特表2015-507231(P2015-507231A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッドの特許一覧

特表2015-507231容量タッチデバイスのパターンとその製造方法
<>
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000003
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000004
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000005
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000006
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000007
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000008
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000009
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000010
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000011
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000012
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000013
  • 特表2015507231-容量タッチデバイスのパターンとその製造方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-507231(P2015-507231A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(54)【発明の名称】容量タッチデバイスのパターンとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20150206BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150206BHJP
【FI】
   G06F3/044 125
   G06F3/041 660
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-533758(P2014-533758)
(86)(22)【出願日】2012年8月10日
(85)【翻訳文提出日】2014年4月7日
(86)【国際出願番号】CN2012079908
(87)【国際公開番号】WO2013053263
(87)【国際公開日】20130418
(31)【優先権主張番号】201110317542.8
(32)【優先日】2011年10月14日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン チーフェン
(72)【発明者】
【氏名】リン チンシャン
(72)【発明者】
【氏名】チウ チェンタイ
(57)【要約】
本発明はタッチデバイスに係り、特に容量タッチデバイスのパターンとその製造方法に関する。この容量タッチデバイスのパターンは、基板、2つの互いに隣接した第1軸の電極、第1軸の導電配線、および一対の金属ジャンパを備える。第1軸の導電配線は、2つの互いに隣接した第1軸の電極を接続するために、2つの互いに隣接した第1軸の電極の間に設けられる。一対の金属ジャンパは、2つの第1軸の電極と第1軸の導電配線との接続部上に設けられる。これによって、2つの互いに隣接した第1軸の電極と第1軸の導電配線との接続部によって引き起こされる抵抗を低減することができ、容量タッチ制御デバイスのパターンの応答速度を増大することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの互いに隣接した第1軸の電極と、
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極の間に設けられた第1軸の導電配線と、
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極と前記第1軸の導電配線との接続部に電気的に接続された一対の金属ジャンパとを備えた、
容量タッチデバイスのパターン。
【請求項2】
前記第1軸の導電配線の両側に分かれて設けられた2つの互いに隣接した透明な第2軸の電極と、
前記第1軸の導電配線を横切って延び、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極を接続する第2軸の導電配線と、
前記第1軸の導電配線と前記第2軸の導電配線とを絶縁するために、前記第1軸の導電配線と前記第2軸の導電配線との間に形成され、前記第1軸の導電配線を部分的に覆う絶縁層とをさらに備えた、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項3】
前記一対の金属ジャンパが金属配線により形成された、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項4】
前記一対の金属ジャンパは、モリブデン、アルミニウム、およびモリブデンのうち1種または2種以上を含む金属膜により形成された、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項5】
前記容量タッチデバイスのパターンが基板上に形成された、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項6】
基板の両側部に形成された第1軸の周辺配線と第2軸の周辺配線とをさらに備え、
前記第1軸の周辺配線は前記第1軸の電極に接続され、前記第2軸の周辺配線は前記第2軸の電極に接続された、
請求項5に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項7】
前記第2軸の導電配線は、モリブデン、アルミニウム、およびモリブデンのうち1種または2種以上を含む金属膜により形成された、
請求項2に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項8】
2つの互いに隣接した第2軸の電極と、
前記2つの互いに隣接した第2軸の電極の間にこれらを接続するために形成された第2軸の導電配線と、
前記第2軸の導電配線を部分的に覆う絶縁層とをさらに備え、
前記一対の金属ジャンパは前記第2軸の導電配線の両側に設けられ、
前記第1軸の導電配線11は前記絶縁層および前記一対の金属ジャンパを部分的に覆う、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項9】
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極は、前記第1軸の導電配線11の両端部に接続するように、前記第2軸の導電配線の両側に分かれて設けられ、
前記絶縁層の分離が、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極と前記第2軸の導電配線とを電気的に絶縁する、
請求項8に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項10】
前記一対の金属ジャンパは金属配線により形成された、
請求項8に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項11】
前記一対の金属ジャンパは、モリブデン、アルミニウム、およびモリブデンのうち1種または2種以上を含む金属膜により形成された、
請求項8に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項12】
前記タッチデバイスのパターンが設けられた基板の両側部に形成された第1軸の周辺配線と第2軸の周辺配線とをさらに備え、
前記第1軸の周辺配線は前記第1軸の電極に接続され、前記第2軸の周辺配線は前記第2軸の電極に接続された、
請求項8に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項13】
前記第2軸の導電配線は、モリブデン、アルミニウム、およびモリブデンのうち1種または2種以上を含む金属膜により形成された、
請求項8に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項14】
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極および前記第1軸の導電配線は、一体成形構造として形成された、
請求項1に記載の容量タッチデバイスのパターン。
【請求項15】
以下の工程を有する容量タッチデバイスのパターンの製造方法。
基板の表面に、2つの互いに隣接した第1軸の電極、第1軸の導電配線、および2つの互いに隣接した第2軸の電極を形成する工程。ここで、前記第1軸の導電配線は、前記2つの互いに隣接した第1軸の電極の間にこれらを接続するために設けられ、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極は、前記第1軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。
前記第1軸の導電配線を部分的に覆う絶縁層を形成する工程。
一対の金属ジャンパおよび第2軸の導電配線を形成する工程。ここで、前記一対の金属ジャンパは前記2つの互いに隣接した第1軸の電極と前記第1軸の導電配線との接続部上に設けられる。
【請求項16】
前記第2軸の導電配線は、前記絶縁層を横切って延び、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極を接続し、前記第1軸の導電配線と前記第2軸の導電配線とが電気的に絶縁される、
請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
さらに、以下の工程を有する請求項15に記載の製造方法。
基板の両側部に、第1軸の周辺配線および第2軸の周辺配線を形成する工程。ここで、前記第1軸の周辺配線は前記第1軸の電極に接続され、前記第2軸の周辺配線は前記第2軸の電極に接続される。
【請求項18】
以下の工程を有する容量タッチデバイスのパターンの製造方法。
基板上に一対の金属ジャンパおよび第2軸の導電配線を形成する工程。ここで、前記一対の金属ジャンパは、前記第2軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。
前記第2軸の導電配線を部分的に覆う絶縁層を形成する工程。
前記基板上に、2つの互いに隣接した第1軸の電極、第1軸の導電配線、および2つの互いに隣接した第2軸の電極を形成する工程。ここで、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極は前記第2軸の導電配線の両端部に分かれて接続され、前記2つの互いに隣接した第1軸の電極は前記第2軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。
【請求項19】
前記第1軸の導電配線は、前記絶縁層および前記一対のジャンパを部分的に覆い、
前記第1軸の導電配線は、前記2つの互いに隣接した第1軸の電極に接続される、
請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
さらに、以下の工程を有する請求項18に記載の製造方法。
基板上に、第1軸の周辺配線および第2軸の周辺配線を形成する工程。ここで、前記第1軸の周辺配線は前記第1軸の電極に接続され、前記第2軸の周辺配線は前記第2軸の電極に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチデバイスに係り、特に容量タッチデバイスのパターンとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子材料の急速な発展に伴って、タッチデバイスはすでに汎用の入力インターフェイスとなっている。圧力操作または手動操作による従来の入力インターフェイスはまた、近い将来、タッチデバイスに置き換わるであろう。最近では、液晶パネルの活発な開発によって、表示スクリーンが一体化されたタッチデバイスがすでに大量に生産され、売られている。タッチデバイスは、抵抗タッチデバイスと容量タッチデバイスとに分けることができる。既存の家電製品は容量タッチデバイスを大いに利用し、容量デバイスを表示スクリーンに一体化している。
【0003】
一体化された表示スクリーンにおいて、容量タッチデバイスは通常、平面の2つの軸方向(X軸とY軸)の座標感知力を有する。図1は、従来の容量タッチデバイスのパターンを示す。容量タッチデバイスのパターン10は、基板5を含む。2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11とが複数群あり、これらはX軸方向のセンサ電極単位を構成し、タッチ位置のX軸座標の感知に使用される。2つの互いに隣接した第2軸の電極2と第2軸の導電配線21とが複数群あり、これらはY軸方向のセンサ電極単位を構成し、タッチ位置のY軸座標の感知に使用される。第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21とを互いから電気的に絶縁するために、絶縁層4が使われる。上述のセンサ電極単位は、インジウム錫酸化物のような透明導電材料によって形成できる。絶縁層4は通常、ポリイミドのような透明絶縁材料によって形成される。
【0004】
容量タッチデバイスの応答速度は、X軸方向とY軸方向のセンサ電極単位の抵抗によって制限される。センサ電極単位の抵抗は、主に透明な第1軸の導電配線11によって作られた首部の影響を受ける。従来の容量タッチデバイスのパターンに制限されて、第1軸の導電配線11の面積は通常はより小さく、同時により大きな抵抗を有している。したがって、首部における抵抗を低減し、容量タッチデバイスの応答速度を改善することが課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、2つの互いに隣接した第1軸の電極と第1軸の導電配線との接続部を横切る金属ジャンパを設けることによって、タッチデバイスの抵抗を効果的に低減し、タッチデバイスの応答速度を増大することが可能な容量タッチデバイスのパターンを提供することである。
【0006】
一実施形態において、容量タッチデバイスのパターンは、
2つの互いに隣接した第1軸の電極と、
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極の間にこれらを接続するために設けられた第1軸の導電配線と、
前記2つの互いに隣接した第1軸の電極と前記第1軸の導電配線との接続部に電気的に接続された一対の金属ジャンパとを備える。
【0007】
本発明の他の目的は、以下の工程を有する容量タッチデバイスのパターンの製造方法を提供することである。基板の表面に、2つの互いに隣接した第1軸の電極、第1軸の導電配線、および2つの互いに隣接した第2軸の電極を形成する。ここで、前記第1軸の導電配線は、前記2つの互いに隣接した第1軸の電極の間にこれらを接続するために設けられ、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極は、前記第1軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。さらに、前記第1軸の導電配線を部分的に覆う絶縁層を形成する。次に、一対の金属ジャンパおよび第2軸の導電配線を形成する。ここで、前記一対の金属ジャンパは、前記2つの互いに隣接した第1軸の電極と前記第1軸の導電配線との接続部上に設けられる。さらに、前記第2軸の導電配線は、前記絶縁層を横切って設けられ、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極を接続し、前記第1軸の導電配線と前記第2軸の導電配線とが電気的に絶縁される。
【0008】
本発明の他の目的は、以下の工程を有する容量タッチデバイスのパターンの製造方法を提供することである。基板上に一対の金属ジャンパおよび第2軸の導電配線を形成する。ここで、前記一対の金属ジャンパは、前記第2軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。さらに、前記第2軸の導電配線を絶縁層で覆う。次に、前記基板上に、2つの互いに隣接した第1軸の電極、第1軸の導電配線、および2つの互いに隣接した第2軸の電極を形成する。ここで、前記2つの互いに隣接した第2軸の電極は、前記第2軸の導電配線の両端部に分かれて接続される。前記2つの互いに隣接した第1軸の電極は、前記第2軸の導電配線の両側に分かれて設けられる。ここで、前記第1軸の導電配線は前記絶縁層で部分的に覆われ、前記一対のジャンパもまた部分的に覆われる。前記第1軸の導電配線は2つの互いに隣接した第1軸の電極に接続される。前記第1軸の導電配線と前記第2軸の導電配線との間に絶縁層を形成することで、電気的な絶縁が得られる。
【0009】
上記から要約するように、本発明における容量タッチデバイスのパターンは、2つの互いに隣接した第1軸の電極と第1軸の導電配線との接続によって引き起こされる抵抗を効果的に低減することができ、これによって、容量タッチデバイスの応答速度を増大することができる。製造方法において、一対の金属ジャンパおよび第2軸の導電配線を完成するのにエッチングが必要であり、これによって追加の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のタッチデバイスのパターンを示す。
【0011】
図2】本発明の一実施形態におけるタッチデバイスのパターンの製造方法のフローチャートを示す。
【0012】
図3】本発明の一実施形態におけるタッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造を示す。
図4】本発明の一実施形態におけるタッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造を示す。
図5】本発明の一実施形態におけるタッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造を示す。
【0013】
図6】本発明の一実施形態におけるタッチデバイスのパターンの模式図を示す。
【0014】
図7A】タッチデバイスのパターンのA軸断面図である。
【0015】
図7B】タッチデバイスのパターンのB軸断面図である。
【0016】
図8】タッチデバイスのパターンの製造方法のフローチャートを示す。
【0017】
図9】タッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造の模式図を示す。
図10】タッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造の模式図を示す。
図11】タッチデバイスのパターンの製造方法の各工程に応じた構造の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者にとって、以下に記す実施形態と図面は説明目的だけのためで、いかなる方法によっても本発明の範囲は制限されない。
【0019】
図2は、タッチデバイスのパターンの製造方法のフローチャートを示す。図3、4、5は、図2の製造方法の各工程によって製造されるパターンの平面図である。タッチデバイスのパターンの製造方法は、イエローライトプロセスあるいは回路印刷技術を用いることができる。本発明におけるタッチデバイスのパターンの製造方法は以下の工程を含む。
【0020】
ステップS11:基板5の表面に、2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、および2つの互いに隣接した第2軸の電極2を形成する。図3に示すように、第1軸の導電配線11は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1の間にこれらを互いに接続するために設けられる。2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、第1軸の導電配線11の両側に分かれて設けられる。2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、および2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、透明導電材料により形成することができる。透明導電材料は、可視光透明性と導電性とを有する。透明導電材料としてはインジウム錫酸化物が挙げられるが、他の種類の透明導電材料もまた、発明の限定を避けるためここではリストしないが、使用できる。第1軸の電極1と第1軸の導電配線11とは、一体成形の構造であってもよい。
【0021】
ステップS12:図4に示すように、絶縁層4によって第1軸の導電配線11を覆う。絶縁層4はポリイミドのような透明絶縁材料によって形成することができるが、透明絶縁材料の種類は発明の限定を避けるためここではリストしない。
【0022】
ステップS13:図5に示すように、一対の金属ジャンパ3および第2軸の導電配線21を形成する。この一対の金属ジャンパ3は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11との接続部上に設けられる。第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21との間で電気的な絶縁を形成するようにして、絶縁層4を横切って設けられた第2軸の導電配線21は、2つの互いに隣接した第2軸の電極2に接続される。図5中のタッチデバイスのパターン40は、ステップS11−S13を通して形成することができる。
【0023】
図5中の容量タッチデバイスのパターン40において、第1軸の導電配線11は狭くかつ長く、透明導電材料により形成されており、2つの互いに隣接した第1軸の電極1の間の抵抗を比較的高くする。しかしながら、一対の金属ジャンパ3が2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11との間の接続部上に設けられた後、2つの互いに隣接した第1軸の電極1の間の抵抗を低減することができ、一体タッチデバイスの感知速度を増大することができる。
【0024】
容量タッチデバイスのパターン40は、タッチデバイスのパターン40の完成の後、周辺配線を介して、好ましい導電率で外部の制御部にさらに接続することができる(図1図4においては示されない)。たとえば、第1軸の周辺配線(図1図4おいては示されない)と第2軸の周辺配線(図2図5おいては示されない)とは、第1軸の周辺配線を第1軸の電極1に接続し、第2軸の周辺配線を第2軸の電極2に接続するように、基板5の両側部に形成される。
【0025】
図6は、本実施形態における容量タッチデバイスのパターンの平面図である。タッチデバイスのパターン50は、図5中のタッチデバイスのパターン40をアレイ状に配列することによって、形成される。タッチデバイスのパターン40は、以下の実施形態で述べるタッチデバイスのパターンの方法を使用して、完成することができる。
【0026】
図7Aは、タッチデバイスのパターン40のA軸断面図である。図7Bは、タッチデバイスのパターン40のB軸断面図である。
一実施形態において、タッチデバイスのパターン40は、基板5、2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、2つの互いに隣接した第2軸の電極2、第2軸の導電配線21、絶縁層4、および一対の金属ジャンパ3を含む。2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、および2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、基板5の表面に設けられる。第1軸の導電配線11は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1の間にこれらを接続するように形成される。2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、第1軸の導電配線11の両側に分かれて設けられる。第2軸の導電配線21は、第1軸の導電配線11を横切って延び、2つの互いに隣接した第2軸の電極2に接続されている。絶縁層4は、透明な第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21との間にこれらを電気的に絶縁するように形成される。一対の金属ジャンパ3は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11との間の接続部上に設けられる。
【0027】
図5および図6において、2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11とが複数群あり、これらはX軸方向のセンサ電極単位を構成する。これらのセンサ電極単位は、タッチ位置のX軸座標の感知に使用される。2つの互いに隣接した第2軸の電極2と第2軸の導電配線21とが複数群あり、これらはY軸方向のセンサ電極単位を構成し、タッチ位置のY軸座標の感知に使用される。2つの互いに隣接した透明な第2軸の電極は、ITOのような透明導電材料からなる。第2軸の導電配線21は、モリブデン/アルミニウム/モリブデン、または導電率の良い他の任意の金属からなる金属膜であり得る。このモリブデン/アルミニウム/モリブデン金属膜は、第2軸の導電配線21を完成するためのエッチングプロセスに好適に使用される。
【0028】
絶縁層4は、透明な第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21との間に形成される。第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21との間に適切な電気的な絶縁が形成されるように、第2軸の導電配線21の幅に基づいて適当な面積の絶縁層を選択することができる。絶縁層4は、ポリイミドまたは他の任意の同様の/公知の材料により形成することができる。
【0029】
透明な第1軸の電極1と透明な第1軸の導電配線11とで構成されるX軸方向の電極単位の抵抗を減らすために、一対の金属ジャンパ3が使われる。この一対の金属ジャンパ3は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11との接続部の近傍に設けることができる。第1軸の導電配線11は第1軸の電極1のそれと比較して相対的に小さな横断面を持つ。このことは、2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11とを含む首部の抵抗をより大きくする。このことは、第1軸の電極1と透明な第1軸の導電配線11とで構成されるX軸方向の電極単位の抵抗を増大させる。
【0030】
第1軸の電極1と透明な第1軸の導電配線11とで構成されるX軸方向の電極単位の抵抗は、一対の金属導電配線3によって低減することができる。この抵抗の低減は、タッチデバイスの応答時間を短くすることができ、これによってタッチデバイスの応答速度を増大することができる。ここで、X軸の電極単位の抵抗を計算する方法について述べる。第1軸の電極1の数をNとしたとき、N−1は第1軸の導電配線11の数を表す。X軸方向の電極単位の抵抗は、第1軸の電極1と第1軸の導電配線11との連続的な障害から得られる抵抗に対応する。
言い換えれば、X軸方向の電極単位の抵抗は、第1軸の電極1の抵抗を第1軸の電極1の数だけ掛け、次に2つの互いに隣接した第1軸の電極1と第1軸の導電配線11とで構成される首部の抵抗を加え、最後に首部の数を掛けたものである。
【0031】
たとえば、個々の第1軸の電極1の抵抗が100Ωであり、個々の首部の抵抗が200Ωであるとする。Nが11であるとき、X軸方向の電極単位の抵抗は、3100Ω(11×100+10×200=3100Ω)である。一対の金属導電配線3を加えると、首部の抵抗は10Ωになる。このとき、X軸方向の電極単位の抵抗は、1200Ω(11×100+10×10=1200Ω)である。
【0032】
一対の金属ジャンパ3は任意の金属配線からなり、特に好ましくは、モリブデン、アルミニウム、またはモリブデンを含む金属膜である。エッチングプロセスにより、一対の金属ジャンパ3および第2軸の導電配線21を完成することができる。
【0033】
図8は、タッチデバイスのパターンの製造方法のフローチャートを示す。図9図11は、タッチデバイスのパターンの製造方法の種々の工程に応じた構造の模式図を示す。タッチデバイスのパターンの製造方法は、イエローライトプロセスあるいは回路印刷技術を用いることができる。図11に示すように、タッチデバイスのパターンの製造方法において製造されるタッチデバイスのパターン90は、タッチデバイスのパターン40の逆重ね構造を有する。タッチデバイスのパターンの製造方法は以下の工程を含む。
【0034】
ステップS61:図9に示すように、基板5の表面に、一対の金属ジャンパ3および第2軸の導電配線21を形成する。ここで、一対の金属ジャンパ3は、第2軸の導電配線21の両側に分かれて設けられる。一対の金属ジャンパ3および第2軸の導電配線21は、モリブデン/アルミニウム/モリブデンの金属膜により形成することができる。
【0035】
ステップS62:図10に示すように、絶縁層4によって第2軸の導電配線21を覆う。絶縁層4はポリイミドであり得るが、本発明はこれに限らない。
【0036】
ステップS63:基板5の表面に、2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、および2つの互いに隣接した第2軸の電極2を形成する。図11に示すように、2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、第2軸の導電配線21の両端部に接続される。2つの互いに隣接した第1軸の電極1は、第2軸の導電配線21の両側に分かれて設けられる。第1軸の導電配線11は、絶縁層4を部分的に覆い、一対の金属ジャンパ3を部分的に覆う。第1軸の導電配線11は、2つの互いに隣接した第1軸の電極1に接続される。第1軸の導電配線11と第2軸の導電配線21との間に設けられる絶縁層4は、配線11、21を電気的に絶縁させる。2つの互いに隣接した第1軸の電極1、第1軸の導電配線11、および2つの互いに隣接した第2軸の電極2は、インジウム錫酸化物により形成することができる。タッチ制御回路パターン90は、ステップS61−S63を通して形成することができる。
【0037】
本発明に係る実施形態のタッチデバイスのパターンおよびその製造方法によれば、2つの互いに隣接した第1軸の電極と第1軸の導電配線とで構成される首部によって引き起こされる抵抗を低減することができ、これによって、タッチデバイスのパターンの応答速度を増大することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】