特表2015-513384(P2015-513384A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-513384水平型パワーLED素子及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-513384(P2015-513384A)
(43)【公表日】2015年5月11日
(54)【発明の名称】水平型パワーLED素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20150414BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20150414BHJP
   H01L 33/22 20100101ALI20150414BHJP
   H01L 33/40 20100101ALI20150414BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20150414BHJP
【FI】
   H01L33/00 210
   H01L33/00 186
   H01L33/00 172
   H01L33/00 220
   H01L33/00 440
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-501554(P2015-501554)
(86)(22)【出願日】2012年3月22日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月10日
(86)【国際出願番号】KR2012002089
(87)【国際公開番号】WO2013141421
(87)【国際公開日】20130926
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】514235776
【氏名又は名称】シーエルフォトニクス カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】514235787
【氏名又は名称】ベ,ジョン ウン
(71)【出願人】
【識別番号】514235798
【氏名又は名称】シム,ジョン ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベ,ジョン ウン
(72)【発明者】
【氏名】シム,ジョン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リュ,ソン ウク
【テーマコード(参考)】
5F141
5F142
【Fターム(参考)】
5F141AA03
5F141AA04
5F141AA21
5F141AA33
5F141AA42
5F141CA04
5F141CA13
5F141CA40
5F141CA74
5F141CA75
5F141CA76
5F141CA77
5F141CA84
5F141CA85
5F141CA92
5F141CA93
5F141CA98
5F141CB13
5F141CB15
5F141CB36
5F142AA04
5F142AA31
5F142AA42
5F142AA82
5F142BA02
5F142BA32
5F142CB03
5F142CB07
5F142CD13
5F142CD32
5F142CD48
5F142CE04
5F142CE06
5F142CE08
5F142CE13
5F142CE32
5F142FA03
5F142FA21
5F142FA30
5F142FA46
(57)【要約】
【課題】本発明は、水平型LED素子及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明は、従来の水平型LEDと垂直型LEDの製造方法の利点を利用して製造することにより、高出力及び高効率が実現できる水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
n型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物と、
前記発光構造物のp−GaN層のうち前記活性層と隣接していない表面上に形成されたp型電極と、
前記発光構造物のn−GaN層のうち前記活性層と隣接している裏面上に形成されたn型電極と、
前記p型電極が露出されるようにし、前記露出部分を除いた、前記発光構造物のp−GaN層の表面側の全面に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜及びp型電極を覆うように形成された金属基板と、
前記発光構造物のn−GaN層の表面に形成される貫通孔により前記n型電極と接続されるように形成されたn−padと、を含む水平型パワーLED素子。
【請求項2】
前記n−padが形成された貫通孔を除いた前記発光構造物のn−GaN層の表面に形成された凹凸をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の水平型パワーLED素子。
【請求項3】
前記絶縁膜及びp型電極と前記金属基板との間に形成されたシード(seed)層をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水平型パワーLED素子。
【請求項4】
前記シード層は、前記p型電極が透明電極である場合、反射膜層として用いられることを特徴とする請求項3に記載の水平型パワーLED素子。
【請求項5】
前記金属基板は、銅(Cu)、ニッケル、金(Au)、モリブデン(Mo)のうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水平型パワーLED素子。
【請求項6】
基板上にn型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物を形成する発光構造物形成ステップと、
前記n−GaN層が露出され、既に設定されたチップサイズに相当する分離部を形成するために前記基板が露出されるように前記発光構造物をエッチングする発光構造物エッチングステップと、
前記p−GaN層上にp型電極を形成し、前記の露出されたn−GaN層上にn型電極を形成する電極形成ステップと、
前記p−GaN層及び前記の露出されたn−GaN層を覆うように絶縁膜を蒸着した後、前記p−GaN層上に形成されたp型電極が露出されるように前記の蒸着された絶縁膜をエッチングする絶縁膜形成ステップと、
前記絶縁膜及び前記p型電極を覆うように金属基板を形成する金属基板形成ステップと、
前記発光構造物から基板を除去する基板除去ステップと、
前記発光構造物のn−GaN層側の表面から前記n型電極と連結される貫通孔を形成し、前記貫通孔により前記n型電極と接続されるようにn−padを蒸着するn−pad形成ステップと、を含む水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項7】
前記n−pad形成ステップを行う前又は行った後に前記発光構造物のn−GaN層側の表面に凹凸を形成する凹凸形成ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項8】
前記金属基板形成ステップを行う前に前記絶縁膜及びp型電極を覆うようにシード(seed)層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項9】
前記発光構造物エッチングステップは、前記p−GaN層を中心部に位置させて前記n−GaN層が露出されるようにp−GaN層及び活性層をエッチングした後、前記の露出されたn−GaN層の端部側に分離部を形成するために前記基板が露出されるようにエッチングして行われることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項10】
前記発光構造物エッチングステップは、前記分離部を形成するために前記基板が露出されるようにエッチングした後、前記発光構造物のn−GaN層の一部のみが露出されるようにエッチングして行われることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項11】
前記分離部を切断して別個のチップを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【請求項12】
前記金属基板は、銅(Cu)、ニッケル、金(Au)、モリブデン(Mo)のうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の水平型パワーLED素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平型LED素子及びその製造方法に関し、特に、従来の水平型LEDと垂直型LED製造方法の利点を利用して製造することにより、高出力及び高効率が実現できる水平型パワーLED素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、水平型LED素子の構造は、図1aに示すように、光を発光する1つの活性層(MQWS)とそれを取り囲んだ2つのクラッド層(p−GaN、n−GaN)からなる発光構造物を基本形態として構成される。電極に接したクラッド層は、それぞれn−ドープ、 又はp−ドープされているが、主に基板と接したクラッド層部分がn−ドープされており、他のクラッド層部分がp−ドープされている。
【0003】
ドープされたクラッド層の極性に合わせて電極を介して電圧を印加すると、n−ドープされたクラッド層では電子を、p−ドープされたクラッド層では正孔を供給して電流が流れながら、これらの電子と正孔が中間の活性層で結合して光を発光する。基板は、発光される光の波長によって放出される光の一部を反射したり、又は透過するが、主に低熱伝導性及び絶縁性を有するサファイア(Sappire)基板が用いられる。このような構造の水平型LED素子は、水平電流スプレッディング(Current Spreading)が低く、電流クラウディング(Current Crowding)が多く発生し、発光が不均一でチップ当たりの発光面積が減少して大面積に不利である。
【0004】
図1bに示すように、フリップチップ型LEDは、水平型LEDを逆さにしてシリコンサブマウント上にスタッドバンプ(Stud bump)を介して固定した形態で、発光の基本構造の面で見ると水平型LEDと同一である。フリップチップ式のLEDは、基板を通じて光を放出するため、基板に放出する光放出が改善され、放熱特性と高出力特性が優れているが、サブマウント(Sub−mount)と半田付け(Soldering)工程を追加しなければならない。
【0005】
図1cに示すように、垂直型(thin GaN)LEDも水平型LEDのような発光の基本的な構造でエッチングによって積層された一部分を除去しない元の形態を維持する。通常、積層された上部のクラッド層にボンディング(bonding)/レフレクター(reflector)とレセプター(receptor)基板を順に付着した後、電極を形成し反対側の基板を分離する。分離された基板のクラッド層に電極を形成すれば垂直型LEDの基本構造が完成する。垂直型LEDの活性層で発光した光は、下面の反射板で垂直に反射されて上部に放出され、放熱特性と高出力特性が優れる。このような構造の垂直型LED素子は、垂直電流スプレッディングが高く、電流クラウディングが減少し、発光面積が拡大されて大面積に有利であるが、工程が複雑で収率が低下するという問題点がある。
【0006】
したがって、従来のLED素子の欠点を除去した新しい構成のLED素子及びその製造方法の開発が必要な時点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するための研究を重ねた結果、垂直型LED素子の利点を水平型LED素子に適用して本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、電極による発光面積の減少を最小化することができ、高出力及び高効率を有する構造の水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、nクラッド(n clad)層の厚さを維持することができ、電流スプレッディングに有利であるため高出力及び高効率を有する構造の水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の又他の目的は、N−電極が従来のGa−faceに形成されて低いVfが可能であるため高出力及び高効率を有する構造の水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の又他の目的は、電流スプレッディングが水平にスプレッディングされるが、全体的なスプレッディング(Spreading)は埋設されているグリッド(Grid)型電極を通じてスプレッディングされて電流クラウディング現象があらわれないため、高出力及び高効率を有する構造の水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の又他の目的は、金属基板で形成されて従来の垂直型チップ(Chip)の特性を有し、サブマウントや半田付け工程が必要ないフリップチップの特性も有し、凹凸形成も可能であり、光取り出し効率の向上を期待できるため高出力及び高効率を有する構造の水平型パワーLED素子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明は、n型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物と、前記発光構造物のp−GaN層のうち前記活性層と隣接していない表面上に形成されたp型電極と、前記発光構造物のn−GaN層のうち前記活性層と隣接している裏面上に形成されたn型電極と、前記p型電極が露出されるようにし、前記露出部分を除いた、前記発光構造物のp−GaN層の表面側の全面に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜及びp型電極を覆うように形成された金属基板と、前記発光構造物のn−GaN層の表面に形成される貫通孔により前記n型電極と接続されるように形成されたn−padと、を含む水平型パワーLED素子を提供する。
【0013】
望ましい実施例において、前記n−padが形成された貫通孔を除いた前記発光構造物のn−GaN層の表面に形成された凹凸をさらに含む。
望ましい実施例において、前記絶縁膜及びp型電極と前記金属基板との間に形成されたシード(seed)層をさらに含む。
【0014】
望ましい実施例において、前記シード層は、前記p型電極が透明電極である場合、反射膜層として用いられる。
【0015】
望ましい実施例において、前記金属基板は、銅(Cu)、ニッケル、金(Au)、モリブデン(Mo)のうち1つ以上を含む。
【0016】
なお、本発明は、基板上にn型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物を形成する発光構造物形成ステップと、前記n−GaN層が露出され、既に設定されたチップサイズに相当する分離部を形成するために前記基板が露出されるように前記発光構造物をエッチングする発光構造物エッチングステップと、前記p−GaN層上にp型電極を形成し、前記露出されたn−GaN層上にn型電極を形成する電極形成ステップと、前記p−GaN層及び前記露出されたn−GaN層を覆うように絶縁膜を蒸着した後、前記p−GaN層上に形成されたp型電極が露出されるように前記の蒸着された絶縁膜をエッチングする絶縁膜形成ステップと、前記絶縁膜及び前記p型電極を覆うように金属基板を形成する金属基板形成ステップと、前記発光構造物から基板を除去する基板除去ステップと、前記発光構造物のn−GaN層側の表面から前記n型電極と連結される貫通孔を形成し、前記貫通孔により前記n型電極と接続されるようにn−padを蒸着するn−pad形成ステップと、を含む水平型パワーLED素子の製造方法を提供する。
【0017】
望ましい実施例において、前記n−pad形成ステップを行う前、又は行った後に前記発光構造物のn−GaN層側の表面に凹凸を形成する凹凸形成ステップをさらに含む。
【0018】
望ましい実施例において、前記金属基板形成ステップを行う前に前記絶縁膜及びp型電極を覆うようにシード(seed)層を形成するステップをさらに含む。
【0019】
望ましい実施例において、前記発光構造物エッチングステップは、前記p−GaN層を中心部に位置させて前記n−GaN層が露出されるようにp−GaN層及び活性層をエッチングした後、前記の露出されたn−GaN層の端部側に分離部を形成するために前記基板が露出されるようにエッチングして行われる。
【0020】
望ましい実施例において、前記発光構造物エッチングステップは、前記分離部を形成するために前記基板が露出されるようにエッチングした後、前記発光構造物のn−GaN層の一部のみを露出されるようにエッチングして行われる。
【0021】
望ましい実施例において、前記分離部を切断して別個のチップを形成するステップをさらに含む。
【0022】
望ましい実施例において、前記金属基板は、銅(Cu)、ニッケル、金(Au)、モリブデン(Mo)のうち1つ以上を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、次のように優れた効果を有する。
【0024】
先ず、本発明の水平型パワーLED素子及びその製造方法によると、電極による発光面積の減少を最小化することができ、高出力及び高効率を奏することができる。
【0025】
なお、本発明の水平型パワーLED素子及びその製造方法によると、nクラッド層の厚さを維持することができ、高出力及び高効率を奏することができる。
【0026】
なお、本発明の水平型パワーLED素子及びその製造方法によると、N−電極が従来のGa−faceに形成されて低いVfが可能であり、高出力及び高効率を奏することができる。
【0027】
なお、本発明の水平型パワーLED素子及びその製造方法によると、電流スプレッディング(Current Spreading)が水平にスプレッディングされるが、全体的なスプレッディング(Spreading)は埋設されているグリッド(Grid)型電極を通じてスプレッディングされて電流クラウディング(Current Crowding)現象があらわれないので、高出力及び高効率を奏することができる。
【0028】
なお、本発明の水平型パワーLED素子及びその製造方法によると、金属基板で形成されて従来の垂直型チップの特性を有し、サブマウントや半田付け工程が必要ないフリップチップ特性も有し、凹凸形成も可能であり、光取り出し効率の向上を期待することができ、高出力及び高効率を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】水平型LED素子の概要を示す概略斜視図である。
図1b】フリップチップ型LED素子の概要を示す概略斜視図である。
図1c】垂直型LED素子の概要を示す概略斜視図である。
図2】本発明の望ましい一実施例による水平型パワーLED素子を示す分離斜視図である。
図3】本発明の望ましい実施例による水平型パワーLED素子の製造方法を示すフローチャートである。
図4a】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4b】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4c】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4d】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4e】4a〜4gは、本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4f】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4g】本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示すための断面図及び平面図であり、図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
図4h図2の水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、実施例によって本発明をより詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0031】
添付の図面を参照した説明において、同一の構成要素には同一の符号を付し、これについての重複説明は省略する。
【0032】
本発明の技術的特徴は、水平型LED素子の製造において、垂直型LED素子を製造する方法を用いることで、電極による発光面積の減少を最小化し、nクラッド層の厚さを維持することができ、N−電極を従来のGa−faceに形成することができ、金属基板で形成された構造を有するようになるので、高出力及び高効率を有する水平型パワーLED素子及びその製造方法にある。
【0033】
したがって、本発明の水平型パワーLED素子は、n型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物と、前記発光構造物のp−GaN層のうち前記活性層と隣接していない表面上に形成されたp型電極と、前記発光構造物のn−GaN層のうち前記活性層と隣接している裏面上に形成されたn型電極と、前記p型電極が露出されるようにし、前記露出部分を除いた、前記発光構造物のp−GaN層の表面側の全面に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜及びp型電極を覆うように形成された金属基板と、前記発光構造物のn−GaN層の表面に形成される貫通孔により前記n型電極と接続されるように形成されたn−padと、を含む。
【0034】
本発明の望ましい一実施例による水平型パワーLED素子の概略的な概要が示された分離斜視図である図2を参照すると、側面から見ると、水平型パワーLED素子100は、金属基板150上に絶縁膜140が形成された構造であることが分かる。
【0035】
特に、発光構造物110は、水平型パワーLED素子100の上部の中心側に位置するように形成されているが、発光構造物110の側面及び下部の一面が絶縁膜で覆われており、絶縁膜で覆われていない下部にはp型電極が形成されており、発光構造物110のn−GaN層111が絶縁膜140で覆われている形態で水平型パワーLED素子100の上部面を形成する構造であることが分かる。
【0036】
発光構造物110は、エピ(epi)層とも呼び、n型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)111、活性層112及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)113が順次積層された半導体層である。
【0037】
【0038】
このように発光構造物110は、上部側から下部側にn−GaN層111、活性層112及びp−GaN層113が順次積層された構造であって、p−GaN層111のうち活性層112に隣接していない表面上にp型電極120が形成され、n−GaN層のうち活性層112に隣接している裏面上にn型電極130が形成され、n型電極130が発光構造物110、特にn−GaN層111の下部に埋設される形で構成されるため、発光構造物110のn−GaN層111の表面、すなわち水平型パワーLED素子100の上部面に形成される貫通孔によりn型電極111と接続されるようにn−pad160が形成される。
【0039】
金属基板150は、銅(Cu)、ニッケル、金(Au)、モリブデン(Mo)のうち1つ以上を含んで形成することができ、特に、銅(Cu)層、ニッケル(Ni)層、銅(Cu)/金(Au)層、ニッケル(Ni)/金(Au)層、銅(Cu)/ニッケル(Ni)/金(Au)層、ニッケル(Ni)/銅(Cu)/金(Au)層、ニッケル(Ni)/モリブデン(Mo)/ニッケル(Ni)/金(Au)層である。
【0040】
又、金属基板150は、半導体構造を支持できる十分な厚さで形成され、最終的にそれぞれの単位LED素子に分離するために、レーザースクライビング(laser scribing)工程を含んだ切断工程を行う時にレーザーなどの切断装置によって直接ノッチが形成される面を提供することにより、発光構造物110が損傷することを防止する。
【0041】
又、図示してはいないが、n−GaN層111の表面には、表面粗さ工程により光取り出し効率を増加させて光子の脱出角度(escape angle of photon)が最適化されるように構成された凹凸114をさらに形成することができる。
【0042】
つまり、発光構造物110の上部面が扁平であると、発光構造物110の上部面と垂直であるか又は類似の角度で外部へ出る光はほとんど反射されて外部に取り出されないが、上部面に凹凸を形成するすると、光が外部へ取り出される時に上部面との脱出角度を減らすことができ、すなわち、外部光取り出し効率を高めることができ、水平型LEDチップの発光効率を向上させることができる。
【0043】
一方、図示してはいないが、絶縁膜140及びp型電極120と金属基板150との間に形成されたシード(seed)層をさらに含むことができ、シード層の有無は、金属基板150の形成方法に応じて異なることができ、金属基板150がメッキ工程によって形成される場合はシード層が含まれることが望ましい。選択的に、本発明の水平型パワーLED素子においてp型電極が透明電極である場合、シード層は反射膜層として用いられるように形成することができる。
【0044】
その結果、本発明に係る水平型パワーLED素子100の構造によると、n−pad160のみに電流が注入され、グリッド型を含んで一定の形に形成されたn−電極130は埋設された形になるので、電極による発光面積の減少を最小化することができる。
つまり、本発明の水平型パワーLED素子は、従来の垂直型チップが大面積化されながら電流スプレッディングを円滑にするために、発光面にグリッドパターン(grid pattern)でn型電極を形成しており、発生し得る発光面積の減少をなくすことができる構造を有するようになる。
【0045】
又、電流スプレッディングが水平にスプレッディングされるが、全体的なスプレッディングは埋設されているグリッド型電極を通じてスプレッディングされて電流クラウディング現象はなく、金属基板150で形成されて従来の垂直型チップの特性を有し、サブマウントや半田付け工程が必要ないフリップチップ特性も有するようになる。
【0046】
図3は、本発明の望ましい実施例による水平型パワーLED素子の製造方法を示すフローチャートであり、図4a〜図4gは、本発明の望ましい他実施例による水平型パワーLED素子を製造する具体的な工程を示す断面図及び平面図であり、図4a〜図4hは、図2の水平型パワーLED素子を製造するための具体的な工程を示す断面図及び平面図である。
【0047】
図3を参照して本発明の水平型パワーLED素子の製造方法を具体的に説明する。先ず、本発明の水平型パワーLED素子の製造方法は、発光構造物形成ステップ(S210)、発光構造物エッチングステップ(S220)、電極形成ステップ(S230)、絶縁膜形成ステップ(S240)、金属基板形成ステップ(S250)、基板除去ステップ(S260)、及びn−pad形成ステップ(S270)を含む。多数個のチップを形成した場合には、切断ステップ(S280)をさらに含むことができる。
先ず、発光構造物形成ステップ(S210)が行われるが、発光構造物形成ステップ(S210)は、基板上にn型窒化ガリウム系半導体層(n−GaN層)、活性層及びp型窒化ガリウム系半導体層(p−GaN層)が順次積層された発光構造物を形成するステップである。
【0048】
図4aに示すように、基板101を用意する。基板101は、サファイアを含んだ透明な材料を用いて形成し、サファイア以外にジンクオキサイド(ZnO)、ガリウムナイトライド(GaN)、炭化ケイ素(SiC)及びアルミニウムナイトライド(AlN)を用いることができる。そして、基板101上にn−GaN層111、活性層112及びp−GaN層113を順次積層する。
【0049】
場合によっては、n−GaN層111を形成する前に基板101上にドープされていない窒化ガリウム系半導体層(u−GaN層、図示せず)をさらに形成することもできる。又、発光構造物110、すなわちエピ層の特性を向上させ、それ以降の工程で基板101を除去する時にエピ層の損失を最小化するために、基板101上にu−GaN層(図示せず)を積層する前にバッファ層(図示せず)をさらに積層することもできる。
【0050】
次に、発光構造物エッチングステップ(S220)が行われるが、発光構造物エッチングステップ(S220)は、n−GaN層111が露出され、既に設定されたチップサイズに相当する分離部を形成するために基板101が露出されるように発光構造物110をエッチングするステップである。
【0051】
図4bに示すように、p−GaN層113を中心部に位置させてn−GaN層111が露出されるようにp−GaN層113及び活性層112をエッチングした後、露出されたn−GaN層111の端部側に分離部を形成するために基板101が露出されるようにエッチングする。この時、n−GaN層111の露出される形状はn型電極を形成しようとするパターンに応じて決定されるが、平面図に示すようにグリッド状にn−GaN層111が露出されるようにp−GaN層113及び活性層112がエッチングされ、露出されたn−GaN層の端部を取り囲むように分離部を形成するために基板101が露出されるようにエッチングされたことが分かる。
【0052】
図示してはいないが、発光構造物エッチングステップ(S220)は、分離部を形成するために基板101が露出されるようにエッチングした後、発光構造物110のn−GaN層111の一部のみが露出されるようにエッチングして行うこともできる。すなわち、先に基板101が露出されるように発光構造物110をチップサイズにエッチングした後、エッチングされてn−GaN層111、活性層112、及びp−GaN層113の積層された面が露出された状態でp−GaN層113をエッチングせずに、活性層112に孔を形成するなどの方法でn−GaN層111が露出されるようにエッチングすることもできる。この場合、最終的にLED素子が完成された状態でn−GaN層111とp−GaN層113は同一の面積を有するようになる。
【0053】
次に、電極形成ステップ(S230)が行われるが、電極形成ステップ(S230)は、p−GaN層113上にp型電極120を形成し、露出されたn−GaN層111上にn型電極130を形成するステップである。
図4cに示すように、p型電極120とn型電極130を形成するが、p型電極120とn型電極130は、それぞれ順序に関係なく、同時に形成することもでき、別々に形成することもできる。ここで、n型電極130は、発光構造物エッチングステップ(S220)で露出されたn−GaN層111の形状に応じてグリッド状に形成することができる。
【0054】
次に、絶縁膜形成ステップ(S240)が行われるが、絶縁膜形成ステップ(S240)は、p−GaN層113及び露出されたn−GaN層111を覆うように絶縁膜140を蒸着した後、p−GaN層上113に形成されたp型電極120が露出されるように蒸着された絶縁膜140をエッチングするステップである。
【0055】
図4dに示すように、絶縁膜形成ステップ(S40)が行われると、基板101が露出されて形成された分離部も絶縁膜140で覆われ、平面図から分かるようにp型電極120と絶縁膜140のみを観察することができるようになる。
【0056】
次に、金属基板形成ステップ(S250)が行われるが、金属基板形成ステップ(S250)は、絶縁膜140及びp型電極120を覆うように金属基板を形成するステップである。
【0057】
図4eに示すように、金属基板形成ステップ(S250)が行われると、下部に位置した基板101と平行な上面を有するように一定の厚さの金属基板が発光構造物110を覆うように形成されることが分かる。金属基板150は、様々な方法で形成することができるが、メッキ工程で形成する場合には、図示してはいないが、金属基板形成ステップ(S250)を行う前にメッキ工程を容易に行うことができるように絶縁膜140及びp型電極120を覆うようにシード(seed)層を形成するステップをさらに含むことが望ましい。このように、シード層が形成されるとp型電極が透明電極である場合、反射膜層として用いることができる。
【0058】
次に、基板除去ステップ(S260)が行われるが、基板除去ステップ(S260)は、発光構造物110から基板101を除去するステップである。
【0059】
図4fに示すように、基板除去ステップ(S260)が行われると、それ以降の工程を容易にするために、発光構造物110が上部面になり、金属基板150が下部面になるように逆さにして配置することが望ましい。基板101の除去は、公知の方法で行うことができ、レーザーを使用するレーザーリフトオフ方法(LLO)又は化学的リフトオフ方法(Chemical Lift Off;CLO)により行われることが望ましいが、生産性の面でLLO方法がより有利である。
【0060】
次に、n−pad形成ステップ(S270)が行われるが、n−pad形成ステップ(S270)は、発光構造物110のn−GaN層111側の表面、すなわち上部面からn型電極130と連結される貫通孔を形成し、貫通孔によりn型電極130と接続されるようにn−pad160を蒸着するステップである。
【0061】
図4gに示すように、n−pad形成ステップ(S270)が行われると、本発明の他実施例による水平型パワーLED素子が完成されたと言える。つまり、n−pad160が形成されると、発光構造物110に埋設されて形成されたn型電極にn−padにより電流を注入できるようになるからである。
【0062】
したがって、従来の垂直型LED素子は、サファイア基板を除去し、n−GaN層を露出させるためにかなりの部分をエッチングすることから電流スプレッディングのためのnクラッド層の損失があるが、本発明のような製造方法によるnクラッド層の厚さを維持することができて電流スプレッディングに有利である。又、基板101を除去した後露出されたn−GaN層の表面は、N−face polarityを有し、従来のGa−face polarityの面でのオーミックの形成と機構的な違いがあってn−オーミック電極の形成に対する損失があるが、n型電極は従来のGa−faceに形成されて低いVfが可能である。
【0063】
選択的に、図3に示していないが、図4hに示すようにn−pad形成ステップ(S270)を行う前又は後に発光構造物110のn−GaN層111側の表面に凹凸114を形成する凹凸形成ステップをさらに行うことができる。
【0064】
図4hに示すように、発光構造物110の上部面、すなわちn−GaN層111の表面に光子の脱出角度を最適化するための凹凸114を形成するが、例えば、湿式エッチングによって凹凸114を形成することができ、凹凸114の形状は、示された三角形状の以外に、菱形などのような多角形状又はランダムな形状に形成することができ、特に限定されない。
【0065】
最後に、図3に示すように、図4a〜図4g又は図4a〜図4hの工程を多数個のチップを形成するために行った場合には、それぞれの発光構造物110を含むように分離部をカットして単位LED素子100にそれぞれ分離する。カットはレーザースクライビング(laser scribing)又はホイールカットにより行うことができる。
このような過程(図4a〜図4h)により図2に示すような水平型パワーLED素子100を製造することができる。
【0066】
上述した製造方法で製造された本発明の水平型パワーLED素子は、電極による発光面積の減少を最小化し、nクラッド層の厚さを維持することができ、N−電極を従来のGa−faceに形成することができ、金属基板で形成された構造を有するのみでなく、発光構造物の上面に凹凸が形成されて光の反射率を減らすことで、活性層で形成された光が外部に出る光取り出し効率を向上させることができるので、高出力及び高効率を有することができる。
図2
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図1a
図1b
図1c
図3
【国際調査報告】