特表2015-512249(P2015-512249A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-512249循環から採取される身体試料中のウイルス、特に、HIVの親和性及び受容体使用の決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512249(P2015-512249A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】循環から採取される身体試料中のウイルス、特に、HIVの親和性及び受容体使用の決定方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20060101AFI20150331BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20150331BHJP
   C12N 15/00 20060101ALI20150331BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20150331BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20150331BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20150331BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
   C12Q1/68 A
   C12N15/00 A
   C12N15/00ZNA
   C12N15/00 F
   G01N33/53 M
   G01N33/543 501D
   G01N37/00 102
   G01N1/28 J
   G01N1/28 Z
   G01N1/28 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】72
(21)【出願番号】特願2015-500861(P2015-500861)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月18日
(86)【国際出願番号】EP2013055486
(87)【国際公開番号】WO2013139711
(87)【国際公開日】20130926
(31)【優先権主張番号】12305322.5
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514238157
【氏名又は名称】プレスティズィア
【氏名又は名称原語表記】PRESTIZIA
(71)【出願人】
【識別番号】595040744
【氏名又は名称】サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
(71)【出願人】
【識別番号】509211099
【氏名又は名称】ユニベルシテ・モンペリエ・2・シアンス・エ・テクニク
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE MONTPELLIER 2 SCIENCES ET TECHNIQUES
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100119079
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 佐保子
(74)【代理人】
【識別番号】100116528
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 俊男
(74)【代理人】
【識別番号】100146031
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122736
【弁理士】
【氏名又は名称】小國 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100122747
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 洋子
(74)【代理人】
【識別番号】100132540
【弁理士】
【氏名又は名称】生川 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100141357
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 音哉
(72)【発明者】
【氏名】ブランシャール,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ボンネル,ソフィー
(72)【発明者】
【氏名】クールノー,ヴァレリー
(72)【発明者】
【氏名】ルセリエ,シャルル−アンリ
(72)【発明者】
【氏名】モンロー,マージョリー
【テーマコード(参考)】
2G052
4B024
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AA30
2G052AA32
2G052AB20
2G052EB08
2G052EB09
2G052FD01
2G052GA29
4B024AA11
4B024CA09
4B024CA11
4B024CA20
4B024HA08
4B024HA12
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ10
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、ウイルスの共受容体使用、特に、HIVがCXCR4又はCCR5を共受容体として使用するかどうかを決定するための、マイクロアレイ、プライマーセット、及び方法に関する。本発明の方法及び組成物は、マイクロRNA分析に基づく。本発明を用いて、マイクロRNAを発現する任意の種又は生物(具体的には、ヒト)におけるウイルス親和性を決定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染した対象におけるウイルスの共受容体使用のインビトロ決定方法であって、対象由来の生物学的試料中の少なくとも1の循環マイクロRNAの存在又はレベルを決定すること、及び決定を、ウイルスの共受容体使用と相関させることを含む、方法。
【請求項2】
試料中で、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも1のマイクロRNAの循環レベルを決定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
試料中で、hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1267;hsa−miR−1290;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33b;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−572;hsa−miR−596;hsa−miR−625#;hsa−miR−638;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−99b#;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも1のマイクロRNAの循環レベルを決定することを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
マイクロRNAの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の循環レベルを決定して、プロファイルを得ること、及びプロファイルをウイルスによる共受容体使用に相関させることを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
生物学的試料が生物体液である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
生物学的試料が、血液、血漿、血清、唾液、又は尿である、請求項8記載の方法。
【請求項7】
感染した対象におけるウイルスの共受容体使用のインビトロ決定方法であって、対象由来の循環PBMC中の少なくとも1のマイクロRNAの存在又はレベルを決定すること、及び決定をウイルスの共受容体使用と相関させることを含む、方法。
【請求項8】
少なくとも1のマイクロRNAが、hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
循環PBMC中で、hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される少なくとも1のマイクロRNAのレベルを決定することを含む、請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
循環PBMC中で、マイクロRNAの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のレベルを決定して、プロファイルを得ること、及びプロファイルをウイルスの共受容体使用に相関させることを含む、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
対象中のHIVが、CXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかを決定するための、請求項11記載の方法。
【請求項13】
感染した対象由来の試料中で、循環miR−638のレベルを決定すること、及びレベルを参考レベルと比較することを含み、レベルの増大が、ウイルスによるCXCR4共受容体使用の指標である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
感染した対象由来の試料中で、循環マイクロRNAの以下の組み合わせ:hsa−miR−661、及びhsa−miR−638;hsa−miR−30a−5p、及びhsa−miR−638;hsa−miR−661、及びhsa−miR−30a−5p;hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−30a−5p;hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−659;又はhsa−miR−661、hsa−miR−638、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−659、hsa−miR−596、hsa−miR−1233、hsa−miR−572、及びhsa−miR−625#の1つのレベルを決定することを含む、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
感染した対象由来のPBMC試料中で、マイクロRNAの以下の組み合わせ:hsa−miR−150、及びhsa−miR−486;hsa−miR−150、hsa−miR−486、hsa−miR−522、及びhsa−miR−574−3p;hsa−miR−150、hsa−miR−486、及びhsa−miR−522;hsa−miR−150、hsa−miR−486、及びhsa−miR−574−3p;hsa−miR−126、及びhsa−miR−146b;hsa−miR−126、hsa−miR−146b、及びhsa−miR−20a;hsa−miR−126、及びhsa−miR−20a;hsa−miR−146b、及び(hsa−miR−20a、又はhsa−miR−21、又はhsa−miR−376c、又はhsa−let−7e);又はhsa−miR−126、hsa−miR−146b、hsa−miR−20a、hsa−miR−21、hsa−miR−376c、及びhsa−let−7eの1つのレベルを決定することを含む、請求項12記載の方法。
【請求項16】
マイクロRNAが、試料中で、ハイブリダイゼーション、増幅、リガンド結合、又は機能的アッセイにより検出されるか、又は決定される、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
一定分量の生物学的試料を、少なくとも1のマイクロRNAの特徴である核酸プローブ、核酸プライマー、又はリガンドと接触させること、及び一定分量中で、プローブ、プライマー、又はリガンドと核酸との間で形成された複合体の存在又は量を決定することを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
プローブ又はリガンドが、支持体上に固定化されている、請求項17記載の方法。
【請求項19】
生物学的試料が、決定に先立ち、好ましくは、希釈、又は濃縮、又はマイクロRNAの富化により、又は細胞を取り除くか、又はRNAを保護するために、処理される、請求項17又は18記載の方法。
【請求項20】
生物学的試料が、凍結され、決定に先立ち融解される、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
決定が、試料採取、処理、又は融解の48時間未満、好ましくは24時間未満に行われる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
対象がヒト対象である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
多数の核酸プローブを含むマイクロアレイであって、多数のプローブが、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも2、好ましくは、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも5の異なるマイクロRNAに特異的な異なるプローブを含む、マイクロアレイ。
【請求項24】
hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1267;hsa−miR−1290;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33b;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−572;hsa−miR−596;hsa−miR−625#;hsa−miR−638;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−99b#;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも2、好ましくは、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも5、6、7、8、9、又は10の異なるマイクロRNAに特異的な異なるプローブを含む多数の核酸プローブを含む、請求項23記載のマイクロアレイ。
【請求項25】
多数の核酸プローブを含むマイクロアレイであって、多数のプローブが、hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される少なくとも2、好ましくは、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも5の異なるマイクロRNAに特異的なプローブを含む、マイクロアレイ。
【請求項26】
hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される少なくとも2、好ましくは、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも5、6、7、8、9、又は10の異なるマイクロRNAに特異的な異なるプローブを含む多数の核酸プローブを含む、請求項25記載のマイクロアレイ。
【請求項27】
多数の核酸プライマーを含む核酸プライマーのセットであって、多数の核酸プライマーが、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも2、好ましくは、少なくとも3、より好ましくは、少なくとも5の異なるマイクロRNAを特異的に増幅するプライマーを含む、核酸プライマーのセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルスの親和性を決定するための組成物及び方法に関する。本発明の方法及び組成物は、マイクロRNA分析に基づく。本発明を用いて、マイクロRNAを発現する任意の種又は生物、具体的には、ヒトにおけるウイルス親和性を決定することができる。
【0002】
発明の背景
マイクロRNAは、遺伝子の転写後制御に関与するRNAの一種である。マイクロRNAは、典型的には、約10〜50ヌクレオチド長、好ましくは、約15〜25ヌクレオチド長の1本鎖であり、mRNAの翻訳を低下させるか、又は阻害することにより、標的遺伝子の転写を制御する。マイクロRNAは、例えば、Griffiths-Jones, Nucleic Acids Research, 2004, 32;又はGriffiths-Jones et al., Nucleic Acids Research, 2008, 36に記載される。ヒト配列を含む具体的なマイクロRNAの配列は、例えば、特定のデータベース(http://microrna.sanger.ac.uk)に挙げられる。
【0003】
国際公開公報第2009/033185号は、ウイルスが感染した対象の特徴であるマイクロRNAの同定に関する。国際公開公報第2010/109017号及び第2011/076142号は、癌のマーカーを表すマイクロRNAの同定に関する。国際公開公報第2009/085234号は、マイクロRNAを免疫調節薬物活性のバイオマーカーとして用いることを提案する。国際公開公報第2011/025919号は、肺疾患の可能性のあるバイオマーカーを表すマイクロRNAの同定に関する。
【0004】
Omoto等(Retrovirology, vol. 1(1), 2004, 44)は、HIVが感染した対象において、nefの発現を抑制することができるマイクロRNAの同定に関する。Houzet等(Retrovirology, vol. 5(1), 2008, 118)は、マイクロRNAを用いて、対象におけるHIVの存在を検出することができることを示す。Peng等(PLOS ONE Vol 6(12), 2011, e28486)は、B型肝炎が感染した対象において、肝細胞癌のマイクロRNA特徴に関する。Witwer等(AIDS vol 25(17), 2011, 2057)は、急性レンチウイルス感染のマイクロRNAシグネチャ、及びCNS疾患のバイオマーカーとしてのその使用を開示する。Lunbiao等(PLOS ONE Vol 6(11), 2011, e27071)は、エンテロウイルスとコクサッキーウイルスを識別するマイクロRNAに関する。
【0005】
これらの参考文献のいずれも、親和性に基づきウイルスを識別することができるマイクロRNAを開示しない。より具体的には、これらの参考文献のいずれも、対象におけるウイルスの共受容体使用の決定方法を開示しない。
【0006】
国際公開公報第2011/027075号において、細胞のマイクロRNAに基づくウイルスの親和性の同定方法が記載されている。この技術により、対象由来のウイルス試料は、標的細胞(特に、ジャーカット細胞)と接触し、当該標的細胞中のマイクロRNAの発現が分析される。この文献に開示される患者由来の試料におけるマイクロRNAレベルの直接測定は存在しない。
【0007】
発明の概要
本発明は、循環マイクロRNAに基づくウイルスの親和性の分析方法に関する。より具体的には、本発明は、循環マイクロRNAが、ウイルスが感染した対象の生物体液中に十分なレベルで存在し、当該対象におけるウイルスの親和性の指標を提供するという知見から生じる。それ故、本発明は、生物体液における直接測定を可能にし、これは単純であり、費用効率が高い。
【0008】
本発明の目的は、感染した対象におけるウイルスの親和性のインビトロ決定方法であって、対象由来の生物学的試料中の少なくとも1の循環マイクロRNAの存在又はレベルを決定し、当該決定をウイルスの親和性に相関させることを含む方法に関する。
【0009】
特定の実施態様において、方法は、当該試料由来の循環マイクロRNAプロファイルを決定し、当該プロファイルをウイルス親和性の少なくとも1の参考プロファイル特徴と比較することを含み、ここで、当該プロファイルの実質的な類似性が、試料中のウイルスの親和性を示す。
【0010】
本発明の更なる目的は、感染した対象におけるウイルスの親和性のインビトロ決定方法であって、対象由来の生物学的試料中の少なくとも1のPBMCマイクロRNAの存在又はレベルを決定し、当該決定をウイルスの親和性に相関させることを含む。
【0011】
対象中のウイルスは、哺乳類細胞に感染する任意のウイルス、好ましくは、ヒトに感染する任意のウイルスであってもよい。好ましい実施態様において、ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。
【0012】
この関連で、特定の実施態様において、本発明は、対象中のHIVがCXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかを決定する方法を提供する。かかる決定は、処置がHIV親和性に依存して異なるので、特に適切である。
【0013】
本発明の明確な目的はまた、対象中のHIVがCXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかを決定する方法であって、対象由来の試験試料、典型的には、血漿試料、より具体的には、乏血小板血漿試料において、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも1のマイクロRNAの循環レベルを決定すること(当該マイクロRNAのそれぞれの循環レベルが、HIVによるCXCR4又はCCR5受容体使用に相関する)を含む方法に関する。
【0014】
本発明の明確な目的はまた、対象中のHIVが、CXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかの決定方法であって、対象由来のPBMC試料における、hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される少なくとも1のマイクロRNAのレベルを決定すること(当該マイクロRNAのそれぞれのレベルが、HIVによるCXCR4又はCCR5受容体使用に相関する)を含む方法に関する。
【0015】
本発明の更なる目的は、ウイルス親和性の少なくとも1の循環マイクロRNA特徴に特異的な核酸プローブを含むマイクロアレイに存する。好ましくは、マイクロアレイは、ウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴の各循環マイクロRNAに特異的なプローブを含む、多数の核酸プローブを含む。
【0016】
本発明の別の目的は、ウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴の各循環マイクロRNAを特異的に増幅するプライマーを含む、多数の核酸プライマーを含む核酸プライマーのセットに関する。
【0017】
本発明はまた、ウイルスが感染した対象の処置方法であって、上で開示された方法による当該対象に感染しているウイルスの親和性を決定し、対象をウイルス親和性に適合した治療で処置することを含む方法に関する。
【0018】
本発明はまた、ウイルスの親和性を決定するための循環マイクロRNAの使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】Qiagen kit(上方のパネル)、又はMacherey-Nagel kit(下方のパネル)を用いた、血清中の循環マイクロRNAの分析。
図2A】それぞれ、Macherey-Nagel(図2、左側のパネル)、又はNorgen kit(図2、右側のパネル)を用いた唾液中の循環マイクロRNAの分析。分析を、Agilent 6000(図2A)、又はAgilent Small RNA(図2B)にて行った。
図2B】それぞれ、Macherey-Nagel(図2、左側のパネル)、又はNorgen kit(図2、右側のパネル)を用いた唾液中の循環マイクロRNAの分析。分析を、Agilent 6000(図2A)、又はAgilent Small RNA(図2B)にて行った。
図3A】循環PBMC中のマイクロRNAの検出。(A):Macherey-Nagel kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(B):Ambion kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(C):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(D):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Small RNA chip上での分析。
図3B】循環PBMC中のマイクロRNAの検出。(A):Macherey-Nagel kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(B):Ambion kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(C):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(D):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Small RNA chip上での分析。
図3C】循環PBMC中のマイクロRNAの検出。(A):Macherey-Nagel kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(B):Ambion kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(C):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(D):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Small RNA chip上での分析。
図3D】循環PBMC中のマイクロRNAの検出。(A):Macherey-Nagel kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(B):Ambion kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(C):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Nano 6000 chip(左側の図)、及びSmall RNA chip(右側のパネル)上での分析;(D):Qiagen kitを用いて抽出したRNA。Small RNA chip上での分析。
図4】合成miRNA−638の定量的RT−PCR(qRT−PCR)。
図5】ドナーの血清中のmiRNA−638の同定。
図6】PBMC及び血清中の循環MiRNA−638(μg/μL)。
図7】唾液中の循環MiRNA−638(μg/μL)。
図8】R5、X4、又はDual HIV株が感染した患者、及び健常ドナー(対照試料)由来のPBMC試料(例として)上でのTaqMan qPCR arrayを用いたmiRNA増幅。
図9】対照群に比較した、HIV群のPPP及びPBMC試料中のmiRNAの相対量(1群当たり最小10人の患者由来)。それぞれの棒が1つのmiRNAを表す。
図10】群識別について、PPP及びPBMCにおける試験したmiRNA組み合わせのROC曲線。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、循環マイクロRNAに基づくウイルスの親和性の分析方法に関する。より具体的には、本発明は、循環マイクロRNAが、ウイルスが感染した対象の生物体液中に十分なレベルで存在し、当該対象におけるウイルスの親和性の指標を提供するという知見から生じる。それ故、本発明は、生物体液における直接測定を可能にし、これは単純であり、費用効率が高い。
【0021】
本発明の文脈内で、ウイルスの「親和性」は、(i)ウイルスによる共受容体使用、及び/又は(ii)ウイルスが感染した細胞種を示す。多数のウイルスが、細胞移入のため、共受容体を使用することが知られている。例えば、HIVは、標的細胞とCD4タンパク質、及び第2の共受容体を介して相互作用する。主な共受容体は、CXCR4及びCCR5である。HIVによる共受容体使用は、免疫不全の進行を反映する。CXCR4を使用するHIVウイルスは、通常、AIDS疾患と関連する。HIVにより用いられる更なる共受容体の例は、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR8、CCR9、CXCR2、又はSTRL33である。これらの共受容体に関する更なる情報は、国際公開公報第2011/027075号に含まれる。それ故、特定の実施態様において、ウイルスの親和性の決定は、ウイルスの共受容体使用の決定を含む。HIVに関連して、より好ましくは、これは、CXCR4を使用するウイルスの存在の決定を含む。上述の通り、ウイルスの親和性はまた、ウイルスが感染した細胞種の分析も示す。本発明はまた、同一ファミリーのウイルス間で、ある種の細胞種に対する親和性を有するウイルスの識別を可能にする。
【0022】
本発明の好ましい実施態様は、ウイルスによる共受容体使用の決定方法に存する。
【0023】
本発明の特定かつ最も好ましい実施態様は、CXCR4を使用するHIV株の同定方法である。
【0024】
本発明は、循環マイクロRNAの測定値又は量に基づく。本発明の文脈内で、用語「マイクロRNA」は、成熟1本鎖マイクロRNA、並びに天然に存在し得るその前駆体及び変異体を含むことを意味する。用語「マイクロRNA」はまた、原始(pri−miRNA)、及び前駆体(pre−miRNA)マイクロRNA転写物、及び2本鎖miRNAも含み得る。典型的な実施態様において、本発明は、成熟マイクロRNAの決定を含む。例として、名称miR−638は、pre−miR−638に由来する成熟マイクロRNA配列に言及する。
【0025】
「循環」マイクロRNAは、細胞の外側、具体的には、生物中の生物体液中に存在するマイクロRNAである。マイクロRNAの循環レベルは、体液中のマイクロRNAのレベル又は濃度である。本発明は、好ましくは、細胞に含有される細胞のマイクロRNAを放出するために処置することなく、生物学的試料中の循環マイクロRNAの直接測定に基づく。この関連で、好ましい実施態様において、本発明は、本質的に細胞を欠くか、又は細胞を取り除くために処理された生物学的試料における循環マイクロRNAの検出を含む。生物学的試料の好ましい例は、生物体液の試料を含む。
【0026】
循環PBMCにおけるマイクロRNAレベルは、対象の体液試料から得られるPBMC中で検出される特定のマイクロRNAの量又は濃度を示す。
【0027】
循環マイクロRNAの決定方法
本発明によるマイクロRNAの検出は、かかるマイクロRNAの存在の検出、好ましくは、マイクロRNAの(相対又は絶対)量の測定を含む。マイクロRNAの量の検出方法又は測定方法は、当該技術分野においてそれ自体知られている。かかる方法は、非限定的に、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、特定のプローブとのハイブリダイゼーション、ノーザンブロット、親和性結合などを含む。
【0028】
特定の実施態様において、試料中のマイクロRNAは、ハイブリダイゼーション、増幅、リガンド結合、又は機能的アッセイにより、検出されるか、又は測定される。特定の実施態様において、一定分量の生物学的試料は、少なくとも1の標的マイクロRNAに特徴的な、核酸プローブ、核酸プライマー、又はリガンドと接触させられ、当該プローブ、プライマー、又はリガンドと一定分量中の核酸間で形成された複合体の存在又は量が決定される。かかる方法において、プローブ又はリガンドは、溶液中に存在してもよく、又は支持体(例えば、マイクロアレイ)上に固定化されてもよい。又は、生物学的試料は、決定に先立ち処理されてもよい。試料中のマイクロRNAはまた、決定を促進するために標識されてもよい(例えば、希釈されるか、濃縮されるか、マイクロRNAについて富化される)。
【0029】
特定の実施態様において、方法は、(i)試験生物学的試料中に存在する循環マイクロRNAを場合により標識すること、及び(ii)当該(場合により標識された)マイクロRNAを、ウイルス親和性のマイクロRNA特徴に特異的な少なくとも1の核酸プローブを含む支持体(例えば、マイクロアレイ)にハイブリダイゼーションして、ハイブリダイゼーションプロファイルを得ること(ハイブリダイゼーションプロファイルが、感染した対象中のウイルスの親和性の指標である)を含む。
【0030】
別の特定の実施態様において、方法は、(i)循環マイクロRNAを試験生物学的試料から得ること、及び(ii)当該循環マイクロRNAを、少なくとも2、好ましくは、少なくとも3の核酸プライマーのセットと接触させることを含み、当該少なくとも2、好ましくは、少なくとも3の核酸プライマーは、ウイルス親和性のマイクロRNA特徴を特異的に増幅して、増幅産物を得て、増幅産物が、感染した対象におけるウイルスの親和性の指標である。
【0031】
好ましい実施態様において、循環マイクロRNAは、マイクロアレイ分析により、すなわち、試験試料を、表面上に固定化された多数の特異的プローブを含むマイクロアレイと接触させること(これにより、ハイブリダイゼーション反応が生じることが可能になる)、及びハイブリダイゼーションプロファイルを分析することにより決定される。
【0032】
循環マイクロRNAを分析するために、第1の工程は、生物学的試料を得ること、及び/又は調製することである。試験試料は、循環マイクロRNA又は循環PBMCを含有する任意の生物学的試料から得られ得る。特定の実施態様において、試験試料(例えば、非限定的に、血液、血漿、血清、唾液、尿、脳脊髄液、気管支洗浄液、又は洞由来の洗浄液)は、生物体液であるか、又はこれから得られる。他の体液、例えば、骨髄、子宮頸部、膣、尿道、肛門、咽頭、歯肉、又は眼の拭き取り検体、リンパ液、房水、羊水、耳垢、母乳、精液、前立腺液、女性の膣液、汗、涙、嚢胞液、胸膜液、又は腹水、心膜液、間質液、月経、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、気管支肺吸引液、又は臍帯血を用いて、本発明を実施してもよい。
【0033】
種々の方法は、生物体液(例えば、血液、血清、又は血漿試料)を得ること、及び調製するために存する。加えて、血液採取管は、多くの供給源から市販されている。好ましい試料は、血液、又は血漿(例えば、乏血小板血漿)である。
【0034】
好ましくは、循環マイクロRNAを分析するため、試験試料は、採取され、循環マイクロRNAの分解を最小にするため、及び試料中の無処理の細胞からのマイクロRNAの放出を最小にするために、1〜24時間以内に処理される。試験試料(例えば、血液、血漿、血清、尿、唾液など)は、凍結され、後で処理されてもよい。
【0035】
循環PBMC中のマイクロRNAを分析するため、試験試料は、採取され、処理されて、細胞が(例えば、遠心分離により)分離され、及び処理されて、マイクロRNAが循環PBMCから放出される。試料は、好ましくは、循環マイクロRNAの分解を最小にするために、循環PBMCからのマイクロRNAの放出の1〜24時間以内に処理される。試験試料(例えば、血液、血漿、血清、唾液)は、凍結され、後で処理されてもよい。
【0036】
好ましくは、循環マイクロRNAレベルの決定に先立ち、試験試料が処理される。処理は、マイクロRNAを正規化するか、試料を希釈又は濃縮するか、マイクロRNAについて富化するか、マイクロRNAを標識するか、細胞又は他の分画を取り除くか、RNAを保護する(例えば、RNaseを阻害する)などのために行われてもよい。
【0037】
更に、本発明者等の結果により、量の信頼性を変えることなく、試料が凍結され、その後融解され得ることも示されている。従って、特定の実施態様において、方法は:
a)循環マイクロRNAを含む、対象から採取した生物学的試料を用意すること、
b)マイクロRNAの希釈、濃縮、富化、RNAの保護によるか、又は細胞を取り除くため、試料を処理すること、
c)場合により、試料を凍結すること、及び
d)好ましくは、試料の採取又は融解後、48時間未満、より好ましくは、24、18、12、又は6時間未満、典型的には、1〜6時間で、試料中の循環マイクロRNAを決定すること
を含む。
【0038】
工程b)及びc)は、逆にしてもよい。かかる場合、試料は、処理工程に先立ち、融解される。
【0039】
循環マイクロRNAは、決定に先立ち、生物学的試料から抽出されるか、又は部分的に精製されてもよい。この目的のために、総循環RNAは、核酸抽出物バッファーの存在下でのホモジェナイゼーション、続いて遠心分離により、精製されてもよい。RNA分子は、アガロースゲル(複数を含む)上での電気泳動、続いて標準的技術により、分離されてもよい。マイクロRNAを生物学的試料から調製するためのキットは、市販されている。
【0040】
ハイブリダイゼーションにより選択されたマイクロRNAを決定するため、当該所定のマイクロRNAに特異的な1又はいくつかの適当なプローブが、当該マイクロRNAのヌクレオチド配列を用いて、生成され得る。マイクロRNAの核酸配列は、Wellcome Trust Sanger Institute(http://microrna.sangetac.uk/sequences/ index.shtml)の「miRBase::Sequences」データベースから利用可能である。本発明において同定される全てのマイクロRNAの核酸配列は、表I及びIVに挙げられる。好ましいプローブは、10〜500塩基長、より好ましくは、10〜200塩基長の1本鎖核酸分子である。最も好ましいプローブは、標的マイクロRNAのものと類似の長さを有する。これらは、標的マイクロRNAに相補である配列、好ましくは、完全に相補である配列を含有する。ある種の実施態様において、ストリンジェントな条件下に置かれたとき、プローブが、複雑な試料中の標的マイクロRNAに特異的にハイブリダイゼーションし得る限り、ミスマッチのレベルは、容認され得る。
【0041】
DNA又はRNAプローブの標識方法、及び標的核酸へのそのハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野においてそれ自体知られており、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, J. Sambrook et al., eds., 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989(本明細書において引用により取り込まれる)に記載されている。
【0042】
試料中の循環マイクロRNAの相対数はまた、特異的な増幅により決定され得る。非限定的に、逆転写(RT)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リアルタイムPCR(定量的PCR(q−PCR))、核酸配列ベースの増幅、マルチプレックスライゲーション可能なプローブ増幅、ローリングサークル増幅、又は鎖置換増幅を含む、マイクロRNA核酸配列を増幅するための種々の技術が存する。好ましい実施態様において、決定は、マイクロRNAの逆転写、続いてポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)による逆転写された転写物の増幅により、なされる。増幅は、一般的に、核酸プライマーを使用する。プライマーは、一般的に、約15〜40ヌクレオチド長の1本鎖であり、標的マイクロRNAの部分に相補である領域を含有する。一般的には、標的マイクロRNAにアニーリングすることができるフォワードプライマー、及び逆転写された標的マイクロRNAの相補鎖にアニーリングするよう設計されたリバースプライマーを含む、1対のプライマーが用いられる。
【0043】
一般的に、測定される循環マイクロRNAのレベルは、対照又は参考値に比較されて、レベルが低減しているか、又は上昇しているかどうかが決定される。対照又は参考は、外部対照(例えば、所定の親和性を有するウイルスが感染していることが知られている対象由来の試験試料中の循環マイクロRNA)であってもよい。外部対照は、非血清試料由来のマイクロRNA、又は既知量の合成RNAであってもよい。対照は、プールされた、平均又は個々の試料であってもよい。対照又は参考値は、参考状況下で所定のマイクロRNAの平均又は平均参考値であってもよい。
【0044】
いくつかの実施態様において、試験試料中の多数の異なる循環マイクロRNAの発現レベルを同時に決定することが所望される。ある種の場合、全ての既知のマイクロRNAの発現レベルを決定することさえ所望され得る。いくつかの循環マイクロRNAについて、発現レベルを評価することは、多数のプローブを含むマイクロアレイ又はバイオチップを用いて、又は種々のプライマーの組み合わせを用いて、行われてもよい。マイクロアレイ又はプライマーの使用は、マイクロRNA検出について多くの利点を有する。実際に、数百のマイクロRNAが、単一試料中、1つの時間ポイントで同定され得る。更に、少量のRNAが必要とされる。いくつかの循環マイクロRNAについて、発現レベルを評価することも、特異的なステムループRT、続いて定量的PCR(具体的には、TLDA様低密度RT−qPCR(TaqMan(登録商標)Low Density Arrays;Life Technologies)を用いて、行われ得る。実施例のセクションに開示される通り、かかる方法を効果的に用いて、複雑な試験試料中の多数のマイクロRNAが同時に評価され得る。それ故、方法は、少なくとも2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、又はそれ以上の循環マイクロRNAの決定を含んでもよい。
【0045】
この関連で、本発明はまた、循環(ヒト)マイクロRNA又はウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴に関する。
【0046】
ウイルス親和性に相関させた循環マイクロRNA
本発明者等は、ウイルス(具体的には、HIV)の共受容体親和性と相関させた特定の循環マイクロRNAを同定した。これらの循環マイクロRNAは、血漿から同定され、より具体的には、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93を含む。
【0047】
それ故、本発明の明確な目的は、対象におけるウイルスの共受容体使用の決定方法であって、当該対象由来の体液試料中の上記マイクロRNAのいずれか1つの循環レベルを決定することを含み、当該レベルが、受容体使用に相関する、方法に存する。より好ましくは、体液試料は、血漿試料(例えば、乏血小板血漿試料)である。
【0048】
本発明の明確な目的はまた、対象におけるHIVが、CXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかの決定方法であって、対象由来の試験試料において、上記マイクロRNAの少なくとも1の循環レベルを決定することを含み、当該マイクロRNAのそれぞれの循環レベルが、HIVによるCXCR4又はCCR5受容体使用に相関する、方法に関する。
【0049】
実施例のセクションに示される通り、これらのマイクロRNAのレベルは、ウイルスの共受容体使用に依存して、ウイルスが感染した対象の体液中で調節される。それ故、これらのマイクロRNAは、単独で、又は組み合わせて、感染した対象から得られた試料からの共受容体使用の検出を可能にする。
【0050】
これらのマイクロRNAのそれぞれの核酸配列は、表Iに表される(配列表も参照)。
【0051】
本発明において用いるのに好ましい循環マイクロRNAは、hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1267;hsa−miR−1290;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33b;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−572;hsa−miR−596;hsa−miR−625#;hsa−miR−638;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−99b#;又はmmu−miR−93から選択される。
【0052】
これらのマイクロRNAのそれぞれの調節、並びに共受容体使用に対する相関が、表II及びIII、及び図9に提供される。
【0053】
この表から推測され得る通り、以下の循環マイクロRNAは、CCR5を共受容体:hsa−miR−146a、hsa−miR−661、hsa−miR−483−5p、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−222、hsa−miR−638、hsa−miR−572、hsa−miR−1208として使用する、HIVが感染した対象の体液において、アップレギュレーションされる(対照と比較)。
【0054】
この表から推測される得る通り、以下の循環マイクロRNAは、CCR5を共受容体:hsa−miR−486、hsa−miR−26b、hsa−miR−17、hsa−miR−106a、mmu−miR−93(hsa−miR−93−5p)、hsa−miR−20aとして使用する、HIVが感染した対象の体液において、ダウンレギュレーションされる(対照と比較)。
【0055】
この表から推測され得る通り、以下の循環マイクロRNAは、CXCR4を共受容体:hsa−miR−146a、hsa−miR−483−5p、hsa−miR−222、hsa−miR−150、hsa−miR−30c、hsa−miR−486、hsa−miR−484、hsa−miR−486−3p、hsa−miR−342−3pとして使用する、HIVが感染した対象の体液において、アップレギュレーションされる(対照及びR5群と比較)。
【0056】
この表から推測され得る通り、以下の循環マイクロRNAは、CXCR4を共受容体:hsa−miR−661、hsa−miR−659、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−638、hsa−miR−625#、hsa−miR−572、hsa−miR−596として使用する、HIVが感染した対象の体液において、ダウンレギュレーションされる(対照及びR5群と比較)。
【0057】
特定の実施態様において、本発明は、循環マイクロRNAの検出方法であって、循環マイクロRNAを含む試験試料を得ること、場合により、細胞を取り除くために試料を処理すること、及びhsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される当該試料中の少なくとも1、典型的には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なる循環マイクロRNAの存在又は量を評価することを含む、方法に関する。
【0058】
好ましい実施態様において、本発明は、循環マイクロRNAの検出方法であって、循環マイクロRNAを含む試験試料を得ること、場合により、細胞を取り除くために試料を処理すること、及びhsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1267;hsa−miR−1290;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33b;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−572;hsa−miR−596;hsa−miR−625#;hsa−miR−638;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−99b#;又はmmu−miR−93から選択される当該試料中の少なくとも1、典型的には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なる循環マイクロRNAの存在又は量を評価することを含む、方法に関する。
【0059】
特定の実施態様において、本発明は、以下のカテゴリーの少なくとも1から選択される対象の体液中の少なくとも1の循環マイクロRNA、好ましくは、以下のカテゴリーの少なくとも2に由来する少なくとも1の循環マイクロRNA、なおより好ましくは、以下のカテゴリーのそれぞれに由来する少なくとも1の循環マイクロRNAの検出を含む:
・R5を共受容体として使用する、HIVが感染した対象の体液において、アップレギュレーションされる少なくとも1のマイクロRNA;
・R5を共受容体として使用する、HIVが感染した対象の体液において、ダウンレギュレーションされる少なくとも1のマイクロRNA;
・X4を共受容体として使用する、HIVが感染した対象の体液において、アップレギュレーションされる少なくとも1のマイクロRNA;及び
・X4を共受容体として使用する、HIVが感染した対象の体液において、ダウンレギュレーションされる少なくとも1のマイクロRNA。
【0060】
この関連で、対象由来の体液(例えば、血漿)試料中のHIV共受容体使用を検出するためのマイクロRNAの好ましい群は、以下のマイクロRNAを含む:
PPP中のmiRNAの以下の組み合わせは、X4/Dual親和性HIV感染患者を、R5親和性HIV感染患者から識別することを可能にし得る:
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−638;
・hsa−miR−30a−5p、及びhsa−miR−638、
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−659、又は
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−659、hsa−miR−596、hsa−miR−1233、hsa−miR−572、及びhsa−miR−625#。
【0061】
この関連で、本発明の好ましい実施態様は、感染した対象におけるHIV共受容体使用の検出方法であって、対象由来の体液中のマイクロRNAの上記組み合わせのいずれか1つのレベルを検出することを含む、方法に関する。
【0062】
別の実施態様において、循環マイクロRNAは、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される。
【0063】
この関連で、特定の実施態様において、本発明は、循環マイクロRNAの検出方法であって、循環マイクロRNAを含む試験試料を得ること、場合により、細胞を取り除くために試料を処理すること、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される当該試料中の少なくとも1、好ましくは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なる循環マイクロRNAの存在又は量を評価することを含む、方法に関する。
【0064】
上に示される通り、これらのマイクロRNAの核酸配列は、miRBaseから利用可能であり、本出願においても含まれる。miRNA−638の核酸配列は、配列番号:179(RNA)及び配列番号:57(DNA)に提供される。
【0065】
本発明はまた、ウイルス親和性のマイクロRNA又はマイクロRNAプロファイル特徴の同定又は創出方法であって、
(i)循環マイクロRNA集団を、特定の親和性を有するウイルスが感染した対象の生物学的試料から創出すること、及び
(ii)当該循環マイクロRNA集団を、異なる親和性を有するウイルスが感染した対象の試料から創出された参考循環マイクロRNA集団と比較すること、
ここで、当該2つの集団間独特の循環マイクロRNAが、ウイルス親和性の循環マイクロRNA、又はマイクロRNAプロファイル特徴を定義する、
方法に関する。
【0066】
本発明は、更に、ウイルス親和性の少なくとも1の循環マイクロRNA特徴、好ましくは、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の循環マイクロRNAに特異的な核酸に特異的な核酸プローブを含むマイクロアレイに関する。
【0067】
特定の実施態様において、マイクロアレイは、多数の核酸プローブを含み、当該多数のプローブは、典型的には、以下の群:
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−638;
・hsa−miR−30a−5p、及びhsa−miR−638、
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−659、又は
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−659、hsa−miR−596、hsa−miR−1233、hsa−miR−572、及びhsa−miR−625#
から選択される、ウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴のそれぞれの循環マイクロRNAに特異的なプローブを含む。
【0068】
マイクロアレイにおいて、プローブは、好ましくは、表面上に、典型的には、正しく並べられた配置で固定化される。
【0069】
本発明は、更に、ウイルス親和性の少なくとも1の循環マイクロRNA特徴に特異的な核酸プローブ、好ましくは、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される少なくとも1の循環マイクロRNAに特異的な核酸を含むマイクロアレイに関する。特定の実施態様において、マイクロアレイは、多数の核酸プローブを含み、当該多数のプローブは、ウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴のそれぞれの循環マイクロRNAに特異的なプローブを含む。更なる特定の実施態様において、本発明は、以下のマイクロRNA:miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9のそれぞれに特異的なプローブを含むマイクロアレイに関する。マイクロアレイにおいて、プローブは、好ましくは、表面上に、典型的には、正しく並べられた配置で固定化される。
【0070】
本発明はまた、好ましくは、hsa−let−7f−2#;hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1243;hsa−miR−1262;hsa−miR−1267;hsa−miR−1276;hsa−miR−1285;hsa−miR−1290;hsa−miR−1298;hsa−miR−1305;hsa−miR−140−3p;hsa−miR−142−3p;hsa−miR−144#;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−210;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−3p;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−320;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33a;hsa−miR−33b;hsa−miR−340;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−485−3p;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−502;hsa−miR−550;hsa−miR−557;hsa−miR−572;hsa−miR−575;hsa−miR−581;hsa−miR−582−3p;hsa−miR−584;hsa−miR−586;hsa−miR−596;hsa−miR−597;hsa−miR−625#;hsa−miR−630;hsa−miR−638;hsa−miR−645;hsa−miR−648;hsa−miR−656;hsa−miR−657;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−720;hsa−miR−770−5p;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−892b;hsa−miR−99b#;mmu−miR−451;又はmmu−miR−93から選択される、ウイルス親和性の少なくとも1の循環マイクロRNA特徴を特異的に増幅する少なくとも1のプライマーを含む、多数の核酸プライマーを含む組成物に関する。
【0071】
特定の実施態様において、組成物は、好ましくは、
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−638;
・hsa−miR−30a−5p、及びhsa−miR−638、
・hsa−miR−661、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−30a−5p、
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、及びhsa−miR−659、又は
・hsa−miR−661、hsa−miR−638、hsa−miR−30a−5p、hsa−miR−659、hsa−miR−596、hsa−miR−1233、hsa−miR−572、及びhsa−miR−625#
から選択される、ウイルス親和性の少なくとも2、なおより好ましくは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、又は10の循環マイクロRNA特徴を特異的に増幅する多数のプライマーを含む。
【0072】
本発明はまた、好ましくは、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される、ウイルス親和性の少なくとも1の循環マイクロRNA特徴を特異的に増幅する少なくとも1のプライマーを含む、多数の核酸プライマーを含む組成物に関する。特定の実施態様において、組成物は、好ましくは、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される、ウイルス親和性の少なくとも1、好ましくは、少なくとも2、なおより好ましくは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、又は10の循環マイクロRNA特徴を特異的に増幅する多数のプライマーを含む。
【0073】
本発明はまた、ウイルス親和性のマイクロRNAプロファイル特徴のそれぞれの循環マイクロRNAを特異的に増幅するプライマーを含む多数の核酸プライマーを含む、組成物又は核酸プライマーのセットに関する。
【0074】
マイクロRNAプロファイルは、循環マイクロRNA集団を、特定の親和性を有するウイルスが感染した対象の生物学的試料から創出すること、及び当該循環マイクロRNA集団を、異なる親和性を有するウイルスが感染した対象の試料から創出された参考循環マイクロRNA集団と比較することを含み、ここで、当該2つの集団間独特の循環マイクロRNAが、ウイルス親和性の循環マイクロRNAプロファイル特徴を定義する、方法により、得ることが可能である。
【0075】
本発明の明確な目的はまた、対象中のHIVが、CXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかの決定方法であって、対象由来の試験試料において、miRNA−638、hsa−miR−574−5p、hsa−miR−663、hsa−miR−149、hsa−miR−575、hsa−miR−638、hsa−miR−181b、hsa−let−7g、hsa−miR−30a、hsa−miR−148a、及びhsa−miR−9から選択される少なくとも1のマイクロRNAの循環レベルを決定すること(当該マイクロRNAのそれぞれの循環レベルが、HIVによるCXCR4又はCCR5受容体使用に相関する)を含む方法に関する。
【0076】
特定の実施態様において、本発明は、対象中のHIVが、CXCR4又はCCR5共受容体を使用するかどうかの決定方法であって、感染した対象由来の試験試料中の循環miR−638の循環レベルを決定すること、及び当該レベルを参考レベルと比較すること(当該レベルの増加が、ウイルスによるCXCR4共受容体使用の指標である)を含む方法に関する。
【0077】
本発明は更に、上で定義されたマイクロアレイを含有するキットに関する。キットは、更に、ハイブリダイゼーション、又は増幅反応のための試薬、及び/又は対照試料、及び/又は操作マニュアルなどを含んでもよい。
【0078】
本発明はまた、対象におけるウイルスの親和性をインビトロで決定するための、上で定義されたマイクロRNA、マイクロアレイ、プライマー、又はキットの使用に関する。
【0079】
ウイルス親和性に相関させた循環PBMCマイクロRNA
特定の態様において、本発明はまた、循環血液細胞、具体的には、循環PBMC、顆粒球、血小板、及び/又は赤血球、より具体的には、循環PBMC中のマイクロRNAの存在又は量を決定することによる、対象におけるウイルスの親和性の決定方法に関する。それ故、特定の実施態様において、本発明は、かかる循環細胞を試験試料から単離する工程、及び当該細胞中のマイクロRNAの量又は存在を評価する工程を含む。
【0080】
この関連で、本発明者等は、ウイルス、具体的には、HIVの親和性に相関させた、循環PBMC中の以下のマイクロRNAを同定した:hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942。
【0081】
実施例のセクションに示される通り、これらのマイクロRNAのレベルは、ウイルスの共受容体使用に依存して、ウイルスが感染した対象の循環PBMCにおいて調節される。それ故、これらのマイクロRNAは、単独で、又は組み合わせて、感染した対象から得られた試料からの共受容体使用の検出を可能にする。
【0082】
これらのマイクロRNAのそれぞれの核酸配列は、表IVに表される。
【0083】
本発明に用いられる好ましいPBMCマイクロRNAは、hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される。
【0084】
マイクロRNAのそれぞれの調節、並びに共受容体使用への相関は、表V及びVI、図9に提供される。
【0085】
この表から推測され得る通り、以下のマイクロRNA:mmu−miR−124a(hsa−miR−124−3p)、hsa−miR−494、hsa−miR−875−5pは、CCR5を共受容体として使用するHIVが感染した対象由来の循環PBMCにおいてアップレギュレーションされる(対照と比較)。
【0086】
この表から推測され得る通り、以下のマイクロRNA:hsa−miR−31、hsa−miR−374、hsa−miR−126、hsa−miR−376c、hsa−miR−126#、hsa−miR−186、hsa−miR−146b、hsa−miR−30c、hsa−miR−432、hsa−miR−150は、CCR5を共受容体として使用するHIVが感染した対象由来の循環PBMCにおいてダウンレギュレーションされる(対照と比較)。
【0087】
この表から推測され得る通り、以下のマイクロRNA:mmu−miR−124a(hsa−miR−124−3p)、mmu−miR−451、hsa−miR−486、hsa−miR−432、hsa−miR−150は、CXCR4を共受容体として使用するHIVが感染した対象由来の循環PBMCにおいてアップレギュレーションされる(対照及びR5群と比較)。
【0088】
この表から推測され得る通り、以下のマイクロRNA:hsa−miR−126、hsa−miR−376c、hsa−miR−126#、hsa−miR−221、hsa−miR−494、hsa−miR−875−5p、hsa−let−7a、hsa−miR−130a、hsa−miR−516−3p、hsa−miR−522、hsa−miR−574−3pは、CXCR4を共受容体として使用するHIVが感染した対象由来の循環PBMCにおいてダウンレギュレーションされる(対照及びR5群と比較)。
【0089】
PBMCマイクロRNAの好ましい群は、以下を含む:
・hsa−miR−150、及びhsa−miR−486(この組み合わせは、X4/Dual親和性HIV感染患者を、R5親和性HIV感染患者から識別するのに特に適している);
・hsa−miR−150、hsa−miR−486、hsa−miR−522、及びhsa−miR−574−3p(この組み合わせは、X4親和性HIV感染患者を、R5親和性感染患者から識別するのに特に適している);
・hsa−miR−150、hsa−miR−486、及びhsa−miR−522;
・hsa−miR−150、hsa−miR−486、及びhsa−miR−574−3p;
・hsa−miR−126、及びhsa−miR−146b;
・hsa−miR−126、hsa−miR−146b、及びhsa−miR−20a;
・hsa−miR−126、及びhsa−miR−20a;
・hsa−miR−146b、及び(hsa−miR−20a、又はhsa−miR−21、又はhsa−miR−376c、又はhsa−let−7e);又は
・hsa−miR−126、hsa−miR−146b、hsa−miR−20a、hsa−miR−21、hsa−miR−376c、及びhsa−let−7e(この組み合わせは、Dual親和性HIV感染患者を、R5親和性HIV感染患者から識別するのに特に適している)。
【0090】
特定の実施態様において、本発明は、マイクロRNAの検出方法であって、循環PBMCを含む試験試料を得ること、マイクロRNAを放出させるために試料を処理すること、及びhsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される当該試料中の少なくとも1、典型的には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なる循環マイクロRNAの存在又は量を評価することを含む、方法に関する。
【0091】
特定の実施態様において、本発明は、マイクロRNAの検出方法であって、循環PBMCを含む試験試料を得ること、マイクロRNAを放出させるために試料を処理すること、及びhsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される当該試料中の少なくとも1、典型的には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なる循環マイクロRNAの存在又は量を評価することを含む、方法に関する。
【0092】
本発明は、更に、hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される少なくとも1のマイクロRNAに特異的な核酸プローブを含むマイクロアレイに関する。特定の実施態様において、マイクロアレイは、ウイルス親和性のいくつかのPBMCマイクロRNA特徴に特異的なプローブを含む、多数の核酸プローブを含む。更に特定の実施態様において、本発明は、hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の異なるマイクロRNAに特異的なプローブを含むマイクロアレイに関する。マイクロアレイにおいて、プローブは、好ましくは、表面上に、典型的には、正しく並べられた配置で固定化される。
【0093】
本発明はまた、hsa−let−7a;hsa−let−7d;hsa−let−7e;hsa−let−7f;hsa−let−7g;hsa−miR−103;hsa−miR−106a;hsa−miR−106b;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−1244;hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−1260;hsa−miR−1274A;hsa−miR−1276;hsa−miR−130a;hsa−miR−130b;hsa−miR−133a;hsa−miR−134(mmu−miR−134);hsa−miR−139−5p;hsa−miR−140−5p(mmu−miR−140);hsa−miR−142−3p;hsa−miR−142−5p;hsa−miR−146a;hsa−miR−146b;hsa−miR−148a;hsa−miR−148b;hsa−miR−149#;hsa−miR−150;hsa−miR−151−5P;hsa−miR−15b;hsa−miR−16;hsa−miR−17;hsa−miR−1825;hsa−miR−185;hsa−miR−186;hsa−miR−18b;hsa−miR−191;hsa−miR−192;hsa−miR−195;hsa−miR−196b;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19a;hsa−miR−19b;hsa−miR−200b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−223;hsa−miR−223#;hsa−miR−24−2#;hsa−miR−25;hsa−miR−26a;hsa−miR−26b;hsa−miR−27a;hsa−miR−27a#;hsa−miR−28;hsa−miR−299−3p;hsa−miR−29a;hsa−miR−29c;hsa−miR−301;hsa−miR−301b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−324−3p;hsa−miR−328;hsa−miR−335;hsa−miR−340;hsa−miR−340#;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−365;hsa−miR−374;hsa−miR−374b−5p(mmu−miR−374−5p);hsa−miR−376c;hsa−miR−380−5p;hsa−miR−410;hsa−miR−422a;hsa−miR−425−5p;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−532;hsa−miR−532−3p;hsa−miR−543;hsa−miR−571;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−590−3P;hsa−miR−590−5p;hsa−miR−628−5p;hsa−miR−638;hsa−miR−642;hsa−miR−650;hsa−miR−651;hsa−miR−652;hsa−miR−660;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);hsa−miR−744#;hsa−miR−765;hsa−miR−875−5p;hsa−miR−93−5p(mmu−miR−93);又はhsa−miR−942から選択される少なくとも1のマイクロRNAを特異的に増幅する少なくとも1のプライマーを含む多数の核酸プライマーを含む、組成物に関する。特定の実施態様において、組成物は、好ましくは、hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5pから選択される少なくとも1、好ましくは、少なくとも2、なおより好ましくは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、又は10のマイクロRNAを特異的に増幅する多数のプライマーを含む。
【0094】
本発明は、更に、上で定義されたマイクロアレイを含有するキットに関する。キットは、更に、ハイブリダイゼーション、又は増幅反応のための試薬、及び/又は対照試料、及び/又は操作マニュアルなどを含んでもよい。
【0095】
本発明はまた、対象におけるウイルスの親和性をインビトロで決定するための、上で定義されたマイクロRNA、マイクロアレイ、プライマー、又はキットの使用に関する。
【0096】
ウイルス
本発明を用いて、任意のウイルスの親和性が決定され得る。これは、真核生物の細胞(具体的には、哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、トリ細胞、又はマウス細胞など)に感染するウイルスの親和性を決定するのに特に適している。本発明は、ヒトに感染するウイルスの親和性を決定するのに特に適している。
【0097】
特異的な親和性を有するウイルスの例は、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、レオウイルス、パピローマウイルス、ピコルナウイルス、ポックスウイルス、フラビウイルスなどを含むが、これらに限定されない。特異的な親和性が、本発明により同定され得る具体的な例としては、以下のウイルス:ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1、及びHIV−2)、A、B、又はC型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、潜在性B型肝炎ウイルス、麻疹ウイルス、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV2、HSV−6、EBV、及びCMVを含む)、パピローマウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、ポックスウイルス、ロタウイルス、HTLV−1、HTLV−2、デングウイルス、ウエストナイルウイルス、黄熱病ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、SRAS、RSウイルス、チクングニアウイルス、又は出血熱ウイルス(アレナウイルス(Arenaviridae)、フィロウイルス(Filoviridae)、ブニヤウイルス(Bunyaviridae)、フラビウイルス(Flaviviridae));風疹ウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルスを含む。
【0098】
本発明はまた、別の態様において、抗ウイルス剤の同定方法であって、候補薬物を生物において試験すること、及び処理後に循環マイクロRNAを決定することを含み、ここで、ウイルスの親和性を改変する薬物が、候補抗ウイルス剤を表す、方法を提供する。
【0099】
本発明はまた、ウイルスが感染した対象の処置方法であって、上述の方法により、当該対象に感染するウイルスの親和性を決定すること、及び対象を、ウイルス親和性に適合した療法で処置することを含む、方法に関する。
【0100】
本発明の更なる態様及び利点は、以下の実施例のセクション(説明と見なされるべきである)に開示される。本出願を通じて引用される全ての参考文献、特許、及び公開された特許出願の内容は、本明細書において引用により取り込まれる。
【0101】
実施例
本発明者等は、本明細書において、生物学的試料中の循環miRNAを測定することによる、ウイルス、特に、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の細胞親和性の同定方法を記載する。
【0102】
1.生物学的試料
1.1.血清及び血漿
血液採取管は、多くの供給源から、様々な形式(例えば、Becton Dickenson Vacutainer tubes-SST(商標)、ガラス血清管、又はプラスチック血清管)で市販されている。
【0103】
血液試料を、Etablissement Francais du Sang of Montpellierで採取したボランティアの血液ドナーから、又はHIV汚染について既にスクリーニングしたヒト患者から得た。
【0104】
血清は、凝固血の非細胞部分である。血漿はまた、血清と異なり、抹消血細胞を含有しないが、血漿は、凝固因子を含有する。
【0105】
標準的方法を用いて、静脈穿刺により、対照又は患者から採取管に血液4〜6mLを抜いた。そのまま、4〜6時間、室温で凝固させ、4〜8℃で維持した。血漿を用いるときは、血液を、EDTA1.6mgを含有するEDTA血液管(Sarstedt、Monovette EDTA K)内に集めた。EDTAは凝固を阻害する。血液採取後直ちに、管を8〜10回転倒混和した。
【0106】
次に、遠心分離により、血清又は血漿を、それぞれ凝固血又はEDTA処理血の細胞部分から分離した。血清又は血漿を分離するための遠心分離を、通常、500〜1,000×gのスピードで、10分間行った。血漿は、既知の方法(例えば、500〜1,000×gのスピード、10分間、室温での更なる遠心分離、続いてEppendorfチューブでの15,000g、20分間、室温での遠心分離による)を用いて、血小板を取り除いた。血小板を集めることなく、乏血小板血漿(PPP)を管から穏やかに集めた。
【0107】
血清又は血漿(又はPPP)を、2mLのマイクロチューブに分配し、RNA単離の対象とするまで、−80℃で凍結した。或は、マイクロRNAを、適当なキットを用いて抽出し、一定分量下、−80℃で凍結した。
【0108】
1.2.抹消血細胞
抹消血単核細胞は、血液試料から容易に単離することができる抹消血の成分である。これらを、新鮮な血液からFicoll勾配分離により、単離し、カウントした。
【0109】
次に、製造元の指示に従い、1〜3×10E6細胞を、キットの溶解バッファー指定容量と混合して、溶解し、内在性RNAsesを不活性化した。
【0110】
溶解物を、RNA精製まで−80℃で凍結した。或は、マイクロRNAを、適当なキットを用いて抽出し、一定分量下、−80℃で凍結した。
【0111】
1.3.唾液
唾液試料を健常個人から採取した。全唾液200μLを直ちに溶解し、mi−RNAsを、適当なキットを用いて抽出し、一定分量下、−80℃で凍結した。
【0112】
2.miRNAの抽出
循環(遊離)RNAは、通常、1000nt未満の短いフラグメントとして存在し、遊離循環miRNA(21nt)を含む。RNA精製キットは、これらの断片化した遊離循環RNAの全サイズを、ヒト血漿又は血清から精製する、有効な方法を提供する。
【0113】
RNAを、血清又は血漿、又は他の生物体液(唾液、尿)から抽出し、それ自体当該技術分野で既知の方法を用いて、精製し得る。総RNAを単離する、又はmiRNAを含む低分子RNAを特異的に抽出する、多くの方法が知られている。RNAを、市販のキット(例えば、Norgen、Ambion、Life Technology、Agilent、Sigma、Qiagen、Roche、Texagen、Macherey Nagel、Amresco、Epicentre、ZymoReserach、BioMobile)を用いて抽出し得る。
【0114】
2.1.血清又は血漿
総RNAを、血清又は血漿200〜300μLから、以下の抽出キットを用いて単離した:
・Qiagen:miRNeasy Mini Kit(このキットは、血清又は血漿から、低分子RNAを含む総RNAを精製するために用いるものである)
・Ambion:mirVana(商標) PARIS(商標) Kit(mirVana(商標)PARIS(商標) Kitは、低分子RNA発現、処理、又は機能の研究に適した、タンパク質とRNAの両方の単離のため設計されている。有機抽出と固相抽出の利点を組み合わせる一方で、両方の欠点を回避した手法を用いて、RNAを単離することができる。高い収量の超純品RNAを、約30分で調製することができる。回収した高品質のRNAを、RT−PCR、RNA増幅、マイクロアレイ分析、溶液ハイブリダイゼーションアッセイ、及びブロットハイブリダイゼーションを含む任意の適用で用いることができる)
・Macherey-Nagel:NucleoSpin(登録商標) miRNA Plasma(このキットは、厄介なフェノール/クロロホルム抽出、又はタンパク質分解酵素切断に費やす時間に当てる必要なく、低分子RNA及びDNAを血漿から単離する固有の特性をもたらす)
・Norgen:Total RNA Purification Kit、及びPlasma/Serum Circulating RNA Purification Kit
1.Total RNA Purification Kitは、総RNAを、培養動物細胞、組織試料、血液、血漿、血清、細菌、酵母、真菌、植物、及びウイルスから単離及び精製する迅速な方法を提供する。キットは、全てのサイズのRNAを精製する。好ましくは、フェノール又はクロロホルムを使用することなく、RNAを、他の細胞成分(例えば、タンパク質)から精製する。
2.Plasma/Serum Circulating RNA Purification Kitは、循環RNAを、1mL〜5mLの範囲の種々の量の血漿/血清から単離する、迅速で、確実で、単純な手法をもたらす。
【0115】
製造元のプロトコールに従い、miRNAのRNAを生物体液から抽出した。
【0116】
2.2.唾液
唾液上清200μlを、RNA抽出に用いた。唾液試料を、以下の抽出キットを用いて抽出した:
・Qiagen:miRNeasy Mini Kit.
・Macherey-Nagel:
1.NucleoSpin(登録商標) miRNA Plasma.
2.NucleoSpin(登録商標) miRNA
Norgen:Total RNA Purificationo Kit.
【0117】
製造元のプロトコールに従い、miRNAのRNAを生物体液から抽出した。
【0118】
2.3.PBMC
RNAを、抹消血単核細胞(PBMC)1.10溶解物から、以下の抽出キットを用いて単離した:
・Qiagen:miRNeasy Mini Kit.
・Ambion:mirVana(商標) PARIS(商標) Kit.
・Macherey-Nagel:NucleoSpin(登録商標) miRNA(このキットは、低分子RNA(<200nt)、高分子RNA(>200nt)の同時単離、及び様々な試料材料からの3つの異なる分画のタンパク質の同時単離のため、設計されている)
・Norgen:Total RNA Purification Kit(NorgenのTotal RNA Purification Kitは、総RNAを、培養動物細胞、組織試料、血液、血漿、血清、細菌、酵母、真菌、植物、及びウイルスから単離及び精製する迅速な方法を提供する。キットは、全てのサイズのRNAを、高分子mRNA、及びマイクロRNA(miRNA)及び低分子干渉RNA(siRNA)に分解されるリボソームRNAから精製する。好ましくは、RNAを、フェノール又はクロロホルムを使用することなく、他の細胞成分(例えば、タンパク質)から精製する。精製RNAは高度に完全なものであり、リアルタイムPCR、逆転写PCR、ノーザンブロット、Rnase保護、及びプライマー抽出、及び発現アレイアッセイを含む、多くのその後の適用で用いることができる)。
【0119】
製造元のプロトコールに従い、RNAをPBMCから抽出した。
【0120】
全ての言及したキットを、健常ドナー試料にて試験した。Macherey-Nagel kitのみ、HIV感染患者由来の血漿(例えば、PPP)、及びPBMCからRNA抽出を行うために用いた。
【0121】
3.抽出したmi−RNAの品質コントロール
3.1.ナノドロップ技術を用いた品質コントロール評価
総miRNAを、上述の市販のキットを用いて抽出した。総RNAを、ND-1000 nanodrop spectrophotometer(Fischer scientific)を用いて、定量した。品質コントロールを、260/280nmのOD比を評価することにより、行った。1.8〜2.2の比が、RNA調製物の品質が有効あると予測する。
【0122】
3.1.1.PBMC及び血清中の抽出RNA
以下の表は、健常血液ドナー由来の10試料を用いた1つの実験において得た、総RNAの濃度(μg/1.10PBMC、又は/血清mL)、及びOD比(260/280)を概説する。RNAを、調製し、直ちに試験したか、又は−80℃で凍結し、融解後試験した。
【0123】
【表1】
【0124】
PBMCからの総RNA濃度は、0.96〜3.7μg/1.10PBMCの範囲である。非常に近い値を、調べたキットで得た調製物を用いて得た。
【0125】
循環RNA濃度は、Qiagen、又はMacherey-Nagel serum/plasmaを用いた抽出後、0.95〜10.7μg/mLの範囲内であった。Ambion kitは、より多量のRNA(OD値を用いて測定した)をもたらした。
【0126】
注目すべきことに、凍結RNA又は無凍結RNAでは有意差はなかった。
【0127】
3.1.2.唾液中の抽出RNA
以下の表は、健常血液ドナー由来の10試料を用いた1つの実験において得た、総RNAの濃度(μg/血清mL)、及びOD比(260/280)を概説する。RNAを、調製し、直ちに試験した。
【0128】
【表2】
【0129】
全唾液におけるRNA濃度は、Norgen又はMacherey-Nagel kitを用いた抽出後、17.6〜40.7μg/mLの範囲であった。これらの値は、唾液が、血清と比較して30〜40倍より多いRNAを含有することを示している。
【0130】
3.2.Agilent 2100 Bioanalyzerを用いた品質コントロール評価
RNAの品質及び量も、以下の2つのアッセイを用いて、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies Inc.、Santa Clara、CA)を用いることにより、評価した:
−総RNAについて、RNA 6000 Nano assay(主に、細胞試料について用いた)
−低分子RNAについて、Small RNA assay(全種類の試料について用いた)
(RNA 6000 Nano assayを、Agilent 2100 bioanalyzer上で用いて、異なるプロトコールで細胞から抽出した総RNA試料の完全性及び濃度を決定した)。
【0131】
データ分析ソフトウエアは、それぞれの試料について対応するRNA濃度を、5〜500ng/μl(定性的)、及び25〜500ng/μl(定量的)の範囲内で自動的に報告する。更に、Agilent 2100 bioanalyzerの性能を、RNA分離、検出、及び定量のため最も一般的に用いられる技術と比較した。異なる技術間での比較は、感度及び定量的精度に基づくものであった。迅速かつ自動システムと相まった検出感度及び精度の利点は、Agilent 2100 bioanalyzerにより行った分析が、主要な代替方法より優れていることを示している。
【0132】
6〜150ヌクレオチドの範囲のサイズの低分子核酸を、Agilent 2100 bioanalyzer上でSmall RNA assayを実施することで、分析することができる。低分子RNA分画(<150bp)はまた、原始(pri−miRNA)、前駆体(premiRNA)、及び成熟(miRNA)型のマイクロRNAを含有すべきである。
【0133】
Small RNA assayは、以下を行うことができる:
・試料の完全性を検証するため、miRNA、低分子RNA、6〜150ntのオリゴヌクレオチドを視覚化すること
・試料濃度及び純度を検証するため、外部標準と比較して、50〜2000pg/μLの範囲のmiRNAを定量すること
・自動試料定量化、サイズ決定、及び純度の決定。
【0134】
RNA調製物の品質及び完全性を、所定のパラメーターを用いて評価した:
Nanodrop、Fischer scientific:1,8<(DO260/280)<2,2
2100 Bioanalyzer、Agilent:
6000 Nano 1,8<(28S/18S)<2,2、及び7<RIN<10
低分子RNA(電気泳動図)、%マイクロRNA。
【0135】
3.2.1.血清及び唾液由来の循環RNA
10試料の低分子RNAから得た平均値(ng/mL)。健常ドナー由来の唾液試料を、低分子RNAチップ上で分析した。標準偏差を括弧内に示す。
【0136】
【表3】
【0137】
血清由来の総低分子RNA濃度は、47.70〜162.50ng/mLの範囲であった。試料は、高い割合のmiRNA(37.70〜61.00%)を含有していた(Macherey-Nagel kitで測定)。
【0138】
【表4】
【0139】
全唾液において、総低分子RNA濃度は、5.70〜7.00ng/mLの範囲であった。試料は、高い割合のmiRNA(30.00〜59.40%)を含有する。
【0140】
3.2.2.PBMCと比較した、血清及び唾液中の循環マイクロRNAの分析
血清での実施例
RNAを、それぞれ、Qiagen kit(図1、上方のパネル)、又はMacherey-Nagel kit(図1、下方のパネル)を用いて、ドナー2の血清から抽出した。低分子RNAチップ上での分析。図1に提示した結果は、miRNAが、血清から抽出した総RNAの50%(上方のパネル)又は73%(下方のパネル)に対応することを示している。
【0141】
唾液での実施例
RNAを、それぞれ、Macherey-Nagel(図2、左側のパネル)、又はNorgen kit(図2、右側のパネル)を用いて、健常ドナー(#8)の唾液から抽出した。Agilent 6000(図2A)、又はAgilent Small RNA(図2B)上で、分析を行った。
【0142】
図2は、低分子RNAを唾液から同定できることを示している。Norgen kitで得た抽出物はまた、高分子RNAも示した。図2Bは、miRNAが、唾液から抽出した総RNAの約60%(左側のパネル)、又は33%(右側のパネル)に対応することを示している。
【0143】
PBMCでの実施例
PBMCを、ドナーから抽出し、循環細胞中のマイクロRNAを、異なるキットを用いて決定した。結果を図3A〜Dに示す。
【0144】
考察
結果は、循環マイクロRNAを、液体(例えば、唾液又は血清)、並びに循環血液細胞において、効果的に検出することができることを示している。結果は更に、循環マイクロRNAが、血清及び唾液中の約50%の総循環RNAの非常に実質的な部分を表すことを示している。それ故、これらの液体は、マイクロRNAの試験に有利な試料を表す。これらの結果はまた、RNAの他の集団により、高レベルの品質及び低い汚染を有する血清中のマイクロRNAを検出し得ることを示している。加えて、これらの結果は、更に、マイクロRNAが、安定であり、試料を凍結融解後の液体でさえ、試験され得ることを示している。
【0145】
3.3.RT−qPCRを用いたmi−RNAの品質コントロール評価
miRNAのレベル又は量を測定する種々の方法が利用可能である。任意の特定の方法を用いることができる:miRNAのレベルを、増幅工程中に測定するか、或は、miRNAを、測定に先立ち増幅した。他の方法では、miRNAを、測定に先立ち増幅しなかった。
【0146】
適当な核酸重合作用及び増幅技術に関与する増幅反応は、逆転写(RT)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リアルタイムPCR(定量的PCR(q−PCR))、核酸配列ベースの増幅(NASBA)などを含む。
【0147】
1つより多い増幅方法を用いることができる:逆転写、続いてリアルタイム定量的PCR(qRT−PCR)。典型的なPCR反応は、標的核酸種を選択的に増幅する複数の増幅工程、又はサイクル:変性工程(ここで、標的核酸を変性する);アニーリング工程(ここで、PCRプライマーのセット(フォワード、及びリバースプライマー)が、相補DNA鎖にアニーリングする);及び伸長工程(ここで、熱安定性DNAポリメラーゼが、プライマーを伸長する)を含む。これらの工程を複数回繰り返すことにより、DNAフラグメントを増幅して、標的DNA配列に対応する増幅産物を生じる。典型的なPCR反応は、20以上のサイクルの変性、アニーリング、及び伸長を含む。成熟miRNAは1本鎖であるので、相補cDNA配列の産生を導く逆転写反応を、PCR反応に先立ち行う。逆転写反応は、RNAベースのDNAポリメラーゼ(逆転写酵素)、及びプライマーの使用を含む。
【0148】
定量的RT−PCR(qRT−PCR)
品質コントロールを、miR−638の発現を、個々のTaqMan miRNA assay(Applied Biosystems/Life Technologies、Carlsbad、California、USA)を用いて測定することにより、行った。製造元の提案に従い、方法を行った;これは、以下の試薬:TaqMan MicroRNA Reverse Transcription Kit(4366596参照)、TaqMan(登録商標) Universal Master Mix II、no UNG 1-Pack(4440043参照)、及びTaqMan(登録商標) MicroRNA Assays(アッセイID=001582;4440887参照)を使用する。TaqMan(登録商標) MicroRNA Assay試薬は、特異的なmiRNA−638プライマー(agggaucgcgggcggguggcggccu;配列番号:179)を含有する。
【0149】
結果を図4に示す。これらは、合成miRNA−638を、それぞれ、9、22、及び34サイクル後に1×10E−3、1×10E−6、及び1×10E−9μg/μLという非常に低濃度で検出することができることを示している。
【0150】
ドナーの血清中のmiRNA−638の同定
健常ヒトドナーの血清から単離した総miRNAを、RT−qPCRの対象とした。調製キット(Qiagen;Macherey-Nagel)を用いて抽出した総mi−RNA10ngを、アッセイに用いた。
【0151】
結果を図5に示す。
【0152】
これらは、患者の血清由来のマイクロRNA−638を同定できることを示している(右側のパターンを参照)。濃度は1.10−9μg/μL未満であった。
【0153】
miRNA−638の正確な定量を、いくつかの試料で行い、以下の表に報告する。
【0154】
【表5】
【0155】
結果を図6及び7においても報告する。
【0156】
上記実施例は、ウイルスの親和性の検出に有効な循環マイクロRNAの検出を可能にする条件を開示する。結果は、循環マイクロRNAを、液体(例えば、唾液、又は血清)において効果的に検出できることを示している。これらの結果は、更に、循環マイクロRNAが、血清及び唾液中の約50%という、総循環RNAの非常に実質的な集団を表すこと、及び高レベルの品質及び低い汚染を有する血清中のマイクロRNAを、RNAの他の集団により検出し得ることを示している。加えて、これらの結果は、更に、マイクロRNAが安定であり、試料を凍結融解後でさえ体液において試験し得ることを示している。これらの結果はまた、miRNA−638を、体液試料中で検出できること、及び正確に定量できることを示している。これらは、更に、この特異的なマイクロRNAが、血清中の全循環RNAの約0.1%を表し、確実に検出し得、これを用いて、ウイルスが感染した患者におけるウイルス親和性を分析することを示している。
【0157】
4.TaqManアレイカードを用いたRT−qPCRによるmiRNAスクリーニング
TaqMan Array Human MicroRNAパネルA及びB(Applied Biosystems、CA)を用いて、プロファイリングを行った。TLDAカードは、それぞれのカード上で384の特徴を検出する。合計754個のヒトmiRNAを試験した。逆転写及びqPCRを、指示(Applied Biosystems、CA)に従い、製造元の試薬を用いて行った。簡単に言うと、PBMC由来のPPP試料3μl、又はRNA150ngを、Megaplex逆転写(RT)反応のために用いた。リアルタイム定量的PCRを、ViiA7リアルタイムPCRマシーンを用いて行い、データを、製造元のViiA(商標)ソフトウエアを用いて回収した。Gene Expression Suiteソフトウエア(Applied Biosystems、CA)を用いて、アレイデータを処理した。0.1での閾値を、個々にチェックし、必要なら補正した。
【0158】
スクリーニングを、4つの群で行った:R5、X4、又はDual HIV株に感染した患者(親和性をGeno2Phenoアルゴリズムにより決定)、及び健常ドナーである対照群(最小10個人/群)。
【0159】
異なる群間のmiRNAの有意な相対量を、異なる正規化及び統計法を用いて分析した:Gene Expression Suiteソフトウエア(Applied Biosystems、CA)、及びマンホイットニー検定。有意な倍加変化を、p値<0.05、及び1より小さいか、又は大きい倍加変化により決定した/
【0160】
【表6】
【0161】
ウイルス共受容体使用に相関した更なる循環マイクロRNAの同定
セクション1に開示した方法に従い、好ましい、有意に調節した循環マイクロRNAのリストを同定し、そしてこれは、ヒト対象におけるウイルス感染を検出又は特徴付けるために機能し得る。リストを以下の表Iにおいて提供する。
【0162】
【表7】


【0163】
本発明においてマーカーとして用いるのに好ましい循環マイクロRNAを以下に挙げる:hsa−miR−106a;hsa−miR−1208;hsa−miR−1233;hsa−miR−1267;hsa−miR−1290;hsa−miR−146a;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−20a;hsa−miR−222;hsa−miR−223;hsa−miR−24;hsa−miR−26b;hsa−miR−30a−5p;hsa−miR−30c;hsa−miR−323−3p;hsa−miR−338−5P;hsa−miR−33b;hsa−miR−342−3p;hsa−miR−378;hsa−miR−424;hsa−miR−483−5p;hsa−miR−484;hsa−miR−486;hsa−miR−486−3p;hsa−miR−572;hsa−miR−596;hsa−miR−625#;hsa−miR−638;hsa−miR−659;hsa−miR−661;hsa−miR−99b#;又はmmu−miR−93。
【0164】
感染した対象におけるこれらのマイクロRNAの調節を、以下の表II及びIIIに詳述する。
【0165】
【表8】



【0166】
【表9】

【0167】
ウイルス共受容体使用に相関した更なるPBMCマイクロRNAの同定
セクション1に開示した方法に従い、好ましい、有意に調節したPBMC中のマイクロRNAのリストを同定し、そしてこれは、ヒト対象におけるウイルス感染を検出又は特徴付けるために機能し得る。リストを以下の表IVにおいて提供する。
【0168】
【表10】


【0169】
本発明においてマーカーとして用いるのに好ましいPBMCマイクロRNAを、以下に挙げる:hsa−let−7a;hsa−let−7e;hsa−miR−124−3p(mmu−miR−124a);hsa−miR−126;hsa−miR−126#;hsa−miR−130a;hsa−miR−146b;hsa−miR−150;hsa−miR−17;hsa−miR−186;hsa−miR−191;hsa−miR−199a−3p;hsa−miR−19b;hsa−miR−20a;hsa−miR−20b;hsa−miR−21;hsa−miR−221;hsa−miR−26b;hsa−miR−30b;hsa−miR−30c;hsa−miR−31;hsa−miR−374;hsa−miR−376c;hsa−miR−432;hsa−miR−451a(mmu−miR−451);hsa−miR−454;hsa−miR−486;hsa−miR−494;hsa−miR−495(mmu−miR−495);hsa−miR−516−3p;hsa−miR−522;hsa−miR−574−3p;hsa−miR−7−1−3p(rno−miR−7#);又はhsa−miR−875−5p。
【0170】
感染した対象におけるこれらのマイクロRNAの調節を、以下の表V及びVIに詳述する。
【0171】
【表11】


【0172】
【表12】

図2A
図2B
図1
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【配列表】
2015512249000001.app
【国際調査報告】