(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-514541(P2015-514541A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(54)【発明の名称】呼吸加湿システムの使用適性特徴
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20150424BHJP
【FI】
A61M16/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-508892(P2015-508892)
(86)(22)【出願日】2013年4月26日
(85)【翻訳文提出日】2014年12月17日
(86)【国際出願番号】NZ2013000075
(87)【国際公開番号】WO2013162386
(87)【国際公開日】20131031
(31)【優先権主張番号】61/639,632
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/785,733
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、ウィリアム、スタントン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、ジョン、アンドレセン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン、アンドリュー、ジョージ、ランバート
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン、アラン、クレナー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、ポール、マックスウェル、サーモン
(72)【発明者】
【氏名】マーク、サミュエル、ハミルトン
(57)【要約】
使用者に加湿ガスを送達するための加湿システムは、ヒーターベースと、入口、出口、および関連の流体導管を有する加湿チャンバと、供給導管、吸息導管、および任意選択的な呼息導管を含む呼吸回路とを含み得る。加湿システムは、セットアップを簡単にしかつ時間の節約に役立つ様々な特徴を含み得る。例えば、供給導管、吸息導管、および任意選択的な呼息導管は、セットアップを支援するために一体形回路に結合され得る。様々な構成要素は、色分けでき、かつセットアップ中にどの構成要素を互いに接続すべきかを示すために、対応する構造を有し得る。そのような特徴はまた、操作者がセットアッププロセスをより直感的に行うために役立つことができ、それにより、専門的な訓練の必要性を減らし、かつエラーが発生し得る回数を減らし得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2のセンサーを含むヒーターベースであって、前記第1および第2のセンサーは、加熱板よりも垂直方向に高い位置に位置決めされ、前記加熱板は、加湿チャンバを支持するように構成されている、ヒーターベースと;
前記液体入口に結合された第1の端部、および液体源に接続されるように構成されたスパイクに結合された第2の端部を有する液体導管と
を含む加湿装置であって、
前記加湿チャンバは、ある量の液体を保持するように構成され、かつ:
少なくとも1つの側壁;
前記少なくとも1つの側壁に接続された上壁;
前記少なくとも1つの側壁および前記上壁によって少なくとも部分的に画成されているキャビティ;
前記キャビティと流体連通している液体入口;
前記上壁を通って延在しかつ前記キャビティへの通路を画成する入口ポートであって、前記入口ポートは、前記第1のセンサーを受け入れるように構成されたアパーチャを有していて、前記入口ポートの少なくとも一部は、前記入口ポートに結合されるように構成された供給導管の第1の端部にあるコネクタのインジケータと協働するように構成された第1のインジケータを含み、前記供給導管の第2の端部は、ガス供給装置と結合するように構成されている、入口ポート;
前記上壁を通って延在しかつ前記キャビティからの通路を画成する出口ポートであって、前記出口ポートは、前記第2のセンサーを受け入れるように構成されたアパーチャを有していて、前記出口ポートの少なくとも一部は、前記出口ポートに結合されるように構成された吸息導管の第1の端部にあるコネクタのインジケータと協働するように構成された第2のインジケータを含み、前記吸息導管は、患者にガスを供給するように構成されている、出口ポート;および
前記ヒーターベース上の対応するインターロック特徴を受け入れるように構成された前記上壁のインターロック特徴であって、前記第1および第2のセンサーが前記入口ポートおよび出口ポートの前記アパーチャに収容されるように、前記ヒーターベース上へ前記チャンバの挿入を案内するインターロック特徴
を含む加湿装置。
【請求項2】
前記第1および第2のセンサーが、前記ヒーターベースに機械的におよび電気的に接続されたセンサーカートリッジモジュールに組み込まれている、請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
さらに、供給導管および吸息導管を含み、前記供給導管の第1の端部は、前記入口ポートに結合するように構成されたチャンバ端部コネクタを含み、前記供給導管の第2の端部は、ガス供給装置に結合するように構成され、前記供給導管のチャンバ端部コネクタの少なくとも一部は、前記第1のインジケータを含み、前記吸息導管の第1の端部は、前記出口ポートに結合されるように構成されたチャンバ端部コネクタを含み、および前記吸息導管のチャンバ端部コネクタの少なくとも一部は前記第2のインジケータを含む、請求項1または2に記載の加湿装置。
【請求項4】
前記第1のインジケータは第1の色を含み、および前記第2のインジケータは第2の色を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項5】
ある量の液体を保持するように構成され、かつ:
少なくとも1つの側壁;
前記少なくとも1つの側壁に接続された上壁;
前記少なくとも1つの側壁に接続されたベース面;
前記少なくとも1つの側壁および前記上壁によって少なくとも部分的に画成されているキャビティ;
前記加湿チャンバの前記キャビティへの通路を画成する入口ポートであって、ヒーターベースに取り付けられた第1のセンサーを受け入れるように構成されたアパーチャを有する入口ポート;
前記加湿チャンバの前記キャビティからの通路を画成する出口ポートであって、ヒーターベースに取り付けられた第2のセンサーを受け入れるように構成されたアパーチャを有する出口ポート;
を含む加湿チャンバ
を含み、
前記加湿チャンバの前記少なくとも1つの側壁および前記上壁の少なくとも一方が、前記加湿チャンバの前側および前記加湿チャンバの後側を画成する特徴を有し;
前記入口ポートの前記アパーチャを通って延びる軸が、前記出口ポートの前記アパーチャを通って延びる軸に全体的に平行であって、これら両軸は、前記加湿チャンバの前後方向に延在し、および前記加湿チャンバの前記ベース面に全体的に平行に延在している、加湿装置。
【請求項6】
さらに、前記加湿チャンバを受け入れるように構成されたヒーターベースを含む、請求項5に記載の加湿装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの側壁および前記上壁の少なくとも一方が、前記ヒーターベース上の対応するインターロック特徴を受け入れるように構成されたインターロック特徴を含み、前記第1および第2のセンサーが前記入口および出口ポートの前記アパーチャに受け入れられるように、前記ヒーターベース上へ前記チャンバの挿入を案内する、請求項5または6に記載の加湿装置。
【請求項8】
前記インターロック特徴が前記上壁に凹部を含み、および前記ヒーターベース上の前記インターロック特徴が、対応する突起を含み、前記上壁の前記インターロック特徴および前記ヒーターベース上の前記インターロック特徴が、前記入口ポートおよび前記出口ポートにある前記アパーチャの前記軸に沿って動くことによって係合される、請求項7に記載の加湿装置。
【請求項9】
前記ヒーターベースが、前記第1および第2のセンサーを含むセンサーカートリッジを含む、請求項6に記載の加湿装置。
【請求項10】
さらに、前記出口ポートに結合するように構成されたチャンバ端部コネクタおよび少なくとも1つのセンサーおよび/または加熱素子を含む吸息導管を含み、前記チャンバ端部コネクタは、前記センサーカートリッジ上の対応する電気的な接続部に結合するように構成された電気的な接続部を含む、請求項9に記載の加湿装置。
【請求項11】
さらに、供給導管、吸息導管、および呼息導管を含み、前記供給導管の第1の端部は、ガス供給装置に結合されるように構成され、前記供給導管の第2の端部は、前記入口ポートに結合されるように構成されたチャンバ端部コネクタを含み、前記吸息導管の第1の端部は、前記出口ポートに結合されるように構成されたチャンバ端部コネクタを含み、前記呼息導管の第1の端部は、使用時に患者によって呼気されたガスを受け入れるように構成され、および前記呼息導管の第2の端部は、前記ガス供給装置に結合されるように構成されている、請求項5に記載の加湿装置。
【請求項12】
前記供給導管、吸息導管、および呼息導管が互いに結合して一体形回路を形成する、請求項11に記載の加湿装置。
【請求項13】
前記供給導管、吸息導管、および呼息導管が、メッシュ包装材料、クリップ、面ファスナー、またはスナップ嵌めによって結合される、請求項12に記載の加湿装置。
【請求項14】
前記供給導管の前記チャンバ端部コネクタの少なくとも一部、および前記入口ポートの少なくとも一部が、第1のインジケータを含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項15】
前記第1のインジケータが第1の色を含む、請求項14に記載の加湿装置。
【請求項16】
前記吸息導管の前記チャンバ端部コネクタの少なくとも一部、および前記出口ポートの少なくとも一部が、第2のインジケータを含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項17】
前記第2のインジケータが第2の色を含む、請求項16に記載の加湿装置。
【請求項18】
さらにYピースを含み、前記吸息導管の第2の端部が、前記Yピースの第1の枝管に結合されるように構成された患者端部コネクタを含み、前記呼息導管の前記第1の端部が、前記Yピースの第2の枝管に結合されるように構成された患者端部コネクタを含み、および前記Yピースの少なくとも一部が第3のインジケータを含む、請求項11〜17のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項19】
前記第3のインジケータが第3の色を含む、請求項18に記載の加湿装置。
【請求項20】
前記供給導管、吸息導管、および呼息導管が、配送および/または保管のために、回路スリーブによってループ構成に保持される、請求項11〜19のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項21】
前記回路スリーブが、選択したコネクタを隠すように前記導管に位置決めされて、前記導管の順次的な接続を誘導するのを助ける、請求項20に記載の加湿装置。
【請求項22】
さらに、液体入口と、前記液体入口に結合された第1の端部、および液体源に接続されるように構成されたスパイクに結合された第2の端部を有する液体導管とを含む、請求項5に記載の加湿装置。
【請求項23】
さらにワインダーを含み、前記液体導管は、前記液体入口から、前記ワインダーを周って、および前記ワインダーまで延在し、および前記スパイクは、配送および/または保管のために前記ワインダーに載置される、請求項22に記載の加湿装置。
【請求項24】
さらに、配送および/または保管のために前記入口ポートおよび出口ポートを覆うように構成されたポートキャップを含み、前記ポートキャップは、前記入口ポートおよび出口ポートまで延在する脚部を含む、請求項5〜23のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項25】
さらに、操作者が前記チャンバを設置中により容易に保持することができるように構成されたグリップを含む、請求項5〜24のいずれか一項に記載の加湿装置。
【請求項26】
前記グリップが、前記チャンバの前記側壁に凹部を含む、請求項25に記載の加湿装置。
【請求項27】
前記アパーチャが前記入口ポートおよび出口ポートに位置決めされているため、前記アパーチャは後方に面し、および前記グリップは、前記チャンバの前側半分に配置されて、前記ヒーターベースに設置するための前記チャンバの向きを決定するのに役立っている、請求項25または26に記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年4月27日出願の米国仮特許出願第61/639,632号明細書、および2013年3月14日出願の同第61/785,733号明細書の優先権を主張し、それら各々の全体を、参照することにより本書に援用する。
【0002】
本出願は、概して、使用者に供給されるガスを加湿する加湿システムに関し、より詳細には、組み立ておよび使用適性が改善された特徴を有する加湿システムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くのガス加湿システムは、呼吸治療、腹腔鏡検査などを含む様々な医療処置のために、加熱されかつ加湿されたガスを送達する。これらのシステムは、様々なセンサーを使用することによって、温度、湿度および流量を制御するように構成できる。
【0004】
そのようなシステムの様々な構成要素はまた、システムの制御に役立つように、および/または所望の特性を有するガスの使用者への提供に役立つように設計された特徴を含み得る。そのようなガス加湿システムは、使用前に組み立てる必要がある多くの構成要素を含み得る。セットアッププロセスは、複雑で時間がかかるものであることがあり、および専門的な訓練を必要とする可能性がある。専門的な訓練は、新しい従業員または使用者毎に繰り返す必要があり得る。それゆえ、広範囲にわたる訓練を行わずに、直感的に組み立て可能でありかつ使用できるシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
使用者に加湿ガスを送達する加湿システムが、ヒーターベースと、入口、出口、および関連の液体導管を有する加湿チャンバと、供給導管、吸息導管、および任意選択的な呼息導管を含む呼吸回路とを含み得る。加湿システムは、セットアップを簡単にしかつセットアップ時間の節約に役立つようにするために、本明細書で説明されるような様々な特徴を含み得る。また、そのような特徴は、操作者にセットアッププロセスをより直感的に行わせるのに役立たせることができ、それにより、専門的な訓練の必要性を減らし、かつエラーが発生し得る回数を減らし得る。
【0006】
一部の実施形態では、加湿チャンバは、入口ポートおよび出口ポートがポートキャップによって覆われた状態で梱包される。ポートキャップは、操作者に、セットアップ中にポートキャップを取り外して廃棄する必要があることを示すのに役立つように設計される。一部の実施形態では、液体導管、またはフィードセット(feedset)は、ポートキャップに入れられかつそれによって隠されるため、ポートキャップが取り外されるまで、フィードセットは液体源に接続できない。
【0007】
一部の実施形態では、供給導管、吸息導管、および任意選択的な呼息導管は、一体形のアセンブリに結合されて、セットアップを支援する。導管は、例えば、メッシュシース、クリップ、または任意の他の適切な結合機構によって結合され得る。導管の1つ以上は、他の導管に取り外し可能に結合され得る。呼息導管は、ヒーターベース上のソケットに接続されるように構成された電気プラグを含み、導管内の加熱素子に電力を供給し得る。一部の実施形態では、導管の1つ以上は、統合センサーおよびアダプタケーブルを含んで、センサーをヒーターベースに接続し得る。
【0008】
一部の実施形態では、加湿システムの様々な構成要素は色分けされ、かつ対応する構造を有して、セットアップ中に、どの構成要素を互いに接続する必要があるかを示し得る。また、ヒーターベースおよび/または消耗品の梱包は、セットアップ手順を通して操作者を誘導するのを助ける図式的なまたは段階的な指示を含み得る。
【0009】
本開示、および従来技術に勝って達成された利点を要約するために、いくつかの目的および利点が本明細書で説明される。当然ながら、任意の特定の実施形態に従って、必ずしも全てのそのような目的または利点を達成する必要があるわけではないことが理解される。それゆえ、例えば、本開示は、本明細書で教示または提案したような1つの利点または一群の利点を達成するまたは最適にするように供され得るかまたは実施され得るが、必ずしも本明細書で教示または提案したような他の目的または利点を達成する必要はないことを当業者は認識する。これらの実施形態は全て、本明細書の開示の範囲内にあるものする。これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明から、当業者にはすぐに分かり、本開示は、任意の特定の開示の1つまたは複数の実施形態に限定されない。
【0010】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様および利点を、以下の図面を参照して説明する。図面は説明のためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2A】ヒーターベースに設置された加湿チャンバの例示的な実施形態を示す。
【
図4A-4H】梱包されたときの加湿チャンバの例示的な実施形態を示す。
【
図4I】シースを含むスパイク(spike)の例示的な実施形態を示す。
【
図5A】センサーカートリッジモジュールおよび加湿チャンバの例示的な実施形態を示す。
【
図5B】ヒーターベースに結合されたセンサーカートリッジモジュールの例示的な実施形態を示す。
【
図5C】電気ケーブルによってヒーターベースに接続されたセンサーカートリッジモジュールの例示的な実施形態を示す。
【
図7A】梱包されたときの呼吸導管の例示的な実施形態を示す。
【
図7B】適切な接続を促す特徴を備える加湿チャンバの例示的な実施形態を示す。
【
図8】
図7Bに示す特徴に対応する特徴を有する導管の例示的な実施形態を示す。
【
図9B】一体形回路用の解放可能な接続システムの例示的な実施形態を示す。
【
図10】加湿システムのセットアップのための方法を示す。
【
図11】ヒーターベースおよび加湿チャンバの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの実施形態および例を以下で説明するが、本開示は、具体的に開示した実施形態および/またはそれらの使用例および明白な修正例および等価物を越えて広がることを当業者は認識している。それゆえ、本開示の範囲は、以下説明する任意の特定の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
加湿システム100の例示的な実施形態は、例えば、
図1に示すように、ヒーターベース102、加湿チャンバ104、および呼吸回路または呼吸回路アセンブリを含み得る。一部の実施形態では、システム100は、さらに、ガス供給装置130、例えば、人工呼吸器、または呼吸または医療処置での使用に好適な、他の好適な加圧ガス源を含む。ヒーターベース102は加熱板108(
図3によく示す)を含み得る。さらに、ヒーターベース102は、1つ以上のプロセッサ114、および1つ以上のメモリまたは他の好適な記憶部品を含み得る。一部の実施形態では、ヒーターベース102はまた、操作者に情報を提供できるおよび/または操作者からの入力を受信できるようにするディスプレイを含む。
【0014】
一部の構成では、ディスプレイは、操作者が所望の接続を、場合によっては所望の順序で行うのを容易にする図式を有し得る。例えば、ディスプレイは、異なる領域下での光(例えば、LED)による静止画像を有してもよく、順番に光ることによって、所望の接続順序を促す。一部の構成では、画像は、背面にポリエステルまたはポリカーボネートフィルムがバックスクリーン印刷されていて、このフィルムにLEDが取り付けられているまたはそれに隣接して位置決めされている薄膜上に形成され得る。一部の構成では、光は、加湿チャンバをヒーターベースなどに挿入することによって、スイッチを操作したときに、順番を開始し得る。そのような構成は、操作者がヒーターベースの電源を入れて、適切な接続の順番に関するフィードバックを得る何らかの必要性を解決する。他の好適な配置も使用できる。
【0015】
加湿チャンバ104は、一般的に、入口110および出口112を含み、およびヒーターベース102の加熱板108に設置されるように構成される。加湿チャンバ104は、さらに、ある量の液体、例えば水を保持するように構成される。チャンバ104は、液体導管またはフィードセット118の接続用の開口部またはポートを含み得る。
図2Aに示すように、液体導管118はチャンバ104から延在し得る。一部の構成では、液体導管118は水袋用のスパイク(spike)に接続される。一部の構成では、液体導管118は、チャンバ104と一体的に形成され得るかまたはそれに永久的に結合され得る。スパイクは、接着剤、音波溶接、縛り嵌め、または任意の他の好適な手段によって液体導管118に結合され得る。一部の実施形態では、スパイクは通気口を含む。スパイクが、例えばプラスチック製の折り畳み式袋に挿入される場合、通気口は塞がれる。しかしながら、スパイクがガラス瓶などの硬質容器に挿入される場合、通気口は開放され、かつ容器に空気が入ることができるようにし、容器内の負圧を減らすまたは容器内を負圧にするのを防止するのを助ける。通気口は、ガス透過性であるが液不透過性であるフィルターを含み得る。
【0016】
使用時、液体導管118は、水袋、食塩水用の袋(saline bag)などの液体源からチャンバ104まで、液体、例えば水を運ぶ。加熱板108がチャンバ104を加熱して、チャンバ104の内容物の少なくとも一部を蒸発させる。一部の実施形態では、加湿チャンバ104は、チャンバ104内の液体レベルが特定のレベルを超える可能性を低下させるのを助ける特徴を含み得る。例えば、
図2B、
図4A、および
図4Bに示すように、チャンバ104は、1つ以上のフロート150を含み得る。フロートは、チャンバ104の液体レベルと共に上昇したり下降したりする。液体レベルがあるレベルに達すると、フロート150は、液体導管118に接続されているポートを塞いでまたは閉鎖して、液体がチャンバ104にさらに入るのを阻止するまたは遅くする。他の同様の特徴も使用できる。好ましい実施形態では、複数のフロート150を使用し、各フロートは、液体がチャンバ104にさらに入るのを阻止するように適合されている。この目的のために、第2のフロートは、予備または安全機構を提供し、それにより、チャンバ104の過剰充填の可能性をさらに低下させる。
図2Bは、主フロート250aおよび副フロート250bを有するそのようなチャンバ104の例示的な実施形態を示す。
【0017】
引き続き
図1を参照して説明すると、呼吸回路アセンブリは、供給導管120、吸息導管122、および、一部の構成では、呼息導管124を含み得る。供給導管120のガス供給端部は、ガス供給装置130の出力部132に接続するように構成され、および供給導管120のチャンバ端部は、チャンバ104のチャンバ入口110に接続するように構成される。吸息導管122のチャンバ端部は、チャンバ104のチャンバ出口112に接続するように構成され、および吸息導管122の使用者端部は、例えばインターフェース126を介して使用者128に接続するように構成される。呼息導管124の使用者端部はインターフェース126に接続するように構成され、および呼息導管124のガス供給端部は、ガス供給装置130の戻り口134に接続するように構成される。吸息導管112および呼息導管124の使用者端部は、例えば、限定されるものではないがYピース127を介してインターフェース126に接続できる。
【0018】
使用時、ガスは、ガス供給装置130から供給導管120を通って、入口110を経由してチャンバ104まで流れる。ガスは、チャンバ104内で加湿されて、チャンバ104から出口112を通って出る。使用者は、吸息導管122を通って供給された加湿ガスを吸入し、かつ呼息導管124に呼気する。吸息導管122および/または呼息導管124は、加熱素子、例えば電熱線を含み、ガスを所望の温度に維持するのを助け、かつ導管に凝縮物が著しく形成される可能性を低下させ得る。
【0019】
使用前、医療関係者などの操作者は、様々な構成要素を正しく接続してシステム100をセットアップする必要がある。接続を行う必要がある様々な構成要素およびいくつもの接続部があるため、システム100のセットアップは、適切に完成させるためには専門的な訓練を必要とする複雑なプロセスとし得る。加湿システム100は、セットアッププロセスを単純化しかつ間違ったセットアップの可能性を低下させる、本明細書で説明されるような様々な特徴を含み得る。一部の実施形態では、いくつかの使用適性特徴は、好都合にも、ステップの総数およびセットアッププロセス中に必要とされる時間を減らすのに役立ち得る。本明細書で説明されるいくつかの特徴はまた、セットアップを使用者がより直感的に行うのに役立ち、それにより、専門的な研修の必要性を低下させ得る。
【0020】
セットアップを開始するために、操作者は、リム縁部106(
図3に示す)の下側で加湿チャンバ104をヒーターベース102上に摺動させることによって、ヒーターベース102上にチャンバ104を設置する。リム縁部は、チャンバ104を適所に保持するのに役立つ。加熱板108は、一部の構成ではバネ荷重式とすることができ、チャンバ104のベースは加熱板108に下向きの圧力をかけ、かつチャンバ104の突出部分105は、加熱板108とリム縁部106との間に捕捉され得る。好ましくは、リム縁部106の前方部分に沿った保護材107が押し下げられて、チャンバ104の下方部分が加熱板108にアクセスできるようにし、その後、チャンバ104が設置されたら、保護材107が、押し下げられていない位置まで戻る。一部の構成では、リム縁部106の最前方部分(例えば、チャンバ104を挿入するための開口部を画成するリム縁部106の部分)が、下方に傾斜する隆起または拡大開口部109を備えて構成される。開口部109は、好ましくは、押し下げられていない保護材107の上面よりも上方に上昇している下面を含む。そのように、開口部109は、操作者に視覚的な手がかりをもたらし、突出部分105を開口部に挿入できるようにする。チャンバ104を開口部にさらに挿入することによって、保護材107を押し下げて、チャンバをヒーターベースに完全に挿入させるのを容易にし、かつチャンバ104を適所に案内するのを助け得る。それゆえ、目で見える詳細部分(detail)から、操作者は、チャンバ104がリム縁部106の下方で適所に摺動することを示す。これはまた、後でヒーターベース102からチャンバ104を取り出すために、保護材107が押し下げられ得ることを操作者に知らせるのを助け得る。好ましくは、チャンバ104は、操作者がヒーターベース102からチャンバ104を取り出そうとするときに、保護材107を押し下げる詳細部分を有する。さらに、リム縁部106に平らでない上面を設けることによって、操作者がチャンバ104をリム縁部106の上に配置する必要があると考える可能性は低くなる。そのような配置は平らでないチャンバ104をもたらすため、熱伝導率が低くなる。
【0021】
チャンバ104などの加湿チャンバは、全体的に滑らかな側面を備えて全体的に円形を有することが多く、その形状は、セットアップおよび設置の最中に操作者がチャンバ104を保持するのを困難にする。加湿器のセットアップでは、チャンバ104は把持されてから、上述したようにヒーターベース102の適所に摺動される。それゆえ、
図4Dに示すように、チャンバ104は、好都合にも、設置中、操作者がチャンバ104をより容易に保持できるようにするグリップ168を含み得る。一部の実施形態では、例えば
図4Dに示すように、グリップ168は、チャンバ104上の特定の位置に位置決めされ、チャンバ104をベース102上で摺動させるときに、操作者がチャンバ104を正しい向きに置くように案内するのに役立つ。一部の実施形態では、グリップ168はチャンバ104の周りに部分的にまたは完全に延在する。グリップ168は、例えば、チャンバ104の表面の窪みまたはキャビティ、竪型フィン、テクスチャー加工面、および/またはハンドルのうちの1つ以上を含み得る。図示の構成では、チャンバの側壁は、チャンバの方へ内側に延在する凹部を含む。凹部はリブなどを含み、使用者が凹部によってチャンバを保持する能力を高め得る。凹部は、前方に向く面に沿って位置決めし得る。一部の構成では、加湿器チャンバの上方に延在するポートは、後方に面する開口部を含み得る一方、凹部は、加湿器チャンバに凹んでおり、かつ前方に面している。前方に面するグリップは、チャンバを設置するための正しい向きで置くのを助ける。一部の構成では、凹部は、チャンバの全高に部分的にのみ延在する。一部の構成では、凹部は互いに対向して、使用者の指および親指によって把持力が加えられ得るようにする。
【0022】
図4Aを参照して説明すると、加湿チャンバ104は、ポートキャップ160で入口110および出口112が覆われた状態で梱包され得る。ポートキャップは、配送および保管の最中、チャンバ104を封止し得るまたは全体的に囲み得る。ポートキャップ160は脚部162を含み、これら脚部は、入口110および出口112に延在し、かつ配送のためにフロート150を適所に拘束し得る。一部の構成では、液体導管118は、チャンバ104に設けられたワインダー166の周りに巻き付けられ、かつそれに収容され得る。セットアップ中、加湿チャンバ104がヒーターベース102に設置された後、好ましくは液体導管118を巻き出して、スパイク164を介して液体源に接続する前に、ポートキャップ160を取り外すことができる。スパイク164を液体源に接続したら、液体はチャンバ104を満たし始める。しかしながら、ポートキャップ160を取り外す前に液体導管118を液体源に接続する場合、フロート150は依然として拘束されており、チャンバ104への液体の流れを遅くしたりまたは阻止したりするように機能できないため、チャンバ104が過剰充填される危険性がある。
【0023】
一部の実施形態では、過剰充填の可能性を低下させるため、チャンバ104は、チャンバ104の入口ポート110および出口ポート112とポートキャップ160との間に液体導管118が捕捉された状態で梱包される。液体導管118は、さらに、ポートキャップ160が取り外されるまで操作者から幾分見えなくされ得る。しかしながら、ポートキャップ160の下側に液体導管118が存在することは、ポートキャップ160が適所にある状態で見ることができ、これにより、操作者に、ポートキャップ160を取り外して液体導管118にアクセスさせるようにすることが好ましい。さらに、ポートキャップ160の取り外しによって、液体導管118を巻き出すかまたは広げることが好ましい。この梱包配置はまた、ワインダー166が液体導管118を含む必要性、およびチャンバ104からワインダー166を除去し、かつワインダー166から液体導管118を巻き出すセットアップステップの必要性を低下させるかまたはなくす。一部の実施形態では、スパイク164および/または液体導管118は自由に浮いており、ワインダー166またはポートキャップ160によって束縛されていない。これは、液体導管118をセットアップ中に巻き出す必要があるかどうかについて操作者が混乱する可能性を低下させるのに役立ち得る。一部の配置では、スパイク164は、露出した状態で自由に垂れ下がっており、ポートキャップ160の取り外しをさらに促す。一部の構成では、スパイク164は、部分的に露出して、ポートキャップ160によって部分的に捕捉されており、それにより、ポートキャップ160の取り外しを促して、スパイク164にアクセスできるようにする。
【0024】
追加的な特徴は、操作者がポートキャップを、使用中適所に留まるように意図されたシステムの操作部品と間違える可能性を低下させるのに役立ち得る。例えば、
図4Bおよび
図4Cに示すように、代替的なポートキャップ170は、両ポート双方の上部に広がる単一の平面と、ポートを取り囲む単純な側面と、任意選択的に、液体導管118とを含み得る。この設計は、ポートキャップ170に蓋の外観を与え、ポートキャップが使用前にチャンバ104から取り外されるようにし得る。また、ポートキャップ170は、平らな上面の外周の一部の周りにまたは全外周にリップ詳細部分を含み、操作者が取り外しのために把持できるようにし得る。平らな上面は、任意選択的な指示ラベル、または例えばゴミ箱の画像を有するラベル用の面を提供し、操作者に、ポートキャップ170が取り外されて廃棄されるべきであると考えられていることを示す。一部の構成では、ポートキャップは、ある材料で形成できるか、またはポートキャップを本能的に廃棄することを裏付ける彩色を有する。
【0025】
図4Dを参照すると、ワインダー166と一緒に使用できるポートキャップ170の別の例示的な実施形態は、キャップ本体172と、フロート保持具174とを含み、フロート保持具は、タブまたはプルループ(pull loop)176と、入口110および出口112に延在してフロート150を拘束する脚部162とを有する。キャップ本体172は、キャップ本体172内に入れられた導管を見せるように、少なくとも部分的に半透明または実質的に透明であるように形成できる。キャップ本体172は、矢印および/または他の可視的なまたは他のインジケータを含み、操作者に、ヒーターベース102へのチャンバ104の正しい挿入方向を指示し得る。一部の実施形態では、キャップ本体172は、チャンバのセットアップの指示を含むラベルを含み、正しいまたは所望の一連のセットアップステップに、セットアップ作業を実施する人が従う可能性を高め得る。一部の実施形態では、
図4Eに示すように、フロート保持具174はキャップ本体172から分離され、かつキャップ本体172の前にチャンバ104から除去できる。
図4Fに示すように、キャップ本体172を取り外すことによって、ワインダー166を露出させる。あるいは、フロート保持具174は、キャップ本体172に一体に成形され得るかまたは結合され得るため、例えば、プルループ176を引くことによって、両構成要素は同時に除去される。両実施形態は、好都合にも、液体導管118が液体源に接続される前にワインダー166が露出されてフロート150が拘束されなくなると、フロート保持具174が確実に除去されるようにする。一部の実施形態では、ワインダー166は、クリップによって、またはチャンバポートに接続される、クリップで留められるもしくは他の方法で係合される他の特徴によって、チャンバ104に結合される。
図4Fに示すように、液体導管118は、チャンバ104の液体入口117から、ワインダー166の周囲、通気口167を通ってワインダー166まで延在して、スパイク164に結合することができ、このスパイクは、図示の実施形態に示すようにワインダー166内に載置される。図示の実施形態では、キャップ本体172は、配送および/または保管のための適所にあるときに、液体導管118も覆うようなサイズにされかつそのような形状にされている。一部の構成では、ワインダー166は、スパイクを水平位置(例えば、配送位置)に、および非水平すなわち垂直位置(例えば、検査位置)に固定する特徴を含む。例えば、ワインダー166は、全体的に卵形を有し、かつスパイクを収容するおよび/またはスパイクを水平の配送位置に固定するように構成された長手方向の受け部186を、ワインダー166内に含み得る。ワインダー166はまた、スパイク164の把持部分190(
図4Jに示す)を収容するように構成された全体的に環状の受け部188を含み得るため、スパイク164は、検査用のほぼ垂直の位置に配置され得る。液体導管118は、膠着などの接着剤または任意の他の好適な技術によって液体入口117に固定できる。チューブホルダ119は、液体導管118をワインダー166の一部分に、またはチャンバ104の上部に固定するのを助け、かつ液体導管118を液体入口117からワインダー166へ送るのを助け得る。一部の実施形態では、操作者は、ワインダー166からスパイク164を取り出し、かつワインダー166から液体導管118を巻き出して、スパイク164を液体源に接続できる。一部の実施形態では、操作者は、液体導管118の巻き出し後に、チャンバ104からワインダー166を除去し、かつワインダー166を廃棄できる。
【0026】
図4Gおよび
図4Hに液体導管118の梱包の追加的な実施形態を示す。図示の両実施形態では、液体導管118は、例えば、液体導管118をジグの周りに巻き付けることによって、ループ構成に巻き付けられる。一部の実施形態では、ラベル218は、巻き付け前に液体導管に取り付けられて、液体導管118をループ構成に固定するように使用される。
図4Gの実施形態では、ループ状の液体導管118が、チャンバ104の上部に結合された、折り畳めるカード178内に配置される。カード178は、厚紙、プラスチック、可撓性材料、または任意の他の好適な材料で作製でき、および底部178aは、接着剤を用いておよび/またはチャンバの入口ポートおよび出口ポートの周りに配置されるように構成された切り欠き部280によって、チャンバ104に固定できる。カード178の上部178bは、底部に折り重ね、かつチャンバの入口ポートおよび出口ポートの周りに配置されるように構成された切り欠き部および/またはポートキャップ160によって固定できる。一部の実施形態では、スパイク164は、スロットまたはクリップによって、上部と底部との間でカード178のベースに固定できる。カードの底部178aはスリット282を含んで、カード178と液体入口117との間に延在する液体導管118を収容できる。一部の構成では、ループ状導管は、カード上に幅方向に配置され得る。
図4Hに示す実施形態では、ループ状液体導管118は、チャンバ104の頂上に成形されたキャビティ111に配置され、かつチューブカバー179によって保護され、このチューブカバーはポートキャップ160を含み得る。チューブカバー179の底面は、スパイク164を固定する特徴を含み得る。一部の実施形態では、ブランド名の表示、指示、および/または他の情報を備えるラベルを、チューブカバー179、カード178(例えば、上部178bまたはカード178)に取り付けることができる。換言すると、一部の構成では、カード(例えば、カード178の上部178b)およびチューブカバー179の1つ以上は、指示(例えば、開梱指示、セットアップ指示など)、ラベル、または警告用に使用し得る1つ以上の面を組み込み得る。一部の構成では、カード178は順次的な指示を含むため、セットアップ作業を実施する人が、正しいまたは所望の一連のセットアップステップに従う可能性を高め得る。例えば、カード178は、従うべき順次的なまたは少しずつずらしたステップを備え得る。一部の構成では、カード178または別の構成要素は、露出したまたはアクセス可能な構成要素を含むステップのみを説明できる。
【0027】
図4Fおよび
図4Iに示すように、スパイク164は、
図4Jに示すように使用前に操作者が取り外すスパイクキャップまたはシース165を備えた状態で梱包され得る。シース165は、ワインダー166からスパイク164を取り出すおよび/またはスパイク164からシース165を取り外すのを容易にするタブまたは同様の特徴を含み得る。一部の構成では、キャップは、任意の他の部材に接続されず、操作者は、キャップを取り外す方法を知っている。ラベルはまた、液体導管118および液体源をセットアップする方法に関して操作者に指示するために使用できる。一般に、加湿システム100は、加湿チャンバ104を通過するガスを加湿するために水を使用する。スパイクを別のタイプの液体、例えば食塩水ではなく、水袋に接続する必要があることを操作者に示すために、液体導管118および/またはチャンバ104は、例えば、「H
2O」と読めるラベルを含み得る。好ましくは、ラベルを含む任意のそのような可視的なインジケータは、導管が外側に伸長されるときに、チャンバの本体よりもスパイクの近くに位置決めされる。液体導管118のラベルはまた、スパイクキャップによって隠されているときには操作者に明らかではない水用スパイク164に操作者が注意を向けるのを助け得る。チャンバ104はまた、適切な水位を示すラベルを含み得る。
【0028】
一部の構成では、スパイクは、任意の好適な技術を使用してチューブに固定できる。例えば、一部の構成では、スパイクは、接着剤、音波溶接、縛り嵌めなどを使用してチューブに固定できる。その後、ラベルをチューブに取り付けることができる。一部の構成では、ラベルは、チューブを覆うように緩くループ状にされ、粘着性のある端部(例えば、露出した接着剤)を含み得る。一部の構成では、ラベルは、チューブの別の端部よりもスパイクの近くに位置決めできる。チューブは、ジグなどの周りに巻き付けることができ、かつラベルを使用してループ構成に固定できる(例えば、粘着性のある端部を使用して、ラベルの端部をラベルの別の部分に留める)。チューブを巻き付けると、端部は、好ましくは、チューブおよびスパイクをチャンバに接続するのに十分な弛みを備える。スパイクのない端部は、任意の好適な技術を使用してチャンバに固定できる。一部の構成では、スパイクのない端部は、水チャンバの水入口孔に挿入でき、かつ膠着などを用いて固定できる。チューブのループの端部は、チャンバの入口ポートおよび出口ポートの上側にまたはそれらの間に配置できる。スパイクは受け部に固定できる。一部の構成では、受け部は、チャンバの一部分に形成できるかまたは固定できる。一部の構成では、スパイクは、検査のためにチャンバから離れるように延在する点で、チャンバに固定できる。検査は、組み立てられたチャンバで実施できる。検査後、スパイクはチャンバから除去でき、およびスパイクおよびチューブは、上述したものを含む任意の好適な方法で配送用に固定できる。
【0029】
加湿システム100は、加湿チャンバ104にまたはその付近に再使用可能な温度および/または流れプローブを含み得る。例えば、流れセンサーをチャンバ入口110に位置決めして、ガス供給装置130からチャンバ104に入るガスの流量を感知する。ガス供給装置130からチャンバ104に入るガスの温度を感知するために、温度センサーがチャンバ入口110に位置決めされ得る。チャンバ104を出る加湿ガスの温度を感知するために、温度センサーはチャンバ出口112に位置決めされ得る。チャンバ104を出て使用者に送達されるガスの流量を感知するために、流れセンサーが同様にまたはその代わりに、チャンバ出口112に位置決めされ得る。
【0030】
一部の実施形態では、
図5Bに示すように、再使用可能な温度および/または流れセンサープローブ206は、センサーカートリッジモジュール200に組み込まれ得る。
図5Cは、電気ケーブルによってヒーターベースに接続されたセンサーカートリッジモジュール200を示す。しかしながら、
図5Bのセンサーカートリッジモジュール200は、ヒーターベース102にスパイン(spine)210を介して機械的におよび電気的に接続され、それゆえ、センサーに電力を伝送できる一方、例えば、限定されるものではないが、センサー用の取り付け位置も提供できる。一部の構成では、スパイン210およびポートキャップは、インターフェース構成を有し、チャンバをヒーターベースに取り付ける最中のスパインの方へ向かう位置でのポートキャップを備えるチャンバの運動によって、スパインがチャンバからポートキャップを上昇させるようにし得る。そのような構成は、操作者がチャンバからポートキャップを取り外す可能性を高める。他の好適な構成も使用できる。
【0031】
センサーカートリッジモジュール200はまた、センサーとヒーターベース102中のプロセッサ114との間でデータを伝送できるようにする。例えば
図6に示すように、チャンバの入口110および出口112は、それらを通るアパーチャ140、142を有し得る。温度および/または流れプローブ204、206を収容するようなサイズおよび形状にされたプローブの薄膜またはグロメット144は、アパーチャ140、142内に位置決めされ、かつそれらを永久的に封止できる。
図5Bの構成では、スパインに取り付けられたプローブは各アパーチャと適切に整列しないため、操作者は、チャンバのベースをリム縁部106の下方に位置決めするように促される。
【0032】
チャンバ104をヒーターベース102へ正しく挿入することにより、チャンバの入口110および出口112のアパーチャ140、142内に、自動的にセンサープローブ206を位置決めできる。これは、好都合にも、ヒーターベース102に手動で挿入して電気的に接続する必要がある別個の再使用可能なセンサーと比較して、セットアップを容易にでき、かつ不適切な電気的接続、不適切な空気圧式シールおよび/または組み立ての可能性を低下させ得る。プローブの薄膜144は、プローブが、チャンバ104に対して出入りするガスと直接接触しないようにする。それゆえ、プローブ206の洗浄および保管の必要なく、ならびに使用毎にワイヤを分離および再接続する必要なく、プローブは再使用できる。
【0033】
ヒーターベース102上へのチャンバ104の設置およびセンサーカートリッジモジュール200との適切な接続を通して操作者を誘導するのを助けるために、チャンバ104およびセンサーカートリッジモジュール200は、対応する雄型接続および雌型接続などの引き込み特徴を含み得る。例えば、ベース102およびカートリッジモジュール200の1つ以上は、チャンバ104の構造201とかみ合う構造を含み得る。
図4Fに示すチャンバ104の構成では、構造201は凹部部分である。それゆえ、チャンバ104の鉛直高さは、取り付け時は、ヒーターベース102のハウジングに最も近い部分において短いとし得る一方、チャンバ104の鉛直高さは、カートリッジモジュール200から離れて位置決めされた部分で高いとし得る。そのような構成は、チャンバがベース102に後方に挿入され、センサーへの損傷を生じる可能性を低下させ得る。それゆえ、チャンバ104をベース102に結合する可能性を著しく高める協働構成が、チャンバ104の正しい回転方向の向きにおいてのみ達成される。さらに、協働構造は、チャンバ104の適切な回転方向の向きの視覚的合図をもたらし得る。協働構造は、ベースでは雄型およびチャンバでは雌型、ベースでは雌型およびチャンバでは雄型、またはベースおよびチャンバでの雄型部分および雌型部分の任意の組み合わせとし得る。
【0034】
別の例として、センサーカートリッジモジュール200は、チャンバ104の雌型凹部204に摺動するように構成された中心雄型突出部202を含み得る。あるいは、チャンバ104は、センサーカートリッジモジュール200の中心に摺動するように構成された雄型突出部を含み得る。好ましくは、雌型凹部204は、雄型突出部202に対して可能であるチャンバの向きが1つのみであるように構成される。任意の他の構成またはかみ合いアセンブリを使用できる。一部の構成では、チャンバ104は、例えば、限定されるものではないが、側面に面取りしたまたは角度をつけた縁部または突起205を含み得る。これらの突起205は、ベース102の構造と協働するか、またはカートリッジモジュール200上にあるとし得る。協働によって、好ましくは、チャンバ104を、ベース102に対して完全に載置された位置に引くまたは促すのを助ける。それゆえ、突起205および協働構造は、チャンバに対してセンサープローブ206を正しい向きに置き得るおよび適切に位置決めし得る構造の別の例を提供する。ヒーターベースに対してチャンバを正しい向きに置くこれらの手段はまた、好都合にも、チャンバポート内へのセンサープローブ206の適切な位置決めを支援する。好都合にも、チャンバ104がセンサーカートリッジモジュール200にドッキングすると、センサープローブは、チャンバポートに適切な距離または深さまで自動的に挿入され得る。換言すると、プローブ206がチャンバ104のポートに完全に挿入されない危険性は低下され得るかまたはなくされ得る。好ましくは、センサーカートリッジモジュール200とチャンバ104との間の接続は、ほぼ水平である(例えば、加熱板の上面に平行している)。
【0035】
一部の構成では、チャンバは、スパインからの突起またはヒーターベースの他の部分を収容する凹部を有し得る。そのような構成は、チャンバを所望の回転方向の向きでヒーターベース上の適所に案内するのを助け得る。一部の構成では、チャンバは、適所に平行移動されるのではなく、ヒーターベース上で適所まで回転され得る。例えば、スロットは、スロットまで垂直方向に下方に摺動できるポストを備え、チャンバの回転によって、ポストをリム縁部106の下方に位置決めするようにし得る。一部の構成では、チャンバがヒーターベースに取り付けられる前に、センサーカートリッジモジュール200がチャンバに取り付けられる場合、チャンバの回転は、チャンバに取り付けられた構成要素(例えば、センサー)とヒーターベースとの間に電気的な接続を確立し得る。チャンバの回転はまた、水平の接続方向を規定する。他の構成も可能である。
【0036】
一部の加湿システム100はまた、呼吸回路の様々な位置に温度および/または流量センサーを含み、ガスがシステム100を通って使用者128までおよび使用者から移動するときのガスの状態を監視する。いくつかのそのようなシステムは、吸息導管122の使用者端部にまたはその付近に再使用可能な温度センサーを含み、使用者128に到達するガスが、確実に適切な温度であるようにする。回路の様々な導管が一般に廃棄可能であるため、再使用可能な温度センサーは、セットアップ中に吸息導管122に別々に結合する必要があり、かつ電力およびデータ伝送のためにヒーターベース102にさらに接続する必要がある。使用者は、センサーおよび/またはセンサーケーブルを完全に接続するのを忘れる可能性があるか、またはセンサーを吸息導管122に不注意で完全に挿入し損なう可能性があり、これによりセンサーデータを歪め得る。本開示の一部の実施形態によれば、使い捨ての使用者端部の温度センサーおよび関連のセンサーケーブルは、吸息導管122に組み込まれ得る。これは、好都合にも、セットアップ中に別個のセンサーおよびセンサーワイヤを接続するステップ、ならびに再使用可能なセンサーを洗浄して保管するのに必要なステップおよび時間をなくし得る。
【0037】
一部の実施形態では、センサーカートリッジモジュール200は、ヒーターベース102と、吸息導管122の使用者端部温度センサーと、吸息導管122のヒーター線との間の電力およびデータ伝送を可能にし得る。吸息導管122のチャンバ端部コネクタは、センサーカートリッジモジュール200上の対応する接続と結合するための電気的な接続を含み得る。これは、使用者端部温度センサーとヒーターベース102との間に電気的な接続をもたらす再使用可能なセンサーケーブルを使用する、および吸息導管122のヒーター線とヒーターベース102との間に電気的な接続をもたらす再使用可能なヒーター線アダプタケーブルを使用する、単純な代替例を提供する。使用者端部の温度センサーおよびヒーター線は、吸息導管122に組み込まれるまたはその外部に平行して延びるワイヤを介して、吸息導管122のチャンバ端部コネクタの電気的な接続に結合され得る。
【0038】
呼息導管124が加熱素子、例えばヒーター線を含む場合、加熱素子は、一般に、加熱素子をヒーターベース102に接続する電気ケーブルを介して電力供給される。セットアップの単純化を助けるために、加熱素子の電気ケーブルの両端部は、同じ設計のプラグを有し得る。対応するソケットがヒーターベース102および呼息導管124のガス供給端部コネクタに配置され得る。加熱素子の電気ケーブルのいずれかの端部は、呼息導管124のガス供給端部コネクタソケットまたはヒーターベース102のソケットのいずれかに結合できる。それゆえ、操作者は、加熱素子の電気ケーブルの正しい向きを決定するために過度の時間を費やす必要がない。
【0039】
本明細書で説明したように、呼吸回路は、チャンバ104、使用者128、および/またはガス供給装置130への複数の接続を必要とする複数の導管を含み得る。導管の長さは、セットアップ中に導管を取扱いかつ制御するのを困難にし、導管を偶然地面に落として汚染させ得る危険性を高め得る。梱包およびセットアップからの取り出しの最中の取扱いおよび制御を高めるために、
図7Aに示すように、回路は、回路スリーブ260によってループ構成に梱包されて、それと一緒に保持され得る。一部の実施形態では、スリーブ付導管は、保護用プラスチック袋などに梱包され得る。一部の実施形態では、回路スリーブ260は、厚紙または薄いプラスチックシートで作製されているが、他の材料も可能である。回路スリーブ260は、導管の周りでループ状となるかまたはそこに巻き付けられ、かつ例えば、ステープル、テープ、および/または接着剤、例えば、膠着によって一緒に閉鎖または保持され得る。一部の実施形態では、スリーブ260の両端部は、インターロック特徴、例えば、インターロッキングスリットまたはタブおよび対応するスロットを有して、導管の周りでスリーブ260を閉鎖する。導管はまた、テープ、ゴムバンド、ストラップなどによってループ構成で保持され得る。
【0040】
ループ構成は、好都合にも、操作者が導管を、例えば前腕、ヒーターベース、または他の物体にかけて、他のセットアップ作業のために操作者の手を完全に自由にできるようにし得る。一部の実施形態では、汚染の危険性を高め得る他の病院の壁面に導管を配置することの代替例として、回路スリーブ260は、ループ状導管をフックに、例えば水袋または点滴袋(I.V. bag)をかけるのに使用されるフックにかけるために使用され得る孔262を含む。回路スリーブ260は導管上に位置決めされて、選択した導管コネクタを隠すことができ、かつ見える導管コネクタに操作者の注意を向けさせるのを助け、この見える導管コネクタは、セットアッププロセス中に最初に接続される必要のあるコネクタとし得る。操作者が、回路スリーブ260を除去して残りのコネクタを露出させる前に、見える導管コネクタによる適切な接続を行う場合、操作者が行うことができる接続数は削減され、それにより、接続をより容易にし、かつセットアップを正しく完了させる可能性が高まる。一部の実施形態では、回路スリーブ260は、文書および/または図でセットアップ指示を含み、正しいセットアップを達成するための好ましいセットアップ順序を指図するのに役立ち得る。回路スリーブ260はまた、導管に位置決めされて、いずれの鋭いエッジまたは角(例えば、コネクタの複数の部分)も被覆および/または隔離し、配送中などに、例えば、他の回路構成要素、チャンバ、および/または梱包材料を損傷させる可能性を低下させるのに役立ち得る。
【0041】
セットアップ中に接続を間違える可能性を低下させるのを助けるために、導管コネクタ、チャンバの入口110および出口112、ガス供給出力部132および入力部134、インターフェース128、および/またはYピース127は、間違った接続が行われるのを防止するのを助けるために、様々な直径を有し得る。一部の実施形態では、接続の一部または全ては、詳細部分、例えばリブ詳細部分を含み、この詳細部分によって、適切な構成要素を接続できるようにするが、不適切な接続を阻止し得る。例えば、
図7Bに示すように、チャンバ出口112または吸息導管ポートは、ポート112の周囲を囲むリブ詳細部分250を含み得る。
図8に示すように、吸息導管のチャンバコネクタは、チャンバ出口ポートのリブ詳細部分250と係合するように構成された対応するリブ詳細部分254を含み得る。チャンバ入口または供給導管ポートは、同様に、周囲リブ詳細部分252を含み、供給導管のチャンバコネクタ上の対応するリブ詳細部分256に係合し得る。他の構成要素、例えば吸息チューブの使用者端部コネクタ、呼息チューブの使用者端部コネクタ、呼息チューブのガス供給端部コネクタ、および/または供給導管のガス供給端部コネクタは、外側に延在するリブ詳細部分を含み得る。一部の構成では、異なる直径を使用して、間違った導管を間違ったポートに物理的に接続するのを、不可能ではないにしても困難にし得る。さらに、上述したように、各ホースの各端部を、一意の構成を有するように形成することが可能であり、所望の接続を補強するのを助ける。他の構成も可能である。
【0042】
一部の実施形態では、様々な構成要素は、セットアッププロセスの初めから終りまで操作者を案内するのに役立たせ、かつ間違った接続の可能性を低下させるのに役立たせるために、色分けされ得る。例えば、供給導管120のチャンバ端部コネクタとチャンバ104の入口110ポートは、同様に第1の色、例えば緑色に色付けられ、操作者に、それら2つの構成要素は接続を意図したものであることを示し得る。同様に、吸息導管のチャンバ端部コネクタとチャンバ出口ポートは、第2の色、例えば青色に色合わせされ得る。デュアル−リム(limb)回路では、インターフェース126および/またはYピース127は、第3の色、例えば灰色に色合わせされ得る。単一−リム回路では、インターフェースおよび吸息導管の患者端部コネクタは、第4の色、例えば青色に色合わせされ得る。センサーカートリッジモジュール200の温度および流れプローブ206は、プローブ薄膜144と、例えば青緑色に色合わせされ得る。呼息導管の加熱素子用のアダプタケーブルおよびプラグは、呼息導管のガス供給端部コネクタおよびヒーターベース102のソケットと、例えば、黄色に色合わせされ得る。セットアップ中に廃棄されるよう意図されている構成要素、例えば、ポートキャップ160、170、ワインダー166、Yピースキャップ、および/または水用スパイク164用のキャップは、例えば、半透明の黄色またはオレンジ色の同様の色が付けられ得る。好ましくは、水用スパイク164のキャップは、透明、半透明、またはスロット、間隙、孔などを備えて他の方法で構成されたものであり、操作者に、スパイクをキャップ内に位置決めすることを示す。供給導管のガス供給端部コネクタおよび呼息導管のガス供給端部コネクタは、例えば、ピンク色に色分けされる。一部の実施形態では、導管自体を色によって区別できる。例えば、供給導管120は緑色とし、吸息導管122は青色とし、および呼息導管124は白色とし得る。一部の実施形態では、色は、色認識が少ない(赤緑色覚異常)操作者が、それでも異なる構成要素を区別できるように、選択される。一部の配置では、接続順序が優先される場合、色分けすることによって、色の違うものを取り混ぜて接続するのを避けるようにする(例えば、限定されるものではないが、第1の接続に赤色、第2の接続にオレンジ色、第3の接続に黄色、第4の接続に緑色、および第5の接続に青色など)。それゆえ、パターンを使用して、適切な進行ならびに適切な接続を促し得る。そのような構成では、LED、光または光に色フィルターを使用して、電気ディスプレイ上に接続の色を示し得るか、または色は、単にディスプレイスクリーン上に示され得る。当然ながら、他の構成および色彩パレットも可能である。一部の実施形態では、取扱説明および/またはエラーは、色によって異なる成要素を参照し得る。
【0043】
様々な構成要素の色合わせに加えてまたはその代わりに、構成要素は、一緒に接続されることを意図した部品を示す、対応するシンボルおよび/または文字列を含み得る。一部の構成では、例として、第1の接続は、「1」または「A」が付され、第2の接続は「2」または「B」が付され得る。一部の実施形態では、導管の1つ以上が、使用時に導管を流れるガスの適切な方向を示すラベルを含み得る。例えば、供給導管120は、ガス供給装置130の端部からチャンバ104の端部へ向く1つ以上の矢印、および、任意選択的に、「TO HUMIDIFIER」と同様の文字列を含み得る。同様に、吸息導管122は、チャンバ端部から使用者端部へ向く矢印および任意選択的な文字列(例えば、「TO PATIENT」)を含むことができ、および呼息導管124は、使用者端部からガス供給端部へ向く矢印および任意選択的な文字列(例えば、「FROM PATIENT」)を含むことができる。形状、色、サイズ、および/またはシンボルの任意の好適な組み合わせまたは選択を使用して、使用者が所望の接続を行うこと、および/または所望の順序で所望の接続を行うことを助け得る。さらに、一部の実施形態では、異なる構成要素のコネクタは、互いに接続できないように構成し得る。例えば、限定されるものではないが、吸息導管は、加湿器の出口とのみつながるコネクタを有し得る。そのような実施形態では、構成要素を間違って接続することは、不可能ではないにしても非常に困難であるため、コネクタは、構成要素を不適切に接続する可能性を低下させる。
【0044】
一部の実施形態では、呼吸回路のセットアップをさらに単純化するために、例えば
図9Aに示すように、供給導管120、吸息導管122、および、任意選択的に、呼息導管124が一体形回路に結合され得る。一部の実施形態では、吸息導管122および呼息導管124の使用者端部はYピース127に結合され、このYピースは、使用時、インターフェース126に結合され得る。Yピース127は、使い捨てキャップ180が使用者端部を覆った状態で梱包されて、セットアップ中の導管および接続部の汚染を阻止するのに役立ち得る。温度および流れセンサーおよび加熱素子用の電気コネクタおよびケーブルも一体形回路に組み込まれ得る。一部の実施形態では、チャンバ104も、一体形回路と予め結合されて設けられ得る。
【0045】
導管は、例えば、導管の少なくとも一部分を囲むメッシュタイプの包装材料またはシースによって、接合され得るまたは結合され得る。一部の構成では、複数のルーメン構造を形成するために接合される導管の複数の部分は、メッシュタイプの包装材料、シース、ベルト、コネクタ、クリップなどを含むがこれらに限定されない別個の接続手段と接合され得る。一部の実施形態では、供給導管120および吸息導管122は、個々のクリップを用いて呼息導管124に取り外し可能に結合され得る。これは、好都合にも、必要のない時には、呼息導管124を供給導管120および吸息導管122から引き出し、かつ回路から除去することができるようにする。
【0046】
一部の実施形態では、導管の2つ以上は、解放可能に一緒に接続されるような構造にされる。一部の実施形態では、導管の全てが、解放可能に一緒に接続されるような構造にされる。第1の導管(例えば、吸息導管)は、フック材料またはループ材料のうちの一方の第1の部分を含み、および第2の導管(例えば、呼息導管)は、フック材料またはループ材料のうちの他方の第2の部分を含み得る。第1および第2の部分は、フックアンドループすなわち面ファスナー構成で解放可能に一緒に接続されるように構成し得る。それに加えてまたはその代わりに、他の解放可能な接続システム、例えば一連の磁石などを使用することができ、それにより、例えば、限定されるものではないが、2つの部分は、異極性の磁石を含む。別の構成では、吸息導管の外壁および呼息導管の外壁は波形にされて、波の山と谷はマッシュルーム形状であるとし得る。そのような構成では、例えば、限定されるものではないが、
図9Bに示すように、一方の導管の山は、他方の導管の谷に解放可能にスナップ嵌めするように構成されている。そのような構成では、導管は、互いに直接接続され得る。山および谷のサイズおよび形状は、両導管で同じとし得るか、または、例えば、限定されるものではないが、2つの呼息導管が一緒に接続される可能性を低下させるまたはなくすように相補的とし得る。
【0047】
一体形回路は、好都合にも、セットアップ中に必要とされる接続の回数を減らし、および間違った組み立てを行う可能性を低下させる。さらに、伝統的なシステムのセットアップ中、様々な構成要素は、テーブルまたはベッドに配置されて、仕分けおよび識別できるようにし得る。構成要素は、置き間違えられるかまたは床に落ちることがあり、それにより、損傷および/または汚染される危険性がある。一体形回路は、好都合にも、これらの問題を減らすのに役立つ。一体型の電気コネクタおよびケーブルを備える一体形回路はまた、セットアップ中に様々な電気的な接続を行うことを可能にし、接続されるべき構成要素は、互いにごく接近して位置決めされる。一部の実施形態では、呼息導管の加熱素子コネクタプラグ182は、ガス供給装置130のコネクタにではなく、呼息導管124の長さ部分に沿って配置され得る。プラグ182は、センサーカートリッジモジュール200上のソケット、またはヒーターベース102上のどこかの、例えば、ヒーターベース102の前側のソケットに接続されるように位置決めされかつ構成され、ソケットの可視性およびそこへのアクセス性を高め得る。そのような実施形態では、呼息導管124および/またはチャンバ104がヒーターベース102に接続されるとき、プラグ182は、センサーカートリッジモジュール200に自動的に接続され得る。
【0048】
様々な特徴が、加湿システム100の人間工学を改善するのを助け得る。例えば、呼息導管のガス供給端部コネクタのソケットが、導管の端部によって規定された平面から、例えば、約45°の角度に向けられ得る。この角度は、水平または垂直に向けられたガス供給装置130のポートのいずれかに呼息導管124が接続されるとき、ソケットの可視性を高め得る。この角度はまた、ソケットが他の構成要素または機器によって妨害され、セットアップを行うのをより困難にする可能性を低下させるのを助け得る。ヒーターベース102のソケットはヒーターベース102の前面に配置されて、ソケットを例えばヒーターベース102の側面またはどこか他の場所に配置する場合と比較して、可視性を高め、かつアクセスを容易にし得る。
【0049】
一部の実施形態では、呼息導管124のガス供給装置130の端部コネクタおよび/または供給導管120のガス供給装置130の端部コネクタは、L字形状を有し得る。例えば、コネクタの角度は、約120°とし得る。L字形状は、好都合にも、操作者が、ガス供給装置130へのおよびそこからの呼息導管124および/または供給導管120の向きを決定できるようにするため、導管は、他のシステムの構成要素、例えばヒーターベース102のディスプレイを妨害しない。コネクタのうちのいずれかまたは全て、例えば呼息導管124および供給導管120のガス供給装置130の端部コネクタおよび吸息導管122および呼息導管124の使用者端部コネクタの1つ以上は、グリップ詳細部分を含み、操作者が、より簡単にコネクタを把持できるようにし、かつ医療用テーパーコネクタを挿入および除去するためのねじる動きを実施できるようにし得る。グリップ詳細部分は、手術用手袋を装着している操作者に特に有益とし得る。
【0050】
一部の実施形態では、例えば
図11に示すように、ヒーターベースディスプレイ103は、スパイン210の上面に配置されて、簡単に見えるようにし得る。図示の実施形態では、スパイン210の上面、それゆえディスプレイ103は、ある角度で方向付けられる。特に、例えば、ヒーターベース102が操作者の水平の視線より下方に位置決めされている場合、角度が付けられた向きは、好都合にも、操作者がディスプレイ103を見る状態を改善し得るか、または見やすくし得る。一部の実施形態では、上面および/またはディスプレイ103は、垂直から約22°の角度に向けられ得るが、他の角度も可能である。一部の実施形態では、供給導管および吸息導管のチャンバ端部コネクタの一方または双方が、角度の付けられたまたはL字の形状を有し得る。例えば、
図11の実施形態では、供給導管のチャンバ端部コネクタ257がL字形状を有するため、ヒーターベース102から角度が付けられ得る。角度が付けられたまたはL字の構成は、好都合にも、コネクタおよび/または導管が実質的にディスプレイ103を見えなくすることを阻止または防止し、ディスプレイの可視性を高める働きをし得る。一部の実施形態では、供給導管および吸息導管のチャンバ端部コネクタの一方または双方は、約112°の角度を有するため、コネクタは、ポートに結合されているときには、チャンバポートから約22°の角度で、水平位置よりも高く延在し得るが、他の角度も可能である。一部の実施形態では、スパイン210、ディスプレイ103、および/または一方または双方のチャンバ端部コネクタは、1つまたは複数のコネクタがディスプレイ103および/またはスパイン210の上面の底縁よりも下方にあるように、構成できる、例えば、1つまたは複数のコネクタは、ディスプレイの平面と垂直なディスプレイ103の底縁から延びる線よりも下方におよび/または上面の平面と垂直なスパイン210の上面の底縁から延びる線よりも下方に延在する。
【0051】
追加的な特徴は、操作者のセットアッププロセス全体を支援し得る。例えば、システム100の消耗部品の梱包は、セットアップ手順および/または段階的な指示を示す概略的な図を含み得る。
図10は、加湿システム100セットアップするための順次的な方法を示す。この方法は、以下のうちのいくつかまたは全てを含み得る:ヒーターベース102上にチャンバ104を設置すること、1つまたは複数のポートキャップ160、170を取り外すこと、ワインダー166からスパイク164を除去すること、液体導管118を巻き出して、チャンバ104からワインダー166を除去すること、スパイク164を液体源に結合すること、供給導管120をチャンバ入口110に結合すること、供給導管120をガス供給装置130に結合すること、吸息導管122をチャンバ出口112に結合すること、および吸息導管122をYピース127またはインターフェース126に結合すること。この方法は、さらに、呼息導管124をインターフェース126またはYピース127およびガス供給装置130と結合することを含む。
【0052】
本開示を、いくつかの実施形態および例との関連で説明したが、当業者には、本開示は、具体的に開示した実施形態を越えて、他の代替的な実施形態および/またはそれらの使用例および明白な修正例および等価物に広がることが理解される。上記の説明では「使用者」について述べるが、最終使用者は患者とし得ること、および本明細書で説明される装置は、例えば、限定されるものではないが、臨床関連またはヘルスケア関連の施設において看護師、医師または他の医療関係者によって、ならびに自宅使用においては使用者/患者によって組み立てられ得ることに留意されたい。さらに、本開示の実施形態のいくつかの変形例を示し、かつ詳細に説明したが、本開示の範囲内にある他の修正例は、当業者に容易に明らかである。実施形態の具体的な特徴および態様の様々な組み合わせまたはサブコンビネーションをなし得ること、および依然として本開示の範囲内にあることも考えられる。開示の実施形態の様々な特徴および態様は、本開示の実施形態の様々なモードをなすために、互いに組み合わせるまたは置き換えることができることを理解されたい。さらに、本明細書で提供した様々な構成要素の寸法は例であり、および他の寸法も使用し得る。それゆえ、本明細書の開示の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるものではない。
【国際調査報告】