(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
本発明は、細胞毒性活性を有し、癌および細胞増殖性障害などの疾患を治療するのに有用な式(I)または(II)の新たな官能性チエノ−インドール誘導体に関する。本発明はまた、コンジュゲートの調製における、これらの官能性チエノ−インドール誘導体の使用に関する。式(I)または(II)
であり;Aは、−O−、−NH−または−CO−であり;Lは存在しないか、または条件付きで切断可能な部分であり;Wは存在しないか、または1つ以上の自壊性基を含む自壊性部分であり;Zは存在しないか、またはペプチド、非ペプチドもしくはハイブリッドペプチドおよび非ペプチドリンカーであり;RMは存在しないか、または反応性部分であり;R
抗癌治療で同時使用、個別使用または逐次使用するための複合調製物として、請求項1で定義した式(I)もしくは(II)の化合物またはこの医薬として許容される塩と、1つ以上の化学療法剤とを含む、製品。
癌が、膀胱癌腫、乳癌腫、結腸癌腫、腎臓癌腫、肝臓癌腫、小細胞肺癌を含む肺癌腫、食道癌腫、胆嚢癌腫、卵巣癌腫、膵臓癌腫、胃癌腫、頸癌腫、甲状腺癌腫、前立腺癌腫および扁平上皮細胞癌腫を含む皮膚癌腫などの癌腫;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病を含む骨髄細胞系列の造血器腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;メラノーマ、セミノーマ、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角膜黄色腫、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫および中皮腫を含む他の腫瘍であることを特徴とする、請求項10に記載の式(I)または(II)の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0036】
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語および語句は、以下の意味を有することを意図する。
【0037】
式(I)(式中、R
1およびR
2は一緒になって(D)を形成し、R
5はメチルであり、R
3、R
4、R
7およびR
8は水素であり、nは0または1であり、Xは−NH−であり、Yは−CH=であり、A、L、W、ZおよびRMは上で定義したとおりである。)の化合物は、式(Ia)
【0039】
式(II)(式中、R
1およびR
2は一緒になって(D)を形成し、R
5はメチルであり、R
3、R
4、R
7、R
8およびL
1は水素であり、nは0または1であり、Xは−NH−であり、Yは−CH=であり、R
6は塩素であり、A
1、L、W、ZおよびRMは上で定義したとおりである。)の化合物は、式(IIa)
【0041】
式(II)(式中、R
1およびR
2は一緒になって(D)を形成し、R
5はメチルであり、R
3、R
4、R
7およびR
8は水素であり、nは0または1であり、Xは−NH−であり、Yは−CH=であり、R
6は塩素であり、L
1は水素以外の上で定義したとおりであり、A
1、L、W、ZおよびRMは上で定義したとおりである。)の化合物は、式(IIb)
【0043】
「直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル」という用語により、本発明者らは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの基のいずれかを意図する。
【0044】
「直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル」という用語により、本発明者らは、例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルなどの基のいずれかを意図する。
【0045】
「直鎖状または分岐状C
1−C
4アルコキシ」という用語により、本発明者らは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどの基のいずれかを意図する。
【0046】
「ハロゲン」という用語により、本発明者らは、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意図する。
【0047】
「直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキル」という用語により、本発明者らは、例えば、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−アミノエチル、4−アミノブチル、3−アミノブチル、3−アミノブチルなどの基のいずれかを意図する。
【0048】
本明細書で使用される「C
3−C
8シクロアルキル」という用語は、1個の環または2個以上の環が縮合したものからなり得る飽和または不飽和非芳香族全炭素単環を指す。例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、デカリニルおよび1,4−シクロヘキサジエニルが含まれる。
【0049】
本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、1個の環または2個以上の環が縮合したものからなり得る飽和または不飽和非芳香族C
4−C
8炭素環であって、1から4個の炭素原子が窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子で置換されているものを指し、前記ヘテロ原子は互いに直接結合していてもよく、窒素および硫黄は場合により酸化されていてもよく、窒素は場合により第4級のものでもよい。ヘテロシクリル基の非限定的な例は、例えば、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、デカヒドロキノリニル、ピペラジニル、オキサゾリジニルおよびモルホリニルである。
【0050】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、場合により単結合によって互いに縮合または連結された1から4個の環系の一炭素環式、二炭素環式または多炭素環式炭化水素であって、炭素環の少なくとも1個が芳香族であるものを指し、「芳香族」という用語は、完全に共役しているπ電子結合系を指す。このようなアリール基の非限定的な例は、フェニル、α−もしくはβ−ナフチルまたはアントラセニル基である。
【0051】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄の中から選択される1から4個のヘテロ原子を有する典型的には4から7員複素環の芳香族複素環を指し、窒素および硫黄は場合により酸化されていてもよく、窒素は場合により第4級のものでもよい;前記ヘテロアリール環は、場合により、1個または2個以上の環が縮合した芳香族および非芳香族炭素環および複素環へとさらに縮合または連結され得る。ヘテロ原子は互いに直接結合していてもよい。ヘテロアリール基の例には、限定されないが、ピリジニル、ピリミジル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、キノキサリニル、イソキノリルおよびキノリルが含まれる。一実施形態では、ヘテロアリール基は、1から4個のヘテロ原子を含む。「C
1ヘテロアリール基」は、1個の炭素のみがヘテロ芳香族基の環系中に存在することを示すことに留意するべきである(従って、任意の置換基中の炭素原子は計数されない。)。このようなヘテロ芳香族基の例は、テトラゾリル基である。
【0052】
「脱離基」という用語は、置換反応において他の基により置換され得る基を指す。このような脱離基は当技術分野で周知であり、例には、限定されないが、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、アジド、スルホネート(例えば場合により置換されているC
1−C
6アルカンスルホネート、例えばメタンスルホネートおよびトリフルオロメタンスルホネート、または場合により置換されているC
7−C
12アルキルベンゼンスルホネート、例えばp−トルエンスルホネート)、スクシンイミド−N−オキシド、p−ニトロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、テトラフルオロフェノキシド、カルボキシレート、アミノカルボキシレート(カルバメート)およびアルキルカルボキシレート(カルボネート)が含まれる。飽和炭素での置換には、ハロゲン化物およびスルホネートが好ましい脱離基である。カルボニル炭素での置換には、ハロゲン化物、スクシンイミド−N−オキシド、p−ニトロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、テトラフルオロフェノキシド、カルボキシレートまたはアルコキシカルボキシレート(カルボネート)が例えば脱離基として用いられ得る。また「脱離基」という用語は、脱離反応、例えば電子カスケード反応またはスピロ環化反応の結果として脱離する基も指す。この場合は、ハロゲン化物、スルホネート、アジド、アミノカルボキシレート(カルバメート)またはアルコキシカルボキシレート(カルボネート)が例えば脱離基として用いられ得る。
【0053】
「活性エステル」という用語は、エステル部分のアルコキシ基が優れた脱離基である官能基を指す。このようなアルコキシ基の例には、限定されないが、スクシンイミド−N−オキシド、p−ニトロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、テトラフルオロフェノキシド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールおよび同程度の脱離能を有する基が含まれる。未置換のアルキルに基づくアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシおよびt−ブトキシは優れた脱離基とは見なされず、従って、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルおよびt−ブチルエステルは活性エステルと考えない。
【0054】
「求核物質」という用語は、求核基を有する分子を指す。「求核基」という用語は、電子対を求電子基に供与して化学反応における化学結合を形成する種を指す。このような求核基の例には、限定されないが、ハロゲン、アミン、ニトリル、アジド、アルコール、アルコキシドアニオン、カルボン酸アニオン、チオール、チオレートなどが含まれる。
【0055】
「求電子基」という用語は、求核基から電子対を受け取って化学反応における化学結合を形成する種を指す。このような求電子基の例には、限定されないが、エステル、アルデヒド、アミド、ケトンなどが含まれる。
【0056】
「アルキル化部分」という用語は、1つ以上の切断可能な結合の破壊後に依然として残っている構造であって、核酸鎖に共有結合していてもよいし、または核酸鎖に共有結合していなくてもよい構造を指す。
【0057】
「非天然アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸のD−立体異性体を指す。
【0058】
式(I)または式(II)の化合物の医薬として許容される塩には、無機または有機酸、例えば、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、イセチン酸およびサリチル酸との酸付加塩が含まれる。
【0059】
式(I)または式(II)の化合物の医薬として許容される塩には、無機または有機塩基、例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属、特にナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムまたはマグネシウムの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、非環式または環式アミンとの塩も含まれる。
【0060】
不斉中心または異性体中心の別の形態が本発明の化合物に存在する場合、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含むこのような1つ以上の異性体の形態はすべて、本明細書に包含されることが意図される。不斉中心を含有する化合物は、ラセミ混合物、エナンチオマー的に豊富な混合物として使用してもよいし、またはラセミ混合物を周知の技術を用いて分離してもよく、個々のエナンチオマーを単独で使用してもよい。化合物が不飽和炭素−炭素二重結合を有する場合、シス(Z)およびトランス(E)の異性体は両方とも、本発明の範囲内である。
【0061】
化合物が互変異性型で存在し得る場合、各形態は、平衡状態でまたは大部分は一方の形態で存在するかにかかわらず、本発明の範囲内に含まれると企図される。
【0062】
条件付きで切断可能な部分L
L部分は、存在する場合には、ある特定の条件に置かれるとまたはある特定の条件下において化学的、光化学的、物理的、生物学的または酵素的な過程によって切断され得る条件付きで切断可能な基である。これらの条件の1つは、例えば、本発明の化合物を水性環境中におきLの加水分解を導くこと、または本発明の化合物をLを認識し切断する酵素を含む環境中におくこと、または本発明の化合物を還元条件下におき、Lの還元および/または除去を導くこと、または本発明の化合物を酸化条件下におき、Lの酸化および除去を導くこと、または本発明の化合物を例えばUV光のような放射線と接触させ、Lの切断を導くこと、または本発明の化合物を熱と接触させ、Lの切断を導くことであってよい。この条件は、循環血液中のユビキタス酵素の存在により、本発明の化合物を動物、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトに投与した後に直接満たされ得る:または、前記条件は、例えば、内部要因(例えば、標的特異的酵素または低酸素)の存在または外部要因(例えば、放射線、磁場)の適用によって、該化合物が、特定の器官、組織、細胞、細胞内標的または細菌、ウイルスもしくは微生物標的に局在化するときに満たされ得る。
【0063】
Lの切断は、式(I)の化合物におけるAとLとの間の、または式(II)の化合物におけるA
1とLとの間のもしくは酸素とL
1との間の結合が破壊されることを意味する:
【0064】
【化10】
式(II)の化合物において、2個の条件付きで切断可能な基が存在し得ることに留意するべきである。この場合、2個の該部分は同じものでもよいしまたは同じものではなくてもよく、同じ切断条件を必要としてもよいしまたは同じ切断条件を必要としなくてもよい。
【0065】
一実施形態では、Lは、体の他の部分と比較して標的細胞の周辺もしくは内部に存在する酵素もしくは加水分解条件によって、または標的細胞の周辺もしくは内部にのみ存在する酵素もしくは加水分解条件によって切断される部分であり得る。標的部位特異性が、標的部位における前記Lの選択的変換および/または切断にのみ基づいて達成される場合、切断を引き起こす条件は、好ましくは、少なくともある程度は標的部位特異的なはずであることを認識することが重要である。一実施形態では、Lの切断は細胞内で起こる。
【0066】
別の実施形態では、Lの切断は細胞外で起こる。
【0067】
別の実施形態では、Lの切断は、ユビキタス細胞内酵素によって起こる。
【0068】
好ましい一実施形態では、Lは、循環血液中に存在するユビキタス酵素(例えば、エステラーゼ)もしくは例えばプロテアーゼおよびホスファターゼなどの細胞内酵素によって、またはpH制御加水分解によって切断される部分であり得る。従って、Lは、場合により連結原子Aまたは酸素と一緒になって、インビボで切断され得るカーボネート、カルバメート、尿素、エステル、アミド、イミン、ヒドラゾン、ヒドラジド、ジスルフィド、エーテル、アセタール、ケタールまたはリン酸基を形成し得る。
【0069】
より好ましい実施形態では、Aは−O−あり、Lは、
−NHCOR
9(IIIa);−NHCONHR
9(IIIb);−NHCOOR
9(IIIc);−NHR
9(IIId);
【0070】
【化11】
(式中、
R
9およびR
10はそれぞれ独立して存在しないか、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基であり;n
1は、0から4の整数であり、nは、上で定義したとおりである。)から選択される基である。
【0071】
本発明によれば、特に断らない限り、上記R
9およびR
10基は、これらの自由位置のいずれかにおいて、1個以上の基、例えば、ハロゲン、直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、ポリフッ化アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4アルコキシ、ポリフッ化アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、C
1−C
4アルキルカルボニル、C
3−C
8シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから独立して選択される1から3個の基によって場合により置換されていてもよい。
【0072】
別のより好ましい実施形態では、Aは−N−であり、Lは、
【0073】
【化12】
(式中、
R
9およびn
1は、上で定義したとおりである。)から選択される基である。
【0074】
別のより好ましい実施形態では、AはC=Oであり、Lは、
【0075】
【化13】
(式中、
R
9、R
10およびn
1は、上で定義したとおりである。)から選択される基である。
【0076】
別のより好ましい実施形態では、Lは存在しない。
【0077】
自壊性システムW
W基は、存在する場合には、1つ以上の自壊性基を含む自壊性システムであって、式(I)の化合物においては、一方の側で部分LまたはA(Lが存在しない場合)に安定的に結合しており、反対側でZまたはRM(Zが存在しない場合)に安定的に結合している自壊性システムである;式(II)の化合物においては、Wは、一方の側で部分LもしくはA
1(Lが存在しない場合)または部分L
1に安定的に結合しており、反対側でZまたはRM(Zが存在しない場合)に安定的に結合している。WとL(またはA)との間のまたはWとL
1(または酸素)との間の結合は、上記のようにある特定の条件に置かれてまたはある特定の条件下において化学的、光化学的、物理的、生物学的または酵素的な過程によって活性化されると不安定になり、場合により対応する部分:
【0079】
式(II)の化合物において、2個の自壊性システムが存在し得ることに留意する。この場合、2個の該システムは同じものでもよいしまたは同じものではなくてもよく、同じ切断条件を必要としてもよいしまたは同じ切断条件を必要としなくてもよい。
【0080】
例えば、溶解性を改善するために、またはアルキル化部分と反応性部分(RM)との間の空間を改善するために、自壊性システムを式(I)または(II)の化合物に組み込むことができる;加えて、前記自壊性システムは、求核物質に対するRMの反応性を調節することができる。
【0081】
自壊性システムは当業者に公知である:例えば、WO2002/083180およびWO2004/043493に記載されているもの;またはTranoy−Opalinsi,A.et al..Anticancer Agents in Medicinal Chemistry,2008,8,618−637に記載されているものを参照のこと。自壊性システムの他の例には、限定されないが、場合により置換されている4−アミノ酪酸アミド、適切に置換されているビシクロ[2.2.1]−およびビシクロ[2.2.2]−環系または2−アミノフェニルプロピオン酸アミド(WO2005/079398、WO2005/105154およびWO2006/012527;Greenwald,R.B.,et al,.Adv.Drug Delivery Rev.2003,55,217−250;Kingsbury,W.D.;et al,.J.Med.Chem.1984,27,1447−1451を参照のこと。)が含まれる。
【0082】
好ましい一実施形態では、Wは、連結基L、ZまたはRMと一緒になって、活性化されると場合により切断され得るカーボネート、カルバメート、尿素、エステル、アミド、エーテルまたはチオアミド結合基を形成し得る。
【0084】
【化15】
(式中、
R
9およびR
10のうちの一方は存在せず、他方は上で定義したとおりであり;
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、メチル、エチルまたは直鎖状もしくは分岐状C
1−C
4ヒドロキシメチルであり;
mは、0から3の整数であり;および
A
2は、−CH
2、−CH
2NR
12または−NR
12−であり、ここで、R
12は、上で定義したとおりである。)から独立して選択される1つ以上の自壊性基を含む自壊性システムである。
【0085】
別のより好ましい実施形態では、Wは、
【0086】
【化16】
(式中、R
9およびR
10のうちの一方は存在せず、他方は上で定義したとおりであり;および
R
11は、上で定義したとおりである。)から選択される基である。
【0087】
別のより好ましい実施形態では、Wは存在しない。
【0088】
Zリンカー
Zリンカーは、存在する場合には、ペプチド性(Z
1)、非ペプチド性(Z
2)またはハイブリッド(Z
3)であり得、ここで、前記ハイブリッドリンカーは、ペプチド性および非ペプチド性である;式(I)または(II)の化合物において、前記Zリンカーは、上記のようにある特定の条件に置かれるとまたはある特定の条件下において化学的、光化学的、物理的、生物学的または酵素的な過程によって切断され得る:
【0089】
【化17】
Zリンカーは、直鎖状または分枝状であり得る。
【0090】
Zとこの左側部分との間のまたはZと場合によりRMとの間の結合は、アミド、カーボネート、ジスルフィドまたはカルバメート結合であり得る。
【0091】
一実施形態では、Zは、タンパク質分解酵素、例えば、プラスミン、カテプシン、例えば、カテプシンB、β−グルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼ、前立腺特異抗原(PSA)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(u−PA)またはマトリックスメタロプロテイナーゼファミリーのメンバーによって切断され得るペプチドリンカーZ
1である。
【0092】
別の実施形態では、Zは、1つ以上の非ペプチド性水溶性部分を含有し得る非ペプチドリンカーZ
2である:この場合、リンカーは、式(I)または(II)の化合物の水溶性に寄与する。
【0093】
別の実施形態では、Z
2は、式(I)または(II)の化合物の凝集を減少させる1つ以上の非ペプチド部分を含有し得る非ペプチドリンカーであり、これは、式(I)または(II)の化合物の水溶性も増加させる部分/複数の部分でもよいし、または前記部分/複数の部分ではなくてもよい。
【0094】
例えば、非ペプチド水溶性Z
2リンカーは、オリゴエチレングリコールもしくはポリエチレングリコール部分またはこれらの誘導体を含有し得る。
【0095】
別の実施形態では、Zは、一般式
Z
1−Z
2またはZ
2−Z
1
(式中、Z
1およびZ
2は、上で定義したとおりである。)のペプチド残基または非ペプチド残基の両方を含有し得るハイブリッドリンカーZ
3である。ハイブリッドリンカーは、式(I)もしくは(II)の化合物の溶解性に寄与し得、および/またはタンパク質分解酵素によって、例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼファミリーのメンバーによって切断可能な基質であり得る。
【0096】
好ましい実施形態では、Z
1は、天然L−アミノ酸、非天然D−アミノ酸、合成アミノ酸を含む単一アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドもしくはオリゴペプチド部分またはこれらの任意の組み合わせであり、C末端またはN末端アミノ酸残基の一方はW(LまたはAまたは−O−)に連結されており、他方の末端アミノ酸は−COOHもしくは−NH
2基で終了しているかまたはRMに連結されている。
【0097】
より好ましい実施形態では、Z
1は、このC末端を介してWに、またはWが存在しない場合はLに、またはWおよびLの両方が存在しない場合はLに連結されたジペプチドまたはトリペプチドである。
【0098】
別のより好ましい実施形態では、ジペプチドまたはトリペプチドのC末端アミノ酸残基は、グリシン、アラニン、アルギニンおよびシトルリンから選択され;N末端アミノ酸残基は、任意の天然または非天然アミノ酸から選択され;好ましくは、トリペプチドの場合、中央のアミノ酸残基は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニンおよびプロリンから選択される。
【0099】
別のより好ましい実施形態では、Z
1は、C末端アミノ酸が任意の天然または非天然アミノ酸から選択され、N末端アミノ酸残基が6−アミノヘキサン酸であるペンタペプチドを含む。
【0100】
好ましい実施形態では、Z
2は、オリゴエチレングリコールもしくはポリエチレングリコール部分またはこれらの誘導体を含有し得る。
【0102】
【化18】
(式中、R
9およびR
10のうちの一方は存在せず、他方は上で定義したとおりであり;および
pは、1から20の整数である。)から選択される基である。
【0103】
好ましい実施形態では、Z
3は、
ペプチド部分Z
1(ここで、Z
1は、天然L−アミノ酸および非天然D−アミノ酸を含む単一アミノ酸、トリペプチドまたはテトラペプチドである。);および
オリゴエチレングリコールもしくはポリエチレングリコール部分またはこれらの誘導体を含む非ペプチド部分Z
2
を含むハイブリッド部分である。
【0105】
反応性部分RM
RM部分は、存在する場合には、反応性部分の前官能化を必要とせずに比較的穏やかな条件下において求核物質と反応し得る求電子基である;反応性部分と前記求核物質との間の前記反応は、いくらかの熱、圧力、触媒、酸および/または塩基の適用のみを必要とするであろう。
【0106】
従って、RM部分が存在する場合、式(I)または(II)の化合物は、異なる種類の求核物質とコンジュゲートする。
【0107】
RM部分が存在しない場合、式(I)または(II)の化合物は、A、A
1、L、WおよびZ部分上に存在する求核基の1つ以上を介して異なる種類の求電子物質とコンジュゲートする。
【0108】
式(I)の化合物において、RMは、A、L、WまたはZ基の1つに連結されている;式(II)の化合物において、RMは、A
1、L、L
1、W、Z基または酸素原子の1つに連結されている:
【0109】
【化19】
反応性部分の例には、限定されないが、カルバモイルハライド、アシルハライド、活性エステル、無水物、α−ハロアセチル、α−ハロアセトアミド、マレイミド、イソシアネート、イソチオシアネート、ジスルフィド、チオール、ヒドラジン、ヒドラジド、塩化スルホニル、アルデヒド、メチルケトン、ビニルスルホン、ハロメチルおよびスルホン酸メチルが含まれる。
【0110】
本発明の好ましい一実施形態では、求核物質上の求核基が−NH−、−NH
2または−OHである場合、反応性部分RMは、限定されないが、
【0111】
【化20】
(式中、R
13は、C
1−C
3アルキルであるか、または−NO
2および−CN基を含む電子求引基であり;
rは、0から7の整数であり;および
R
11およびR
12は、上で定義したとおりである。)から選択される基である。
【0112】
本発明の別の好ましい実施形態では、求核物質上の求核基がCOOHである場合、反応性部分RMは、限定されないが、
【0113】
【化21】
から選択される基である。
【0114】
本発明の別の好ましい実施形態では、求核物質上の求核基が−SHである場合、反応性部分RMは、限定されないが、
【0115】
【化22】
(式中、R
13は、上で定義したとおりである。)
から選択される基である。
【0117】
【化23】
(式中、
Aは、−O−または−NH−であり;
Lは存在しないか、または
【0118】
【化24】
であり;
Wは存在しないか、または
【0119】
【化25】
であり、
Zは存在しないか、または
【0120】
【化26】
であり、
RMは存在しないか、または
【0121】
【化27】
である。)の化合物である。
【0122】
他の特に好ましい化合物は、式(IIa)
【0123】
【化28】
(式中、
A
1はAであり、Aは−O−または−NH−であり;
Lは存在しないか、または
【0124】
【化29】
であり;
Wは存在しないか、または
【0125】
【化30】
であり、
Zは存在しないか、または
【0126】
【化31】
であり、
RMは存在しないか、または
【0127】
【化32】
である。)の化合物である。
【0128】
他の特に好ましい化合物は、式(IIb)
【0129】
【化33】
(式中、
A
1はAであり、Aは−O−または−NH−であり;
Lは存在しないか、または
【0130】
【化34】
であり;
Wは存在しないか、または
【0131】
【化35】
であり、
Zは存在しないか、または
【0132】
【化36】
であり、
RMは存在しないか、または
【0133】
【化37】
である。)の化合物である。
【0134】
場合により医薬として許容される塩の形態である本発明の特定の非限定的な好ましい化合物(compd.)は、以下のものである:
1.(8S)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート、
2.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−(4−{[({2−[(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)−L−オルニチンアミド、
3.(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート、
4.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド、
5.(8R)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート、
6.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−(4−{[({2−[(2−{[(8R)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)−L−オルニチンアミド、
7.(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート、
8.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド、
9.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニル−L−ロイシル−N−{2−[(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}グリシンアミド、
10.N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニル−L−ロイシル−N−{2−[(2−{[(8R)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}グリシンアミド、
11.N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニンアミド、
12.N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニンアミド、
13.(8S)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,18−ジオキソ−7,9,12,15−テトラオキサ−4−アザオクタデカン−18−イル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート、
14.(8R)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,18−ジオキソ−7,9,12,15−テトラオキサ−4−アザオクタデカン−18−イル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート、
15.(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]ピペラジン−1−カルボキシレート、
16.(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]ピペラジン−1−カルボキシレート、
17.N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド、および
18.N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−フェニルアラニンアミド。
【0135】
場合により医薬として許容される塩の形態である本発明の式(I)または式(II)のいずれかの具体的な化合物への言及については、実験の項および特許請求の範囲を参照のこと。
【0136】
本発明はまた、当技術分野で利用可能な技術および容易に入手可能な出発物質を用いて、下記反応経路および合成スキームを使用することによって、上で定義した式(I)または式(II)の化合物を調製するための方法を提供する。本発明のある特定の実施形態の調製を以下の実施例で説明するが、当業者であれば、本発明の他の実施形態を調製するために、記載されている調製を容易に適合させ得ることを認識するであろう。例えば、本発明の非例示的な化合物の合成は、当業者に明らかな改変によって、例えば、妨害基を適切に保護することによって、当技術分野で公知の他の適切な試薬に変更することによって、または反応条件のルーチンな改変を行うことによって実施され得る。または、本明細書で参照されているかまたは当技術分野で公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適合性を有すると認められる。
【0137】
当業者であれば全員が、前記方法に従って実施される任意の変換は、例えば、妨害基の保護などの標準的な改変を必要としてもよいし、当技術分野で公知の他の適切な試薬に変更してもよいし、または反応条件のルーチンな改変を行ってもよいことを認識するであろう。
【0138】
本発明は、上で定義した式(I)または(II)の化合物を調製するための方法であって、以下の工程:
b)式(X)
【0139】
【化38】
(式中、X、Y、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりであり、A
1は、Aであり、ここで、Aは、OH、NH
2およびCOOHから選択される飽和基である。)の化合物を式(XIII)
【0140】
【化39】
(式中、R
16は存在しないか、水素、ハロゲン、−OHまたは−OR
17であり、ここで、R
17は、カルボキシル基の活性化部分、例えば、活性化エステルであるか、または活性化−NH基、好ましくはトシルであり、
L、W、ZおよびRMは、上で定義したとおりであり、これらのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させること;
c)式(VIII)
【0141】
【化40】
(式中、X、Y、A
1、R
7、R
8、L、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の得られた化合物を式(IX)
【0142】
【化41】
(式中、R
14は、水素または保護基であり、R
1、R
2、R
3、R
4およびR
6は、上で定義したとおりである。)の化合物と反応させること;
場合により
d)式(II)’
【0143】
【化42】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、Y、A
1、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりであり、L、W、ZおよびRMは、上で定義したとおりであり、これらのうちの少なくとも1個は存在する。)の得られた化合物を上で定義した式(XIII)の化合物と反応させて、式(II)’’
【0144】
【化43】
(式中、L
1は、水素以外の上で定義したとおりであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、Y、A
1、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりであり、L、W、ZおよびRMは、上で定義したとおりであり、これらのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物を得ること;
または
b’)上で定義した式(X)の化合物を上で定義した式(IX)の化合物と反応させること;
c’)式(XIV)
【0145】
【化44】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、Y、A
1、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりである。)の得られた化合物を上で定義した式(XIII)の化合物と反応させること;
場合により
d)上で定義した式(II)’の得られた化合物、または
d’)式(II)’’’’
【0146】
【化45】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、Y、A
1、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりであり、L
1、W、ZおよびRMは、上で定義したとおりであり、これらのうちの少なくとも1個は存在する。)の得られた化合物を上で定義した式(XIII)の化合物と反応させて、上で定義した式(II)’’の化合物を得ること
場合により
a)工程c)またはc’)で得られた式(II)’’の化合物を変換して、上で定義した式(I)の化合物またはこの医薬として許容される塩を得ること
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0147】
従って、式(I)または(II)の化合物の調製は、以下のスキーム1に示される。
【0149】
【化46】
工程a)に従って、当技術分野で報告されている周知の手順によって反応を実施する(例えば、Boger,D.L;J.Am.Chem.Soc.1996,118,2301−2302を参照のこと。)。この方法の非限定的な例は、塩基性条件、例えばTEA、NaHCO
3またはDBUなどを使用することである。DCMまたはDMFまたはこれらの混合物中、20℃から還流で、30分間から約24時間にわたって反応を実施する。
【0150】
工程b)、c)、d)、b’)c’)およびd’)に従って、有機溶媒、好ましくはDMF中、場合により縮合剤、例えばDCC、EDCなどの存在下においてカップリング反応を実施し;好ましくは、20℃から還流で、30分間から約24時間にわたって反応を実施する(一般的なカップリング試薬については、例えば、Amino Acids,Peptides and Proteins in Organic Chemistry:Building Blocks,Catalysis and Coupling Chemistry,Volume 3;Andrew B.Hughes,Ayman El−Faham,Fernando Albericioを参照のこと。)。以下の実験の部に報告されている具体的な化学的条件も参照のこと。
【0151】
工程c’)に従って、式(II)’’’の化合物と式(XIII)の化合物とのカップリング反応を行って、保護基の位置に応じた式(II)’または(II)’’’’の化合物を得ることができる。
【0152】
好ましくは、式(II)(式中、RMは存在せず、R
1、R
2、R
3、R
4、R
6、X、Y、A
1、R
7、R
8、L、W、Zおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を、
e)式(VII)
R
16−RM(VII)
(式中、R
16は、上で定義したとおりであり、RMは、上で定義したとおりであるが存在する。)の化合物と反応させて、式(II)(式中、RMは、上で定義したとおりであるが存在する。)の対応する化合物を得る。
【0153】
工程e)に従って、上記b)に記載されているようにカップリングを実施する。
【0154】
好ましくは、式(X)(式中、A
1は、−OHであり、X、Y、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を、
f)式(XIII)
【0155】
【化47】
(式中、R
16は存在せず、
Lは、式(IIIf)’または(IIIg)’
【0156】
【化48】
(式中、R
9は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0157】
【化49】
(式中、A
1は、−O−であり、Lは、式(IIIf)または(IIIg)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る;
または
g)式(XIII)
【0158】
【化50】
(式中、R
16は存在せず、
Lは、式(IIIh)’または(IIIi)’
【0159】
【化51】
(式中、R
9は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0160】
【化52】
(式中、A
1は、−O−であり、Lは、式(IIIh)または(IIIi)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る;
または
h)式(XIII)
【0161】
【化53】
(式中、R
16は、活性化−NH−基、好ましくはトシルであり、
Lは、式−NHCOR
9(IIIa)、−NHCONHR
9(IIIb)、−NHCOOR
9(IIIc)または−NHR
9(IIId)’;
(式中、R
9は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0162】
【化54】
(式中、A
1は、−O−であり、Lは、式(IIIa)から(IIId)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る;
または
i)式(XIII)
【0163】
【化55】
(式中、R
16は、−OHであり、
Lは、式(IIIe)
【0164】
【化56】
(式中、R
9およびR
10はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9またはR
10のうちの1個は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0165】
【化57】
(式中、A
1は、−O−であり、Lは、式(IIIe)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る。
【0166】
工程f)およびg)に従って、有機溶媒、好ましくはDCMまたはDMF中、0℃から還流で、30分間から約24時間にわたって反応を行う。文献に報告されている公知の手順を使用して、保護基の除去を実施する(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis;Theodora W.Greeen,Peter G.M.Wutsを参照のこと。)。
【0167】
工程h)に従って、有機溶媒、好ましくはエーテル、ジオキサンまたはこれらとLiHMDSとの混合物中、PTSAの存在下において、−10℃から50℃で、30分間から約24時間にわたって反応を実施する。文献に報告されている公知の手順を使用して、保護基の除去を実施する(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis;Theodora W.Greeen,Peter G.M.Wutsを参照のこと。)。
【0168】
工程i)に従って、有機溶媒、好ましくはDCM、THF、CH
3CNまたはCCl
4中、塩基、好ましくはDIPEAの存在下において、−10℃から50℃で、30分間から約24時間にわたって反応を実施する。
【0169】
好ましくは、式(X)(式中、A
1は、−OHまたは−NH
2であり、X、Y、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を、
j)式(XIII)
【0170】
【化58】
(式中、R
16は、ハロゲン、好ましくは塩素、−OHまたは−OR
17であり、ここで、R
17は、活性化カルボキシル基、好ましくはピロリジン−2,5−ジオン−1−イルであり、
Lは、式(IIIj)または(IIIk)
【0171】
【化59】
(式中、R
9は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0172】
【化60】
(式中、A
1は、−O−または−NH−であり、Lは、式(IIIj)または(IIIk)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る。
【0173】
工程j)に従って、有機溶媒、好ましくはDCM中、塩基性条件、例えばTEAで、場合により縮合剤、例えばDCCおよびEDCなどの存在下においてカップリング反応を実施する。0℃から還流で、30分間から約24時間にわたって反応を行う。
【0174】
好ましくは、式(X)(式中、A1は、COOHであり、X、Y、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を、
k)式(XIII)
【0175】
【化61】
(式中、R
16は、水素であり、
Lは、式(IIIm)または(IIIn)
【0176】
【化62】
(式中、
R
9およびR
10はそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9またはR
10のうちの1個は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在する。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0177】
【化63】
(式中、A
1は、−CO−であり、Lは、式(IIIm)または(IIIn)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る;
または
l)式(XIII)
【0178】
【化64】
(式中、R
16は存在せず、
Lは存在せず、
Wは、式(IVa)から(IVe)、(IVh)から(IVj)
【0179】
【化65】
(式中、R
9は、水素であり、
R
10は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
10は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在し、
R
11およびR
12は、上で定義したとおりであり、
A
2は、−CH
2、−CH
2NR
12または−NR
12−であり、ここで、R
12は、上で定義したとおりである。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0180】
【化66】
(式中、A
1は、−CO−であり、Lは存在せず、Wは、式(IVa)から(IVe)または(IVh)から(IVj)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る。
【0181】
工程k)に従って、有機溶媒、好ましくはDCM中、塩基性条件、例えばTEAで、場合により縮合剤、例えばDCCおよびEDCなどの存在下において、0℃から還流で、30分間から約24時間にわたって反応を実施する。
【0182】
工程l)に従って、文献で周知の条件を使用して、カップリング反応を実施する(例えば、Scott,C.J.et al.J.Med.Chem.2005,48,1344−1358;Amino Acids,Peptides and Proteins in Organic Chemistry:Building Blocks,Catalysis and Coupling Chemistry,Volume 3;Andrew B.Hughes,Ayman El−Faham,Fernando Albericioを参照のこと。)。
【0183】
好ましくは、式(X)(式中、A
1は、−OHまたは−NH
2であり、X、Y、R
7、R
8およびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を、
m)式(XIII)
【0184】
【化67】
(式中、R
16は存在せず、
Lは存在せず、
Wは、式(IVa)から(IVj)
【0185】
【化68】
(式中、R
10は、−OHであり、
R
9は、水素、ヒドロキシであるか、または直鎖状または分岐状C
1−C
4アルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4ヒドロキシアルキル、直鎖状または分岐状C
1−C
4スルフヒドリルアルキルおよび直鎖状または分岐状C
1−C
4アミノアルキルから選択される場合により置換されている基である。)の基であり、
W、ZおよびRMは存在せず、
または
R
9は存在せず、
W、ZまたはRMのうちの少なくとも1個は存在し、
R
11、R
12、mおよびA
2は、上で定義したとおりである。)の化合物と反応させて、式(VIII)
【0186】
【化69】
(式中、A
1は、−O−または−NH−であり、Lは存在せず、Wは、式(IVa)から(IVj)の基であり、X、Y、R
7、R
8、W、Z、RMおよびnは、上で定義したとおりである。)の化合物を得る。
【0187】
工程m)に従って、上記l)のようにカップリング反応を実施する。
【0188】
式(IX)および(X)の化合物は公知であるか、または当業者に公知の方法によってもしくは上記GB2344818もしくはJ.Med.Chem.2003,(46)page 634−637に報告されているように調製することができる。
【0189】
式(XIII)および(VII)の化合物は公知であるか、または当業者に公知の方法によってもしくはAnticancer Agents in Med Chem 2008,(8)page 618−637もしくはWO2010/009124に報告されているように調製することができる。
【0190】
上記のすべてについて、上記方法の変法のいずれか1つに従って式(I)または(II)の化合物を調製する場合、出発物質またはこの中間体内の任意の官能基であって、望ましくない副反応を生じさせ得る官能基を従来の技術に従って適切に保護する必要があることは、当業者には明らかである。同様に、これら後者のものを遊離脱保護化合物に変換することは、公知の手順に従って行うことができる。
【0191】
容易に認識されるように、上記方法に従って調製される式(I)の化合物が異性体の混合物として得られる場合、従来の技術を使用してこれらを式(I)の単一異性体に分離することは、本発明の範囲内である。
【0192】
薬理学
本発明の官能性チエノ−インドール誘導体は、抗腫瘍剤として有用である。
【0193】
従って、哺乳動物、例えばヒトまたは動物は、医薬有効量の式(I)または(II)の官能性チエノ−インドール誘導体をこれらに投与することを含む方法によって治療され得る。
【0194】
ヒトまたは動物の症状は、このようにして改善または向上され得る。
【0195】
式(I)または(II)の化合物の細胞毒性の評価は、下記のように評価される。
【0196】
インビトロ細胞増殖アッセイ
完全培地(RPMI1640またはEMEM+10%ウシ胎児血清)を含むホワイト384ウェルプレートに、A2780ヒト卵巣およびMCF7ヒト乳癌細胞(細胞1250個/ウェル)を播種し、播種の24時間後、0.1%DMSOに溶解した化合物で処理した。細胞を37℃および5%CO
2でインキュベートし、72時間後、製造業者の説明書に従ってCellTiter−Glo assay(Promega)を使用してプレートを加工した。
【0197】
CellTiter−Gloは、代謝活性細胞の指標であるATP存在量の定量に基づく均一法である。ルシフェラーゼおよびD−ルシフェリンによる発光に基づくシステムを使用して、ATPを定量する。発光シグナルは、培養物中に存在する細胞数に比例する。
【0198】
簡潔に言えば、試薬溶液25μL/ウェルを各ウェルに追加し、5分間振盪した後、ルミノメーターによってマイクロプレートを読み取る。発光シグナルは、培養物中に存在する細胞数に比例する。
【0199】
上記特定のインビトロ細胞増殖アッセイにおいて、本発明の式(I)または(II)の代表的な化合物を試験した。
【0200】
試験した化合物はすべて、<0.5μMのIC
50値を有する。
【0201】
従って、当業者であれば認識することができるように、これらの代表的な化合物はすべて、抗腫瘍療法に特に有利である。
【0202】
さらに、本発明の官能性チエノ−インドール誘導体は、コンジュゲートするのに適切である。
【0203】
式(I)または(II)の官能性誘導体がコンジュゲートされる能力を、これらをMCM2タンパク質とコンジュゲートすることによって評価した。
【0204】
MCM2コンジュゲートの調製
1.5mg(0.045μmol)のMCM2タンパク質(全長配列の残基10から294に対応する(UniProtKBアクセッション番号P49736およびIshimi et al.,2001 Journal Biological Chemistry,vol.276,pages 42744−42752を参照のこと。))を0.5mLのリン酸緩衝生理食塩溶液(pH7.2)に溶解し、55μLの1M NaHCO
3(pH8.5)を追加することによってpH値を8.5に調整し、0.5mgの化合物1を10mg/mL DMSO溶液から追加した。反応物を室温で1時間インキュベートし、次いで、リン酸緩衝生理食塩溶液で馴化したNAP−10カラムで反応混合物を脱塩し、タンパク質を含有する画分を収集してプールした。
【0205】
HPLC/ESI質量分析によって、反応したMCM2を特性決定した。
【0206】
逆相HPLC法(Poroshell C3カラム75×2.1mm、1100Agilent HPLC機器)を、直交ESIソースを備えるAgilent1946単一四重極質量分析検出器とカップリングした。
【0207】
図1は、未反応のMCM2タンパク質のデコンボリューション質量スペクトルを示しており、分子量(m/z)をx軸に示し、秒当たりカウント(cps)で表される強度をy軸に示す。
【0208】
未反応のMCM2タンパク質は、33055Daの分子量を示した。
【0209】
図2は、化合物1と反応したMCM2タンパク質のデコンボリューション質量スペクトルを示しており、分子量(m/z)をx軸に示し、秒当たりカウント(cps)で表される強度をy軸に示す。
【0210】
反応したMCM2タンパク質は、33944Daの分子量を示した。
【0211】
タンパク質分子量889Daの増加は、1分子の化合物1が、MCM2タンパク質上の利用可能な1個のシステイン残基に付加したことを示す。
【0212】
本発明の化合物は、単剤として、または公知の抗癌治療、例えば、細胞増殖抑制剤または細胞毒性剤、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫学的薬剤、インターフェロン型薬剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、COX−2阻害剤)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗成長因子受容体剤、抗HER剤、抗EGFR剤、血管形成抑制剤(例えば、血管形成阻害剤)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ras−rafシグナル伝達経路阻害剤、細胞周期阻害剤、他のcdk阻害剤、チューブリン結合剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤などと組み合わせた、放射線療法または化学療法のレジメンと組み合わせて投与され得る。
【0213】
固定用量として処方される場合、このような組み合わせ製品は、下記投与量範囲内の本発明の化合物および許容された投与量範囲内の他の医薬として活性な薬剤を用いる。
【0214】
式(I)または式(II)の化合物は、組み合わせ製剤が不適切な場合、公知の抗癌剤と逐次的に使用されてもよい。
【0215】
哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に適切な本発明の式(I)または式(II)の化合物は、通常の経路で投与することができ、投与量レベルは、患者の年齢、体重、状態および投与経路に依存する。
【0216】
例えば、式(I)の化合物の経口投与に採用される適切な投与量は、1日1回から5回で用量当たり約1mgから約300mgの範囲であり得る。本発明の化合物は、様々な剤形で、例えば、錠剤、カプセル剤、糖またはフィルムコーティング錠剤、液体の液剤または懸濁剤の形態で経口投与することもできるし;坐剤の形態で直腸投与することもできるし;非経口(例えば、皮下、筋内)投与することもできるし、または静脈内および/もしくはクモ膜下腔内および/もしくは髄腔内注射もしくは輸液によって投与することもできる。
【0217】
本発明はまた、担体または希釈剤であり得る医薬として許容される賦形剤と共に、式(I)の化合物またはこの医薬として許容される塩を含む医薬組成物を含む。
【0218】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、通常は従来方法に従って調製され、適切な医薬形態で投与される。例えば、固体経口形態は、活性化合物と一緒に、希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、トウモロコシデンプンまたはバレイショデンプン;潤沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウムおよび/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えば、デンプン類、アラビアゴム、ゼラチンメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡混合物;染料;甘味料;湿潤剤、例えば、レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸塩;および、一般に医薬製剤で用いられる非毒性で病理学的に不活性な物質を含有し得る。この医薬調製物は、公知の方法で、例えば、混合、顆粒化、錠剤化、糖衣またはフィルムコーティング工程によって製造され得る。
【0219】
経口投与用の液体の分散剤は、例えば、シロップ剤、乳剤および懸濁剤であり得る。一例として、シロップ剤は、担体として、サッカロースまたはサッカロースとグリセリンおよび/もしくはマンニトールおよびソルビトールを含有し得る。
【0220】
懸濁剤および乳剤は、担体の例として、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを含有し得る。筋内注射用の懸濁剤または液剤は、活性化合物と一緒に、医薬として許容される担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、ポリプロピレングリコール)および必要に応じて、適切な量の塩酸リドカインを含有し得る。静脈内注射または輸液用の液剤は、担体として、滅菌水を含有してもよいし、または好ましくはこれらは滅菌水性等張性生理食塩水の形態でもよいし、もしくはこれらは担体としてプロピレングリコールを含有してもよい。坐剤は、活性化合物と一緒に、医薬として許容される担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤またはレシチンを含有し得る。
【0221】
本発明をより上手く説明するために、これにいかなる限定を課すことなく、以下の実施例を次に示す。
【実施例】
【0222】
本発明の式(I)の一部の化合物の合成的調製を、以下の実施例で説明する。以下の実施例に従って調製した本発明の化合物はまた、
1H−NMRおよび/または精密質量データESI(+)によって特性を決定した。
【0223】
1H−NMRスペクトルは、400.50MHzで作動し、5mmのz軸PFG Indirect Detection Probe(
1H{
15N−
31P})を備えたVarian INOVA 400分光計で28℃の一定温度において記録した。
【0224】
化学シフトは、残存溶媒シグナル(DMSO−d
6:特に断りのない限り、
1Hについて2.50ppm)を基準とした。データは、以下のとおりに報告する:化学シフト(δ)、多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、br.s=広域一重項、td=二重項の三重項、dd=二重項の二重項、ddd=二重項の二重項の二重項、m=多重項、spt=七重項)、カップリング定数(J、Hz)およびプロトンの数。
【0225】
精密質量データESI(+)は、前に記載されたとおりにAgilent1100micro−HPLCシステムと直接接続されたWaters Q−Tof Ultima質量分析計で得た(M.Colombo,F.Riccardi−Sirtori,V.Rizzo,Rapid Commun.Mass Spectrom.2004,18,511−517)。
【0226】
以下の実施例および本出願全体を通して、以下の略語は以下の意味を有する。定義されない場合、用語はこれらの一般に認められている意味を有する。
【0227】
【表1】
【0228】
[実施例1]
tert−ブチル{2−[(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバメート(XIV)
工程c、工程c’、脱保護、工程e
【0229】
【化70】
【0230】
工程c
GB2344818に報告されているように調製した(8S)−8−(クロロメチル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−オール((IX)、11.4mg、0.045mmol)の溶液を無水DMF(1mL)に溶解し、EDCl(35mg、4当量)およびJ.Med.Chem.2003,(46)page 634−637に報告されているように調製した5−[({5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−カルボン酸(VIII)(29mg、1.5当量)で処理した。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで、飽和含水NaClを追加することによってクエンチした。EtOAc(x4)で抽出し、続いて、合わせた有機層を含水2M HCl(x3)、飽和含水Na
2CO
3(x3)および飽和含水NaCl(x3)で洗浄することによって、生成物の単離を実施した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮して標記化合物1を得、次いで、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−アセトン1:1)によって精製する。
【0231】
【化71】
ESI MS:m/z670(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 1.50(s,9H)1.79(dt,J=6.4,3.3Hz,1H)2.61(s,2H)3.53−3.66(m,1H)3.89(dd,J=11.4,2.8Hz,1H)4.25(m,1H)4.73(m,1H)4.84(d,J=10.6Hz,1H)7.21(s,1H)7.26(s,1H)7.34(m,2H)7.49(d,J=8.8Hz,1H)7.56(m,1H)7.61(m,1H)7.96(br.s.,2H)8.21(br.s.,1H)8.34(s,1H)9.28(s,1H)9.52(s,1H)10.73(br.s.,1H)10.80(br.s.,1H)。
【0232】
類似の手順によって、以下の生成物を調製する:
tert−ブチル{2−[(2−{[(8R)−8−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバメート(XIV)
【0233】
【化72】
ESI MS:m/z670(MH
+)
【0234】
工程c’
(8S)−6−({5−[({5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−8−(クロロメチル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(XV)
【0235】
【化73】
中間体XIV(42mg、0.064mmol)の無水DCM(6mL)溶液に、4−メチルピペラジン−1−カルボニルクロリドヒドロクロリド(XIII)(39mg、0.193mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(27mg、0.212mmol)を追加した。窒素雰囲気下において、反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、得られた有機層を食塩水で洗浄し(x3)、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM−MeOH95:5)によって粗残留物を精製して、中間体XV(30mg、59%)を得た。
【0236】
ESI MS:m/z796(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 2.22(s,3H)2.65(d,J=0.9Hz,3H)2.39−2.91(m,4H)3.72(dd,J=11.6,9.5Hz,1H)3.96(dd,J=11.6,3.1Hz,1H)3.49−4.14(m,4H)4.37(m,1H)4.79−4.85(m,1H)4.87−4.93(m,1H)7.27(d,J=1.5Hz,1H)7.28(s,1H)7.34−7.38(m,1H)7.41(s,1H)7.50(d,J=8.8Hz,1H)7.56(d,J=8.5Hz,1H)7.62−7.65(m,1H)7.96(br.s.,1H)8.38(s,1H)9.60(s,1H)10.86(br.s.,1H)10.90(br.s.,1H).
【0237】
類似の手順によって、以下の生成物を調製する:
(8R)−6−({5−[({5−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−8−(クロロメチル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート
【0238】
【化74】
ESI MS:m/z796(MH
+)
【0239】
脱保護
(8S)−6−[(5−{[(5−アミノ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−8−(クロロメチル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレートヒドロクロリド(XVI)
【0240】
【化75】
中間体XV(22mg、0.0276mmol)の3.5M HCl−EtOAc(5mL)溶液を30分間撹拌してから、定常窒素気流下で溶媒を除去し、中間体XVIの塩酸塩(18mg、89%)を得た。
【0241】
ESI MS:m/z696(MH
+)
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6)δ ppm 2.59(s,3H)2.76(br.s,3H)3.05−3.42(m,4H)3.75(dd,J=10.8,7.9Hz,1H)3.95−4.01(m,1H)3.58−4.08(m,4H)4.32−4.40(m,1H)4.67(d,J=11.1Hz,1H)4.75−4.83(m,1H)6.92(br.s.,1H)7.21(br.s.,1H)7.23(s,1H)7.30(br.s.,1H)7.37(d,J=8.4Hz,1H)7.49−7.52(m,1H)7.55(s,1H)7.57−7.60(m,1H)8.16(s,1H)8.24(s,1H)10.15(br.s.,1H)11.67(br.s.,1H)11.70(s,1H).
【0242】
類似の手順によって、以下の生成物を調製する:
(8R)−6−[(5−{[(5−アミノ−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−8−(クロロメチル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレートヒドロクロリド
【0243】
【化76】
ESI MS:m/z696(MH
+)
【0244】
工程e
(8S)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1=NH、L、WおよびZは存在しない;RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1=4−メチルピペラジン−1−カルボニル、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物1)
【0245】
【化77】
中間体XVIジ−ヒドロクロリド(6mg、0.0078mmol)の無水DMF(0.5mL)溶液に、1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン(2.9mg、0.0094mmol)およびトリエチルアミン(0.003mL)を追加した。窒素雰囲気下において、反応混合物を室温で96時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(DCM−MeOH95:5)によって残留物を精製して、最終化合物1(2mg、29%)を得た。
【0246】
ESI MS:m/z889(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 1.39(m,2H)1.62(dt,J=14.9,7.5Hz,2H)1.73(dt,J=15.3,7.6Hz,2H)2.23−2.67(m,7H)2.37(t,J=7.3Hz,2H)2.65(d,J=0.9Hz,3H)3.49(t,J=7.2Hz,2H)3.72(dd,J=11.4,9.6Hz,2H)3.97(dd,J=11.3,3.1Hz,1H)4.38(m,1H)3.44−3.95(m,4H)4.83(m,1H)4.91(m,1H)6.85(s,1H)7.27(d,J=1.5Hz,1H)7.28(s,1H)7.35(dd,J=8.8,1.8Hz,1H)7.41(s,1H)7.49(d,J=8.8Hz,1H)7.55(m,1H)7.63(m,1H)8.18(s,1H)8.27(s,1H)8.38(s,1H)9.00(s,1H)9.60(br.s.,1H)10.88(br.s.,2H).
【0247】
類似の手順によって、以下の生成物を調製することができる:
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−(4−{[({2−[(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル)カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)−L−オルニチンアミド[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Wは−COOCH
2−(p−Ph)−NH−であり、Zは−(CO)−シトルリン−バリン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1は4−メチルピペラジン−1−カルボニルであり、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物2)
【0248】
【化78】
ESI MS:m/z1294(MH
+)
1H NMR(500MHz,methanol−d
4)δ ppm 0.92(m,6H)1.49−1.75(m,10H)2.25(m,2H)2.32(s,4H)2.48(br.s.,2H)2.54(br.s.,2H)2.60(d,J=1.1Hz,3H)3.06(m,1H)3.19(m,1H)3.42(m,2H)3.55(br.s.,2H)3.61(dd,J=11.5,9.5Hz,1H)3.78(br.s.,2H)3.89(dd,J=11.5,2.7Hz,1H)4.18(d,J=7.1Hz,1H)4.52(dd,J=9.2,4.6Hz,1H)4.75(m,1H)4.83(m,1H)5.11(s,2H)6.77(m,2H)7.20(s,1H)7.24(s,1H)7.27(m,1H)7.35(d,J=1.1Hz,1H)7.36(d,J=8.6Hz,2H)7.40(d,J=8.7Hz,1H)7.50(m,1H)7.55(m,1H)7.63(d,J=8.6Hz,2H)7.86(d,J=6.7Hz,1H)8.15(br.s.,1H)8.18(m,1H)8.50(s,2H).
【0249】
(8R)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1=NH、L、WおよびZは存在せず、A
1に連結されているRMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1は4−メチルピペラジン−1−カルボニルであり、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物5)
【0250】
【化79】
ESI MS:m/z889(MH
+)
【0251】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−(4−{[({2−[(2−{[(8R)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}カルバモイル)オキシ]メチル}フェニル)−L−オルニチンアミド[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Wは−COOCH
2−(p−Ph)−NH−であり、Zは−(CO)−シトルリン−バリン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1=4−メチルピペラジン−1−カルボニル、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物6)
【0252】
【化80】
ESI MS:m/z1294(MH
+)
【0253】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニル−L−ロイシル−N−{2−[(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}グリシンアミド[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Wは存在せず、Zは−(CO)−グリシン−ロイシン−フェニルアラニン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1=4−メチルピペラジン−1−カルボニル、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物9)
【0254】
【化81】
ESI MS:m/z1206(MH
+)
【0255】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニル−L−ロイシル−N−{2−[(2−{[(8R)−8−(クロロメチル)−1−メチル−4−{[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]オキシ}−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)カルバモイル]−1H−インドール−5−イル}グリシンアミド[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Wは存在せず、Zは−(CO)−グリシン−ロイシン−フェニルアラニン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである;L
1は4−メチルピペラジン−1−カルボニルであり、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物10)
【0256】
【化82】
ESI MS:m/z1206(MH
+)
【0257】
(8S)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,18−ジオキソ−7,9,12,15−テトラオキサ−4−アザオクタデカン−18−イル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Zは−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである;L
1は4−メチルピペラジン−1−カルボニルであり、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物13)
【0258】
【化83】
ESI MS:m/z1080(MH
+)
【0259】
(8R)−8−(クロロメチル)−6−[(5−{[(5−{[1−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−3,18−ジオキソ−7,9,12,15−テトラオキサ−4−アザオクタデカン−18−イル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]アミノ}−1H−インドール−2−イル)カルボニル]−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−メチルピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1=NH、Lは存在せず、Zは−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである;L
1は4−メチルピペラジン−1−カルボニルであり、L
1に連結されているW、ZおよびRMは存在しない。](化合物14)
【0260】
【化84】
ESI MS:m/z1080(MH
+)
【0261】
[実施例2]
カップリング、脱保護、工程e
【0262】
【化85】
【0263】
カップリング
tert−ブチル(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イルピペラジン−1,4−ジカルボキシレートの調製
【0264】
【化86】
GB2344818に報告されているように調製したN−(2−{[(8S)−8−(クロロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−6−イル]カルボニル}−1H−インドール−5−イル)−1H−インドール−2−カルボキサミド(111mg、0.2mmol)を無水DCM(15mL)に溶解し、この溶液にtert−ブチル4−(クロロカルボニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(100mg、0.4mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(55mg、0.45mmol)を追加した。窒素雰囲気下において、反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、得られた有機層を食塩水で洗浄し(x4)、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−アセトン7:3)によって粗残留物を精製して、標記化合物(30mg、19%)を得た。
【0265】
ESI MS:m/z767(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 1.48(s,9H)2.65(d,J=1.01Hz,3H)3.55(br.s.,4H)3.60(br.s.,2H)3.73(dd,J=11.36,9.59Hz,1H)3.79(br.s.,2H)3.97(dd,J=11.36,2.78Hz,1H)4.33−4.42(m,1H)4.80−4.86(m,1H)4.89−4.94(m,1H)7.10(t,J=7.19Hz,1H)7.23−7.27(m,1H)7.28(s,1H)7.34(d,J=1.51Hz,1H)7.42(s,1H)7.53−7.57(m,1H)7.60(d,J=8.08Hz,1H)7.61−7.65(m,1H)7.67(d,J=8.08Hz,1H)8.29(s,1H)8.38(d,J=1.26Hz,1H)9.56(s,1H)10.89(br.s.,2H)。
【0266】
脱保護
(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イルピペラジン−1−カルボキシレート
【0267】
【化87】
中間体(25mg、0.0326mmol)の3.5M HCl−EtOAc(5mL)溶液を2時間撹拌した。定常窒素気流下で溶媒を除去した後、残留物を真空下で乾燥させて、標記化合物(11mg、48%)を得た。
【0268】
ESI MS:m/z667(MH
+)
【0269】
工程e
(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、L
1に連結されているWおよびZは存在せず、L
1に連結されているRMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物3)
【0270】
【化88】
塩酸塩(11mg、0.0156mmol)として先の工程で得られた脱保護誘導体の無水DMF(1mL)溶液に、1−{6−[(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ]−6−オキソヘキシル}−1H−ピロール−2,5−ジオン(7mg、0.020mmol)およびTEA(0.006mL)を追加した。窒素雰囲気下において、反応混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(DCM−MeOH96:4)によって残留物を精製して、最終化合物3(6mg、43%)を得た。
【0271】
ESI MS:m/z860(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 1.36(m,2H)1.49−1.69(m,4H)2.44(m,2H)2.63(s,3H)3.47(m,2H)3.69(m,1H)3.52−3.88(br s,8H)3.94(dd,J=11.5,2.6Hz,1H)4.35(m,1H)4.80(m,1H)4.88(m,1H)6.84(s,2H)7.08(t,J=7.5Hz,1H)7.24(m,2H)7.32(s,1H)7.39(s,1H)7.54(m,2H)7.60(m,1H)7.65(d,J=8.1Hz,1H)8.23(s,1H)8.30(d,J=1.5Hz,1H).
【0272】
同様に、適切な活性化誘導体を使用することによって、以下の化合物を調製した:
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは−COOCH
2−(p−Ph)−NH−であり、Zは−(CO)−シトルリン−バリン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物4)
【0273】
【化89】
ESI MS:m/z1265(MH
+)
1H NMR(500MHz,acetone−d
6)δ ppm 0.94(d,J=6.8Hz,3H)0.96(d,J=6.8Hz,3H)1.29(m,2H)1.55(quin,J=7.5Hz,4H)1.63(m,2H)1.71(m,1H)1.91(m,1H)2.12(m,1H)2.27(m,2H)2.61(s,3H)3.08(m,1H)3.27(m,1H)3.43(t,J=7.1Hz,2H)3.58(br.s.,6H).3.67(m,1H).3.79(br.s,2H)3.93(dd,J=11.4,2.78Hz,1H)4.24(d,J=6.5Hz,1H)4.33(m,1H)4.60(dd,J=9.3,4.3Hz,1H)4.79(m,1H)4.86(m,1H)5.10(s,2H)6.81(s,2H)7.08(t,J=7.6Hz,1H)7.23(m,2H)7.32(s,1H)7.35(d,J=8.3Hz,2H)7.37(d,J=0.5Hz,1H)7.53(m,2H)7.57(m,1H)7.65(d,J=8.1Hz,1H)7.70(d,J=8.6Hz,2H)8.22(s,1H)8.29(d,J=1.8Hz,1H).
【0274】
(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]ピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、WおよびZは存在せず、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物7)
【0275】
【化90】
ESI MS:m/z860(MH
+)
【0276】
N−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは−COOCH
2−(p−Ph)−NH−であり、Zは−(CO)−シトルリン−バリン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物8)
【0277】
【化91】
ESI MS:m/z1265(MH
+)
【0278】
N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは存在せず、Zは−(CO)−グリシン−ロイシン−フェニルアラニン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物11)
【0279】
【化92】
ESI MS:m/z1177(MH
+)
【0280】
N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイル]−L−フェニルアラニンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは存在せず、Zは−(CO)−グリシン−ロイシン−フェニルアラニン−(NH)−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサノイルである。](化合物12)
【0281】
【化93】
ESI MS:m/z1177(MH
+)
【0282】
(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]ピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは存在せず、Zは−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである。](化合物15)
【0283】
【化94】
ESI MS:m/z1065(MH
+)
【0284】
(8R)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル4−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]ピペラジン−1−カルボキシレート[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは存在せず、Zは−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである。](化合物16)
【0285】
【化95】
ESI MS:m/z1065(MH
+)
【0286】
N−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−バリル−N−5−カルバモイル−N−{4−[({[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}オキシ)メチル]フェニル}−L−オルニチンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは−COOCH
2−(p−Ph)−NH−であり、Zは−(CO)−シトルリン−バリン−(NH)−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである。](化合物17)
【0287】
【化96】
ESI MS:m/z1470(MH
+)
【0288】
N−[(2S)−1−({2−[4−({[(8S)−8−(クロロメチル)−6−({5−[(1H−インドール−2−イルカルボニル)アミノ]−1H−インドール−2−イル}カルボニル)−1−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−e]インドール−4−イル]オキシ}カルボニル)ピペラジン−1−イル]−2−オキソエチル}アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル]−N−α−[19−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)−17−オキソ−4,7,10,13−テトラオキサ−16−アザノナデカン−1−オイル]−L−フェニルアラニンアミド[(IIb)、A
1、L、W、ZおよびRMは存在しない;L
1=ピペラジン−1−カルボニル、Wは存在せず、Zは−(CO)−グリシン−ロイシン−フェニルアラニン−(NH)−CO−[CH
2−CH
2−O−]
4−CH
2CH
2−NH−であり、RMは(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイルである。](化合物18)
【0289】
【化97】
ESI MS:m/z1382(MH
+)
抗癌治療で同時使用、個別使用または逐次使用するための複合調製物として、請求項1で定義した式(I)もしくは(II)の化合物またはこの医薬として許容される塩と、1つ以上の化学療法剤とを含む、製品。