特表2015-506877(P2015-506877A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-506877車両ウインド用のシール装置及び該シール装置を製造する方法並びにその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-506877(P2015-506877A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】車両ウインド用のシール装置及び該シール装置を製造する方法並びにその使用
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/02 20060101AFI20150206BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20150206BHJP
【FI】
   B60J1/02 101B
   B62D25/08 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-556968(P2014-556968)
(86)(22)【出願日】2013年1月23日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】EP2013051179
(87)【国際公開番号】WO2013120671
(87)【国際公開日】20130822
(31)【優先権主張番号】12155069.3
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン ティマーマン
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ−エーリヒ ディッカース
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ベーレンス
【テーマコード(参考)】
3D201
3D203
【Fターム(参考)】
3D201AA08
3D201AA12
3D201AA15
3D201BA01
3D201CB09
3D201DA10
3D201DA23
3D201DA24
3D201DA45
3D201EA01C
3D201EA01D
3D201FA04
3D203AA02
3D203BB38
3D203CB07
3D203CB10
3D203DA37
3D203DA68
3D203DA70
(57)【要約】
本発明は、- ガイドレール(41)とばね脚(25)とによって形成された係止通路(27)を備えていてウインドガラス(10)に固定された保持レール(20)と、- 係止レール(16)と位置決めストッパ(42)とによって形成されたガイド通路(40)を備えたカバー(14)と、を少なくとも有する、車両ウインド用のシール装置であって、- ガイド通路(40)内にガイドレール(41)が配置されていて、係止通路(27)内に係止レール(16)が係止されており、ばね脚(25)に設けられた係止フック(28)が、係止レール(16)の突出領域(23)に係止されており、- ガイド通路(40)内においてばねエレメント(13)が、カバー(14)の下側における接触面(19)とガイドレール(41)との間において緊縮させられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ガイドレール(41)とばね脚(25)とによって形成された係止通路(27)を備えていてウインドガラス(10)に固定された保持レール(20)と、
- 係止レール(16)と位置決めストッパ(42)とによって形成されたガイド通路(40)を備えたカバー(14)と、
を少なくとも有する、車両ウインド用のシール装置であって、
- 前記ガイド通路(40)内に前記ガイドレール(41)が配置されていて、前記係止通路(27)内に前記係止レール(16)が係止されており、前記ばね脚(25)に設けられた係止フック(28)が、前記係止レール(16)の突出領域(23)に係止されており、
- 前記ガイド通路(40)内においてばねエレメント(13)が、前記カバー(14)の下側における接触面(19)と前記ガイドレール(41)との間において緊縮させられていることを特徴とする、車両ウインド用のシール装置。
【請求項2】
前記ばねエレメント(13)は、前記ガイドレール(41)又は前記接触面(19)に結合されている、請求項1記載のシール装置。
【請求項3】
前記ばねエレメント(13)は、中実材料として、中空室成形体として又はU字形成形体として形成されている、請求項1又は2記載のシール装置。
【請求項4】
前記ばねエレメント(13)は、エラストマ、熱可塑性エラストマ、及び好ましくはエチレン-プロピレン-ジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエンスチロール、コポリマ及び/又はこれらの混合物を含有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項5】
前記ガイド通路(40)は、少なくとも1つの取付けストッパ(43)、好ましくは3〜7の取付けストッパ(43)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項6】
前記ばね脚(25)は、変位可能であるか又は前記保持レール(20)に変位可能に結合されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項7】
前記ばね脚(25)は、変位のために設けられた領域に、0.2mm〜1mmの厚さを有している、請求項1から6までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項8】
前記位置決めストッパ(42)と前記接触面(19)に対する垂線との間の角度(α)が、0°〜45°、好ましくは2°〜25°である、請求項1から7までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項9】
前記保持レール(20)及び/又は前記ガイドレール(41)は、少なくとも1つの補強インサート(26)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項10】
前記ばね脚(25)は、変位のために設けられた領域に金属箔を有している、又は好ましくは金属箔から成っている、請求項1から9までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項11】
前記係止レール(16)は、部分領域に切欠き(44)を有し、かつ/又は部分領域に突出領域(23)を有していない、請求項1から10までのいずれか1項記載のシール装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載のシール装置を製造する方法であって、少なくとも、
a)前記保持レール(20)を、接着結合部(36)を介して前記ウインドガラス(10)と持続的に結合させ、
b)前記カバー(14)の前記ガイドレール(41)を前記保持レール(20)の前記ガイド通路(40)内に導入し、前記カバー(14)の後縁部(11)と前記ウインドガラス(10)の下縁部(12)との間における確定された間隔(D)を生ぜしめ、
c)前記カバー(14)の前記係止レール(16)を、前記ガイドレール(41)と前記カバー(14)の下側における前記接触面(19)との間において前記ばねエレメント(13)を緊張させながら、前記係止フック(28)を越えて前記係止通路(27)内に押し込み、
d)前記カバー(14)を、前記ばねエレメント(13)を弛緩させながら戻し移動させ、前記係止フック(28)を、前記係止レール(16)の前記突出領域(23)に係止させる
ことを特徴とする、シール装置を製造する方法。
【請求項13】
ステップ(b)において、前記ガイドレール(41)を前記取付けストッパ(43)に沿って案内する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記カバー(14)を、前記保持レール(20)にセグメント状に結合させる、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
自動車ウインドのため、好ましくはウインドシールドガラス(10)又はリヤウインドのための、及び特にウォータドレンチャンバカバーとしての、請求項1から11までのいずれか1項記載のシール装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に記載された、車両ウインド用のシール装置及び該シール装置を製造する方法並びにその使用に関する。
【0002】
今日の自動車では、しばしば、ウインドシールドガラスの下縁部に大面積のパネル部品が取り付けられ、このパネル部品は、ウインドシールドガラスの外側面をエンジンフードの下にまで延長する。取付け時における取扱い可能性、例えばウインドワイパ装置における保守作業時における接近可能性及び補給管理のために、パネル部品はウインドシールドガラスと解離可能に結合される。この目的のために、ウインドシールドガラスには、多くの場合押出し成形法によって製造された成形品が取り付けられ、この成形品は、パネル部品における相応に形成された係止フックとの係止のための装置を有している。このような成形品は、例えば欧州特許第1240041号明細書に基づいて公知である。さらにこのようなパネル部品は、ウインドシールドガラスに益々面一に接合され、これにより、利用可能な構造空間がさらに制限される。
【0003】
欧州特許第1280675号明細書に基づいて、自動車ウインドシールドガラスの下側領域に用いられる、車両ウインド用のシール装置が公知であり、このシール装置は保持レールを介してウォータドレンチャンバカバーにシール作用をもって係止されている。保持レールはシール部材を有しており、このシール部材は、ウインドガラスの下縁部とウォータドレンチャンバカバーの上縁部との間に配置されていて、ウォータドレンチャンバカバーの外面とほぼ面一を成している。しかしながらこのシール装置には、機能に適した係止及び機能に適したシールのために極めて僅かな製作誤差しか許されないという欠点がある。しかしながらまた、独国特許出願公開第102009026369号明細書に基づいて公知のように、このようなシール部材を見えないように配置することも可能である。
【0004】
係止力を減じるために例えば軟らかいリップが使用されており、このリップは、欧州特許出願公開第2123497号明細書に基づいて公知のように、パネル部品における係止フックの相応に形成されたアンダカット部によって、低い力レベルにおける係止を可能にする。軟らかいリップは、カバーの位置決め精度が低いという欠点を有している。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、可能な限り簡単かつ経済的な手段で、従来技術の欠点を克服しながら、車両ウインド用の改善されたシール装置を提供することであり、この場合機能に適した係止のために、より小さな力しか必要なく、かつ同時により高い位置決め精度が可能になる。
【0006】
本発明の課題は、独立請求項である請求項1、請求項13及び請求項16に記載の特徴によって解決される。本発明の好適な構成は、従属請求項に記載の構成によって与えられている。
【0007】
本発明の課題は、少なくとも下記の特徴を有する、車両ウインド用のシール装置によって、すなわち、
- ガイドレールとばね脚とによって形成された係止通路を備えていてウインドガラスに固定された保持レールと、
- 係止レールと位置決めストッパとによって形成されたガイド通路を備えたカバーと、
を少なくとも有しており、さらに、
- ガイド通路内にガイドレールが配置されていて、係止通路内に係止レールが係止されており、
- ガイド通路内においてばねエレメントが、カバーの下側における接触面とガイドレールとの間において緊縮させられていることを特徴とする、車両ウインド用のシール装置によって、解決される。
【0008】
係止通路における係止レールの係止は、ばね脚に設けられた係止フックを介して行われ、この係止フックは、係止レールの突出領域に係止されている。
【0009】
本発明の課題はさらに、下記のシール装置を製造する方法によって、すなわち、少なくとも、
- 保持レールを、ウインドガラスと持続的に結合させ、
- カバーのガイドレールを保持レールのガイド通路内に導入し、カバーの後縁部とウインドガラスの下縁部との間における確定された間隔を生ぜしめ、
- カバーの係止レールを、ガイドレールとカバーの下側における接触面との間においてばねエレメントを緊張させながら、係止フックを越えて係止通路内に押し込み、
- カバーを、ばねエレメントを弛緩させながら戻し移動させ、係止フックを、係止レールの突出領域に係止させることを特徴とする、シール装置を製造する方法によって、解決される。
【0010】
これによって、保持レール及び該保持レールに固定されたウインドガラスに対するカバーのポジションは、ガイドレールとガイド通路とによって決定される。ガイド通路は、位置決めストッパ及び係止レールの適宜な形状によってホッパ形状に形成されているので、ガイドレールは確定されたポジションに達する。
【0011】
係止レールと係止通路とから成る係止機構は、大きな力を加えることによってしか再び解除することができない、カバーと保持レールとの持続的な結合部を形成する。係止機構は、カバーを保持レールに案内する取付け方向とは逆向きにカバーが解離することを阻止する。ばね脚及び該ばね脚に配置された係止フックは、ばねエレメントによって単に引張り力によってしか負荷されないので、極めて薄くかつ華奢に形成することができる。ガイド通路におけるガイドレールの確実な位置決めによって、係止機構は取付け方向に対して横方向の横力を受け止める必要がない。
【0012】
本発明の好適な態様では、保持レールは接着結合部を介してウインドガラスと結合されている。接着結合部は好ましくは、接着膜又は接着ビードとして保持レールに塗布される。接着膜の通常の厚さは、0.3mm〜2mmである。
【0013】
カバー及び/又は保持レールは、好ましくは、ポリマ、特に好ましくはポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエンスチロール、コポリマ及び/又はこれらの混合物を含有している。カバー及び/又は保持レールは、好ましくはポリプロピレンから成っている。
【0014】
本発明の好適な態様では、ばねエレメントは保持レールのガイドレールに堅固に結合されている。特に好ましくは、ばねエレメントはガイドレールに接着され、押出し成形され、かつ/又は前製造されたシール成形体として相応の溝に挿入されている。択一的な好適な構成では、ばねエレメントはカバーの接触面に結合されている。この態様においてもばねエレメントは好ましくは、接触面に接着されていて、射出成形法によって製造され、かつ/又は前製造されたシール成形体として相応の溝に挿入されている。
【0015】
ばねエレメントは、好ましくは、中実材料として、中空室成形体として又はU字形成形体として形成されている。ばねエレメントは、本発明に係るシール作用及びばね弾性作用がシール装置において得られる如何なる形状をも有することができる。ばねエレメントは好ましくはその横断面で見て、円形、楕円形、長方形又はV字形であってよい。
【0016】
ばね弾性作用及びシール作用のために必要な、カバーの接触面と保持レールガイドレールとの間における圧力は、ばねエレメントの弾性変形によって生ぜしめられる。ばね特性を設計するために、特に、材料、形状、中空室成形体における壁厚、並びにばねエレメントの体積が互いに合わせられている。ばねエレメントは同時に、例えば雨又は雪のような湿気をシールするためのシールエレメントとして働く。
【0017】
好適な態様では、本発明に係るばねエレメントは、エラストマ、熱可塑性エラストマ、及び好ましくはエチレン-プロピレン-ジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエンスチロール、コポリマ及び/又はこれらの混合物を含有している。
【0018】
シール装置は車体外装を、特に、雨及び雪のような湿気に対して、並びに周囲からの様々な汚染に対してシールする。しかしながらまたシール装置はその作用において、形状、風ノイズの減少、及び車両外装の振動伝播に対しても影響を及ぼすことができる。
【0019】
本発明の好適な態様では、位置決めストッパと接触面に対する垂線との間の角度αが、0°〜45°、好ましくは2°〜25°である。これによって形成されるくさび形状には、ガイドレールがばねエレメントの力作用によって位置決めストッパに沿って所望のポジションに案内される、という特別な利点を有している。このことには、取付け方向に対して横方向の誤差が大幅に減じられる、という特別な利点がある。
【0020】
位置決めストッパの長さは、好ましくは1mm〜6mm、好適には2mm〜4mmである。位置決めストッパは好ましくは、係止レールが係止通路内に達する前に、ガイドレールがガイド通路に導入されるような長さに形成されている。
【0021】
好適な態様では本発明に係るカバーは、少なくとも1つの取付けストッパを有している。この取付けストッパは、位置決めストッパに配置されている。取付けストッパは、好ましくは位置決めストッパよりも長く、好ましくは50%を超える値だけ、特に好ましくは100%を超える値だけ、位置決めストッパよりも長い。取付けストッパは、好ましくはさらに、ガイド通路に向かって傾いている。取付けストッパは、ガイドレールとガイド通路並びに係止レールと係止通路が、保持レールに向かうカバーの下降時に互いに内外に形状結合式に適合して滑動するように、互いに配置されていることを保証する。これによって特に、係止レールが係止通路の外側及びばね脚とウインドガラスとの間に導入されることが阻止される。このような誤った導入は、ばね脚の変形及び破損を生ぜしめることがある。
【0022】
好適な態様では、カバーは3〜7の取付けストッパ、特に3つの取付けストッパを有している。取付けストッパは好ましくは、カバーの延在方向に沿って端部領域と、真ん中に配置されている。外側の取付けストッパは、好ましくは、カバーの長さの20%よりも僅かな長さだけ、カバーの端部から離れて配置されている。このような態様は、ガイド通路内へのガイドレールの特に簡単な導入と、係止通路内への係止レールの特に簡単な導入を可能にする。このことは特に、取付けが通常のようにカバーの両端部のうちの1つか又は真ん中において始まる場合に言える。
【0023】
係止フック及び突出領域は、任意に係止通路において方向付けられていてよい。好適な態様では、係止フックは、係止通路の、ウインドガラスとは反対の側においてばね脚に取り付けられていて、係止レールの突出領域は、ウインドガラスに向かって方向付けられている。
【0024】
ばね脚は、変位可能にカバーに結合されている。この場合変位可能というのは、保持レールから折れて取れたり又は持続的に変形したりすることなしに、ばね脚が結合箇所において保持レールに対して例えば係止動作時に屈曲できることを意味する。択一的に又は追加的に、ばね脚はフレキシブルに形成されていて、部分的に又は全長にわたって可逆式に曲がるようになっていてよい。
【0025】
ばね脚は、好ましくは、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエンスチロール、コポリマ及び/又はこれらの混合物、又は金属、好ましくはアルミニウム、鋼又は、ばね青銅又は真鍮のような銅合金を含有している。好適な態様では、本発明に係るばね脚は、金属から、好ましくは金属箔から、特に好ましくは、アルミ合金、鋼薄板合金又は、ばね青銅のような銅合金製の箔から成っている。
【0026】
ばね脚は、変位特性を調節するために好ましくは、変位のために設けられた領域に0.2mm〜1mmの成形体厚さを有している。変位のために設けられた領域は、保持レールに対するばね脚の結合箇所であっても、又はばね脚の部分領域又は全長にわたって延びていてもよい。
【0027】
本発明の好適な態様では、保持レール、ガイドレール及び/又はばね脚は、少なくとも1つの硬化インサートを有している。硬化インサートは、金属、好ましくは金属箔及び特に好ましくは、アルミ合金、鋼薄板合金又は、ばね青銅のような銅合金、又は補強繊維、好ましくはガラス繊維、ケブラ繊維又は炭素繊維を有することができる。硬化インサートは、保持レール及びばね脚の材料厚さを減じることができ、かつ安定性もしくはばね剛性を等しいままにする又は高めることができる、という特別な利点を有している。
【0028】
ウインドガラスの下縁部とカバーの後縁部との間における間隔Dは、好ましくは0.05mm〜5mm、特に好ましくは0.1mm〜2mmである。この場合この間隔は、車両外装において、視覚的にまったく又はほとんど見えない継ぎ目として、又はしかしながら、形状目的のために見える意図的な継ぎ目として機能する。カバーの後縁部は、好ましくは円形、くさび形又は直角に形成されている。このような構成は特に、ほとんど見えない継ぎ目の必要性と、シール装置の組立て時における十分な製造公差との組合せを可能にする。
【0029】
好適な態様では、本発明に係る係止フックは、係止通路において丸く形成されている。係止フックは、好ましくは、係止レールの突出領域と一緒に回転ジョイントを形成するように、丸く形成されている。係止フックと係止レールの枢着的な配置形態によって、係止レールは、斜めの角度においても係止通路内に挿入され、予め設定されたポジションを維持しながら係止され得る。
【0030】
本発明の他の好適な態様では、突出領域は係止レールにおいて単にセグメント状に形成されている。突出領域が形成されていないセグメントは、5mm〜50mmの長さを、好ましくは15mm〜30mmの長さを有することができる。カバーの取付け時に、係止レールの突出領域は、保持レールのばね脚を折り曲げる。上に述べたセグメント化によって取付け過程時に、突出領域を備えた次のセグメントがばね脚の折り曲げを始める前に、常に、突出領域を備えた1つのセグメントが既に係止されているということが達成される。1つのセグメントの係止は、その都度、パチンという音を伴って行われ、この音は、係止動作を実施するための効果的なチェック機能を果たす。
【0031】
本発明の別の好適な態様では、係止レールの部分領域が切り欠かれている。これらの切欠きは、スリット状に、0.5mm〜2mmの幅で形成されていることができる。しかしながらまた係止レールのこれらの切欠き及びセグメントは、2mm〜50mmの長さを有することも可能である。セグメント化された係止レールの利点は、取付け動作中における係止レールの改善された可撓性にある。
【0032】
好適な態様では、保持レールは取付けストリップ又は位置固定のガイドエレメントを用いてウインドガラスに対して位置決めされる。位置固定のガイドエレメントというのは、ここでは、保持レール用の取付け補助手段がウインドガラスの位置に対して位置固定の位置を有するということを意味している。
【0033】
取付け補助手段は、保持レールとウインドガラスとの接着前に、ウインドガラスに対する保持レールの正確な位置決めを可能にする。取付けストリップは同様に、保持レールとウインドガラスとの接着前における取付け補助手段をも意味する。取付けストリップは、係止通路内に挿入されて再び取外し可能な、ウインドガラス縁部に対するスペーサである。
【0034】
好適な態様では、特に、カバーの、部分領域において切り欠かれた係止レールは、セグメントにおいて軽く屈曲しながら係止通路内に係止される。セグメント化された係止レールの屈曲及び係止によって、明瞭に聞こえるパチンという音が生ぜしめられる。このパチンという音は、係止したことを知らせ、係止の品質チェックの枠内において極めて助けとなる。
【0035】
本発明に係る方法の好適な態様では、ガイド通路内へのガイドレールの導入前に、ガイドレールを取付けストッパに沿って案内する。この態様は、ガイドレールとガイド通路並びに係止レールと係止通路とが、保持レールに向かうカバーの下降時に互いに内外に形状結合式に適合して滑動するように、互いに配置されていることを保証する。これによって特に、係止レールが係止通路の外側及びばね脚とウインドガラスとの間に導入されることが阻止される。さもないと、ばね脚は、変形及び破損してしまうことがある。
【0036】
本発明に係る方法の別の好適な態様では、カバーを、保持レールにセグメント状に結合させる。この態様には、セグメント化された係止レールの屈曲及び係止によって、明瞭に聞こえるパチンという音が生ぜしめられる、という特別な利点がある。このパチンという音は、係止したことを知らせ、係止の品質チェックの枠内において極めて助けとなる。
【0037】
本発明に係る方法は、自動車ウインドシールドガラスの下側領域にシール装置を取り付けるのに、特に好適に使用される。
【0038】
さらに本発明は、自動車のウインドシールドガラスの下側領域及びカバー、特にウォータドレンチャンバカバーの後部領域における、シール装置の使用を含む。
【0039】
もちろん、種々様々な態様を個々に又は任意の組合せで実現することができる。特に、既に述べた特徴及び以下に述べる特徴は、記載された組合せにおいてのみ使用できるのではなく、本発明の枠を逸脱することなしに、他の組合せにおいても、又は単独でも使用可能である。
【0040】
次に図面を参照しながら本発明を詳説する。図面が概略図であり、縮尺は忠実ではない。図面は本発明を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】自動車のウインドシールドガラス用の本発明に係るシール装置を示す平面図である。
図2図1に示した本発明に係るシール装置の横断面図である。
図3a】本発明に係るカバーを詳細に示す横断面図である。
図3b】本発明に係る保持レールを詳細に示す横断面図である。
図3c図2に示した本発明に係るシール装置を詳細に示す別の横断面図である。
図4】本発明に係るシール装置を横断面して示す斜視図である。
図5】本発明に係るカバーの1実施形態を示す斜視図である。
図6図1に示した本発明に係るシール装置を示す別の横断面図である。
図7】本発明に係るシール装置の別の実施形態を示す横断面図である。
図8】取付けストリップを備えた本発明に係る保持レールを示す横断面図である。
図9】本発明に係る方法の1実施形態を示すフローチャートである。
【0042】
図1には、ウインドガラス10用のシール装置の本発明に係る構成が平面図で示されている。ウインドガラス10は、例えば自動車のウインドシールドガラスである。ウインドガラス10の下縁部12は、0.3mmの間隔Dをおいて保持レール20を介してカバー14に結合されている。接合部の内部には、保持レール20の部分領域が示されている。
【0043】
図2には、本発明に係るシール装置が図1の切断ラインA−A′に沿った横断面図で示されている。ウインドガラス10は下縁部12において、保持レール20を介してカバー14に結合されている。カバー14は例えば、車両のウインドシールドガラスの領域におけるウォータドレンチャンバカバー又はその他のパネル部材である。ウインドガラス10は例えば、熱可塑性の中間層を介して互いに結合された2つのシングルガラスから成る合わせ安全板ガラスである。ウインドガラス10はまた、例えば本発明に係るシール装置をリヤウインドにおいて使用する場合には、予荷重された安全板ガラスから成るシングルガラスであってもよい。
【0044】
保持レール20は係止通路27を有している。係止通路27の一方の側面は、ガイドレール41の、ウインドガラス10に向いた側によって形成される。向かい合って位置する側面は、ばね脚25によって形成される。ばね脚25には、係止通路27の内室に向かって係止フック28が配置されている。
【0045】
保持レール20はポリマを含有しており、例えばポリプロピレンから成っている。保持レール20は、厚さ0.8mmの接着結合部36を用いて、アクリル接着剤によってウインドガラス10の内側面において該ウインドガラス10の下縁部12に結合されている。
【0046】
カバー14は、ポリマを含有しており、例えばポリプロピレンから成っている。カバー14は係止レール16を有していて、この係止レール16は、ウインドガラス10に向かって方向付けられて突出する突出領域23を有している。係止レール16は、位置決めストッパ42と共にガイド通路40を形成している。位置決めストッパ42は、ガイド通路40の、ウインドガラス10とは反対の側に配置されている。
【0047】
保持レール20のガイドレール41は、カバー14のガイド通路40に配置されている。これによって、ウインドガラス10に対するカバー14の横方向間隔Dが決定される。ここで横方向というのは、ウインドガラス10の表面が該ウインドガラス10の下縁部12を越えてカバー14に向かう方向である。ウインドガラス10の下縁部12におけるエッジと、カバー14の後縁部11との間における平均的な間隔Dは、例えば0.3mmである。カバー14の後縁部11とウインドガラス10の下縁部12におけるエッジとの間には、シール材料を有しない自由な間隙が存在している。
【0048】
さらにカバー14の係止レール16は、保持レール20の係止通路27において係止されている。そのためにカバー14の取付け時に、ばねエレメント13が、ガイドレール41とカバー14の接触面19との間において圧縮される。ばねエレメント13は、緊張状態51にあり、カバー14のガイド通路40の下側における接触面19を持続的に押圧する。これによって、係止レール16の突出領域23が、係止フック28に向かって引っ張られる。係止フック28は、ばね脚25における突出縁部(Aufkantung)として形成されている。係止フック28に対する係止レール16の突出領域23の引張り負荷によって、保持レール20におけるカバー14の確実な固定が達成される。特に、カバー14が取付け方向とは逆方向に滑り落ちることが防止されている。ここで取付け方向というは、係止レール16が係止通路27内に差し込まれる方向を意味する。確実な位置決めは、ウインドガラス10の下側領域における表面とカバー14の後方領域における表面とが、例えば整合して一列に配置された状態を維持することを保証する。
【0049】
ばね脚25は係止レール16との係止後には、単に引張り負荷を受けるだけであり、横力を受け止めない。横力は、ガイド通路40におけるガイドレール41の確定された位置決めによって受け止められる。従ってばね脚25は、極めて薄く形成することができる。係止レール16を係止通路27内において係止するためには、僅かな力しか必要ない。ばね脚25と保持レール20との間の結合領域22における厚さの断面寸法は例えば0.5mmである。
【0050】
係止通路27は、その深さの例えば約50%までしか係止レール16によって満たされない。係止フック28は係止レール16を、ばねエレメント13及びばね脚25の圧力下において、係止通路27の確定された係止ポジションにおいて持続的に保持する。
【0051】
ばねエレメント13は、例えばエチレン-プロピレン-ジエンゴムから成っている。ばねエレメント13の大きなばね行程によって、係止レール16及び保持レール20が大きな誤差を有している場合でも、取付け時における確実な係止を達成することができる。同時に、ばねエレメント13の弾性材料はガイド通路40を湿気及び水に対してシールする。従ってウインドガラス10とカバー14との間の領域に浸入するは、ガイド通路40を介してカバー14の下の領域には浸入することができない。これにより例えば、追加的な別のシール手段を省くことができる。
【0052】
ばね脚25及び保持レール20は、硬化インサート26、例えばアルミホイルから成るインサートを有することができる。
【0053】
保持レール20には、ウインドガラス10の下側領域に、支持脚60が配置されていてよい。この支持脚60はウインドガラス10と、自動車の、ウインドガラス10が接着されるクロスメンバ(図示せず)との間における間隔を固定するのに役立つ。支持脚60は特に、接着剤の硬化中における間隔保持のために働く。
【0054】
追加的な支持湾曲部15は、係止レール16を、ばねエレメント13及びばね脚25の圧力下で、係止通路27内における確定された係止ポジションにおいて持続的に保持する。支持湾曲部15は、ガイドレール41における突出縁部として形成されている。支持湾曲部15及び係止レール16の突出領域23は、丸く形成されているので、ウインドガラス10の多次元的な湾曲とは無関係に係止作用が得られる。
【0055】
図3aには、図2に示したカバー14が横断面図で詳しく示されている。位置決めストッパ42、カバー14の下側における接触面19及び係止レール16は、台形のガイド通路40を形成している。係止レール16の、ガイド通路40とは反対の側には、突出領域23が配置されている。
【0056】
図3bには、図2に示した保持レール20の、カバー20(図示せず)との係止前における状態が横断面図で詳しく示されている。ばねエレメント13は、弛緩状態52にある。ガイドレール41はばね脚25と共に、係止通路27を形成している。ばね脚25の、係止通路27に向いた側には、係止フック28が成形されている。ばね脚25及び保持レール20は、硬化インサート26を有することができる。
【0057】
図3cには、図2に示された位置決めストッパ42の領域が、横断面図で詳しく示されている。位置決めストッパ42は、カバー14の接触面19に対する垂線との間に、例えば15°の角度αを成している。位置決めストッパ42は、例えば4mmの長さLを有している。係止レール16は例えば、ガイド通路40に向いた側において、接触面19に対して垂直に配置されている。
【0058】
図4には、図1に示した取付けストッパ43の領域が、横断面されて斜視図で示されている。保持レール20とカバー14とはまだ互いに係止されていない。ばねエレメント13は、U字形の支持兼シールリップであり、弛緩状態52にある。
【0059】
取付けストッパ43は、位置決めストッパ42の小さな領域に配置されていて、例えば4mmの奥行きを有している。取付けストッパ43は、50%を越える値で、位置決めストッパ42を越えて突出しており、例えば15mmの長さを有している。カバー14の接触面19の垂線に対する取付けストッパ43の角度は、位置決めストッパ42と垂線との間における角度αよりも小さい。取付けストッパ43は特に、接触面19に対して垂直に配置されているか又は例えば1°〜20°の角度をもってガイド通路40に向かって傾けられている。
【0060】
図5には、カバー14の本発明に係る1実施形態が斜視図で示されている。係止レール16は例えば、2つのスリット状の切欠き44を有している。これらの切欠き44はそれぞれ、ガイド通路40の、向かい合って位置する脚に配置された取付けストッパ43とは反対側に配置されている。さらに係止レール16は、突出領域23を備えた部分領域と、突出領域23のない部分領域とを有している。係止レール16は、突出領域23のない部分領域において、係止機能なしに形成されている。このような構成には、保持レール20におけるカバー14の取付けがセグメント状に行われ、1つの部分領域における係止時にパチンと言う明瞭な音が聞こえる、という特別な利点がある。同時に取付け工は係止動作を手の感覚によって知ることができる。
【0061】
図6には、取付けストッパ43の領域が、図1に示した切断ラインB−B′に沿った横断面図で示されている。取付けストッパ43は、例えば、カバー14の下側における接触面19に対して垂直に配置されている。ガイド通路40の、ウインドガラス10に向いた側において、係止レール16には切欠き44が設けられている。この切欠き44は、例えばカバー14の射出成形時に取付けストッパ43を成形するための工具を切欠き44を通して係合及び解離させることができる、という特別な利点を有している。これによって、本発明に係るカバー14を特に簡単かつ安価に製造することができる。
【0062】
図7には、本発明に係るシール装置の択一的な構成が横断面図で示されている。図2とは異なり、ばねエレメント13は中実材料として形成されている。さらにばねエレメント13は、カバー14のガイド通路40における接触面19に結合されている。ガイドレール41はばねエレメント13の領域において、突起状の隆起部45を有している。この突起状の隆起部45は、ばねエレメント13内に押し込まれていて、湿気及び水に対する確実なシール部を形成する。ガイドレール41は支持隆起部46を有しており、この支持隆起部46は、位置決めストッパ42に接触している。このことは、ガイド通路40内におけるガイドレール41の正確な横方向の位置決めを可能にする。
【0063】
図8には、ウインドガラス10における本発明に係る保持レール20が、取付けストリップ50と共に横断面図で示されている。取付けストリップ50は、ウインドガラス10に対して位置固定に位置決めされている。ここにおいて位置固定というのは、取付けストリップ50がウインドガラス10の位置に対して位置固定の位置を占めているということを意味する。取付けストリップ50は、保持レール20とウインドガラス10との接着前に、ウインドガラス10に対する保持レール20の正確な位置決めを可能にする。取付けストリップ50は、係止通路27内に挿入されていて、ガイドレール41を収容するのに適している。取付けストリップ50は、車両における最終的な取付けのためのウインドガラス10の運搬中に、保持レール20に留まり、保持レール20を損傷に対して保護することができる。そして取付けストリップ50は例えば、カバー14の取付け直前に除去することができる。取付けストリップ50は特に大きな力を要することなく再び取外し可能である。
【0064】
図9には、シール装置を製造する本発明に係る方法ステップが詳しく記載されている。第1のステップにおいて、保持レール20は、接着結合部36を介して、ウインドガラス10の下縁部12において該ウインドガラス10と持続的に結合される。そのために例えば、ウインドガラス10の下縁部に対する保持レール20のポジションを決定する取付けストリップ50が使用される。
【0065】
次のステップにおいて、カバー14はウインドガラス10に接触させられる。そのために例えばカバー14の1つの側が保持レール20に接触させられ、これにより、カバー14の取付けストッパ43が保持レール20のガイドレール41に接触する。取付けストッパ43の使用によって、ガイドレール41とガイド通路40並びに係止レール16と係止通路27は互いに、これら41,40;16,27が保持レール20に向かうカバー14の下降時に互いに内外に適合して滑動するように配置されることが保証される。これによって特に、係止レール16が係止通路27の外側及びばね脚25とウインドガラス10との間に導入されることが阻止される。このような誤った導入は、ばね脚25の変形及び破損を生ぜしめることがある。
【0066】
さらなるステップにおいて、カバー14は保持レール20に下降させられる。この際にカバー14のガイドレール41は、保持レール20のガイド通路40内に導入される。これによってカバー14の後縁部11とウインドガラス10の下縁部12とは、互いの間に確定された間隔Dをおいて位置する。
【0067】
次のステップにおいて、カバー14の係止レール16が係止通路27に導入される。この際に係止レール16の突出領域23は、係止フック28を越えてばねエレメント13を緊張させながら押し込まれる。この場合ばね脚25は、係止フック28が押込み動作中に保持レール20に対する結合箇所22を中心にしたばね脚25の回転によりウインドガラス10に向かって逃げることができるように形成されている。突出領域23が係止フック28を通過して押し込まれた後で、ばね脚25は弛緩し、係止フック28はその本来のポジションに向かって移動する。これによって、係止フック28と突出領域23とは互いに係合する。
【0068】
さらなるステップにおいて、カバー14は取付け方向とは逆向きに戻し移動させられ、ばねエレメント13は部分的に弛緩させられる。突出領域23は係止フック28を介してばね脚25に対して引張り力を加え、これによって保持レール20及びウインドガラス10に対するカバー14の垂直方向ポジションが決定される。
【0069】
本発明は、従来技術における装置に対して一連の利点を有している。従来技術のシール装置では、カバーとウインドガラスとの間の横方向間隔D、並びにカバーとウインドガラスとの間の垂直方向間隔は、係止によって決定される。従来技術による係止手段は、一方では係止を可能にしかつ他方では装置をシールするために、弾性的に形成されねばならない。これによって、位置決めが不正確になり、非所望の誤差が生じる。
【0070】
本発明に係るシール装置では、係止通路27と係止レール16とによって形成される係止機構は、ガイド通路40及びガイドレール41による位置決めから切り離されている。ガイド通路40とガイドレール41とは、カバー14とウインドガラス10との間の間隔Dを決定する。係止機構はカバー14及び保持レール20を固定し、ひいてはガイド通路40内においてガイドレール41を固定する。係止レール16及びばね脚25は、引張り力によってしか負荷されないので、係止レール16及びばね脚25は、従来技術に比べて薄くかつスペースを節減して構成することができる。そしてスペースの節減、高い位置決め精度及び簡単な取付けから成る予期しない組合せが得られる。その結果、製作誤差及び取付けに対する高い要求を極めて良好に満たすことができる。さらに、ガイド通路40内における弾性的なばねエレメント13によって、装置の改善されたシール作用が得られ、これにより追加的なシール手段を省くことができる。これらの利点は、当業者にとって予期しない、驚くべきことである。
【符号の説明】
【0071】
10 ウインドガラス
11 カバー14の後縁部
12 ウインドガラス10の下縁部
13 ばねエレメント、支持兼シールリップ
14 カバー
15 支持湾曲部
16 係止レール
19 接触面
20 保持レール
22 ばね脚25と保持レール20との間における結合箇所
23 突出領域
25 ばね脚
26 硬化インサート
27 係止通路
28 係止フック
36 接着結合部
40 ガイド通路
41 ガイドレール
42 位置決めストッパ
43 取付けストッパ
44 切欠き
45 隆起部
46 支持隆起部
50 取付けストリップ
51 緊張状態におけるばねエレメント13
52 弛緩状態におけるばねエレメント13
60 支持脚
A−A′ 切断ライン
B−B′ 切断ライン
D カバー11の後縁部とウインドガラス10の下縁部12との間の間隔
L 位置決めストッパ42の長さ
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】