(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-511537(P2015-511537A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(54)【発明の名称】連続鋳造設備
(51)【国際特許分類】
B22D 11/108 20060101AFI20150324BHJP
【FI】
B22D11/108 B
B22D11/108 H
B22D11/108 L
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-502464(P2015-502464)
(86)(22)【出願日】2012年3月28日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】IB2012000623
(87)【国際公開番号】WO2013144667
(87)【国際公開日】20131003
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】510215651
【氏名又は名称】アルセロルミタル・インベステイガシオン・イ・デサロジヨ・エセ・エレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラント,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュバッハ,ジャン−ポール
(72)【発明者】
【氏名】ナボー,ポール
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004JA01
4E004JA04
4E004MB14
(57)【要約】
本発明は、タンディッシュ(1)から鋳型(9)への液体金属の流れのための連続鋳造設備にして、液体金属の移動の方向に対して鋳型(9)の上流に配置される垂直ダクトであり、上流から下流に耐火物リング(5)、内径Dの銅チューブ(3)、および浸漬入口ノズル(8)を備える垂直ダクトと、耐火物リング(5)の内側に配置され、傾斜上部(16)を備えるドーム(2)であり、前記上部(16)が、タンディッシュ(1)から来る液体金属を垂直ダクトの内壁に向かって偏向させるように画定されるドーム(2)とを備える連続鋳造設備であって、銅チューブ(3)の直径Dが、Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にあり、ここに、Qは、設備の公称液体金属流量であり、200kg/minと800kg/minとの間に含まれ、Dは、mmで表される直径であることを特徴とする、連続鋳造設備に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンディッシュ(1)から鋳型(9)への液体金属の流れのための連続鋳造設備にして、
液体金属の移動の方向に対して鋳型(9)の上流に配置される垂直ダクトであり、上流から下流の方へ耐火物リング(5)、内径Dの銅チューブ(3)、および浸漬入口ノズル(8)を備える垂直ダクトと、
耐火物リング(5)の内側に配置され、傾斜上部(16)を備えるドーム(2)であり、前記上部(16)が、タンディッシュ(1)から来る液体金属を垂直ダクトの内壁に向かって偏向させるように画定されるドーム(2)と
を備える連続鋳造設備であって、
銅チューブ(3)の直径Dが、Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にあり、ここに、Qは、設備の公称液体金属流量であり、200kg/minと800kg/minとの間に含まれ、Dは、mmで表される直径であることを特徴とする、連続鋳造設備。
【請求項2】
前記ドーム(2)の上部(16)の傾斜αが、30°から10°の範囲にある、請求項1に記載の連続鋳造設備。
【請求項3】
前記ドーム(2)が、ドームの上部(16)からドームの底部(17)に至るまで延在する側面(15)をさらに備え、前記側面(15)が、上部(16)との交差部において2mmに及ばない曲率半径を有する鋭いフィレット(13)を形成する、請求項1または2に記載の連続鋳造設備。
【請求項4】
前記鋭いフィレット(13)と耐火物リング(5)との間の隙間eが、10mmから25mmの範囲にある、請求項3に記載の連続鋳造設備。
【請求項5】
ドームの底部(17)と銅チューブ(3)の頂部との間の距離hが、10mmから50mmの範囲にある、請求項3または4に記載の連続鋳造設備。
【請求項6】
ドームの前記上部(16)が、前記ドーム(2)を耐火物リング(5)に取り付けるように固定部(14)を有する少なくとも1つの支持アーム(7)をさらに備え、前記固定部(14)が、10mmから60mmの範囲にある幅Cを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の連続鋳造設備。
【請求項7】
前記少なくとも1つの支持アーム(7)が、ドームの側面(15)に沿って固定部(14)から延在する追加部分(12)を備え、前記部分(12)が、支持アーム(7)の周りにかつ前記アーム(7)の下に液体金属の流れを方向付けるように設計される、請求項6に記載の連続鋳造設備。
【請求項8】
前記追加部分(12)が、収束側壁を有する、請求項7に記載の連続鋳造設備。
【請求項9】
ドーム(2)が、高アルミナでできている、請求項1から8のいずれか一項に記載の連続鋳造設備。
【請求項10】
Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にある値を有する内径Dを備える銅チューブ(3)を含む、請求項1から9に記載の設備を用いて200kg/minと800kg/minとの間に含まれる公称流量Qの液体金属の連続鋳造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続鋳造設備に関する。特に、本発明は、改良された新しい設計の、中空ジェットノズル(Hollow Jet Nozzle)と呼ばれる連続鋳造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造は、よく知られているプロセスである。これは、流れを調整することを目的とするタンディッシュに取鍋から液体金属を注ぎ、次に、このタンディッシュの後ろに、垂直往復運動を受ける水冷無底銅鋳型の上部に金属を注ぐことにある。固化半製品が、ローラによって鋳型の下部から抽出される。溶鋼が、タンディッシュと鋳型との間に配置されるノズルと呼ばれる管状のダクトを使って鋳型に導入される。
【0003】
文献欧州特許第0269180B1号明細書は、液体金属が耐火材料で作られたドーム2の頂部に注がれる「中空ジェットノズル」(参考
図1を参照されたい)と呼ばれる特定の連続鋳造設備を説明している。このドーム2の形状により、金属はその周縁に向かって流れるようになっており、流れは、ノズルまたは中間垂直管状部材の内壁に向かって偏向される。前記中間垂直管状部材は、
図1に示されるように水ジャケット4によって冷却され、かつ耐火物リング5によって上端を覆われる銅チューブ3であることができる。こうして作り出されるものは、タンディッシュ部材の下側のノズルの中央部において、その中で噴射チャネルを介して追加を行うことができる、いかなる液体金属もない容積である。1つまたはいくつかの支持アームが、ドーム2を前記耐火物リング5に取り付けるようにドーム2の上部に配置される。水冷銅チューブ3は、溶鋼から熱を抽出する熱交換器を形成する。結果として、溶鋼の過熱状態が、液相線温度の近くに、またはそれより下までも大幅に低減される。
【0004】
粉末が、耐火物ドーム2によって作り出された中空ジェットの中央に噴射され得る。この噴射技術は、文献欧州特許第0605379B1号明細書に開示されている。この粉末噴射は、金属粉末の溶融によって溶鋼の追加の冷却を作り出し、または、合金鉄などの他の金属元素の追加によって鋳造中に鋼の組成を改変すること目的にしている。文献欧州特許第2099576B1号明細書に開示されるように、粉末は、機械ねじフィーダを介して移動されることができ、耐火物ドームの支持アームのうちの1つを通して、かつ耐火物ドーム自体を通して重力によって供給される。
【0005】
本出願においては、用語、HJN設備は、粉末容器10および粉末フィーダ11を除いては、
図1に説明されるような要素を説明していると理解される。
【0006】
先に説明したHJNを用いた鋳造シーケンス中に、設備は、タンディッシュ1から鋳型9までの溶鋼の不規則な流れのため、および/または粉末の不規則な噴射のため頻繁に停止されなければならず、鋳造プロセスの不安定性を意味し、これは、HJNの目詰まり、または粉末インジェクタの出口の目詰まりを招くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0269180号明細書
【特許文献2】欧州特許第0605379号明細書
【特許文献3】欧州特許第2099576号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、規則正しい安定な鋳造プロセスを可能にする連続鋳造設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、タンディッシュから鋳型への液体金属の流れのための連続鋳造設備にして、
液体金属の移動の方向に対して鋳型の上流に配置される垂直ダクトであり、上流から下流の方へ耐火物リング、内径Dの銅チューブ、および浸漬入口ノズルを備える垂直ダクトと、
耐火物リングの内側に配置され、傾斜上部を備えるドームであり、前記上部が、タンディッシュから来る液体金属を垂直ダクトの内壁に向かって偏向させるように画定されるドームと
を備える連続鋳造設備であって、
銅チューブの直径Dが、Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にあり、ここに、Qは、設備の公称液体金属流量であり、200kg/minと800kg/minとの間に含まれ、Dは、mmで表される直径であることを特徴とする、連続鋳造設備を開示している。
【0010】
さらなる実施形態においては、単独でまたは組合わせて、本設備はまた、次の特徴を備えることができする。すなわち、
前記ドームの上部の傾斜αが、30°から10°の範囲にあり、
前記ドームは、ドームの上部からドームの底部に至るまで延在する側面をさらに備え、前記側面が、上部との交差部において2mmに及ばない曲率半径を有する鋭いフィレットを形成し、
前記鋭いフィレットと耐火物リングとの間の隙間eが、10mmから25mmの範囲にあり、
ドームの底部と銅チューブの頂部との間の距離hが、10mmから50mmの範囲にあり、
ドームの前記上部が、前記ドームを耐火物リングに取り付けるように固定部を有する少なくとも1つの支持アームをさらに備え、前記固定部が、10mmから60mmの範囲にある幅Cを有し、
前記少なくとも1つの支持アームが、ドームの側面に沿って固定部から延在する追加部分を備え、前記部分が、支持アームの周りにかつ前記アームの下に液体金属の流れを方向付けるように設計され、
前記追加部分が、収束側壁を有し、
ドームが、高アルミナでできている。
【0011】
また、本発明は、Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にある値を有する内径Dを備える銅チューブを含む、上記で説明した設備を用いて200kg/minと800kg/minとの間の範囲にある公称流量Qの液体金属の連続鋳造プロセスを開示している。
【0012】
本発明者らは、鋳造プロセスの摂動が中空ジェットノズルの不適切な設計に結び付けられることを発見した。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図を参照して、単に非限定的な実施例として与えられる次の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】先行技術による連続鋳造設備の断面図である。
【
図2】本発明の実施形態による連続鋳造の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態によるドームの上面図である。また、軸線AA−AAによるドームの断面図が表されている図である。
【
図4】本発明のもう1つの実施形態によるドームの上面図である。また、軸線AA−AAによるドームの断面図が表されている図である。
【
図5】本発明のもう1つの実施形態によるドームの断面図および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
先に説明したように、かつ
図2に見ることができるように、Hollow Jet Casting process(中空噴流鋳造プロセス)の原理は、特に、水冷銅チューブ3が溶鋼から熱を抽出するということにある。この熱抽出により、銅チューブに凝固鋼の層を生じ、この層は、スカル18と呼ばれる。次いで、溶鋼は、この凝固スカル18に沿ってノズルの内側を流れる(溶鋼の流れは、破線で表されている)。この凝固スカルは、プロセスには不可欠であるが、溶鋼の流れを妨げることになるノズルの目詰まりの危険性のため、銅チューブ3の直径Dに比べて大き過ぎてはならない。
【0016】
銅チューブによって抽出される熱を最大化し、ノズルの目詰まりの危険性を低減するために、本発明者らは、前記直径Dが連続鋳造設備の公称鋼流量に応じて選択されなければならないことを発見した。公称鋼流量と直径Dとの間の適切な比により、銅チューブに沿った溶鋼の均一で薄い層の安定な形成が確保される。本発明によれば、直径Dは、Q/3.75の最小直径とQ/1.25の最大直径(Q/3.75≦D≦Q/1.25)との間で選択されなければならず、ここに、Qは、200kg/minと800kg/minとの間にあるkg/min単位での公称鋼流量であり、Dは、mmでの直径である。たとえば、195mmの直径Dは、400kg/minの公称鋼流量として選択され得る。結果として、熱交換器によって抽出される平均熱流束は、30℃のタンディッシュの鋼過熱度について0.9MW/m
2である。
【0017】
直径Dが上に挙げた範囲を守る場合に、大幅な改善既に観察されているが、加えて、他の基準ののうちの1つまたはいくつかが、本発明による連続鋳造設備の液体流のおよび粉末噴射の規則正しさをさらに改善するために実行され得る。
【0018】
図3に示されるように、ドーム2は、中空ジェットを生じるための銅チューブの壁に向かって溶鋼を受け入れ偏向させる傾斜αの上部16と、前記中空ジェットの中央にできるだけ接近するように粉末を噴射するようにしておく底部17と、ドーム2を耐火物リングに取り付けるように設計される1つまたはいくつかの支持アーム7とを含む。
【0019】
耐火物ドーム2の傾斜αは、垂直耐火物リング5に溶鋼噴流の良好で安定な衝突を確保し、かつドーム2について溶鋼の摂動を低減するように設計される。本発明によれば、傾斜は、30°から10°、好ましくは25°から15°の範囲にあり、より好ましくは、傾斜は20°である。
【0020】
加えて、
図3に示されるように、ドーム2の上部16と底部17の側面15との接続によって形成されるフィレット13は、液体金属がドームの上部から流れる場合に直進する一直線の鋼流れを確保するように、かつそれによって耐火物リングに鋼の良好な衝突を確保するように鋭いことが好ましい。フィレット13の曲率半径は、好ましくは2mmに及ばず、より好ましくは1mmに及ばない。ドームの材料は、全鋳造シーケンス中にこのフィレットを鋭く保つように十分に強固でなければならない。ドーム2は、高アルミナ材料でできていることが好ましい。
【0021】
また、
図2に示されるように、ドーム2と垂直耐火物リング5との間の隙間eは、液体流に対して影響を及ぼす。この隙間eは、ドーム2と垂直耐火物リング5との間の鋼プラグの形成を回避するために十分大きくなければならないが、大き過ぎてはならない。この隙間が大き過ぎる場合には、溶鋼は、耐火物リング5に到達することができない。本発明によれば、ドーム2のフィレット13と垂直耐火物リング5との間の隙間eは、10mmから25mm、好ましくは13mmから20mmの範囲にあり、より好ましくは、隙間は、15mmである。
【0022】
また、
図2に示されるように、ドーム2と垂直耐火物リング5との間の隙間の出口での目詰まりの問題を回避するために、およびノズルの中央で粉末の良好な噴射を妨害することがあるドーム2の下の溶鋼の望ましくない凝固の問題を回避するために、耐火物ドーム2の底部と銅チューブ3の頂部との間の最小距離hを予測することが有利である。この距離hは、10mmから50mm、好ましくは15mmから35mmの範囲にあり、より好ましくは30mmである。
【0023】
また、ドームの支持アーム(複数可)は、ドームの下で液体流を妨害する場合があり、ドーム2の下に溶鋼の望ましくない凝固を招くことがある。この制御されない凝固は、噴射された粉末を妨げ、中空ジェットでの粉末供給を妨害する場合がある。前記支持アームの数、寸法、および形状は、これらの問題を回避するように選択されなければならない。
【0024】
支持アームの数は、タンディッシュから銅チューブへの溶鋼の良好な流れを常に確保するように、
図4に示される1つと6つ(図示せず)との間をいつでも変更することができる。好ましい形状構成は、3つのアームを備える形状構成である。この形状構成においては、液体流は、ドームによって対称に偏向され、アームへの負荷が適切に分散される。
【0025】
図3の断面図に示されるように、支持アーム7は、ドーム2の上部16に配置される。これは、この上部の中央からドーム2の外側の領域まで延在する。支持アーム7は、ドーム2の外側の領域に配置され、かつ支持アーム7を垂直ダクトの耐火物リングに取り付けるように画定される固定部14を備える。
【0026】
この固定部14は、良好な支持機能を保ちながら銅チューブの周縁に沿って鋼流れ領域を最大化するために、できるだけ小さく保たなければならない幅Cを有する。幅Cは、アームの数に応じて10mmと60mmとの間で変更することができる。たとえば、
図3のように3つのアームを備える形状構成においては、アームの幅Cは、40mmである。これらのアームは、溶鋼の対称な流れを確保するために2つのアームの間で常に等しい弧の長さSによって分離される。この場合、鋼流れ領域は、2つのアームを分離する弧の長さSの3倍に等しい。
【0027】
図3および
図4においては、支持アーム7だけが、ドーム2の上部16に延在する。この形状構成においては、鋼流れは、アーム7によって分散され、溶鋼無しの領域が、アーム7の下に形成される。アーム7の周りに、かつ
図5に示されるようにこのアームの下に溶鋼の流れ方向付けるために、支持アーム7は、ドーム2の側面15に沿って固定部14から延在する追加部分12を備えることができる。この追加部分12の形状は、アームの周りを流れる液体金属がアームの下に収束しやすいように設計される。この追加部分12は、収束側壁を有することが好ましい。この設計は、銅チューブの周縁に沿った溶鋼流れの均一性を改善し、熱交換器によって抽出される熱を最大化する。
【0028】
本発明は、鋼の連続鋳造に対して示されているが、銅などの他の金属または金属合金の鋳造に拡張され得る。
【符号の説明】
【0029】
1 タンディッシュ
2 耐火物ドーム
3 銅チューブ
4 水冷ジャケット
5 耐火物リング
6 供給チューブ
7 支持アーム
8 浸漬入口ノズル
9 鋳型
10 粉末容器
11 粉末フィーダ
12 追加部分
13 耐火物ドームのフィレット
14 支持アームの固定部
15 ドームの側面
16 ドームの上部
17 ドームの底部
18 スカル
【手続補正書】
【提出日】2013年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンディッシュ(1)から鋳型(9)への液体金属の流れのための連続鋳造設備にして、
液体金属の移動の方向に対して鋳型(9)の上流に配置される垂直ダクトであり、上流から下流の方へ耐火物リング(5)、内径Dの銅チューブ(3)、および浸漬入口ノズル(8)を備える垂直ダクトと、
耐火物リング(5)の内側に配置され、傾斜上部(16)を備えるドーム(2)であり、前記上部(16)が、タンディッシュ(1)から来る液体金属を垂直ダクトの内壁に向かって偏向させるように画定されるドーム(2)と
を備え、
銅チューブ(3)の直径Dが、Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にあり、ここに、Qは、設備の公称液体金属流量であり、200kg/minと800kg/minとの間に含まれ、Dは、mmで表される、連続鋳造設備であって、
前記ドーム(2)の上部(16)の傾斜αが、25°から15°の範囲にあることを特徴とする、連続鋳造設備。
【請求項2】
前記ドーム(2)が、ドームの上部(16)からドームの底部(17)に至るまで延在する側面(15)をさらに備え、前記側面(15)が、上部(16)との交差部において2mmに及ばない曲率半径を有する鋭いフィレット(13)を形成する、請求項1に記載の連続鋳造設備。
【請求項3】
前記鋭いフィレット(13)と耐火物リング(5)との間の隙間eが、10mmから25mmの範囲にある、請求項2に記載の連続鋳造設備。
【請求項4】
ドームの底部(17)と銅チューブ(3)の頂部との間の距離hが、10mmから50mmの範囲にある、請求項2または3に記載の連続鋳造設備。
【請求項5】
ドームの前記上部(16)が、前記ドーム(2)を耐火物リング(5)に取り付けるように固定部(14)を有する少なくとも1つの支持アーム(7)をさらに備え、前記固定部(14)が、10mmから60mmの範囲にある幅Cを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の連続鋳造設備。
【請求項6】
前記少なくとも1つの支持アーム(7)が、ドームの側面(15)に沿って固定部(14)から延在する追加部分(12)を備え、前記部分(12)が、支持アーム(7)の周りにかつ前記アーム(7)の下に液体金属の流れを方向付けるように設計される、請求項5に記載の連続鋳造設備。
【請求項7】
前記追加部分(12)が、収束側壁を有する、請求項6に記載の連続鋳造設備。
【請求項8】
ドーム(2)が、高アルミナでできている、請求項1から7のいずれか一項に記載の連続鋳造設備。
【請求項9】
Q/3.75に等しい最小直径とQ/1.25に等しい最大直径との間の範囲にある値を有する内径Dを備える銅チューブ(3)を含む、請求項1から8に記載の設備を用いて200kg/minと800kg/minとの間に含まれる公称流量Qの液体金属の連続鋳造プロセス。
【国際調査報告】