(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512116(P2015-512116A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(54)【発明の名称】制御機器ケーシングの製造のための方法及びこの方法により製造された制御機器ケーシング
(51)【国際特許分類】
H01R 13/405 20060101AFI20150327BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20150327BHJP
【FI】
H01R13/405
B60R16/02 610A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-553621(P2014-553621)
(86)(22)【出願日】2012年11月28日
(85)【翻訳文提出日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】EP2012004892
(87)【国際公開番号】WO2013110301
(87)【国際公開日】20130801
(31)【優先権主張番号】102012001478.3
(32)【優先日】2012年1月26日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】596055475
【氏名又は名称】ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100062317
【弁理士】
【氏名又は名称】中平 治
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ボーリク・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ブラマー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ピアセツキ・ジルヴェステル
(72)【発明者】
【氏名】シュチェルバ・ドミニク
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF03
5E087GG01
5E087JJ01
5E087MM08
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】
一方ではコネクタピンの容易な取付及び回路基板のコネクタピンとの容易なプレスばめ結合を可能とし、他方では第2のアクセス開口部及びこれに伴う第2のカバーがシール要素と共に不要となるような、制御機器ケーシングの製造のための方法及びこの方法により製造された制御機器ケーシングを提案すること。
【解決手段】
当該制御機器ケーシング内部に配置されたコネクタピン18,20を備えた制御機器ケーシングの製造のための方法において、制御機器ケーシングが回路基板34のはめ込みのためのアクセス開口部を備えて形成され、コネクタピン18,20が、制御機器ケーシングの側壁部10の範囲に配置されたコネクタピン18,20として、該コネクタピンの第1の接触端部22,24がアクセス開口部へ向けて配向されるとともにコネクタピンの第2の接触端部26,28が側壁部10を貫通して外方へ突出するよう形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該制御機器ケーシング内部に配置された複数のコネクタピン(18,20)を備えた制御機器ケーシング(2)の製造のための方法であって、前記コネクタピンが、それぞれ、前記制御機器ケーシング(2)へはめ込まれる回路基板(34)とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部(22,24)と、電気コネクタ又はこれに類するものの接続のための、前記制御機器ケーシング(2)から外方へ向いた第2の接触端部(26,28)とを備えている、前記方法において、
前記制御機器ケーシング(2)が、片側が開放されつつ前記回路基板(34)のはめ込みのためのアクセス開口部(14)を備えたコネクタおけ部として形成されること、及び前記コネクタピン(18,20)が、本質的に直角に曲げられ、かつ、前記制御機器ケーシング(2)の1つの側壁部(10)の範囲に配置されたコネクタピン(18,20)として、該コネクタピンの前記第1の接触端部(22,24)が前記アクセス開口部(14)へ向けて配向されるとともに前記コネクタピンの前記第2の接触端部(26,28)が前記側壁部(10)を貫通して外方へ突出するよう形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記制御機器ケーシング(2)が合成樹脂で製造されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記コネクタピン(18,20)が、合成樹脂を用いたインサート成形によって前記制御機器ケーシング(2)に結合されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
複数の前記コネクタピン(18,20)が1つの共通のコネクタピン支持部材(30)内に配置されること、及び前記コネクタピン支持部材(30)及び前記コネクタピン(18,20)で形成されたアセンブリが全体として合成樹脂を用いたインサート成形によって前記制御機器ケーシング(2)に結合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記コネクタピン(18,20)が、取付過程を通して前記コネクタピン支持部材(30)に結合されることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記コネクタピン(18,20)及び前記コネクタピン支持部材(30)が、合成樹脂−射出成形過程を通して互いに結合されることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記コネクタピン(18,20)の前記第2の接触端部(26,28)を包囲しつつ外方へ開放したコネクタケーシング(32)が、前記制御機器ケーシング(2)の1つの前記側壁部(10)へ射出成形されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記コネクタピン(18,20)と前記制御機器ケーシング(2)の間の結合又は前記コネクタピン(18,20)と前記コネクタピン支持部材(30)の間の結合及び前記コネクタピン支持部材(30)と前記制御機器ケーシング(2)の間の結合が、該制御機器ケーシング(2)を内部に対してシールしつつなされることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
当該制御機器ケーシング内部に配置された複数のコネクタピン(18,20)を備えた制御機器ケーシング(2)であって、前記コネクタピンが、それぞれ、前記制御機器ケーシング(2)へはめ込まれる回路基板(34)とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部(22,24)と、電気コネクタの接続のための、前記制御機器ケーシング(2)から外方へ向いた第2の接触端部(26,28)とを備えている、前記制御機器ケーシングにおいて、
当該制御機器ケーシング(2)が、片側が開放されつつ前記回路基板(34)のはめ込みのためのアクセス開口部(14)を備えたコネクタおけ部として形成されること、及び前記コネクタピン(18,20)が、本質的に直角に曲げられ、かつ、前記制御機器ケーシング(2)の1つの側壁部(10)の範囲に配置されたコネクタピンとして、該コネクタピンの前記第1の接触端部(22,24)が前記アクセス開口部(14)へ向けて配向されるとともに前記コネクタピンの前記第2の接触端部(26,28)が前記側壁部(10)を貫通して外方へ突出するよう形成されていることを特徴とする制御機器ケーシング。
【請求項10】
前記制御機器ケーシング(2)が合成樹脂で製造されていることを特徴とする請求項9記載の制御機器ケーシング。
【請求項11】
複数の前記コネクタピン(18,20)が1つの共通のコネクタピン支持部材(30)内に配置されていること、及び前記コネクタピン支持部材(30)及び前記コネクタピン(18,20)で形成されたアセンブリが全体として合成樹脂を用いたインサート成形によって前記制御機器ケーシング(2)に結合されていることを特徴とする請求項10記載の制御機器ケーシング。
【請求項12】
前記コネクタピン(18,20)及び前記コネクタピン支持部材(30)が合成樹脂を用いたインサート成形によって互いに結合されていることを特徴とする請求項11記載の制御機器ケーシング。
【請求項13】
前記コネクタピン(18,20)の前記第2の接触端部(26,28)を包囲する、外方へ開放したコネクタケーシング(32)が当該制御機器ケーシング(2)の1つの側壁部(10)に配置されていることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の制御機器ケーシング。
【請求項14】
前記コネクタピン(18,20)と前記制御機器ケーシング(2)の間の結合又は前記コネクタピン(18,20)と前記コネクタピン支持部材(30)の間の結合及び前記コネクタピン支持部材(30)と前記制御機器ケーシング(2)の間の結合が、空気、水又は油のような媒体が外部から当該制御機器ケーシング(2)へ浸入し得ないようにシールして形成されていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の制御機器ケーシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当該制御機器ケーシング内部に配置された複数のコネクタピンを備えた制御機器ケーシングの製造のための方法であって、前記コネクタピンが、それぞれ、前記制御機器ケーシングへはめ込まれる回路基板とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部と、電気コネクタ又はこれに類するものの接続のための、前記制御機器ケーシングから外方へ向いた第2の接触端部とを備えている、前記方法に関するものであるとともに、この方法により製造された制御機器ケーシングに関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
上記のような制御機器ケーシングは、この制御ケーシングが例えば車両制御部の制御構成要素を収容する特に現代の車両構造における使用において見られるものであり、車両制御部は、コネクタを介して各センサ及び制御されるべき機能要素に接続されている。電子回路を収容する回路基板の制御機器ケーシングへのはめ込み後、制御部を不都合な環境条件から保護するために、この制御機器ケーシングは、適合するカバーを用いて、及びこのカバーに割り当てて設けられたシール要素によって、媒体に対して密に閉鎖される。冒頭に記載した種類の公知の制御機器ケーシングは、例えば、当該コネクタフレーム内に形成されつつコネクタピンを収容するための複数の材料突起部を備えた、2方向へ開放したコネクタフレームを含んでいる。これら材料突起部には、貫通孔又はこれに類するものが形成されており、これには、割り当てられた貫通孔からコネクタピンの両接触端部が突出するよう直線状のコネクタピンがはめ込まれる。このとき、それぞれ1つの第1の、制御機器ケーシングへはめ込まれる制御基板とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部と、回路基板の取付後に閉鎖される制御機器ケーシングから突出し、かつ、コネクタの接続のための他の第2の接触端部とが設けられている。
【0003】
公知の制御機器ケーシングの欠点は、プレスばめ結合を用いた回路基板の取付時にコネクタピンへ作用する取付力が、コネクタピンがこれに形成されたショルダ部によって支持される、割り当てられた下側金型によって受容される必要があり、これにより、取付技術的に比較的手間がかかってしまうことにある。そのほか、上述の取付技術により、制御機器ケーシングがまずは2つのアクセス開口部を有するコネクタフレームとして形成されることが不可欠であり、この制御機器ケーシングにおいては、回路基板のはめ込みのためのアクセス開口部に対向して位置する、下側金型の配置のためのアクセス開口部が必要となる。したがって、回路基板の取付後に制御機器ケーシングを媒体に対して密に閉鎖するために、それぞれ割り当てられたシール要素を有する2つのカバーが必要となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような背景から、本発明の課題は、一方では制御機器ケーシングにおけるコネクタピンのより容易な取付及び回路基板とコネクタピンとのより容易なプレスばめ結合を可能とし、他方では第2のアクセス開口部及びこれに伴う第2のカバーが、割り当てられたシール要素と共に不要となるような、制御機器ケーシングの製造のための方法及びこの方法により製造された制御機器ケーシングを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決手段は、製造方法に対しては請求項1の特徴によりもたらされ、ケーシングに関しては請求項9の特徴によりもたらされる。本発明の好ましい形態及び発展形成は、それぞれ割り当てられた従属請求項から理解し得る。
【0006】
本発明は、本質的に直角に曲げられた、当該コネクタピンの第2の接触端部において制御機器ケーシングの側壁部を貫通して案内されたコネクタピンの使用によって、一方では回路基板のプレスばめ結合過程における取付力が下側金型なしに直接ケーシングに受容されることができ、そのため、第1のアクセス開口部に対向して配置された第2のアクセス開口部したがって第2のカバー並びに第2のシール要素がもはや不要であるという認識に基づいている。
【0007】
したがって、本発明は、まず、当該制御機器ケーシング内部に配置された複数のコネクタピンを備えた制御機器ケーシングの製造のための方法であって、前記コネクタピンが、それぞれ、前記制御機器ケーシングへはめ込まれる回路基板とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部と、電気コネクタ又はこれに類するものの接続のための、前記制御機器ケーシングから外方へ向いた第2の接触端部とを備えている、前記方法に基づいている。ここで、上記課題の解決のために、前記制御機器ケーシングが、片側が開放されつつ前記回路基板のはめ込みのためのアクセス開口部を備えたコネクタおけ部として形成され、前記コネクタピンが、本質的に直角に曲げられ、かつ、前記制御機器ケーシングの1つの側壁部の範囲に配置されたコネクタピンとして、該コネクタピンの前記第1の接触端部が前記アクセス開口部へ向けて配向されるとともに前記コネクタピンの前記第2の接触端部が前記側壁部を貫通して外方へ突出するよう形成されるように構成されている。
【0008】
上述のように、コネクタピンは、特に制御機器ケーシングの側壁部に固定されたその第2の接触端部を介して、回路基板のプレスばめ結合過程時に取付力を直接受容することが可能であり、その結果、この取付力の受容のための下側金型がもはや不要である。その結果として、第1のアクセス開口部に対向して位置する第2のアクセス開口部したがってカバー及びこのような第2のアクセス開口部の閉鎖のためのシール要素を省略することが可能である。
【0009】
好ましくは、制御機器ケーシングは合成樹脂で製造される。しかし、この制御機器ケーシングを金属で製造することも可能である。それぞれの材料選択は、外部から制御機器ケーシングへ作用する大きさに従うものである。
【0010】
本発明による製造方法の形態に対応して、前記コネクタピンが、合成樹脂を用いたインサート成形によって前記制御機器ケーシングに結合される。コネクタピンのこのインサート成形は、好ましくは制御機器ケーシングの製造時に、合成樹脂−射出成型過程中になされる。射出成形によって製造される合成樹脂製品のインサート成形は、金属コネクタピンの制御機器ケーシングへの挿入のための特に簡易な方法であるとともに、合成樹脂材料におけるこのコネクタピンの特に密接した固定を保証するものである。
【0011】
本発明の他の形態によれば、複数の前記コネクタピンが1つの共通のコネクタピン支持部材内に配置され、前記コネクタピン支持部材及び前記コネクタピンで形成されたアセンブリが全体として合成樹脂を用いたインサート成形によって前記制御機器ケーシングに結合されるようになっている。コネクタピンをアセンブリにまとめることで、コネクタピンは、後に制御機器ケーシング内に有すべき互いの正確な配置及び配向をすでに有している。そのため、制御機器ケーシングのための射出成形型における個々のコネクタピンの配置及び配向に対して、かなりの製造単純化が生じる。
【0012】
コネクタピンは、合成樹脂−射出成形過程を通して押し込むことによってコネクタピン支持部材に結合されることができる。製造技術的に簡易な別の方法によれば、前記コネクタピン及び前記コネクタピン支持部材が、合成樹脂−射出成形過程を通して結合されるようになっている。その後は、コネクタピン支持部材が、第2の射出成形過程又はスナップフィットを通して制御機器ケーシングに係合式又は嵌合式に結合される。
【0013】
第2の接触端部をカウンタコネクタに結合可能なコネクタ装置へ形成するために、本発明の別の形態によれば、実施例において後述するように、前記コネクタピンの前記第2の接触端部を包囲しつつ外方へ開放したコネクタケーシングが、前記制御機器ケーシングの1つの前記側壁部へ射出成形されるようになっている。
【0014】
前記コネクタピンと前記制御機器ケーシングの間の結合又は前記コネクタピンと前記コネクタピン支持部材の間の結合及び前記コネクタピン支持部材と前記制御機器ケーシングの間の結合が、好ましくは外部がら空気、水、油のような媒体が制御機器ケーシングへ浸入し得ないようなされる。
【0015】
したがって、上述した製造方法によって、当該制御機器ケーシング内部に配置された複数のコネクタピンを備えた制御機器ケーシングであって、前記コネクタピンが、それぞれ、前記制御機器ケーシングへはめ込まれる回路基板とのプレスばめ結合のための、ケーシング内部へ向いた第1の接触端部と、電気コネクタの接続のための、前記制御機器ケーシングから外方へ向いた第2の接触端部とを備えている、前記制御機器ケーシングが提供される。この制御機器ケーシングは、当該制御機器ケーシングが、片側が開放されつつ前記回路基板のはめ込みのためのアクセス開口部を備えたコネクタおけ部として形成されること、及び前記コネクタピンが、本質的に直角に曲げられ、かつ、前記制御機器ケーシングの1つの側壁部の範囲に配置されたコネクタピンとして、該コネクタピンの前記第1の接触端部が前記アクセス開口部へ向けて配向されるとともに前記コネクタピンの前記第2の接触端部が前記側壁部を貫通して外方へ突出するよう形成されていることを特徴としている。
【0016】
この制御機器ケーシングは、好ましくは合成樹脂から成るが、金属で製造されることも可能である。
【0017】
アクセス開口部を通して、各コネクタピンに割り当てられた収容開口部を有する回路基板がコネクタピンへ押圧され(プレスばめ結合)、このとき、コネクタピンに作用する取付力は、このコネクタピン自体、特に曲げられてコネクタ壁部に固定された第2の接触端部を介して受容される。制御機器ケーシングの閉鎖のためには、適当なシール要素を備えつつアクセス開口部に載置された唯一のカバーで十分である。
【0018】
前述したように、複数の前記コネクタピンが好ましくは1つの共通のコネクタピン支持部材内に配置されており、前記コネクタピン支持部材及び前記コネクタピンで形成されたアセンブリが全体として合成樹脂を用いたインサート成形又はスナップフィットによって前記制御機器ケーシングに結合されている。コネクタピンの第2の接触端部に割り当てられた制御機器ケーシングの側壁部には好ましくはアセンブリの第2の接触端部を包囲するコネクタケーシングが配置されており、このコネクタケーシング内では、カウンタコネクタが挿入され、この第2の接触端部と電気的に接続され得る。
【0019】
前記コネクタピンと前記制御機器ケーシングの間の結合又は前記コネクタピンと前記コネクタピン支持部材の間の結合及び前記コネクタピン支持部材と前記制御機器ケーシングの間の結合が、空気、水又は油のような媒体が外部から当該制御機器ケーシングへ浸入し得ないようにシールして形成されている。
【0020】
本発明は、実施例に基づき更に説明される。これについて、本明細書には図面が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】おけ底部から見たおけ状の制御機器ケーシングを示す図である。
【
図2】
図1における切断線II−IIに基づく断面図である。
【
図3】制御機器ケーシングの電気的な接続装置を有する
図2に基づく拡大された詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
特に
図1及び
図2に示されているように、制御機器ケーシング2は、本質的に長方形の輪郭を有しつつおけ状に形成されている。この制御機器ケーシング2は、底壁部4と、この底壁部4に結合されて互いに対向した2つの長い側壁部6,8と、底壁部4に結合されて互いに対向した2つの短い側壁部10,12とを含んでいる。
【0023】
制御機器ケーシング2は底壁部4に対向してアクセス開口部14を備えており、このアクセス開口部を通して少なくとも1つの電子回路を備えた回路基板34が、制御機器ケーシング2へはめ込まれるとともに、プレスばめ結合によって、制御機器ケーシング2に統合されたコネクタピン18,20に結合され得る。
図2にはこのような回路基板34が取り付けられた状態において示されており、この回路基板は、上述のコネクタピン18,20によって、及び底壁部4の内側に配置された相違して形成された複数の保持ピン16を介してプレスばめ結合によって制御機器ケーシング2に結合されている。
【0024】
第1の短い側壁部10の範囲には直角に曲げられた複数のコネクタピン18,20が配置されており、これらコネクタピンの第1の接触端部22,24は、制御機器ケーシング2の内部へ、及びアクセス開口部14へ向けて配向されている。また、コネクタピンの第2の接触端部26,28は、
図3に基づいて後述するように、本質的に第1の短い側壁部10を貫通して外方へ突出している。各側壁部の外側にはネジ孔23を備えた複数の結合部21が配置されており、このネジ孔には、アクセス開口部14を閉鎖する不図示のカバーの固定のために固定ネジが螺合することができるようになっている。
【0025】
図3には、
図2に基づく細部IIIが拡大して示されている。この図示においては、切断線II−IIに対応する断面に位置する2つのコネクタピン18,20が示されている。ここで、これらコネクタピン18,20が、それぞれ紙面に対して垂直に連続して配置され、それゆえ共に2列のコネクタピングループを形成するコネクタピンの列を示していることが分かる。各列には、例えば12個のコネクタピンが隣り合って配置されることが可能である。
【0026】
コネクタピン18,20は、認識可能に、それぞれ1つの制御機器ケーシング2の内部へ、及びアクセス開口部14へ向けて配向された第1の接触端部22,24と、第1の短い側壁部10を貫通して外方へ突出した第2の接触端部26,28とを有している。第1の接触端部22,24は、プレスばめ結合によって制御機器ケーシング2へはめ込まれた回路基板34に結合されている。一方、第2の接触端部26,28は雄型の電気コネクタを形成しており、この電気コネクタは、雌型の電気的なカウンタコネクタあるいは雌型の電気的なプラグに接触される。
【0027】
図3に示されているように、コネクタピン18,20は、共通のコネクタピン支持部材30に配置されており、このコネクタピン支持部材は、当該コネクタピン支持部材側でインサート成形又はスナップフィットによって制御機器ケーシング2に固結されている。コネクタピン18,20は、適宜の適合な様式で制御機器ケーシング2の射出成形前にコネクタピン支持部材30に例えば取付過程を通して、又は前置された合成樹脂射出成形過程を通して結合される。
【0028】
図3において、電気コネクタを形成するコネクタピン18,20の接触端部26,28が外方へ開口したコネクタケーシング32によって包囲されていることが分かる。このコネクタケーシングは、接触端部26,28を保護するとともに、不図示の雌型の電気的なカウンタコネクタをコネクタの製造時に機械的に案内するものである。このコネクタケーシング32は、制御機器ケーシング2の射出成形時にこの制御機器ケーシングへ成形される。
【国際調査報告】