特表2015-512495(P2015-512495A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-512495車両のホイール用のバランスウエイト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-512495(P2015-512495A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】車両のホイール用のバランスウエイト
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/32 20060101AFI20150331BHJP
【FI】
   F16F15/32 B
   B60B13/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-500876(P2015-500876)
(86)(22)【出願日】2013年3月18日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月10日
(86)【国際出願番号】EP2013055592
(87)【国際公開番号】WO2013139751
(87)【国際公開日】20130926
(31)【優先権主張番号】12160442.5
(32)【優先日】2012年3月20日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12176440.1
(32)【優先日】2012年7月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12188902.6
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】514192402
【氏名又は名称】ヴェークマン アウトモーティブ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】WEGMANN automotive GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−ウルリヒ ビュアゲル
(72)【発明者】
【氏名】ディートマー ヴァーゲンシャイン
(57)【要約】
車両のホイール用のバランスウエイト(100)は、バランスウエイトをホイールのリムの内周表面に装着する第1の面(102)と、第1の面(102)とは反対側の第2の面(101)とを有する。バランサへのバランスウエイト(100)の供給を含めた取り扱いを改善するために、それぞれのバランスウエイト(100)は、複数のこのようなバランスウエイト(100)を積層する連結手段(303,304,305)のための少なくとも1つの案内路(203,204,205)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のホイール用のバランスウエイトを複数備えるアッセンブリであって、
前記バランスウエイト(100)は、該バランスウエイトを前記ホイールのリムの内周表面に装着する第1の面(102)と、該第1の面とは反対側の第2の面(101)とを有し、
前記バランスウエイト(100)は、前記第1の面(102)と前記第2の面(101)との間に、複数の前記バランスウエイトを積層する連結手段(303,304,305)を案内する少なくとも1つの案内路(203,204,205)を有し、かつ
前記バランスウエイト(100)は、それぞれ同じ向きで配置され、前記連結手段(303,304,305)によりまとめられてスタック(400)を形成する、
アッセンブリにおいて、
前記連結手段(303,304,305)は、コード又はワイヤであることを特徴とする、車両のホイール用のバランスウエイトを複数備えるアッセンブリ。
【請求項2】
前記バランスウエイトは、互いに間隔を置いた2つの通路(205)を有し、前記連結手段(305)は、最後の又は最上位の前記バランスウエイトからすべての前記バランスウエイトのそれぞれの第1の前記通路を通して、最下位の又は最初の前記バランスウエイトへと延び、反対方向にそれぞれの第2の前記通路を通して戻る、請求項1記載のアッセンブリ。
【請求項3】
前記連結手段(305)は、第1の端部(3051)と第2の端部(3052)とを有し、両端部(3051,3052)は、前記スタック(400)の同じ側から突出し、最後の又は最上位の前記バランスウエイトの近傍でシールによりまとめられる、請求項1又は2記載のアッセンブリ。
【請求項4】
前記連結手段及び/又はシールは、色によるエンコードがなされており、それぞれの色は、前記バランスウエイトの比重を表す、請求項1から3までのいずれか1項記載のアッセンブリ。
【請求項5】
車両のホイール用のバランスウエイトを複数備えるアッセンブリであって、
前記バランスウエイト(100)は、該バランスウエイトを前記ホイールのリムの内周表面に装着する第1の面(102)と、該第1の面とは反対側の第2の面(101)とを有し、
前記バランスウエイト(100)は、前記第1の面(102)と前記第2の面(101)との間に、複数の前記バランスウエイトを積層する連結手段(303,304,305)を案内する少なくとも1つの案内路(203,204,205)を有し、
前記バランスウエイト(100)は、それぞれ同じ向きで配置され、前記連結手段(303,304,305)によりまとめられてスタック(400)を形成し、
前記バランスウエイトは、互いに間隔を置いた2つの通路(205)を有する、
アッセンブリにおいて、
前記連結手段(303,304,305)は、第1の端部(3051)と第2の端部(3052)とを有し、両端部(3051,3052)は、前記スタック(400)の同じ側から突出し、最後の又は最上位の前記バランスウエイトの近傍でシールによりまとめられることを特徴とする、車両のホイール用のバランスウエイトを複数備えるアッセンブリ。
【請求項6】
前記連結手段(303,304,305)は、コード又はワイヤである、請求項5記載のアッセンブリ。
【請求項7】
前記連結手段及び/又はシールは、色によるエンコードがなされており、それぞれの色は、前記バランスウエイトの比重を表す、請求項5又は6記載のアッセンブリ。
【請求項8】
バランサにバランスウエイト(100)を供給するプロセスであって、前記バランスウエイト(100)は、請求項1から7までのいずれか1項記載のスタック(400)を形成するように構成されており、前記バランサは、前記スタック(400)を受け入れるように構成されていることを特徴とする、バランサにバランスウエイトを供給するプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランスウエイト、複数のこのようなバランスウエイトのアッセンブリ及びバランサにバランスウエイトを供給するプロセスに関し、いずれも車両のホイールのバランス調整との関連で使用されるものである。
【0002】
従来技術の説明
車両のホイールのバランス調整は、よく知られた技術であり、2種のバランスウエイトが使用されている。第1の種類のバランスウエイトは、欧州特許第1613876号明細書に開示されているようにクランプにより固定され、第2の種類のバランスウエイトは、米国特許第6364421号明細書に開示されているように自己接着性のテープを用いて固定される。
【0003】
両種のバランスウエイトは、複数の寸法及び形状にて市販されている。車両のホイールのバランス調整時、適切なバランスウエイトが、選択され、リムの適切な位置に取り付けられる。これらは、全バランス調整プロセスを実行可能なバランサにより決定される。
【0004】
大抵の場合、バランスウエイトは、箱内に様々な寸法のバルク材として供給される。適切なバランスウエイトは、手で選択されるか、又は自動プロセスの場合はバランサにより選択される。バランスウエイトを手で選択すると、間違いが起こり易い。バルク材であるバランスウエイトを自動バランサに供給する場合、正しい寸法のバランスウエイトを整然とバランサのマガジンに入れることが、オペレータに要求される。
【0005】
発明の概要
本発明が解決しようとする課題は、バランスウエイトの前述の取り扱いを改善することである。
【0006】
課題の解決手段は、独立請求項に記載されている。従属請求項は、本発明の改良及び好ましい態様に関する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、バランスウエイトは、リムの内周表面に装着すべく適合された第1の面と、第1の面とは反対側の第2の面とを有し、複数のこのようなバランスウエイトを積層する連結手段のための少なくとも1つの案内路を有する。好ましくは、案内路は、第1の面と第2の面とを接続するか、第1の面と第2の面との間の通路を形成する。
【0008】
複数のバランスウエイトは、スタックを形成するためにそれぞれ同じ向きで配置され、連結手段によりまとめられる。好ましくは、第1のバランスウエイトの第1の面は、第2のバランスウエイトの第2の面に近接している。
【0009】
好ましくは、連結手段はコードである。「コード」なる用語は、広義に解されるべきであり、好適な材料、例えば金属、天然繊維又は合成繊維からなるワイヤ又はバンド、特に編組ワイヤ又はバンドを含む。しかしながら、バランスウエイトが、多角形の断面を有する単独の通路(例えば貫通孔)を有し、それゆえ、スタック内のバランスウエイトのアライメントを維持するために相補的な断面を有する連結手段を必要とする場合、連結手段は、好ましくは合成樹脂からなる。それゆえ、複数のこのようなバランスウエイトは、手によっても、あるいはパックを形成するパッキング機械によっても容易に積層可能である。
【0010】
好ましくは、案内路は、バランスウエイトの第1の面から第2の面にかけて延びる横方向の通路である。「通路」なる用語は、広義に解されるべきであり、円形又は非円形の断面を有する孔又は切欠きを含むが、これらに限らない。例えばバランスウエイトは、十分に安定なスタックを形成するために複数のこのようなバランスウエイトを固定するように所定の材料から形成され、かつ所定の断面を有する連結手段を受容するために、口の開いた切欠きを幅の狭い面に有し、好ましくは別の切欠きを反対側の幅の狭い面に有していてもよい。
【0011】
特にバランスウエイトが単独の通路を有している場合、このような通路は、好ましくは多角形の断面を有し、バランスウエイトがある方向に向けられた状態でスタックにまとめられるように相補的な断面を有する連結手段を受容するようになっている。
【0012】
加えて又は択一的に、第1及び第2の面は、スタック内において後続のバランスウエイトのアライニングのために相補的な輪郭を有していてもよい。例えばバランスウエイトの第1の面は、単数又は複数の凹部を有し、第2の面は、単数又は複数の凸部を有していてもよい。
【0013】
好ましい態様において、バランスウエイトは、互いに間隔を置いた少なくとも2つの通路を有する。
【0014】
それぞれの通路は、単なる貫通孔であってもよい。このような孔は、バランスウエイトのモールドプロセス中に成形可能である。択一的には、貫通孔は、パンチ又はドリルにより開けられてもよい。
【0015】
それぞれのバランスウエイトが、通常細長い輪郭又は形状を有するバランスウエイトの長手方向の対称軸線上に設けられた少なくとも2つの貫通孔を有していると、バランスウエイトは、安定したスタックを形成することができる。
【0016】
好ましい態様において、バランスウエイトは、バランスウエイトの長手方向軸線に対して垂直に延びる少なくとも1つの切欠きを有する。切欠き(又はそれぞれの切欠き)の断面及び深さは、その目的次第である。単数又は複数の切欠きは、より良好にリムの曲率に適合させるために一軸又は二軸でバランスウエイトを曲げることを容易にする働きをする。択一的又は追加的に、単数又は複数の切欠きは、元のバランスウエイトの質量より軽い質量のバランスウエイトが必要とされる場合に、バランスウエイトの残りの部分から一方又は両方の端部を切り離すことを可能にする所定の破断線を規定してもよい。
【0017】
本発明は、バランスウエイトのある特定のタイプの材料又は構造に限られない。好ましい態様において、バランスウエイトは、金属、一般に亜鉛からなり、単層又は複層のコーティングを有し、自己接着性の面を有する。この自己接着性の面は、第1の面、すなわちバランスウエイトをリムに装着する面を形成する。自己接着性の面は、剥離ライナにより保護される。
【0018】
互いに間隔を置いた2つの通路を有するバランスウエイトのアッセンブリの好ましい態様において、連結手段は、最後の又は最上位のバランスウエイトからすべてのバランスウエイトのそれぞれの第1の通路を通して、最下位の又は最初のバランスウエイトへと延び、反対方向にそれぞれの第2の通路を通して戻る。このことは、スタックの形成を平易にする。
【0019】
アッセンブリの別の好ましい態様において、連結手段は、第1の端部と第2の端部とを有し、両端部は、スタックの同じ側から突出し、最後の又は最上位のバランスウエイトの近傍でシールによりまとめられる。このことは、スタック又はパックの取り扱い、特に保管及び搬送を平易にする。
【0020】
別の態様において、シール及び/又は連結コードは、色によるエンコードがなされていてもよい。異なる色は、異なる重量を表していてもよい。バランスウエイトのためのピックアンドプレース機械又はディスペンサの保管箱は、割り当てを平易にするために同じ色分けを有していてもよい。さらに、連結コード及び/又はシールに取り付けられる情報タグ又はバナーが設けられていてもよい。情報タグ及び/又はバナーは、バランスウエイトの重量についての情報を担持していてもよいし、かつ/又は上述のように色によるエンコードがなされていてもよい。
【0021】
別の態様において、本発明は、バランサ、好ましくは自動バランサにバランスウエイトを供給するプロセスであって、バランスウエイトは、スタックを形成するように構成されており、バランサは、これらのスタックを受け入れるように構成されている、バランサにバランスウエイトを供給するプロセスを提案する。このプロセスは、車両のホイールのバランス調整のさらなる自動化に寄与する。
【0022】
以下に、本発明について、本発明の一般的発明概念を制限することなく例示的に、図面を参照しながら本発明の実施の形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】コード又はワイヤにより連結される複数のバランスウエイトを備えるスタックの斜視図である。
図2】好ましいバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図3】別のバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図4】別のバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図5】別のバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図6】別のバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図7】別のバランスウエイトと、複数のバランスウエイトを連結するコード又はワイヤの断片との斜視図である。
図8】コード又はワイヤにより連結される複数のクリップ式のバランスウエイトを備えるスタックの斜視図である。
図9】単独のクリップ式のバランスウエイトの斜視図である。
図10】コード又はワイヤにより連結される、クリップが組み込まれた複数のクリップ式のバランスウエイトを備えるスタックの斜視図である。
図11】クリップが組み込まれた単独のクリップ式のバランスウエイトの斜視図である。
【0024】
一般に、図示のバランスウエイトは、金属又は人造樹脂からなる細長い平行六面体の形状をなしている。しかしながら、本発明は、平行六面体形状のバランスウエイトに限らず、他形状のものにも適用され、バランスウエイトが、クリップにより固定されるように設計されているか、自己接着性のテープを用いて固定されるように設計されているかを問わない。
【0025】
図1は、多数のバランスウエイト100を備えるスタック400を示している。多数のバランスウエイト100は、両端を有する連結コード305によりまとめられている。連結コード305は、バランスウエイト内に互いに間隔を置いて設けられたそれぞれの貫通孔を通って延びている。連結コード305は、第1の端部3051と第2の端部3052とを有している。両端部3051,3052は、最後のバランスウエイトから突出している。最後のバランスウエイトの近傍において、2つの端部は、スタック400が十分な安定性、特に保管及び/又はコンベヤによる取り扱いのために十分な安定性を有するように、シール306によりまとめられている。コンベヤは、スタックをバランサあるいはバランシング機械(図示せず)のマガジンに供給可能である。シール及び/又は連結コードは、色によるエンコード(符号化)がなされていてもよい。異なる色は、ウエイトの異なる重量及び/又は異なる数を表していてもよい。バランスウエイトのためのピックアンドプレース機械又はディスペンサの保管箱は、割り当てを平易にするために同じ色分けを有していてもよい。さらに、連結コード及び/又はシールに取り付けられる情報タグ又はバナーが設けられていてもよい。情報タグ及び/又はバナーは、バランスウエイトの重量及び/又は数についての情報を担持していてもよいし、かつ/又は上述のように色によるエンコードがなされていてもよい。
【0026】
図2に示したバランスウエイト100及びさらなる図面に示したバランスウエイトはすべて、車両のホイール(図示せず)のリムの内周表面にバランスウエイトを装着する第1の面102と、第1の面102とは反対側の第2の面101とを有している。さらにバランスウエイトは、互いに背離した2つの短く幅の狭い面103と、互いに背離した2つの長く幅の狭い面104とを有している。
【0027】
好ましくは、バランスウエイトは、連結コード又は連結ロッド305を受容する円筒形の貫通孔205の形態の、互いに間隔を置いた2つの案内路を有している。図示のバランスウエイトは、3つのセグメントを有している。これらのセグメントは、切欠き又は溝により分割されている。切欠き又は溝は、バランスウエイトの曲げ、ひいてはリムの半径に対するバランスウエイトの適合を平易にする。本実施の形態は、図示の3つのセグメントに限らず、1を含むあらゆる数のセグメントを有していてもよい。図示のバランスウエイトの他のすべての実施の形態も、複数のセグメントを有していてもよい。
【0028】
図3に示したバランスウエイトは、長方形の貫通孔203の形態の単独の案内路を有している。貫通孔203は、連結バンド303を受容するために設計されている。連結バンド303は、長方形の貫通孔203の幅よりかなり薄くてもよい。単独の案内路の場合、一般に連結コードは、スタックの第1の側に第1の端部を有し、スタックの第2の側に第2の端部を有する。コードが孔から滑り出さないように、コードの少なくとも一端に終端装置が設けられてもよい。このような終端装置は、孔の寸法又は直径より大きな寸法を有する結び目又はプラスチック若しくは金属製の部材であってもよい。第1の側に終端装置が設けられ、第2の側にシールが設けられてもよいし、両側にシールが設けられてもよい。
【0029】
図4に示したバランスウエイトは、六角形の貫通孔204の形態の案内路を有する。貫通孔204は、対応する六角形の断面を有する連結ワイヤ又は連結ロッド304を受容する。
【0030】
図5に示したバランスウエイトは、円筒形の貫通孔205の形態の、互いに間隔を置いた2つの案内路を有している。案内路のそれぞれは、連結コード305を受容する。コード305は、軟性材料からなっていてよい。択一的には、硬性金属ワイヤ又は編組金属ワイヤであってもよい。本実施の形態において、バランスウエイトは、低位の面又は第1の面に互いに間隔を置いた2つの切欠き105も有している。切欠き105は、バランスウエイトの長手方向軸線に対して垂直に延びており、バランスウエイトをリムの輪郭により良好に適合させるために曲げ易くすることを可能にする。また、切欠き105は、バランスウエイトの中央の部分から一方又は両方の端部を切り離すための所定の破断線を規定する。
【0031】
図1乃至図5に示した実施の形態では、案内路の断面が、それぞれの連結手段の断面と協働して、スタック内のバランスウエイトの適切なアライメントを確保しているのに対して、図6及び図7に示した実施の形態は、バランスウエイト自体の形状により、すなわち、第1及び第2の面にそれぞれ互いに組み合う凹部及び凸部を設けることにより、スタック内のバランスウエイトのアライメントを確保している。
【0032】
図6に示したバランスウエイトは、連結コード305のための唯一の中央の円筒形の貫通孔205と、両側で段下げされた短い上側の縁部1061と、これに対して相補的に両側で突出する短い下側の縁部1062とを有している。こうして、段下げされた短い上側の縁部1061は、隣接する上側のバランスウエイト(図示せず)の突出する短い下側の縁部1062を受容する。バランスウエイトは、図6に示したものと同じタイプの横方向の切欠き105を有している。
【0033】
図7に示したバランスウエイトも、連結コード305のための単独の中央の貫通孔205を有している。隣り合うバランスウエイトの適切なアライメントは、第1の面に設けられた横方向の溝1071と、第2の面に設けられた相補的な横方向の隆起1072とにより確保されている。
【0034】
図8は、複数のクリップ式のバランスウエイト110を備え、両端を有する連結コード305によりまとめられた別のスタック401を示している。図8は、バランスウエイトが異なる点を除いて、図1に類似している。
【0035】
図9は、前図に示したスタックで使用され、貫通孔205を有するクリップ式のバランスウエイト110を示している。バランスウエイトをホイールに保持するクリップ(図示せず)を接合可能なクリップ取り付け表面111が設けられてもよい。
【0036】
図10は、組み込まれたクリップ120を有する複数のクリップ式のバランスウエイトを備え、両端を有する連結コード305によりまとめられたさらに別のスタック402を示している。図10は、バランスウエイトが異なる点を除いて、図1に類似している。
【0037】
図11は、前図に示したスタックで使用され、貫通孔205とクリップ121とを有するクリップ式のバランスウエイト110を示している。
【符号の説明】
【0038】
100 バランスウエイト
101 第2の面
102 第1の面
103 短く幅の狭い面
104 長く幅の狭い面
105 切欠き
110 クリップ式のバランスウエイト
111 クリップ取り付け表面
120 クリップを有するバランスウエイト
121 クリップ
1061 段下げされた短い上側の縁部
1062 突出する短い下側の縁部
1071 溝
1072 隆起
203 長方形の貫通孔
204 六角形の貫通孔
205 円筒形の貫通孔
303 連結バンド
304 六角形の断面を有する連結ロッド
305 連結コード
3051 第1の端部
3052 第2の端部
306 シール
400 スタック
401 別のスタック
402 さらに別のスタック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】