがって、ユーザは、スクイジー組立体204をブラシデッキ200から分離させるために、リリースラッチ206のハンドルを回すだけでよい。過去の設計では、過去のスクイジー組立体は、機械にスクイジー組立体を取り付けるために、複数のねじ山付きノブとこれに対応するねじ山付きポストとを使用した。複数のノブは、複数の方向における所定位置にスクイジーフレームを保持するだろう。しかし、これらのノブの位置のために、これらのノブは湿気と汚れとにさらされる。こうした湿気と汚れは、スクイジー組立体を定期的に整備点検しなければならない典型的なユーザにとっては、油まみれの不快な環境を生じさせる。単一のリリースハンドルによってスクイジー組立体を連結または連結解除することが可能であることが、より迅速でかつより容易な解決策である。
【0031】
代替案の実施形態では、ピン300とV字形スロット302との間の連結の機能と利点が、タブ/スロット連結のような他の類似した位置決め構造によって置き換えられ、この場合にタブとスロットとがブラシデッキ200とフレーム208との上にそれぞれにまたは逆に配置されることが可能である。別の実施形態では、フレームの全体が、外部特徴要素によって捕らえられることが可能である。代替案の実施形態では、テーパ付き楔状部304とV字形タブ306との間の連結の機能と利点とが、別のタブ/スロット連結、または、他のタイプのピンチ式の作用のような他の類似の位置決め構造によって置き換えられることが可能である。代替案の実施形態では、開放スロット308と下向きタブ310の連結の機能と利点とが、図面に示されている方向とは異なる方向に配置されているタブとスロットとのような異なるタイプの類似の位置決め構造によって置き換えられることが可能である。ピンとスロットも、類似の位置決め構造によって置き換えられることが可能である。代替案の実施形態では、穴312と歯止め314と解放可能なハンドル320との間の連結の機能と利点とが、ランプ(ramp)上のローラーカム(roller cam)、または、ランプ上の滑動歯止めのような他のラッチによって置き換えられることが可能である。さらに、ハンドル320に関して上述した、ねじれ運動によって実現される連結と解放とが、この機能を実現する唯一の方法ではない。他のパドルパッチ(paddle patch)またはドローダウン(draw down)形のホルダ(holder)が代わりに使用されることが可能であり、および、解放可能なラッチ206の容易で迅速な連結と解放を実現することが可能である。これらの機構の各々によって実現される利点が、機械100に対するスクイジー組立体の連結および解放のために(ハンドルまたは他の装置の)単一の起動だけしか必要でないということである。
【0032】
図面が、サイドブラシ組立体に対して配置されているスクイジー組立体を示すが、スクイジー組立体204は、さらに、スクラブヘッド110の付近での使用、または、真空スクイジー122としての機械100の後部での使用も可能である。この結果として、本発明の諸側面が、床クリーニング機械のためのスクラブヘッド組立体または後部マウント形スクイジー組立体において具体化されてもよい。
【0033】
上述の詳細な説明では、本発明を特定の実施形態に関して説明してきた。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに様々な変更と改変とが加えられることが可能であるということが理解されるだろう。
【国際調査報告】