(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-508728(P2015-508728A)
(43)【公表日】2015年3月23日
(54)【発明の名称】車両内のセンサー手段用ホルダー枠
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20150224BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-559098(P2014-559098)
(86)(22)【出願日】2013年2月8日
(85)【翻訳文提出日】2014年6月25日
(86)【国際出願番号】DE2013100045
(87)【国際公開番号】WO2013127388
(87)【国際公開日】20130906
(31)【優先権主張番号】102012101781.6
(32)【優先日】2012年3月2日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】フレンツェル・ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ザウエラー・ヴィンツェンツ
(72)【発明者】
【氏名】アウグスティン・トーマス
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD05
(57)【要約】
本発明は、車両ガラス(9)の後ろに配置するための、且つ、センサー手段(8)を取付けるためのホルダー枠(1)、並びに、ホルダー枠(1)とセンサー手段(8)を包含するセンサー配置(14)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部空間の車両ガラス(9)の後ろへの配置と、少なくとも一つのセンサー手段(8)のホルダー枠(1)内への配置のためのホルダー枠であって、
−センサー手段(8)に設けられている支持エレメント(10)を収納するためにホルダー枠(1)の片側(2)に形成されているガイドトラック(4)、
但し、該ガイドトラック(4)は、センサー手段(8)をホルダー枠(1)内に配置する際、支持エレメント(10)が、該ガイドトラック(4)内へ、センサー手段(8)が、車両ガラス(9)側へ接近するよう導かれることができるように形成されている、
を、並びに、
−ガイドトラック(4)の向かい側(3)、或いは、ホルダー枠(1)の末端に対応する側に、センサー手段(8)を、ホルダー枠(1)内において、主に、ガイドトラック(4)のガイド方向に向かって、該センサー手段(8)に作用する機械的な力(F)を発生させるための手段(7)、
但し、該手段(7)は、センサー手段(8)のホルダー枠(1)内への配置において、支持エレメント(10)をガイドトラック(4)内へガイドする役割を担っている、
を特徴とするホルダー枠(1)。
【請求項2】
該手段(7)が、リジッドに形成されたガイドスロープ(7)であることを特徴とする請求項1に記載のホルダー枠(1)。
【請求項3】
該手段(7)が、フレキシブルに形成されたガイドスロープ(7)であることを特徴とする請求項1に記載のホルダー枠(1)。
【請求項4】
ホルダー枠(1)内に、センサー手段(8)を機械的に固定するための一つの、或いは、複数の付加的手段(5)を特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載のホルダー枠(1)。
【請求項5】
ガイドトラック(4)が、本質的にS字状のプロファイルに形成されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載のホルダー枠(1)。
【請求項6】
ガイドトラック(4)が、支持エレメント(10)のエンドポジション(13)の領域において、車両ガラス(9)に対して本質的に平行にセットされていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載のホルダー枠(1)。
【請求項7】
該付加的な手段(5)が、複数のフラットスプリング(5)であり、該フラットスプリング(5)が、センサー手段(8)をホルダー枠(1)内にカチッと嵌ることにより機械的に固定していることを特徴とする請求項4から6のうち何れか一項に記載のホルダー枠(1)。
【請求項8】
先行請求項のうち何れか一項に記載の如く構成されたホルダー枠(1)、並びに、支持エレメント(10)を備え、該ホルダー枠(1)内に配置されるセンサー手段(8)を包含する車両の内部空間の車両ガラス(9)の後ろに配置されるセンサー配置(14)。
【請求項9】
センサー手段(8)が、ホルダー枠(1)のガイドトラック(4)の向かい側(2)に相当する側(3)に、主に、ガイドトラック(4)のガイド方向に向かって作用する機械的な力(F)を発生させるための手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載のセンサー配置(14)。
【請求項10】
該センサー手段(8)が、ホルダー枠(1)を通過する視線方向を備えた車載カメラであることを特徴とする請求項8乃至9に記載のセンサー配置。
【請求項11】
支持エレメント(10)が、シェーブ・ノーズ(12)を備えたシリンダー状のピンであることを特徴とする請求項8から10のうち何れか一項に記載のセンサー配置(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の内部、車両ガラスに配置するためのホルダー枠、並びに、ホルダー枠内への少なくとも一つのセンサー手段の配置に関する。更に本発明は、車両の内部、車両ガラスの後ろに配置され、本発明に係るホルダー枠を包含するセンサー配置にも関する。
【背景技術】
【0002】
現代的な車両では、例えば、ドライバー・アシスタント・システム用に、より多くのセンサー手段が、採用されるようになった。このようなセンサー手段は、多くの場合、固定手段によって車両のフロントガラスの後ろに配置され、その視野は、フロントガラスを介して走行方向に向けられている。センサー手段の例としては、レーダー・センサー、超音波センサー、レーザー・センサー、乃至、ライダー・センサー、並びに、例えば、オブジェクト、障害物、車線境界までの間隔測定、及び/或いは、これらの認識用など様々な仕様の車両用カメラが挙げられる。
【0003】
車両カメラのフロントガラスの後ろへの配置用の固定手段は、例えば、DE 10 2010 010 571 A1より既知である。
【0004】
しかしながらこれまでにセンサー手段用に用いられてきた固定手段には、様々な欠点がある。
【0005】
既知の固定手段内のセンサー手段の取付ならびに取外しは、頻繁に困難であり、通常、強い力が必要、特に、取付公差、乃至、位置公差が、金属製のバネやブラスチック性のバネなど柔軟性部品によって調整される場合には、強い力が必要である。このような柔軟性部品は、多くの場合、特に、該柔軟性部品が、センサー手段を、車両ガラスから離すように押している場合、それの機能とは逆方向、即ち、センサー手段の固定方向、或いは、取付方向とは、逆方向に作用している。
【0006】
特に、カチッとはめ込む、或いは、噛み合うことと柔軟性による固定を組み合わせた固定手段では、例えば、プラスチック・バネなど柔軟性のあるプラスチック部品において、例えば、柔軟性プラスチック部品が、温度や経時により流れる、及び/或いは、たゆむと言った好ましくない現象が起こる。これにより、車内において、その寿命の間に固定手段内でセンサー手段が緩むことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102010010571号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明の課題は、可能な限り単純で、低コスト、そして、長時間安定したセンサー手段の車両ガラス裏側における固定手段を提供できるソリューションを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、ある手段、具体的には、請求項1の特徴を持つホルダー枠、並びに、請求項8の特徴を持つセンサー配置によって解決される。本発明の更なる実施形態、並びに、発展形態は、従属請求項から得られるが、各特徴を組み合わせること、更には各特徴の更なる発展形態も考え得る。
【0010】
本発明の基本的なアイデアは、車両ガラスの後ろにセンサー手段を配置する役割を担う固定手段を、ホルダー枠の形状に構成すると言うことである。その際、該ホルダー枠は、枠の片側、或いは、末端に形成されているガイドトラックを包含している。尚、該ガイドトラックは、好ましくは、該ガイドトラック内でのガイドに合うように構成された支持エレメントを包含するセンサー手段が、ガイドトラックのそれぞれの構成によって定まるトラックに沿って、車両ガラス側へと導かれることができるように構成されている。好ましくは、枠の向かい側、或いは、向かいにある末端、及び/或いは、センサー手段の対応する側に構成された、適した手段を介して、ガイドトラックのガイド方向へ、これにより、センサー手段、乃至、センサー手段の支持エレメントが、ホルダー枠内に配置された際に、ガイドトラック内を強制的にガイドされるのに適した機械的な力を発生させることができる。尚、ホルダー枠内でのセンサー手段の固定は、好ましくは、付加的な、柔軟性を有する、或いは、バネ力のある手段によって実施される。この発明の重要な特長は、ホルダー枠内でのセンサー手段の固定のためには、僅かな力しか必要とされず、よって、柔軟性を有する、或いは、バネ力のあるコンポーネントによる固定は、基本的に、力をかけることなく実施可能なことである。僅かな力によって実施することにより、温度や経時によって流れる、たゆむ、及び/或いは、ゆるむと言った欠点を回避することができる。
【0011】
本発明に係るホルダー枠は、車両の内部空間に、特に好ましくは、車両ガラスに配置することができ、特に好ましくは、該センサー手段の視線方向が、ホルダー枠と車両ガラスを通過するように、少なくとも一つのセンサー手段の配置、或いは、固定を実施する役割を担っている。該ホルダー枠は、更なるコンポーネントから構成される固定手段、特に好ましくは、例えば、バックミラーやインジケータパネルなど車両側の装置の一部であることも可能である。よって、該ホルダー枠は、複数の電子コンポーネント、特に、様々なセンサー手段類用の大きな固定手段の一部であることも可能である。このような固定手段は、ブラケットと呼ばれることもある。本発明に係るホルダー枠の基本的形状自体は、任意である。但し、多角形、特に、正方形や長方形など、少なくとも四本の直線的に延びるフレーム辺を包含する基本的形状を有する実施形態が特に目的にかなっている。該ホルダー枠は、例えば、接着接続を介して車両ガラスに直接配置されることができる。特に、枠(フレーム)と言う形状の実施形態であることから、センサー手段は、ホルダー枠、並びに、車両ガラスを貫通する視線方向をもって、該ホルダー枠内に配置されることが可能である。ここで言う「車両ガラス」とは、特に好ましくは、車両のフロントガラス、或いは、リアガラスであり、よって、ホルダー枠内に配置されるセンサー手段は、例えば、車両の前方に、或いは、後方に横たわる周辺領域、特に、交通空間を捕捉する役割を担うものである。これらの本発明に係るホルダー枠内に配置されることができるセンサー手段とは、好ましくは、車載カメラである。しかし、複数の、及び/或いは、他のセンサー手段、例えば、超音波センサー、レーダー・センサー、或いは、ライダー・センサー、及び/或いは、車両ガラスの表面に設置される雨を検知する雨センサーなども、ホルダー枠内に配置されることができる。
【0012】
該ホルダー枠は、本発明では、少なくとも片側、或いは、少なくとも一つの末端に、好ましくは、前方の末端にガイドトラックが設けられている。ここで、該ガイドトラックは、ホルダー枠内に配置することが可能なセンサー手段の、好ましくは、対応する片側、或いは、対応する末端に形成されている支持エレメントを取付けるための役割を担っている。該ガイドトラックは、センサー手段をホルダー枠内に配置する際、センサー手段の支持エレメントが、該ガイドトラック内へ、センサー手段が、車両ガラス側へ接近するようにガイドすることができるように形成されていることが好ましい。
【0013】
本発明に係るホルダー枠は、少なくとも一つのガイドトラックの向かい側、或いは、ガイドトラックの向かい側の末端の領域に、センサー手段をホルダー枠に配置した際に、基本的に、ガイドトラックのガイド方向へ作用する、特に、テンション力、或いは、スプリング力と言った機械的な力を発生させるための手段を包含しており、これにより、センサー手段をホルダー枠に配置した際に、これらの手段が、センサー手段の支持エレメントをガイドトラックへとガイドする、乃至、強制的に導くことができるようになっている。該手段は、好ましくは、ホルダー枠の後ろの末端に形成されていることが好ましい。
【0014】
ここで言う「基本的にガイド方向」と言う方向は、特に、該手段によって発生された力の作用方向のことであるが、該作用方向とは、ガイドトラックのガイド方向、或いは、ガイドトラックのガイド方向の平均から90°未満異なる、好ましくは、該手段によって発生された力が、センサー手段の支持エレメントのガイドトラックへガイドするために作用する方向のことである。ここで言う「ガイド方向」とは特に、センサー手段の支持エレメントガイドトラックへと導く、或いは、センサー手段をホルダー枠内に配置する際に、車両ガラス側へと導く方向のことを意味している。
【0015】
本発明に係るホルダー枠のある好ましい実施形態においては、機械的力を発生するための手段は、リジッド、及び/或いは、フレキシブル(乃至、柔軟性ある)ガイドスロープとして構成されている。該ガイドスロープは、この際、ホルダー枠内への配置の際にセンサー手段を、該センサー手段をガイドトラックのガイド方向である方向に動くことを強制し、センサー手段の支持エレメントがガイドトラック内でガイドされるように導くように構成された斜めの面であることが好ましい。
【0016】
本発明に係るホルダー枠の有利な実施形態では、該ホルダー枠に、センサー手段をホルダー枠内に機械的に固定する手段が、付加的に設けられている。該「付加的な手段」とは、例えば、センサー手段を、特に、これが最終ポジションに達した時に、例えば、カチッと嵌る、或いは、噛み合うことで、ホルダー枠に固定するための、スプリング・エレメントであることができる。付加的な手段による固定はこの際、好ましくは、センサー手段を、ホルダー枠からの落下を防止する、特に、ガイドトラックのガイド方向に対して鉛直方向におけるセンサー手段の位置を確実にする役割を担っている。特に、ガイド方向に対して鉛直方向への確実性が得られるため、これは、本質的に、力をかけることなく、乃至、僅かな力で実施できる。
【0017】
本発明に係るホルダー枠の特別な実施形態では、ガイドトラックは、基本的にS字状のプロファイルに構成されている。このような実施形態の主な利点は、センサー手段が、本発明に係るホルダー枠に配置された時、支持エレメントを介して、定義されたS字状のアーチ内を、車両ガラス側へと導かれると言うことにある。
【0018】
本発明に係るホルダー枠のある好ましい実施形態においては、該ガイドトラックは、支持エレメントのエンド・ポジションの領域において、ホルダー枠内のセンサー手段のエンド・ポジションにおいて、基本的に、車両ガラスと平行にセットされる。
【0019】
本発明に係るセンサー配置は、車両の内部空間の車両ガラスの後ろ、特に好ましくは、フロントガラスの後ろに配置され、上記の実施形態のうちの一つに従って構成されているホルダー枠を包含している。本発明に係るセンサー配置は、更に、ホルダー枠内に配置される少なくとも一つのセンサー手段も包含している。該センサー手段は、特にホルダー枠の、該ガイドトラックが設けられている片側、或いは、末端に対応している片側に、ホルダー枠にセンサー手段を配置する場合、センサー手段をホルダー枠のガイドトラック内にガイドするための、並びに、ホルダー枠内において、望まれるエンド・ポジションに達した際に、センサー手段を固定する役割を果たす支持エレメントを備えるように構成されている。
【0020】
本発明に係るセンサー配置のある好ましい実施形態においては、該センサー手段は、ガイドトラックの向かい側、或いは、ホルダー枠の末端に対応する側、乃至、これに向いている側に、特に、該配置において、センサー手段を、ホルダー枠内において、主に、ガイドトラックのガイド方向に向かって、該センサー手段に作用する機械的な力を発生させるための手段を備えるように構成されている。該手段は更に、例えば、ホルダー枠内においてセンサー手段がエンド・ポジションに達した時に、カチッと嵌ることによりセンサー手段を固定できるように構成されていることもできる。
【0021】
本発明に係るセンサー配置の特別な実施形態では、センサー手段は、特にその視線方向、或いは、捕捉方向が、ホルダー枠を貫通する車載カメラである。
【0022】
センサー配置の有利な実施形態では、センサー手段に形成されている支持エレメントは、シリンダー状のピンである。該シリンダー状のピンには、それぞれ、特に、センサー手段をホルダー枠のガイドトラックへガイドする際の公差補正用の、少なくとも一つのシェーブ・ノーズを備えるように構成されていることができる。該シェーブ・ノーズは、この際、支持エレメント上に、該シェーブ・ノーズが、支持エレメントのガイドトラック内への配置、乃至、ガイドの際に、例えば、センサー手段とガラスの間隔が一定となるように車両ガラスに向けられているように、形成されていることが好ましい。該支持エレメントは、シリンダー状である必要は無く、他の形状を有していてもよいが、支持エレメントは、ガイド枠のガイドトラックの大きさや構成に合う形状に構成されていることが好ましい。
【0023】
本発明に係るホルダー枠、並びに、本発明に係るセンサー配置の更なる長所やオプション的実施形態は、以下の、明細書内の説明、及び、図によって開示される。実施例を図に簡略的に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3a】本発明に係るホルダー枠の機能原理の描写。
【
図3b】本発明に係るホルダー枠の機能原理の描写。
【
図5a】本発明に係るホルダー枠、乃至、本発明に係るセンサー配置の詳細図。
【
図5b】本発明に係るホルダー枠、乃至、本発明に係るセンサー配置の詳細図。
【
図5c】本発明に係るホルダー枠、乃至、本発明に係るセンサー配置の詳細図。
【
図5d】本発明に係るホルダー枠、乃至、本発明に係るセンサー配置の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本発明に係るホルダー枠1の一例が、示されている。該ホルダー枠1は、一般的には、四辺で枠プロファイルを形成する側辺を有する長方形の形状を有しているが、各々二つの枠の辺は、互いに平行に向か合っている。ホルダー枠1の、後方側3、乃至、後ろの末端と向かい合っている前方の末端、乃至、前方側2には、二つのガイドトラック4が、形成されている。ガイドトラック4は、本発明のホルダー枠1に配置することのできるセンサー手段8に設けられた支持エレメント10を収容する役割を果たす。ホルダー枠のガイドトラック4の向かい側3には、センサー手段8に、特に、ホルダー枠1へのセンサー手段8の配置の際に、本発明では、これによりセンサー手段8に形成されることができる支持エレメント10のガイドが、ガイドトラック4内に強制的に収められる力Fを発生させるための手段も形成されている。尚、該手段とは、このケースでは、ガイドスロープ7である。
【0026】
図2aと2bは、それぞれ、本発明に係るホルダー枠1の更なる一例を異なる視点から示している。ホルダー枠1は、ホルダー枠1の前側2に形成されているガイドトラック4を包含している。ホルダー枠1は、更に、ホルダー枠1のガイドトラック4の向かい側3、或いは、後ろ側3に形成された手段も包含している。
【0027】
該手段とは、第一に、ホルダー枠1内にセンサー手段8をカチッと嵌ることにより固定できるように、或いは、そのポジション、特に、ガイドトラック4のガイド方向に対して鉛直方向に固定するように形成されたスプリング・エレメント5である。スプリング・エレメント5は、部分的に、そこに、対応するエレメント17、例えば、センサー手段8に設けられていることができるフラット・スプリングが、カチッと嵌る、或いは、噛み合うことができる切り欠き部5.1を有している。該スプリング・エレメント5は、更に、センサー手段8を手動で取り外すための、或いは、これによりホルダー枠1内でのセンサー手段8のスプリング・エレメント5を介した固定を可能にするロック解除エレメント6も備えている。更なる手段としては、ホルダー枠1のガイドトラック4の向かい側3に、傾斜のあるガイドトラック7と、ホルダー枠1に配置した際にセンサー手段8に、ガイドトラック4のガイド方向にかかる力Fを発生させ、センサー手段8のガイド、乃至、ガイドトラック4の支持エレメント10に作用するリジッドなガイド・エレメント11が配置されている。リジッドなガイド・エレメント11は、特に、横方向のガイド、乃至、ホルダー枠1への配置の際にセンサー手段8の横方向のセンタリングに役割を担う。
【0028】
図3は、本発明に係るホルダー枠1の原理説明図、特に、ホルダー枠1内におけるセンサー手段8の配置の際の機能原理を描写している。
図3によれば、ホルダー枠1は、例えば、車両のフロントガラスなど、車両ガラス9に設けられる。ホルダー枠1の前側2は、本発明では、ガイドトラック4として構成されている。ホルダー枠1の向かい側3のガイドトラック4には、特に、ホルダー枠内にセンサー手段8を配置する際に、センサー手段8の支持エレメント10を、ガイドトラック4内へとガイドするための力Fを強要する手段7が設けられている。即ち、センサー手段8の配置は、該手段7を介して、支持エレメント10のガイドトラック4内へのガイド対して、ガイドトラック4のガイド方向へセンサー手段8が、車両ガラス9へ近づくように導かれるように、作用する。ガイドトラック4は、
図3の例では、S字状のプロファイルを有するように構成されており、センサー手段8の、乃至、その支持エレメント10のエンド・ポジションに対応する領域13では、車両ガラス9に対して平行な向きを有している。ここでは、センサー手段8に形成されている支持エレメント10は、シリンダー状のピンとして表されている。エンド・ポジション13においてガイドトラック4が平行であり、センサー手段8の支持エレメント10が、シリンダー状に形成されていることにより、非常に簡単、且つ、比較的力を必要としないセンサー手段8のホルダー枠1内での固定が達成される。ホルダー枠1のガイドトラック4の向かい側3に形成されている手段7は、ここでは、ガイドトラック4内において支持エレメント10をガイドするためには、僅かな力Fのみしか発生させる必要はない。ホルダー枠1のガイドトラック4の向かい側3にある付加的な、カチッと嵌る、或いは、噛み合う機構を備えた手段5を介して、ホルダー枠1からセンサー手段8が落ちないように固定するだけで良いことから、有利なことに比較的僅かな力で可能な、長時間安定したセンサー手段8の位置決めが達成される。これによりセンサー手段をセットする、乃至、固定する時、例えば、流れる、センサー手段が外れるなど、不利な現象は、おこらない。
【0029】
図4aからdは、本発明に係るセンサー配置14の一例をそれぞれ異なる視点から示している。該センサー配置14は、例えば、車両の内部空間の車両ガラス9の後ろに配置されることができ、ホルダー枠1とセンサー手段8を包含している。ここで言うセンサー手段8とは、車載カメラ15とLIDARセンサー16(
Light
Detection
And
Ranging)の組み合わせである。該センサー手段8は、ホルダー枠1のガイドトラック4内に配置される支持エレメント10を包含している。該ホルダー枠1は、ここでは、
図2aと2bに示す本発明に係るホルダー枠1である。ホルダー枠1のガイドトラック4は、ホルダー枠1内においてセンサー手段8が、該ガイドトラック4内の支持エレメント10によって定義されたトラックを通り、車両ガラス9へ接近するように導かれることができるように構成されている。センサー配置14は、図示されている実施例では、ガイドトラック4の向かい側3に、このケースでは、センサー手段8のストッパ部17とホルダー枠1スプリング・エレメント5の切り欠き部5.1から構成され、支持エレメント10が、ガイドトラック4内のエンド・ポジションに達し、特に、センサー手段8の後ろをホルダー枠1に押し込むことによって互いにカチッと嵌る、或いは、噛み合うロック機構を備えている。
【0030】
図5aから5dは、本発明に係るホルダー枠1、乃至、本発明に係るセンサー配置14の様々なエレメントを図示している。
図5aと5bは、それぞれ、本発明に係るホルダー枠1の前方部分2の詳細図であり、ガイドトラック4の好ましい実施形態を示している。
図5cは、本発明に係るホルダー枠1内のガイドトラック4内にあるセンサー手段8の支持エレメント10を示している。
図5dは、センサー手段8の前方領域の詳細、並びに、センサー手段8に設けられている支持エレメント10を示している。このケースでは、該支持エレメント10には、シェーブ・ノーズ12が、設けられている。該シェーブ・ノーズ12は、公差補正の役割を担い、支持エレメント10の上側に、即ち、ホルダー枠1内でのセンサー手段の配置においては車両ガラス9側にあり、該支持エレメント10が、ホルダー枠1内でのセンサー手段8の配置において、該シェーブ・ノーズ12によって下方(要するに、該車両ガラス9から離れる方向)に押され、これにより、センサー手段8から車両ガラス9への間隔が一定に維持される。
図5dのセンサー手段8には、その車両ガラス9側に柔軟性のあるエレメント18が、設けられている。例えば、スポンジ・ラバー製である該柔軟性のあるエレメント18は、ホルダー枠1内でのセンサー手段8の配置においては、ガラス9とセンサー手段8の間に直接設けられており、例えば、振動からくる音の発生を防止する、及び/或いは、LIDARセンサー16から照射された光と受信される光線を分ける役割を果たしている。
【符号の説明】
【0031】
1. ホルダー枠
2. ホルダー枠の前側、或いは、前の末端(ガイドトラックのある側)
3. ホルダー枠の後側、或いは、後の末端(ガイドトラックの向かい側)
4. ガイドトラック
5. フラット・スプリング
5. 1切り欠き部
6. ロック解除エレメント
7. ガイドスロープ
8. センサー手段
9. 車両ガラス
10.支持エレメント
11.横方向の心出し用のリジッドなガイド・エレメント
12.シェーブ・ノーズ
13.最終ポジションの領域
14.センサー配置
15.車載カメラ
16.LIDARセンサー
17.ロック機構のリミッター
18.柔軟性のあるエレメント
F フォース、主にガイドトラックのガイド方向への力
【国際調査報告】