特表2015-510568(P2015-510568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-510568固定具及びこの固定具を用いた分解式パレットボックス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-510568(P2015-510568A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(54)【発明の名称】固定具及びこの固定具を用いた分解式パレットボックス
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/06 20060101AFI20150313BHJP
   B65D 19/12 20060101ALI20150313BHJP
   F16B 21/02 20060101ALI20150313BHJP
【FI】
   F16B5/06 A
   B65D19/12 Z
   F16B21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-552479(P2014-552479)
(86)(22)【出願日】2012年9月3日
(85)【翻訳文提出日】2014年9月12日
(86)【国際出願番号】CN2012080908
(87)【国際公開番号】WO2013107183
(87)【国際公開日】20130725
(31)【優先権主張番号】201210013762.6
(32)【優先日】2012年1月17日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】506328549
【氏名又は名称】中国国際海運集装箱(集団)股▲フェン▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】514180638
【氏名又は名称】ダリアン シーアイエムシー ロジスティクス イクイップメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DALIAN CIMC LOGISTICS EQUIPMENT CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ス ジジュン
(72)【発明者】
【氏名】ル リァン
(72)【発明者】
【氏名】ニ ジャンシェン
【テーマコード(参考)】
3E063
3J001
3J037
【Fターム(参考)】
3E063AA06
3E063BA01
3E063BB01
3E063CA03
3E063CC03
3E063CC07
3E063CD08
3E063EE03
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA02
3J001JD02
3J001KA19
3J001KB05
3J037AA08
3J037CA01
3J037JA19
(57)【要約】
本発明は、固定具及びこの固定具を用いた分解式パレットボックスを提供する。この固定具は、第1の端部が第1の被連結部材200に連結され、第2の端部の側壁に溝211が設けられた連結ピン210と、第2の被連結部材300に固定された固定座310と、開位置及び閉位置を有するように固定座に回動可能に設けられ、第1の端部の側壁に凹部321が設けられた固定ロッド320とを備える。組み立てる状態では、固定ロッドが開位置にある場合には、凹部は、連結ピンが軸方向に沿って移動可能なように、第2の被連結部材を貫通する連結ピンの第2の端部を収容することができ、固定ロッドが閉位置にある場合には、固定ロッドの第1の端部は、連結ピンが軸方向に沿って移動しないように、第2の被連結部材を貫通する連結ピンの第2の端部の溝に収容される。この固定具は、大きさが比較的小さく、連結強度が高く、被連結部材間には互いに遊びがなく、確実に連結される。また、構造が簡単であり、使用材料が少なく、加工に便利であり、操作が簡単である。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部が第1の被連結部材に連結され、第2の端部の側壁に溝が設けられた連結ピンと、
第2の被連結部材に固定された固定座と、
前記固定座に、開位置及び閉位置を有するように回動可能に設けられ、第1の端部の側壁に凹部が設けられた固定ロッドと、
を備え、
組み立てる状態において、前記固定ロッドが前記開位置にある場合には、該固定ロッドの第1の端部の前記凹部は、前記連結ピンが軸方向に沿って移動可能なように、前記第2の被連結部材を貫通する該連結ピンの第2の端部を収容することができ、該固定ロッドが前記閉位置にある場合には、該固定ロッドの第1の端部は、該連結ピンが軸方向に沿って移動しないように、前記第2の被連結部材を貫通する該連結ピンの第2の端部の前記溝に収容されることを特徴とする固定具。
【請求項2】
前記固定ロッドの第2の端部には、該固定ロッドを回動させることができるように取っ手が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記固定座には、前記固定ロッドが前記閉位置に回動した場合に前記取っ手をロックするロック部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の固定具。
【請求項4】
前記固定ロッドは、軸方向及び径方向のいずれにも移動できないように前記固定座内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固定具。
【請求項5】
前記固定座には、前記固定ロッドを囲む長い貫通孔が設けられ、該固定ロッドの第2の端部には、第1の端部が前記長い貫通孔を貫通して該固定ロッドに連結された取っ手が設けられるとともに、該取っ手の第1の端部の大きさと該長い貫通孔の幅とが整合し、それによって、該固定ロッドの軸方向における移動を制限し、該取っ手の第1の端部は、該長い貫通孔を長手方向に沿って移動することができることを特徴とする請求項4に記載の固定具。
【請求項6】
前記取っ手の第1の端部が前記長い貫通孔の一端に移動した場合、前記凹部は、前記連結ピンの第2の端部を収容可能な位置になることを特徴とする請求項5に記載の固定具。
【請求項7】
前記取っ手の第1の端部に連結する前記固定ロッドの被連結箇所には、収容孔が設けられており、該取っ手の第1の端部は、該収容孔に収容されるとともに、該収容孔内で該固定ロッドに連結されていることを特徴とする請求項5に記載の固定具。
【請求項8】
前記取っ手は、U字形であり、該取っ手の第2の端部は、前記固定座の外側で前記固定ロッドに連結されていることを特徴とする請求項5に記載の固定具。
【請求項9】
前記凹部は、開口方向が前記取っ手の存在する平面に対して垂直であることを特徴とする請求項8に記載の固定具。
【請求項10】
前記固定座には、前記固定ロッドの軸方向に沿って延びる円弧状の溝が設けられており、該固定ロッドは、第2の被連結部材と組み合わされて該固定ロッドの径方向における移動が制限されるように、該円弧状の溝に収容されるとともに該円弧状の溝と整合することを特徴とする請求項4に記載の固定具。
【請求項11】
前記連結ピンは、円柱形状であり、前記凹部は、該連結ピンと整合するように半円形状
であることを特徴とする請求項1に記載の固定具。
【請求項12】
前記固定ロッドは、円柱形状であり、前記溝は、該固定ロッドと整合するように半円形状であることを特徴とする請求項1に記載の固定具。
【請求項13】
ベースと、該ベースの1組の対辺に分解可能に連結される一対の側壁と、該ベースの別の1組の対辺に分解可能に連結される一対の端壁とを備える分解式パレットボックスであって、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の固定具を更に備えており、
前記連結ピンは、前記側壁の端面に垂直に固定され、前記固定座は、前記端壁の外側面に固定され、前記固定ロッドは、該端壁に対して平行であり、該端壁における該連結ピンに対応する位置には、該連結ピンが貫通する貫通孔が設けられており、
組み立てる状態では、該側壁と該端壁とが互いにロックされるように、該連結ピンの第2の端部は、該端壁の該貫通孔を貫通して該固定ロッドに嵌合することを特徴とする分解式パレットボックス。
【請求項14】
前記溝は、開口方向が上向きであることを特徴とする請求項13に記載の分解式パレットボックス。
【請求項15】
前記端壁における前記貫通孔の上方には、押圧板が設けられており、前記連結ピンが該貫通孔を貫通すると、前記溝と該押圧板とが形成する空間と、前記固定ロッドとが整合することを特徴とする請求項14に記載の分解式パレットボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械分野に関し、特に、固定具及びこの固定具を用いた分解式パレットボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
物流業界の発展に伴い、コンテナ運送分野では分解機能及び折畳み機能によってパレットボックスが広く利用されている。図1Aは、従来の分解式パレットボックスの模式図である。図1Aに示すように、分解式パレットボックス100は、ベース110と、一対の側壁120と、一対の端壁130とを備えており、一対の側壁120は、ベース110の1組の対辺に分解可能に設けられ、一対の端壁130は、ベース110の別の1組の対辺に分解可能に設けられている。組立て後には隣り合う側壁120と端壁130とが固定具140等によって締結するように連結されて貨物を保管及び運送する空間を形成し、空の場合には倉庫保管及び集中輸送に便利なように分解してベース上に折り畳むことができる。
【0003】
図1Bは、図1Aにおける固定具の拡大図である。図1Bに示すように、固定具は、固定座141と、固定ロッド142と、鈎部143と、取っ手144とを備える。固定座141は、側壁120に設けられており、固定座141には、固定ロッド142が移動可能かつ回動可能に設けられている。固定ロッド142には、端壁130に連結される一端に、固定ロッド142に対して垂直に連結される鈎部143が設けられている。固定ロッド142には、固定ロッド142をその延びる方向に沿って移動させるとともにその周方向に沿って回動させる取っ手144が更に設けられている。また、端壁130には、鈎部143の形状と整合する長い貫通孔131が設けられている。組立て後に、まず、側壁120に対して垂直になるまで取っ手144を持ち上げ、その後、取っ手144を移動して鈎部143が端壁130の長い貫通孔131を貫通するようにし、次に、取っ手144を下向きに90°回動して鈎部143が長い貫通孔131の側辺に引っかかるようにし、さらには、端壁130と側壁120とを連結させる。
【0004】
上記固定具は簡単な構造ではあるが、この固定具にはなお次のような改良すべき点がある。すなわち、固定具の大きさが比較的大きく、使用材料が多いこと、側壁120の厚みに制限があり、鈎部143の大きさ及び固定ロッド142の直径が比較的小さいので、剛性が低く、変形し易いこと、固定座141はカンチレバー構造を用いて固定ロッド142を支持しているので、固定座141が固定ロッド142の引張り力を受けて変形し易いこと、鈎部143が長い貫通孔131の側辺に引っかかって端壁130と側壁120とを連結させた後、長い貫通孔131の長手方向には遊びの隙間があり、一対の端壁130又は一対の側壁120のみがベース110に固定連結している場合には、固定連結されていない壁が固定連結されている壁に対して上下に移動し得るので、この分解式パレットボックスの積上げの安定性に影響してしまい、端壁又は側壁の遊びが、運送中に、中に積載された貨物に影響し得ること、また、この固定具はロックする際に、1回で1つの固定具しか操作できないので、効率が悪いことである。
【0005】
したがって、上記の課題を解決するために、固定具及びこの固定具を用いた分解式パレットボックスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
発明の概要の部分には、一連の簡略化した形式的概念を導入する。これは、発明を実施するための形態の部分において更に詳細に説明する。本発明の、発明の概要の部分は、保
護請求に係る技術的解決手段の基本的特徴及び必要な技術的特徴を限定するものではなく、さらには、保護請求に係る技術的解決手段の保護範囲を決定するものではない。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、固定具を開示する。該固定具は、第1の端部が第1の被連結部材に連結され、第2の端部の側壁に溝が設けられた連結ピンと、第2の被連結部材に固定された固定座と、前記固定座に、開位置及び閉位置を有するように回動可能に設けられ、第1の端部の側壁に凹部が設けられた固定ロッドとを備え、組み立てる状態において、前記固定ロッドが前記開位置にある場合には、該固定ロッドの第1の端部の前記凹部は、前記連結ピンが軸方向に沿って移動可能なように、前記第2の被連結部材を貫通する該連結ピンの第2の端部を収容することができ、該固定ロッドが前記閉位置にある場合には、該固定ロッドの第1の端部は、該連結ピンが軸方向に沿って移動しないように、前記第2の被連結部材を貫通する該連結ピンの第2の端部の前記溝に収容される。
【0008】
好ましくは、前記固定ロッドの第2の端部には、該固定ロッドを回動させることができるように取っ手が設けられている。
【0009】
好ましくは、前記固定座には、前記固定ロッドが前記閉位置に回動した場合に前記取っ手をロックするロック部材が設けられている。
【0010】
好ましくは、前記固定ロッドは、軸方向及び径方向のいずれにも移動できないように前記固定座内に設けられている。
【0011】
好ましくは、前記固定座には、前記固定ロッドを囲む長い貫通孔が設けられ、該固定ロッドの第2の端部には、第1の端部が前記長い貫通孔を貫通して該固定ロッドに連結された取っ手が設けられるとともに、該取っ手の第1の端部の大きさと該長い貫通孔の幅とが整合し、それによって、該固定ロッドの軸方向における移動を制限し、該取っ手の第1の端部は、該長い貫通孔を長手方向に沿って移動することができる。
【0012】
好ましくは、前記取っ手の第1の端部が前記長い貫通孔の一端に移動した場合、前記凹部は、前記連結ピンの第2の端部を収容可能な位置になる。
【0013】
好ましくは、前記取っ手の第1の端部に連結する前記固定ロッドの被連結箇所には、収容孔が設けられており、該取っ手の第1の端部は、該収容孔に収容されるとともに、該収容孔内で該固定ロッドに連結されている。
【0014】
好ましくは、前記取っ手は、U字形であり、該取っ手の第2の端部は、前記固定座の外側で前記固定ロッドに連結されている。
【0015】
好ましくは、前記凹部は、開口方向が前記取っ手の存在する平面に対して垂直である。
【0016】
好ましくは、前記固定座には、前記固定ロッドの軸方向に沿って延びる円弧状の溝が設けられており、該固定ロッドは、第2の被連結部材と組み合わされて該固定ロッドの径方向における移動が制限されるように、該円弧状の溝に収容されるとともに上記円弧状の溝と整合する。
【0017】
好ましくは、前記連結ピンは、円柱形状であり、前記凹部は、該連結ピンと整合するように半円形状である。
【0018】
好ましくは、前記固定ロッドは、円柱形状であり、前記溝は、該固定ロッドと整合するように半円形状である。
【0019】
本発明は、更に分解式パレットボックスを提供する。該分解式パレットボックスは、ベースと、該ベースの1組の対辺に分解可能に連結される一対の側壁と、該ベースの別の1組の対辺に分解可能に連結される一対の端壁とを備え、該分解式パレットボックスは、上述した固定具を更に備えており、前記連結ピンは、前記側壁の端面に垂直に固定され、前記固定座は、前記端壁の外側面に固定され、前記固定ロッドは、該端壁に対して平行であり、該端壁における該連結ピンに対応する位置には、該連結ピンが貫通する貫通孔が設けられており、組み立てる状態では、該側壁と該端壁とが互いにロックされるように、該連結ピンの第2の端部は、該端壁の該貫通孔を貫通して該固定ロッドに嵌合する。
【0020】
好ましくは、前記溝は、開口方向が上向きである。
【0021】
好ましくは、前記端壁における前記貫通孔の上方には、押圧板が設けられており、前記連結ピンが該貫通孔を貫通すると、前記溝と該押圧板とが形成する空間と、前記固定ロッドとが整合する。
【0022】
本発明に係る固定具は、大きさが比較的小さいので、従来技術に比べて、有限の空間において連結ピンと固定ロッドとを比較的大きな直径を有するようにして、さらには、連結強度を高めることができるとともに、この固定具を用いて連結される被連結部材間には互いに遊びがないので、確実に連結することができる。また、この固定具には、さらに、簡単な構造、使用材料が少ない、加工に便利である、操作が簡単で行い易い、低コスト等の利点がある。
【0023】
本発明の下記の図面は、ここでは、本発明の一部として本発明の理解に用いられる。図面において示される本発明の実施形態及びその説明は、本発明の原理の解釈に用いられる。図面は、次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】従来の分解式パレットボックスの模式図である。
図1B図1Aにおける固定具の拡大図である。
図2】本発明の一実施形態に係る連結ピン及び第1の被連結部材の模式図である。
図3A】本発明の一実施形態に係る固定座及び固定ロッド並びに第2の被連結部材の模式図である。
図3B】本発明の一実施形態に係る固定座及び固定ロッド並びに第2の被連結部材の模式図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る固定具が開状態にある場合の模式図である。
図4B】本発明の一実施形態に係る固定具がロック状態にある場合の模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る固定座の模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る、取っ手が設けられている固定ロッドの模式図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る分解式パレットボックスの模式図である。
図7B図7AにおけるA領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明では、本発明のより明確な理解に供するように、多くの具体的な細部が与えられる。しかしながら、当業者にとって容易に想到するものは、これらの1つ又は複数の細部を必要とせずに本発明を実施することができる。その他の例では、本発明と混同を生じないようにするために、本分野の既知の技術的特徴については、一部説明を行っていない。
【0026】
本発明を明確に理解するために、以下の説明では詳細な構造を提示する。しかしながら、本発明の実施は、当業者に熟知される特殊な細部を限定するものではない。本発明の好適な実施例は、以下に詳細に説明するが、本発明は、これらの詳細な説明に加えて、その他の実施形態を更に含んでもよい。
【0027】
本発明は、連結ピンと、固定座と、固定ロッドとを備える固定具を提供する。図2は、本発明の一実施形態に係る連結ピン210及び第1の被連結部材の模式図であり、図3A及び図3Bは、それぞれ、本発明の一実施形態に係る固定座310及び固定ロッド320並びに第2の被連結部材の模式図である。以下、本発明に係る固定具の各部材を図2及び図3A図3Bを参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図2に示すように、連結ピン210は、第1の端部が第1の被連結部材200に固定されている。ここで、連結ピン210は、円柱形状、角柱形状又は他のいずれの形状であってもよく、その第1の端部が第1の被連結部材200に固定されることができ、第2の端部が第2の被連結部材(図示せず)を貫通することができればよい。第2の端部が操作者及び他の部材を傷つけないように、第2の端部の端は、面取りされていてもよい。連結ピン210の第1の端部は、溶接、ボルト締め又はリベット締め等の方法によって第1の被連結部材200に固定されていてもよく、連結ピン210は、第1の被連結部材200と一体に形成されていてもよい。連結ピン210の第2の端部の側壁には、固定ロッドの一端を収容する溝211が形成されている(詳細な説明は後述する)。溝211は、円弧状の溝、矩形状の溝又はその他のいずれの形状の溝であってもよく、溝211の開口方向は、上向き、下向き、前向き、後向き又はその他の方向に設けてもよい。溝211の開口方向は、第1の被連結部材200と第2の被連結部材との位置関係と、連結ピン210と固定ロッドとの位置関係とに基づいて設ける必要がある。連結ピン210に溝211を設けるのは、固定ロッドが閉位置にある場合に固定ロッドを収容するとともに固定ロッドが連結ピン210の軸方向に沿った移動を制限するためであり、したがって、当業者は、この原理に基づいて、かつ、第1の被連結部材200と第2の被連結部材との位置関係と、連結ピン210と固定ロッドとの位置関係とに基づいて、溝211の開口方向を設けることができる。
【0029】
図3A及び図3Bに示すように、固定座310は、第2の被連結部材300に固定されるのに用いられる。固定座310は、溶接、ボルト締め又はリベット締め等の方法によって第2の被連結部材300に連結されていてもよく、固定座310は、第2の被連結部材300と一体に形成されていてもよい。固定ロッド320は、開位置及び閉位置を有するように、固定座310に回動可能に設けられている。固定座310は、固定ロッド320を支持するのに用いられるとともに、固定ロッド320が固定座310内で回動するのを許容しており、固定座310は、この機能を達成するいずれの構造を有していてもよい。本発明の好適な一実施形態に係る固定座310の構造を詳細に後述する。固定ロッド320が開位置に回動すると、連結ピンと固定ロッド320とは連結を断ち、固定ロッド320が閉位置に回動すると、連結ピンと固定ロッド320とはロックする。固定ロッド320の第1の端部の側壁には、(図3Bに示すように)凹部321が設けられており、凹部321は、円弧状の溝、矩形状の溝又はその他のいずれの形状の溝であってもよく、凹部321の開口方向は、上向き、下向き、前向き、後向き又はその他の方向に設けてもよい。同様に、凹部321の開口方向は、第1の被連結部材と第2の被連結部材300との位置関係と、連結ピンと固定ロッド320との位置関係とに基づいて設ける必要がある。固定ロッド320に凹部321を設けるのは、固定ロッド320が開位置にある場合に、連結ピンの軸方向に沿った移動を許容するように、第2の被連結部材300を貫通する連結ピンを収容するためであり、したがって、当業者は、この原理に基づいて、かつ、第1の被連結部材と第2の被連結部材300との位置関係と、連結ピンと固定ロッド320との
位置関係とに基づいて、凹部321の開口方向を設けることができる。
【0030】
組み立てる状態(すなわち、連結ピン210が第1の被連結部材200に取り付けられ、固定座310及び固定ロッド320が第2の被連結部材300に取り付けられている)において、固定ロッド320が開位置にある場合には、固定ロッド320の第1の端部に位置する凹部321は、連結ピン210が軸方向に沿って移動可能なように、(図4Aに示すように)第2の被連結部材300を貫通する連結ピン210の第2の端部を収容することができる。連結ピン210は、軸方向に沿って移動することができるので、連結ピン210は、固定ロッド320との連結を断つことができる。組み立てる状態において、固定ロッド320が閉位置にある場合には、固定ロッド320の第1の端部は、連結ピン210が軸方向に沿って移動しないように、(図4Bに示すように)第2の被連結部材300を貫通する連結ピン210の第2の端部の溝211に収容される。連結ピン210の径方向における移動が第2の被連結部材300の制限を受け、連結ピン210の軸方向における移動が、固定ロッド320の第1の端部が溝211に収容されることによって制限され、さらには、固定ロッド320と連結ピン210とがロックされる。
【0031】
例示すると、連結ピン210は円柱形状とし、固定ロッド320の凹部321は半円形状とし、凹部321と連結ピン210とが整合するようにして、組み立てる状態ではできるだけ連結ピン210を凹部321に係合させ、さらには固定具の占める空間を減らし、かつ、同様の大きさの固定ロッド320を使用することを前提として固定具の強度を高めることができるようにする。例示すると、固定ロッド320は円柱形状とし、溝211は半円形状とし、溝211と固定ロッド320とが整合するようにして、組み立てる状態において固定ロッド320は閉位置にある場合には溝211と係合することができ、さらにはロックの安定性を高めるとともに、固定具の占める空間を減らすことができる。
【0032】
好ましくは、図3Aに示すように、固定ロッド320の第2の端部には取っ手330を設けて、固定ロッド320を回動させ、さらには固定具の開閉操作を便利にすることができる。取っ手330は、例えば棒状、U字形、T字形又はL字形等のようにいずれの形状であってもよく、手で持つのに便利にすることができればよい。さらには、固定座310には、固定具が意図せずに開かないように、固定ロッド320が閉位置に回動した場合に取っ手330をロックすることができるロック部材340が設けられている。ロック部材340は、取っ手330の両側の遮蔽板に設けることで実施してもよい。遮蔽板の対向する側面に突出部材を設けて、突出部材と固定座310とが限定する空間に取っ手330を押し込むことによって取っ手330を係止してもよい。当然ながら、ロック部材340は、その他の構造で実施してもよく、固定ロッド320が閉位置に回動した場合に取っ手330をロックすることができればよい。
【0033】
本発明の好適な一実施形態によると、固定ロッド320は、軸方向及び径方向に沿って移動せず回動のみすることができるように、軸方向及び径方向のいずれにおいても移動することができないように固定座310に設けられている。図5及び図4Bを参照しながら例示すると、固定座310には、固定ロッド320を囲む長い貫通孔311が設けられており、長い貫通孔311は、固定座310において固定ロッド320の円周の一部を囲むようになっている。固定ロッド320における凹部321が設けられた第1の端部に対向する第2の端部には、取っ手330が設けられており、取っ手330の第1の端部は、長い貫通孔311を貫通して固定ロッド320に連結されている。固定ロッド320が軸方向において移動しないように、取っ手330の第1の端部の大きさと長い貫通孔311の幅とは整合するようになっている。取っ手330が固定座310において固定ロッド320を回動させることができるように、取っ手330の第1の端部は、長い貫通孔311を長手方向に沿って移動することができる。取っ手330の第1の端部は、長い貫通孔311を往復移動して、固定ロッド320を開位置と閉位置との間で回動させる。例示すると
図4Aに示すように、取っ手330の第1の端部が長い貫通孔311の最上端に移動した場合には、取っ手330は第2の被連結部材300に対して垂直であり、固定ロッド320は開位置にあるということが理解され、図4Bに示すように、取っ手330の第1の端部が長い貫通孔311の最下端に移動した場合には、取っ手330は第2の被連結部材300に対して平行であり、固定ロッド320は閉位置にあるということが理解される。取っ手330の第1の端部が長い貫通孔311の最上端から離れるだけで固定ロッド320と連結ピン210とを係合させることができることが理解される。図4Bに示す閉位置は、最も好適な閉位置の一つである。図5及び図4Bを参照しながら例示すると、固定座310には、固定ロッド320の軸方向に沿って延びる円弧状の溝312が設けられており、固定ロッド320は、第2の被連結部材300と組み合わされて固定ロッド320の径方向における移動が制限されるように、円弧状の溝312に収容されるとともに円弧状の溝312と整合するようになっている。ここで、固定座310は、固定座310に設けられた円弧状の溝312によって固定ロッド320を支持するとともに円弧状の溝312と第2の被連結部材300との間の空間に固定ロッド320を制限して、固定ロッド320が径方向に沿って移動しないようにしている。当然ながら、固定座310は、その他の方法を用いて固定ロッド320を支持してもよく、固定ロッド320を固定座310において回動のみ可能なように設けることができればよい。
【0034】
図4Aを参照すると、操作に便利なように、好ましくは、取っ手330の第1の端部が長い貫通孔311の一端に移動した場合、凹部321は、連結ピン210の第2の端部を収容可能な位置になる。このように、連結ピン210と固定ロッド320とのロックをする場合には、取っ手330をこの端に押すだけで、連結ピン210を第2の被連結部材300に貫通させるとともに凹部321に収容させることができ、その後取っ手330の回動でロック操作を完了することができる。
【0035】
固定ロッド320と取っ手330との連結には、溶接を用いてもよく、その他の方法を用いて連結してもよい。好ましくは、図6に示すように、取っ手330の第1の端部331に連結する固定ロッド320の被連結箇所には、収容孔322が設けられており、取っ手330の第1の端部331を収容孔322に挿入するとともに、収容孔322内で固定ロッド320に連結する。取っ手330の第1の端部331は、収容孔322内で固定ロッド320に接着又は溶接等をしてもよい。このような連結方法は、固定ロッド320の外部において直接に取っ手330に溶接して形成される溶接ビードと、固定座310において固定ロッドを収容する円弧状の溝312、及び長い貫通孔311との干渉を避け、さらには、固定ロッド320と固定座310との緊密な当接が保証され、連結の安定性を向上させることができる。図6及び図4A図4Bを参照しながら、取っ手330の使用の快適さを高めるために、好ましくは、取っ手330はU字形であり、取っ手330の第2の端部332は固定座310の外側で固定ロッド320に連結される。
【0036】
本発明の好適な一実施形態によると、取っ手330がU字形である場合、図6及び図4A図4Bを参照すると、凹部321の開口方向は、取っ手330の存在する平面に対して垂直である。このようにすると、取っ手330が第2の被連結部材300に対して垂直である場合には、固定ロッド320は開位置にあり、連結ピン210の軸方向に沿った移動を許容することができる。取っ手330が第2の被連結部材300に対して平行である場合には、固定ロッド320は閉位置にあり、連結ピン210が軸方向に沿って移動しないようにすることができる。第1の被連結部材200及び第2の被連結部材300は使用中長時間にわたって連結状態にある必要があるので、使用中において固定具の占める空間を少なくし、かつ、使用中において固定具が被連結部材から出っ張って壊されるのを防止するように、固定ロッド320が閉位置にある場合には、取っ手330は、第2の被連結部材300に当接させることができる。
【0037】
本発明は、分解式パレットボックスを更に提供する。図7Aに示すように、分解式パレットボックス700は、ベース710と、一対の側壁720と、一対の端壁730とを備える。一対の側壁720は、ベース710の1組の対辺に分解可能に連結され、一対の端壁730は、ベース710の別の1組の対辺に分解可能に連結される。分解式パレットボックス700は、上述した固定具を更に備えており、この固定具の形状及び構造については上記で既に詳細に説明しているので、ここでは詳述しない。図7Bに示すように、固定具の連結ピン210は、側壁720の端面、すなわち、組立て後に端壁730に接触する側壁720の側面に垂直に固定されている。固定座310は端壁730の外側面に固定され(例えば、端壁730の周囲の縦の枠に固定され)、固定ロッド320は端壁730に対して平行である。端壁730における連結ピン210に対応する位置には、連結ピン210が貫通する貫通孔731が設けられている。組み立てる状態では、連結ピン210の第2の端部は、端壁730の貫通孔731を貫通して固定ロッド320に嵌合して、側壁720と端壁730とが互いにロックされる。組立て後には隣り合う側壁720と端壁730とが固定具740等によって締結するように連結されて、貨物を保管及び運送する空間を形成し、空の場合には倉庫保管及び集中輸送に便利なように分解してベース上に折り畳むことができる。
【0038】
この分解式パレットボックス700を組み立てる際には、2つの端壁730の下枠と、2つの側壁720の下枠とをそれぞれベース710の周囲の溝に挿し込み、その後、側壁720を縦に支えて、側壁720の連結ピン210を端壁730の貫通孔731に位置合わせし、次に、固定ロッド320の凹部が貫通孔731を暴露するように固定ロッド320を回動し、最後に、端壁730を押して連結ピン210を貫通孔731と固定ロッド320の凹部とに貫通させるとともに、固定ロッド320を回動して固定具をロックする。
【0039】
好ましくは、ロックした状態では固定ロッド320が連結ピン210の上方で溝に収容されるように、連結ピン210の第2の端部の側壁に位置する溝の開口方向は、上向きである。さらに、端壁730における貫通孔731の上方には、押圧板750が設けられており、連結ピン210が貫通孔731を貫通すると、連結ピン210の溝と押圧板750とが形成する空間と、固定ロッド320とが整合する。このようにすると、固定具が力を受けた際に固定ロッド320が上方向に移動して連結ピン210の溝から抜けるのを防止することができる。
【0040】
本発明に係る固定具は、大きさが比較的小さいので、従来技術に比べて、有限の空間において連結ピンと固定ロッドとを比較的大きな直径にして、さらには、連結強度を高めることができるとともに、この固定具を用いて連結される被連結部材間には互いに遊びがないので、確実に連結させることができる。また、この固定具には、さらに、簡単な構造、使用材料が少ない、加工に便利である、操作が簡単で行い易い、低コスト等の利点がある。
【0041】
本発明は上記の実施例を通じて説明をしたが、上記の実施例は例示及び説明の目的のみに用いられるものであり、説明した実施例の範囲に本発明を限定するものではないと理解されるべきである。また、当業者は、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の教示により更に多くの変形及び変更をすることができ、これらの変形及び変更はいずれも本発明の保護請求の範囲内であると理解することができる。本発明の保護範囲は、付属の特許請求の範囲及びその均等の範囲により画定される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】