特表2015-512402(P2015-512402A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2015-512402抗菌性のアルコール泡沫組成物及びその調製法
<>
  • 特表2015512402-抗菌性のアルコール泡沫組成物及びその調製法 図000011
  • 特表2015512402-抗菌性のアルコール泡沫組成物及びその調製法 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512402(P2015-512402A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】抗菌性のアルコール泡沫組成物及びその調製法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/045 20060101AFI20150331BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20150331BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20150331BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20150331BHJP
   A61K 47/44 20060101ALI20150331BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20150331BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20150331BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20150331BHJP
   A61P 31/02 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
   A61K31/045
   A61K9/12
   A61K47/04
   A61K47/12
   A61K47/44
   A61K47/34
   A61K47/14
   A61P17/00 101
   A61P31/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-503325(P2015-503325)
(86)(22)【出願日】2013年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月24日
(86)【国際出願番号】US2013032055
(87)【国際公開番号】WO2013148313
(87)【国際公開日】20131003
(31)【優先権主張番号】61/617,987
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077861
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 勝三
(72)【発明者】
【氏名】コーヘン ミッチェル ジャレド
(72)【発明者】
【氏名】エバーツ サード ジェームス ハーヴィー
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマン エヴァン デーヴィッド
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA27
4C076BB31
4C076CC31
4C076DD22Z
4C076DD25
4C076DD25V
4C076DD37A
4C076DD41Z
4C076DD42Z
4C076DD43Z
4C076DD46
4C076EE23
4C076EE51
4C206AA10
4C206CA03
4C206DA01
4C206MA03
4C206MA06
4C206MA33
4C206MA83
4C206ZA89
4C206ZB35
(57)【要約】
2以上のプレ混合組成物を合わせることによる抗菌性のアルコール泡沫組成物の製法を提供する。第1のプレ混合組成物は、本来、アルコール性であり、アルコール、酸性成分及びワックス成分を含んでなる。第2のプレ混合組成物は、本来、水性であり、水及び炭酸塩を含んでなる。空気又はエーロゾル噴射剤の添加を必要としない抗菌性のアルコール泡沫組成物も提供される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性のアルコール性泡沫組成物を調製する方法であって、
(a)第1のプレ混合組成物の総質量基準で、低級アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなる第1のプレ混合組成物、及び(b)水及び炭酸塩を含んでなる第2のプレ混合組成物を合わせる工程
含んでなる、抗菌性のアルコール性泡沫組成物の調製法。
【請求項2】
抗菌性のアルコール性泡沫組成物を調製する方法であって、
水性のプレ混合物である第1の液体プレ混合物を収容する第1のリザーバー、アルコール性のプレ混合物である第2の液体プレ混合物を収容する第2のリザーバーを有するディスペンサーを用意する工程;
前記水性のプレ混合物(ここで、水性のプレ混合物は炭酸塩及び水を含んでなるものである)の一定分量を分配する工程;
前記アルコール性のプレ混合物(ここで、アルコール性のプレ混合物は、該アルコール性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール少なくとも50質量%、ワックス成分、及び酸性成分を含んでなるものである)の一定分量を分配する工程;
前記水性のプレ混合物の一定分量及び前記アルコール性のプレ混合物の一定分量を混合し、前記水性のプレ混合物及び前記アルコール性のプレ混合物を化学的に反応させて、抗菌性のアルコール性泡沫を生成する工程
を含んでなる、抗菌性のアルコール性泡沫組成物の調製法。
【請求項3】
酸性成分が、塩酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、硫酸、アジピン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、クロロコハク酸、塩化コリン、シス−アコニット酸、シトラマル酸、クエン酸、シクロブタン1,1,3,3−テトラカルボン酸、シクロヘキサン1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロペンタン1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリオキシル酸、イソクエン酸、オキソマロン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、オキサロ酢酸、シュウ酸、フィチン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、タルトロン酸、テトラヒドロフラン2,3,4,5−テトラカルボン酸、トリカルバリル酸、エデト酸、3−ヒドロキシグルタル酸、2−ヒドロキシプロパン1,3−ジカルボン酸、グリセリン酸、フラン2,5−ジカルボン、3,4−ジヒドロキシフラン2,5−ジカルボン酸、3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン2,5−ジカルボン酸、2−オキソ−グルタル酸、dl−グリセリン酸、及び2,5−フランジカルボン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、タルトロン酸、シュウ酸、サリチル酸、マロン酸、酒石酸水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、及びピロリン酸二ナトリウム、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
酸性成分が、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、シュウ酸、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項1−3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
酸性成分がクエン酸である、請求項1−4のいずれかに記載の製法。
【請求項6】
酸性成分の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも0.02当量である、請求項1−5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
酸性成分の量が、水性のプレ混合物中に存在する炭酸塩の当量の0.5−約2倍である、請求項1−6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
酸性成分の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも0.02モルを生成するために必要な酸の化学量論量である、請求項1−7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素アンモニウム、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項1−8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
炭酸塩が炭酸水素カリウムである、請求項1−9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
炭酸塩の量が有効量である、請求項1−10のいずれかにに記載の方法。
【請求項12】
炭酸塩の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも0.02モルを生成するために必要な炭酸塩の化学量論量である、請求項1−11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
水性のプレ混合物が炭酸塩について飽和の溶液である、請求項1−12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ワックス成分が、カルバウナロウ、カンデリラロウ、Ouricuryロウ、木ロウ、コルクファイバーワックス、サトウキビロウ、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、植物性ワックス、C8−24脂肪アルコール、C8−24脂肪酸、室温において固状のグリセリド、C8−24脂肪アルコールとエトキシル化C8−24脂肪アルコールとのブレンド、C8−24脂肪アルコールと非イオン性界面活性剤とのブレンド、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項1−13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ワックス成分が乳化ロウである、請求項1−14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
ワックス成分が、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも0.2質量%の量で存在する、請求項1−15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
ワックス成分が、合わせたアルコール性のプレ混合物及び水性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも0.1質量%の量で存在する、請求項1−16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
水性のプレ混合物が、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、及びその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含んでなる、請求項1−17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
アルコール性のプレ混合物が、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、及びその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含んでなる、請求項1−18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
乳化剤がポロキサマーである、請求項1−19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
水性のプレ混合物が、さらに、C1−6アルコール約49質量%以下を含んでなる、請求項1−20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
泡沫が、酸と炭酸塩との間の反応の際、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の液体容積の1.5−5倍の最終容積に膨張する、請求項1−21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
泡沫が、室温及び室圧において少なくとも1分間安定である、請求項1−22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
アルコール性のプレ混合組成物の総質量基準で、低級アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなるアルコール性;及び
炭酸塩を含んでなる水性のプレ混合組成物
を合わせることによって調製される、自己生成形の泡沫。
【請求項25】
(a)第1のプレ混合組成物の総質量基準で、低級アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなる第1のプレ混合組成物、及び
(b)水及び炭酸塩を含んでなる第2のプレ混合組成物
を合わせることのよって調製される、抗菌性のアルコール性泡沫組成物。
【請求項26】
泡沫が、C1−6アルコール、ワックス成分、及び任意成分を含んでなり、空気又はエーロゾル噴射剤を含有しない、二酸化炭素系の抗菌性のアルコール性泡沫組成物。
【請求項27】
酸性成分が、塩酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、硫酸、アジピン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、クロロコハク酸、塩化コリン、シス−アコニット酸、シトラマル酸、クエン酸、シクロブタン1,1,3,3−テトラカルボン酸、シクロヘキサン1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロペンタン1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリオキシル酸、イソクエン酸、オキソマロン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、オキサロ酢酸、シュウ酸、フィチン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、タルトロン酸、テトラヒドロフラン2,3,4,5−テトラカルボン酸、トリカルバリル酸、エデト酸、3−ヒドロキシグルタル酸、2−ヒドロキシプロパン1,3−ジカルボン酸、グリセリン酸、フラン2,5−ジカルボン、3,4−ジヒドロキシフラン2,5−ジカルボン酸、3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン2,5−ジカルボン酸、2−オキソ−グルタル酸、dl−グリセリン酸、及び2,5−フランジカルボン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、タルトロン酸、シュウ酸、サリチル酸、マロン酸、酒石酸水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、及びピロリン酸二ナトリウム、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項25−26のいずれかにに記載の組成物。
【請求項28】
酸性成分が、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、シュウ酸、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項25−27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
酸性成分がクエン酸である、請求項25−28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
酸性成分の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも0.02当量である、請求項25−29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
酸性成分の量が、水性のプレ混合物中に存在する炭酸塩の当量の0.5−約2倍である、請求項25−30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
酸性成分の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも0.02モルを生成するために必要な酸の化学量論量である、請求項25−31のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素アンモニウム、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項25−32のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
炭酸塩が炭酸水素カリウムである、請求項25−33のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
炭酸塩の量が有効量である、請求項25−34のいずれかにに記載の組成物。
【請求項36】
炭酸塩の量が、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも0.02モルを生成するために必要な炭酸塩の化学量論量である、請求項25−35のいずれかに記載の組成物。
【請求項37】
水性のプレ混合物が炭酸塩について飽和の溶液である、請求項25−36のいずれかに記載の組成物。
【請求項38】
ワックス成分が、カルバウナロウ、カンデリラロウ、Ouricuryロウ、木ロウ、コルクファイバーワックス、サトウキビロウ、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、植物性ワックス、C8−24脂肪アルコール、C8−24脂肪酸、室温において固状のグリセリド、C8−24脂肪アルコールとエトキシル化C8−24脂肪アルコールとのブレンド、C8−24脂肪アルコールと非イオン性界面活性剤とのブレンド、及びその混合物からなる群から選ばれるものである、請求項25−37のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
ワックス成分が乳化ロウである、請求項25−38のいずれかに記載の組成物。
【請求項40】
ワックス成分が、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも0.2質量%の量で存在する、請求項25−39のいずれかに記載の組成物。
【請求項41】
ワックス成分が、合わせたアルコール性のプレ混合物及び水性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも0.1質量%の量で存在する、請求項25−40のいずれかに記載の組成物。
【請求項42】
水性のプレ混合物が、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、及びその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含んでなる、請求項25−41のいずれかに記載の組成物。
【請求項43】
アルコール性のプレ混合物が、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、及びその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含んでなる、請求項25−42のいずれかに記載の組成物。
【請求項44】
乳化剤がポロキサマーである、請求項25−43のいずれかに記載の組成物。
【請求項45】
水性のプレ混合物が、さらに、C1−6アルコール約49質量%以下を含んでなる、請求項25−44のいずれかに記載の製法。
【請求項46】
泡沫が、酸と炭酸塩との間の反応の際、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の液体容積の1.5−5倍の最終容積に膨張する、請求項25−45のいずれかに記載の組成物。
【請求項47】
泡沫が、室温及び室圧において少なくとも1分間安定である、請求項25−46のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の具体例は、抗菌性のアルコール泡沫組成物及び抗菌性のアルコール泡沫組成物を製造する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
医療の現場においては、効果的で、広範囲スペクトル抗菌性の消毒薬製品についての要求がある。泡沫洗浄剤は、1つには、これらが表面上で展開することが容易であるとの理由から人気がある。消費者は、泡沫セッケン製品及び消毒薬製品の高級感を好むようである。少なくとも部分的には泡沫のより大きい表面積のため、液体又はゲルと同じ洗浄力を提供するには、泡沫では、より少ない量でよい。好適に処方された泡沫製品は、従来のゲル化製品又は液体製品について経験される滴下(ドリップ)及びはね(スプラッシュ)を生じない。これは、製品を収容するディスペンサーが使用される施設の床及び壁に対する損傷を防止する。泡沫製品の製造は、取り扱いが困難である粉末状の増粘剤がしばしば配合されるゲル化製品よりも容易である。
【0003】
代表的には、泡沫製品は、泡沫を生成するために気体を液体と混合するように適合されたディスペンサーを必要とする。エーロゾル泡沫製品は、加圧システム及び噴射剤を必要とする。米国特許第6,660,282号は、非エーロゾル泡沫製品のいくつかの課題を記載している。当該米国特許第6,660,282号は、ある種のタイプの非エーロゾルディスペンサーは、多孔性のフィルター又はメッシュスクリーンを使用して作動するため、特殊な成分又はわずかに粘稠な組成物に対しても耐えられないことを記述している。また、米国特許第6,660,282号は、非エーロゾル型の生成された泡沫は、しばしば、濃密な豪華性に欠け、しばしば、クッションのような使用感を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、泡沫を生成するために気体を液体と混合するディスペンサーを必要としない広く適用される抗菌性のアルコール性泡沫組成物についての要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の具体例は、抗菌性のアルコール性泡沫組成物、及び空気を添加することなく及び加圧成分又はエーロゾル噴射剤を必要とすることなく、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を製造する方法を提供する。プレ混合組成物(非加圧容器内に、別々に保管される)は、合わされる際に二酸化炭素を生成し、二酸化炭素は、プレ混合物の他の成分と一緒に、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を形成する。
【0006】
本発明の具体例によれば、抗菌性のアルコール性泡沫組成物は、(a)第1のプレ混合組成物の総質量基準で、低級アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなる第1のプレ混合組成物、及び(b)水及び炭酸塩を含んでなる第2のプレ混合組成物を混合することによって得られる。
【0007】
本発明の具体例は、二酸化炭素系の抗菌性のアルコール性泡沫組成物であって、泡沫がC1−6アルコール、ワックス成分、及び任意成分を含んでなり、ただし、空気又はエーロゾル噴射剤を含有しない二酸化炭素系の抗菌性のアルコール性泡沫組成物を提供する。
【0008】
1以上の具体例では、本発明は、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を調製する方法であって、(a)第1のプレ混合組成物の総質量基準で、低級アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなる第1のプレ混合組成物、及び(b)水及び炭酸塩を含んでなる第2のプレ混合組成物を合わせることを含んでなる調製法を提供する。
【0009】
1以上の具体例では、本発明は、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を調製する方法であって、水性のプレ混合物である第1の液体プレ混合物を収容する第1のリザーバー、アルコール性のプレ混合物である第2の液体プレ混合物を収容する第2のリザーバーを有するディスペンサーを用意する工程;前記水性のプレ混合物(ここで、水性のプレ混合物は炭酸塩及び水を含んでなるものである)の一定分量を分配する工程;前記アルコール性のプレ混合物(ここで、アルコール性のプレ混合物は、該アルコール性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール少なくとも50質量%、酸性成分、及びワックス成分を含んでなるものである)の一定分量を分配する工程;前記水性のプレ混合物の一定分量及び前記アルコール性のプレ混合物の一定分量を混合し、前記水性のプレ混合物及び前記アルコール性のプレ混合物を化学的に反応させて、抗菌性のアルコール性泡沫を生成する工程を含んでなる方法を提供する。
【0010】
1以上の具体例では、本発明は、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール少なくとも約50質量%、少なくとも1の酸性成分、及び少なくとも1のワックス成分を含んでなるアルコール性のプレ混合物;及び炭酸塩を含んでなる第2のプレ混合物を合わせることによって調製される自己生成形の泡沫を提供する。
【0011】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分は、塩酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、硫酸、アジピン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、クロロコハク酸、塩化コリン、シス−アコニット酸、シトラマル酸、クエン酸、シクロブタン1,1,3,3−テトラカルボン酸、シクロヘキサン1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロペンタン1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリオキシル酸、イソクエン酸、オキソマロン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ニトリロ三酢酸、オキサロ酢酸、シュウ酸、フィチン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、タルトロン酸、テトラヒドロフラン2,3,4,5−テトラカルボン酸、トリカルバリル酸、エデト酸、3−ヒドロキシグルタル酸、2−ヒドロキシプロパン1,3−ジカルボン酸、グリセリン酸、フラン2,5−ジカルボン、3,4−ジヒドロキシフラン2,5−ジカルボン酸、3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン2,5−ジカルボン酸、2−オキソ−グルタル酸、dl−グリセリン酸、及び2,5−フランジカルボン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、タルトロン酸、シュウ酸、サリチル酸、マロン酸、酒石酸水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、及びピロリン酸二ナトリウム、又はその混合物である。
【0012】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分は、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、シュウ酸、又はその混合物である。
【0013】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分はクエン酸である。
【0014】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも約0.02当量である。
【0015】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分の量は、水性のプレ混合物中に存在する炭酸塩の当量の0.5−約2倍である。
【0016】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、酸性成分の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも約0.02モルを生成するために必要な化学量論量である。
【0017】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素アンモニウム、又はその混合物である。
【0018】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、炭酸塩は炭酸水素カリウムである。
【0019】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、炭酸塩の量は有効量である。
【0020】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、炭酸塩の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも約0.02モルを生成するために必要な炭酸塩の化学量論量である。
【0021】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、水性のプレ混合物は、炭酸塩について飽和の溶液である。
【0022】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、ワックス成分は乳化ロウである。
【0023】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、ワックス成分は、水性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも約0.2質量%の量で存在する。
【0024】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、ワックス成分は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも約0.1質量%の量で存在する。
【0025】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、水性のプレ混合物は、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、又はその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含むことができる。
【0026】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、アルコール性のプレ混合物は、さらに、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、又はその混合物からなる群から選ばれる乳化剤を含むことができる。
【0027】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、乳化剤はポロキサマーである。
【0028】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、水性のプレ混合物は、さらに、C1−6アルコール約49質量%以下を含むことができる。
【0029】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、泡沫の容積は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の液体容積の1.5−5倍である。
【0030】
上記の具体例のいずれかにおいて、又はさらにここに記載するように、泡沫は室温及び室圧において、少なくとも約1分間安定である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明によるディスペンサーの概略図である。
図2】泡沫の質の評定尺度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
1以上の具体例では、本発明は、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を提供する。手の消毒剤として好適であることに加えて、本発明の抗菌性組成物は、皮膚、多孔性又は無孔性の表面を含む広範囲の表面又は物質に対して使用される。
【0033】
抗菌性のアルコール性泡沫組成物は、2以上の液体プレ混合物を合わせることによって調製される。主としてアルコール性であり、従って、ここでは、アルコール性のプレ混合物と称する第1の組成物は、アルコール、酸性成分、及びワックス成分を含んでなる。主として水性であり、従って、ここでは、水性のプレ混合物と称する第2の組成物は、水及び炭酸塩を含んでなる。
【0034】
1以上の具体例では、酸が炭酸塩と反応して、二酸化炭素(CO)を生成できるものである限り、広範囲の酸のいずれかを使用できる。酸の例としては、無機酸及び有機酸が含まれる。無機酸としては、塩酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、ホウ酸、及び硫酸が含まれるが、これらに限定されない。有機酸としては、スルホン酸、有機リン酸、安息香酸、プロピオン酸、フタル酸、酪酸、酢酸のようなカルボン酸、アミノ酸、及び他の置換又は未置換の有機酸が含まれる。
【0035】
有機酸の例としては、アジピン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、クロロコハク酸、塩化コリン、シス−アコニット酸、シトラマル酸、クエン酸、シクロブタン1,1,3,3−テトラカルボン酸、シクロヘキサン1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロペンタン1,2,3,4−テトラカルボン酸、ジグリコール酸、フマル酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリオキシル酸、イソクエン酸、オキソマロン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、ニトリロ酢酸、オキサロ酢酸、シュウ酸、フィチン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、タルトロン酸、テトラヒドロフラン2,3,4,5−テトラカルボン酸、トリカルバリル酸、エデト酸、3−ヒドロキシグルタル酸、2−ヒドロキシプロパン1,3−ジカルボン酸、グリセリン酸、フラン2,5−ジカルボン、3,4−ジヒドロキシフラン2,5−ジカルボン酸、3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン2,5−ジカルボン酸、2−オキソ−グルタル酸、dl−グリセリン酸、及び2,5−フランジカルボン酸が含まれる。
【0036】
ある種の具体例では、酸はカルボン酸を含む。カルボン酸の例としては、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、フマル酸、アスコルビン酸、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、タルトロン酸、シュウ酸、サリチル酸、マロン酸、及びその混合物が含まれる。
【0037】
1以上の具体例では、酸性成分は、酸のナトリウム、カリウム又はカルシウム塩である。有用な塩の例としては、酒石酸水素カリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、リン酸モノナトリウム、及びピロリン酸二ナトリウムが含まれる。
【0038】
1以上の具体例では、ワックス成分は、室温(25℃)及び大気圧(760 mmHg、すなわち、101 kPa)において固状である親油性脂肪族化合物である。代表的には、ワックス成分は、40℃より大の融点を有する。1以上の具体例では、ワックス成分は、その固形状態において、異方性結晶組織によって特徴づけられる。多くのワックスは、状態の可逆的固体/液体変化を受けることができる。一般に、ワックス成分は水に不溶である。1以上の具体例では、ワックス成分は、天然ワックス、合成ワックス、及び乳化ロウから選ばれる。ワックスの例としては、エチレンの(共)重合から誘導されるポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプッシュ合成によって得られるワックス、脂肪アルコール、脂肪アルコールエステル、グリセリド、シリコーンワックス、及びその混合物が含まれる。
【0039】
1以上の具体例では、ワックス成分は、少なくともC1−6アルコールにおける最少溶解量を示すものであるべきである。1以上の具体例では、ワックス成分は、C1−6アルコール93g当たり少なくともワックス成分約2gの溶解度を有する。他の具体例では、ワックス成分は、C1−6アルコール91g当たり少なくともワックス成分約4gの溶解度、他の具体例では、C1−6アルコール90g当たり少なくともワックス成分約5gの溶解度、及びさらに他の具体例では、C1−6アルコール89g当たり少なくともワックス成分約6gの溶解度を有する。
【0040】
有用なワックスの例としては、乳化ロウが含まれる。一般に、ワックス自体実質的に疎水性であるが、乳化ロウとしては、ワックスの乳化剤としての能力を増進させるために、追加の成分と化学的に反応させた又はブレンドしたワックスが含まれる。薬局方の基準に適合する乳化ワックスは、しばしば、乳化ロウNFと称される。乳化ロウの例としては、1以上の脂肪アルコールと1以上の乳化剤とのブレンドが含まれる。
【0041】
1以上の具体例では、ワックス成分は、ミツロウ、カルバウナロウ、カンデリラロウ、Ouricuryロウ、木ロウ、コルクファイバーワックス、サトウキビロウ、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、植物性ワックス、C8−24脂肪アルコール、C8−24脂肪酸、室温において固状のグリセリド、C8−24脂肪アルコールとエトキシル化C8−24脂肪アルコールとのブレンド、C8−24脂肪アルコールと非イオン性界面活性剤とのブレンド、及びその混合物が含まれる。1以上の具体例では、ワックス成分は、カプリルアルコール、ペラルゴンアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、テトラコサノール、セテアリルアルコール、又はその組み合わせを含む。1以上の具体例では、ワックス成分は、セテアリルアルコール及びceteareth-20のブレンドである。1以上の具体例では、ワックス成分は、セテアリルアルコール及びステアリルアルコールを含むブレンドである。1以上の具体例では、ワックス成分は、セテアリルアルコール、ポリソルベート-60、及びPEG-150ステアレート、及びsteareth-20を含むブレンドである。
【0042】
1以上の具体例では、アルコールは、低級アルコール、すなわち、炭素原子1−6個を含有するアルコールである。代表的には、これらのアルコールは抗菌性を有する。低級アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、及びその異性体及び混合物が含まれるが、これらに限定されない。1以上の具体例では、アルコールは、エタノール、プロパノール、又はブタノール、又はその異性体又は混合物を含んでなる。特別の具体例では、アルコールはエタノールを含んでなる。
【0043】
一般的に、アルコール性のプレ混合物は、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール少なくとも50質量%を含んでなる。1具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール少なくとも約60質量%を含んでなり、他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール少なくとも約70質量%を含んでなり、さらに他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール少なくとも約80質量%を含んでなり、及び他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール少なくとも約90質量%を含んでなる。ある種の例では、特に組成物において使用する他の成分及び/又はその量に応じて、より多い又はより少ない量のアルコールを使用できる。ある種の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、C1−6アルコール約50−約99質量%を含んでなり、他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール約60−約98質量%を含んでなり、さらに他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール約70−約97質量%を含んでなり、さらに他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、アルコール約80−約96質量%を含んでなる。
【0044】
1以上の具体例では、アルコール性のプレ混合物の残余はC1−6アルコールである。他の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、1以上の任意成分を含むことができるが、ただし、抗菌性泡沫の発泡性又は抗菌性に対して悪影響を及ぼしてはならない。1以上の具体例では、アルコール性のプレ混合物は、存在するとしても、最少量の水のみを含有する。1以上の具体例では、アルコール性のプレ混合物は水を含有しない。
【0045】
1以上の具体例では、水性のプレ混合物は、水及び炭酸塩を含んでなる。水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物を合わせる際、酸及び塩基性の炭酸塩が関与する化学反応により、二酸化炭素のようなガス状生成物が生成されると考えられる。
【0046】
好適な炭酸塩としては、酸と反応して二酸化炭素を生成できるものが含まれる。1以上の具体例では、炭酸塩は、標準温度及び圧力において、少なくとも部分的に水に溶解できるものである。この記載に関して、炭酸水素塩も分類「炭酸塩」に含まれるものと理解される。炭酸塩の例としては、炭酸アルカリ塩及び炭酸水素アルカリ及びアルカリ土類塩が含まれる。炭酸塩の具体的な例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム、及び炭酸水素アンモニウムが含まれる。
【0047】
水性のプレ混合物は主として水であるが、1以上の具体例では、水性のプレ混合物は、少量のC1−6アルコールを含むことができる。「少量」とは、水性のプレ混合物において、C1−6アルコールの量が水の量を越えないことを意味する。特別な具体例では、水性のプレ混合物は、水性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール約49質量%以下、他の具体例では、40質量%以下、他の具体例では、30質量%以下、他の具体例では、20質量%以下、他の具体例では、15質量%以下を含有できる。
【0048】
1以上の具体例では、水性のプレ混合物はC1−6アルコールを含有しない。1具体例では、水性のプレ混合物は、水性のプレ混合物の総質量基準で、C1−6アルコール0−約49質量%、他の具体例では、C1−6アルコール約0.5−約40質量%、他の具体例では、アルコール約1−約30質量%を含有できる。
【0049】
1以上の具体例では、水性のプレ混合物の残余は水である。他の具体例では、水性のプレ混合物は、1以上の任意成分を含むことができるが、ただし、抗菌性アルコール泡沫の発泡性又は抗菌性に対して悪影響を及ぼしてはならない。
【0050】
上述のように、本発明の水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物は、組み合わされて抗菌性のアルコール性泡沫を生成するいくつかの成分を含む。プレ混合物のいずれか又は両方は、さらに、広い範囲の任意成分を含んでなることができるが、ただし、これらは組成物の発泡性又は消毒効果に悪影響を及ぼさないものである。CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 11版, 2005及び2004 CTFA International Buyer's Guide(これらの両方を、参照して、ここに組み込む)は、本発明の組成物における使用に好適である、スキンケア工業において一般的に使用される各種の非限定的な化粧品及び医薬品成分を記載している。後者の文献の537頁には、成分の機能的な種類の非限定的な例が記載されている。これらの機能的な種類の例としては、研磨剤、抗アクネ剤、固化防止剤、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、増量剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、コンディショナー、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、乳化剤、外用鎮痛剤、膜形成剤、香り成分、保湿剤、湿潤剤、不透明化剤、可塑剤、保存料(時には「抗菌剤」と称される)、噴射剤、還元剤、美白剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、その他(miscellaneous)、水分蒸発抑制剤(occlusive))、皮膚保護剤、溶媒、界面活性剤、起泡力増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外性吸収剤、粘着防止剤、及び増ちょう剤(水性及び非水性)が含まれる。当業者によく知られた、ここで有用な物質の他の機能的な種類の例としては、金属イオン封鎖剤、角質溶解剤、局所有効成分などが含まれる。
【0051】
ある種の具体例では、抗菌性組成物は、1以上の保湿剤を含んでなる。保湿剤の例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコールのようなプロパンジオール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、及びその組み合わせが含まれる。他の保湿剤としては、グリコール酸、グリコール酸塩、乳酸塩、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、キチンなどが含まれる。
【0052】
1以上の具体例では、抗菌性組成物は、1以上の乳化剤を含む。乳化剤の例としては、非イオン性界面活性剤、エトキシル化脂肪アルコール、及びエトキシル化脂肪アルコールエステルが含まれる。1具体例では、乳化剤は、ポリソルベート、ポロキサマー、ポリエトキシル化シロキサンポリマー、又はその混合物が含まれる。1具体例では、乳化剤は、オレイン酸trideceth-20、ポリソルベート-60、PEG-150ステアレート、steareth-20、ceteareth-20、PEG/PPG-20/6ジメチコーン、又はその混合物が含まれる。1以上の具体例では、乳化剤は、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で、約0−約10質量%、他の具体例では、約0.1−約5質量%、他の具体例では、約0.5−約2質量%の量で存在する。これらの具体例及び他の具体例では、乳化剤は水性のプレ混合物中に存在する。1以上の具体例では、乳化剤は、水性のプレ混合物の総質量基準で、約0−約10質量%、他の具体例では、約0.1−約5質量%、他の具体例では、約0.5−約2質量%の量で存在する。
【0053】
1以上の具体例では、水性のプレ混合物及び/又はアルコール性のプレ混合物は、1以上の増粘剤及び任意に1以上の安定剤を含む。増粘剤及び安定剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VP共重合体が含まれる。増粘剤及び安定剤がデンプン系である1具体例では、増粘剤及び安定剤は、プレ混合物の総質量基準で、約10質量%以下の量、他の具体例では、約0.1−約5質量%の量、さらに他の具体例では、約0.2−約1質量%の量で存在する。増粘剤及び安定剤が合成ポリマーである他の具体例では、増粘剤及び安定剤は、プレ混合物の総質量基準で、約15質量%以下の量、他の具体例では、約0.1−約10質量%の量、さらに他の具体例では、約1−約2質量%の量で存在する。
【0054】
1以上の具体例では、抗菌性組成物は、1以上の可溶化剤を含む。可溶化剤の例としては、PEG-40水添ヒマシ油、ポリソルベート-80、PEG-80ソルビタンラウレート、ceteareth-20、oleth-20、PEG-4、及びプロピレングリコールが含まれる。可溶化剤の量は、組成物の発泡性又は抗菌効果に対して悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。
【0055】
1以上の具体例では、水性のプレ混合物及び/又はアルコール性のプレ混合物は、1以上の抗ウイルス剤又は抗ウイルス作用増進剤を含む。抗ウイルス剤の例としては、ロスマリン酸、テトラヒドロクルクミノイド、オレウロペイン、オレアノール酸、アスパラサス・リネアリス(Aspalathus linearis)エキス、白茶、紅茶、緑茶エキス、ニーム油リモノイド、コレウスオイル、甘草エキス、ワレモコウ、ショウガ及びシナモンエキス、α−グルカンオリゴ糖、荏胡麻(Perilla ocymoides)葉粉末、樟脳、油茶(Camellia oleifera)葉エキス、ショウガ、メントール、ユーカリ油、キャピリシル(capillisil hc)、ヒドロキシプロリシラン(hydroxyprolisilane cn)、サンドルウッズ(sandlewood)オイル/樹脂、キンセンカ(calendula)オイル、ローズマリーオイル、ライム/オレンジオイル、及びホップ酸のような植物成分が含まれる。使用する場合、抗ウイルス剤は、プレ混合物の総質量基準で約0.1−約1質量%の量で存在する。
【0056】
抗ウイルス作用増進剤の例としては、カチオン性のオリゴマー及びポリマー、カオトロピック剤、及び銅化合物及び亜鉛化合物が含まれる。抗ウイルス作用増進剤は、米国特許第8,119,115号及び米国特許出願公開第2007/0185216号及び第2009/0018213号に記載されており、いずれも、参照することによって、ここに含める。
【0057】
1以上の具体例では、補助抗菌剤が含まれることがあるが、ただし、抗菌成分は、組成物の消毒特性に悪影響を及ぼさないものである。他の具体例では、1以上の補助抗菌剤が、水性のプレ混合物中、又はアルコール性のプレ混合物中、又はその両方に存在することができる。補助抗菌剤の例としては、トリクロサン(5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(PCMX)としても知られており、Ciba-Geigy社から、商標名IRGASAN(登録商標)として市販されている);クロロキシレノール(4−クロロ−3,5−キシレノールとしても知られており、Nipa Laboratories社から、商標名NIPACIDE(登録商用)MX又はPXとして市販されている);ヘキセチジン(5−アミノ−1,3−ビス(2−エチルへキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジンとしても知られている);クロロヘキシジングルコネート及びN,N''−ビス(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,14−テトラアザテトラデカンジイミジアミドの塩を含むクロロヘキシジン塩;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1;1,2−オクタンジオールを含むC6−10アルカンジオール;塩化ベンザルコニウム;塩化セチルピリジニウム;塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム;ヨウ素;フェノール、ビスフェノール、ジフェニルエーテル、フェノール誘導体;ポリビニルピロリドン−ヨウ素を含むポビドン−ヨウ素;パラベン;ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMヒダントイン又はグリダントとしても知られている)と共に、2,4−イミダゾリンジオン及び2,4−イミダゾリンジオンの誘導体を含むヒダントイン及びその誘導体;フェノキシエタノール;塩化1−(3−クロロアリル)−3,5,6−トリアザ−1−アゾニアアダマンタン(クオタニウム−15としても知られており、Dow Chemical社から商標名DOWCIL 2000として市販されている)のシス異性体;ジアゾリジニル尿素;ラウリン酸アルギネート(LAE);塩化ベンゼトニウム;塩化メチルベンゼトニウム;グリセリルラウレート;銀、銅、マグネシウム、亜鉛化合物のような遷移金属化合物;過酸化水素;二酸化塩素;アニリド;ビスグアニジン;トロポロン;及びその混合物が含まれる(これらに限定されない)。補助抗菌剤及び抗菌性作用増進剤は、さらに、出願中の米国特許出願第13/377839号及び国際公開WO2011/119517に記載されており、両方を、参照して、ここに組み込む。
【0058】
1以上の具体例では、酸、ワックス成分、炭酸塩、及び他の成分の量は、水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の合わせた量に基づいて表わされる。
【0059】
1以上の具体例では、酸の量は、水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の合わせた量と関連して酸当量基準で表わされる(ここで、酸の当量は、酸性水素、すなわち、酸の中和の間に、塩基と反応する水素の1原子量を含有する量である)。1以上の具体例では、酸の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも約0.02当量である。他の具体例では、酸の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり、少なくとも約0.04当量、他の具体例では、少なくとも約0.05当量、及び他の具体例では、少なくとも約0.075当量である。より多い量の酸が使用されることが理解されるであろう。
【0060】
1以上の具体例では、酸の量は、炭酸塩の量と関連して化学量論量基準で表わされる。特別な具体例では、アルコール性のプレ混合物中に存在する酸の当量数は、水性のプレ混合物中に存在する炭酸塩の当量数の約0.5−約2倍、他の具体例では、約0.6−約1.5倍、他の具体例では、約0.8−約1.2倍である。
【0061】
これらの具体例及び他の具体例では、酸の量は、水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物を合わせる際に生成される二酸化炭素の量と関連して化学量論量基準で表わされる。特別な具体例では、酸の当量数は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり二酸化炭素少なくとも約0.02モルを生成するために必要な酸の化学量論量である。他の具体例では、酸の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり、二酸化炭素少なくとも約0.04モル、他の具体例では、少なくとも約0.05モル、他の具体例では、少なくとも約0.075モルを生成するために必要な酸の化学量論量である。
【0062】
1以上の具体例では、ワックス成分の量は特に限定されないが、美的要素及び溶解度パラメーターのようなファクターに基づいて選択される。1以上の具体例では、ワックス成分の量は、アルコール性のプレ混合物の総質量と関連して表わされる。これらの具体例及び他の具体例では、ワックス成分の量は、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で少なくとも約0.2質量%、他の具体例では、少なくとも約0.5質量%、他の具体例では、少なくとも約0.8質量%である。これらの具体例及び他の具体例では、ワックス成分の量は、アルコール性のプレ混合物の総質量基準で約0.2−約10質量%、他の具体例では、約0.5−約8質量%、他の具体例では、約0.8−約6質量%である。
【0063】
1以上の具体例では、ワックス成分の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の総質量と関連して表わされる。これらの具体例及び他の具体例では、ワックス成分の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の総質量基準で約0.1−約8質量%、他の具体例では、約0.2−約5質量%、他の具体例では、約0.4−約4質量%である。
【0064】
いくつかの炭酸塩は水性溶媒における限定された溶解度を有し、炭酸塩の量は、標準温度及び圧力における溶解度限度によって限定されると理解される。1以上の具体例では、20℃の水における炭酸塩の溶解度は、水100 ml当たり少なくとも約20g、他の具体例では、水100 ml当たり少なくとも約50gである。
【0065】
1以上の具体例では、炭酸塩の最少量は、泡沫を生成するための有効量として定義される。1以上の具体例では、炭酸塩の有効量は、水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物を合わせる際に生成される二酸化炭素の量と関連して表わされる。1具体例では、炭酸塩の有効量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たりCO少なくとも約0.02モル、他の具体例では、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり、CO少なくとも約0.04モル、他の具体例では、CO少なくとも約0.05モル、及び他の具体例では、CO少なくとも約0.075モルを生成するために必要な炭酸塩の量として算定される。1以上の具体例では、水性のプレ混合物は、標準温度及び圧力において、炭酸塩について飽和の溶液である。
【0066】
1以上の具体例では、炭酸塩の量は、水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の合わせた量と関連して当量基準で表わされる(ここで、炭酸塩の当量は、二酸化炭素1モルを生成するために化学量論的に必要な炭酸塩の質量である)。1以上の具体例では、炭酸塩の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも約0.02当量である。他の具体例では、炭酸塩の量は、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物100g当たり少なくとも約0.04当量、他の具体例では、少なくとも約0.05当量、他の具体例では、少なくとも約0.075当量である。
【0067】
プレ混合物は、物理的に別個のパッケージから又は連通していないチャンバーを有する単一のパッケージから分配される。本明細書では、用語「ディスペンサー装置」は、複数の液体成分が、複数の物理的に別個のパッケージから分配される配置を意味し、及び複数の液体成分が、複数の非連通性チャンバーを有する単一のパッケージ(各チャンバーはオリフィスを有し、該オリフィスを通って一定分量の成分が分配される)から分配される配置も意味する。有利には、空気を一定分量の液体と混合する必要はない。エーロゾル噴射剤は不要である。
【0068】
1以上の具体例では、一定分量のプレ混合物成分が本質的に同時に分配されて、一定分量の液体が混合される。特別な具体例では、一定分量の成分が、一定分量の成分の混合を可能にするように設定されたオリフィスを通って分配される。ディスペンサーは、各種の形状を持つことができ、一定分量のプレ混合物成分の所望の混合及び泡沫生成物の分配を行うために、各種の成分及び配置を有することができる。メッシュ又はスクリーンを使用する必要はない。
【0069】
代表的なディスペンサーの1具体が図1に図示されており、一般的に、符号100で示されている。ディスペンサー100は、第1の液体プレ混合物成分(例えば、アルコール性のプレ混合物成分)を収容する第1のリザーバー102、及び第2の液体プレ混合物成分(例えば、水性のプレ混合物成分)を収容する第2のリザーバー104を含むことができる。当業者にとっては明らかであり、また上述したように、第1及び第2のリザーバー102及び104は、直接には、相互に連通しておらず、従って、第1及び第2のプレ混合物成分は、ディスペンサー内において別々に保管される。図1には分離型のディスペンサーが図示されているが、第1及び第2のリザーバー102及び104を、単一のパッケージ内において、物理的に別個のチャンバーとして設けることもできる。第1及び第2のリザーバー102及び104の各々は、それぞれ、入口通路106及び108を通ることを除いて、その中を通っての流体の移動を許容しない。
【0070】
一般的に、本発明は、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を調製する方法を提供するものであり、該方法は、水性のプレ混合物である第1の液体プレ混合物を収容する第1のリザーバー、アルコール性のプレ混合物である第2の液体プレ混合物を収容する第2のリザーバーを有するディスペンサーを用意する工程を含んでなり、ここで、前記ディスペンサーは、第1のプレ混合物の一定分量及び第2のプレ混合物の一定分量を分配して、これらの一定分量を混合するに適合したものである。混合時、第1のプレ混合物の一定分量及び第2のプレ混合物の一定分量は化学的に反応し、抗菌性のアルコール性泡沫を生成する。
【0071】
ある種の具体例では、第1のポンプ110が、入口通路106を通って第1のリザーバー102と流体連通し、第2のポンプ112が、入口通路108を通って第2のリザーバー104と流体連通している。第1及び第2のポンプ110及び112は、当業者にとって公知であり、第1及び第2のリザーバー102及び104から第1及び第2の液体プレ混合物を運ぶために好適である各種のタイプのものである。1以上の具体例では、ポンプ110及び112は、両方とも、容積型ポンプである。第1及び第2のポンプ110及び112は、それぞれ、出口通路114及び116を通って、第1及び第2のプレ混合物を排出する。ある種の具体例では、第1及び第2のポンプ110及び112のアウトプット又は移送は、その中を通る流体流量を変更するように調整可能である。図示し、詳述した代表的なディスペンサー100は、第1及び第2のポンプ110及び112を含むが、単一のポンプを使用することもでき、この単一のポンプが、第1及び第2のリザーバー102及び104の両方と流体連通することもできる。
【0072】
出口通路114及び116は、それぞれ、混合ノズル118まで伸長し、ここで、第1及び第2のプレ混合物が混合されて、抗菌性のアルコール性泡沫組成物を形成する。混合ノズルの特徴及び寸法は、第1及び第2のプレ混合物の混合及び混練速度とともに、各プレ混合物の一定分量の量を変更するように調製される。混合ノズル118は、分配通路120を含み、該通路を通って、抗菌性のアルコール性泡沫組成物が分配される。
【0073】
ある種の具体例では、第1及び第2のポンプ110及び112は、その中を通る第1及び第2のプレ混合物成分を実質的に同じ流量にするように調整される。他の具体例では、ポンプ110及び112は、異なった流量とするように調整され、ある種の具体例では、プレ混合物成分は、順次、分配される。
【0074】
ある種の具体例では、第1及び第2のポンプ110及び112は、第1及び第2のプレ混合物成分の一定分量について、実質的に同じ量を選択するように調整される。他の具体例では、ポンプ110及び112は、一定分量について、異なった量を提供するように調整される。
【0075】
1以上の具体例では、第1及び第2のポンプ110及び112は、作動時、単回用量の泡沫組成物を分配するように適合される。この具体例又は他の具体例では、第1及び第2のポンプ110及び112は、作動時、抗菌性のアルコール性泡沫組成物の連続流を提供するように適合される。
【0076】
1以上の具体例では、プレ混合物成分は、選択した割合で分配される。1以上の具体例では、分配される一定分量のサイズは、酸:炭酸塩の有利なモル比を提供するように選択される。1以上の具体例では、水性の相及びアルコール性の相の一定分量は、酸:炭酸塩のモル比が約0.5:1−約1:0.5、他の具体例では、約0.6:1−約1:6、他の具体例では、約0.8:1−約1:0.8となるように選択される。
【0077】
1以上の具体例では、水性及びアルコール性のプレ混合物の一定分量の相対量は、合わせた一定分量100g当たり、二酸化炭素(CO)少なくとも約1g、他の具体例では、合わせた一定分量の100g当たり、CO少なくとも約2g、他の具体例では、少なくとも約3g、他の具体例では、少なくとも約4gの算定収量を提供するように選択される。
【0078】
1以上の具体例では、分配される一定分量のサイズ及び水性及びアルコール性のプレ混合物の一定分量相対量は、合わせた一定分量の総質量に基づいて、所望のより低い濃度を提供するように選択される。1以上の具体例では、合わせた一定分量のより低いアルコール濃度は、少なくとも約50質量%、他の具体例では、少なくとも約55質量%、他の具体例では、少なくとも約60質量%、他の具体例では、少なくとも約62質量%、他の具体例では、少なくとも約65質量%、他の具体例では、少なくとも約70質量%である。
【0079】
評定尺度は、本発明に従って生成される泡沫の泡質を特徴付けるために選択されたものである。有利には、本発明の具体例はアルコール性の泡沫を提供し、単なる泡立ちと完全に区別するために考慮されなければならない。図2に示すように、少なくとも1の品質等級を有する泡沫は、一般に、大きい気泡、最小の泡の高さ、及び小さい構造又は無構造を有する白色の泡沫に相当する。少なくとも3の品質等級を有する泡沫は、一般に、中位−小さいサイズの気泡、最小の水リング、及び顕著な泡の高さを有する白色の泡沫に相当する。少なくとも5の品質等級を有する泡沫は、小さい、微細、泡だらけの気泡を有する、換言すれば、エーロゾル泡沫の品質を有する、濃厚で、密集した泡沫に相当する。現在市場において知られている非エーロゾル型のアルコール泡沫の手消毒製品では、この評定尺度に従って泡品質等級5を有するものはない。
【0080】
1以上の具体例では、本発明の方法は、安定な泡沫を提供する(ここで、泡沫の安定性は、標準温度及び圧力において、表面に分配されてから、所定時間で観察して、泡沫が液体に壊れるまでの時間として測定される)。特別な具体例では、泡の安定性は、少なくとも約1分、他の具体例では、少なくとも約5分、他の具体例では、少なくとも約10分、他の具体例では、少なくとも約15分、他の具体例では、20分以上である。
【0081】
1以上の具体例では、着色泡沫を生成するために、プレ混合物の一方又は両方に顔料又は染料が添加されることも理解されるが、泡沫は、クリーム色、又は白色である。気泡は、小さく、実質的に均一である。泡沫の容積膨張は、合わせたプレ混合物の容積と比較して著しく、1以上の具体例では、少なくとも約150%、1以上の具体例では、少なくとも約200%、1以上の具体例では、少なくとも約300%である。1以上の具体例では、泡沫は、酸と炭酸塩との間の反応の際に、合わせた水性のプレ混合物及びアルコール性のプレ混合物の液体容積の1.5−5倍の最終容積に膨張する。
【0082】
本発明の方法は、多量のエタノールのような低級アルコールを含有し、従って、顕著な抗菌効果を有する泡沫を生成するために使用される。
【0083】
1以上の具体例では、本発明の抗菌性の泡沫組成物は、局所的に、哺乳類の皮膚に塗布される。1具体例では、抗菌性組成物をヒトの皮膚上の微生物と接触させる方法は、所定量の組成物を皮膚に塗布し、組成物を、好適な時間、皮膚と接触させたままとすることを含む。他の具体例では、組成物を皮膚の表面に展開し、擦り込み、すすぎ、蒸発を介して又は拭くことによって乾燥させこともできる。他の具体例では、本発明の抗菌性の泡沫組成物は、無生物表面に塗布される。
【0084】
本発明の実施を示すため、下記の例を調製し、テストした。しかし、例は本発明の範囲を制限するものではない。特許請求の範囲が、発明を定義するものとして機能する。
[実施例]
【0085】
水及び炭酸水素塩を合わせ、炭酸水素塩が完全に溶解するまで混合することによって、下記の実施例のための水性相を調製した。エタノール及び必要であれば乳化剤を添加し、均質になるまで混合した。
【0086】
次のようにして、下記の実施例のためのアルコール相を調製した。エタノール及び酸を合わせ、酸が完全に溶解するまで混合した。必要であれば、乳化剤を添加し、混合した。ワックスを加熱して溶融させ、ついで、アルコール/酸溶液に添加し、均質になるまで混合した。
【0087】
ワックスが乳化ロウとして同定される場合には、使用した乳化ロウは、Mason Surfactants Companyから入手可能なMasurf Emulsifying Wax NFである。サプライヤーからの製品情報によれば、Masurf Emulsifying Wax NFは、セテアリルアルコール及びポリソルベート-60を含有することが示されている。実施例のいくつかでは、Polawax A-31を使用した。Polawax A-31は、Croda Inc.から入手可能である。サプライヤーからの製品情報によれば、Polawax A-31は、ワックス成分及び乳化剤の独自ブレンドを含有する乳化ロウであることが示されている。
【0088】
溶液は、いずれも、透明、均質の液体であり、微粒子又は沈降物を含有していない。上述のようにサンプルを調製した後、閉止した容器内で、少なくとも24時間放置し、例えば、沈殿によって証明されるような何らの不安定性も認められなかった。
【0089】
複式ポンプ(該ポンプは、ノズルを介して、アルコール相:水相の容積比1:1で一定分量を送達する)を使用して、サンプルを分配した。各相約0.6mlを分配した。混合ノズルから混合物が排出され、該混合物を、清浄で、乾燥した表面上に置いた。この際の泡沫の生成は、実質的に瞬間であった。泡沫を観察し、予め定めた評定尺度に従って等級づけした。
【0090】
図2に示すように、泡の品質等級1は、水のような白色泡沫と関連する。この等級は、さらに、大きい気泡を含有し、構造を持たないものを表示する。泡の品質等級3は、一般に、最小の水リングを有する白色泡沫を表示する。この等級を有する泡沫は、さらに、中位−小さいサイズの気泡を含有するものを表示する。泡の品質等級5は、一般に、濃厚で、密集した白色泡沫を表示する。この等級を有する泡沫は、さらに、液体の表面の中又は上に形成された小さい、微細、泡だらけの気泡を含有するものを表示する。
【0091】
品質等級3又はより良好な泡沫は、その形状を保持し、少なくとも約15分後でも、壊れた液体となることはなかった。すなわち、生成された泡沫は、15分間の観察後も、本質的に不変であった。
【0092】
実施例において、下記のワックス製品を使用した:
【0093】
Polawax(商品名)A-31 PA-(MH)(Corda Inc.から入手可能であり、脂肪アルコール(セテアリルアルコール)及びエトキシル化ソルビタンエステルのブレンドとして表示される)
【0094】
Hallstar(登録商標)TA-1618セテアリルアルコール(The Hallstar Companyから入手可能であり、C14−18アルコール類として表示される)
【0095】
Masurf Emulsifying Wax NF(Mason Chemical Companyから入手可能であり、ステアリルアルコール77質量%、ポリソルベート-60 22質量%、及びセチルアルコール1質量%の混合物として表示される)
【0096】
Cetyl stearyl alcohol NF, 95%(Jeen International Corporationから入手可能であり、1−ヘキサデカノール54.0−64.0質量%及び1−オクタデカノール31.0−41.0質量%として表示される)
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0097】
実施例3では、炭酸水素ナトリウムは、エタノール15質量%が存在する場合、水相に不溶であった。従って、泡沫は形成されなかった。実施例13、14及び15から理解されるように、炭酸水素カリウムを使用する場合には、水相には、より多量のアルコールが存在できるが、この場合の、優秀な泡の品質が達成される。
【0098】
ワックス成分として、次のもの:LANETTE WAX、水添ホホバ油、ステアリン酸グリセリル、ヒマワリワックス、及び合成カンデリラロウ(ミツロウ)の1つを使用して、上述のものと同様の実施例を実行した。おそらく、溶解性の結果(ワックスは、アルコール相に不溶であるか、ごくわずかに溶解する)のため、泡沫は形成されなかった。
【0099】
有利には、本発明の方法は、生成物を空気と混合すること、液体をメッシュ又はスクリーンを通過させること、エーロゾル噴射剤、又は加圧充填を必要とすることなく、高品質で、安定したアルコール泡沫を形成するために有用である。
【0100】
当業者にとっては、本発明の範囲及び精神を逸脱しない各種の修正及び変更が明らかになるであろう。本発明は、ここに示す説明のための具体例に限定されない。
図1
図2
【国際調査報告】