特表2015-512277(P2015-512277A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512277(P2015-512277A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】仙腸骨癒合システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20150331BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
   A61B17/16
   A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2015-500635(P2015-500635)
(86)(22)【出願日】2013年3月14日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月22日
(86)【国際出願番号】US2013031669
(87)【国際公開番号】WO2013138655
(87)【国際公開日】20130919
(31)【優先権主張番号】61/610,759
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】511237335
【氏名又は名称】ザイガ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Zyga Technology,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100062982
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】アッセル、ロバート エル.
(72)【発明者】
【氏名】カール、ジェレミー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ディックフット、ユージン アーサー
(72)【発明者】
【氏名】バーグ、トーマス ゴッドフレイ
(72)【発明者】
【氏名】ビュービアン、ブライアン ピー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL04
4C160LL24
(57)【要約】
仙腸骨癒合のために腸骨と仙骨との間に領域を形成するためのアンダーカッティングシステム。該アンダーカッティングシステムは挿入装置と、プローブアセンブリおよび切断アセンブリを含む。該プローブアセンブリは該挿入装置に動作可能に搭載される。該プローブアセンブリは収縮配置と伸張配置との間を該挿入装置に対して移動可能である。該伸張配置において、該プローブアセンブリの少なくとも一部は該挿入装置から伸びる。該切断アセンブリは該プローブアセンブリおよび該挿入装置に対して動作可能に搭載される。該切断アセンブリは収縮配置と伸張配置との間を該挿入装置に対して移動可能である。伸張配置において、該切断アセンブリの少なくとも一部は該挿入装置から伸びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入装置と、
該挿入装置に動作可能に搭載されたプローブアセンブリと、
該プローブアセンブリおよび該挿入装置に対して動作可能に取り付けられた切断アセンブリとより成り、
上記プローブアセンブリが、収縮配置と伸張配置との間を該挿入装置に対して移動可能であり、該伸張配置において、その少なくとも一部が該挿入装置から伸張するものであり、
上記切断アセンブリが、収縮配置と伸張配置との間を該挿入装置に対して移動可能であり、該伸張配置において、その少なくとも一部が該挿入装置から伸びるものである、
仙腸骨癒合のために腸骨と仙骨との間に領域を形成するためのアンダーカッティングシステム。
【請求項2】
該切断アセンブリが、該プローブアセンブリの少くとも一部を越えて延びる、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項3】
該切断アセンブリが該プローブアセンブリに対して摺動自在である、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項4】
該プローブアセンブリの少くとも一部が伸張配置において該挿入装置に対して側方に延びる、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項5】
該切断アセンブリが、該挿入装置に対して摺動自在に設けられている、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項6】
該挿入装置が、該挿入装置の中心軸に対して平行に整列した第1のチャネル部と、
該挿入装置の中心軸に対して横方向である第2のチャネル部と、
該第1のチャネル部と該第2のチャネル部との間に延びる移行チャネル部とを有するガイドチャネルを含む請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項7】
該移行チャネル部が少なくとも1つのローラを含む、請求項6に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項8】
該挿入装置の基部側端部近くに動作可能に取り付けられた第1の制御部をさらに含み、
該第1の制御部は、該プローブアセンブリを伸張配置と収縮配置との間で移動させるために該プローブアセンブリに動作可能に取り付けられている、
請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項9】
該挿入装置の基部側端部近くに動作可能に取り付けられた第2の制御部をさらに含み、
該第2の制御部は、該切断アセンブリを伸張配置と収縮配置との間で移動させるために該切断アセンブリに動作可能に取り付けられ、
該第2の制御部は該第1の制御部とは別々に動作可能である、
請求項8に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項10】
該プローブアセンブリおよび該切断アセンブリのうちの少なくとも1つが、クラッチメカニズムを介して該挿入装置に動作可能に取り付けられている、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項11】
該プローブアセンブリが収縮配置にある場合には、該プローブアセンブリが該アンダーカッティングシステムの外周内にあり、
該切断アセンブリが収縮位置にある場合には、該切断アセンブリが該アンダーカッティングシステムの外周内にある、
請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項12】
該切断アセンブリが、その少なくとも1つの縁に切断表面を有する、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項13】
該切断アセンブリが、その少なくとも1つの表面上に切断エレメントを含む請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項14】
該切断アセンブリが、複数の切れ目をする請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項15】
該切断アセンブリがその末端側端部近くに主カッター部を含み、
該主カッター部が該プローブアセンブリよりも大きな厚みを有する、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項16】
該切断アセンブリがさらに、該主カッター部から延びる少なくとも1つの延長部を含み、
該少なくとも1つの延長部上には少なくとも1つの切断表面が形成されている、請求項15に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項17】
該主カッター部の両側に2つの延長部が設けられている、請求項16に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項18】
該切断アセンブリの高さが、該プローブアセンブリの高さより高い、請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項19】
該プローブアセンブリが該挿入装置に対して末端−基部方向に可撓性を有し、
該挿入装置に対する半径方向の移動に抵抗する剛性を有する、
請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項20】
切断アセンブリロッキングメカニズムをさらに含み、
該切断アセンブリロッキングメカニズムがロック配置にある場合、該切断アセンブリは該挿入装置に対して静止した位置に保持され、
該切断アセンブリロッキングメカニズムが非ロック配置にある場合、該切断アセンブリは該挿入装置に対して回転可能である、
請求項1に記載のアンダーカッティングシステム。
【請求項21】
腸骨と仙骨の少くとも1つを通して少くとも部分的に延びる少くとも1つの孔を形成し、
挿入装置と、プローブアセンブリと、切断アセンブリとを含むアンダーカッティングシステムの少くとも1部を少くとも部分的に上記孔に通し、
該プローブアセンブリの少くとも1部が腸骨と仙骨の間に位置されるよう該挿入装置に相対的に収縮配置から伸張配置に該プローブアセンブリを移動せしめ、該プローブアセンブリを腸骨と仙骨との間で操作し、
該プローブアセンブリの少くとも1部が腸骨と仙骨の間に位置されるよう該切断アセンブリを該挿入装置に相対的に収縮配置から伸張配置に移動せしめ、
該切断アセンブリを腸骨と仙骨との間で操作し、
及び該孔から該アンダーカッテングシステムを除去する
腸骨と仙骨との間の領域の整形外科方法。
【請求項22】
該アンダーカッテングシステムの末端側端部近くで該切断アセンブリを該アンダーカッテングシステムの中心軸上に位置せしめ、該切断アセンブリが伸張位置に移動したとき、該切断アセンブリの末端側端部を該中心軸から移動せしめる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で操作し、該切断アセンブリで腸骨と仙骨の面の出血骨を作る少くとも一部を除去する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
該切断アセンブリに含まれている第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、該切断アセンブリに含まれている第2切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
該第2切断アセンブリが該第1切断アセンブリの少くとも1部を越えて延びる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該第2切断アセンブリが該第1切断アセンブリよりも鋭利であり、該第2切断アセンブリの高さが該第1切断アセンブリよりも高い請求項24に記載の方法。
【請求項27】
該第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、該第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間の内部関節領域内に延ばし、
該第2切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、腸骨と仙骨の間の組織を切断し、出血骨を作る腸骨と仙骨の少くとも1部の面を除去する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
該切断アセンブリを該挿入装置に動作可能に取り付け、該切断アセンブリを該挿入装置に相対的な半径方向の移動に抵抗せしめ、該切断アセンブリに該挿入装置に相対的な末端−基端方向の可撓性を有せしめる、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
該アンダーカッテングシステムが更に切断アセンブリロッキングメカニズムを有し、該切断アセンブリロッキングメカニズムがロック状態にあるとき該挿入装置に相対的に該切断アセンブリを固定位置に抑制し、
該切断アセンブリロッキングメカニズムが非ロック状態にあるとき該挿入装置に相対的に該切断アセンブリを回転せしめる、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
該挿入装置が更にその末端側端部に取り付けた制御部を有し、この制御部が該切断アセンブリを収縮配置と伸張配置との間で移動するため該切断アセンブリに動作可能に取り付けられている、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
少くとも1つの孔が腸骨を通して延び、仙骨の一部を通して延びる、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
該プローブアセンブリが該伸張配置にあるとき、第1の直径を有する該孔内で、該プローブアセンブリが回転されるように操作され、該プローブアセンブリの末端側端部によって第2の直径を有する円が定められ、該第2の直径が該第1の直径よりも大きい、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
ねじ、ペグ、ピン、ケージ、接着剤またはボールとソケットを有する締め具を少くとも1つの該孔内に挿入することによって腸骨に相対的に仙骨を固定位置に抑制することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
腸骨と仙骨の少くとも1つを通して少くとも部分的に延びる少くとも1つの孔を形成し、
切断アセンブリを含むアンダーカッテングシステムの少くとも1部を少くとも部分的に該孔に通し、
腸骨と仙骨の間の伸張配置に該切断アセンブリを、該切断アセンブリの一部を該アンダーカッテングシステムの外周を越えて延ばして移動せしめ、
腸骨と仙骨の間で該切断アセンブリを移動することによって融合領域を形成し、
該切断アセンブリを収縮配置に移動して該アンダーカッテングシステムの外周内とし、
該孔から該アンダーカッテングシステムを除去し、
及び締め具を腸骨用孔と仙骨用孔内に挿入して腸骨と仙骨を互に固定位置に抑制する、
腸骨と仙骨との間の領域の整形外科方法。
【請求項35】
該アンダーカッテングシステムの末端側端部近くで該切断アセンブリを該アンダーカッテングシステムの中心軸上に位置せしめ、該切断アセンブリが伸張位置に移動したとき、該切断アセンブリの末端側端部を該中心軸から移動せしめる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
該融合領域の形成方法が、出血骨を作る腸骨と仙骨の面の少くとも一部を該切断アセンブリで除去することを含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
該融合領域形成方法が、該切断アセンブリに含まれている第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、該切断アセンブリに含まれている第2切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
該第2切断アセンブリが該第1切断アセンブリの少くとも1部を越えて延びる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
該第2切断アセンブリが該第1切断アセンブリよりも鋭利であり、該第2切断アセンブリ高さが該第1切断アセンブリよりも高い請求項37に記載の方法。
【請求項40】
該第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、該第1切断アセンブリを腸骨と仙骨の間の内部関節領域内に延ばし、
該第2切断アセンブリを腸骨と仙骨の間で移動せしめ、腸骨と仙骨の間の組織を切断し、出血骨を作る腸骨と仙骨の少くとも1部の面を除去する請求項37に記載の方法。
【請求項41】
該締め具が、ねじ、ペグ、ピン、ケージ、接着剤またはボールとソケットを有する結合具である、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
該アンダーカッテングシステムが更に挿入装置を有し、該切断アセンブリが該挿入装置に動作可能に取り付けられている、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連する特許出願との関係)
この特許出願は、2010年11月3日付米国特許出願第12/938,976号の一部継続出願である2012年3月14日付米国特許出願第61/610,759号を優先権主張の基礎とするものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、仙腸骨関節痛を経験する患者を治療する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、仙腸骨関節癒合を容易にするために仙骨および腸骨の間に空間を設けるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
仙腸骨関節は腸骨、骨盤の上骨、および脊椎の基部の仙骨の交点に位置する。仙腸骨関節の主な機能の1つは、脊椎にかけられた圧力のショック吸収することである。
【0004】
ある種の人々は仙腸骨関節痛を経験する。この仙腸骨関節痛は種々の原因に由来し得るものであり、それらの例として負傷、胎児の発達中における正しくない脊椎骨癒合、妊娠の影響が挙げられる。
【0005】
もし理学療法および/またはステロイド注入による仙腸骨関節痛を軽減する最初の試みが有効でなければ、仙腸骨関節を癒合するための外科手術が必要である。典型的な外科的手法の1つは、仙腸骨関節上の腰背部を切開することである。関節軟骨が両表面から除去される。このプロセスは軟骨切除術とも呼ばれる。
【0006】
仙骨および腸骨はねじまたはプレートで一緒に保持される。最終的には、仙骨と腸骨との間で骨が成長し、それにより仙腸骨関節が癒合される。癒合する予定の仙骨および腸骨の表面にアクセスする際、この種の外科手術は、仙腸骨関節を取り囲む組織、神経および/または血管に損傷をもたらすおそれがある。そのような損傷は、患者が、仙腸骨関節癒合の恩恵を十分に実感することを妨げるおそれがあり、いくつかの場合には、患者に、仙腸骨関節癒合前よりも仙腸骨関節癒合後により大きな疼痛を経験させてしまう。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施例は、仙腸骨癒合のために腸骨および仙骨の間に領域を形成するためのアンダーカッティングシステムに関する。該アンダーカッティングシステムは挿入装置、プローブアセンブリおよび切断アセンブリを含む。
【0008】
プローブアセンブリは挿入装置に動作可能に取り付けられている。プローブアセンブリは挿入装置に対して、収縮配置と伸張配置との間で移動可能である。伸張配置において、プローブアセンブリの少なくとも一部は、挿入装置から側方に伸張する。
【0009】
切断アセンブリは、プローブアセンブリおよび挿入装置に対して動作可能に取り付けられる。切断アセンブリは挿入装置に対して、収縮配置と伸張配置との間で移動可能である。伸張配置においては、切断アセンブリの少なくとも一部は、挿入装置から側方に伸張する。
【0010】
本発明の他の実施態様は、仙腸骨領域において整形外科的手法を行う方法に関する。腸骨と仙骨のうちの少なくとも1つを通って少なくとも部分的に延在する少なくとも1つの孔が形成される。
【0011】
アンダーカッティングシステムが、少なくとも部分的に該孔に挿入される。アンダーカッティングシステムは挿入装置、プローブアセンブリおよび切断アセンブリを含む。
【0012】
プローブアセンブリは挿入装置に対して、収縮位置から伸張位置まで移動され、プローブアセンブリの少くとも一部が腸骨と仙骨との間に位置される。プローブアセンブリは、腸骨と仙骨との間で操作される。
【0013】
切断アセンブリは挿入装置に対して、収縮位置から伸張位置まで移動され切断アセンブリの少くとも一部が腸骨と仙骨との間に位置される。切断アセンブリは、腸骨と仙骨との間で操作される。アンダーカッティングシステムは孔から取り出される。
【0014】
本発明の他の実施態様は、仙腸骨領域において整形外科的手法を行う方法に関する。腸骨および仙骨のうちの少なくとも1つを通って少なくとも部分的に延在する孔が少なくとも1つ形成される。
【0015】
アンダーカッティングシステムが該孔に少なくとも部分的に挿入される。アンダーカッティングシステムは切断アセンブリを含む。切断アセンブリは腸骨と仙骨との間で伸張位置まで移動される。伸張位置では、切断アセンブリの一部はアンダーカッティングシステムの外周を超えて伸張する。
【0016】
癒合領域が、腸骨と仙骨との間で切断アセンブリを移動させることによって形成される。切断アセンブリは、切断アセンブリが実質的に、アンダーカッティングシステムの外周内に収まる収縮位置まで移動される。
【0017】
アンダーカッティングシステムは孔から取り出される。繋止デバイスが腸骨孔および仙骨孔に挿入される。繋止デバイスは腸骨および仙骨を相互に対して静止した位置に保持する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】仙腸骨癒合手法で用いられるアンダーカッティングシステムの斜視図である。
図2】アンダーカッティングシステムの分解斜視図である。
図3】アンダーカッティングシステムの平面図である。
図4】アンダーカッティングシステムの底面図である。
図5図3中の線A−Aに沿ったアンダーカッティングシステムの断面図である。
図6】アンダーカッティングシステムで用いられるプローブアセンブリの端部の斜視図である。
図7図6のプローブアセンブリの端部の平面図である。
図8図6のプローブアセンブリの端部の側面図である。
図9】挿入装置の末端側端部から伸張する図6図8のプローブアセンブリの側面図である。
図10】アンダーカッティングシステムで用いられる代替プローブアセンブリの端部の斜視図である。
図11図10のプローブアセンブリの端部の平面図である。
図12図10のプローブアセンブリの端部の側面図である。
図13】アンダーカッティングシステムで用いられる他のプローブアセンブリの端部の平面図である。
図14図13のプローブアセンブリの端部の側面図である。
図15】仙腸骨癒合手法で用いられるアンダーカッティングシステムの斜視図である。
図16図15のプローブアセンブリの端部の平面図である。
図17図15のプローブアセンブリの端部の側面図である。
図18】仙腸骨癒合手法で用いるアンダーカッティングシステムの斜視図である。
図19図18のプローブアセンブリの端部の平面図である。
図20図18のプローブアセンブリの端部の側面図である。
図21】仙腸骨癒合手法で用いられる他のアンダーカッティングシステムの側面図である。
図22図21中の線分A−Aに沿った図6のアンダーカッティングシステムの断面図である。
図23図21のアンダーカッティングシステムの第2の側面図である。
図24図21のアンダーカッティングシステムの内部の説明図である。
図25図24中の線分B−Bに沿った図6のアンダーカッティングシステムの内部の断面図である。
図26】プローブアセンブリ上に延在する切断アセンブリの側面図である。
図27】プローブアセンブリ上に延在する切断アセンブリの斜視図である。
図28】プローブアセンブリ上に延在する切断アセンブリの端面図である。
図29】プローブアセンブリ上に延在する、また別の形態の切断アセンブリの斜視図である。
図30】仙腸骨癒合手法における最初の工程として仙骨および腸骨においてドリルで開けた孔の部分的破断斜視図である。
図31】孔に挿入されたアンダーカッティングシステムの部分的破断斜視図である。
図32】仙骨と腸骨との間にアンダーカット領域を形成するのに用いられるアンダーカッティングシステムの部分的破断斜視図である。
図33】開口に挿入されたファスナーの部分的破断斜視図である。
図34】2つのファスナーの所望の軌道を示すインレット蛍光透視図である。
図35】2つのファスナーの所望の軌道を示すアウトレット蛍光透視図である。
図36】2つのファスナーが挿入された後の骨盤領域の側面蛍光透視図である。
図37】2つのファスナーが挿入された後の骨盤領域のインレット蛍光透視図である。
図38】2つのファスナーが挿入された後の骨盤領域のアウトレット蛍光透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面は、実施態様のさらなる理解を促すために包含され、組み込まれており、明細書の一部を構成する。図面は実施態様を示し、詳細な説明と合わせて、実施態様の原理を説明する役割を果たす。他の実施態様および実施態様の意図された利点の多くは、以下の詳細な記載を参照することによって良好に理解されるにしたがって、容易に認識されるであろう。図面の構成要素は相互に対して必ずしも等しい縮尺ではない。同一の参照番号は対応する同一部品を示す。
【0020】
本発明の一実施態様は、図1図5に示されるような、アンダーカッティングシステム10に関する。アンダーカッティングシステム10は、仙腸骨関節癒合のために、図31に示される腸骨14および仙骨16の表面を処置するのに用いてもよい。該アンダーカッティングシステムは、腸骨14と仙骨16との間の領域22にアクセスするために、腸骨14中に形成された孔20を利用する。
【0021】
ある実施態様においては、孔20は約50ミリメートルまでの直径を有してもよい。他の実施態様においては、孔20は約5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有してもよい。
【0022】
アンダーカッティングシステム10により、軟骨のような組織を腸骨14および仙骨16の隣接表面から取り出すのを可能とし、および腸骨14および仙骨16の隣接表面の少なくとも一部を取り出すか、またはそうでなければ乱すのを可能とする。この手法により、腸骨14および仙骨16の出血する骨の表面を処置することができ、これは、仙腸骨関節癒合の一部としてそれらの間に成長する骨に対してより受容性がある。
【0023】
その後、腸骨14および仙骨16は、後により詳細に説明されるように、孔20を通って延在するねじを用いることなどにより、相互に静止した位置に保持することができる。腸骨14および仙骨16を静止した位置に維持することは、腸骨14および仙骨16の間の骨成長を容易として、それにより、仙腸骨関節を癒合させる。
【0024】
本明細書中に開示されたアンダーカッティングシステム10を用いて仙腸骨癒合を行うことは、仙腸骨癒合で用いられる先行技術と比較した場合に仙腸骨癒合の複雑性を低下させる。加えて、本明細書中に記載された概念を用いて行われた仙腸骨癒合はより少ない副作用の可能性を有する。なぜならば、先行する仙腸骨癒合技術で行われるように、これは、神経および/または血管近くで作業するのに外科医を必要としないからである。
【0025】
さらに、本明細書中で開示される装置および技術では、感染の可能性を低下させるため、正式には仙腸骨関節を曝露させない。腸骨および仙骨の表面の処置に関連する時間も、癒合のために仙腸骨関節を処置するために用いられる従来のより組織を冒す技術と比較して、短縮される。
【0026】
1つの実施態様においては、アンダーカッティングシステム10は、図1図5に示されるように、挿入装置30と、挿入装置30の末端側端部から延在するプローブアセンブリ32とを含む。
【0027】
挿入装置30は細長いシャフト40を含み、該細長いシャフト40は、その末端側端部が仙腸骨癒合プロセスのために腸骨14と仙骨16との間に領域を形成するために利用される一方で、その基部側端部が患者の体外に位置することが可能な長さに形成される。ある実施態様においては、長尺状をなすシャフト40の長さは約15センチメーチルから約45センチメートルである。
【0028】
長尺状シャフト40は、腸骨14に形成する必要がある孔20のサイズを最小化するために、外径を比較的小さく形成する。腸骨14に形成される孔20が大きくなると、腸骨14が破損を受けやすい程度まで弱体化する可能性が大きくなる。ある実施態様においては、長尺状シャフト40の外径は約6ミリメートルから20ミリメートルである。
【0029】
挿入装置30は、その基部側端部近くにハンドル部42を含む。ハンドル部42は、挿入、回転および回収など、挿入装置30を操作する能力を高める。
【0030】
ハンドル部42は、長尺状シャフト40よりも大きな直径を有してもよい。ある実施態様においては、ハンドル部42は約2センチメートルから20センチメートルの直径である。
【0031】
ハンドル部42の外縁には、複数の凹領域44を形成する。凹領域44は、ハンドル部42を握り、それにより挿入装置30を操作する能力を高める。
【0032】
挿入装置30はさらに、プローブアセンブリ32を伸張し、収縮するために用いられる制御ノブ46を含む。挿入装置30の1実施例においては、制御ノブ46は挿入装置30に対して回転可能に取り付ける。
【0033】
制御ノブ46は、ハンドル部42とは異なる直径を有してもよい。ハンドル部42とは異なる直径に制御ノブ46を形成することにより、挿入装置30を使用する者が、挿入装置30または制御ノブ46を誤操作する可能性を最小化する。
【0034】
制御ノブ46はハンドル部42より小さい直径を有してもよい。ある実施態様においては、制御ノブ46は、約2センチメートルから約20センチメートルまでの直径を有する。
【0035】
制御ノブ46の外縁には複数の凹領域48を形成してもよい。凹領域48は、制御ノブ46を握り、挿入装置30を操作する能力を高める。
【0036】
制御ノブ46の第1の方向への回転により、プローブアセンブリ32は挿入装置30の末端側端部から伸張される。第1の方向と反対の第2の方向への制御ノブ46の回転により、プローブアセンブリ32を、挿入装置30の末端側端部へと収縮させる。
【0037】
さらに挿入装置30には、ロックスクリュー50を動作可能に取り付ける。ロックスクリュー50は、長尺状シャフト40に対して略横断方向に配向し、またハンドル部42近くに位置せしめる。ロックスクリュー50は、長尺状シャフト40に螺合する。
【0038】
ロックスクリュー50は、係合した位置では、ロックスクリュー50の末端側端部は長尺状シャフト40の内部に延在し該末端側端部がプローブアセンブリ32と制御ノブ46との間を延在するカッターシャフトに係合する。ロックスクリュー50により、長尺状シャフト40に対して固定された位置に該カッターシャフトを保持して、挿入装置30に対するプローブアセンブリ32の移動を妨げる。
【0039】
ロックスクリュー50を反対方向に回転させることにより、末端側端部はカッターシャフトに係合されず、カッターシャフトは長尺状シャフト40に対して移動され、伸張位置と収縮位置との間でプローブアセンブリ32を移動させる。
【0040】
長尺状シャフト40の少なくとも一部の内部には、図2および図5において最も明瞭に示されるように、挿入装置30の他の部分にプローブアセンブリ32を動作可能に取り付ける制御メカニズム60がある。制御メカニズム60の主な機能は、プローブアセンブリ32の伸張および収縮を行なうことである。
【0041】
プローブアセンブリ32が収縮位置にある場合、プローブアセンブリ32は挿入装置30の外周内にある。そのような構成を用いることによって、長尺状シャフト40の外径と略同一の内径を有する管(カニューレ)を用いて長尺状シャフト40を患者に挿入することができる。
【0042】
制御メカニズム60は、一般に、第1の取り付けセクション62および第2の取り付けセクション64を含む。第1の取り付けセクション62は、制御ノブ46に取り付ける。第1の取り付けセクション62は、制御ノブ46が回転された場合に第1の取り付けセクション62が回転するように、制御ノブ46に固定する。
【0043】
第1の取り付けセクション62の長さは、長尺状シャフト40より短くてもよい。ある実施態様においては、第1の取り付けセクション62は、長尺状シャフト40の略1/2の長さを有する。
【0044】
第1の取り付けセクション62は、図5に最も明瞭に示されるように、長尺状シャフト40の内径よりもわずかに小さい外径を持つ略円筒形の形状を有する。この形状に第1の取り付けセクション62を形成することにより、長尺状シャフト40に対する第1の取り付けセクション62の回転および摺動が容易となる。
【0045】
第1の取り付けセクション62の末端側端部は、第2の取り付けセクション64の第1の取り付けセクション62への取り付けを容易にする接続メカニズム66を有する。このような構成においては、接続メカニズム66は末端側端部に形成された窪み70を含む。窪み70は、第2の取り付けセクション64の基部側端部よりも大きい幅および深さを有する。
【0046】
取り付けピン72を窪み70に設け、第2の取り付けセクション64が接続メカニズム66に係合することができるようにする。ある実施態様においては、取り付けピン72は、第1の取り付けセクション62に対して略垂直方向に配向する。
【0047】
孔74を取り付けセクション64の基部側端部に形成する。孔74は、取り付けピン72よりもわずかに大きな直径を有してもよい。そのような構成を用いることにより、取り付けピン72は孔74内に延在し、第1の取り付けセクション62は第2の取り付けセクション64に対して固定される。
【0048】
以上の構成をもって接続メカニズム66を形成することにより、第1の取り付けセクション62および第2の取り付けセクション64が長尺状シャフト40によって覆われていない場合に、第2の取り付けセクション64を第1の取り付けセクション62に取り付けることが可能となる。
【0049】
他方、長尺状シャフト40が第1の取り付けセクション62および第2の取り付けセクション64上に位置する場合、第2の取り付けセクション64は第1の取り付けセクション62と係合状態に保持される。
【0050】
当業者であれば、第1の取り付けセクション62および第2の取り付けセクション64の長尺状シャフト40に対する摺動および回転を可能とする限りは、異なる構造を用いて、第1の取り付けセクション62および第2の取り付けセクション64を取り付けることが可能であることを認識するであろう。
【0051】
図では、プローブアセンブリ32とアンダーカッティングシステム10の他の構成要素との間に機械的な接続が設けられているが、プローブアセンブリ32とアンダーカッティングシステム10の他の構成要素との間に電気的接続を利用することも可能である。そのような電気的接続は、スイッチおよびアクチュエータを利用してもよい。空気式および油圧式システムを用いて、プローブアセンブリ32とアンダーカッティングシステム10の他の構成要素とを動作可能に接続することも可能である。
【0052】
プローブアセンブリ32とアンダーカッティングシステム10の他の構成要素との間の機械的接続は、アンダーカッティングシステムが機械的接続を含まなかった場合よりも、プローブアセンブリ32の挿入装置からの伸張を、かなり容易かつ制御可能に行うことを可能とする機械的な利点を堤供する。
【0053】
本発明により、挿入プロセスの間にプローブアセンブリ32が損傷を受ける可能性を最小化する。本発明はまた、癒合領域のサイズに対する制御も高める。
【0054】
接続メカニズム66は、接続メカニズム66を第1の取り付けセクション62に取り付けるボールタイプのコネクタ80を含む。ボールタイプのコネクタ80は、接続メカニズム66上のボール形状の延長部82と第1の取り付けセクション62の末端側端部に形成された窪み84から成る。窪み84は、ボール形状の延長部82の形状に対して略相補的な形状を有する。
【0055】
接続メカニズム66と第2の取り付けセクション64との取り付けと同様に、第1の取り付けセクション62および接続メカニズム66が長尺状シャフト40によって覆われていない場合、ボールタイプのコネクタ80は第1の取り付けセクション62を接続メカニズム66に取り付けることを可能にする。
【0056】
他方、長尺状シャフト40が第1の取り付けセクション62および接続メカニズム66上に位置する場合、ボール形状の延長部82は窪み84と係合状態に保持される。
【0057】
プローブアセンブリ32は、第2の取り付けセクション64の末端側端部に取り付ける。長さの異なる複数のプローブアセンブリ32の使用を受け入れるためには、アンダーカッティングシステム10に長さの異なる複数の第2の取り付けセクション64を設けてもよい。別法として、または加えて、アンダーカッティングシステム10は、異なる長さを有する複数の第1の取り付けセクション62を含んでよい。そのような構成を用いることによって、第1の取り付けセクション62と第2の取り付けセクション64のうちの一方をプローブアセンブリ32の長さに基づいて選択することを可能とする。
【0058】
ボール形状の延長部82を用いる利点は、挿入装置30に相対的にプローブアセンブリ32を伸張または収縮する場合など、この接続メカニズムによって、プローブアセンブリ32を回転させることなく、制御ハンドルを回転することが可能となることにある。
【0059】
第2の取り付けセクション64の末端側端部には窪み90を形成する。窪み90の深さは、プローブアセンブリ32の基部側端部の厚みよりも大きくする。窪み90は、第2の取り付けセクション64の幅の少なくとも一部を横切って延在せしめる。
【0060】
窪み90に取り付けピン92を設け、プローブアセンブリ32が第2の取り付けセクション64に係合することを可能にしてもよい。ある実施態様においては、取り付けピン92は第2の取り付けセクション64に対して略垂直に配向する。
【0061】
第2の取り付けセクション64は、後により詳細に論ずるが、端部キャップ100中に形成されたチャネル96よりも高さおよび幅共にわずかに小さく形成する。これらの寸法にて第2の取り付けセクション64を形成することは、第2の取り付けセクション64がチャネル96中を摺動することを可能とする。
【0062】
キャップ100は、図5に最も明瞭に示されるように、長尺状シャフト40の末端側端部に位置せしめる。そうすることにより、キャップ100は長尺状シャフト40をシールし、組織および流体が長尺状シャフト40に入るのを制限する。
【0063】
キャップ100の末端側端面を長尺状シャフト40に対して略垂直方向に配向することが可能である一方で、キャップ100の末端側端面は、長尺状シャフト40に対して約90度未満の角度に配向してもよい。ある実施態様においては、キャップ100の末端側端面は、図5に示されるように、約45度から約60度の間の角度に配向する。
【0064】
上記のように、キャップ100にはチャネル96を形成する。チャネル96は、基部側端部付近では、長尺状シャフト40の中央軸と略整列させても、オフセットしてもよい。末端側端部近くでは、チャネル96は、長尺状シャフト40の中央軸に対して略垂直方向に配向してもよい。そうすることにより、チャネル96は、プローブアセンブリ32が、腸骨14および仙骨16の少なくとも一方の表面に略整列する方向に挿入装置から出ることを可能とする。
【0065】
基部側端部と末端側端部の中間では、チャネル96は曲がっている。曲率半径は種々の因子によって決定してもよい。そのような因子の一例はプローブアセンブリ32の部分の可撓性である。
【0066】
そうすることにより、チャネル96はプローブアセンブリ32を、プローブアセンブリ32がキャップ100から伸張する場合に、図5に示したように、プローブアセンブリ32が長尺状シャフト40に対して略横切る方向に配向されるように偏向させ、その結果、プローブアセンブリ32は腸骨14と仙骨16との間の領域中に伸張されるようにする。
【0067】
キャップ100は、自身を貫通して延在する、長尺状シャフト40の軸に対して略垂直である孔106を有する。長尺状シャフト40は、キャップ100の孔106に略整列する孔を含有する。ピン110は孔106およびキャップ100の孔を通って延び、それにより、キャップ100を長尺状シャフト40に対して静止した位置に保持する。
【0068】
プローブアセンブリ32は、ここにより詳細に論ずるように、種々の構成を有する。その実施態様の1つにおいては、プローブアセンブリ32は、図2および図6図8に示されるように、長尺状をなす。プローブアセンブリ32の基部側端部は第2の取り付けセクション64に動作可能に取り付け、末端側端部はアンダーカッティングシステム10から延ばす。このプローブアセンブリ32は、使用の初期で腸骨14および/または仙骨16の表面の位置をつき止める際に特に有用である。
【0069】
プローブアセンブリ32は約2ミリメートルまでの厚みを有してもよい。ある実施態様においては、プローブアセンブリ32は、約0.4ミリメートルから約0.6ミリメートルの厚みを有してもよい。前記の寸法のプローブアセンブリ32は、捻じれ、またはそうでなければ変形に抵抗しつつ、末端−基部方向に可撓性を持つプローブアセンブリ32を提供する。
【0070】
プローブアセンブリ32は、腸骨14または仙骨16の形状または向きの変化に応答して偏向することが可能である。そのような偏向は重要である。なぜならば、腸骨14と仙骨16との間にある軟骨よりも、腸骨14および仙骨16の骨を切り開くほうが、かなり困難だからである。
【0071】
プローブアセンブリ32は直径方向に十分な剛性を有する。そのような構成は、腸骨14と仙骨16との間の組織をプローブアセンブリ32と接触させる場合など、プローブアセンブリ32がアンダーカッティングシステム10の回転に応答した変形に抵抗することを可能とする。
【0072】
プローブアセンブリ32の幅は、長尺状シャフト40の内径以下であってもよい。そのような構成にプローブアセンブリ32を形成することにより、プローブアセンブリ32が収縮配置にある場合に、実質的に長尺状シャフト40の輪郭内にプローブアセンブリ32が位置することが可能となり、アンダーカッティングシステム10の末端側端部の、腸骨14の孔20を通しての挿入に、プローブアセンブリ32は干渉しない。
【0073】
プローブアセンブリ32は約2ミリメートルから約5ミリメートルの幅を有してもよい。ある実施例においては、プローブアセンブリ32は約3ミリメートルの幅を有する。
【0074】
プローブアセンブリ32の側縁は、腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くには十分である。鋭くした縁のないプローブアセンブリ32では、プローブアセンブリ32を回転させつつ腸骨14および仙骨16へと切り込むのは困難となる。
【0075】
このプロセスによって、腸骨14と仙骨16との間の最初の経路を画定することが可能となる。このプロセスは関節ラインを画定するものとして認識される。後により詳細に論ずるように、腸骨14と仙骨16との隣接する表面は、相互に実質的に平行に配向されていなくてもよく、また孔20の向きに対して半径方向に配向されていなくてもよい。
【0076】
関節ラインを画定する際、プローブアセンブリ32は腸骨14と仙骨16との間の関節内領域を通過する。関節内領域中の軟骨および靭帯は、腸骨14および仙骨16よりも切断が、かなり容易である。
【0077】
一旦この経路が画定されれば、本明細書中に記載されるような切断アセンブリを用いて、仙腸骨癒合プロセスの一部として腸骨14と仙骨16との間により広い領域を形成することが可能である。
【0078】
このプロセスを用いることによって、切断アセンブリが、腸骨14または仙骨16中へと余りにも深く切り込む可能性は低下する。なぜならば切断アセンブリは、プローブアセンブリ32によって画定された関節ラインをたどるからである。
【0079】
別法として、プローブアセンブリ32はその少なくとも1つの縁上に切断表面を含んでもよい。ある実施態様においては、切断表面はプローブアセンブリ32の双方の側縁に設ける。切断表面を該側縁に設れば、プローブアセンブリ32の、時計方向および反時計方向に回転されつつ切断する能力を高める。
【0080】
ある実施態様においては、プローブアセンブリ32の末端側端部は、切断表面を有していない。切断表面を有さない末端側端部を形成することにより、プローブアセンブリ32が挿入装置30から伸張されるにつれて、腸骨14または仙骨16へと切り込むプローブアセンブリ32の傾向は低下する。
【0081】
プローブアセンブリ32の基部側端部に孔94を形成してもよい。孔94は、取り付けピン92よりもわずかに大きな直径とする。そのような構成を用いることによって、取り付けピン92は孔94の中まで延在し、プローブアセンブリ32を第2の取り付けセクション64に対して固定することができる。
【0082】
孔94がプローブアセンブリ32を弱体化するので、孔94は余り大きくすべきではない。大きくしすぎることによって、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断するためにアンダーカッティングシステムを使用している間に発生するような力がプローブアセンブリ32に加わった場合に、プローブアセンブリ32に故障を引き起こしかねない。
【0083】
孔94は略円形であってもよく、約0.5ミリメートルから約5ミリメートルまでの直径を有してもよい。他の実施態様においては、孔94は、約1.5ミリメートルから約2ミリメートルまでの直径を有する。
【0084】
当業者であれば、第2の取り付けセクション64およびプローブアセンブリ32の、長尺状シャフト40に対する摺動および回転を可能とするものであれば、異なる構造を用いて、第2の取り付けセクション64とプローブアセンブリ32を取り付けることが可能であることを認識するであろう。
【0085】
上記の形状および特徴を有するものであれば、プローブアセンブリ32は種々の材料から形成してもよい。当業者であれば、プローブアセンブリ32を製造するのに用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきであることは認識するであろう。プローブアセンブリ32を製造するためのそのような材料の一例はニチノール(nitinol)である。ニチノールの有益な特質は、ニチノールが屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれると、屈曲していない構成に戻ることである。
【0086】
プローブアセンブリ32は、図9に示されるように、挿入装置30の末端側端部から伸張される。次いで、挿入装置30を回転させて、プローブアセンブリ32を腸骨14と仙骨16との間の組織を通って移動させる。挿入装置30の回転は、単一方向であっても、時計方向および反時計方向の両方向であってもよい。この回転は、挿入装置30の回転中に最小の抵抗を感じるまで継続してもよい。
【0087】
別の実施態様においては、切断エレメント234を、プローブアセンブリ32の末端側端部近くに取り付けて、図10図12に示されるような切断アセンブリ232を形成してもよい。
【0088】
切断アセンブリ232は約2ミリメートルまでの厚みを有してもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリ232は約0.4ミリメートルから約0.6ミリメートルの厚みとする。前記寸法の切断アセンブリ232を使用することによって、捻じれ、またはそうでなければ変形に抵抗しつつ末端−基部方向に可撓性を持つ切断アセンブリ232を堤供できる。
【0089】
該抵抗は、切断アセンブリ232が腸骨14または仙骨16の形状または向きの変化に応答して偏向することを可能とする。そのような偏向は重要である。なぜならば、腸骨14と仙骨16との間にある軟骨よりも、腸骨14および仙骨16の骨を切り開くほうがかなり困難だからである。
【0090】
この切断アセンブリ232の構成は、直径方向に十分な剛性を持つ切断アセンブリ232を堤供する。そのような構成は、腸骨14および仙骨16の間の組織が切断アセンブリ232に接触する場合のように、切断プロセスの間にアンダーカッティングシステム10の回転に応答した変形に、切断アセンブリ232が抵抗することを可能とする。
【0091】
切断アセンブリ232の幅は、長尺状シャフト40の内径以下とする。そのような切断アセンブリ232に形成することにより、切断アセンブリ232が収縮配置にある場合に、切断アセンブリ232が長尺状シャフト40の輪郭内に位置することを可能とし、その結果、腸骨14の孔20を通って延在するアンダーカッティングシステム10の末端側端部の挿入に干渉しない。
【0092】
切断アセンブリ232の幅は約2ミリメートルから約5ミリメートルであってもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリ232は約3ミリメートルの幅を有する。
【0093】
切断アセンブリ232の側縁は、腸骨14および仙骨16の間の組織を切り開くのに十分である。鋭くした縁のない切断アセンブリ232の使用は、切断アセンブリ232を回転させつつ腸骨14および仙骨16へと切り込む切断アセンブリ232の傾向を低下させうる。
【0094】
別法として、切断アセンブリ232はその少なくとも1つの縁に切断表面を含んでもよい。ある実施態様においては、切断表面は切断アセンブリ232の双方の側縁に設ける。切断表面を両側縁に設けることにより、切断アセンブリ232の、時計方向および反時計方向に回転されつつ切断する能力が高められる。
【0095】
ある実施態様においては、切断アセンブリ232の末端側端部は切断表面を有しない。切断表面のない末端側端部に形成することによって、切断アセンブリ232が挿入装置30から前進するにつれて、腸骨14または仙骨16へと切り込む切断アセンブリ232の傾向は低下する。
【0096】
切断アセンブリ232の基部側端部に、孔294を形成する。孔294は、取り付けピン92よりもわずかに大きな直径とする。そのような構成を用いることにより、取り付けピン92は孔294まで延在し、切断アセンブリ232を第2の取り付けセクション64に対して固定された関係に保持する。
【0097】
孔294は切断アセンブリ232を弱体化するので、孔294は余りにも大きくすべきではない。孔が大きすぎると、腸骨14と仙骨16との間から組織を切断するためにアンダーカッティングシステムを使用している間に発生するような力が切断アセンブリ232に加わった場合に、切断アセンブリ232に故障を引き起こしかねない。
【0098】
孔294は略円形であってもよく、約0.5ミリメートルから約5ミリメートルの直径を有してもよい。他の実施態様においては、孔294は約1.5ミリメートルから約2ミリメートルの直径とする。
【0099】
当業者であれば、長尺状シャフト40に対する第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ232の摺動および回転を可能とするものであれば、異なる構造を用いて第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ232を取り付けることは可能であることを認識するであろう。
【0100】
上記の形状および特徴を有する切断アセンブリ232は種々の材料から形成されてもよい。当業者であれば、切断アセンブリ232を製造するのに用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきである。切断アセンブリ232を製造するためのそのような材料の一例はニチノールである。ニチノールの有益な特質は、ニチノールは屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれた場合に、屈曲していない構成に戻ることである。
【0101】
ある実施態様においては、切断エレメント234は、切断アセンブリ232の少なくとも片側から延在する略円筒形構成を有する。切断エレメント234は、切断アセンブリ232の両側に実質的に等しい距離だけ延在するものであってもよい。
【0102】
切断エレメント234の端面間の距離は、挿入装置30が腸骨14と仙骨16との間の領域に挿入される、およびその領域から取り出される場合に、切断エレメント234を取り付けた切断アセンブリ232を挿入装置30内に収縮されるように、長尺状シャフト40の内径によって制限する。
【0103】
ある実施態様においては、切断アセンブリ232の両側の切断エレメント234の高さは約1ミリメートルから約5ミリメートルとする。他の実施態様においては、切断アセンブリ232の両側の切断エレメント234の高さは約2ミリメートルとする。
【0104】
図では切断エレメント234の高さは切断アセンブリ232の両側で略等しいが、切断アセンブリ232の両側で切断エレメント234の高さが略等しくならないように切断エレメントを構成することは可能である。
【0105】
ある実施態様においては、切断エレメント234の直径は約1ミリメートルから約5ミリメートルとする。他の実施態様においては、切断エレメント234の直径は約3ミリメートルである。
【0106】
図では切断エレメント234の直径は切断アセンブリ232の両側で略等しいが、切断アセンブリ232の両側で切断エレメント234の直径を等しくないように切断エレメント234を構成することは可能である。
【0107】
切断エレメント234の末端側の縁236は、腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くには十分である。鋭くした縁のない切断エレメント234の使用は、切断アセンブリ232を回転しつつ、腸骨14および仙骨16へと切り込む切断エレメント234の傾向を低下させうる。他の実施態様においては、切断エレメント234の直径は、切断アセンブリ232から離れた部分よりも、切断アセンブリ232付近が小さい。
【0108】
別法として、切断エレメント234の末端側の縁236を鋭くし、腸骨14および仙骨16の表面近くの組織の切断を容易にしてもよい。
【0109】
切断エレメント234の端面間の距離により、アンダーカッティングシステム10を用いて形成される腸骨14と仙骨16との間の領域の厚みを画定する。
【0110】
アンダーカッティングシステム10は、末端側端部間の距離の異なる切断エレメント234を有する複数の切断アセンブリ232を含む。まず、切断アセンブリ232のうち、端面間の距離が最も小さい切断エレメント234を有するものを最初に用い、その後、端面間の距離がより長い切断エレメント234を有する切断アセンブリ232を徐々に使用し、腸骨14と仙骨16との間に徐々に広い領域を形成する。
【0111】
出血骨を曝露させることによって腸骨14および仙骨16の表面を処置するのが望ましい一方で、切断アセンブリ232および切断エレメント234が腸骨14または仙骨16の表面内に余りにも深く掘り進むことを回避するのが望ましい。切断アセンブリ232が腸骨14または仙骨16の表面内に余りにも深く掘り進んだ場合、切断アセンブリ232を回転させるのがより困難となる。なぜならば、腸骨14および仙骨16は、腸骨14と仙骨16との間に位置する組織よりも、かなり硬いからである。上記の特徴を有する切断アセンブリ232および切断エレメント234はこれらの要望を満足する。
【0112】
上記の形状および特徴を有する切断エレメント234は、種々の材料から形成できる。当業者であれば、切断エレメント234を製造するのに用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきであることは認識するであろう。切断エレメント234を製造するに適当な材料の一例はステンレス鋼である。
【0113】
切断エレメント234の切断アセンブリ232への取り付けは、切断エレメント234を切断アセンブリ232に固定して取り付けられるようにするものであれば、種々の技術を用いてもよい。切断エレメント234を切断アセンブリ232に取り付ける適当な技術の1つは溶接である。
【0114】
別法として、ブロックを機械加工することにより実質的に平坦な切断アセンブリ232と切断アセンブリ232から延在する切断エレメント234とを堤供するなど、切断アセンブリ232と切断エレメント234とを単一のユニットとして製造することは可能である。
【0115】
別の実施態様においては、切断エレメント334を、図6図8に示されたプローブアセンブリ32の末端側端部近くに取り付けて、図13および図14に示されたような切断アセンブリ332を形成してもよい。
【0116】
切断アセンブリ332は約2ミリメートルの厚みを有する。ある実施態様においては、切断アセンブリ332は約0.4ミリメートルから約0.6ミリメートルの厚みを有してもよい。前記寸法を備えた切断アセンブリ332は、捻じれ、またはそうでなければ変形に抵抗しつつ、末端−基部方向の可撓性を持つ。
【0117】
該抵抗は、腸骨14または仙骨16の形状または向きの変化に応答して切断アセンブリ332を偏向することを可能とする。そのような偏向は重要である。なぜならば、腸骨14と仙骨16との間にある組織よりも、腸骨14および仙骨16の骨を切り開くほうが、かなり困難だからである。
【0118】
この切断アセンブリ332の構成は、切断アセンブリ332に半径方向の十分な剛性を堤供する。このような構成は、腸骨14と仙骨16との間の組織が切断アセンブリ332と接触する場合のように、切断プロセスの間にアンダーカッティングシステム10の回転に応答した変形に切断アセンブリ332が抵抗することを可能とする。
【0119】
切断アセンブリ332は、長尺状シャフト40の内径以下の幅とする。そのような構成に切断アセンブリ332を形成することによって、切断アセンブリ332が収縮配置にある場合に、切断アセンブリ332が長尺状シャフト40の輪郭内に位置することを可能にし、切断アセンブリ332が、腸骨14の孔20を通って延びるアンダーカッティングシステム10の末端側端部の挿入に干渉しない。
【0120】
切断アセンブリ332は、約2ミリメートルから約5ミリメートルの幅を有する。ある実施態様において、切断アセンブリ332は約3ミリメートルの幅を有してもよい。
【0121】
切断アセンブリ332の側縁は腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くのに十分なものとする。鋭くした縁のない切断アセンブリ332の使用は、切断アセンブリ332を回転して、腸骨14と仙骨16との間にある組織を切断しつつ、腸骨14および仙骨16へと切り込む切断アセンブリ332の傾向を低下させる。
【0122】
別法として、切断アセンブリ332はその少なくとも1つの縁に切断表面を設ける。ある実施態様においては、切断表面は切断アセンブリ332の双方の側縁に設ける。両側縁に切断表面を堤供することにより、時計方向および反時計方向に回転されつつ切断する切断アセンブリ332の能力を高める。
【0123】
ある実施態様においては、切断アセンブリ332の末端側端部は切断表面を有しなくてもよい。末端側端部を切断表面のない形とすることにより、切断アセンブリ332が挿入装置30から前進するにつれて、腸骨14または仙骨16へと切り込む切断アセンブリ332の傾向は低下する。
【0124】
孔394が、切断アセンブリ332の基部側端部に形成されてもよい。孔394は、取り付けピン92よりもわずかに大きな直径とする。そのような構成を用いることにより、取り付けピン92は孔394中まで延在させ、切断アセンブリ332を第2の取り付けセクション64に対して固定した関係に保持する。
【0125】
孔394は、切断アセンブリ332を弱体化するため、孔394は余り大きくすべきではない。大きすぎる孔は、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断するためにアンダーカッティングシステムを使用する際に発生するような力が切断アセンブリ332に加わった場合に、切断アセンブリ332に故障を引き起こしかねない。
【0126】
孔394は略円形であって、約0.5ミリメートルから約5ミリメートルの直径を有する。他の実施態様においては、孔394は約1.5ミリメートルから約2ミリメートルの直径としてもよい。
【0127】
当業者であれば、長尺状シャフト40に対する第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ332の摺動および回転を可能とするものであれば、異なる構造を用いて第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ332を取り付けることが可能であることを認識するであろう。
【0128】
上記の形状および特徴を有するものであれば、切断アセンブリ332は種々の材料から形成してもよい。当業者であれば、切断アセンブリ332を製造するのに用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきなことは認識するであろう。切断アセンブリ332を製造するためのそのような材料の一例はニチノールである。ニチノールの有益な特質は、ニチノールが屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれた場合に、屈曲していない構成に戻ることである。
【0129】
ある実施態様においては、切断エレメント334は、切断アセンブリ332の少なくとも片側から延在する略平面状構成を有する。切断エレメント334は、切断アセンブリ332の両側に実質的に等しい距離だけ延在してもよい。切断エレメント334は、上下端縁340と一対の側縁342によって画定される略矩形形状を有してもよい。
【0130】
図では切断エレメント334の高さは切断アセンブリ332の両側で略等しいが、切断エレメント334の高さが切断アセンブリ332の両側で略等しくないように切断エレメント334を構成することは可能である。
【0131】
上下端縁340の高さは、挿入装置30が腸骨14と仙骨16との間の領域に挿入される、およびその領域から取り出されるときに、切断アセンブリ332が挿入装置30内に収縮されるように、長尺状シャフト40の内径によって制限する。
【0132】
ある実施態様においては、切断アセンブリ332の両側の切断エレメント334の高さは約1ミリメートルから約5ミリメートルである。他の実施態様においては、切断アセンブリ332の両側の切断エレメント334の高さは約3ミリメートルである。
【0133】
ある実施態様においては、切断エレメント334の幅は、切断アセンブリ332の両側で略同一である。切断エレメント334の幅は約1ミリメートルから約5ミリメートルであってもよい。他の実施態様において、切断エレメント334の幅は約3ミリメートルである。
【0134】
上下端縁340と各側縁342の交点近くの角は湾曲していてもよい。そのような湾曲は、上下端側縁340と側縁342が達成するであろう切断エレメント334の切断能力を低下させかねない一方で、この湾曲は、腸骨14および仙骨16の表面を深く掘り進む切断エレメント334の傾向を低下させる。この構成の結果として、切断エレメント334は、腸骨14および仙骨16の切断ではなく、腸骨14と仙骨16との間の組織に優先的に切り込むようになる。
【0135】
図では切断エレメント334は実質的に同等の厚みを有するが、切断エレメント334の厚みは変化させることが可能である。ある実施態様においては、切断エレメント334の厚みは、切断エレメント334の屈曲または変形に抵抗せしめるために切断アセンブリ332の近くをより大きくしてもよい。
【0136】
ある実施態様においては、切断エレメント334の厚みは約0.2ミリメートルから約2ミリメートルであってもよい。他の実施態様においては、切断エレメント334の厚みは約0.5ミリメートルであってもよい。
【0137】
図では切断エレメント334の厚みは切断アセンブリ332の両側で略等しいが、切断アセンブリ332の両側の切断エレメント334の厚みを等しくないように切断エレメント334を構成することは可能である。
【0138】
切断エレメント334の上下端縁340は腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くのに十分である。鋭くした縁のない切断エレメント334の使用は、切断アセンブリ332を回転しつつ、腸骨14および仙骨16へと切り込む切断エレメント334の機能を低下させる。
【0139】
別法として、腸骨14および仙骨16の表面近くの組織の切断を容易にするために、切断エレメント334の端縁を鋭くしてもよい。
【0140】
切断エレメント334は、切断エレメント334が切断アセンブリ332の長さ方向に対して略平行でないように、切断アセンブリ332に対して角度をもって配向してもよい。ある実施態様においては、切断エレメント334は約0度から約60度の角度に配向する。他の実施態様においては、切断エレメント334と切断アセンブリ332との間の角度は約30度とする。
【0141】
切断エレメント334を切断アセンブリ332の長さ方向に対して角度をもって配向することにより、縁のうち1つは前方に配置される。そのような構成は、切断エレメント334が回転されるにつれて、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断する切断エレメント334の能力を増大する。
【0142】
切断エレメント334は切断アセンブリ332の表面に対して略直角方向に配向すると説明してきたが、切断エレメント334を切断アセンブリ332の表面に対して角度をもって配向することは可能である。ある実施態様においては、切断エレメント334と切断アセンブリ332の表面との間の角度は約60度から約90度とする。
【0143】
切断エレメント334を切断アセンブリ332の末端側端部に設置することは可能であるが、ある実施態様においては、切断エレメント334は切断アセンブリ332の末端側端部から距離を置いて取り付ける。切断エレメント334を切断アセンブリ332の末端側端部から距離を置いて取り付けることにより、切断エレメント334が腸骨14と仙骨16との間の組織を通る経路を画定する主な構成要素であるのと対照的に、切断アセンブリ332が腸骨14と仙骨16との間の組織を通る経路を画定することを可能とする。
【0144】
切断エレメント334と切断アセンブリ332の末端側端部との距離は約1ミリメートルから約5ミリメートルとする。他の実施態様においては、切断エレメント334と切断アセンブリ332の末端側端部との距離は約3ミリメートルである。
【0145】
切断エレメント334は、切断アセンブリ332の側縁間の略中間に位置させてもよい。切断エレメント334をこの位置に設置することにより、もし切断エレメント334を切断アセンブリ332の側縁のうちの1つの近く位置させれば起こるであろう、切断アセンブリ332の捻じれを低下しうる。
【0146】
上記の形状および特徴を有するならば、切断エレメント334は種々の材料から形成してもよい。当業者であれば、切断エレメント334を製造する際に用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきことは認識するであろう。切断エレメント334を製造するためのそのような材料の一例はニチノールである。
【0147】
ある実施態様においては、切断アセンブリ332は切断エレメント334とは別々に製造してもよい。このような方法で当該構造を形成することにより、様々な材料を切断アセンブリ332および切断エレメント334を製造する際に用いることが可能となり、各材料を関連構造の機能に基づいて最適化しうる。
【0148】
切断エレメント334は、切断エレメント334が切断アセンブリ332に固定して取り付けられるようにする技術であれば、種々の技術を用いて切断アセンブリ332に取り付けてもよい。切断エレメント334を切断アセンブリ332に取り付けるに適したそのような技術の1つは溶接である。
【0149】
別法として、ブロックを機械加工することによって実質的に平坦な切断アセンブリ332と切断アセンブリ332から延びる切断エレメント334とを堤供するなど、切断アセンブリ332および切断エレメント334を単一のユニットとして製造することは可能である。
【0150】
アンダーカッティングシステム10は、切断エレメント334と切断アセンブリ332の末端側端部間の距離が異なる複数の切断アセンブリ332を含んでもよい。複数の切断アセンブリ332のうち、切断エレメント334の上記距離が最も小さいものを最初に用い、その後、上記距離がより長い切断アセンブリ332を徐々に用いて、腸骨と仙骨との間の領域を徐々に広く形成する。
【0151】
切断エレメント334を比較的可撓性のある切断アセンブリ332上に設置することにより、切断アセンブリ332による腸骨14または仙骨16の表面の掘り進みを最小化しつつ、腸骨14と仙骨16との間の領域を仙腸骨癒合のために処置することが可能となる。
【0152】
出血骨を曝露することによって腸骨14および仙骨16の表面を処置するのが望ましい一方で、切断アセンブリ332が腸骨14または仙骨16の表面を余りにも深く掘り進むことは回避することが望ましい。切断アセンブリ332が腸骨14または仙骨16の表面を余りにも深く掘り進んだ場合、腸骨14および仙骨16は、腸骨14と仙骨16との間に位置する組織よりもかなり硬いため、切断アセンブリ332を回転させることがより困難となる。上記した特徴を有する切断アセンブリ332および切断エレメント334はこれらの基準を満足する。
【0153】
別の実施態様においては、切断アセンブリ432は、図6図8に示したプローブアセンブリ32の形状と略同様な長尺形状を有してもよい。しかしながら、切断アセンブリ432は、図15図17に示したように、2つの切断アセンブリストリップ432a、432bを含んでよく、その各々には、複数のウェーブ440を形成する。
【0154】
切断アセンブリストリップ432a、432bは、約2ミリメートルまでの厚みを有してもよい。ある実施態様において、切断アセンブリストリップ432a、432bは、約0.1ミリメートルから約0.3ミリメートルの厚みを有する。前記寸法の切断アセンブリストリップ432a、432bの使用は、捻じれ、またはそうでなければ変形に抵抗しつつ末端−基部方向の可撓性を備えた切断アセンブリストリップ432a、432bを堤供する。
【0155】
該抵抗は、腸骨14または仙骨16の形状または向きの変化に応答して切断アセンブリストリップ432a、432bが偏向することを可能とする。そのような偏向は重要である。なぜならば、腸骨14と仙骨16との間にある組織を切り開くよりも、腸骨14と仙骨16との間の骨を切り開くことはかなり困難だからである。
【0156】
この切断アセンブリストリップ432a、432bの構成は、半径方向の十分な剛性を切断アセンブリストリップ432a、432bに与える。このような構成は、腸骨14と仙骨16との間の組織を切断アセンブリ432と接触させる場合など、切断アセンブリストリップ432a、432bが、切断プロセス中のアンダーカッティングシステムの回転に応答した変形に抵抗することを可能とする。
【0157】
切断アセンブリストリップ432a、432bは、長尺状シャフト40の内径以下の幅とする。そのような構成を備えた切断アセンブリストリップ432a、432bは、切断アセンブリ432が収縮配置にある場合に、切断アセンブリ432が長尺状シャフト40の輪郭内に位置することを可能とし、切断アセンブリ432は、腸骨14の開口20を通って延びるアンダーカッティングシステムの末端側端部の挿入に干渉しない。
【0158】
切断アセンブリストリップ432a、432bは約2ミリメートルから約5ミリメートルの幅を有してもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリストリップ432a、432bは約3ミリメートルの幅を有する。
【0159】
切断アセンブリストリップ432a、432bの側縁は、腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くのに十分ならしめる。鋭くした縁のない切断アセンブリストリップ432a、432bの使用は、切断アセンブリ432を回転しつつ腸骨14および仙骨16中へと切り込む切断アセンブリ432の能力を低下する。
【0160】
別法として、切断アセンブリストリップ432a、432bは、その少なくとも1つの縁に切断表面を含んでもよい。ある実施態様においては、切断表面は、切断アセンブリストリップ432a、432bの双方の側縁に設ける。切断表面を両側縁に設けることにより、切断アセンブリ432を時計方向および反時計方向に回転しつつ、腸骨14と仙骨16との間の組織を切断する切断アセンブリ432の能力が高められる。
【0161】
ある実施態様においては、切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部は切断表面を有しなくてもよい。切断表面のない末端側端部を形成することによって、切断アセンブリ432が挿入装置30から前進するにつれて、腸骨14または仙骨16へ切り込む切断アセンブリ432の傾向は低下する。
【0162】
孔494を、切断アセンブリ432の基部側端部に形成する。孔494は、取り付けピン92よりもわずかに大きな直径を有する。このような構成を用いることにより、取り付けピン92は孔494の中まで延在し、切断アセンブリ432を第2の取り付けセクション64に対して固定された関係に保持する。
【0163】
孔494は、切断アセンブリ432を弱体化するので、余り大きくすべきではない。孔を大きくしすぎることにより、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切り取るためにアンダーカッティングシステムの使用中に発生するような力が切断アセンブリ432に加わった場合に、切断アセンブリ432に故障を引き起こしかねない。
【0164】
孔494は略円形であってよく、約0.5ミリメートルから約5ミリメートルの直径を有してもよい。他の実施態様においては、孔494は約1.5ミリメートルから約2ミリメートルの直径を有する。
【0165】
当業者であれば、第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ432の長尺状シャフト40に対する摺動および回転を可能とする構造であれば、異なる構造を用いて第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ432を取り付けることが可能であることを認識するであろう。
【0166】
1つの実施例においては、切断アセンブリストリップ432a、432bは各々、波状に形成され、次いで、切断アセンブリストリップ432a、432bは相互に取り付けられる。ウェーブセクション440は、切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部近くに位置させる。
【0167】
ある実施態様においては、ウェーブセクション440が、切断アセンブリストリップ432a、432bの全長の約30パーセントから70パーセントの間に位置する。他の実施態様においては、ウェーブセクション440は、切断アセンブリストリップ432a、432bの全長の約50パーセントから60パーセントに位置する。
【0168】
切断アセンブリストリップ432a、432b上のウェーブセクション440の長さは約10ミリメートルから約30ミリメートルである。ある実施態様においては、切断アセンブリストリップ432a、432b上のウェーブセクション440の長さは約15ミリメートルから約20ミリメートルとする。
【0169】
最も末端側のウェーブと切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部との間に間隔があってもよい。このように切断アセンブリストリップ432a、432bを形成することによって、比較的平坦な末端側端部を備えた切断アセンブリ432を堤供する。この比較的平坦な末端側端部は、切断アセンブリ432を腸骨14または仙骨16の表面を切り込ませるために用いるのではなく、腸骨14と仙骨16との間の組織を通って切断アセンブリ432をガイドするのに用いられる。
【0170】
ある実施態様においては、最も末端側ウェーブと切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部との間隔は約1ミリメートルから約5ミリメートルである。他の実施態様においては、最も末端側のウェーブと切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部との間隔は約2ミリメートルから約3ミリメートルである。
【0171】
切断アセンブリストリップ432a、432bに含まれるウェーブ440の数は、種々の因子によって決定してもよい。これらの因子の例として、切断アセンブリストリップ432a、432bの強度に影響を及ぼすことなく、かつ鋭い湾曲ラインが切断アセンブリストリップ432a、432bの上昇部分と下降部分との間に形成されることなく、切断アセンブリストリップ432a、432bを曲げることができる角度が挙げられる。
【0172】
ある実施態様においては、2個から10個までのウェーブ440が、切断アセンブリストリップ432a、432bに形成される。他の実施態様においては、4個程度のウェーブ440が切断アセンブリストリップ432a、432bに形成される。ウェーブ440は各々、実質的に同様な形状を有するよう図では示されているが、異なる形状を有する複数のウェーブ440を形成することは可能である。例えば、ウェーブ440は異なる高さおよび異なる幅を有してもよい。
【0173】
切断アセンブリ432を用いて切断することができる腸骨14と仙骨16との間の組織の量を増加させるためには、2つの隣接する切断アセンブリストリップ432a、432b上のウェーブ440の高さが、腸骨14と仙骨16との間の距離に近いことが望ましい。腸骨14と仙骨16との間の距離は仙腸骨関節における各位置において変化しうるので、ウェーブ440の高さは腸骨14と仙骨16との間の最小距離に基づいて選択する。
【0174】
切断アセンブリ432を形成する2つの切断アセンブリストリップ432a、432bの各々におけるウェーブ440の最大高さは、腸骨14および仙骨16の各表面間の距離の約1/2未満とする。前記の最大高さにウェーブ440を形成することによって、ウェーブ440の上方部分450が腸骨14または仙骨16の表面に押し込まれる可能性を最小にする。
【0175】
腸骨14および仙骨16は、腸骨14と仙骨16との間の組織よりも硬い材料から形成されているので、ウェーブ440の上方部分450を腸骨14または仙骨16の表面中に押し込むことにより、アンダーカッティングシステムは操作しづらくなる。
【0176】
ある実施態様においては、切断アセンブリストリップ432a、432b各々のウェーブ440の上方部分450と下方部分452との距離は約1ミリメートルから約3ミリメートルとする。他の実施態様においては、切断アセンブリストリップ432a、432b上のウェーブ440の上方部分450と下方部分452との距離は約1.75ミリメートルとする。
【0177】
隣接するウェーブ440の上方部分450同士間の距離は約2ミリメートルから約6ミリメートルであってもよい。ある実施態様においては、隣接するウェーブ440の上方部分450同士間の距離は約4ミリメートルである。
【0178】
ウェーブの上方部分450と下方部分452の曲率半径を相互に実質的に等しくすることは可能であるが、ある実施態様では、ウェーブ440の上方部分450の曲率半径はウェーブ440の下方部分452の曲率半径よりも大きい。
【0179】
下方部分452の曲率半径よりも上方部分450の曲率半径を大きくウェーブ440を形成することにより、上方部分450は下方部分452よりも長くなる。この構成は、腸骨14と仙骨16との間に位置する組織を切断する切断アセンブリ432の能力を増大させる。
【0180】
ウェーブ440の上方部分450の曲率半径は約0.30ミリメートルから約2ミリメートルであってもよい。ある実施態様においては、ウェーブ440の上方部分450の曲率半径は約0.80ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0181】
ウェーブ440の下方部分452の曲率半径は約0.30ミリメートルから約2ミリメートルであってもよい。ある実施態様においては、ウェーブ440の下方部分452の曲率半径は約0.50ミリメートルから約0.60ミリメートルである。
【0182】
隣接する切断アセンブリストリップ432a、432bのウェーブ440の下方部分452が相互に隣接しつつ、2つの切断アセンブリストリップ432a、432bの基部側端部が相互に隣接して設置しうるように、ウェーブ440は、切断アセンブリストリップ432a、432bの基部側端部から偏倚されていてもよい。
【0183】
ある実施態様においては、上方部分450と下方部分452の中間にあるウェーブ440の中心と、基部側端部とからの偏倚は、約0.40ミリメートルから約2ミリメートルである。他の実施態様においては、上方部分450と下方部分452との中間にあるウェーブ440の中心と、基部側端部とからの偏倚は約0.60ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0184】
同様に、隣接する切断アセンブリストリップ432a、432bのウェーブ440の下方部分452が相互に隣接しつつ、2つの切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部を相互に隣接して設置しうるよう、ウェーブ440は切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部から偏倚されていてもよい。
【0185】
ある実施態様においては、上方部分450と下方部分452との中間にあるウェーブ440の中心と、末端側端部とからの偏倚は約0.40ミリメートルから約2ミリメートルである。他の実施態様においては、上方部分450と下方部分452との中間にあるウェーブ440の中心と、末端側端部とからの偏倚は約0.60ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0186】
2つの切断アセンブリストリップ432a、432bはそれらの末端側端部近くで相互に取り付けられていてもよい。切断アセンブリストリップ432a、432bの末端側端部同士を相互に取り付けるために用いられうる適当な技術の1つは溶接によるものである。レーザー溶接が適当な溶接技術の一例として挙げられる。
【0187】
切断アセンブリストリップ432a、432bの基部側端部はアンダーカッティングシステムの他の部分に取り付けられるので、切断アセンブリストリップ432a、432bの基部側端部同士を相互に取り付ける必要はない。同様に、切断アセンブリストリップ432a、432bをウェーブ440の下方部分452の近くで相互に繋止する必要もない。切断アセンブリストリップ432a、432bの基部側端部およびウェーブ440の下方部分452を取り付けないことにより、切断アセンブリ432の可撓性を増大できる。
【0188】
切断アセンブリストリップ432a、432bの側縁の少なくとも一部を鋭くして腸骨14と仙骨16との間の組織を切断する切断アセンブリ432の能力を増すことは可能であるが、切断アセンブリストリップ432a、432bの側縁を鋭くすることなく切断アセンブリ432を製造してもよい。
【0189】
切断アセンブリストリップ432a、432bの側縁は、鋭くしない場合でも、腸骨14と仙骨16との間の組織を切断するのに十分である。もし切断アセンブリストリップ432a、432bの側縁を鋭くすれば、切断アセンブリ432が腸骨14および仙骨16へ切り込む傾向をより高める。
【0190】
アンダーカッティングシステムを用いて腸骨14および仙骨16の表面を処置することが望まれるが、腸骨14および仙骨16中へと余りにも深く切り込まないことが一般に望ましい。というのは、そのような切断は仙腸骨癒合のための腸骨14および仙骨16の処置時間を増加させるのみならず、腸骨14および仙骨16の強度に悪い影響を及ぼしかねないからである。
【0191】
アンダーカッティングシステムは、高さの異なるウェーブ440を有する複数の切断アセンブリ432を含んでもよい。切断アセンブリ432のうち、最も小さな高さのウェーブを最初に用い、その後、徐々に大きい高さのウェーブを用いて、腸骨14と仙骨16との間の領域を徐々に広くしてもよい。
【0192】
上記の形状および特徴を有すれば、切断アセンブリストリップ432a、432bは種々の材料で形成されてもよい。当業者であれば、切断アセンブリストリップ432a、432bを製造するのに用いる材料は人体内での使用に適したものとすべきことは認識するであろう。切断アセンブリストリップ432a、432bを製造するためのそのような材料の一例はニチノールである。ニチノールの有益な特質は、ニチノールが屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれた場合に、屈曲していない構成に戻ることである。
【0193】
別の実施態様においては、切断アセンブリ532は、図15図17に示された切断アセンブリ432と略同様の形状を有する。この切断アセンブリ532は単一のストリップでよく、該ストリップには複数のウェーブ540が形成され、また、図18図20に示されるようにループ状に構成され、単一のストリップの端部は相互に隣接する。
【0194】
切断アセンブリ532は約2ミリメートルまでの厚みを有してもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリ532は約0.1ミリメートルから約0.3ミリメートルの厚みを有する。前記の寸法を備えた切断アセンブリ532を使用することによって、捻じれ、または変形に抵抗しつつ末端−基部方向に可撓性を持つ切断アセンブリ532となる。
【0195】
該抵抗は、腸骨14または仙骨16の形状または向きの変化に応答して、切断アセンブリ532が偏向することを可能とする。そのような偏向は重要である。なぜならば、腸骨14と仙骨16との間にある軟骨よりも、腸骨14および仙骨16の骨を切り開くほうが、かなり困難だからである。
【0196】
この切断アセンブリ532は、半径方向に十分な剛性を有し、腸骨14と仙骨16との間の組織を切断アセンブリ532と接触させる場合のように、切断プロセス中のアンダーカッティングシステムの回転に応答した変形に切断アセンブリ532が抵抗することを可能とする。
【0197】
切断アセンブリ532は、長尺状シャフト40の内径以下の幅を有する。そのような構成に切断アセンブリ532を形成することは、切断アセンブリ532が収縮配置にある場合に、切断アセンブリ532が実質的に長尺状シャフト40の輪郭内に位置することを可能とし、切断アセンブリ532は腸骨14の孔20を通って延在するアンダーカッティングシステムの末端側端部の挿入に干渉しない。
【0198】
切断アセンブリ532は約2ミリメートルから約5ミリメートルの幅を有してもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリ532は約3ミリメートルの幅を有する。
【0199】
切断アセンブリ532の側縁は、腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くには十分である。鋭くした縁のない切断アセンブリ532の使用は、切断アセンブリ532を回転しつつ腸骨14および仙骨16中へと切り込む切断アセンブリ532の傾向を低下させうる。
【0200】
別法として、切断アセンブリ532はその少なくとも1つの縁に切断表面を含む。ある実施態様においては、切断表面は切断アセンブリ532の双方の側縁に設ける。切断表面を両側縁に設けることにより、切断アセンブリ532を時計方向および反時計方向に回転しつつ腸骨14と仙骨16との間の組織を切断する切断アセンブリ532の能力は高められる。
【0201】
ある実施態様においては、切断アセンブリ532の末端側端部は切断表面を有していない。切断表面のない末端側端部に形成することによって、切断アセンブリ532が挿入装置530から進行するにつれて、腸骨14または仙骨16中へと切り込む切断アセンブリ532の傾向は低下する。
【0202】
孔594を、切断アセンブリ532の基部側端部に形成してもよい。孔594は取り付けピン92よりもわずかに大きな直径を有する。そのような構成を用いることにより、取り付けピン92は孔594中に延在し、切断アセンブリ532を第2の取り付けセクション64に対して固定する。
【0203】
孔594は余り大きくすべきでない。大きすぎる孔594は切断アセンブリ532を弱体化し、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断するためにアンダーカッティングシステムを使用している間に発生するような力が、切断アセンブリ532に加わった場合に、切断アセンブリ532が故障しかねない。
【0204】
孔594は略円形であってよく、約0.5ミリメートルから約5ミリメートルの直径を有してもよい。他の実施態様においては、孔594は約1.5ミリメートルから約2ミリメートルの直径を有する。
【0205】
当業者であれば、第2の取り付けセクション64および切断アセンブリ532の長尺状シャフト40に対する摺動および回転を可能にする構造であれば、異なる構造を用いて第2の取り付けセクション64に切断アセンブリ532を取り付けることが可能であることを認識するであろう。
【0206】
一実施態では、切断アセンブリ532は波状に形成され、さらに、切断アセンブリ532は半分に曲げられる。ウェーブセクション540は切断アセンブリ532の末端側端部近くに位置させてもよい。
【0207】
ある実施態様においては、ウェーブセクション540は切断アセンブリ532の全長の約30パーセントから約70パーセントの位置に設ける。他の実施態様においては、ウェーブセクション540は切断アセンブリ532の全長の約50から60パーセントの位置に設ける。
【0208】
切断アセンブリ532におけるウェーブセクション540の長さは約10ミリメートルから約30ミリメートルであってもよい。ある実施態様においては、切断アセンブリ532におけるウェーブセクション540の長さは約15ミリメートルから約20ミリメートルまでである。
【0209】
最も末端側のウェーブセクションと切断アセンブリ532の末端側端部との間には間隔があってもよい。この構成の切断アセンブリ532の末端側端部は比較的平坦とする。切断アセンブリ532が腸骨14または仙骨16の表面へと切り込むことを可能とするのとは対照的に、この比較的平坦な末端側端部は、腸骨14と仙骨16との間の組織を通って切断アセンブリ532をガイドするのに用いる。
【0210】
ある実施態様においては、最も末端側のウェーブセクションと切断アセンブリ532の末端側端部との間隔は約1ミリメートルから約5ミリメートルである。他の実施態様においては、最も末端側のウェーブセクションと切断アセンブリ532の末端側端部との間隔は約2ミリメートルから約3ミリメートルである。
【0211】
切断アセンブリ532に含まれるウェーブセクション540の数は種々の因子によって決定される。これらの因子の例としては、切断アセンブリ532の強度に影響を及ぼすことなく、かつ鋭い湾曲ラインが、切断アセンブリ532の上昇部分と下降部分との間に形成されることなく切断アセンブリ532を屈曲しうる角度が挙げられる。
【0212】
ある実施態様においては、切断アセンブリ532の両側各々に2から10個のウェーブセクション540が形成される。他の実施態様においては、切断アセンブリ532の両側各々に約4個のウェーブセクション540が形成される。ウェーブセクション540は各々、実質的に同様な形状を有するように示されているが、形状の異なるウェーブ540を形成することは可能である。例えば、ウェーブセクション540は異なる高さおよび異なる幅を有してもよい。
【0213】
切断アセンブリ532を用いて切断することができる腸骨14と仙骨16との間の組織の量を増大させるためには、ウェーブセクション540が切断アセンブリ532の2つの面において、腸骨14と仙骨16との間の距離に近い高さを有することが望ましい。腸骨14と仙骨16との間の距離は仙腸骨関節における位置によって変化しうるので、ウェーブ540の高さは腸骨14と仙骨16との間の最小距離に基づいて選択してもよい。
【0214】
切断アセンブリ532の2つの面にウェーブ540が形成されており、各面のウェーブセクション540の最大高さは、腸骨14および仙骨16の各々の表面の間の距離の約1/2未満とする。前記の最大高さを持つウェーブ540を形成することにより、切断アセンブリ532が回転されるにつれてウェーブ540の上方部分550が腸骨14または仙骨16中に押し込まれる可能性を最小化する。
【0215】
腸骨14および仙骨16は、腸骨14と仙骨16との間の組織よりも硬い材料から形成されているので、ウェーブセクション540の上方部分550を腸骨14または仙骨16の表面に押し込むこと、アンダーカッティングシステムの操作はより困難になる。
【0216】
ある実施態様においては、切断アセンブリ532の各面のウェーブセクション540の上方部分550と下方部分552との距離は約1ミリメートルから約3ミリメートルまでとする。他の実施態様においては、切断アセンブリ532の各面のウェーブセクション540の上方部分550と下方部分552との距離は約1.75ミリメートルとする。
【0217】
隣接するウェーブセクション540の上方部分550間の距離は約2ミリメートルから約6ミリメートルとする。ある実施態様においては、隣接するウェーブセクション540の上方部分550間の距離は約4ミリメートルとする。
【0218】
ウェーブセクションの上方部分550および下方部分552の曲率半径は相互に実質的に等しくすることが可能である一方で、ある実施例においてはウェーブセクション540の上方部分550の曲率半径はウェーブセクション540の下方部分552の曲率半径よりも大きい。
【0219】
下方部分552の曲率半径よりも上方部分550の曲率半径が大きいウェーブセクション540を形成することで、下方部分552よりも上方部分550が長くなる。この構成では、腸骨14と仙骨16との間に位置する組織を切断する切断アセンブリ532の能力を増大させる。
【0220】
ウェーブセクション540の上方部分550の曲率半径は約0.30ミリメートルから約2ミリメートルとする。ある実施態様においては、ウェーブセクション540の上方部分550の曲率半径は約0.80ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0221】
ウェーブセクション540の下方部分552の曲率半径は約0.30ミリメートルから約2ミリメートルとする。ある実施態様においては、ウェーブセクション540の下方部分552の曲率半径は約0.50ミリメートルから約0.60ミリメートルである。
【0222】
切断アセンブリ532の2つの面におけるウェーブセクション540の下方部分552同士を相互に隣接させつつ、切断アセンブリ532の2つの面の基部側端部同士を相互に隣接して設置しうるように、ウェーブセクション540は切断アセンブリ532の基部側端部から偏倚してもよい。
【0223】
ある実施態様においては、上方部分550と下方部分552との中間にあるウェーブセクション540の中央と基部側端部とからの偏倚は、約0.40ミリメートルから約2ミリメートルとする。他の実施態様においては、上方部分550と下方部分552との中間にあるウェーブ540の中心と基部側端部とからの偏倚は約0.60ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0224】
同様に、切断アセンブリ532の両側面におけるウェーブ540の下方部分552同士を相互に隣接させつつ、2つの切断アセンブリ532の末端側端部が実質的に平坦でありうるように、ウェーブ540は切断アセンブリ532の末端側端部から偏倚してもよい。
【0225】
ある実施態様においては、上方部分550と下方部分552との中間にあるウェーブ540の中心と末端側端部とからの偏倚は約0.40ミリメートルから約2ミリメートルまでである。他の実施態様においては、上方部分550と下方部分552との中間にあるウェーブ540の中心と末端側端部とからの偏倚は約0.60ミリメートルから約0.90ミリメートルである。
【0226】
切断アセンブリ532の両側面の基部側端部はアンダーカッティングシステムの他の部分に取り付けるので、切断アセンブリ532の2つの面における基部側端部同士を相互に取り付ける必要はない。同様に、切断アセンブリ532の2つの面を相互にウェーブ540の下方部分552近くで繋止する必要はない。切断アセンブリ532の2つの面における基部側端部および切断アセンブリ532の2つの面におけるウェーブセクション540の下方部分552を取り付けないことにより、切断アセンブリ532の可撓性を増大しうる。
【0227】
切断アセンブリ532の側縁の少なくとも一部を鋭くして、腸骨14と仙骨16との間の組織を切断する切断アセンブリ532の能力を増すことは可能であるが、切断アセンブリ532の側縁を鋭くすることなく切断アセンブリ532を製造してもよい。
【0228】
切断アセンブリ532の側縁は、鋭くしない場合でも、腸骨14および仙骨16の間の組織を切断するのに十分ならしめる。もし切断アセンブリ532の側縁を鋭くした場合、切断アセンブリ532が腸骨14および仙骨16中へ切り込む傾向がより強くなる。
【0229】
アンダーカッティングシステムを用いて腸骨14および仙骨16の表面を処置することが望まれるが、腸骨14および仙骨16中へ余りにも深く切り込まないことが一般に望ましい。というのは、そのような切断は仙腸骨癒合のために腸骨14および仙骨16を処置する時間を増大させるのみならず、腸骨14および仙骨16の強度に否定的な影響を及ぼしかねないからである。
【0230】
アンダーカッティングシステムは、高さの異なるウェーブセクション540を有する複数の切断アセンブリ532を含んでよい。切断アセンブリ532のうち、ウェーブ高さが最も小さいものを最初に用い、その後、徐々にウェーブ高さの大きい切断アセンブリ532を用いて、腸骨14と仙骨16との間の領域を徐々に広く形成してもよい。
【0231】
上記の形状および特徴を有すれば、切断アセンブリ532は種々の材料から形成されてもよい。当業者であれば、切断アセンブリ532の製造に用いられる材料は人体内での使用に適したものとすべきことは認識するであろう。そのような、切断アセンブリ532を製造するための材料の一例は、ニチノールである。ニチノールの有益な特質は、ニチノールが屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれた場合、屈曲していない構成に戻ることである。
【0232】
別の実施態様においては、アンダーカッティングシステム610は、図21図25に示されるように、挿入装置630と、挿入装置630の末端側端部から伸張するプローブアセンブリ632を含む。
【0233】
挿入装置630は長尺状シャフト640を含み、該長尺状シャフト640の末端側端部は、仙腸骨癒合プロセスのために腸骨14と仙骨16との間の領域を形成するために用いられる一方で、その基部側端部が患者の体外に位置ことを可能とする長さに形成される。ある実施態様においては、長尺状シャフト640の長さは約15センチメートルから約45センチメートルである。
【0234】
長尺状シャフト640は、腸骨14に形成する必要のある孔20のサイズを最小化するために、比較的小さな外径にする。腸骨14に形成する孔20が大きいほど、腸骨14が破損しやすい程度まで腸骨14が弱体化する可能性は大きくなる。ある実施態様においては、長尺状シャフト640の外径は約6ミリメートルから20ミリメートルまでである。
【0235】
挿入装置630はまた、その基部側端部近くにハンドル部642も含む。ハンドル部642は、挿入、回転および回収のような挿入装置630を操作する能力を高める。
【0236】
ハンドル部642は長尺状シャフト640よりも大きな直径を有してもよい。ある実施態様においては、ハンドル部642は約2センチメートルから約20センチメートルまでの直径を有する。
【0237】
ハンドル部642の外縁には、複数の凹領域644を形成する。凹領域644はハンドル部642を握り、挿入装置630を操作する能力を高める。
【0238】
挿入装置630は、さらに、プローブアセンブリ632を伸張および収縮するために用いる制御ノブ646を含む。挿入装置630の構成の1つにおいて、制御ノブ646は挿入装置630に対して回転可能に搭載される。
【0239】
制御ノブ646は、ハンドル部642とは異なる直径を有してもよい。ハンドル部642とは異なる直径に制御ノブ646を形成することで、挿入装置630を用いる者が挿入装置630または制御ノブ646を不注意に操作する可能性を最小化する。
【0240】
制御ノブ646の直径はハンドル部642の直径以下であってもよい。ある実施態様において、制御ノブ646は約2センチメートルから約20センチメートルの直径を有する。
【0241】
制御ノブ646の外縁には、複数の凹領域(図示せず)を形成してもよい。凹領域は制御ノブ646を握り、挿入装置630を操作する能力を高める。
【0242】
制御ノブ646の第1の方向の回転により、プローブアセンブリ632は挿入装置630の末端側端部から伸張される。第1の方向と反対である第2の方向への制御ノブ646の回転は、プローブアセンブリ632を挿入装置630の末端側端部内へと収縮させる。
【0243】
挿入装置630にはまた、ロックスクリュー650を動作可能に取り付ける。ロックスクリュー650は長尺状シャフト40に対して略半径方向に配向されてもよく、ハンドル部642近くに位置させてもよい。ロックスクリュー650は長尺状シャフト640に螺合させる。
【0244】
ロックスクリュー650は、係合した位置では、末端側端部がプローブアセンブリ632と制御ノブ646との間に延在するシャフトに係合するまで、ロックスクリュー650の末端側端部が長尺状シャフト640の内部へと伸張する。ロックスクリュー650により、該シャフトを長尺状シャフト640に対して固定された位置に保持して、挿入装置630に対するプローブアセンブリ632の移動を妨げる。
【0245】
ロックスクリュー650を反対方向に回転することにより、末端側端部はカッターシャフトに係合されず、該シャフトが長尺状シャフト640に対して移動して、プローブアセンブリ632を伸張位置と収縮位置との間に移動する。
【0246】
長尺状シャフト640の少なくとも一部の内部には、図22図24および図25に最も明瞭に示されるように、プローブアセンブリ632を挿入装置630の他の部分に動作可能に取り付ける制御メカニズム660がある。制御メカニズム660の主な機能は、プローブアセンブリ632の伸張および収縮を容易にすることである。
【0247】
制御メカニズム660は、一般に、第1の取り付けセクション662および第2の取り付けセクション664を含んでよい。第1の取り付けセクション662は制御ノブ646に取り付けられる。1つの構成においては、制御ノブ646が回転されると第1の取り付けセクション662が回転するように、第1のセクション662が制御ノブ646に固定して取り付ける。
【0248】
第1の取り付けセクション662の長さは、長尺状シャフト640の長さ未満であってもよい。ある実施態様においては、第1の取り付けセクション662の長さは、長尺状シャフト640の長さの略1/2である。
【0249】
第1の取り付けセクション662は、図22に最も明瞭に示されるように、長尺状シャフト640の内径よりもわずかに外径の小さい略円筒形の形状を有してもよい。この形状に第1の取り付けセクション662を形成することで、第1の取り付けセクション662の長尺状シャフト640に対する回転および摺動は容易になる。
【0250】
第1の取り付けセクション662の末端側端部は、第2の取り付けセクション664の第1の取り付けセクション662への取り付けを容易にする接続メカニズム666を有する。そのような構成の1つにおいては、接続メカニズム666には、末端側端部に窪み670が形成される。窪み670は、第2の取り付けセクション664の基部側端部よりも、幅および深さが大きい。
【0251】
第2の取り付けセクション664が接続メカニズム666に係合することを可能にする取り付けピン672を窪み670に設けてもよい。ある実施態様においては、取り付けピンは第1の取り付けセクション662に対して略垂直に配向する。
【0252】
孔が、第2の取り付けセクション664の基部側端部に形成されてもよい。該孔の直径は、取り付けピンの直径よりもわずかに大きくてもよい。そのような構成を用いることで、該取り付けピンを該開口中まで延在させ、第1の取り付けセクション662を第2の取り付けセクション664に対して固定された関係に保持する。
【0253】
上記の構成を備えた接続メカニズム666の形成は、第1の取り付けセクション662および第2の取り付けセクション664が長尺状シャフト640によって覆われていない場合に、第2の取り付けセクション664の第1の取り付けセクション662への取り付けを可能にする。
【0254】
他方、長尺状シャフト640が第1の取り付けセクション662および第2の取り付けセクション664上に位置している場合、第2の取り付けセクション664は第1の取り付けセクション662と係合状態に保持される。
【0255】
当業者であれば、第1の取り付けセクション662および第2の取り付けセクション664の長尺状シャフト640に対する摺動および回転を可能にする構造であれば、異なる構造を用いて第1の取り付けセクション662および第2の取り付けセクション664を取り付けることは可能であることを認識するであろう。
【0256】
図では、機械的接続がプローブアセンブリ632とアンダーカッティングシステム610の他の構成要素との間に設けられていることを示しているが、電気的接続をプローブアセンブリ632とアンダーカッティングシステム610の他の構成要素との間に利用することも可能である。そのような電気的接続にはスイッチおよびアクチュエータを利用してもよい。空気式および水圧式システムを用いて、プローブアセンブリ632とアンダーカッティングシステム610の他の構成要素とを動作可能に接続することも可能である。
【0257】
接続メカニズム666は、接続メカニズム666を第1の取り付けセクション662に取り付けるボールタイプのコネクタ680を含んでもよい。ボールタイプのコネクタ680は、接続メカニズム666におけるボール形状の延長部682と第1の取り付けセクション662の末端側端部に形成された窪み684とから成るものであってもよい。窪み684は、ボール形状の延長部682の形状に略相補的な形状を有する。
【0258】
接続メカニズム666と第2の取り付けセクション664との取り付けと同様に、第1の取り付けセクション662および接続メカニズム666が長尺状シャフト640によって覆われていない場合、ボールタイプのコネクタ680は第1の取り付けセクション662の接続メカニズム666への取り付けを可能にする。
【0259】
他方、長尺状シャフト640が第1の取り付けセクション662および接続メカニズム666を覆う位置にある場合、ボール形状の延長部682は窪み684と係合状態に保持される。
【0260】
プローブアセンブリ632は、第2の取り付けセクション664の末端側端部に取り付けられる。長さの異なるプローブアセンブリ632の使用を受け入れるには、アンダーカッティングシステム610に、長さの異なる複数の第2の取り付けセクション664を設けてもよい。別法として、または加えて、アンダーカッティングシステム610は、長さの異なる複数の第1の取り付けセクション662を含んでもよい。そのような構成を使用することによって、プローブアセンブリ632の長さに基づいて、第1の取り付けセクション662と第2の取り付けセクション664のうちの一方を選択することを可能にする。
【0261】
ボール形状の延長部682の利点は、この接続メカニズムが、挿入装置630に対してプローブアセンブリ632を伸張または収縮するときなどに、プローブアセンブリ632を回転させることなく、制御ハンドルを回転させることを可能にすることである。
【0262】
第2の取り付けセクション664の末端側端部には、窪みを形成してもよい。該窪みの深さは、プローブアセンブリ632の基部側端部の厚みよりも大きくてもよい。該窪みは、第2の取り付けセクション664の幅の少なくとも一部を横切って延在してもよい。
【0263】
プローブアセンブリ632の第2の取り付けセクション664への係合を可能にする取り付けピンを該窪みに設けてもよい。ある実施態様においては、該取り付けピンは、第2の取り付けセクション664に対して略垂直に配向する。
【0264】
第2の取り付けセクション664は、以下により詳細に論ずる、端部キャップ700に形成されるチャネル696よりも高さおよび幅共にわずかに小さく形成してもよい。これらの寸法に第2の取り付けセクション664を形成することで、第2の取り付けセクション664のチャネル696における摺動が可能となる。
【0265】
キャップ700は、図22に最も明瞭に示されるように、長尺状シャフト640の末端側端部に設ける。キャップ700は、それにより、長尺状シャフト640をシールして、組織および流体が長尺状シャフト640に入ることを略制限する。
【0266】
キャップ700の末端側端部が長尺状シャフト640に対して略垂直方向に配向することは可能である一方で、キャップ700の末端側端部は長尺状シャフト640に対して約90度未満の角度に配向してもよい。ある実施態様においては、キャップ700の末端側端部は約45度から約60度の角度に配向される。
【0267】
上記で言及したように、キャップ700には、チャネル696を形成する。チャネル696は、基部側端部近くでは、長尺状シャフト640の中心軸と略整列してもよいが、中心軸から偏倚されてもよい。末端側端部近くでは、チャネル696は、長尺状シャフト640の中心軸に対して略垂直に配向されてもよい。
【0268】
基部側端部と末端側端部との中間で、チャネル696は曲がっている。曲率半径は種々の因子によって決定されてもよい。そのような因子の一例として、プローブアセンブリ632の一部の可撓性および切断アセンブリ633の可撓性が挙げられる。
【0269】
チャネル696は、それにより、プローブアセンブリ632がキャップ700から伸張されるときに、プローブアセンブリ632が、図22に示されたように、長尺状シャフト640に対して略垂直方向に配向されるようにプローブアセンブリ632を偏向させ、その結果、プローブアセンブリ632は腸骨14と仙骨16との間の領域中まで伸張することができるようにする。
【0270】
プローブアセンブリ632の可撓性のため、チャネル696の末端側端部は長尺状シャフト640の中心軸に対して正確に垂直方向に配向する必要はない。例えば、腸骨14は仙骨16よりも硬いゆえに、チャネル696の末端側端部をわずかに腸骨14側に配向し、腸骨14の優先的な切断を促してもよい。別法として、チャネル696の末端側端部をわずかに腸骨14側に配向することで、該キャップ内の湾曲の角度は低下しうる。
【0271】
キャップ700は、自身を貫通して延在する、長尺状シャフト640の軸に対して略垂直な孔を有してもよい。長尺状シャフト640はまた、キャップ700が長尺状シャフト640の末端側端部中へと配置されたときに該孔と略整列する孔を含んでよい。ピンをこの2つの孔を通って延在させ、それによりキャップ700を長尺状シャフト640に対して静止した位置に保持する。
【0272】
切断アセンブリ633をプローブアセンブリ632と組み合わせて用いてもよい。切断アセンブリ633の偏向を許可するために、切断アセンブリ633は、後により詳細に論ずるように、可撓性材料から製造してもよい。切断アセンブリ633の可撓性を増すために、複数の切溝またはノッチ642を切断アセンブリ633に形成してもよい。
【0273】
図26図29に示されたように、切溝642は切断アセンブリ633の上面650を通って延在してもよい。切溝642は、切断アセンブリ633の側面652のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を通って延在してもよい。切溝642は、切断アセンブリ633の下面654の一部の中まで延在させてもよい。
【0274】
上記の構成に切溝642を形成するので、切断アセンブリ633の下面654は実質的に連続的となる。この構成は、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断するために切断アセンブリ633を用いる一方で、破壊に抵抗する十分な強度を持つ切断アセンブリ633を堤供する。
【0275】
切断アセンブリ633がキャップ700の末端側端部から出るにつれて、切断アセンブリ633が、挿入装置630の中心軸に対し略整列しているが、偏倚されている最初の向きから、挿入装置の中心軸に対して略垂直方向である偏向した向きへと偏向されつつ、各切溝642の対辺が相互に接触しないように、切溝642は十分に大きな幅にて形成してもよい。
【0276】
ある実施態様においては、切溝642は約1ミリメートルまでの幅を有してもよい。他の実施態様においては、切溝642は約0.4ミリメートルから約0.6ミリメートルまでの幅を有してもよい。
【0277】
切溝642はまた、切断アセンブリ633の平滑性を低減する。切溝642と、腸骨14と仙骨16との間の組織との接触により、その組織は摩擦または切断され、それにより、仙腸骨癒合プロセスのための腸骨14と仙骨16との間の領域の形成が促進されうる。
【0278】
図では、切溝642が切断アセンブリ633の片側に形成されているが、切溝642を切断アセンブリ633の両側に形成することは可能である。切溝642が切断アセンブリ633の両側に形成される場合は、両側の切溝642は、切溝642によって過度に切断アセンブリ633が弱体化されないように偏倚されていてもよい。
【0279】
切溝642が切断アセンブリ633の片側、両側のいずれに形成されているかを問わず、切断アセンブリ633の挿入装置630からの伸張または収縮の際、ならびに腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断するために切断アセンブリ633を使用する際に、切断アセンブリ633が偏向のプロセスの間に屈曲または捻じれを生じるので、切溝642は切断アセンブリ633において、余りにも大きな部分を占めるべきでない。
【0280】
しかしながら、切断アセンブリ633中の穴640を通って延在するプローブアセンブリ632によって切断アセンブリ633が支持されうるという事実に注意すべきである。
【0281】
上記の形状および特徴を有すれば、切断アセンブリ633は、種々の材料から形成してもよい。当業者であれば、切断アセンブリ633を製造するために用いる材料は人体中での使用に適当なものとすべきことは認識するであろう。切断アセンブリ633を製造するためのそのような材料の一例は、ニチノールである。ニチノールの有益な特質は、ニチノールが屈曲可能であるが、屈曲を引き起こした力が取り除かれると、屈曲していない構成に戻ることである。
【0282】
少なくとも1つの切断エレメント634を切断アセンブリ633に設けてもよい。切断エレメント634は、切断アセンブリ633の末端側端部近くに位置させてもよい。ある実施態様においては、切断エレメント634は、主カッター部660と、主カッター部660から延在する少なくとも1つの延長部662を含みうる。
【0283】
主カッター部660は、切断アセンブリ633よりも高さが大きくてもよい。主カッター部660は、それにより、より大きな厚みを有する腸骨14と仙骨16との間の領域を形成することを可能にする。
【0284】
主カッター部660の高さは、長尺状シャフト640の内径以下とする。そのような構成に備えた主カッター部660を形成することで切断アセンブリ633が縮んだ配置にある場合には、切断アセンブリ633は実質的に長尺状シャフト640の輪郭内に位置することを可能とし、切断アセンブリ633が開口20を通って延在するアンダーカッティングシステム610の末端側端部の腸骨14への挿入に干渉しない。
【0285】
主カッター部660は、約1ミリメートルから約3ミリメートルの高さを有してもよい。ある実施態様においては、主カッター部660は約2ミリメートルの幅を有してもよい。
【0286】
同様に、主カッター部660の幅は、長尺状シャフト640の内径以下とする。そのような構成に主カッター部660を形成することで、切断アセンブリ633が収縮配置にある場合には、切断アセンブリ633が実質的に長尺状シャフト640の輪郭内に位置することを可能とし、切断アセンブリ633は孔20を通って延在するアンダーカッティングシステム610の末端側端部の腸骨14への挿入に干渉しない。
【0287】
主カッター部660は、約2ミリメートルから約5ミリメートルの幅を有してもよい。ある実施態様においては、主カッター部660は約3ミリメートルの幅を有してもよい。
【0288】
主カッター部660は、上面650および下面654の少なくとも一部に沿って延在してもよい。ある実施態様においては、主カッター部660は、実質的に切断アセンブリ633全体の周りに延在する。
【0289】
主カッター部660はその角が湾曲していてもよい。湾曲した角を使用することによって、切断アセンブリ633が回転される一方で、主カッター部660が腸骨14または仙骨16の表面中まで掘り進む可能性を低下させる。
【0290】
他の実施態様においては、切断アセンブリ633の切断能力を高めることが望まれる場合は、主カッター部660は鋭い角を備えて形成してもよく、また角の表面の少なくとも一部を鋭くして、主カッター部660の切断能力を高めてもよい。
【0291】
主カッター部660は、末端側縁および基部側縁を、その両端に有する。ある実施態様においては、末端側縁および基部側縁は、末端側縁および基部側縁のうちの少なくとも一方と接触する腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開くのに十分に鋭いものであってもよい。
【0292】
別法として、末端側縁および基部側縁のうちの少なくとも一方は切断表面を含んでよい。ある実施態様においては、切断表面は、主カッター部660の末端側および基部側縁の双方に設ける。末端側および基部側縁の双方への切断表面の設置は、切断アセンブリ633が回転するにつれて腸骨14と仙骨16との間の組織を切り開く主カッター部660の能力を高める。
【0293】
延長部662は、主カッター部660の上面および下面のうちの少なくとも一方から延在する略平面状の構成を有してもよい。図示されていないが、延長部662の少なくとも1つを、主カッター部660の両側面に位置させることも可能である。
【0294】
ある実施態様においては、延長部662は、主カッター部660の両側で実質的に等しい距離だけ延在してもよい。延長部662は、末端側縁670と一対の側縁672とによって画定される略矩形の形状を有してもよい。
【0295】
図では延長部662の高さは主カッター部660の両側で略等しいが、延長部662の高さが主カッター部660の両側で略等しくないように延長部662を構成することは可能である。
【0296】
挿入装置630が腸骨14と仙骨16との間の領域に挿入される、およびそこから取り出される場合、切断エレメント634を挿入装置630内に収縮しうるように、末端側縁670の高さは長尺状シャフト40の内径によって制限してもよい。
【0297】
ある実施態様においては、主カッター部660の両側の延長部662の高さは約1ミリメートルから約5ミリメートルである。他の実施態様においては、主カッター部660の両側の延長部662の高さは約3ミリメートルである。
【0298】
ある実施態様においては、延長部662の幅は主カッター部660の両側で略同一である。延長部662の幅は約1ミリメートルから約5ミリメートルであってもよい。他の実施態様においては、延長部662の幅は約3ミリメートルである。
【0299】
末端側縁670と側縁672の各々の交点の角は湾曲していてもよい。そのような湾曲は、もし末端側縁670と側縁672とが角で交わるならば達成することができたであろう延長部662の切断能力を低下させ得る一方で、この湾曲は、腸骨14および仙骨16の表面へと余りにも深く掘り進む延長部662の傾向を低下させる。この構成の結果として、延長部662は、腸骨14および仙骨16の切断ではなく、腸骨14と仙骨16との間の組織中へと優先的に切り込むようになる。
【0300】
図では延長部662は実質的に等しい厚みを有する一方で、延長部662の厚みは変化させることが可能である。ある実施態様においては、延長部662の厚みは主カッター部660近くでより大きくして、切断エレメント634の屈曲または変形に抵抗せしめてもよい。
【0301】
ある実施態様においては、延長部662の厚みは約0.2ミリメートルから約2ミリメートルであってもよい。他の実施態様においては、延長部662の厚みは約0.5ミリメートルであってもよい。
【0302】
図では延長部662の厚みは主カッター部660の両側で略等しいが、延長部662の厚みが主カッター部660の両側で略等しくないように延長部662を構成することは可能である。
【0303】
末端側端部近くの延長部662の縁は、腸骨14と仙骨16との間の組織を十分切り開くのに十分である。鋭くした縁のない延長部662の使用は、切断アセンブリ633を回転しつつ、腸骨14および仙骨16中へと切り込む延長部662の傾向を低下させる。
【0304】
別法として、その末端側端部近くの延長部662の縁を鋭くして、切断アセンブリ633を回転しつつ、腸骨14および仙骨16の表面近くの組織を切断することを容易にしてもよい。
【0305】
延長部662は、図26図28に示されるように、切断エレメント634の長さに対して略平行に配向されてもよい。他の実施態様においては、延長部662は、図29に示されるように、切断エレメント634の長さに対して約0度から約60度の角度の向きであってもよい。他の実施態様においては、延長部662と主カッター部660との角度は約30度であってもよい。
【0306】
延長部662を主カッター部660の長さに対して角度をもって配向することによって、該縁の一方を前方に配置する。そのような構成は、切断アセンブリ634が回転するにつれて、腸骨14と仙骨16との間からの組織を切断する切断エレメント634の能力を増大させる。
【0307】
図では延長部662は主カッター部660の表面に対して略垂直方向に配向されている一方で、延長部662を主カッター部660の表面に対して角度をもって配向することは可能である。
【0308】
切断エレメント634を切断アセンブリ633の末端側端部に位置させることが可能である一方で、ある実施態様においては、切断エレメント634は切断アセンブリ633の末端側端部から距離をおいて取り付ける。切断エレメント634を切断アセンブリ633の末端側端部から距離をおいて搭載することは、切断エレメント634が腸骨14と仙骨16との間の組織を通る経路を画定する主構成要素であるのとは対照的に、切断アセンブリ633が腸骨14と仙骨16との間の組織を通る経路を画定することを可能とする。
【0309】
延長部662は、主カッター部660の側縁の間で略中間位置に位置させてもよい。延長部662のこの位置に位置させることは、もし延長部662が主カッター部660の側縁のうちの1つのより近くに位置すれば潜在的に起こるであろう切断アセンブリ633の捻じれを、低下させる。
【0310】
上記の形状および特徴を有すれば、切断エレメント634は種々の材料から形成されてもよい。当業者であれば、切断エレメント634を製造するために用いる材料は人体内での使用に適したものとすべきことを認識するであろう。切断エレメント634を製造するためのそのような材料の一例はニチノールである。
【0311】
ある実施態様においては、切断アセンブリ633は切断エレメント634とは別々に製造してもよい。このように形成することは、各材料が関連構造の機能に基づいて最適化しうるように、切断アセンブリ633および切断エレメント634を製造するために異なる材料を用いることを可能とする。
【0312】
切断エレメント634を切断アセンブリ633に固定して取り付ける技術であれば、種々の技術を用い、切断エレメント634を切断アセンブリ633に取り付けてもよい。切断エレメント634を切断アセンブリ633に取り付けるためのそのような適当な技術の1つは溶接である。
【0313】
別法として、ブロックを機械加工して、実質的に平坦な切断アセンブリ633と切断アセンブリ633から延在する切断エレメント634とを堤供することによってなど、切断アセンブリ633と切断エレメント634を単一のユニットとして製造することは可能である。
【0314】
アンダーカッティングシステム610は、厚さの異なる切断エレメント634を持つ複数の切断アセンブリ632を含んでよい。切断アセンブリ632のうち、最も厚みの小さい切断エレメント634を持つものを最初に用い、その後、厚みのより大きい切断エレメント634を持つ切断アセンブリ632を徐々に用いて、腸骨と仙骨との間に徐々に広い領域を形成してもよい。
【0315】
厚みの異なる切断エレメント634に加え、またはその別法として、一連の切断エレメント634を用いて、腸骨14および仙骨16の表面の形成を予測可能な方法で容易にすることが可能である。1つのそのような構成において、腸骨14と仙骨16との間の組織を形成するために用いる一連の3つの切断エレメント634がある。
【0316】
第1の切断エレメント634は、第1の切断エレメント634の腸骨側の組織を優先的に切断するように構成してもよい。第1の切断エレメント634は、第1の切断エレメント634の腸骨側に位置する1つの延長部662を有してもよい。
【0317】
延長部662は、その表面上方に延在する第1の高さを有してもよい。ある実施態様においては、延長部662は約0.5ミリメートルの高さを有してもよい。第1の切断エレメント634の全高は、よって、約2.5ミリメートルである。
【0318】
延長部662は第1の切断エレメント634の腸骨側にあるゆえに、この構成は有益な性能特徴を示すであろう。なぜならば、この構成は腸骨14の表面が仙骨16の表面よりも硬いことを考慮したものであるからである。
【0319】
第2の切断エレメント634は、第1の切断エレメント634の腸骨側に位置する1つの延長部662も含んでよい。第2の切断エレメント634上の延長部662は、第1の切断エレメント上の延長部662よりも高くてもよい。
【0320】
延長部662は、その表面上方に延在する第2の高さを有してもよい。ある実施態様においては、延長部662は約1ミリメートルの高さを有してもよい。第1の切断エレメント634の全高は、よって、約3ミリメートルである。
【0321】
第2の切断エレメント634の構成は、それにより、第1の切断エレメント634と比較して、腸骨14と仙骨16との間に増大した距離の領域を形成することを可能にする。しかしながら、第1の切断エレメント634と同様に、第2の切断エレメント634は、第2の切断エレメント634の腸骨側を優先的に切断する。
【0322】
第三の切断エレメント634は、その腸骨側と仙骨側に1つずつ延長部662を有してもよい。延長部662は異なる長さを有することが可能である一方で、ある実施態様においては、延長部662は、各々、約1ミリメートルの高さを有する。第三の切断エレメント634の全高は、よって、約4ミリメートルである。
【0323】
延長部662は第三の切断エレメント634の腸骨側と仙骨側の両側に位置するゆえに、第三の切断エレメントは、第三の切断エレメント634の腸骨側と仙骨側に位置する組織を切断する。
【0324】
切断アセンブリ633を挿入装置630に動作可能に取り付けて、切断アセンブリ633の挿入装置630に対する伸張および収縮を容易にしてもよい。1つの実施態様においては、プローブアセンブリ632を移動させるのに用いられる制御ノブ646とは別々に、切断アセンブリ633の移動のために制御手段を設ける。
【0325】
切断アセンブリ制御手段は、挿入装置に取り付けられたノブ676である。制御ノブ646と同様に、切断アセンブリ制御ノブ676の第1の方向の回転は挿入装置630から切断アセンブリ633を伸張し、切断アセンブリ制御ノブ676の第2の方向の回転は切断アセンブリ633を挿入装置630に収縮する。
【0326】
もう1つの実施態様においては、プローブアセンブリ632および切断アセンブリ633は、共に、制御ノブ646に接続される。制御ノブ646が回転されると、プローブアセンブリ632は挿入装置630からさらに伸張する。一旦プローブアセンブリ632がその最大伸張に到達すると、制御ノブ646の継続した回転によって、切断アセンブリ633は挿入装置630から伸張される。
【0327】
外科的手法が完了し、かつアンダーカッティングシステムを取り除くことが望まれれば、制御ノブ646を反対方向に回転する。この回転はまず、切断アセンブリ633の収縮を引き起こす。
【0328】
図26図28に示されるように、プローブアセンブリ632と切断アセンブリ633が挿入装置630の末端側端部から伸張された場合、プローブアセンブリ632の末端側端部は切断アセンブリ633の末端側端部を超えて伸張する。この構成の使用は、プローブアセンブリ632が切断アセンブリ633をガイドすることを可能とし、それにより、切断アセンブリ633が腸骨14または仙骨16中へと余りにも深く掘り進む可能性を低下させる。
【0329】
一旦、プローブアセンブリ632が挿入装置630の末端側端部から最大に伸張され、かつ挿入装置が、プローブアセンブリ632が腸骨14と仙骨16との間の経路を画定するように、少なくとも一回回転されれば、切断アセンブリが完全に伸張し、切断アセンブリ633の末端側端部が挿入装置630の末端側端部から、プローブアセンブリ632と略同一距離となるようにすることは可能である。
【0330】
一旦、切断アセンブリ633を完全に収縮すると、制御ノブ446の継続回転はプローブアセンブリ632を収縮させる。プローブアセンブリ632および切断アセンブリ633の双方が挿入装置630内に完全に収縮された後、アンダーカッティングシステムを患者から取り出す。
【0331】
切断アセンブリ633と組み合わせたプローブアセンブリ632の使用は、切断アセンブリ633が腸骨14または仙骨16の表面中へと掘り進むのを最小化しつつ、腸骨14と仙骨16との間の領域を仙腸骨癒合のために形成することを可能とする。
【0332】
出血骨を曝露することによって腸骨14および仙骨16の表面を形成することが望ましい一方で、切断アセンブリ633が腸骨14または仙骨16の表面中へと余りにも深く掘り進むことは回避するのが望ましい。切断アセンブリ633が腸骨14または仙骨16の表面中へと余りにも深く掘り進んだ場合、腸骨14および仙骨16は腸骨14と仙骨16との間に位置する組織よりもかなり硬いゆえに、切断アセンブリ633を回転させることがより困難となる。上記特徴を有する切断アセンブリはこれらの基準を満たす。
【0333】
切断プロセスの間に切断アセンブリが破壊する可能性を最小化するために、ハンドルと切断アセンブリとの間にクラッチメカニズムを設けてもよい。クラッチメカニズムは、閾値よりも大きい力に遭遇した場合に、ハンドルと切断アセンブリとの間の接続を解除させる。この結果、ハンドルは切断アセンブリに対して回転する。
【0334】
聴覚的通知機能を設けて、クラッチが係合されていることを、切断アセンブリを操作する者に知らせてもよい。そのような聴覚的通知の例としては、患者の体外で十分聞きとれる音量のスクラッチ音が挙げられる。
【0335】
クラッチを作動させた後、切断アセンブリを操作する者は切断アセンブリを反対方向に回転させるか、または切断アセンブリを部分的に縮ませてもよい。その後、切断プロセスを再開してもよい。
【0336】
操作において、アンダーカッティングシステム10の使用および仙腸骨癒合の性能を促進するために、仙腸骨癒合を行うべき患者を、処置室のテーブルまたは、この手法と組み合わせて用いられる他の支持構造上に、腹臥させてもよい。
【0337】
本発明のアンダーカッティングシステム10を用いる場合に、比較的大きな切開を形成し、次いで、腸骨の表面を直接的に見ることができるように、皮膚と腸骨との間の組織を後ろに引っ張ることが可能である一方で、そのようなプロセスは皮膚と腸骨との間の組織に対し、より大きな損傷を与えかねず、患者を回復させる時間を増大する。
【0338】
本明細書中で議論した方法を用いる場合に貫通させる組織は(外側から内側に移動させる場合)−皮膚、大殿筋、中殿筋、小殿筋、外側腸骨皮質、内側腸骨皮質、仙腸骨関節軟骨(腸骨および仙骨)、内側仙骨皮質、仙骨翼、(翼状根、仙骨椎弓根および仙骨峡部としても知られる)仙骨前庭および仙骨椎体を含む。
【0339】
アンダーカッティングシステム10が用いられている場所に近い他の非常に重要な柔軟組織は(外側から内側に移動させる場合)−上殿皮神経 、上殿動脈および静脈、L4、L5、S1およびS2神経根、腸骨動脈、腸骨静脈、(神経孔としても知られる)仙骨開口、腸および仙骨管を含む。
【0340】
これまでに触れていない追加の関連解剖学的ランドマークは、大坐骨裂孔、翼状斜面および腸骨皮質密集、腸骨隆起、恥骨結合、骨盤上口/弓状線およびS1終板を含む。
【0341】
患者の適切な準備および仙腸骨癒合のための位置の認定の後、少なくとも1つの孔20を腸骨14にドリルで貫通して開ける。この孔20は、図30に示されるように、仙骨16中へと少なくとも部分的に延在してもよい。ある実施態様では、3つのドリルで開けた孔がある。
【0342】
図30図33では、当該手法は最初に腸骨14へドリルで穴を開けることによって行われているが、最初に仙骨16へとドリルで穴を開けることによって仙腸骨癒合を行うことも可能である。ある状況においては、最初に腸骨14中へとドリルで穴を開けることによって仙腸骨癒合のためのアクセスを獲得する際のほうが、課題がより少ないこともありうる。
【0343】
従来の外科ドリル710およびドリルビット712を利用して、孔20を形成してもよい。孔20の直径は、仙腸骨癒合プロセスの一部として、孔20に挿入される骨スクリュー620の直径に基づいて選択され、形成される。
【0344】
図30に示されるように、ドリルは孔20が形成されつつある場所の近くで腸骨14および仙骨16のうちの少なくとも1つの表面に対して、略垂直方向に配向されてもよい。当業者であれば、仙骨16も腸骨14も実質的に平坦でないことを認識するであろう。加えて、腸骨14と仙骨16の隣接する互いの表面は、孔20を形成するのが望まれる場所の近くで実質的に平行でなくてもよい。
【0345】
孔20は、直径約12.5ミリメートルの第1のスクリューと組み合わせて用いられる、第1の孔20aを含んでよい。この状況において、第1の孔20aを形成するのに用いるドリルビットの直径は、略9ミリメートルである。
【0346】
第1の孔20aはS1レベルにおいて仙腸骨関節を横切って形成されてもよい。第1の孔20aは、仙腸骨関節の前方−下方側に好都合なように位置させてもよい。第1の孔20aは、第1のスクリューの末端側端部が第1のスクリューの基部側端部よりもわずかに後方かつ上方であるような角度に配向されてもよい。
【0347】
孔20は、直径約6.5ミリメートルの第2のスクリューを組み合わせて用いられる、第2の孔20bも含んでよい。この状況において、第2の孔20bを形成するのに用いられるドリルビットの直径は、略5ミリメートルであってもよい。
【0348】
第2の孔20bは、第1の孔20aが仙腸骨関節において形成される場所の近くに、仙腸骨関節を横切って形成されてもよい。第2の孔20bは、第2のスクリューの末端側端部が第2のスクリューの基部側端部に対してわずかに前方かつ上方であるような角度に配向されてもよい。
【0349】
第1の孔20aおよび該第2の孔20bが腸骨14中で形成されるべき場所、ならびに腸骨の向きは、第1の孔20aおよび第2の孔20bが所望の位置にあって、第1の孔20aおよび第2の孔20bが形成される場所に隣接した、および/またはその上方の組織に損傷をもたらさないように、種々の技術を用いて決定してもよい。
【0350】
第1の孔20aおよび第2の孔20bの位置および向きを決定するために用いられうる技術の非限定的例は、蛍光透視鏡である。アンダーカッティングシステム10が用いられる場所の近くの解剖学的構造の位置および向きの評価を助けるために、多数の方向からの蛍光透視撮像を行うことが可能である。
【0351】
蛍光透視撮像のためのそのような方向の1つは、患者の骨盤を横切っての側方撮影である。側方腸骨撮影は、前方仙骨皮質および翼状斜面のような安全な骨質通路の非常に重要な境界を最良に示すことによって、仙腸骨関節アクセスのための出発点の可視化を堤供する。
【0352】
余り明瞭でないが、側方仙骨撮影によって、仙骨神経孔および脊椎管を見ることが可能になる。アウトレット撮影に沿っての側面撮影は、アンダーカッティングシステムの使用に関連する起こりうる禁忌につながる可能性がある、難しい解剖学的変化である仙骨異形症の認定を補助することができる。
【0353】
側方撮影は、2つのより大きな坐骨切痕と2つの腸骨髄質密集の突起を整列させることによって得ることもできる。X線への曝露を最小化するために、そこでの上記のエレメントの正確な整列は必要でない。
【0354】
腸骨髄質密集とより大きな坐骨切痕が同時に整列しない場合は、これらの構成要素の間の差を分けることは可能である。別法として、腸骨髄質密集の整列が困難である場合、より大きな坐骨切痕の整列は側方蛍光透視撮像を行うのに十分である。
【0355】
側方撮影のための整列を行う場合、仙骨の真の側方は患者にとって真の側方には見えないであろうことにも注意すべきである。本発明の目的では、重要な手法は仙骨の整列である。
【0356】
蛍光透視撮像のためのもう1つの撮影は、下方入射撮影での前後方向撮影である。インレット撮影と呼ばれるこの撮影は、前進するガイドピンおよび/または骨スクリューの優れた前後方向の撮影を堤供しうる。この撮影は、後方の脊椎管の回避および仙骨の前方の制限を可能とする。
【0357】
インレット撮影は、ガイドピンまたは骨スクリューを患者の内側へと前進させつつ、以下に記載されるアウトレット撮影と組み合わせて用いられる。インレット撮影およびアウトレット撮影は共に、三次元すべてにおいてスクリュー挿入をガイドする正射画像を堤供する。
【0358】
インレット撮影は、前後方向の位置からの蛍光透視受領者の尾部を傾けることによって得られる。該デバイスは、第2の孔と前方−下方仙骨髄質および腸骨骨盤縁とによって作り出された線と整列させる。X線への曝露を最小化するために、完全な整列のインレット撮影であることは必要とされない。
【0359】
蛍光透視撮像のさらにもう1つの撮影は、頭方向傾斜(cephalad tilt)での前後方向撮影である。アウトレット撮影と呼ばれるこの撮影は、仙骨体の中心に向けてガイドピンおよび骨スクリューを前進させる優れた内外方向撮影を堤供する。アウトレット撮影は、上方S1終板およびS1神経孔の回避を可能とする。
【0360】
アウトレット撮影は、ガイドピンまたは骨スクリューを患者中へ内側に進行させつつ、インレット撮影と組み合わせて用いてもよい。一緒に撮影すると、インレット撮影およびアウトレット撮影は、三次元すべてにおいてスクリュー挿入をガイドするための正射画像を堤供する。
【0361】
アウトレット撮影は、仙腸骨関節を撮影して、軟骨切開を容易にするのに最も適している。アウトレット撮影は「ジュデット(Judet)」撮影と類似しているが、ジュデット撮影とは区別され、これらの撮影は相互に交換可能ではない。
【0362】
アウトレット撮影は、ガイドピンの先端が仙骨神経孔に対して頭側となるのを確実にする。また、アウトレット撮影は、現実には後方仙骨翼状領域である仙骨の頭側縁を区別する。仙骨翼の前方態様は、後方仙骨翼状領域に対して下方に傾いている。この前方への傾きを考慮に入れなければ、骨外へのスクリューの設置は、危険なことには、腸骨血管および/または第五腰神経根に近くなりかねない。
【0363】
アウトレット撮影は、恥骨結合の頂部がS2体に位置するまで、前後方向位置から蛍光透視受領者の頭側を傾けることによって得られる。X線への曝露を最小化するためには、そこでは完全な整列のアウトレット撮影であることを必要としない。
【0364】
アクセスのための位置を突き止める際の最初の地点として、約3ミリメートルの長さを有するような比較的小さなガイドピンが腸仙骨通路の位置近くで患者の体外に保持される。ガイドピンの先端は腸骨髄質密集に対して尾側、かつ上方仙骨神経根の骨間経路に対して頭側に位置させてもよい。
【0365】
腸仙骨通路の側面投影法は、外側から挿入された骨スクリューの末端側端部のための最も安全な位置を同定する。基部側進入地点は、腸仙骨通路の外部であってもよい。
【0366】
ガイドピンの先端は、側面画像上の翼状骨の中央部分内に位置させることができる。腸仙骨通路は、仙腸骨癒合と組み合わせて用いる骨スクリューの通過のための最良な位置である。
【0367】
皮膚にマークを付けた後、約2から4センチメートルの長さの垂直切開が皮膚に形成される。次に、ブラント(blunt)膨張を用い、腸骨に到達するまで、スクリューの先の経路に沿ってプローブを、組織を通って伸張する。
【0368】
関節処置のための最も効果的な領域は、安全なゾーンのすぐ側方の骨間位置ではなく、該関節の関節軟骨部により近い安全なゾーンの下方−前方縁である。
【0369】
該関節の関節部はより平坦であり、これは、仙腸骨関節の関節部における癒合を促すのに有利である。対照的に、該安全なゾーンに対して後方である該関節の骨間部分は、垂直から急勾配に角張っており、かつ非常に塊だらけであって、不規則である。
【0370】
次に、アンダーカッティングシステム10を、プローブアセンブリ32が挿入プロセスに干渉しないように、収縮配置に位置させる。アンダーカッティングシステム10の末端側端部は、図31に示されるように、孔20まで伸張される。
【0371】
一旦、アンダーカッティングシステム10の末端側端部が腸骨14と仙骨16との間に位置されると、図32に示されるように、プローブアセンブリ32を少なくとも部分的に伸張配置に移動させる。
【0372】
プローブアセンブリ32が腸骨14と仙骨16との間に経路を画定するように、アンダーカッティングシステム10を回転させる。プローブアセンブリ32を用いて経路を画定することによって、切断アセンブリ132が腸骨14または仙骨16中へと余りにも深く掘り進む可能性が低下する。
【0373】
次に、切断エレメント134が挿入装置30の末端側端部から伸張し、かつ腸骨14と仙骨16との間に位置するまで、切断アセンブリ132はプローブアセンブリ32上を摺動される。アンダーカッティングシステム10は、切断エレメント134が腸骨14と仙骨16との間の組織に接触して、その組織を破片に切断するように、回転される。別法として、または加えて、切断エレメント134は、軟骨および/または組織を腸骨14および仙骨16のうちの少なくとも一方の表面から掻きとってもよい。もしより直径の大きい領域を形成することが望まれれば、切断アセンブリ132をさらに前進させ、次いで、アンダーカッティングシステム10を回転させてもよい。
【0374】
切断アセンブリ32の鋭さおよび切断される材料の硬度のような種々の因子によっては、回転運動だけを用いて、軟骨および骨を単に切り開くことも可能であろう。むしろ、形成する領域を増大するためには、アンダーカッティングシステムの時計方向および反時計方向の回転を交互に行う必要がある場合もある。制御ノブを周期的に回転させて、切断アセンブリ32をアンダーカッティングシステム10からさらに伸張させることができる。多くの状況において、円状領域を形成することが望ましいであろうが、本発明の概念を用いて、半円状領域を形成することも可能である。
【0375】
別法として、または加えて、プローブアセンブリ32を引き出し、図21図25に示されるような切断アセンブリを用いて、プローブアセンブリ32によって画定された腸骨14と仙骨16との間の領域の組織を切断してもよい。
【0376】
切断アセンブリ132と腸骨14および仙骨16の内表面との接触によって、出血骨を作り出す各々の表面は摩減され、これは、仙腸骨癒合プロセスの一部として、腸骨14と仙骨16との間の骨成長を容易にするのに望ましい。
【0377】
種々の技術を用いて、取り除かれた軟骨の量、腸骨および仙骨の表面の処理された程度を評価してもよい。そのような適当な技術の例としては、骨の切断が擦れ音を出しうるので、切断プロセスの間に発せられる音のモニタリングが挙げられる。
【0378】
アンダーカッティングシステムを操作する者は、切断ヘッドの感触を用いて該プロセスの性能をモニタしてもよい。というのは、切断ヘッドにとっては軟骨よりも、腸骨および仙骨を切り開くほうがより困難だからである。
【0379】
蛍光透視鏡を用いて仙腸骨癒合の進行をモニタすることも可能である。これらの技術は個々に記載しているが、1つまたは複数の上記の技術について、組み合わせることは可能である。
【0380】
ある実施態様においては、腸骨14と仙骨16との間からの軟骨および他の組織の小片が、切断プロセスの間に切断アセンブリによって捕えられる場合もある。そのような状況において、切断アセンブリを収縮すると、軟骨および他の組織は腸骨14と仙骨16との間から取り除かれる。
【0381】
軟骨および他の組織のさらなる小片を除去するため、切断アセンブリを洗浄し、次いで、切断アセンブリを腸骨14と仙骨16との間の領域に再度挿入する必要がある場合もある。
【0382】
別法として、または加えて、腸骨14と仙骨16との間からの軟骨および他の組織の小片を除去する技術を利用してもよい。2010年11月8日に米国特許商標局に出願され、かつ本特許出願の譲受人に譲渡された米国出願第12/941,763号に記載された半径方向展開外科的工具は、軟骨および他の組織の小片を除去するために用いられうる適当な装置の1つである。
【0383】
軟骨の切断された小片を除去するための別の技術としては、領域を液体で洗い流し、次いで、軟骨の切断された小片と共に水を吸引することが挙げられる。該プロセスは、所望の量の軟骨の切断された小片が腸骨と仙骨との間から除去されるまで、反復してもよい。
【0384】
腸骨および仙骨の表面が処置された後、骨移植片を挿入してもよい。次いで、種々の技術を用いて、腸骨と仙骨とを相互に対して固定された位置に維持してもよい。適当な固定技術の例には、骨スクリュー、カニューレ付きのねじ、ピン、ケージ、接着剤、ボールおよびソケット付きの連結デバイスおよびハーバート(Herbert)ねじが含まれる。
【0385】
その後、図33に示されるように、孔20の各々に骨スクリュー720を挿入してもよい。骨スクリュー720は、骨が腸骨14および仙骨16の間で成長し、腸骨14と仙骨16の癒合を引き起こすので、腸骨14と仙骨16とを相互に対して静止した位置に維持するのに有効であろう。
【0386】
ある実施態様においては、孔20の各々の向きは、相互に対して略平行であってもよい。他の実施態様においては、孔20同士は非平行関係に形成されてもよい。
【0387】
例えば、各側に2つずつのスクリュー720は、図34図38の骨盤領域の側面、インレットおよびアウトレット蛍光透視画像に示されるように、安全なゾーンに向けて集める。骨スクリュー720のいずれも翼状範囲には進入していないことに注目すべきである。翼状範囲への侵入は、進入点が余りにも頭側であることによって引き起こされうる。そのような状況は、患者に合併症をもたらす場合もあり、早急な修正が求められるので、避けるべきである。
【0388】
図は、該手法が患者の一方側で行われることだけを示しているが、当業者であれば、該プロセスが患者の他方の側で反復されてもよいことを認識するであろう。
【0389】
本発明の概念は、主として、仙腸骨癒合のための処置に関連して説明されているが、当業者であれば、該概念は身体中の他の関節に対しても適合するであろうことを認識するであろう。該概念は、骨の内部領域を形成するために用いてもよい。
【0390】
腸骨14および仙骨16の表面を乱して、出血骨を曝露する別法として、アンダーカッティングシステムは、腸骨14および仙骨16の少なくとも一方からより多くの骨を取り除くことが可能である。そのようなプロセスは、腸骨14と仙骨16との間の比較的平面状の処置された領域を作ることができるであろう。腸骨14および仙骨16は実質的には平坦でないゆえに、そのようなプロセスを用い、より大量の骨を取り除いてもよい。このプロセスは、腸骨14および仙骨16の少なくとも一方の一部を破壊する。
【0391】
しかしながら、そのようなプロセスを行う場合、切断アセンブリが腸骨14または仙骨16を全体にわたって切断しないように注意を払うべきである。加えて、そのようなプロセスは腸骨14または仙骨16の弱体化をもたらし得るので、腸骨14または仙骨16の余りにも多くを取り除かないように注意を払うべきである。
【0392】
この実施態様に関連するプロセスでは、腸骨14および仙骨16中へより深く切り込むために必要な力を用いる場合に、切断アセンブリが損傷に対して抵抗するために、より鋭い、および/またはより強い切断アセンブリの使用を必要とする場合もある。
【0393】
癒合領域が形成された後、切断された骨、軟骨および他の組織は、本特許出願に記載されたプロセスのうちの1つを用いて癒合領域から取り除いてもよい。骨成長材料を癒合領域に入れてもよい。骨スクリューまたは他の繋止デバイスを用いて、骨が腸骨14と仙骨16との間で成長しつつ、腸骨14と仙骨16とを相互に静止した位置に保持してもよい。
【0394】
本発明の概念を、主として、仙腸骨癒合のための処置について説明してきたが、当業者であれば、該概念は身体中の他の関節に適合するであろうことを認識するであろう。該概念は、骨の内部領域を形成するために用いてもよい。
【0395】
前記の詳細な記載において、この一部を形成し、および本発明が実施され得る具体的な実施態様の説明に添付の図面が参照される。この点に関し、「頂部」、「底部」、「前方」、「後方」、「前進する」、「背向する」等のような用語は、記載された図面の向きを参照して用いられる。実施態様の構成要素は多数の異なる向きに位置させることができるゆえに、用語は説明の目的で用いられ、断じて限定的なものではない。他の実施態様を利用でき、かつ本発明の範囲から逸脱することなく構造または論理の変更をなすことができることは理解されるべきである。前記の詳細な記載は、従って、限定的な意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって規定される。
【0396】
本出願に開示された特徴、ならびに引用された前記出願に記載された特徴は特定の状況に合わせて混合し、マッチさせることができると考えられる。種々の他の修正および変更は当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0397】
10 アンダーカッティングシステム
14 腸骨
16 仙骨
22 領域
30 挿入装置
32 プローブアセンブリ
40 長尺状シャフト
42 ハンドル部
44 凹領域
46 制御ノブ
50 ロックスクリュー
60 制御メカニズム
62 第1の取付けセクション
64 第2の取付けセクション
66 接続メカニズム
232 切断アセンブリ
図1
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【国際調査報告】