特表2015-512286(P2015-512286A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-512286一体化された座席フレーム取り付け構造を有する座席クッション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512286(P2015-512286A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】一体化された座席フレーム取り付け構造を有する座席クッション
(51)【国際特許分類】
   B68G 7/06 20060101AFI20150331BHJP
   B64D 11/06 20060101ALI20150331BHJP
   B60N 2/44 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
   B68G7/06 B
   B64D11/06
   B60N2/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-501693(P2015-501693)
(86)(22)【出願日】2013年3月6日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月10日
(86)【国際出願番号】US2013029232
(87)【国際公開番号】WO2013142042
(87)【国際公開日】20130926
(31)【優先権主張番号】13/424,502
(32)【優先日】2012年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポジ アレクサンダー ニコラス
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE03
(57)【要約】
航空機の乗客用座席において使用するためなどの座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォーム(22)の層と、浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コア(24)と、座席クッションの下側に位置付けられて、下に存在する座席フレームの梁(34)に直接係合して、座席クッションを座席フレームに取り付けるための支持構造(26)とを含む、座席クッション。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席クッションであって、
乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの層と、
浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コアと、
前記座席クッションの下側に位置付けられて、下に存在する座席フレームの梁に直接係合して、前記座席クッションを前記座席フレームに取り付けるための支持構造と、
を備える、座席クッション。
【請求項2】
前記支持構造が、前記座席クッションの前記下側を被覆するプラットフォームを構成する、請求項1に記載の座席クッション。
【請求項3】
前記プラットフォームが、中間平坦部分を介して接続されている、間隔を空けて配置された半円形の部分を備え、前記半円形の部分が、間隔を空けて配置された前記座席フレームの筒状梁に直接係合するように形作られている、請求項2に記載の座席クッション。
【請求項4】
前記支持構造が、中央部分を介して接続されている、間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジを備え、前記間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジが、前記座席フレームの筒状梁に係合するために、前記座席フレームの筒状梁と相補的であるように形作られている、請求項1に記載の座席クッション。
【請求項5】
前記支持構造が剛性であり、単体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項6】
前記支持構造が、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項7】
前記支持構造が、連続気泡フォームの上部層および前記独立気泡フォーム・コアの厚さと比較して、僅かな厚さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項8】
前記支持構造が、下に存在する座席フレームの梁にスナップ嵌め係合する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項9】
前記支持構造が、連続気泡フォームの前記上部層および前記独立気泡フォーム・コアのうちの1つ内に少なくとも部分的に封入される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項10】
航空機の乗客用座席であって、
間隔を空けて配置された側方梁を含む座席フレームと、
座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの上部層、浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コア、ならびに、前記座席クッションの下側に位置付けられて、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合して、付加的な係止具を必要とすることなく、前記座席クッションを前記座席フレームに取り付けるための支持構造を含む、座席クッションと、
を備える、航空機の乗客用座席。
【請求項11】
前記支持構造が、前記座席クッションの前記下側を被覆するプラットフォームである、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項12】
前記プラットフォームが、中間平坦部分を介して接続されている、間隔を空けて配置された半円形の部分を備え、前記半円形の部分が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合し、前記平坦な中間部分が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に架け渡される、請求項11に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項13】
前記支持構造が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合する、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップを備える、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項14】
前記支持構造が、中央部分を介して接続されている、間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジを備え、前記間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジが、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に係合するために、前記間隔を空けて配置された側方梁と相補的であるように形作られている、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項15】
前記支持構造が、連続気泡フォームの前記上部層および前記独立気泡フォーム・コアのうちの1つ内に少なくとも部分的に封入される、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して座席クッションの構築に関し、より詳細には、座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォーム(open cell foam)の層と、浮揚性(flotation)および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コア(closed cell foam core)と、座席クッションの下側に位置付けられて、下に存在する座席フレームの梁に直接係合して、座席クッションを座席フレームに取り付けるための支持構造と、を含む、座席クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の乗客用座席クッションは、典型的に、構造上の支持および浮揚性を得るためのフォームを含む。従来の座席クッションは、それらの構築およびフォームのタイプに関係なく、典型的に、下に存在する金属座席パンもしくは複合座席パンか、または、座席横木に架け渡された布地隔膜に対し、座席クッションを取り付けるための係止具を必要とする。
【0003】
図5を参照すると、参照番号50において、従来の航空機の座席クッションが包括的に示されており、当該従来の航空機の座席クッションは、面ファスナー56を使用して、硬質の浮揚性フォーム・スラブ54の上部に取り付けられた軟質のフォーム・クッション52を含んでいる。図6を参照すると、それ自体の一体化された係止具を有していない組み付けられた座席クッション50は、主要座席横木60に係止された硬質金属またはプラスチックのパン58に取り付けられなければならない。代替的に、図7を参照すると、座席クッション50は、主要座席横木60を横切って引き伸ばされた、薄く可撓性の隔膜62に取り付けられ得る。下に存在する、横木60に架け渡された部材のタイプに関係なく、このような部材の存在と、従来の座席クッションの構築とは、クッションを座席フレームに取り付けるための、付加的なコンポーネントおよび係止具を必要とし、したがって、部品の個数、組み付け時間、重量およびコストを増大させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、先行技術の座席クッションの欠点を克服し、座席クッションを、下に存在するフレームに取り付けるための付加的な係止具および製造ステップに対する必要性をなくす、改善された座席クッションの構築を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、一体化された座席フレーム取り付け構造を含む座席クッションが、本明細書において提供される。
【0006】
別の態様において、一体化構造は、座席の側方梁に架け渡された、別個の座席パンまたは隔膜に対する必要性だけでなく、座席クッションを座席パンまたは隔膜に取り付けるための付加的な係止具に対する必要性をもなくす。
【0007】
別の態様において、座席クッションは、一般に、コンフォート・フォームの層と、浮揚性および構造上の支持を得るための浮揚性フォームの層と、座席クッションを、下に存在する側方座席梁に直接取り付けるための一体化構造とを含む。
【0008】
さらに別の態様において、一体化構造は、プラットフォームまたは他の剛体であり得、この構造は、クッション内に少なくとも部分的に封入され得るか、またはその他の態様で、クッションに保定され得る。
【0009】
さらに別の態様において、一体化構造は、座席クッションを座席フレームに直接取り付けるだけでなく、乗客の重量を支持するようにも機能する。
【0010】
さらに別の態様において、座席クッションは、側方座席梁に直接スナップ係合する。
【0011】
上述および他の、態様および利点を達成するために、一実施形態において、座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの上部層と、浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コアと、座席クッションの下側に一体化されて、下に存在する座席フレームの梁に直接係合して、座席クッションを座席フレームに取り付けるための剛性構造とを含む、座席クッションが、本明細書において提供される。
【0012】
剛性構造は、座席クッションの下側を実質的に被覆して位置付けられた単体のプラットフォームであり得る。プラットフォームは、座席クッションの底部から離れる方向に開いており、かつ、ほぼ平坦な中間部分で相互接続されている、間隔を空けて配置された半円形の窪んだ部分を規定することが考えられ、ここで、窪んだ部分は、座席フレームの梁に係合する。窪んだ部分は、下に存在する座席フレームの梁にスナップ嵌め係合し得る。
【0013】
プラットフォームは、上向きに延在して座席フレームの梁に係合する湾曲したフランジにおける対向端部において終端する、ほぼ平坦な中央部分を含み得る。剛性構造は、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップを含み得る。
【0014】
剛性構造は、連続気泡フォームの上部層および独立気泡フォーム・コアの厚さと比較して、僅かな厚さを有するシートであり得る。
【0015】
剛性構造は、連続気泡フォームの上部層および独立気泡フォーム・コアのうちの少なくとも1つ内に少なくとも部分的に封入され得る。
【0016】
この発明の別の実施形態によると、その上の座席クッションを支持するための、間隔を空けて配置された側方梁を有する座席フレームと、座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの上部層、浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コア、ならびに、座席クッションの下側に位置付けられて、間隔を空けて配置された座席フレームの側方梁に直接係合して、クッションを座席フレームに取り付けるための剛性プラットフォームを含む、座席クッションとを含む、航空機の乗客用座席が、本明細書において提供される。
【0017】
剛性プラットフォームは、単体であり得るか、または、下に存在する側方梁とアライメントして座席クッションの下側に位置付けられた複数のクリップを含み得る。剛性プラットフォームは、間隔を空けて配置された側方梁にスナップ嵌め係合して、その上に座席クッションを装着することが考えられ、鋲を使用するなどして、側方梁に直接取り付けられる別個の座席パンまたは隔膜に対する必要性だけでなく、座席クッションを座席パンまたは隔膜に取り付けるための付加的な係止具に対する必要性をもなくす。剛性プラットフォームは、連続気泡フォームの上部層および独立気泡フォーム・コアのうちの1つ内に少なくとも部分的に封入され得るか、またはその他の態様で、クッション上に保定され得る。
【0018】
この発明の付加的な特徴、態様、および利点は、以下に続く詳細な説明中に記載されており、部分的には、当業者にとって当該説明から直ちに自明になるか、または、本明細書に記載されるこの発明を実践することによって認識されるであろう。前述の包括的な説明と、以下の詳細な説明との両方が、この発明の様々な実施形態を提示しており、この発明の特性および特質を、この発明が特許請求される通りに理解するための概観または枠組みを提供することが意図されている旨を理解されるべきである。添付の図面は、この発明のさらなる理解をもたらすために含まれており、この明細書に組み込まれ、この明細書の一部を構成する。
【0019】
本発明の、これらのおよび他の、特徴、態様、および利点は、以下の図を含む添付の図面を参照して、この発明の以下の詳細な説明を読まれると、より深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】下に存在する座席フレームの梁の上方の位置にある、この発明の実施形態によって構築された座席クッションを示す図である。
【0021】
図2a】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
図2b】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
図2c】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
図2d】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
図2e】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
図2f】座席クッションの支持構造の様々な形状のうちの1つを示す図である。
【0022】
図3】この発明の実施形態によって構築されて取り付けられた座席クッションを含む航空機の乗客用座席の図である。
【0023】
図4】座席クッションがスナップ嵌め係合している、下に存在する座席梁を例示するために、航空機の乗客用座席から取り外された座席クッションを示す図である。
【0024】
図5】一体化された支持構造を有していない、関連技術の座席クッションを示す図である。
【0025】
図6】座席クッションが取り付けられる側方梁に架け渡された金属座席パンまたは複合座席パンを含む、関連技術の座席フレームを示す図である。
【0026】
図7】座席クッションが取り付けられる側方梁に架け渡された布地隔膜を含む、関連技術の座席フレームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下において、この発明の例示的実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明について、これからより充分に説明する。しかしながら、この発明は、多くの異なる形で具現化されてよく、本明細書において記載される代表的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。例示的実施形態は、この開示が徹底したものであると同時に完全なものであるように、そして、この発明の範囲を充分に伝達して、当業者の一人による、この発明の作製、使用、および実践を可能にするように、提供される。同じ参照番号は、様々な図面の全てにわたり、同じ要素を指す。
【0028】
本明細書において示され、説明される座席クッションの実施形態は、航空機の座席において、および、より快適であって、より耐久性を有し、より容易に設置可能な座席クッションが所望される他の座席設置用途において、使用され得る。本明細書において提供される座席クッションの実施形態は、軽量であって、かつ、FAAの浮揚性に対応しているクッションを必要とする航空機用の座席において、および、本明細書において「側方横木」とも称される、その上で座席クッションを支持するための、間隔を空けて配置された側方梁を有する座席フレームを含む座席用途において、特に良く適する。座席クッションが、座席フレームの側方梁、特に2つの側方梁に係合するように構成されていることが示されているが、支持プラットフォームは、他の座席フレーム構造に直接係合するように構成され(たとえば形作られ)得ることが想定される。
【0029】
本明細書において示され、説明される座席クッションの実施形態は、座席フレームの、間隔を空けて配置された側方梁に取り付けられ(たとえば鋲留めされ)、当該側方梁に架け渡されている、事前に設置された、金属パンもしくは複合パン、または、布地隔膜に対する必要性をなくす。本明細書において示され、説明される座席クッションの実施形態はさらに、座席クッションを座席フレームの側方梁に取り付けるための付加的な係止具に対する必要性をなくす。
【0030】
図1を参照すると、参照数字20において、この発明の一実施形態によって構築された座席クッションが包括的に示されている。座席クッション20は、一般に、コンフォート・フォーム22の上部層と、浮揚性および構造上の支持を得るための、下に存在するフォーム・コア24と、座席クッションの下側に位置付けられた剛性支持構造26とを含む。コンフォート・フォーム22の上部層は、たとえば、ポリウレタンなどの連続気泡フォームから構築され得る。独立気泡フォーム・コア24は、たとえば、ポリエチレンから構築され得る。コンフォート・フォームおよび独立気泡フォームの配列は、層または他の配列で提供されてよく、示されている配列は、この発明を限定することが意図されない。図示されていないが、座席クッション20は、添加剤、被膜、被覆、接着剤、止水層、断熱層、内張りなどを含んでもよい。
【0031】
剛性支持構造26は、乗客の重量を支持すること、および、付加的な係止具に対する必要性のない状態で、座席フレームの、下に存在する側方梁に座席クッション20を直接取り付けることが意図される。支持構造26は、連続気泡フォーム22の上部層および独立気泡フォーム・コア24の厚さと比較して、僅かな厚さを有する。
【0032】
図1に示されるように、支持構造26は、座席クッション20の底部を実質的に被覆して位置付けられるシート状プラットフォーム28の形をとり得る。一実施形態において、プラットフォーム28は、単体であって、中間平坦部分32を介して接続されている、間隔を空けて配置された半円形の部分30を規定する。中間部分32は、下に存在する側方梁34に架け渡され、半円形の部分30が側方梁の上方でアライメントするように、当該半円形の部分30を、間隔を空けて離して配置する。
【0033】
半円形の部分30は、示されているように筒状である、間隔を空けて配置された側方梁34と相補的であるように形作られる。半円形の部分32は、好ましくは、側方梁34にスナップ嵌め係合する。側方梁が、円筒形以外の形状を有し得ることが想定され、支持構造26の窪んだ部分は、側方梁の形状に相補的であるように形作られ得る。座席クッション20は、窪んだ部分と側方梁との間における締り嵌めという方式によって、および/または、座席クッションの内張りによって、座席フレーム上の定位置に保持され得る。
【0034】
図2a〜図2fを参照すると、支持構造26は他の形状を有してよく、それらのうちのいくつかのみが例示されている。図2aを特に参照すると、支持構造26は、中央部分38を介して接続されている、間隔を空けて配置され、上向きに延在する湾曲したフランジ36を規定することが考えられ、ここで、間隔を空けて配置され、上向きに延在する湾曲したフランジは、座席フレームの、間隔を空けて配置された筒状梁にタイト・フィット係合するために、当該筒状梁と相補的であるように形作られる。図2bを参照すると、支持構造26は、軽量であることを求めて、窓付き中央部分40を含み得る。図2cを参照すると、支持構造26は、強度を増すために、波形の中央部分42を含み得る。図2dを参照すると、支持構造26は、下に存在する側方梁とアライメントして、座席クッション20の底部の角部のあたりに位置付けられた、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップ44を含み得る。図2eおよび図2fを参照すると、支持構造26は、それぞれ、間隔を空けて配置されたセグメントを含み得るか、または、単体であり得る。
【0035】
支持構造26は、座席クッション20の構築に一体化されており、したがって、その恒久部品を形成する。支持構造26は、接合によるなどして、座席クッション20の底部に取り付けられ得るか、または、連続気泡フォーム22および独立気泡フォーム・コア24のうちの1つ内に少なくとも部分的に封入され得る。
【0036】
図3および図4を参照すると、別の実施形態において、その上の座席クッション20を協同して支持する、間隔を空けて配置された側方梁34を有する座席フレームを含む、航空機の乗客用座席46が、本明細書において提供される。座席クッション20は、側方梁34にスナップ嵌め係合して、事前に設置された座席パンまたは布地隔膜、および付加的な係止具に対する必要性のない状態で、座席クッションを座席フレームに取り付ける。
【0037】
前述の説明は、例としてのみ、この発明の実施形態を提供する。他の実施形態が、同様の機能を実施し得ること、および/または、同様の結果を達成し得ることが想定される。あらゆる全てのこのような等価な実施形態および例が、本発明の趣旨および範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2014年10月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席クッションであって、
乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの層と、
浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コアと、
前記座席クッションの下側に位置付けられて、下に存在する座席フレームの梁に直接係合して、前記座席クッションを前記座席フレームに取り付けるための支持構造と、
を備える、座席クッション。
【請求項2】
前記支持構造が、前記座席クッションの前記下側を被覆するプラットフォームを構成する、請求項1に記載の座席クッション。
【請求項3】
前記プラットフォームが、中間平坦部分を介して接続されている、間隔を空けて配置された半円形の部分を備え、前記半円形の部分が、間隔を空けて配置された前記座席フレームの筒状梁に直接係合するように形作られている、請求項2に記載の座席クッション。
【請求項4】
前記支持構造が、中央部分を介して接続されている、間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジを備え、前記間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジが、前記座席フレームの筒状梁に係合するために、前記座席フレームの筒状梁と相補的であるように形作られている、請求項1に記載の座席クッション。
【請求項5】
前記支持構造が剛性であり、単体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項6】
前記支持構造が、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項7】
前記支持構造が、連続気泡フォームの上部層および前記独立気泡フォーム・コアの厚さと比較して、僅かな厚さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項8】
前記支持構造が、下に存在する座席フレームの梁にスナップ嵌め係合する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項9】
前記支持構造が、連続気泡フォームの前記上部層および前記独立気泡フォーム・コアのうちの1つ内に少なくとも部分的に封入される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の座席クッション。
【請求項10】
航空機の乗客用座席であって、
間隔を空けて配置された側方梁を含む座席フレームと、
座席クッションであって、乗客の快適性を得るための連続気泡フォームの上部層、浮揚性および構造上の支持を得るための独立気泡フォーム・コア、ならびに、前記座席クッションの下側に位置付けられて、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合して、付加的な係止具を必要とすることなく、前記座席クッションを前記座席フレームに取り付けるための支持構造を含む、座席クッションと、
を備える、航空機の乗客用座席。
【請求項11】
前記支持構造が、前記座席クッションの前記下側を被覆するプラットフォームである、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項12】
前記プラットフォームが、中間平坦部分を介して接続されている、間隔を空けて配置された半円形の部分を備え、前記半円形の部分が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合し、前記平坦な中間部分が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に架け渡される、請求項11に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項13】
前記支持構造が、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に直接係合する、間隔を空けて配置された複数の半円形のクリップを備える、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項14】
前記支持構造が、中央部分を介して接続されている、間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジを備え、前記間隔を空けて配置されているとともに上向きに延在する湾曲したフランジが、前記間隔を空けて配置された前記座席フレームの側方梁に係合するために、前記間隔を空けて配置された側方梁と相補的であるように形作られている、請求項10に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項15】
前記支持構造が、連続気泡フォームの前記上部層および前記独立気泡フォーム・コアのうちの1つ内に少なくとも部分的に封入される、請求項10〜14のいずれか一項に記載の航空機の乗客用座席。

【国際調査報告】