特表2015-514766(P2015-514766A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-514766コンジュゲート試薬を製造するための化合物および方法
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  • 特表2015514766-コンジュゲート試薬を製造するための化合物および方法 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-514766(P2015-514766A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(54)【発明の名称】コンジュゲート試薬を製造するための化合物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/48 20060101AFI20150424BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20150424BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20150424BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20150424BHJP
   A61K 31/565 20060101ALI20150424BHJP
   G01N 33/545 20060101ALI20150424BHJP
   G01N 33/532 20060101ALI20150424BHJP
【FI】
   A61K47/48
   A61K9/14
   A61K47/36
   A61K31/56
   A61K31/565
   G01N33/545 A
   G01N33/532 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-507057(P2015-507057)
(86)(22)【出願日】2013年4月11日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月7日
(86)【国際出願番号】US2013036111
(87)【国際公開番号】WO2013158454
(87)【国際公開日】20131024
(31)【優先権主張番号】61/625,977
(32)【優先日】2012年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】507269175
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ トゥオン
(72)【発明者】
【氏名】リーピン グオン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ドライナン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA95
4C076CC30
4C076EE38
4C076EE59
4C076FF70
4C076GG16
4C086AA10
4C086DA09
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA13
(57)【要約】
少なくとも内側の多糖類層と外側の多糖類層とを表面上に有する支持材を含む組成物が開示される。前記外側の多糖類層は、各々末端のアミン官能基を含むペンダント成分を有する。外側の多糖類層へのペンダント成分の結合点は、アミン結合を含まない。該組成物を、特定の結合対の要素を粒子にコンジュゲートさせる方法において用いることができる。該方法は、組成物の末端のアミン官能基と、アミン反応性官能基を含む特定の結合対の要素とを反応させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内側の多糖類層と外側の多糖類層とを表面上に有する支持体を含む組成物であって、前記外側の多糖類層が、各々末端のアミン基を含むペンダント成分を有し、前記ペンダント基の外側の多糖類層への結合点がアミド結合を含まない、前記組成物。
【請求項2】
前記支持材が粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記内側の多糖類層がアミノデキストランであり、且つ、前記外側の多糖類層がデキストランアルデヒドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ペンダント成分がアルキレンまたはポリ(アルキレンエーテル)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
特定の結合対の要素を支持体にコンジュゲートさせる方法であって、請求項1に記載の組成物の末端のアミン基と、アミン反応性官能基を含む特定の結合対の要素とを反応させることを含む、前記方法。
【請求項6】
前記特定の結合対の要素がハプテンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ハプテンがホルモンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ハプテンと粒子とのコンジュゲート体の形成方法であって、前記粒子が内側の多糖類層と、アルデヒド基を含む外側の多糖類層とを含み、アミン反応性官能基で官能化されたハプテンとアルデヒド基との間で、2つの末端のアミン基を含む結合用化合物を用いて結合を形成することを含み、前記末端のアミン基の一方のアミン基はアルデヒド基と反応してアミド結合を含まない官能基を形成し、且つ、前記末端のアミン基の他方のアミン基はアミン反応性官能基と反応する、前記方法。
【請求項9】
前記アルデヒド基と前記末端のアミン基の一方のアミン基とを反応させて、前記末端のアミン基の他方のアミン基を含むペンダント成分を有する粒子を形成すること、および
前記末端のアミン基の他方のアミン基と、アミン反応性官能基とを反応させてコンジュゲート体を形成すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記末端のアミン基の一方のアミン基と前記アミン反応性官能基とを反応させて前記末端のアミン基の他方のアミン基を含む成分を有するハプテンを形成すること、および
前記アルデヒド基と末端のアミン基の他方のアミン基とを反応させてコンジュゲート体を形成すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記内側の多糖類層がアミノデキストランであり、且つ、前記外側の多糖類層がデキストランアルデヒドである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ペンダント成分がアルキレン鎖またはポリ(アルキレンエーテル)鎖を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成するための方法であって、前記粒子が内側のアミノデキストラン層と外側のデキストランアルデヒド層とを含み、
アルキレン鎖またはポリ(アルキレンエーテル)鎖および末端のアミン基を含む結合用化合物のアミン基と、前記外側のデキストランアルデヒドのアルデヒド基とを反応させることによって前記粒子上にペンダント成分を形成すること、その際、前記外側のデキストランアルデヒド層への前記ペンダント成分の結合点はアミド結合を含まず、且つ、前記ペンダント成分が末端のアミン基を含む、および
前記ペンダント成分の末端のアミン基とアミン反応性官能基を含むステロイドホルモンとを反応させて、ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成すること
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記粒子がラテックス粒子である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記粒子がラベルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ラベルが化学ルミネセンス組成物および増感剤組成物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステロイドホルモンが、プロゲストゲン、エストロゲン、アンドロゲン、グルコステロイド、ミネラルコルチコイドおよびセコステロイドからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ステロイドホルモンのアミン反応性官能基が、官能化されたケトン、官能化されたアルデヒド、官能化されたアルコール、またはエポキシ基である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ステロイドホルモンのアミン反応性官能基が、カルボキシメトキシルアミン官能化されている、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本開示は、特定の結合対要素に結合された支持体を含むコンジュゲート試薬を製造するための化合物および方法に関する。
【0002】
医療および臨床化学の分野において、1つまたはそれより多くの特定の結合相手を含む支持体が、例えば特定の結合測定法、物質の親和性精製、細胞の分離、酵素法、および薬物送達系において使用される。
【0003】
そのようなコンジュゲート試薬の製造のための手段については継続的なニーズがある。例えば、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在および量の1つまたは両方を正確に測るための測定において使用できるコンジュゲート試薬についての継続的なニーズがある。
【0004】
発明の概要
本願において記載される原理によるいくつかの例は、少なくとも内側の多糖類層および外側の多糖類層を表面上に有する支持体を含む組成物であって、前記外側の多糖類層は各々末端のアミン官能基を含むペンダント成分を有する、前記組成物に関する。外側の多糖類層へのペンダント成分の結合点は、アミド結合を含まない。該組成物を、特定の結合対の要素を粒子にコンジュゲートさせる方法において用いることができる。該方法は、組成物の末端のアミン官能基と、アミン反応性官能基を含む特定の結合対の要素とを反応させることを含む。
【0005】
本願内で記載される原理によるいくつかの例は、ハプテンと粒子との共役物を形成する方法であって、前記粒子が、内側の多糖類層と、アルデヒド基を含む外側の多糖類層とを含む前記方法に関する。該方法は、アミン反応性官能基で官能化されたハプテンと、アルデヒド基との間で、2つの末端のアミン基を含む結合用化合物(linking compound)を用いて、結合を形成することを含む。末端のアミン基の一方が外側の多糖類層のアルデヒド基と反応して、非アミド結合を形成し、且つ、末端のアミン基の他方がハプテンのアミン反応性官能基と反応する。
【0006】
本願内で記載される原理によるいくつかの例は、ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成する方法であって、前記粒子が、内側のアミノデキストラン層と、外側のデキストランアルデヒド層とを含む前記方法に関する。該方法において、アルキレンまたはポリ(エーテルアルキレン)鎖および2つの末端のアミン基を含む結合用化合物のアミン基と、外側のデキストランアルデヒドのアルデヒド基とが反応することによって、各々末端のアミン基を含むペンダント成分が粒子上に形成される。外側のデキストランアルデヒド層へのペンダント成分の結合点は、アミド結合を含まない。ペンダント成分の末端のアミン基は、アミン反応性官能基を含むステロイドホルモンと反応して、ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願内で記載される原理による化合物の製造のための反応スキームの例を図示する。
【0008】
特定の実施態様の詳細な説明
本願内で記載される原理によるいくつかの例において、本発明者らは、支持体と、特定の結合対(sbp)の要素、例えばハプテンとのコンジュゲート体の製造において用いることができる普遍的な試薬を発見した。前記の試薬は、同じ試薬を多数の異なるsbp要素の任意の1つを含む個々の支持体を形成するために用いることができるという点において普遍的である。前記の普遍的な試薬は、sbp要素への結合過程の間、強化された結合効率を示す。得られる支持体とsbp要素とのコンジュゲート体を、分析物の測定において用いることができる。該コンジュゲート体は、コンジュゲート体のsbp要素の部分、例えばハプテンと、測定において用いられる相応のsbp要素、例えばハプテンのための抗体(測定の形式によっては分析物についての抗体でもある)との間の良好な結合親和性を実証する。
【0009】
上述のとおり、本願において記載される原理によるいくつかの例は、少なくとも内側の多糖類層および外側の多糖類層を表面上に有する支持体を含む組成物であって、前記外側の多糖類層は末端のアミン基を含むペンダント成分を有する、前記組成物に関する。外側の多糖類層へのペンダント成分の結合点は、アミド結合を含まない。該組成物を、特定の結合対の要素を粒子にコンジュゲートさせる方法において用いることができる。該方法は、組成物の末端のアミン基と、アミン反応性官能基を含む特定の結合対の要素とを反応させることを含む。
【0010】
「支持体」との用語は、任意の有機または無機の、固体または液体の、水不溶性材料を含み、それは透明であっても、または部分的に透明であってもよい。支持体は、限定されずに、例えば粒子(ビーズを含む)、フィルム、膜、管、井戸、ストリップ、ロッド、平面状の表面、例えばプレート、デンドリマーを含む任意の多数の形状を有することができる。測定の種類によって、支持体は、用いられる媒体中で懸濁可能であってもなくてもよい。懸濁可能な支持体の例は、ポリマー材料、例えばラテックス、脂質二重層またはリポソーム、油滴、細胞、およびヒドロゲルである。他の支持体組成物は、ポリマー、例えばニトロセルロース、酢酸セルロース、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)を含み、例えばそれら自体で、または他の材料と共に使用される。他の支持体は、限定されずに、例えば、多糖類、特に架橋された多糖類、例えばアガロース、デキストラン、セルロース、およびデンプンを含む。
【0011】
支持体が粒子である場合、粒子の平均粒径は少なくとも約0.02ミクロン且つ約100ミクロン以下である。いくつかの例において、粒子は、例えば、約0.05ミクロン〜約20ミクロン、または約0.3ミクロン〜約10ミクロンの平均粒径を有する。粒子は、有機または無機、磁性または非磁性、膨潤性または非膨潤性、多孔性または無孔性の、好ましくは水に近い密度の、一般に約0.7g/mL〜約1.5g/mLの、且つ、透明、部分的に透明、または不透明であり得る材料から構成されてよい。粒子は、生物学的な材料、例えば細胞および微生物、例えば赤血球、白血球、リンパ球、ハイブリドーマ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ウイルスおよびその種のものであってよい。粒子は、有機および無機ポリマー、リポソーム、ラテックス粒子、リン脂質小胞、カイロミクロン、リポ蛋白およびその種のもので構成される粒子であってもよい。いくつかの例において、粒子はラテックス粒子である。
【0012】
「多糖類」との用語は、3またはそれより多くの変性されていない若しくは変性された単糖類単位を含有する炭水化物、例えばアミノデキストラン、デキストランアルデヒド、およびカルボキシデキストランを含むデキストラン、デンプン、グリコーゲン、イヌリン、レバン、マンナン、アガロース、ガラクタンおよびポリリボースを意味する。多糖類は、加水分解されてより単純な単糖類単位になることができる。「デキストラン」との用語は、直鎖の1炭素〜6炭素が結合した(98%)グルコース単位、重合されたグルコースからなる多糖類を意味する。「アミノデキストラン」との用語は、デキストラン分子1つあたり複数のアミン官能基を有するデキストランを意味する。「デキストランアルデヒド」との文言は、デキストラン分子1つあたり複数のアルデヒド官能基を有するデキストランを意味する。
【0013】
「内部の多糖類層」および「外部の多糖類層」との文言は、支持体の表面上の、多糖類の1つの層の多糖類の他の層に対する相対的な位置に関する。内側の多糖類層は、支持体の表面上、外側の多糖類層の内側に配置されるが、外側の多糖類層は、内側の多糖類層上に直接的に配置されていてもいなくてもよい。
【0014】
「末端のアミン基を含むペンダント成分」との文言は、鎖の末端の炭素原子がアミン基を含む、原子の直鎖を含む成分に関する。原子の鎖は、水素原子を算入しないで、例えば約2〜約100個の原子、または2〜約75個の原子、または約2〜約50個の原子、または約2〜約40個の原子、または約2〜約30個の原子、または約2〜約20個の原子、または約2〜約15個の原子、または約2〜約10個の原子、または約3〜約50個の原子、または3〜約40個の原子、または約3〜約30個の原子、または約3〜約20個の原子、または約3〜約15個の原子、または約3〜約10個の原子、または約4〜約30個の原子、または約4〜約20個の原子であってよく、前記原子は各々独立して炭素、酸素、硫黄、窒素およびリンからなる群から選択される。かかるペンダント成分におけるヘテロ原子の数は、結合用化合物のサイズに依存し、且つ、いくつかの例においては、その数は例えば0〜約30、または1〜約25、または約2〜約20、または約2〜約15、または約2〜約10、または約3〜約10、または約3〜約5の範囲内である。ヘテロ原子は1つまたはそれより多くの官能基の形態、例えばエーテル、エステル、アミド、ウレア、カルバメート、スルホンアミド、チオエーテル、ヒドラゾン、ヒドラジン、アミジンおよびリン酸エステルの形態であってよい。直鎖は、1つまたはそれより多くの分枝した原子、例えば第三級炭素原子およびデンドリマーを含んでよい。
【0015】
本願内に記載される原理によるいくつかの例において、ペンダント成分は、アルキレンを含み、前記は分枝または非分枝の飽和した二価の炭化水素基であって、約2〜約30、または約2〜約25、または約2〜約20、または約2〜約15、または約2〜約10、約2〜約5個の炭素原子の鎖を含むことができるものに関する。いくつかの例において、アルキレンは、限定されずに、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレンである。本願内に記載される原理により、アルキレンペンダント成分は末端のアミン基を含む。
【0016】
本願内に記載される原理によるいくつかの例において、ペンダント成分はポリ(アルキレンエーテル)を含み、前記ポリ(アルキレンエーテル)とはエーテル結合とアルキレン成分とが交互になっているものを示す。エーテル結合およびアルキレン成分の数は、約2〜約50、または約2〜約40、または約2〜約30、または約2〜約25、または約2〜約20、または約2〜約15、または約2〜約10、約2〜約5であってよい。いくつかの例において、ポリ(アルキレンエーテル)のアルキレンは、限定されずに、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレンである。いくつかの例において、ペンダント成分は、式−(CH2CH2O)m−または−CH2(CH2CH2O)m−または−(CH2CH2O)m−CH2−によって表すことができ、前記式中、mは約2〜約30、または約2〜約25、または約2〜約20、または約2〜約15、または約2〜約10、約2〜約5、または約2〜約4、または約2〜約3、または約3〜約5、または約3〜約4、または約4〜約5である。本願内に記載される原理により、ポリ(アルキレンエーテル)ペンダント成分は末端のアミン基を含む。
【0017】
外側の多糖類層へのペンダント成分の結合点は、アミド結合を含まない。これは、外側の多糖類層へのペンダント成分の結合が、例えば−C(O)NH−または−NHC(O)−の官能基を含まないことを意味する。「結合点」との文言は、外側の多糖類にペンダント成分を取り付ける間、外側の多糖類層の官能基がペンダント成分の相応の官能基と反応する点に関する。例えば、アルデヒド基を含む外側の多糖類のための結合点は、アルデヒド基であり得る。
【0018】
Sbp要素は、限定されずに、例えば抗体、抗体の断片、レセプター、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド結合タンパク質、レクチン、ハプテン、抗原、免疫グロブリン結合タンパク質、アビジン、ストレプトアビジン、およびビオチンを含む。いくつかの例において、sbp要素はハプテンであり、それは相応の抗体に特異的に結合できるが、抗体の調製に関して、それ自体は免疫原(または抗原)としては作用しない化合物である。ハプテンを識別する抗体を、免疫原(または抗原)担体に結合されたハプテンから構成される化合物に対して調製できる。いくつかの例においてハプテンは疎水性ハプテンであり、疎水性ハプテンとは、親水性媒体中よりも疎水性媒体中でより可溶性であるハプテンである。疎水性ハプテンは、脂溶性であり、それは疎水性ハプテンが、例えば1つまたはそれより多くの脂肪、オイルおよび脂質中で可溶性であることを意味する。いくつかの例において、疎水性ハプテンは、限定されずに、例えばステロイドホルモンを含む。例として、且つ限定されずに、ステロイドホルモンは例えばプロゲストゲン、エストロゲン、アンドロゲン、グルコステロイド(glucosteroid)、ミネラルコルチコイドおよびセコステロイドを含む。本願内に記載される原理によるいくつかの例において、疎水性ハプテンは、例えばプロゲステロン、テストステロン、エストリオール、エストラジオール、コルチゾール、ビタミンDまたはビタミンB12である。
【0019】
上述のとおり、本願内で記載された原理によるいくつかの例は、疎水性ハプテンであり得るハプテンと粒子とのコンジュゲート体を形成する方法であって、前記粒子が、内側の多糖類層と、アルデヒド基を含む外側の多糖類層とを含む前記方法に関する。該方法は、アミン反応性官能基で官能化されたハプテンと、外側の多糖類層のアルデヒド基との間で、2つの末端のアミン基を含む結合用化合物を使用して結合を形成することを含む。末端のアミン基の一方がアルデヒド基と反応して、非アミド官能基を形成し、且つ、末端のアミン基の他方がアミン反応性官能基と反応する。結合用化合物は、2つのアミン基が鎖端にあるアルキレン鎖またはポリ(アルキレンエーテル)鎖を含み、従って結合用化合物は末端ジアミン化合物として称することができる。
【0020】
「アミン反応性官能基」とは、通常、求核性またはアミンの塩基性のおかげで、アミン基と反応性の官能基、例えば、限定されずにアルデヒド、官能化されたアルデヒド、例えばカルボキシメトキシルアミン官能化アルデヒド、ケトン、官能化されたケトン、例えばα−ケトカルボン酸、エポキシ基、官能化されたアルコール、例えばトシレートを意味する。
【0021】
本願内で記載される原理による1つの例において、上記の方法は、外側の多糖類層のアルデヒド基と、結合用化合物の2つの末端のアミン基の一方とを反応させて、結合用化合物の末端のアミン基の他方である末端のアミン基を含むペンダント成分を有する粒子を形成することを含む。ペンダント成分の末端のアミン基は、ハプテンのアミン反応性官能基と反応して、コンジュゲート体を形成する。
【0022】
本願内で記載される原理による他の例において、上記の方法は結合用化合物の2つの末端のアミン基の一方と、ハプテンのアミン反応性官能基とを反応させて、結合用化合物の2つの末端のアミン基の他方である末端のアミン基を含む成分を有するハプテンを形成することを含む。コンジュゲート体は、外側の多糖類層のアルデヒド基と、ハプテンに添加された成分の末端のアミン基とが反応することによって形成される。
【0023】
本願内で記載される原理によるいくつかの例は、ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成する方法であって、前記粒子が、内側のアミノデキストラン層と、外側のデキストランアルデヒド層とを含む前記方法に関する。該方法は、外側のデキストランアルデヒドのアルデヒド基と、アルキレンまたはポリ(アルキレンエーテル)鎖および各々の鎖端に末端のアミン基を含む結合用化合物のアミン基とが反応することによって粒子上にペンダント成分を形成することを含む。外側のデキストランアルデヒド層へのペンダント成分の結合点は、アミド結合を含まない。各々のペンダント成分は、末端のアミン基を含み、それがアミン反応性官能基を含むステロイドホルモンと反応してステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成する。
【0024】
本願内に記載される原理によるいくつかの例において、粒子は、信号を発生させるまたは信号の発生を誘導され得る任意の分子であるラベルを含み、それは、例として且つ限定されずに、例えば化学ルミネセンス化合物(化学ルミネッセス剤)、増感剤、蛍光化合物(蛍光剤)、放射性ラベル、または酵素であってよい。
【0025】
前記ラベルは、直接的に信号を発生させることができ、従って追加的な成分は信号を発生させる必要がない。多数の有機分子、例えば蛍光剤は、紫外線および可視光を吸収することができ、その際、光吸収がそれらの分子へのエネルギーに変わり、それらを励起エネルギー準位に上げる。この吸収されたエネルギーは、その後、第二の波長での光の放出によって消散する。直接的に信号を発生させる他のラベルは、放射性同位体および染料を含む。
【0026】
選択的に、該ラベルは信号を発生させるために他の成分を必要とすることがある。前記成分を伴うラベルは、測定可能な信号を発生するために必要とされる全ての成分を含む信号発生系(sps)を含む。そのような他の成分は、限定されずに、基質、コエンザイム、失活剤、増強剤、追加的な酵素、酵素生成物と反応する物質、触媒、活性剤、共同因子、阻害剤、補集剤、金属イオンおよび信号発生物質を結合するために必要とされる特定の結合物質を含む。
【0027】
適したラベルは、例として且つ限定されずに、例えば染料; 蛍光剤、例えばフルオレセイン、ローダミン化合物、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、蛍光性希土類キレート、およびフルオレスカミン; 化学ルミネセンス剤、例えばイソルミノール、およびアクリジニウム化合物; 増感剤、例えばエオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、ヘマトポルフィリン、フタロシアニン、クロロフィル、ローズベンガルを含む。「信号発生系」とは、本願内で使用される場合、結合されたラベルおよび/または結合されていないラベルの量、つまり、検出される化合物に結合された若しくは結合されていないラベルの量に関連して、検出可能な信号を発生させる検出可能なラベルである1つまたはそれより多くの成分、少なくとも1つの成分を意味する。該ラベルは、例えば、直接的な結合または間接的な結合、吸着、吸収、混合、または溶解によって支持体に結合され得る。
【0028】
本願内に記載される原理によるいくつかの例において、支持体は、ラテックス粒子である。いくつかの例において、ラテックス粒子はラテックス粒子内に混合されたラベルを含む。いくつかの例において、該ラベルは、例えば、化学ルミネセンス組成物または増感剤組成物である。いくつかの例において、試薬コンジュゲート体の疎水性ハプテンは、例えばプロゲストゲン、エストロゲン、アンドロゲン、グルコステロイド、ミネラルコルチコイドおよびセコステロイドからなる群から選択される。
【0029】
試薬コンジュゲート体の調製
試薬およびコンジュゲート体の合成例を、例として且つ限定されずに、図1を参照しながら説明する。他の手段を用いて、本願内に記載される原理に則って試薬およびコンジュゲート体を形成することができる。図1に図示される例において、中に化学ルミネセンス化合物(染料)を混合され且つ内側のアミノデキストラン層(Amdex)および外側のデキストランアルデヒド層(Dexal)を有するラテックス粒子1(EPRM)を、米国特許第7179660号に記載される手順と同様の手順によって調製する。外部のデキストランアルデヒド層上のアルデヒド基は、還元的アミノ化条件下でエチレンジアミン2と反応して、エチレン鎖および末端のアミン基を含むペンダント成分を有する試薬3(EPRM−EDA)を形成する。還元的アミノ化条件は、還元剤、例えば金属水素化物(例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウム)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの使用を含む。反応を、水性媒体中で、反応の間、約20℃〜約100℃、または約30℃〜約50℃の温度で、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約24時間の間、行う。ペンダント成分と外側のデキストランアルデヒド層との結合点3aは、第二級アミン結合を含む。
【0030】
試薬3をカルボキシメトキシルアミン活性化エストラジオール4と反応させて、ラテックス粒子1に結合されたエストラジオールを有するコンジュゲート試薬5を形成する。反応を、まず、カルボキシメトキシルアミン活性化エストラジオール4と、活性剤、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)とを、水性媒体中、約15℃〜約40℃、または約20℃〜約30℃の温度、または周囲温度で、約1時間〜約5時間、または約1時間〜約3時間の間、混合することによって行い、その後、試薬3を添加する。試薬3の添加後、前記の媒体を、約15℃〜約40℃、または約20℃〜約30℃、または周囲温度で、約1時間〜約48時間、または約5時間〜約24時間の間、撹拌する。
【0031】
本願のコンジュゲート体を使用した測定の一般的な説明
本願内で記載される原理によって調製された支持体とsbp要素とのコンジュゲート体の例を、試料中の分析物を測るための測定においてラベル試薬として用いることができる。
【0032】
測定を、任意の測定成分または生成物の分離なく(均一系)、または分離して(不均一系)、実施することができる。均一系測定は通常、1つまたはそれより多くの分離段階を含み、且つ、競合型または非競合型であってよい。免疫測定は、ラベル付けされた若しくはラベル付けされていない試薬を必要とすることがある。ラベル付けされていない試薬を必要とする免疫測定は通常、本願内で記載される原理による免疫原コンジュゲート体から調製される1つまたはそれより多くの抗体を伴う比較的大きな複合体の形成を含む。そのような測定は例えば、免疫沈降および凝集法、および相応の光散乱技術、例えば抗体複合体の検出のためのネフェロメトリーおよびタービジメトリーを含む。ラベル付けされた免疫測定は、限定されずに、例えば化学ルミネセント免疫測定、酵素免疫測定、蛍光分極免疫測定、放射免疫測定、阻害測定、誘導ルミネセンス測定、および蛍光酸素チャネリング測定(oxygen channeling assay)を含み、その際、本願内で記載される原理によるラベルコンジュゲート体が測定において用いられる。
【0033】
一般的な群の免疫測定は、限定的な濃度の本願のコンジュゲート試薬を使用する免疫測定を含む。他の群の免疫測定は、過剰量の1つまたはそれより多くの主たる試薬、例えば過剰量の本願のコンジュゲート試薬の使用を必要とする。他の群の免疫測定は、分離のない均一系測定であって、その際、本願内に記載される原理によるラベル付けされた試薬が、試料中の抗体への本願のコンジュゲート体の結合に際してラベルの信号を変調する。
【0034】
上述のとおり、測定を、任意の測定成分または生成物の分離なく(均一系)、または分離して(不均一系)、実施することができる。均一系の免疫測定を以下に例示する: EMIT(登録商標)測定 (Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、Deerfield、IL)、Rubenstein, et al.、米国特許第3817837号、第3欄、6行目〜第6欄、64行目内に開示; 免疫蛍光法、例えばUllman, et al.、米国特許第3996345号、第17欄、59行目〜第23欄、25行目内に開示されるもの; 酵素チャネリング免疫測定(「ECIA」)、例えばMaggio, et al.、米国特許第4233402号、第6欄、25行目〜第9欄、63行目内に開示されるもの; 蛍光分極免疫測定(「FPIA」)、例えば、とりわけ米国特許第5354693号内に開示されるもの; および酵素免疫測定、例えば酵素結合免疫吸着測定(「ELISA」)。不均一系測定の例は、Yalow, et al.、J. Clin. Invest. 39:1157 (1960)内に開示される放射免疫測定である。上記の開示の関連箇所は、参照をもって本願内に全て含まれるものとする。
【0035】
他の酵素免疫測定は、Ngo and Lenhoff, FEBS Lett. (1980) 116:285−288によって論じられた酵素調節媒介免疫測定(「EMMIA」); Oellerich, J. Clin. Chem. Clin. Biochem. (1984) 22:895−904によって開示された基質ラベル付け蛍光免疫測定([SLFIA」); Khanna, et al., Clin. Chem. Acta (1989) 185:231−240によって開示された組み合わせ酵素ドナー免疫測定(combined enzyme donor immunoassay)(「CEDIA」); 均一系粒子ラベル付け免疫測定、例えば粒子強化比濁阻害免疫測定(「PETINIA」)、粒子強化比濁免疫測定(「PETIA」)等、およびその種のものである。
【0036】
他の測定は、ゾル粒子免疫測定(「SPIA」)、分散染料免疫測定(「DIA」); メタロ免疫測定(「MIA」); 酵素膜免疫測定(「EMIA」); 発光免疫測定(「LIA」)などを含む。他の種類の測定は、抗体に結合する際の本願のコンジュゲート体の光学特性、音響特性および電気特性における変化をモニターすることを必要とする免疫センサ測定を含む。そのような測定は、例えば光学免疫センサ測定、音響免疫センサ測定、半導体免疫センサ測定、電気化学的変換器免疫センサ測定、電位差(potentiometric)免疫センサ測定、電流電極測定を含む。
【0037】
均一系測定は通常、1つまたはそれより多くの分離段階を含み、且つ、競合型または非競合型であってよい。様々な競合型および非競合型の均一系測定形式が、Davalian, et al.、米国特許第5089390号、第14欄、25行目〜第15欄、9行目内に開示されており、前記文献は参照をもって本願内に含まれるものとする。競合型の不均一系測定の例において、結合される分析物のための抗体を有する支持体が、分液物を含有すると疑われる試料と本願内に記載される原理によるラベル付けされたコンジュゲート体とを含有する媒体と接触される。試料中の分析物は、分析物のための抗体に結合するための検出可能なラベルを有する本願のコンジュゲート体と競合する。支持体および媒体の分離後、支持体または媒体のラベルの活性が従来の技術によって測定され、試料中の分析物の量と関連付けられる。
【0038】
いくつかの例においては、分析されるべき試料を、分析物のための抗体と本願内で記載される原理によるラベル付けされたコンジュゲート体とを有する測定媒体中で混合する。媒体を、分析物および分析物のための抗体を含む複合体の存在および量の一方または両方について検査し、その際、そのような複合体の存在および/または量は、試料中の分析物の存在および/または量を示す。
【0039】
分析されるべき試料は、分析物の含有が疑われるもの、つまり、目的の化合物である。該試料は好ましくは、哺乳類の対象、例えばヒト若しくは他の動物種に由来し、且つ、生物学的流体、例えば全血、血清、血漿、痰、リンパ液、精液、膣粘液、便、尿、髄液、唾液、糞、脳脊髄液、涙、粘液、およびその種のもの; 生物学的細胞、例えば髪、肌、臓器または他の身体の部分からの一部または摘出された組織などを含む。多くの場合において、試料は全血、血漿または血清である。
【0040】
試料を任意の適切な媒体中で調製できる。適宜、試料を測定媒体中で調製してもよく、これについては以下により詳細に説明する。いくつかの場合において、試料への前処理、例えば血球の溶解をしてもよい。いくつかの例において、そのような前処理を、引き続き測定と干渉しない媒体中で実施する。
【0041】
該測定は通常、一般に最適な測定感度をもたらす、中程度のpHで緩衝された水性媒体中で行われる。該水性媒体は単なる水であってもよいし、0.1〜約40容積パーセントの助溶剤を含んでもよい。媒体についてのpHは、約4〜約11の範囲内、または約5〜約10の範囲内、または約6.5〜約9.5の範囲内である。pHは通常、任意の特定の結合対の結合要素の最適な結合、測定の他の試薬、例えば信号発生系の要素のために最適なpHなどの間で折り合いをつける。所望のpHを達成し且つ測定の間そのpHを保持するために、様々な緩衝液を使用できる。例示的な緩衝液は、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、トリス、バルビタール、PIPES、HEPES、MES、ACES、MOPS、BICINEおよびその種のものを含む。用いられる特定の緩衝液は決定的ではないが、しかし、個々の測定において、1つまたは他の緩衝液が好ましいことがある。
【0042】
該測定方法において、様々な補助的な材料を用いることができる。例えば、緩衝液の他に、媒体は媒体および用いられる試薬のための安定剤を含んでよい。いくつかの実施態様において、それらの添加剤の他に、タンパク質、例えばアルブミン; 有機溶剤、例えばホルムアルデヒド; 四級アンモニウム塩; 多価アニオン、例えば硫酸デキストラン、結合強化剤、例えばポリアルキレングリコール; 多糖類、例えばデキストラン、トレハロースまたはその種のものが含まれてよい。媒体は、血餅の形成を防ぐための薬剤を含んでもよい。そのような薬品は当該技術分野でよく知られており、且つ、例えばEDTA、EGTA、クエン酸塩、ヘパリンおよびその種のものを含む。媒体は、当該技術分野で公知の1つまたはそれより多くの保存料、例えばアジ化ナトリウム、硫酸ネオマイシン、PROCLIN(登録商標) 300、ストレプトマイシンおよびその種のものを含んでもよい。用いられる場合、上記の材料のいずれも、所望の効果または機能を達成するために充分な濃度または量で存在する。
【0043】
用いられる測定の性質に依存して、媒体は1つまたはそれより多くの成分、例えばその一部がラベルである信号発生系の他の要素を含んでよい。
【0044】
1またはそれより多くの保温時間を、上述のものを含む測定において用いられる様々な試薬の添加の間の任意の間隔を含む1またはそれより多くの間隔で、媒体に適用することができる。媒体は通常、様々な成分の結合および試料中の分析物の結合が生じるために充分な温度で且つ充分な時間、保温される。中程度の温度、および通常は定温、好ましくは室温が、測定時間の間、該方法を行うために通常用いられる。いくつかの例において、保温温度は、約5℃〜約99℃、または約15℃〜約70℃、または約20℃〜約45℃の範囲である。保温のための時間は、いくつかの例において、約0.2秒〜約24時間、または約1秒〜約6時間、または約2秒〜約1時間、または約1分〜約15分である。前記の時間は媒体の温度および様々な試薬の結合割合に依存し、前記結合割合は会合速度定数、濃度、結合定数、および解離速度定数によって測定される。
【0045】
分析物の含有が疑われる試料中での分析物を測定するための方法の例において、混合物が媒体中にもたらされ、その際、前記混合物は試料、分析物のための抗体、および本願内で記載される原理によるラベルコンジュゲート体を含む。媒体を、分析物および分析物のための抗体を含む複合体の存在および量の1つまたは両方について試験する。複合体の存在および/または量は、試料中の分析物の存在および/または量を示す。
【0046】
いくつかの公知の測定は、第一のsps要素および第二のsps要素を用いる信号発生系(sps)を使用する。「第一の」および「第二の」との呼称は、完全に任意のものであり、且つ、sps要素の中でのいかなる順序または準位付け、または本願の方法におけるsps要素の添加のいかなる順序も示唆することを意味するものではない。前記のsps要素は、spsの一つの要素の活性化が、生成物、例えば光を生成し、それがspsの他の要素の活性化をもたらすという点において関連していることがある。
【0047】
公知の測定のいくつかの態様において、sps要素は増感剤、例えば光増感剤、および化学ルミネセンス組成物を含み、その際、増感剤の活性化が、化学ルミネセンス組成物を活性化する生成物をもたらす。第二のsps要素は通常、結合されたおよび/または結合されていないsps要素の量、つまり、検出される分析物に、または検出されるべき分析物の量を反映する薬剤に結合されているか若しくは結合されていないsps要素の量と関連する検出可能な信号を生成する。本願内で記載される原理によるいくつかの例において、増感剤試薬または化学ルミネセンス試薬のいずれか1つが、本願内で記載される原理によって調製されたコンジュゲート試薬である。使用できる光増感剤および化学ルミネセンス試薬の例は、米国特許第5340716号および第6251581号内に示されているものであり、その関連する開示は参照をもって本願内に開示されるものとする。
【0048】
特定の例において、誘導ルミネセンス免疫測定を用いてよい。誘導ルミネセンス免疫測定については、米国特許第5340716号(Ullman)が参照され、その開示は参照をもって本願内に開示されるものとする。該測定は、光増感剤試薬および化学ルミネセンス試薬を用いる。1つの手段において、該測定は、光増感剤試薬としてラベル・粒子のコンジュゲート体を使用し、その際、粒子コンジュゲート体のラベルが光増感剤であり、且つ、該ラベル・粒子のコンジュゲート体が本願内で記載される原理によるものである。化学ルミネセンス試薬は、分析物のための抗体を含む。分析物は、分析物用の抗体のための、コンジュゲート体のハプテンとしての分析物を含む粒子コンジュゲート体と競合する。分析物が存在する場合、化学ルミネセンス化合物に接近するラベル付けされた粒子コンジュゲート体の分子の数はより少数である。従って、測定信号が減少する。光増感剤は、一重項酸素を生成し、且つ、2つのラベルが接近している際に化学ルミネセンス試薬を活性化させる。活性化された化学ルミネセンス試薬は次に、光を生成する。生成された光の量は、形成された複合体の量と関連し、それは試料中に存在する分析物の量と関連する。
【0049】
誘導ルミネセンス免疫測定の他の特定の例において、該測定法は、化学ルミネセンス試薬として、粒子コンジュゲート体のラベルが化学ルミネセンス化合物である、本願内に記載される原理によるラベル・粒子のコンジュゲート体を使用する。該光増感剤試薬は、分析物のための抗体を含む。分析物は、分析物用の抗体に結合するための粒子コンジュゲート体と競合する。分析物が存在する場合、光増感剤試薬に接近するラベル付けされた粒子コンジュゲート体の分子の数はより少数である。従って、測定信号が減少する。光増感剤は、一重項酸素を生成し、且つ、2つのラベルが接近している際に化学ルミネセンス化合物を活性化させる。活性化された化学ルミネセンス化合物は次に、光を生成する。生成された光の量は、形成された複合体の量と関連し、それは試料中に存在する分析物の量と関連する。
【0050】
一般に測定され得る分析物の濃度は、約10-5〜約10-17M、より一般には約10-6〜約10-14Mにわたる。例えばその測定が、定性的、半定量的、または定量的(試料中に存在する分析物の量に関して)であるかどうかなどの考慮、特定の検出技術および分析物の予期される濃度によって、通常、様々な試薬の濃度を決定する。
【0051】
測定媒体中の様々な試薬の濃度は一般に、目的の分析物の濃度範囲、測定の性質およびその種のものによって決定される。しかしながら、各々の試薬の最終的な濃度は通常、目的の範囲にわたる測定の感度を最適化するように、実験的に決定される。即ち、分析物の濃度における変動は重要なので、正確に測定可能な信号の差異をもたらすべきである。例えば信号発生系の性質および分析物の性質などを考慮し、通常、様々な試薬の濃度を決定する。
【0052】
上述のとおり、試料および試薬は、媒体と組み合わされて提供される。媒体への添加の順序は変化してもよいが、本願内に記載される測定形式のいくつかの実施態様については特定の選好がある。当然、最も単純な添加の順序は、全ての材料を同時に添加し、均一系測定における際に測定媒体が信号に及ぼす作用を測定することである。選択的に、各々の試薬または試薬の群を順次、組み合わせることができる。いくつかの実施態様において、保温段階が、上記で議論されたように各々の添加に続いて必要とされることがある。不均一系測定においては、1つまたはそれより多くの保温段階の後に、洗浄段階も用いられることがある。
【0053】
検査段階
測定方法の次の段階において、媒体を、分析物および分析物のための抗体を含む複合体の存在に関して検査する。複合体の存在および/または量は、試料中の分析物の存在および/または量を示す。
【0054】
「分析物の量の測定」との文言は、分析物の定量的な測定、半定量的な測定、および定性的な測定に関する。定量的、半定量的および定性的である方法、並びに分析物を測るための他の全ての方法が、分析物の量を測る方法であるとみなされる。例えば、分析物の含有が疑われる試料内の分析物の存在若しくは不在を単に検出する方法は、本発明の範囲に含まれるとみなされる。「検出する」および「測定する」との用語、並びに測定についての他の一般的な同義語は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0055】
多くの実施態様において、媒体の検査は、媒体からの信号の検出を必要とする。信号の存在および/または量は、試料中の分析物の存在および/または量と関連する。検出の特定のモードは、spsの性質に依存する。上記で議論されたとおり、spsのラベルが外部手段によって検出可能な信号を発生できる多数の方法がある。信号発生系の活性化は、信号発生系の要素の性質に依存する。
【0056】
測定の間の温度は、一般に、約10℃〜約70℃、または約20℃〜約45℃、または約20℃〜約25℃の範囲である。1つの手段においては、分析物の公知の濃度を使用して標準曲線を形成する。校正物質および他のコントロールを使用してもよい。
【0057】
任意のラベルから生成されるルミネセンスまたは光を、視覚により、写真により、化学光量測定により、分光法により、例えば光電子増倍管またはフォトダイオードを使用することによって、または、それらの量を測るための任意の他の適切な手段によって測ることができ、前記ルミネセンスまたは光が媒体中の分析物の量と関連している。信号の存在および/または量についての検査は、信号の検出も含み、それは一般には単に信号が読み取られる段階である。信号は通常、機器を使用して読み取られ、前記機器の性質は信号の性質に依存する。前記機器は、限定されずに、例えば分光光度計、蛍光光度計、吸収分光計、照度計および化学照度計であってよい。
【0058】
測定を実施するための試薬を含むキット
本願内に記載される原理による、ラベル付けされた支持体コンジュゲート体、例えばラベル付けされた粒子コンジュゲート体、および分析物について特定の測定を行うための他の試薬が、分析物を測るための測定を適切に実施するために有用なキット中に存在してよい。該キットはさらに、測定を実施するための他の試薬を含んでよく、前記試薬の性質は特定の測定形式に依存する。
【0059】
該試薬は、試薬の交差反応性および安定性に依存して、各々、別々の容器内にあってもよいし、または様々な試薬が1つまたはそれより多くの容器中で混合されていてもよい。該キットはさらに、測定を実施するための別途にパッケージングされた別の試薬、例えば追加的なsbp要素、sps要素、補助的な試薬を含むことができる。
【0060】
キット中の様々な試薬の相対的な量は、幅広く変化でき、本願の方法の間に生じなければならない反応を本質的に最適化し、且つさらに測定の感度を本質的に最適化する試薬濃度をもたらす。適切な環境下で、キット中の1つまたはそれより多くの試薬を、付形剤を含む乾燥粉末として、通常は凍結乾燥された乾燥粉末としてもたらすことができ、それは溶解に際して、本願内で記載される原理によるラベル・粒子のコンジュゲート体を使用する方法または測定を実施するために適切な濃度を有する試薬溶液をもたらす。該キットはさらに、本願内で記載される原理によるコンジュゲート体を含む試薬の使用方法の記載物を含むことができる。
【0061】
「少なくとも」との文言は、本願内で使用される場合、特定の項目の数が、挙げられた数以上であってよいことを意味する。「約」との文言は、本願内で使用される場合、挙げられた数が±10%だけ異なってよいことを意味し、例えば「約5」は、4.5〜5.5の範囲を意味する。
【0062】
以下の議論は、例として且つ限定されずに、本願内で記載される原理による特定の例に関し、前記の特定の例は、本開示の範囲および特許請求の範囲を限定することは意図されていない。本開示の主旨および範囲から逸脱しない限り、多数の修正および代替的な組成、方法、および系が考案できる。
【0063】
実施例
特段記載されない限り、以下の実験における材料を、Sigma−Aldrich Chemical Corporation(St. Louis MO)から購入できる。
【0064】
定義:
hr = 時間
rpm =毎分回転数
mg = ミリグラム
ng = ナノグラム
pg = ピコグラム
g = グラム
mL = ミリリットル
℃ = 摂氏度
min = 分
sec = 秒
conc = 濃縮された
DI = 蒸留水
MES = 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
EDA = エチレンジアミン
NHS = N−ヒドロキシスクシンイミド
MeOP = 1−メトキシ−2−プロパノール
PEO4 = 4つの繰り返しエチレンオキシド単位を有するポリ(エチレンオキシド)
UPA = Ultra Particle Analyzer
DTT =ジチオスレイトール
Me = メチル
Et = エチル
Ac = アセテート
kDa = キロダルトン
TLC =薄層クロマトグラフィー
Rf = 遅延係数
kcount = キロカウント。
【0065】
EPRM−EDAビーズの調製:
EPRMビーズ(2000mg、20.0mL)を40mLのバイアルに添加する。EPRMビーズを米国特許第7179660号に記載される手順と同様の手順によって調製し、且つ、化学ルミネセンス化合物は、ユーロピウムキレートを有する2−(4−(N,N,ジテトラデシル)−アニリノ−3−フェニルチオキセンである。EDA(800mg、890μL)を10mLのMES pH 6緩衝液(「緩衝液」)および約4.2mLの6N HC1と混合する。混合物のpHは、約6.9であるか、または約6.9であるように調節される。EDA溶液をEPRMビーズに、ボルテックスしながら添加して、該混合物を室温で15分間揺する。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(400mg)を、15mLのバイアル内で10mLのDI水と混合し、且つ、その混合した物を上記からのビーズ混合物に添加する。該混合物を37℃で18〜20時間振盪する。ビーズを6つの40mLの遠心管に移す。MES緩衝液を添加して、容積を35mLにし、且つ、該混合物を19000rpmで30分間、遠心分離する。上澄み液を傾瀉し、且つ、ビーズを2mLの緩衝液中に攪拌棒を用いて再懸濁させ、且つ、追加的な緩衝液を添加して35mLにする。該混合物を18ワットの電力で30秒間、氷を使って混合物を冷たく保ちながら音波処理する。洗浄/音波処理段階を4回実施して、全ての活性化化学物質を除去する。最後のMES緩衝液の遠心分離後、5%のMeOPおよび0.1%のTWEEN(登録商標)20(「第二の緩衝液」)を含有する2mLの緩衝液を、再懸濁段階のための管に添加する。追加的な第二の緩衝液を添加して35mLにし、その後、音波処理する。ビーズ懸濁液を、19000rpmで30分間、遠心分離する。上澄みを廃棄する。各々の管内での12mLの第二の緩衝液を使用した最終的な音波処理により、25mg/mLの希釈液を得る。UPA機器(Microtrac Inc.、Montgomery ville PA)において測定した粒径は277nmである。
【0066】
EPRM−EDAビーズとエストリオール−6−CMO NHSエステルとの結合
活性化ステロイド−CMOを、2mLのバイアルに5.0mgのエストリオール−6−CMO、EDAC(12mg)およびNHS(16mg)および1.25mLの乾燥アセトニトリルを添加することによって調製する。バイアルの内容物を力強くボルテックスする。該混合物を室温で120分間、撹拌しておく。TLC(EtOAc:EtOH=3:1)は、出発ステロイド材料がないことを示す。Rf (NHSエステル)=0.8; Rf (6−ケトエストリオール−6−CMO)=0.05。25mLのバイアルに、撹拌しながら上記からの16mL(400mg)のビーズ懸濁液、上記からの4.32mg(1.08mL)の活性化エストリオール−CMOを滴下することによって、活性化ステロイド−CMOを、EPRM−EDAビーズに結合させる。添加の完了後、混合物を20時間、室温で撹拌する。得られるビーズを、上記の混合物を40mLの遠心管に移すことによって洗浄する。第二の緩衝液を管に添加して35mLにする。遠心分離を19000rpmで30分間行う。上澄み液を傾瀉し、且つ、ビーズを10mLの第二の緩衝液中に攪拌棒を用いて再懸濁させる。追加的な第二の緩衝液を添加して35mLにする。該管を18ワットの電力で60秒間、氷を使って管を冷たく保ちながら音波処理に供する。ビーズを上記のとおりに遠心分離し、第二の緩衝液を用いてさらに3回、洗浄する。ビーズをハプテン洗浄緩衝液(50mMのHEPES、300mMのNaCl、1mMのEDTA、0.01%の硫酸ネオマイシン、0.1%のTRITON(登録商標) 405Xおよび0.15%のPROCLIN(登録商標) 300、pH7.2)中に再懸濁させ、さらに2回洗浄する。最終的な再懸濁液を10mL使用して10mg/mLの懸濁液をもたらし、且つ、30秒間音波処理する。約275nmの粒径がUPA機器において測定される。得られるビーズはEPRM−EDA−エストラジオールビーズと称される。
【0067】
エストリオール分析物についての測定
DIMENSION VISTA(登録商標)分析器(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.、Deerfield、IL)において、誘導ルミネセンス測定のための製造元のプロトコルに従い、且つ、様々な量のエストラジオールを含有する試料溶液を使用して測定を行った。この例において、測定法は、化学ルミネセンス試薬として、粒子コンジュゲート体のラベルが化学ルミネセンス化合物である、本願内に記載される原理によるラベル・粒子のコンジュゲート体を使用する。光増感剤試薬は、ストレプトアビジン増感剤粒子とビオチン化抗体とが結合することによる、分析物のための抗体を含む。分析物は、分析物用の抗体に結合するための粒子コンジュゲート体と競合する。分析物が存在する場合、光増感剤試薬に接近するラベル付けされた粒子コンジュゲート体の分子の数はより少数である。従って、測定信号が減少する。光増感剤は、一重項酸素を生成し、且つ、2つのラベルが接近している際に化学ルミネセンス化合物を活性化させる。活性化された化学ルミネセンス化合物は次に、光を生成する。生成された光の量は、形成された複合体の量と関連し、それは試料中に存在する分析物の量と関連する。
【0068】
ストレプトアビジン−増感剤ビーズ(「増感ビーズ」)を米国特許第6153442号、7022529号、7229842号、および米国特許出願公開第20050118727号Aに記載される方法と類似した方法を使用して調製する。光増感剤は、ビス−(トリヘキシル)−ケイ素−t−ブチル−フタロシアニンであった。上述のとおりに調製されたEPRM−EDA−エストリオールは、「化学ビーズ試薬」として用いられた。ビオチン化された抗体試薬を、エストリオールについて特異的な単クローン抗体(Bioventix、Farnham Surrey、UK)製の、ヒツジの単クローン)を使用し、且つ、抗体のアミン基をNHS−PE04−ビオチン(Pierce Chemical Company、Rockford IL)との反応によってビオチン化して、米国特許出願公開第2009/0258435号A1内に記載されたように調製し、前記文献の関連箇所は参照をもって本願内に含まれるものとする。
【0069】
t=ゼロ秒の時点で、20μLのビオチン化された抗体試薬および20μLの水を反応容器に添加した。試料12μLを21.6秒後に添加し、次に8μLの水を添加した。t=414.0秒の時点で、40μLの化学ビーズ試薬を添加し、次に20μLの水を添加した。その後、増感ビーズ試薬を457.2秒の時点で配量した。測定を、反応シーケンスの開始後、601.2秒行った。
【0070】
結果を以下の表1に要約する。
【0071】
【表1】
【0072】
上述の手順と同様の手順を使用し、且つ、疎水性ハプテン、プロゲステロン、テストステロンおよびビタミンDを使用して、上記の実験を繰り返す。プロゲステロンについての結果を表2に要約する。
【0073】
【表2】
【0074】
本明細書内で引用される全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が特定且つ個々に、参照をもって含まれることが示された場合と同様に、参照をもって本願内に含まれるものとする。
【0075】
上述の例は、本願内に記載される原理を表す多くの特定の例のいくつかを単に例示したものであることを理解すべきである。明らかに、当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の取り合わせを容易に考案できる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2014年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも内側の多糖類層と外側の多糖類層とを表面上に有する支持体を含む組成物であって、前記外側の多糖類層が、各々末端のアミン基を含むペンダント成分を有し、前記ペンダント基の外側の多糖類層への結合点がアミド結合を含まない、前記組成物。
【請求項2】
前記支持材が粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記内側の多糖類層がアミノデキストランであり、且つ、前記外側の多糖類層がデキストランアルデヒドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ペンダント成分がアルキレンまたはポリ(アルキレンエーテル)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
特定の結合対の要素を支持体にコンジュゲートさせる方法であって、請求項1に記載の組成物の末端のアミン基と、アミン反応性官能基を含む特定の結合対の要素とを反応させることを含む、前記方法。
【請求項6】
前記特定の結合対の要素がハプテンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ハプテンがホルモンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ハプテンと粒子とのコンジュゲート体の形成方法であって、前記粒子が内側の多糖類層と、アルデヒド基を含む外側の多糖類層とを含み、アミン反応性官能基で官能化されたハプテンとアルデヒド基との間で、2つの末端のアミン基を含む結合用化合物を用いて結合を形成することを含み、前記末端のアミン基の一方のアミン基はアルデヒド基と反応してアミド結合を含まない官能基を形成し、且つ、前記末端のアミン基の他方のアミン基はアミン反応性官能基と反応する、前記方法。
【請求項9】
前記アルデヒド基と前記末端のアミン基の一方のアミン基とを反応させて、前記末端のアミン基の他方のアミン基を含むペンダント成分を有する粒子を形成すること、および
前記末端のアミン基の他方のアミン基と、アミン反応性官能基とを反応させてコンジュゲート体を形成すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記末端のアミン基の一方のアミン基と前記アミン反応性官能基とを反応させて前記末端のアミン基の他方のアミン基を含む成分を有するハプテンを形成すること、および
前記アルデヒド基と末端のアミン基の他方のアミン基とを反応させてコンジュゲート体を形成すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記内側の多糖類層がアミノデキストランであり、且つ、前記外側の多糖類層がデキストランアルデヒドである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ペンダント成分がアルキレン鎖またはポリ(アルキレンエーテル)鎖を含む、請求項に記載の方法。
【請求項13】
ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成するための方法であって、前記粒子が内側のアミノデキストラン層と外側のデキストランアルデヒド層とを含み、
アルキレン鎖またはポリ(アルキレンエーテル)鎖および末端のアミン基を含む結合用化合物のアミン基と、前記外側のデキストランアルデヒドのアルデヒド基とを反応させることによって前記粒子上にペンダント成分を形成すること、その際、前記外側のデキストランアルデヒド層への前記ペンダント成分の結合点はアミド結合を含まず、且つ、前記ペンダント成分が末端のアミン基を含む、および
前記ペンダント成分の末端のアミン基とアミン反応性官能基を含むステロイドホルモンとを反応させて、ステロイドホルモンと粒子とのコンジュゲート体を形成すること
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記粒子がラテックス粒子である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記粒子がラベルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ラベルが化学ルミネセンス組成物および増感剤組成物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ステロイドホルモンが、プロゲストゲン、エストロゲン、アンドロゲン、グルコステロイド、ミネラルコルチコイドおよびセコステロイドからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ステロイドホルモンのアミン反応性官能基が、官能化されたケトン、官能化されたアルデヒド、官能化されたアルコール、またはエポキシ基である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ステロイドホルモンのアミン反応性官能基が、カルボキシメトキシルアミン官能化されている、請求項13に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
他の酵素免疫測定は、Ngo and Lenhoff, FEBS Lett. (1980) 116:285−288によって論じられた酵素調節媒介免疫測定(「EMMIA」); Oellerich, J. Clin. Chem. Clin. Biochem. (1984) 22:895−904によって開示された基質ラベル付け蛍光免疫測定([SLFIA」); Khanna, et al., Clin. Chem. Acta (1989) 185:231−240によって開示されたクローン化酵素ドナー免疫測定(cloned enzyme donor immunoassay)(「CEDIA」); 均一系粒子ラベル付け免疫測定、例えば粒子強化比濁阻害免疫測定(「PETINIA」)、粒子強化比濁免疫測定(「PETIA」)等、およびその種のものである。
【国際調査報告】