特表2015-510533(P2015-510533A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-510533PETフォームの製造方法及びこの方法で得られるPETフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-510533(P2015-510533A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(54)【発明の名称】PETフォームの製造方法及びこの方法で得られるPETフォーム
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/14 20060101AFI20150313BHJP
   B29C 47/00 20060101ALI20150313BHJP
【FI】
   C08J9/14CFC
   C08J9/14CFD
   B29C47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-555114(P2014-555114)
(86)(22)【出願日】2013年1月14日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月1日
(86)【国際出願番号】EP2013000079
(87)【国際公開番号】WO2013113465
(87)【国際公開日】20130808
(31)【優先権主張番号】MI2012A000135
(32)【優先日】2012年2月2日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Lindoxy
(71)【出願人】
【識別番号】508361265
【氏名又は名称】ディアブ インターナショナル アクチボラゲット
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】ラウリ レオーネ
(72)【発明者】
【氏名】ブレッサン ラファエラ
(72)【発明者】
【氏名】アリペルタ ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション エヴァ−ロッタ マグダレーナ
【テーマコード(参考)】
4F074
4F207
【Fターム(参考)】
4F074AA64
4F074AA64N
4F074AA67
4F074AH02
4F074BA35
4F074BA40
4F074BB08
4F074BB23
4F074BC12
4F074CA22
4F074CB53
4F074CC04X
4F074CC05Z
4F074CC06X
4F074CC22X
4F074DA02
4F074DA03
4F074DA12
4F074DA15
4F074DA32
4F207AA24
4F207AA39
4F207AB02
4F207AB03A
4F207AE02
4F207AG20
4F207KA01
4F207KA11
4F207KF04
4F207KF12
4F207KK01
(57)【要約】
PETと、エポキシ樹脂と、イミダゾール、イミダゾールの誘導体又はこれらの混合物から成る触媒と、発泡剤との混合物の押出成形を含み、エポキシ相のホモ重合反応が、押出成形機において、発泡剤の導入の上流側で行われるPETフォームの製造方法。公知の技術の方法と比較すると、本発明の方法には安定したPETフォームが得られるという利点があり、ポリマー鎖の構造は変化しないままである。したがって、この系は粘弾特性を有し、この粘弾特性が、PET/エポキシホモポリマーが発泡剤の発泡作用をかなりの厚さも有するフォームの最内及び最深層まで受けることを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PETフォームの製造方法であって、PETと、エポキシ樹脂と、イミダゾール、イミダゾールの誘導体又はこれらの混合物から成る触媒と、発泡剤との混合物の押出成形を含み、エポキシ相のホモ重合反応が、押出成形機において、前記発泡剤の導入の上流側で行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記PETが、化学式、
【化1】
(I)
を有する、押出成形で加工できるタイプのものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒が、式、
【化2】
(II)

を有し、式中、R1、R2及びR3は芳香族又は脂肪族タイプの無機又は有機基であり、イミダゾール、イミダゾールの誘導体又はこれらの混合物から成ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒を液相で、溶融/混合工程(1)において前記PETと混合することを特徴とする、請求項1及び3に記載の方法。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂が液状であり且つ以下の式:
【化3】
(III)
を有し、式中、m及びnは整数(0、1、2、3・・・・)であり、R1、R2及びR3は有機、脂肪族若しくは芳香族基又は無機鎖を表すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂が、押出成形機内部で起きる(反応押出成形)ホモ重合過程を経る工程(3)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(3)において、エポキシホモポリマー粒子のナノ分散が連続PET塊の内部で起き、反応環境においてPET鎖の化学構造が変化しないままであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記発泡剤(5)を前記分散物に導入するための工程(6)、冷却工程(7)及び発泡工程(8)も含むことを特徴とする、請求項1〜7の一項以上に記載の方法。
【請求項9】
前記混合物が、単体又は組み合わせて
・可塑剤、
・顔料、
・難燃剤、
・フィラー、
・安定剤、
・界面活性剤、
・成核剤、
・ナノ添加剤、
も含むことを特徴とする、先行の請求項1〜7の一項以上に記載の方法。
【請求項10】
PETフォームであって、請求項1〜9の一項以上に記載の方法によって得られることを特徴とするPETフォーム。
【請求項11】
発泡材料のボディであって、請求項10に記載のフォームから成ることを特徴とする発泡材料のボディ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PETフォームを製造するための向上した方法に関する。
【0002】
本発明は、この方法で得られるPETフォーム及びこれらのフォームから得られる発泡材料のボディにも及ぶ。
【背景技術】
【0003】
本発明の分野はPET(ポリエチレンテレフタレート)フォームの製造であり、PETフォームは通常、様々なタイプのサンドイッチ構造体用の「コア材料」として適したものにするための数多くのタイプの加工を施され且つ断熱機能も備えたパネルの製造に使用される。
【0004】
発泡剤を受け止めるのに必要なコンシステンシーをPETに付与して安定した発泡フォームを得るために、無水ピロメリト酸及び他の架橋剤でPET鎖を延長することが公知である。その結果、続くこのフォームの押出成形段階中に、多かれ少なかれ重大なポリマー劣化現象が起き得て、これはいずれの場合であっても最終製品の質に関わる問題である。
【0005】
光増感性触媒で架橋されるエポキシドの存在下で熱可塑性ポリマーフォームを調製することも公知であり(米国特許第6323251号)、エポキシドの架橋反応は発泡剤注入の下流側、特には押出成形後に起きる。したがって、この公知の方法は最終製品の形成に必要なコンシステンシーを有するフォームを得るのに適していない。加えて、光増感性触媒はフォームの表面層にしか作用せず、気泡質の塊の内部でも架橋反応を起こすことができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主な目的は、公知の方法とは異なり、押出成形機の出口での安定性を特徴とするPETフォームを、PET鎖の構造を変化させることなく得るのに適した方法を提供することである。
【0007】
これら及び他の目的は、請求項1、10及び11にそれぞれ記載の本発明の方法、PETフォーム及び発泡材料によって達成される。本発明の好ましい実施形態を、残りの請求項で示す。
【0008】
公知の技術の方法と比較すると、本発明には安定したPETフォームが得られるという利点があり、ポリマー鎖の構造は変化しないままである。この系は粘弾特性も有し、この粘弾特性が、PET/エポキシホモポリマー混合物が発泡剤の発泡作用をかなりの厚さも有するフォームの最内及び最深層まで受けることを可能にする。
【0009】
これら及び他の目的、利点及び特徴は、同封の図面の図における、非限定的な実施例としての、例示した本発明の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の方法を実施するのに使用する押出成形機の略図である。
図2】イミダゾール及びその誘導体の存在下で活性化させる場合のエポキシ樹脂の発熱性ホモ重合反応を、異なる触媒を使用した又は触媒を使用していない場合と比較したものである。
図3】イミダゾール及びその誘導体の存在下で活性化させる場合のエポキシ樹脂の発熱性ホモ重合反応を、異なる触媒を使用した又は触媒を使用していない場合と比較したものである。
図4図2のように処理した試料の、エポキシ樹脂の架橋を評価するためのDSC(示差走査熱量測定)分析のグラフである。
図5】PET熱可塑性マトリックス中のエポキシホモポリマーのナノ分散の、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して得られた画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に図式化され且つ本発明の方法を実施するのに使用する押出成形機は実質的に、ホッパ2を通って供給されるPET塊10、触媒及び他の考えられ得る添加剤を溶融及び混合するための 工程1と、反応押出成形 工程3(エポキシ相のホモ重合)と、発泡剤の注入 工程6と、冷却 工程7とに分割される。
【0012】
使用するPETは、特には、以下の化学式(I)、
【化1】
(I)
を有する、押出成形による加工に適したPETである。
【0013】
次にPETに触媒を添加し、触媒は、本発明において、以下の式(II)、
【化2】
(II)
(式中、R1、R2、R3は、芳香族又は脂肪族タイプの無機又は有機基である)によって表されるイミダゾール、イミダゾールの誘導体及びこれらの混合物から成る。
【0014】
本発明の方法で使用する触媒の幾つかの非限定的な例は、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール及びこれらの混合物である。
【0015】
PETフォームの加工性、外観及び性質を改善するのに適した、本発明の方法で使用できる添加剤の中でも以下のもの(単体又は組み合わせ)を挙げることができる。
・可塑剤、
・顔料、
・難燃剤、
・フィラー、
・安定剤、
・界面活性剤、
・成核剤、
・ナノ添加剤
【0016】
本発明で使用する触媒は液相にあり、また押出成形機の 工程1において、触媒はPET塊内でしっかりと混合される。このようにして得られた混合物を次に、押出成形機のスクリュー(図示せず)から、PET塊を触媒と接触させてそれらを同じく液状のエポキシ樹脂注入物(4)と混合するための続く 工程3に送る。
【0017】
本発明のための好ましいエポキシ樹脂は、以下の式(III)、
【化3】
(III)
(式中、m及びnは整数(0、1、2、3・・・・)であり、R1、R2及びR3は脂肪族若しくは芳香族基又は無機鎖を表す)を有するものである。
【0018】
本発明の方法で使用できるエポキシ樹脂の中でも以下を挙げることができる。
・フェノール又はクレゾールからのエポキシ化ノボラッカー(ポリフェニル−グリシジルエーテル−co−ホルムアルデヒド、ポリ−o−クレシル−グリシジルエーテル−co−ホルムアルデヒド)
・モノ又はポリ−グリシジルエーテル又はエステル、脂肪族又は芳香族(ポリビスフェノールA−co−エピクロロヒドリン−グリシジル末端、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリシジルエーテルの1−4−ブタンジオール、テトラグリシジル−メチルビスベンゼンアミン、ブチルフェニル−グリシジルエーテル)
・有機又は無機エポキシ化鎖(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルジメチルシラン−グリシジルエーテル、ビス−グリシジルオキシプロピルテトラ−メチルジシロキサン)、シリコン−シリコーンをベースとした多面体グリシジルオリゴマー(POSS)(例:CAS:445379−56−6、CAS:307496−38−4)。
【0019】
本発明の方法のこの 工程においてエポキシ樹脂はホモ重合過程を経て、このホモ重合過程は押出成形機それ自体の内部で進展する(いわゆる、反応押出成形)。さらに、液状(すなわち前もって架橋されず)のエポキシ樹脂の使用により、ホモポリマー粒子のナノ分散を連続PET塊の内部で得ることができる(図5を参照のこと)。
【0020】
PET塊中にナノ分散したエポキシホモポリマーが存在する結果、PET塊には、続く発泡段階を起こすための、発泡剤の導入に必要な粘弾性が付与される。
【0021】
イミダゾール及びその誘導体のエポキシ樹脂のホモ重合反応に対する高い触媒活性は、このホモ重合反応を上記の 工程3中に完了させることも可能にし、したがって反応環境中に存在するPET鎖を巻き込むことがなく、その結果、その化学構造は変化しないままである。
【0022】
PETポリマーの分子を巻き込むことのない、本発明の方法において使用する触媒のエポキシ樹脂に対する選択的挙動は、図2図4のグラフに示される。特に、図2では、式、
【化4】
(IV)
(式中、R1=H、R2=CH3、R3=CH3)を有する1,2−ジメチルイミダゾールの選択的作用を、公知の技術の触媒、特にはトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルベンジルアミン、2−ヘプチルピペラジンが及ぼす作用又は触媒の不在下と比較している。
【0023】
DSC分析、エポキシ樹脂単体(100部)と触媒(2部)との混合物の押出成形工程の操作条件でシミュレートする図2のグラフから、本発明の触媒が発熱セクション(a)を有することを観察することができ、そのピークは、公知の技術で使用の触媒に関係した曲線の対応するセクション(b)のフラットなトレンド又は触媒の不在下での曲線のトレンドと比較して、PET分子を巻き込むことなくエポキシ相のホモ重合反応が完了すること、それによってPET分子は変化しないままであることを示す。
【0024】
今度は本発明の方法で使用できるイミダゾールファミリーに関する、図3に描かれた発熱セクションを調べると同じ結論を導きだすことができる。
【0025】
図4は、押出成形工程のシミュレーション後の、図2のように試験された試料のDSC分析を示す。グラフから、ホモ重合反応を経た唯一の試料が図4の触媒2−エチル−4−メチルイミダゾール(曲線c)に対応するものであると観察することができ、実際、99.3℃のガラス転移温度値(Tg)を有する。本発明の方法のものとは異なる触媒で処理したエポキシ樹脂の試料又は触媒なしの試料に関連した残りの曲線のフラットなトレンドは、ホモ重合反応が起きていないことを示す。
【0026】
押出成形機の 工程3では、PET塊内でナノ分散エポキシホモポリマーが形成される結果、PET塊には押出成形の 工程6における5発泡剤を導入するのに十分な粘弾性が付与され、PET塊は押出成形機の出口8での続く発泡段階に適したものとなる。この発泡段階には押出成形物9の冷却 工程7が先行し、押出成形物は発泡材料の連続的な流れから成り、その冷却工程は室温で完了する。発泡材料のボディから成る最終生成物は続いて、この押出成形品9から得られる。
【0027】
本発明の方法で使用するPETフォームの配合の幾つかの例を以下に挙げる。百分率は混合物の質量のことである。
【0028】
押出成形機
押出成形による発泡工程は、図1で図式化したようなLeistritz ZSE40MAXX−44D押出成形機を使用して、以下の温度プロファイルでもって行われた。
【表1】
【実施例】
【0029】
実施例1:触媒及びエポキシ樹脂の不在
以下の試薬をホッパ2から押出成形機に装入した。
・PET:Invista社のPolyclear 1011(IV=0.83)
・PETに分散させたタルク(PETに対して1.3〜3%)
【0030】
発泡剤を注入点(5)から加えた。
・液相のシクロヘキサン
【0031】
押出成形機内部の圧力値(混合物の粘弾性を示す)は、発泡剤を均質に分散した超臨界流体相で維持するようなものではない。したがって、押出成形機の出口でのポリマー塊は気泡に気相を閉じ込め続けるのに十分な粘弾性を有さないため、PETを発泡させようという試みは失敗した。
【0032】
実施例2:触媒の不在及びエポキシ樹脂の存在
以下の試薬をホッパ2から押出成形機に装入した。
・PET:Invista社のPolyclear 1011(IV=0.83)
・PETに分散させたタルク(PETに対して1.3〜3%)
【0033】
液相の以下のエポキシ樹脂を注入点(4)から加えた。
・ポリ−エポキシ:Lindoxy 290(液相)
【0034】
発泡剤を注入点(5)から加えた。
・液相のシクロヘキサン
【0035】
この場合でも、押出成形機内部の圧力値(混合物の粘弾性を示す)は、発泡剤を均質に分散した超臨界流体相で維持するようなものではない。したがって、押出成形機の出口で低粘弾性のポリマー塊は気泡に気相を閉じ込め続けられないため、PETを発泡させようという試みは失敗した。
【0036】
実施例3:エポキシ樹脂及び触媒ジメチルベンジルアミンの存在
以下の試薬をホッパ2から押出成形機に装入した。
・PET:Invista社のPolyclear 1011(IV=0.83)
・PETに分散させたタルク(PETに対して1.3〜3%)
・ジメチルベンジルアミン(エポキシ樹脂に対して最高2.3%の割合)
【0037】
液相の以下のエポキシ樹脂を注入点(4)から加えた。
・ポリ−エポキシ:Lindoxy 290(液相)1.3〜5%
【0038】
発泡剤を注入点(5)から加えた。
・液相のシクロヘキサン
【0039】
この場合でも、押出成形機内部の圧力値(混合物の粘弾性を示す)は、発泡剤を均質に分散した超臨界流体相で維持するようなものではない。したがって、押出成形機の出口で低粘弾性のポリマー塊は気泡に気相を閉じ込め続けられないため、PETを発泡させようという試みは失敗した。
【0040】
実施例4:エポキシ樹脂及び触媒2−エチルピペリジンの存在
以下の試薬をホッパ2から押出成形機に装入した。
・PET:Invista社のPolyclear 1011(IV=0.83)
・PETに分散させたタルク(PETに対して1.3〜3%)
・2−エチルピペリジン(エポキシ樹脂に対して最高2%の割合)
【0041】
液相の以下のエポキシ樹脂を注入点(4)から加えた。
・ポリ−エポキシ:Lindoxy 290(液相)1.3〜5%
【0042】
発泡剤を注入点(5)から加えた。
・液相のシクロヘキサン
【0043】
この場合でも、押出成形機内部の圧力値(混合物の粘弾性を示す)は、発泡剤を均質に分散した超臨界流体相で維持するようなものではない。したがって、押出成形機の出口で低粘弾性のポリマー塊は気泡に気相を閉じ込め続けられないため、PETを発泡させようという試みは失敗した。
【0044】
実施例5:エポキシ樹脂及びイミダゾールをベースとした触媒の存在
以下の試薬をホッパ2から押出成形機に装入した。
・PET:Invista社のPolyclear 1011(IV=0.83)又はM&G社のCLEARTUF P76(IV=0.74)
・PETに分散させたタルク(PETに対して1.3〜3%)
・イミダゾールをベースとした触媒(試験は、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び1,2−ジメチルイミダゾールでそれぞれ、エポキシ樹脂に対して最高2%の割合で行われた)。
【0045】
液相の以下のエポキシ樹脂を注入点(4)から加えた。
・ポリ−エポキシ:Lindoxy 290(液相、PETに対して1.3〜5%)
・モノ−又はジ−エポキシ:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(PETに対して0〜0.5%)
【0046】
発泡剤を注入点(5)から加えた。
・液相のシクロヘキサン
【0047】
押出成形機内部の圧力値(混合物の粘弾性を示す)は、発泡剤を均質に分散した超臨界流体相で維持するようなものである。したがって、適切に加えられた様々な割合のエポキシ樹脂及び触媒に関し、PETを発泡させようとする試みは、押出成形機の出口でのポリマー塊が、より小さい寸法(0.7mm未満)を有する閉じられた気泡内で気相を維持するのに十分な粘弾性であり、60〜140Kg/m3の密度を有する安定したフォームが得られたことから成功であった。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】