(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512469(P2015-512469A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】農薬およびUV抵抗性が増大された安定化ポリオレフィン、並びに使用方法
(51)【国際特許分類】
C08L 23/00 20060101AFI20150331BHJP
C08K 5/3492 20060101ALI20150331BHJP
C08K 5/3495 20060101ALI20150331BHJP
C08K 5/3435 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
C08L23/00
C08K5/3492
C08K5/3495
C08K5/3435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-504705(P2015-504705)
(86)(22)【出願日】2013年4月3日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月3日
(86)【国際出願番号】US2013035114
(87)【国際公開番号】WO2013152100
(87)【国際公開日】20131010
(31)【優先権主張番号】12163097.4
(32)【優先日】2012年4月4日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】594060532
【氏名又は名称】サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】特許業務法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリク,イバン
(72)【発明者】
【氏名】サミユエルズ,サリ−ベス
(72)【発明者】
【氏名】ステイール,トーマス
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BB031
4J002BB041
4J002BB071
4J002BB121
4J002BB141
4J002EU037
4J002EU038
4J002EU148
4J002EU186
4J002FD056
4J002FD057
4J002FD058
(57)【要約】
【化1】
i)少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I);ii)式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤II;およびiii)式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される少なくとも1つの光安定剤(III)を含む安定剤組成物の安定化する量を有するポリオレフィン薄膜であって:ポリオレフィンは、農薬および/またはUV光に対する曝露による分解作用に対する抵抗性が増大された、ポリオレフィン薄膜が、前述のものを安定化する、および/または使用するための方法と共に本明細書において提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱酸化、光または農薬の使用のための分解に対してポリオレフィン薄膜を安定化するための方法であって、前記方法は:
以下を含む安定剤組成物の安定化する量をポリオレフィン薄膜に組み込むことを含む、方法:
i)式Iに記載の2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I):
【化1】
式中
R
4およびR
5のそれぞれは、独立して、C
6-10アリール;またはヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイル、フェニルもしくは:ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステルおよびC
2-12アルカノイルの1から3つによって置換されたフェニルの1から3つによって、もしくはこれらの混合物によって置換されたC
6-10アリール;またはモノ−もしくはジ−C
1-12ヒドロカルビル置換されたアミノ;またはC
2-12アルカノイル;またはC
1-12アルキル;またはC
1-12アルコキシから選択され;
nは、0から4であり;および、
R
6は、式Iの2−ヒドロキシフェニル部分の0から4位にて同じか、または異なる置換基であり、かつ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイルおよびフェニルから選択され;
ii)式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つのヒンダードアミン紫外線安定剤
【化2】
式中:
Xは、−O−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−NR’−、−NR’−C(=O)−、−C(=O)−NR’−、−O−、−NR’−または−C(=O)−の群から選択される架橋基を表し、式中それぞれのR’は、独立して、HまたはC
1-20ヒドロカルビルを表し、
Zは、H、−R、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており、
R
3は、C
6-30ヒドロカルビルであり、および、
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択され;および、
iii)式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤(III)。
【請求項2】
前記2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物(I)は、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、式IIaの化合物から選択される、請求項1または2に記載の方法:
【化3】
式中
Zは、H、C
1-6アルキルまたは−ORであり、式中Rは、任意にヒドロキシル、C
1-22アルコキシまたはC
2-22アルカノイルで置換されたC
1-10アルキルであり;
R
3は、C
6-30アルキルまたはC
6-30アルケニルであり;および
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択される。
【請求項4】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、式II、IIa、IIbおよび/またはIIcの化合物から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法:
【化4】
式中R
3は、C
12-22アルキルまたはC
12-22アルケニルである。
【請求項5】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ヒンダードアミン光安定剤化合物(III)は、式IV:
【化5】
式中
R
7、R
8、R
9およびR
10のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただし、R
7およびR
8、並びに/またはR
9およびR
10は、これらが付着される炭素と共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
11は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
12は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
13は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された炭素原子を介して化合物の残りに結合され、ただし分子断片は、R
12が存在しないように化合物の残りとスピロ構造を形成することができることを条件とし;
および/または式Vに記載の少なくとも1つの分子断片を含むものから選択される、前述の請求項のいずれかに記載の方法:
【化6】
式中
mは、1から2の整数であり;
R
17、R
18、R
19およびR
20のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただしR
17およびR
18、並びに/またはR
19およびR
20は、これらが付着される炭素と共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
16は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に
1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された窒素原子を介して化合物の残りに結合される。
【請求項7】
前記ヒンダードアミン光安定剤(III)は、1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型または1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンおよび1,6−ヘキサンジアミンとの重合体,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型の混合物である、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(I)の量は、0.01から0.6重量%であり、前記ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(II)の量は0.02から0.9重量%であり、および前記ポリオレフィンに存在する光安定剤(III)の量は、0.05から2.0重量%である、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ヒンダードベンゾアート、フェノール系酸化防止剤、ホスファイトおよびホスホニト、並びにこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる安定剤を、ポリオレフィンの重量の0.001から1.5重量%の量で組み込む、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記さらなる安定剤は、式VIのヒンダードベンゾアート(VI)からなる群より選択される、請求項9に記載の方法:
【化7】
式中
R
21およびR
22のそれぞれは、独立して、C
1-12アルキルから選択され、
Tは、OまたはNR
24を表し、式中R
24は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルであり、
R
23は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルである。
【請求項11】
前記ヒンダードベンゾアート(VI)は、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアートおよびヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、並びにこれらの混合物から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
以下を含む安定剤組成物の安定化する量を含む1から350ミクロンの厚さを有するポリオレフィンフィルムであって:
i)式Iに記載の2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物
から選択される少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I):
【化8】
式中:
R
4およびR
5のそれぞれは、独立して、C
6-10アリール;またはヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイル、フェニルもしくは:ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステルおよびC
2-12アルカノイルの1から3つによって置換されたフェニルの1から3つによって、もしくはこれらの混合物によって置換されたC
6-10アリール;またはモノ−もしくはジ−C
1-12ヒドロカルビル置換されたアミノ;またはC
2-12アルカノイル;またはC
1-12アルキル;またはC
1-12アルコキシから選択され;
nは、0から4であり;および、
R
6は、式Iの2−ヒドロキシフェニル部分の0から4位にて同じか、または異なる置換基であり、かつ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイルおよびフェニルから選択され;および、
ii)式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤
【化9】
式中:
Xは、−O−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−NR’−、−NR’−C(=O)−、−C(=O)−NR’−、−O−、−NR’−または−C(=O)−の群から選択される架橋基を表し、式中それぞれのR’は、独立して、HまたはC
1-20ヒドロカルビルを表し、
Zは、H、−R、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており、
R
3は、C
6-30ヒドロカルビルであり、および、
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択され;および、
iii)式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択さ
れる少なくとも1つの光安定剤(III)、
前記ポリオレフィンフィルムは、熱酸化、光または農薬の使用による分解に対する抵抗性の増大を提供する、ポリオレフィンフィルム。
【請求項13】
前記2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物(I)は、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンである、請求項12に記載のフィルム。
【請求項14】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、式IIaの化合物から選択される、請求項12〜13のいずれかに記載のフィルム:
【化10】
式中
Zは、H、C
1-6アルキルまたは−ORであり、式中Rは、任意にヒドロキシル、C
1-22アルコキシまたはC
2-22アルカノイルで置換されたC
1-10アルキルであり;
R
3は、C
6-30アルキルまたはC
6-30アルケニルであり;および
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択される。
【請求項15】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、式II、IIa、IIbおよび/またはIIcのものから選択される、請求項12〜14のいずれかに記載のフィルム:
【化11】
式中
R
3は、C
12-22アルキルまたはC
12-22アルケニルである。
【請求項16】
前記テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1,2,2,6,6−ペン
タメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物から選択される、請求項12〜15のいずれかに記載のフィルム。
【請求項17】
前記ヒンダードアミン光安定剤化合物(III)は、式IVに:
【化12】
式中
R
7、R
8、R
9およびR
10のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただし、R
7およびR
8、並びに/またはR
9およびR
10は、これらが付着される炭素と共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
11は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
12は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
13は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された炭素原子を介して化合物の残りに結合され、ただし分子断片は、R
12が存在しないように化合物の残りとスピロ構造を形成することができることを条件とし;
および/または式Vに記載の少なくとも1つの分子断片を含むものから選択される、請求項12〜16のいずれかに記載のフィルム
【化13】
式中
mは、1から2の整数であり;
R
17、R
18、R
19およびR
20のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただしR
17およびR
18、並びに/またはR
19およびR
20は、これらが付着される炭素で共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
16は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された窒素原子を介して化合物の残りに結合される。
【請求項18】
前記ヒンダードアミン光安定剤(III)は、1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型または1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンおよび1,6−ヘキサンジアミンとの重合体,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型の混合物である、請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(I)の量は、0.01から0.6重量%であり、前記ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(II)の量は0.02から0.9重量%であり、および前記ポリオレフィンに存在する光安定剤(III)の量は、0.05から2.0重量%である、請求項12〜18のいずれかに記載のフィルム。
【請求項20】
前記ポリオレフィンフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレンもしくはエチレンに基づいた共重合体またはこれらの混合物で作製される、請求項12〜19のいずれかに記載のフィルム。
【請求項21】
ヒンダードベンゾアート、フェノール系酸化防止剤、ホスファイトおよびホスホニト、並びにこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる安定剤を、ポリオレフィンの重量の0.001から1.5重量%の量で組み込む、請求項12〜20のいずれかに記載のフィルム。
【請求項22】
前記さらなる安定剤は、式VIのヒンダードベンゾアート(VI)からなる群より選択される、請求項21に記載のフィルム:
【化14】
式中
R
21およびR
22のそれぞれは、独立して、C
1-12アルキルから選択され、
Tは、OまたはNR
24を表し、式中R
24は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルであり、
R
23は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルである。
【請求項23】
前記ヒンダードベンゾアート(VI)は、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアートおよびヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、並びにこれらの混合物から選択される、請求項22に記載のフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
【0002】
本発明は、一般に安定化されたポリオレフィンに関する。より詳細には、本発明は、光および熱酸化(UV光からなど)の作用による、および/または農薬の使用による分解に抵抗性であるプラスチカルチャー(plasticulture)における使用のための安定化されたポリオレフィンに関する。
【0004】
従来技術は、光および熱への長期曝露に対して重合体物品を安定化するための添加物として有用な種々の安定剤組成物の例に満ちている。たとえば、EP 0 200 190は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)およびトリス−アリールトリアジンの組み合わせを含む安定剤組成物、並びに重合体フィルムを安定化するためのこれらの使用を開示する。EP 1 500 675(EP 1 080 147およびWO 99/57189に関連)は、オルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤;およびオリゴマー(oliogomeric)、重合体または高分子量HALSを有する光安定化添加物混合物であって、HALSが少なくとも500の分子量を有し、およびHALS対トリアジンの重量比が3:1から20:1である添加物混合物の;並びに前述のものを含む重合体(たとえば、ポリオレフィン)物品の相乗効果を開示する。WO 2005/047384は、EP 1 500 675のものに類似の安定剤組成物を開示するが、これは、さらにヒドロキシベンゾフェノンを含む。このような安定剤組成物は、プラスチカルチャーにおいてある程度うまく使用されてきており、この材料は、適切な光安定化添加物を含まない限り屋外で使用したときに数月で分解する。低分子量のHALSは、ブルームで覆われ、およびこのようなプラスチカルチャー材料から移動し、これにより低い安定性をもたらすと考えられるので、これらの安定剤組成物は、典型的には低分子量HALSよりもむしろ高分子量またはオリゴマーHALSを含む。
【0005】
「プラスチカルチャー」という用語は、温室フィルム、除草フィルム、作条カバー、サイレージ伸縮性フィルム、サイレージシート/バッグ、土壌燻蒸フィルム、潅漑滴下テープ/管、網掛け、苗床ポット、不織布、撚糸、高および低いトンネル(ポリトンネル)、並びに水耕栽培を含む農業用途におけるプラスチック材料の使用をいう。材料それ自体は、典型的には「agプラスチック」またはフィルムの場合は(「agフィルム」)ともいわれる。
【0006】
このような材料は、大部分がポリエチレンまたはエチレンの共重合体などのポリオレフィンでできており、UV光からのような光および熱酸化に感受性である。この分解は、短期間で物理的、機械的および光学的な特性の劇的な喪失を生じる。したがって、これらの耐用年数を延ばすために、全てのagプラスチックは、典型的には光および熱安定剤を含む。
【0007】
農業プラスチックおよびフィルムの安定化は、なおもプラスチカルチャー産業の挑戦となる標的である。agフィルムの耐用年数に影響を及ぼし得る多くの固有の、および環境の要因がある。UV安定化システムを不活性化し、および有意に製品の耐用年数を減少させ得るものの中には、農薬がある。フィルムに対するこれらの殺虫薬のプロデグラダント
(prodegradant)効果は、Rullおよび Marin(2007)によって明らかに証明されている。
【0008】
温室フィルムカバーとして使用される農業フィルムの安定化を増大するための、いくつかの試みが記述されており、その結果、これらは業務においてより長く持続することができる。たとえば、金属酸化物、塩または水酸化物の添加は、殺虫薬に曝露されるフィルムの安定性を増強することが報告されている。しかし、このような化合物、たとえば酸化亜鉛の添加により、フィルムの乳白色またはかすんだ外見および透明度の減少をもたらし、温室内への光透過に対して有害な作用を有する。
【0009】
たとえば、米国特許公開第2006/0141207号は、トリアジンに基づいたUV吸収剤および立体障害アミン光安定剤(HALS)の混合物を含む温室フィルムなどの農業用途のための透明なポリオレフィンフィルムを記述する。WO 2007/088114は、400を上回る分子量を有する三級アミンの温室フィルムへの組み込みにより、温室用途において共通の慣行である硫黄に基づいた殺虫薬処理にこれらが曝露されたときの、このようなフィルムの安定性を改善することを開示する。
【0010】
加えて、プラスチカルチャー市場における主な傾向は、現在UV吸収剤と併用されたアミノエーテル(NOR)HALSまたはHALSおよびUV吸収剤と併用されたニッケルクエンチャー(Vitalei et al.(2009),Plasticulture trends and light stabilization solutions:A comparative studyのNOR technology +UVA and nickel quencher+HALS+UVA,Plasticulture vol.8,No.128,pp.46−63を参照されたい)またはHALS NOW(Zah et al,(2010),Aminoether HALS technology for agricultural films:The evolution continues,Plasticulture vol.8,No.129,pp.6−21)を含む。しかし、このような製品は、考慮する多数のパラメーターがあるので、全ての培養条件にとって適当ではないことが認識された(Galfre et al.(2010),New cost efficient & agrochemicals resistant light stabilizer class:How to develop a new light stabilizer
for agricultural films,Plasticulture vol.8,No.129,pp.46−67)。さらにまた、これらの製品は、高価であり、および時には褐色がかった色をagフィルムに与え、これらは望まれないであろう。
【0011】
したがって、特に殺虫薬、殺虫剤および燻蒸剤などの農薬の存在下において、より優れた光および熱安定性を含む種々の性能基準を満たすだろうし、かつより長い耐用年数を提供するだろう温室用途のためのポリオレフィンフィルムなどのプラスチカルチャー製品における使用のための特注の安定化組成物に対する需要がなおも存在する。このような製品は、産業において迅速な採択が見られるだろう。
【発明の概要】
【0012】
発明の開示
出願人は、驚くべきことに、本明細書において記述した特定のトリアジンに基づいたUV吸収剤、HALSおよびテトラメチル−4−ピペリジニル化合物の特定のタイプの組み合わせが、農業用途のための殺虫薬、殺虫剤、燻蒸剤および土壌消毒薬などの農薬に曝露されたポリオレフィン薄膜の安定性を増大し、その結果、これらのフィルムは、より長期間の間使用することができ、これらの作用に対して早期に分解されないことを見いだした。
【0013】
したがって、本発明は、以下を有する安定剤組成物をポリオレフィン薄膜に組み込むことによって農薬の存在下における分解に対してポリオレフィン薄膜を安定化するための方法に関する:
i)式Iに記載の2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I):
【化1】
式中:
R
4およびR
5のそれぞれは、独立して、C
6-10アリール;またはヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイル、フェニルもしくは:ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステルおよびC
2-12アルカノイルの1から3つによって置換されたフェニルの1から3つによって、もしくはこれらの混合物によって置換されたC
6-10アリール;またはモノ−もしくはジ−C
1-12ヒドロカルビル置換されたアミノ;またはC
2-12アルカノイル;またはC
1-12アルキル;またはC
1-12アルコキシから選択され;
nは、0から4であり;および、
R
6は、式Iの2−ヒドロキシフェニル部分の0から4位にて同じか、または異なる置換基であり、かつ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイルおよびフェニルから選択され;
ii)式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤
【化2】
式中:
Xは、−O−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−NR’−、−NR’−C(=O)−、−C(=O)−NR’−、−O−、−NR’−または−C(=O)−の群から選択される架橋基を表し、式中それぞれのR’は、独立して、HまたはC
1-20ヒドロカルビルを表し、
Zは、H、−R、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アル
コキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており、
R
3は、C
6-30ヒドロカルビルであり、および、
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択され;および、
iii)式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される少なくとも1つの光安定剤(III)。
【0014】
本発明は、さらに以下を含む安定剤組成物を含むポリオレフィン薄膜に関する:
i)式Iに記載の2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I):
【化3】
式中:
R
4およびR
5のそれぞれは、独立して、C
6-10アリール;またはヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイル、フェニルもしくは:ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステルおよびC
2-12アルカノイルの1から3つによって置換されたフェニルの1から3つによって、もしくはこれらの混合物によって置換されたC
6-10アリール;またはモノ−もしくはジ−C
1-12ヒドロカルビル置換されたアミノ;またはC
2-12アルカノイル;またはC
1-12アルキル;またはC
1-12アルコキシから選択され;
nは、0から4であり;および、
R
6は、式Iの2−ヒドロキシフェニル部分の0から4位にて同じか、または異なる置換基であり、かつ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-12ヒドロカルビル、C
1-12アルコキシ、C
1-12アルコキシエステル、C
2-12アルカノイルおよびフェニルから選択され;および、
ii)式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤
【化4】
式中:
Xは、−O−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−、−CR’
2−C(=O)−NR’−、−NR’−C(=O)−、−C(=O)−NR’−、−O−、−NR’−または−
C(=O)−の群から選択される架橋基を表し、式中それぞれのR’は、独立して、HまたはC
1-20ヒドロカルビルを表し、
Zは、H、−R、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており、
R
3は、C
6-30ヒドロカルビルであり、および、
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、HおよびC
1−C
6アルキルから選択され;および、
iii)式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される少なくとも1つの光安定剤(III)。
【0015】
本発明のこれらの、およびその他の目的、特徴および利点は、添付の実施例と組み合わせて本発明の種々の側面の以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一定の態様の詳細な説明
上で要約したように、本発明者は、驚くべきことに、オリゴマー、重合体または高分子量HALSおよびオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジンUV吸光剤を含むポリオレフィン薄膜安定化添加物に対する一定の低分子量HALSの添加が、前記フィルムに農薬およびUV抵抗性の増大を提供することを発見した。このようなフィルムに対するこれらの低分子量HALSの添加は、これらの化合物がブルームで覆われるであろうし、フィルムから移動するであろうし、低い溶解性を有するであろうし、および/または低い安定性を提供するであろうと考えられたので、以前には実行不可能であると考えられた。以下でより完全に考察したように、本発明は、これが違うこと、並びにUV光安定剤(I)および(III)と組み合わせたこのような低分子量UV光安定剤の使用は、このようなフィルムの長寿命に対して驚くべき相乗効果を提供することを示す。
【0017】
したがって、一つの側面において、本発明は:
i)本明細書において概説したとおりの少なくとも1つのo−ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸光剤(I);
ii)本明細書において概説したとおりのテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される少なくとも1つの紫外線安定剤;および、
iii)本明細書において概説したとおりの式IIの化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される少なくとも1つの光安定剤(III)、
を含む安定剤組成物の安定化する量を有するポリオレフィン薄膜であって、ポリオレフィンは、農薬および/またはUV光に対する曝露による分解効果に対する抵抗性が増大された、ポリオレフィン薄膜を提供する。
【0018】
ヒドロカルビルは、本記述において炭化水素、すなわち炭素および水素を含む化合物に由来する一価ラジカルを意味し、およびアルキル、アルケニルなどの脂肪族炭化水素、並びに脂環式化合物およびアリール化合物などの環状化合物、並びにこれらの組み合わせを含む。置換されたは、本発明において1つまたは複数の水素または1つまたは複数の炭素原子がもう一つの原子または基によって置換されたヒドロカルビル基を示すことを意味する。任意に置換されたは、非置換および置換された部分の両方を示すことを意味する。
【0019】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、エチレンおよびプロピレンなどの少なくとも1つの非環式オレフィンに基づいた少なくとも1つのホモポリマーまたは共重合体で構成される。適切なホモポリマーは、エチレンおよびプロピレンのホモポリマーを含む。適切な共重合体は、プロピレン、ブテン(n−およびイソブチレン)、ペンテン(1−ペンテンおよびイソペンテンなど)、ヘキセン(たとえば、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン)オクテン(たとえば、1−オクテン)、その他などのその他の非環式オレフィン、および/または酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸メチルなどの(such at)その他の共重合性単量体とエチレンの共重合体を含む。好ましいポリオレフィンは、シクロアルケンを含まない。異なるポリオレフィンホモポリマーおよび/または共重合体の混合物を使用することができる。ポリオレフィンは、チーグラーナッタ触媒、酸化クロム触媒、単一部位またはメタロセン触媒を使用する1つまたは複数の非環式オレフィンの重合によって生成することができる。重合体は、スラリー、気体相、流動層気体相、溶液プロセスによって、または高圧重合もしくはこれらの組み合わせによって作製し得る。
【0020】
好ましいポリオレフィンフィルムは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒(mPE)で得られるポリエチレンおよび高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレンに基づいた共重合体、特にエチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンブチルアクリレート共重合体(EBA)およびエチレンメタクリラート共重合体(EMA)、並びにこれらの混合物で作製されるフィルムである。特に好ましくは、LDPEで、LLDPEで、mPEおよびこれらの混合物で、EVAおよびLDPEおよび/またはLLDPEとこれらの混合物で、
EBAおよびLDPEおよび/またはLLDPEとこれらの混合物で製造される。
【0021】
ポリオレフィンフィルムは、本発明において単層および多層フィルムを示すことが意味される。また、ポリオレフィンフィルムは、本発明にしたがったポリオレフィンフィルムの1つまたは複数およびたとえばポリアミドフィルムなどのその他のタイプのフィルムの層の1つまたは複数の層を含む多層フィルムの一部でもよい。
【0022】
本発明にしたがったフィルムポリオレフィン薄膜は、通常1から350ミクロンの厚みを有する。これらは、好ましくは少なくとも10ミクロン、より好ましくは少なくとも12ミクロンの厚みを有する。ポリオレフィンフィルムは、好ましくは多くとも300ミクロンの厚みおよび最も好ましくは250ミクロンの最大厚みを有する。フィルムの厚みは、一般にISO 4591およびISO 4593にしたがって測定される。
【0023】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムが温室フィルムまたはトンネルフィルムまたはソラリゼーションフィルムとして使用される場合において、ポリオレフィンフィルムは、好ましくは透明であり、EN 2155−5試験法にしたがって測定したときに少なくとも80%の総可視光線透過率を特に有する。本発明にしたがったフィルムは、より好ましくは、少なくとも86%の総可視光線透過率を有する。
【0024】
式Iに記載の2−(2’−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン化合物(I)から選択される紫外線吸光剤は、好ましくは、式中R
4およびR
5のそれぞれが、独立して、C
6-10アリールまたは:ヒドロキシル、C
1-12ヒドロカルビルの1から3つによって、またはフェニルによって、またはこれらの混合物によって置換されたC
6-10アリールから選択され;nは、1であり;およびR
6は、C
1-12アルコキシから選択される置換基である化合物である。
【0025】
本発明で使用するための適切なトリアジン型紫外線吸光剤(I)は、以下から選択されるものを含む:4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン(Cytec Industries Inc.から入手できるCYASORB(登録商標)UV−1164吸光剤);4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル
)−s−トリアジン;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−、(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−[(オクチルオキシカルボニル)エチリデンオキシ]フェニル]−s−トリアジン;2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4(−3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン;2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソ−プロピリデンオキシ−フェニル)−s−トリアジン;2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン;2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン;2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−フェニル]−s−トリアジン;4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−s−トリアジン;4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−s−トリアジン;4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジン;4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール;2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;プロパン酸,2,2’,2’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス[(3−ヒドロキシ−4,1−フェニレン)オキシ]]トリス−1,1’1’’−トリオクチルエステル;プロパン酸,2−[4−[4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2イル]−3−ヒドロキシフェノキシ]−イソオクチルエステル;2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン;およびこれらの組み合わせ。
【0026】
好ましいトリアジン型紫外線吸光剤(I)は、以下である:4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン(CYASORB(登録商標)UV−1164吸光剤として製品化されている);4,6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン(TINUVIN(登録商標)1577として製品化されている);4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−s−トリアジンおよび4,6−ビス−(2,4
−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−s−トリアジンおよびこれらの混合物(TINUVIN(登録商標)400−2として製品化されている);プロパン酸,2−[4−[4,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2イル]−3−ヒドロキシフェノキシ]−イソオクチルエステル(TINUVIN(登録商標)479として製品化されている);UV吸光剤TINUVIN(登録商標)1600;および2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン;並びにこれらの混合物。
【0027】
特に好ましい紫外線吸光剤(I)は、4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン(Cytec Industries Inc.によってCYASORB(登録商標)UV−1164吸光剤として製品化されている)である。
【0028】
ポリオレフィンに存在する紫外線吸光剤(I)の量は、一般に0.01から0.6重量%である。好ましくは、紫外線吸光剤(I)の量は、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%である。紫外線吸光剤(I)の量は、好ましくは0.5重量%を超えない、より好ましくは0.4重量%を超えない、最も好ましくは0.35重量%を超えない。
【0029】
式IIに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物において、Xは、好ましくは−O−または−O−C(=O)−である。テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択されるヒンダードアミン紫外線吸光剤は、より好ましくは、Xが式IIaに記載の−O−C(=O)−である式IIに記載の化合物である:
【化5】
式中、R
1、R
2、R
3およびZは、上で定義したとおりである。
【0030】
式IIおよびIIaに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物において:
Zは、好ましくはH、C
1-6アルキルまたは−ORであり、式中Rは、任意にヒドロキシル、C
1-22アルコキシまたはC
2-22アルカノイルで置換されたC
1-10アルキルであり;Zは、より好ましくは、H、CH
3または−O−CH
2−C(OH)(CH
3)−CH
3であり;Zは、最も好ましくはHまたはCH
3である。
【0031】
式IIおよびIIaに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物において、R
3は、好ましくはC
6-30アルキルまたはC
6-30アルケニル、より好ましくはC
12-22アルキルまたはC
12-22アルケニルである;。
【0032】
式IIおよびIIaに記載のテトラメチル−4−ピペリジニル化合物において、R
1およびR
2は、好ましくはHである。
【0033】
テトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される紫外線安定剤は、最も好ましくは式IIbまたは式IIcに記載の化合物であり
【化6】
式中、R
3は、C
6-30アルキルまたはC
6-30アルケニル、より好ましくはC
12-22アルキルまたはC
12-22アルケニルである。
【0034】
ヒンダードアミン型紫外線安定剤(II)は、好ましくは式II、IIa、IIbおよび/またはIIcから選択され、式中R
3は、C
16-18アルキルまたはアルケニルである。
【0035】
紫外線安定剤(II)は、好ましくは2,2,6,6−テトラメチルピペリジノール、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジノールおよび1−アルコキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノールの脂肪酸エステルから選択され、式中アルコキシ基は、1から8炭素原子を含み、および任意にヒドロキシル基、C
1-22アルコキシ基またはC
2-22アルカノイル基、特に1−(2−ヒドロキシ−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノールで置換される。市販の脂肪酸は、通常飽和および不飽和脂肪酸の混合物を含む。好ましくは、C
12-22アルキルおよび/またはアルケニル脂肪酸、より具体的にはC
12-22アルキルおよびC
16および/またはC
18アルケニル脂肪酸である。
【0036】
適切なテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、以下である:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘネイコサノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−テトラデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘネイコサノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−テトラデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ドデカノアート;1−ヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;1−プロポキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;1−シクロヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;1−オクチルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ドコサノアート;1−ヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1−プロポキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1−シクロヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1−オクチル
オキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1−ヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1−プロポキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1−シクロヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1−オクチルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1−ヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;1−プロポキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;1−シクロヘキシルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;1−オクチルオキシ,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−ドコサノイルオキシ−2‐メチルプロパン;1−(4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−エイコサノイルオキシ−2‐メチルプロパン;1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2‐メチルプロパン;1−(4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−ヘキサデカノイルオキシ−2‐メチルプロパン;1−(2−メトキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキサデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ドコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−メトキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキサデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−メトキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
;1−(2−ヘキサデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−メトキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキサデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクタデシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−ステアリルオキシ−1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−ヘキサデシルオキシ−1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;およびこれらの混合物。
【0037】
好ましいテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、以下である:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−エイコサノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;およびこれらの混合物;1−(4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−エイコサノイルオキシ−2−メチルプロパン;1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2−メチルプロパン;1−(4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−ヘキサデカノイルオキシ−2−メチルプロパン;およびこれらの混合物;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−プロポキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1
−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;およびこれらの混合物。
【0038】
より好ましいテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、以下である:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−エイコサノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2−メチルプロパン;1−(4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−ヘキサデカノイルオキシ−2−メチルプロパン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−ヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−シクロヘキシルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;1−(2−オクチルオキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;およびこれらの混合物。
【0039】
最も好ましいテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)は、以下である:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−オクタデカノアート;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−ヘキサデカノアート;およびこれらの混合物。特に好ましくは、Cytec Industries Inc.によってCYASORB(登録商標)UV−3853光安定剤として製品化されているUV安定剤であり、これは主に2,2,6,6−テトラメチルピペリジノールのC
16-18脂肪酸エステルの混合物を含む。製品化された形成は、典型的にはCYASORB(登録商標)UV−3853をいうが、この製品の任意の形態を本明細書において記述した本発明(たとえば、UV−3853S(LDPE担体中に50%);UV−3853PE5(LDPE担体中に50%);UV−3853PP4(PP担体中に40%);およびUV−3853PP5(PP担体中に50%))にしたがって使用してもよい。
【0040】
ポリオレフィンフィルムに存在するテトラメチル−4−ピペリジニル化合物(II)から選択される紫外線安定剤の量は、一般に0.02から0.9重量%である。好ましくは、紫外線安定剤(II)の量は、少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.3重量%である。紫外線安定剤(II)の量は、好ましくは、0.8重量%を超えない。
【0041】
式(II)の化合物とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される紫外線安定剤(III)は、好ましくは単量体および少なくとも900の数平均分子量(Mn)を有するオリゴマーHALSから選択される。本発明において、オリゴマーHAL
Sは、少なくとも2つの反復単位を含む化合物を示すこと、およびそれ故、時に「重合体」HALSとして示されるHALSも含むことが意図される。
【0042】
ヒンダードアミン型紫外線安定剤(III)は、好ましくは式IVに
【化7】
式中
R
7、R
8、R
9およびR
10のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただし、R
7およびR
8、並びに/またはR
9およびR
10は、これらが付着される炭素と共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
11は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
12は:HおよびC
1−C
8ヒドロカルビルから選択され;
R
13は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された炭素原子を介して化合物の残りに結合され、ただし分子断片は、R
12が存在しないように化合物の残りとスピロ構造を形成することができることを条件とし;
および/または式Vに記載の少なくとも1つの分子断片を含むものから選択され
【化8】
式中
mは、1から2の整数であり;
R
17、R
18、R
19およびR
20のそれぞれは、独立して、C
1−C
20ヒドロカルビルから選択され、ただしR
17およびR
18、並びに/またはR
19およびR
20は、これらが付着される炭素と共になってC
5-10シクロアルキルを形成してもよいことを条件とし;
R
16は、H、−OH、−CH
2CN、C
1-20ヒドロカルビル、−C(=O)−Rまたは−ORを表し、式中Rは、C
1-20ヒドロカルビルであり、前記ヒドロカルビルは、任意に1つまたは複数のヒドロキシル、C
1-30アルコキシまたはC
2-30アルカノイルで置換されており;および、
分子断片は、*で標識された窒素原子を介して化合物の残りに結合される。
【0043】
適切なヒンダードアミン光安定剤(III)は、以下を含む:ポリ[(6−[(1,1
,3,3−テトラメチルブチ)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]);1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンとの重合体;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体、3−ブロモ−1−プロペンとの反応生成物,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン,酸化型,水素化型;N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(Nメチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン;ブタンジオン酸,ジメチルエステル,4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合体;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物;2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3.20−ジアザ−20(2,3−エポキシ−プロピル)−ジスピロ[5.1.11.2]−ヘンエイコサン−21−オンの重合体;混合C20からC24アルファ−オレフィンおよび(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシンイミドの共重合体;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,混合1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルおよびトリデシルテトラエステル;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルトリデシルエステル;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの重合体,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルエステル;2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパン−ジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸重合体,2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパン−ジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステル 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸重合体,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステル;1,3−プロパンジアミン,N,N’’−1,2−エタンジイルビス−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物;飽和したC12−C22および酸化されたポリエチレンと反応したC18−不飽和脂肪酸の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステル;2−ピペラジノン,1,1’,1’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス[(シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル]]トリス[3,3,4,5,5−ペンタメチル−;2−ピペラジノン,1,1’,1’’−[1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリス[(シクロヘキシルイミノ)−2,1−エタンジイル]]トリス[3,3、5,5−テトラメチル−;ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルスクシナート];2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン;N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物;アクリル酸エチルおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアクリラートとのメタアクリル酸メチルの共重合体;ポリメチル[プロピル−3−オキシ(2’,2’,6’,6’−テトラメチル
−4,4’−ピペリジニル)]シロキサン;ポリメチル[プロピル−3−オキシ(1’,2’,2’,6’,6’−ペンタメチル−4,4’−ピペリジニル)]シロキサン;1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物;エチレンおよび2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよびアクリル酸のエステル化生成物の共重合体;エチレンおよび1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよびアクリル酸のエステル化生成物の共重合体;2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物;1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N’’’−1,2−エタンジイルビス(N−(3−((4,6−ビス(ブチル(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)プロピル)−N,N’’−ビス)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−;N,Nビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン−1,2−ジブロモエタン,共重合体;並びにこれらの混合物。
【0044】
好ましいヒンダードアミン型UV安定剤(III)は、以下から選択される:1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンとの重合体;ポリ[(6[(1,1,3,3−テトラメチルブチ)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]);ブタンジオン酸,ジメチルエステル,4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合体;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物;2[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4,6−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,3−ブロモ−1−プロペンとの反応生成物,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン,酸化型,水素化型;1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N’’’−[1,2−エタン−ジイル−ビス[[[4,6−ビス−[ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス−[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−;1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンN,N’’’−1,2−エタンジイルビス(N−(3−((4,6−ビス(ブチル(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)プロピル)−N,N’’−ビス)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−;N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物;N,Nビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン−1,2−ジブロモエタン,共重合体;2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3.20−ジアザ−20(2,3−エポキシ−プロピル)−ジスピロ[5.1.11.2]−ヘンエイコサン−21−オンの重合体;1,3−プロパンジアミン,N,N’’−1,2−エタンジイルビス−
,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物;混合C20からC24アルファ−オレフィンおよび(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシンイミドの共重合体;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの重合体,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルエステル;2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパン−ジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸重合体,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステル;アクリル酸エチルおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアクリラートでメタアクリル酸メチルの共重合体;ポリメチル[プロピル−3−オキシ(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−4,4’−ピペリジニル)]シロキサン;ポリメチル[プロピル−3−オキシ(1’,2’,2’,6’,6’−ペンタメチル−4,4’−ピペリジニル)]シロキサン;2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンおよび1,2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物;1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物;エチレンおよび2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよびアクリル酸のエステル化生成物の共重合体;エチレンおよび1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよびアクリル酸のエステル化生成物の共重合体;ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルスクシナート];およびこれらの混合物。
【0045】
UV安定剤(III)は、より好ましくは以下から選択される:1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンとの重合体;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物との重合体,メチル化型;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,3−ブロモ−1−プロペンとの反応生成物,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン、酸化型、水素化型;1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N’’’−[1,2−エタン−ジイル−ビス[[[4,6−ビス−[ブチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]ビス−[N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−;ブタンジオン酸,ジメチルエステル,4−ヒドロキシ−2,2,6,6テトラメチル1−ピペリジンエタノールとの重合体;1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体,N−ブチル−1−ブタンアミンおよびN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,混合1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルおよびトリデシルテトラエステル;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸,2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールおよび3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナールとの重合体,1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルエステル;C12−21の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルエステル,酸化されたポリエチレンと反応したC18−不飽和脂肪酸;ポリ[4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルスクシナート];並びにこれらの混合物。
【0046】
化合物(II)とは異なるヒンダードアミン光安定剤(HALS)から選択される光安定剤(III)は、好ましくは単量体および少なくとも900の数平均分子量(Mn)を有するオリゴマーHALSから、より好ましくは1500を超えるMnを有するオリゴマーHALSから選択され、しかし4500を超えない、より好ましくは3000を超えない。
【0047】
最も好ましい光安定剤(III)は、Cytec Industries Inc.からCYASORB(登録商標)UV−3529光安定剤として市販されている1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの反応生成物との重合体,メチル化型;または1,6−ヘキサンジアミン,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,2,4−ジクロロ−6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジンおよび1,6−ヘキサンジアミンとの重合体,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−,モルホリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン反応生成物,メチル化型との重合体の混合物である。
【0048】
ポリオレフィンフィルムに存在する紫外線安定剤(III)の量は、一般に0.05から2.0重量%である。好ましくは、紫外線安定剤(III)の量は、少なくとも0.4重量%、より好ましくは少なくとも0.6重量%である。紫外線安定剤(III)の量は、好ましくは1.9重量%を超えない。
【0049】
ポリオレフィンフィルムにおける安定剤組成物の安定化する量は、ルーチン試験によって定まるとおりに広範囲にわたって変化してもよい。典型的には、ポリオレフィンフィルムにおける式(I)に記載の紫外線吸光剤、紫外線安定剤(II)および紫外線安定剤(III)の総量(重量の)は、一般に少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.6重量%である。総量は、通常2.9重量%を超えない、好ましくは、これは2.5重量%を超えない。
【0050】
ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(I)の量は、好ましくは0.01から0.6重量%であり、ポリオレフィンに存在する紫外線安定剤(II)の量は、好ましくは0.02から0.9重量%であり、およびポリオレフィンに存在する光安定剤(III)の量は、好ましくは0.05から2.0重量%である。
【0051】
一定の態様において、紫外線安定剤(III)対紫外線安定剤(I)の重量比は、3:1から20:1にわたることができる。
【0052】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、酸化防止剤、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤などの種々の従来の添加物;ホスファイト;ホスホニト;酸スカベンジャー;ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフェノンおよびベンジリデンマロナートなどのUV遮断剤または吸光剤;プロセシング助剤;ブロッキング防止剤;抗滴剤;被り防止剤;抗霧剤;防塵剤;抗真菌剤;光選択的薬剤;色素;熱剤;光触媒;生物分解可能充填剤;炭酸カルシウムなどの金属カルボナート;その他、およびこれらの混合物をさらに含むことができる。このようなさらなる添加物の量は、通常20重量%を超えない。透明フィルムとして使用されるときに、さらなる添加物の総量は、好ましくは調合されたフィルムの15重量%を超えない。
【0053】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、好ましくはヒンダードベンゾアート、フェノール系酸化防止剤、ホスファイトおよびホスホニト、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、より好ましくは0.001から1.5重量%の総量の、少なくとも
1つの安定剤を含む。
【0054】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、より好ましくはヒンダードベンゾアート(VI)からなる群から、より具体的には式VIのヒンダードベンゾアートから選択される少なくとも1つのさらなる安定剤を含み
【化9】
式中
R
21およびR
22のそれぞれは、独立して、C
1-12アルキルから選択され、
Tは、OまたはNR
24を表し、式中R
24は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルであり、
R
23は、HまたはC
1-30ヒドロカルビルである。
【0055】
式VIのヒンダードベンゾアートにおいて、R
21およびR
22のそれぞれは、独立して、好ましくは分枝アルキルから、より好ましくは分枝C
3-6アルキルから選択される。
【0056】
式VIのヒンダードベンゾアートにおいて、Tは、好ましくはOである。
【0057】
式VIのヒンダードベンゾアートにおいて、R
23は、好ましくはC
1-30アルキル、C
1-30アルケニルまたは1つもしくは複数のC
1-6アルキル基で置換されたフェニルである。
【0058】
適切なヒンダードベンゾアートは、以下を含む:2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;オクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;デシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;ドデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;テトラデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;ベヘニリル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート;ブチル−3−[3−t−ブチル−4−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)フェニル]プロピオナート;およびこれらの混合物。
【0059】
好ましいヒンダードベンゾアートは、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアートおよびヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、並びにこれらの混合物である。
【0060】
ポリオレフィンフィルムに存在するヒンダードベンゾアート(VI)の量は、好ましくは、0.01から1重量%である。より好ましくは、ヒンダードベンゾアート(VI)の量は、少なくとも0.1重量%である。ヒンダードベンゾアート(VI)の量は、より好ましくは0.6重量%を超えない。
【0061】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、インフレーションフィルムまたはキャストフィルム押し出しなどのポリオレフィンフィルムを製造するための適切な任意の過程によって得ることができる。
【0062】
フィルムは、通常UV吸収剤(I)、UV安定剤(II)、UV安定剤(III)および任意にさらなる添加物をポリオレフィンと混合することにより製造される。安定剤および随意のさらなる添加物は、フィルムにおける終濃度より高い濃度でこれらの成分を含む粉末、顆粒またはマスターバッチの形態でポリオレフィンに添加することができる。成分は、別々にポリオレフィンと混合することができる、または二つ以上の成分をポリオレフィンに添加する前に互いと混合することができる。成分は、好ましくは、単軸または二軸スクリュー押出機、連続ミキサーまたは重合体中に添加物を調合するために使用されるその他の設備においてポリオレフィンと混合される。次いで、安定化ポリオレフィンを所望の厚さをもつフィルムにさらに加工する。
【0063】
本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、硫黄に基づいた殺虫薬、殺虫剤、燻蒸剤または土壌消毒薬などの農薬の存在下においてさえ、長期露光に対して有意により優れた安定性を示し、その一方で、光学的特性、目に見える欠陥の不存在、引っ張り特性、衝撃抵抗および伸長などの機械的特性などの農業フィルムのために必要とされるその他の特性を維持する。したがって、本発明にしたがったポリオレフィンフィルムは、温室フィルム、農業フィルム、温室カバー、温室二重屋根フィルム、トンネルフィルム、高トンネルフィルム、低トンネルフィルム、小トンネルフィルム、ポリトンネルフィルム、マルチおよびソラリゼーションフィルムなどの農業用途のために特に関心が持たれる。したがって、本発明は、また農業用途のための、特に殺虫薬、殺虫剤、燻蒸剤および土壌消毒薬などの農薬が使用されるもののための、上で本明細書において記述したとおりのポリオレフィンフィルムの使用にも関する。
【実施例】
【0064】
当業者が本発明の一定の態様をさらに理解するのを支援するために、以下の実施例を提供してある。これらの実施例は、例証目的のために意図され、および本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【0065】
実施例1
【0066】
表1に記載したとおりのUV安定剤組成物および0.09重量%のヒンダードフェノール/ホスファイト酸化防止剤混合物を含むポリエチレン(LDPE)フィルム調合物(CYANOX(登録商標)2777酸化防止剤として製品化されている)を低密度ポリエチレンWestlake LDPE 1810Eと乾燥混合する。調合物は、適当な分散を確実にするために2回調合する。最初に、LDPEフィルム調合物を、60メッシュスクリーンをセットしたKillion単軸スクリュー押出機を、181℃にて、および100RPMのスクリュー速度で使用して調合する。第2に、調合したLDPEフィルム調合物を、フィルムダイと共にKillion押出成形機を使用して、200ミクロンLDPEフィルムに押し出し、および177℃の融解温度および25RPMのスクリュー速度で60メッシュスクリーンを流す。
【0067】
LDPEフィルムにおけるUV安定剤組成物のUV性能を試験するために、フィルムを農薬溶液での周期的な処理後にUV光に曝露する。野外における農薬に対する曝露をシミュレートするために、フィルム試料を任意のUV曝露の前にMetham Sodium溶液で処理し、および次いでUV曝露の336時間(一週おき)毎後に再び処理する。フィルム試料は、2時間の間、Metham Sodium(メチルジチオカルバメートのナトリウム塩)の0.5パーセント(wt./wt.)溶液に浸漬し、一晩乾燥して、次
いでQ UV−A(Q−パネル蛍光UV曝露ユニット)に置く。Metham Sodium溶液に対する曝露を2週毎(336時間間隔)に繰り返す。調合したLDPEフィルム試料の残留する硫黄含有量をそれぞれの処理後にParr Bomb Prep/IC解析によって解析して、硫黄残留物がフィルムに残っていることを確認する。
【0068】
フィルム試料を保持具に載せて、およびASTM G154からの以下の条件にしたがってQ−Panel蛍光UV曝露ユニットに曝露する:UVA−340nmランプ、340nmにて0.77W/m
2/nmの照射量、70℃のブラックパネル温度にて8時間、続いて50℃のブラックパネル温度にて4時間の縮合のUVの曝露サイクルである。
【0069】
処理して、UVに露出したLDPEフィルムの機械的特性(たとえば、%破壊時の伸び率)を決定するために、試料を、それぞれ336時間間隔(Na−Metham処理、続くUV光曝露)の後に打抜きプレスを使用するタイプ5B(ISO 527−2)のイヌ骨型にした検体に切断する。試料を、引っ張り試験片のゲージ部分がフィルムの縦方向に対して垂直に移動するように切断する(すなわち、引っ張り試験片は、縦方向全体に切断される)。5検体をそれぞれの試料で切断する。試料を50mm/分クロスヘッド速度でMTS張力検査器で試験する。5つの試料の中央値を全ての解析のために使用する。LDPEフィルム試料の最終的なUV性能を比較するために、4つの調合された200ミクロンLDPEフィルム試料のそれぞれについて保持された%伸長(T50)の50パーセントまでの時間(時間で)を決定する。得られた結果を表1に示してある。フィルムは、これらが曝露前の本来のフィルムの伸長の50%以下である伸長値を示す場合、不合格と分類する。
【0070】
【表1】
【0071】
表1におけるデータから分かるように、本発明にしたがったLDPEフィルムは、従来技術のものよりはるかに優れており、Na−Metham環境におけるUV光からの保護を提供する。
【0072】
実施例2
【0073】
表2に記載したとおりのUV安定剤組成物および0.09重量%のヒンダードフェノール/ホスファイト酸化防止剤混合物(CYANOX(登録商標)2777酸化防止剤とし
て製品化された)を含むLDPEフィルムを実施例1に記載されているように製造する。
【0074】
LDPEフィルムにおけるUV安定剤組成物のUV性能を試験するために、フィルムを、単体硫黄の昇華を介して生成される硫黄蒸気での周期的処理の後、UV光に曝露する。LDPEフィルム試料を、任意のUV曝露の前に昇華硫黄からの硫黄の蒸気に曝露し、および次いで、UV曝露の336時間(2週め)毎後に再び処理する。LDPEフィルム試料を、特別に設計した閉じたキャビネットにおいて30分間昇華硫黄からの硫黄の蒸気に曝露し、および次いでQ UV−A(Q−パネル蛍光UV曝露ユニット)に置く。調合されたLDPEフィルム試料の残留する硫黄含有量は、硫黄残留物がフィルム上に確実に残るように、それぞれの処理後にParr Bomb Prep/IC解析によって解析する。
【0075】
フィルム試料を保持具に載せて、およびASTM G154からの以下の条件にしたがってQ−Panel蛍光UV曝露ユニットに曝露する:UVA−340nmランプ、340nmにて0.77W/m
2/nmの照射量、60℃のブラックパネル温度にて8時間、続いて50℃のブラックパネル温度にて4時間の縮合のUVの曝露サイクルである。
【0076】
処理して、UVに露出したLDPEフィルムの機械的特性(たとえば、%破壊時の伸び率)を決定するために、試料を、それぞれ336時間間隔(Na−Metham処理、続くUV光曝露)の後に打抜きプレスを使用するタイプ5B(ISO 527−2)のイヌ骨型にした検体に切断する。試料を、引っ張り試験片のゲージ部分がフィルムの縦方向に対して垂直に移動するように切断する(すなわち、引っ張り試験片は、縦方向全体に切断される)。5検体をそれぞれの試料で切断する。試料を50mm/分クロスヘッド速度でMTS張力検査器で試験する。5つの試料の中央値を全ての解析のために使用する。LDPEフィルム試料の最終的なUV性能を比較するために、4つの調合された200ミクロンLDPEフィルム試料のそれぞれについて保持された%伸長(T50)の50パーセントまでの時間(時間で)を決定する。フィルムは、これらが曝露前の本来のフィルムの伸長の50%以下である伸長値を示す場合、不合格と分類する。得られた結果を表2に示してある。
【0077】
【表2】
【0078】
表2のデータから明らかに理解することができるとおり、本発明にしたがったLDPEフィルムは、式(II)のテトラメチル−4−ピペリジン化合物を含まないか、または式(II)のテトラメチル−4−ピペリジン化合物がその他の公知のHALSによって、もしくは三級アミンによって置換されている、従来技術のフィルムと比較して、硫黄の蒸気に曝露後のUV光からの保護を提供する際に、はるかに優れている。
【0079】
上で使用したように、および開示の全体にわたって、種々の用語を読者を助けるために提供してある。定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術の用語、表示法およびその他の科学的な用語法は、化学技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有することが意図される。本明細書において、および添付の特許請求の範囲において使用される、単数形は、前後関係が別途はっきりと示さない限り、複数の指示物を含む。本明細
書および特許請求の範囲に使用される成分、反応条件等の量を表す全ての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されているものと理解される。同様に、語「間の」によって示される範囲で表される全ての数は、範囲の上限および下限を含む。したがって、特に明記しない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載した数値パラメーターセットは、本発明によって得られるように探求される所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【0080】
種々の特許および/または科学文献参照が、この出願の全体にわたって参照される。これらの刊行物の開示は、これらが本発明の主題に関連するため、あたかも本明細書において書かれたかのように、参照により本明細書に援用される。矛盾する用語の場合において、この文書の用語を優先して採用する。上記の記述、並びに添付の図および実施例を考慮して、当業者であれば、過度の実験を伴わずに請求した発明を実施することができるだろう。
【0081】
前述では、本発明の基本的な新規の特徴を示し、記述し、および指し示したが、本教示の要旨を逸脱しない範囲で、組成物の形態の種々の省略、置換および変化、並びにその使用が当業者によってなされ得ることが理解されよう。結果的に、本発明の範囲は、前述の考察に限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【国際調査報告】