特表2015-512146(P2015-512146A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512146(P2015-512146A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(54)【発明の名称】機械式超伝導スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01L 39/14 20060101AFI20150327BHJP
   H01F 6/00 20060101ALI20150327BHJP
【FI】
   H01L39/14 A
   H01F7/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-555142(P2014-555142)
(86)(22)【出願日】2013年1月18日
(85)【翻訳文提出日】2014年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2013050992
(87)【国際公開番号】WO2013113573
(87)【国際公開日】20130808
(31)【優先権主張番号】1201818.0
(32)【優先日】2012年2月2日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】509272285
【氏名又は名称】シーメンス ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ムハメド・ラクリミ
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・マーク・トーマス
【テーマコード(参考)】
4M114
【Fターム(参考)】
4M114AA02
4M114AA18
4M114AA30
4M114BB04
4M114CC03
4M114DB36
4M114DB39
4M114DB42
4M114DB43
4M114DB46
(57)【要約】
機械式作動超伝導スイッチは、2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(13,14;42,52)に組み込まれる各超伝導ワイヤーのそれぞれの端部とを備える。機械的な装置(24,16,18,20;60)が、物理的に互いに接触し、かつ離れるように2つのブロックのそれぞれの接触面(15)を駆動するために設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(13,14;42,52)に組み込まれた各超伝導ワイヤーのそれぞれの端部と、前記2つのブロックのそれぞれの接触面(15)を互いに物理的に接触し、かつ分離させるよう駆動するための機械的な装置(24,16,18,20;60)と、を備える機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項2】
前記超伝導ワイヤーが超伝導磁石を形成しているコイルの端部である、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項3】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための直線的な作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項4】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための回転作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ブロックが超伝導材料を用いて形成され、該超伝導材料に対応する超伝導ワイヤーが組み込まれ、前記少なくとも1つのブロックの前記超伝導材料が前記超伝導ワイヤーの前記超伝導材料の延性以上の延性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項6】
相補的な突出部および凹部がそれぞれの接触面(15)に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ブロックが、対応するブロックの材料の硬さ以上の硬さを有する超伝導材料の粒子またはビーズ(140)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項8】
前記スイッチの開閉を制御するための制御装置がさらに設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項9】
上部(16)および下部(18)筐体部品が、それぞれのブロックを保持し、かつ、高さが可変のシールされた筐体(22)を提供するためにじゃばら(20)が前記上部および下部筐体部品を接続する、請求項3に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項10】
電気絶縁体(22)が設けられ、前記筐体の一部を形成して、前記筐体の材料を通る前記ワイヤー(10,12)間の電気伝導を防ぐ、請求項9に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項11】
− 第1の前記ブロック(42)が、その中に実質的に筒状の空洞(46)を含む実質的に筒状の壁(44)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(48)が前記空洞の壁に設けられ;
− 第2の前記ブロック(52)が実質的に筒状の壁(54)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(58)が前記壁に設けられ;
− それぞれの突出部(48;58)が円周方向において重なるように、前記第2のブロックが前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し;かつ
− 前記機械的な装置が、前記第1および第2のブロックの前記筒状の壁の軸に位置合わせされた軸(62)回りに、一方のブロック(42;52)を他方に対して回転させる手段(60)を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項12】
前記第1のブロック(42)は、前記第2のブロックの突出部の数に等しい数の突出部(48)を有する、請求項11に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項13】
一方または両方の前記ブロック(42,52)の前記突出部の特定の面が電気的絶縁層によって覆われている、請求項11または請求項12に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項14】
前記突出部(48;58)が前記軸(62)と平行に通っている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項15】
前記突出部は、らせんまたは円錐のネジの相補的なネジ山面として形成されている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項16】
前記ネジ山面がセグメント化されている、請求項15に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項17】
前記ブロックの周囲に真空または不活性雰囲気が設けられている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項18】
使用時に前記ブロックの追加的な機械式作動のための振動形式の装置が設けられている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項19】
− 第1の前記ブロック(84;94)が中に空洞(86;96)を有し;
− 第2の前記ブロック(80;90)が前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し、前記空洞内で軸(82;92)回りに回転するよう構成され;かつ
− 前記機械的な装置が一方のブロック(80;90)を他方に対して前記軸回りに回転させる手段を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項20】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(102,104)内に組み込まれる各超伝導ワイヤーそれぞれの端部とを備える機械式作動超伝導スイッチであって、使用時に、前記ブロック(102,104)が互いに対して静止したままであり、かつネジ付き超伝導カラー(106)が相対的な回転によって前記2つのブロックの間を接触し、かつ離れるように駆動される、機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項21】
前記カラーが前記ブロック間の電気的接触の外に回転した場合に前記ブロック(102,104)の機械的な位置合わせが保証されるように、前記ネジ付き超伝導カラーの電気的絶縁拡張部(108)が設けられている、請求項20に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項22】
直列に電気的に接続され、かつ前記コイルを冷却するように構成されたクライオスタット内に収容された超伝導ワイヤーの複数のコイルを備える超伝導磁石構造であって、前記コイルの電気的端部からの超伝導ワイヤーが請求項1〜21のいずれか一項に記載のスイッチに接続されていることを特徴とする、超伝導磁石構造。
【請求項23】
前記スイッチの一部を形成している前記超伝導ワイヤー(10,12)が、前記コイルの端部である、請求項22に記載の超伝導磁石構造。
【請求項24】
前記スイッチが前記クライオスタット内に設けられ、かつ前記スイッチの開閉を制御するための制御装置が設けられ、かつ前記クライオスタットの外部から制御可能である、請求項22または請求項23に記載の超伝導磁石構造。
【請求項25】
前記機械式超伝導スイッチが前記磁石を冷却するために使用される同じ冷却装置によって冷却されるよう構成されている、請求項22〜24のいずれか一項に記載の超伝導磁石構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
超伝導MRI磁石は、電気的に直列に接続され、かつ極低温冷凍機を有するクライオスタット内に通常収容された超伝導ワイヤーのいくつかのコイルによって形成され、極低温冷凍機は、磁石をコイル材料の超伝導転移温度以下に冷却する。
【背景技術】
【0002】
多くの従来の設計は、極低温冷凍機によってその沸点以下に保持される例えば液体ヘリウムなどの液体寒剤槽を含む。
【0003】
しかし、より最近の設計は、例えば冷却ループ、または液体寒剤が使用されない寒剤フリー磁石と呼ばれる「ドライ」磁石を使用することによって、ヘリウムなどの寒剤の消費を低減、または削減することが模索されている。コイルの直列接続の端子間のスイッチを提供する必要がある。1つの状態(「オン」状態)において、スイッチは、コイルを通る超伝導回路を完結させるように超伝導であるべきであり、その結果電流が磁石内に持続的に流れることができる。別の状態(「オフ」状態)においては、スイッチは、抵抗となるべきであり、その目的のために磁石に接続された電源ユニットによって電流がコイルに導入される、または除去されることができる。通常、全ての超伝導スイッチは、スイッチング操作をもたらすために使用される補助超伝導コイルの製造が必要である。補助コイルは、抵抗性CuNi合金から通常作られるマトリックスを有するワイヤーで通常形成される。これにより、スイッチは、温度およびワイヤー不安定性の影響を受けやすくなる。ワイヤーおよびフィラメントの大きさは、磁束の飛びに対するスイッチの安定性において重要な役割を担い、そこでは、フィラメント間で電流を伝導するマトリックス材料における抵抗消失により、単一フィラメント内の小さいクエンチがワイヤー内の他のフィラメントに伝播する。
【0004】
従来の超伝導スイッチは、限られた開回路抵抗を有しており、したがって、磁石の通電、および遮断中に達成可能な傾斜率(ramp raet)を制限し、かつ熱を消散させる。従来のスイッチは、補助超伝導コイルに熱接触する熱ヒーターを用いて開閉される。このヒーターは、クライオスタットへの熱負荷および放熱に寄与する。例えば、ある従来設計は、約5〜50Ωの「オフ」抵抗を有する補助コイルを含む。これは、ランプアップおよびランプダウン中に電力を消散させる。スイッチのヒーター自体は、ランプアップ又はダウン中にエネルギーをさらに消散させる。このようなレベルの加熱は、典型的な4.2K極低温冷凍機の冷却力をはるかに超えている。液体寒剤槽を有するクライオスタットにおいて、所望の冷却は、液体槽にスイッチを沈めることによって提供される。
【0005】
4.2Kの冷却力は、通常は1.2Wと非常に制限されるため、ドライ磁石の駆動は、超伝導スイッチへの異なる手法を求めている。
【0006】
以下の文献は、本発明の背景に関連する技術情報を含んでいる。「Electric Characteristics of Contact Junctions Between NbTi Multifilamentary Wires」 Makoto Takayasu著,IEEE Transactions on Applied Superconductivity,Vol. 9, No. 3,1999年9月(非特許文献1)。
【0007】
Makoto Takayasu, Toshiaki Matsui, and Joseph V. Minervini 著,「Negative-Resistance Voltage-Current Characteristics of Superconductor Contact Junctions for Macro- Scale Applications」 IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol. 13, No. 2, 2003年6月(非特許文献2)。
【0008】
S. Ohtsuka, H. Ohtsubo, T. Nakamura, J. Suehiro, and M. Hara著,「Characteristics of NbTi mechanical persistent current switch and mechanism of superconducting connection at contact」 Cryogenics 38 (1998) 1441-1444(非特許文献3)。
【0009】
2002年12月19日付の特許文献1「Persistent Current switch and method for the same」。
【0010】
1995年8月29日付の特許文献2,超伝導マグネット株式会社;古河電気工業株式会社:例えばリニアモーターカーの永久電流スイッチの試験方法が、両端に接続した第3の電源によって周回電流及び同じ方向の直流電流を永久電流スイッチに流すことが含まれている。
【0011】
特許文献3,株式会社日立製作所,エネルギーを貯蔵するための永久電流超伝導装置は、超伝導ワイヤー、電流リード、および永久電流機械式スイッチを組み合わせる。1996年6月2日付の特許文献4、中部電力株式会社、株式会社日立製作所、「Superconductive energy storage device for the same」。E M Pavao 著「Critical Temperatures of Superconducting Solders」MIT,2007年6月(非特許文献4)
【0012】
特許文献5、中国科学院
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0190824号明細書
【特許文献2】特開平7−231125号公報
【特許文献3】特開平6−350148号公報
【特許文献4】米国特許第5,532,638号明細書
【特許文献5】中国特許第100595856号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Makoto Takayasu著,「Electric Characteristics of Contact Junctions Between NbTi Multifilamentary Wires」,IEEE Transactions on Applied Superconductivity,Vol. 9, No. 3,1999年9月
【非特許文献2】Makoto Takayasu, Toshiaki Matsui, およびJoseph V. Minervini 著,「Negative-Resistance Voltage-Current Characteristics of Superconductor Contact Junctions for Macro- Scale Applications」 IEEE Transactions on Applied Superconductivity, Vol. 13, No. 2, 2003年6月
【非特許文献3】S. Ohtsuka, H. Ohtsubo, T. Nakamura, J. Suehiro, and M. Hara著,「Characteristics of NbTi mechanical persistent current switch and mechanism of superconducting connection at contact」 Cryogenics 38 (1998) 1441-1444
【非特許文献4】E M Pavao 著「Critical Temperatures of Superconducting Solders」MIT,2007年6月
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって本発明は、上述の課題に対するものであり、かつ高い放熱および制限された「オフ」抵抗の課題に悩まされない超伝導磁石を使用する超伝導スイッチに設けることを目的とする。したがって、本発明は、特許請求の範囲に定義されるような装置を提供する。
【0016】
上述の、およびさらなる本発明の目的、特徴、および利点は、一例として添付の図面と共に提供されたある例の以下の説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による直線的に作動する機械式超伝導スイッチの例を示す。
図2】本発明の実施形態に有用な、接触面を有するブロックの代替のタイプを示す。
図3】本発明の実施形態に有用な、接触面を有するブロックの代替のタイプを示す。
図4】本発明の実施形態に有用な、接触面を有するブロックの代替のタイプを示す。
図5】本発明の実施形態に有用な、接触面を有するブロックの代替のタイプを示す。
図6図7のラインVI−VIに沿った部分的切断面を示す。
図7】本発明による回転作動する機械式超伝導スイッチの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によると、超伝導スイッチのために個別の補助コイルが必要ではない。その代り、スイッチは、超伝導磁石自体を形成しているコイルのワイヤー端部を用いて作られている。本発明のスイッチは、超伝導磁石自体を形成するコイルのワイヤー端部の間の電気伝導を提供するために機械的に動作するスイッチ接触を提供する。
【0019】
磁石コイルに使用される超伝導ワイヤーは、通常銅マトリックスを有し、したがって従来の超伝導スイッチに典型的なCuNiマトリックスワイヤーよりも良好な安定性を提供する。
【0020】
スイッチの開閉状態は、機械的な動作を使用するため、熱ヒーターを必要とせず、および実質的に無限大の「オフ」抵抗を有することができる。これは、任意の放熱を最小化し、かつ磁石の通電および遮断のための達成可能な傾斜率を増加させる。したがって、極低温冷凍機の冷却力は、磁石を冷却するため、かつ磁石への他の熱負荷を保証するために利用可能である。
【0021】
例において、本発明の機械式超伝導スイッチは、以下のように構成することができる。
【0022】
磁石コイルの「始点」からの引出しワイヤーは、それ自体に、または他の超伝導体に接合される。「それ自体に接合される」とは、ワイヤー内の超伝導フィラメントが露出し、ねじれ、編まれた、またはそうでなければ共に保持され、かつ接合部が別の超伝導ワイヤーで作られているが、この単一のワイヤーのみを含んでいるかのように扱われることを意味している。例示のプロセスにおいて、フィラメントは、インジウムを含んでいる。同様に、磁石コイルの「終点」からの引出しワイヤーはまた、それ自体に接合している。任意に、コイルの「始点」または「終点」および接合部の間に超伝導ワイヤーの他の部分を介在させることができる。
【0023】
各引出しワイヤーの端部は、それぞれの型に配置される。各引出しワイヤーの端部に超伝導材料のブロックを形成するために、許容できる融点を有するBiPbまたは類似の超伝導材料が型に注がれる。本発明の機械式スイッチは、これらのブロックを物理的な接点に押すことによって、かつ物理的に分離することによって作動する。2つのブロックが一緒になる場合にスイッチが閉じられ、適切な温度で磁石の持続性を達成することができる。ブロックが互いに離れる場合、スイッチは開き、したがって磁石の通電および遮断が可能となる。
【0024】
本発明の態様によると、磁石の始点および終点を形成するワイヤーは、スイッチを形成することに使用され、または少なくとも、従来の構造のワイヤーが使用される。これらのワイヤーは、安定性および性能に関して最適化され、かつそれらを非常に安定させる銅マトリックスを通常有する。本発明のスイッチは、超伝導スイッチの製造のために特別なワイヤーが必要なく、かつ証明された接合技術に依存している。
【0025】
本発明によるスイッチの操作は実証されている。例において、銅マトリックスにNbTiフィラメントをそれぞれ含むBiPbブロックを共に押すために数Nmの締め付けトルクが使用される。持続性は、1.2T以下のバックグラウンドフィールドにおいて1000Aで10−13Ωより良いことが実証された。この結果は、多くの従来の磁石装置における超伝導スイッチとして使用するのに十分以上である。指で締めるのみの締め付け力による他の試験においては、バックグラウンドフィールドが0T、300Aで、および0.8T以下50Aで10−13Ωより良い持続性が達成された。
【0026】
これは、非特許文献3によって達成された結果よりもかなり優れているように見える。0Tバックグラウンドフィールドにおいて、NbTiブロックを使用し、著者らは、10〜9Ωの抵抗で最良で20Aを達成した。1mΩの接触抵抗では、著者らは400N以上の押圧力で200Aを達成した。
【0027】
スイッチの開口を制御するために外部制御装置が要求され、それは、磁石を有するクライオスタット内に配置される。制御は、クライオスタットの外部から行使可能にする必要がある。好ましくは、制御信号をクライオスタット内に伝える従来の構造のシールされた電流リードスルーを用いる、電気的に動作する機構が使用される。あるいは、機械式、液圧式、空気式、または圧電式装置等を使用することができる。
【0028】
したがって本発明は、機械式に作動する超伝導スイッチを提供し、超伝導デバイス、特に磁石において持続回路を作るために接点が共に押される。好ましくは、スイッチされる主超伝導ワイヤーと化学的または冶金的に結合されるBiPb,NbTi,Nbなどの延性超伝導材料を用いて少なくとも1つの接点が形成される。スイッチされる超伝導ワイヤーは、それ自体NbTi,NbsSn,MgB2,または高温超伝導体などの任意の適切な材料の超伝導フィラメント含むことができる。
【0029】
接点、または少なくとも接触面は、表面状態を保つために真空内、または不活性雰囲気内に収容されることができる。真空または不活性雰囲気は、磁石の動作環境とすることができ、または個別に密閉され、好ましくは製造時点から接点を汚染から保護する。雰囲気の保護を補助するためにカーボンなどの化学ゲッターを筐体に組み込むことができる。
【0030】
添付図面を参照していくつかの特定の装置を説明する。
【0031】
図1は、接触面15を提供する超伝導材料の上部13および下部14ブロック内に超伝導ワイヤー10,12がそれぞれ組み込まれた第1例を示す。好ましくは、少なくとも1つのブロックの材料は、BiPb,NbTi,Nbなどの延性超伝導材料である。上部16および下部18筐体部品は、ブロックと、高さが可変の密封された筐体21を提供するじゃばら部20とを保持する。必要であれば、筐体材料を通じたワイヤー10,12間の電気伝導を防ぐために、筐体の一部を形成する電気絶縁体22を設けることができる。機械式作動30は、電気的に接触し、かつ再び分離するように接触面15を駆動することができる。機械式作動装置24が図式的に示されているが、スイッチの開閉を提供するために、2つの筐体部品16,18を互いに向かって、および再び分離するよう駆動する任意の適切な手段を使用することができる。例えば、ある圧力の気体を筐体21内に密封することができ、筐体自体は、別の容器内に配置され、接触面15を合わせる、または離すよう駆動するために、ある圧力より高いまたは低い圧力の気体を含むことができる。上部13および下部14ブロックを互いに位置合わせして接触させるようガイドするために、絶縁体のアライメントチューブ23を設けることができる。
【0032】
図2は、接触面15を設けた分離した超伝導材料の上部13および下部14ブロックを示す。
【0033】
図3は、超伝導材料の代替の上部131および下部141ブロックのセットを通る断面を示す。この例において、相補的な円錐台形の突出部および凹部がそれぞれの接触面15に設けられている。矢印30方向にかかる力が加えられる場合、円錐接触面の間に作用する圧力は、平面接触面の場合よりもさらに高くなり、「オン」位置でのスイッチの電気特性が向上する。
【0034】
図4は、超伝導材料の代替の上部132および下部142ブロックのセットを通る断面を示す。この例においては、相補的な部分球状の突出部および凹部がそれぞれの接触面15に設けられている。矢印30方向にかかる力が加えられる場合、部分球状接触面の間に作用する圧力は、平面接触面の場合よりもある場所においてさらに高くなり、「オン」位置でのスイッチの電気特性が向上する。相補的な凹部および突出部の他の形を適切に設けることができる。
【0035】
図5は、超伝導材料の代替の上部133および下部143ブロックのセットを通る断面を示す。この例において、比較的硬い超伝導材料の粒子またはビーズ140が少なくとも1つのブロック133に含まれる。例えば矢印30方向に作用する力によってブロック133および143が共に押される場合、これらの粒子またはビーズ140は、他のブロック143のより弾性的な材料に対して押し付けられ、対応する空洞144を作る。粒子またはビーズ140およびブロック143の間の接点に作用する非常に高い圧力は、有効な電気接点を保証する。
【0036】
図1図5に示す直線的な作動装置を用いて当業者は他の類似の構成を考案するだろう。
【0037】
図6は、回転作動が用いられる実施形態の別のタイプを示す。この実施形態において、第1超伝導ワイヤー40が超伝導材料の第1ブロック42に組み込まれる。このブロックは、比較的複雑な形であり、実質的に筒状の空洞46が内部に含まれる実質的に筒状の壁44を有する。少なくとも1つの突出部48が空洞の壁に設けられる。閉端部49を設けることができる。第2超伝導ワイヤー50が超伝導材料の第2ブロック52に組み込まれる。この第2ブロックはまた、比較的複雑な形であり、中に実質的に筒状の空洞56を有することができる、または中実な実質的に筒状の壁54を有する。少なくとも1つの突出部58が壁54に設けられる。閉端部59を設けることができる。それぞれの突出部(48,58)が円周方向において重なるように、第2ブロックは、第1ブロックの空洞内に少なくとも部分的に位置する。
【0038】
第1および第2ブロックの筒状の壁の軸に位置合わせされた軸62回りに、他方に対して一方が回転するように、一方、または他方、または両方の第1および第2ブロック42,52に作動装置60を設けることができる。好ましくは、第1ブロック42は、第2ブロックの突出部58の数に等しい数の突出部48を有する。
【0039】
この実施形態の機械式スイッチは、2つのブロックの軸62回りの相対的な回転により作動する。図示された位置において、2つのブロックは、分かれて保持されており、電気接触していない。一方または他方、または両方のブロックを互いに対して軸62回りに駆動することにより、第2ブロックの少なくとも1つの突出部58が第1ブロックの対応する突出部48に機械的かつ電気的に接触するように駆動され、スイッチが「オン」位置になる。反対の軸62回りの相対的な回転によって、突出部は、再び互いに離れ、スイッチは、「オフ状態」に入る。真空または不活性雰囲気がブロックの周囲に好ましく設けられる。ブロックは、例えば電気機械式、機械式、液圧式、空気式、または圧電式の適切な手段によって軸62回りに駆動されることができる。
【0040】
任意に、一方、または両方のブロック42,52の突出部の特定の面を電気的絶縁層で覆うことができる。したがって、反対方向に駆動された場合に2つのブロックの突出部間の任意の接触を防ぐために電気絶縁層が設けられている場合、ブロックは、スイッチを閉じるために軸62回りに一方向に最大限に駆動されることができ、かつ、スイッチを開くために反対方向に最大限に駆動されることができる。
【0041】
代替の装置において、軸62に平行な突出部48,58ではなく、らせん、または円錐ネジの相補的なネジ山面によって第1および第2ブロックの間の接触面を設けることができる。図7は、第1および第2ブロックの突出部48,58がネジ付きである実施形態のラインVI−VIに沿った断面である。これらのネジ山面は、図6を参照して説明された動作と同様に限られた回転によって開閉動作を与えるためにセグメント化されている。ネジ山は、図7に示す実施形態において、2つのブロックの間の限られた回転、および堅い嵌合を確実にするためにテーパー状とすることができる。隣接するネジ山面15は、ブロック間の電気接点を提供するために、互いに支承することができ、ブロックは、ブロックを離すために反対の相対的な方向に回転することができ、スイッチを「オフ」状態にする。
【0042】
図8に示すような別の実施形態のセットにおいて、第1ブロック80は、第2ブロック84の空洞内に形成された軸82回りに回転するよう構成されている。この実施形態においては、ブロック80および空洞86の両方は断面が楕円形である。ブロック80が軸82回りに回転することにより、ブロックおよび空洞の面15が電気的に接触することができ、かつ反対方向への回転によって離れることができる。図9に示すような他の実施形態は、同様の方法で作動する。空洞内のブロックを卵形の断面にする必要はない。図9の実施形態は、ブロックおよび空洞の両方が長方形断面を有する例を示す。断面の組み合わせが使用され、ブロックは、空洞の壁と接触し、離れる限られた範囲の回転を提供することができる。
【0043】
図10は、本発明のさらなるタイプの実施形態の例を示す。ここで、ブロック102,104は、互いに対して静止したままであり、かつネジ付き超伝導カラー106が設けられ、相対的な回転によって2つのブロックの間と接触し、かつ接触しないように駆動されることができる。好ましくは、カラーがブロックの間の電気的接触の外に回転した場合に機械的な位置合わせを保証するように、電気的絶縁拡張部108が設けられている。この実施形態は、ブロック自体が移動せず、接続超伝導部品が2つのブロックの間と接触し、かつ接触しないように動くような実施形態シリーズの1例である。この実施形態の変形例は、当業者には明らかである。
【0044】
特定の実施形態において、図3図5に関して説明された改善点を適用することができる。接触面15が図6図10に示されており、これらは、図3に関して説明された円錐台の凹部および突出部、または図4に関して説明された部分球状の凹部および突出部を設けることによって改善される。
【0045】
図5に関して説明されたように、比較的硬い超伝導材料の粒子またはビーズ140をブロック42,52の1つに含むことができる。粒子またはビーズ140および他方のブロックの間の接点に非常に高い圧力がかかることにより、有効な電気接触を確実にする。接点の変形を起こすことができるように、他のタイプの異なる硬さの材料の複合混合物を使用することができる。
【0046】
超伝導材料のブロック間の接触を向上させるために、動作中に、振動の形の追加的な機械式作動を適用することができる。
【0047】
機械式スイッチを用いた大きい誘導負荷を通る高電流のスイッチングによって生じる可能性がある高電圧損傷の問題に対応するために、損傷に対して保護するように適切なタイプのスナバに基づいた半導体を好ましく設けることができる
【0048】
各場合において、本発明の機械式超伝導スイッチは、磁石の冷却に使用される同じ冷却装置によって好ましく冷却される。あるいは、スイッチを冷却するために個別の冷却装置を設けることができる。
【0049】
ここに述べられた材料が一例としてのみ示されただけであり、適切な物理的特性を有する他の材料を使用することができることを当業者は理解するだろう。特許請求の範囲内でスイッチのための代替の機械式装置を設けることができる。
【符号の説明】
【0050】
10,12 超伝導ワイヤー
13 上部
14 下部
15 接触面
16,18 筐体部品
20 じゃばら部
21 筐体
22 電気絶縁体
23 アライメントチューブ
24 機械式作動装置
40 第1超伝導ワイヤー
42,52 ブロック
44,54 壁
46,56 空洞
48,58 突出部
49,59 閉端部
50 第2超伝導ワイヤー
60 作動装置
62 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2014年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(13,14;42,52)内に鋳込まれた各超伝導ワイヤーのそれぞれの端部と、前記2つのブロックのそれぞれの接触面(15)を互いに物理的に接触し、かつ分離させるよう駆動するための機械的な装置(24,16,18,20;60)と、を備える機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項2】
前記超伝導ワイヤーが超伝導磁石を形成しているコイルの端部である、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項3】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための直線的な作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項4】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための回転作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ブロックが鋳造法を用いて形成され、対応する超伝導ワイヤーが超伝導材料のブロック内に鋳込まれ、前記少なくとも1つのブロックの前記超伝導材料が前記超伝導ワイヤーの前記超伝導材料の延性以上の延性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項6】
相補的な突出部および凹部がそれぞれの接触面(15)に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ブロックが、対応するブロックの材料の硬さ以上の硬さを有する超伝導材料の粒子またはビーズ(140)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項8】
前記スイッチの開閉を制御するための制御装置がさらに設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項9】
上部(16)および下部(18)筐体部品が、それぞれのブロックを保持し、かつ、高さが可変のシールされた筐体(22)を提供するためにじゃばら(20)が前記上部および下部筐体部品を接続する、請求項3に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項10】
電気絶縁体(22)が設けられ、前記筐体の一部を形成して、前記筐体の材料を通る前記ワイヤー(10,12)間の電気伝導を防ぐ、請求項9に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項11】
− 第1の前記ブロック(42)が、その中に実質的に筒状の空洞(46)を含む実質的に筒状の壁(44)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(48)が前記空洞の壁に設けられ;
− 第2の前記ブロック(52)が実質的に筒状の壁(54)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(58)が前記壁に設けられ;
− それぞれの突出部(48;58)が円周方向において重なるように、前記第2のブロックが前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し;かつ
− 前記機械的な装置が、前記第1および第2のブロックの前記筒状の壁の軸に位置合わせされた軸(62)回りに、一方のブロック(42;52)を他方に対して回転させる手段(60)を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項12】
前記第1のブロック(42)は、前記第2のブロックの突出部の数に等しい数の突出部(48)を有する、請求項11に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項13】
一方または両方の前記ブロック(42,52)の前記突出部の特定の面が電気的絶縁層によって覆われている、請求項11または請求項12に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項14】
前記突出部(48;58)が前記軸(62)と平行に通っている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項15】
前記突出部は、らせんまたは円錐のネジの相補的なネジ山面として形成されている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項16】
前記ネジ山面がセグメント化されている、請求項15に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項17】
前記ブロックの周囲に真空または不活性雰囲気が設けられている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項18】
使用時に前記ブロックの追加的な機械式作動のための振動形式の装置が設けられている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項19】
− 第1の前記ブロック(84;94)が中に空洞(86;96)を有し;
− 第2の前記ブロック(80;90)が前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し、前記空洞内で軸(82;92)回りに回転するよう構成され;かつ
− 前記機械的な装置が一方のブロック(80;90)を他方に対して前記軸回りに回転させる手段を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項20】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(102,104)内に鋳込まれる各超伝導ワイヤーそれぞれの端部とを備える機械式作動超伝導スイッチであって、使用時に、前記ブロック(102,104)が互いに対して静止したままであり、かつネジ付き超伝導カラー(106)が相対的な回転によって前記2つのブロックの間を接触し、かつ離れるように駆動される、機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項21】
前記カラーが前記ブロック間の電気的接触の外に回転した場合に前記ブロック(102,104)の機械的な位置合わせが保証されるように、前記ネジ付き超伝導カラーの電気的絶縁拡張部(108)が設けられている、請求項20に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項22】
直列に電気的に接続され、かつ前記コイルを冷却するように構成されたクライオスタット内に収容された超伝導ワイヤーの複数のコイルを備える超伝導磁石構造であって、前記コイルの電気的端部からの超伝導ワイヤーが請求項1〜21のいずれか一項に記載のスイッチに接続されていることを特徴とする、超伝導磁石構造。
【請求項23】
前記スイッチの一部を形成している前記超伝導ワイヤー(10,12)が、前記コイルの端部である、請求項22に記載の超伝導磁石構造。
【請求項24】
前記スイッチが前記クライオスタット内に設けられ、かつ前記スイッチの開閉を制御するための制御装置が設けられ、かつ前記クライオスタットの外部から制御可能である、請求項22または請求項23に記載の超伝導磁石構造。
【請求項25】
前記機械式超伝導スイッチが前記磁石を冷却するために使用される同じ冷却装置によって冷却されるよう構成されている、請求項22〜24のいずれか一項に記載の超伝導磁石構造。
【手続補正書】
【提出日】2014年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(13,14;42,52)内に鋳込まれた各超伝導ワイヤーのそれぞれの端部と、前記2つのブロックのそれぞれの接触面(15)を互いに物理的に接触し、かつ分離させるよう駆動するための機械的な装置(24,16,18,20;60)と、を備える機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項2】
前記超伝導ワイヤーが超伝導磁石を形成しているコイルの端部である、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項3】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための直線的な作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項4】
前記機械的な装置が、前記2つのブロックを互いに機械的に接触させ、かつ分離させるよう駆動するための回転作動を提供する、請求項1に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記ブロックが鋳造法を用いて形成され、対応する超伝導ワイヤーが超伝導材料のブロック内に鋳込まれ、前記少なくとも1つのブロックの前記超伝導材料が前記超伝導ワイヤーの前記超伝導材料の延性以上の延性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項6】
相補的な突出部および凹部がそれぞれの接触面(15)に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ブロックが、対応するブロックの材料の硬さ以上の硬さを有する超伝導材料の粒子またはビーズ(140)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項8】
前記スイッチの開閉を制御するための制御装置がさらに設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項9】
上部(16)および下部(18)筐体部品が、それぞれのブロックを保持し、かつ、高さが可変のシールされた筐体(22)を提供するためにじゃばら(20)が前記上部および下部筐体部品を接続する、請求項3に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項10】
電気絶縁体(22)が設けられ、前記筐体の一部を形成して、前記筐体の材料を通る前記超伝導ワイヤー(10,12)間の電気伝導を防ぐ、請求項9に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項11】
− 第1の前記ブロック(42)が、その中に筒状の空洞(46)を含む筒状の壁(44)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(48)が前記空洞の壁に設けられ;
− 第2の前記ブロック(52)が筒状の壁(54)を有し、かつ少なくとも1つの突出部(58)が前記壁に設けられ;
− それぞれの突出部(48;58)が円周方向において重なるように、前記第2のブロックが前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し;かつ
− 前記機械的な装置が、前記第1および第2のブロックの前記筒状の壁の軸に位置合わせされた軸(62)回りに、一方のブロック(42;52)を他方に対して回転させる手段(60)を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項12】
前記第1のブロック(42)は、前記第2のブロックの突出部の数に等しい数の突出部(48)を有する、請求項11に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項13】
一方または両方の前記ブロック(42,52)の前記突出部の特定の面が電気的絶縁層によって覆われている、請求項11または請求項12に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項14】
前記突出部(48;58)が前記軸(62)と平行に通っている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項15】
前記突出部は、らせんまたは円錐のネジの相補的なネジ山面として形成されている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項16】
前記ネジ山面がセグメント化されている、請求項15に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項17】
前記ブロックの周囲に真空または不活性雰囲気が設けられている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項18】
使用時に前記ブロックの追加的な機械式作動のための振動形式の装置が設けられている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項19】
− 第1の前記ブロック(84;94)が中に空洞(86;96)を有し;
− 第2の前記ブロック(80;90)が前記第1のブロックの前記空洞内に少なくとも部分的に位置し、前記空洞内で軸(82;92)回りに回転するよう構成され;かつ
− 前記機械的な装置が一方のブロック(80;90)を他方に対して前記軸回りに回転させる手段を備える、
請求項4に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項20】
2つの超伝導ワイヤー(10,12)と、超伝導材料のそれぞれのブロック(102,104)内に鋳込まれる各超伝導ワイヤーそれぞれの端部とを備える機械式作動超伝導スイッチであって、使用時に、前記ブロック(102,104)が互いに対して静止したままであり、かつネジ付き超伝導カラー(106)が相対的な回転によって前記2つのブロックの間を接触し、かつ離れるように駆動される、機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項21】
前記ネジ付き超伝導カラーが前記ブロック間の電気的接触の外に回転した場合に前記ブロック(102,104)の機械的な位置合わせが保証されるように、前記ネジ付き超伝導カラーの電気的絶縁拡張部(108)が設けられている、請求項20に記載の機械式作動超伝導スイッチ。
【請求項22】
直列に電気的に接続され、かつコイルを冷却するように構成されたクライオスタット内に収容された超伝導ワイヤーの複数のコイルを備える超伝導磁石構造であって、前記コイルの電気的端部からの超伝導ワイヤーが請求項1〜21のいずれか一項に記載のスイッチに接続されていることを特徴とする、超伝導磁石構造。
【請求項23】
前記スイッチの一部を形成している前記超伝導ワイヤー(10,12)が、前記コイルの端部である、請求項22に記載の超伝導磁石構造。
【請求項24】
前記スイッチが前記クライオスタット内に設けられ、かつ前記スイッチの開閉を制御するための制御装置が設けられ、かつ前記クライオスタットの外部から制御可能である、請求項22または請求項23に記載の超伝導磁石構造。
【請求項25】
前記機械式超伝導スイッチが磁石を冷却するために使用される同じ冷却装置によって冷却されるよう構成されている、請求項22〜24のいずれか一項に記載の超伝導磁石構造。
【国際調査報告】