特表2015-515087(P2015-515087A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江鋭迪生光電有限公司の特許一覧

特表2015-515087LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ
<>
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000003
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000004
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000005
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000006
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000007
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000008
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000009
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000010
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000011
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000012
  • 特表2015515087-LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-515087(P2015-515087A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(54)【発明の名称】LED発光柱及びそれを用いたLEDランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150424BHJP
   F21V 29/00 20150101ALI20150424BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20150424BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20150424BHJP
   F21V 3/04 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 9/16 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 15/04 20060101ALI20150424BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20150424BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20150424BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150424BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21V29/00 111
   F21V29/00 510
   F21S2/00 216
   F21V19/00 170
   F21V19/00 150
   F21V19/00 450
   F21V19/00 234
   F21V19/00 233
   F21V23/00 120
   F21V23/00 150
   F21V23/00 160
   F21V23/06
   F21V3/00 510
   F21V3/04 500
   F21V9/16 100
   F21V7/00 510
   F21V3/00 100
   F21V15/04
   F21V17/00 154
   H01L33/00 450
   F21Y101:02
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-561275(P2014-561275)
(86)(22)【出願日】2013年3月11日
(85)【翻訳文提出日】2014年10月29日
(86)【国際出願番号】CN2013072411
(87)【国際公開番号】WO2013135153
(87)【国際公開日】20130919
(31)【優先権主張番号】201210063705.9
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201220184752.4
(32)【優先日】2012年4月26日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210211538.8
(32)【優先日】2012年6月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201220578926.5
(32)【優先日】2012年11月5日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201220678171.6
(32)【優先日】2012年12月6日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210591074.8
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201320016905.9
(32)【優先日】2013年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201320089879.2
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】512243247
【氏名又は名称】浙江鋭迪生光電有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】▲葛▼ 世 潮
(72)【発明者】
【氏名】▲葛▼ ▲曉▼勤
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 化 斌
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
3K014
3K243
5F142
【Fターム(参考)】
3K011AA09
3K011FA00
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA06
3K013CA07
3K013CA09
3K013CA16
3K013EA03
3K013EA09
3K013EA13
3K014AA01
3K014HA03
3K014LA01
3K014LB04
3K243MA01
5F142AA23
5F142AA25
5F142AA42
5F142AA56
5F142BA32
5F142CA03
5F142CB15
5F142CB17
5F142CB22
5F142CD01
5F142CD13
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD18
5F142CE04
5F142CE06
5F142CE08
5F142CG03
5F142CG26
5F142DA12
5F142DA15
5F142DA61
5F142DB44
5F142EA06
5F142EA08
5F142EA10
5F142EA18
5F142EA34
(57)【要約】
本発明は、LED発光柱および当該LED発光柱を用いたLEDランプを提供する。前記LED発光柱は、高熱伝導率管と、前記高熱伝導率管の外面に設けられる少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ、又は、少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップを設けた少なくとも一本のLED発光バーと、を備える。当該LED発光柱を用いたLEDランプは、真空封止され、熱伝導ガス及び保護ガスが充填された光透過バルブと、LEDドライバ及び電気的コネクタとを備え、LED発光柱がバルブ内に固定され、前記LED発光柱の電気的引き出し線は、ドライバ及び電気的コネクタを経由して外部電源に接続され、外部電源を投入すると、前述LEDランプを点灯することができる。前記LEDランプは、単一バルブのランプ、複数のランプチューブを有するランプ、又は、U型ランプのいずれかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高熱伝導率管と、
前記高熱伝導率管の外面に設けられる少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ、又は少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップが設けられた少なくとも一本のLED発光バーと、
少なくとも一列のLEDチップ又は少なくとも一本のLED発光バーの、動作電圧を接続するための電気的引き出し線とを備え、
前記一列のLEDチップ又はLED発光バーは、互いに直列又は直並列に接続され、
動作電圧を投入すると、前記LED発光柱を点灯することができることを特徴とするLED発光柱。
【請求項2】
前記高熱伝導率管は、透明なセラミック、AlNセラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなり、或いは、複数の高熱伝導率板からなり、
前記高熱伝導率管は、円柱形、多角形、円錐形又は多角錐形の形状を有することを特徴とする請求項1に記載のLED発光柱。
【請求項3】
金属からなる高熱伝導率管は、高光反射率層を持つ円柱形、多角形、円錐形、多角錐形のチューブのいずれかであり、
前記金属は、アルミニウム、銅、銀又は高熱伝導率合金であることを特徴とする請求項2に記載のLED発光柱。
【請求項4】
前記高熱伝導率管の外面上に、LEDチップ又はLED発光バーを固定するための少なくとも一つの平面部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED発光柱。
【請求項5】
前記LEDチップは、青色の光を発するチップ、紫外光を発するチップ、赤色の光を発するチップのいずれか一つ又はそれらの組み合わせ、或いは、赤、青、緑の三つの原色の光を発するチップ又は複数の原色の光を発するチップであり、
前記LEDチップの各々は、一つ又は複数のp-n接合を有するチップであり、
前記LEDチップは、チップ基板が透明で反射膜を持つチップ、又は不透明なチップであり、
前記LEDチップに、透明なゲルと発光粉体とを混合してなるランプ用発光粉のゲル、発光粉管、又は、半柱面発光粉管のいずれかである第1の発光粉層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLED発光柱。
【請求項6】
前記LED発光バーは、高熱伝導率基板と、前記高熱伝導率基板の第1の表面に設けられる少なくとも一列のLEDチップとを備え、
前記LEDチップに、第1の発光粉層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のLED発光柱。
【請求項7】
前記LED発光バーの高熱伝導率基板の第1の表面に、少なくとも一列のLEDチップが設けられ、前記高熱伝導率基板の第1の表面に対向する第2の表面は、透明ゲル、熱伝導ゲル又は銀ペーストによって高熱伝導率管の外面に固定されることを特徴とする請求項1又は6に記載のLED発光柱。
【請求項8】
前記高熱伝導率基板は、サファイア、透明なセラミック、AlNセラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなることを特徴とする請求項7に記載のLED発光柱。
【請求項9】
前記第1の発光粉層および高熱伝導率管の外面に、第2の発光粉層が塗布されていることを特徴とする請求項6に記載のLED発光柱。
【請求項10】
光透過バルブ筺体とそのコアコラムとを真空封止してなる、真空チャンバ内部に低粘度で高熱伝導率のガスが設置されている光透過バルブと、
前記コアコラムに固定されるLED発光柱と、
外部電源に接続されるための電気的コネクタと、
LEDドライバ及びそのケースとを備え、
前記LEDドライバのケースは、LED発光柱を封止したバルブ筺体、LEDドライバ、及び、電気的コネクタを互いに接続してランプ全体を形成し、
LED発光柱の電気的引き出し線は、コアコラムの電気的引き出し線を経由してLEDドライバの出力端に接続され、当該LEDドライバの入力端は、前記電気的コネクタに電気的に接続されることによって、外部電源を投入すると、LED発光源を点灯することができ、
前記LED発光柱は、少なくとも一つの請求項1乃至9のいずれか一項に記載のLED発光柱を備えることを特徴とするLEDランプ。
【請求項11】
前記コアコラムには、排気管、ラッパ管、電極引き出し線及びブラケットが設けられ、
前記LED発光柱は、コアコラムの電極引き出し線及びブラケットに固定されることを特徴とする請求項10に記載のLEDランプ。
【請求項12】
前記光透過バルブ筺体とコアコラムのラッパ管は、高温で溶融封止され、
前記光透過バルブを、排気管によって真空化した後、放熱ガス及び保護ガスを充填して、排気管を溶融封止して、放熱ガス及び保護ガスを前記光透過バルブ内に封止することを特徴とする請求項11に記載のLEDランプ。
【請求項13】
前記LED発光柱は、コアコラムのブラケットに実装され、
前記LED発光柱の上端は、バネによってバルブ筺体の内壁上に固定されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項14】
前記LED発光柱は、コアコラムのブラケット上に固定され、
前記LED発光柱のコアコラムに近接する一端におけるLEDチップの両端の電気的引き出し線と、コアコラムの電気的引き出し線とは、互いに溶接により固定され、
前記LED発光柱のコアコラムから離れた一端は、コアコラムのブラケット上におけるバネによって固定されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項15】
前記コアコラムのブラケットは、ガラス管又はガラス柱であり、
前記LED発光柱は、前記ブラケットにスリーブ接続によって固定され、
前記ブラケットのコアコラムに近接する一端に、少なくとも一つのスルーホールが設けられることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項16】
前記LED発光柱上の第1の発光粉層及び/又は第2の発光粉層は、光透過バルブの内壁上に設けられることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項17】
前記光透過バルブの形状は、A型、BR型、C型、G型、S型、T型、R型、PAR型、茸型、梨型のいずれか一つであることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項18】
前記電気的コネクタの形状は、E型、GU型、GX型、GZ型又はB型のいずれか一つであることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項19】
少なくとも二つの離れた、それぞれが真空封止されたLEDランプチューブと、
LEDドライバおよびそのケースと、を備え、
各前記LEDランプチューブは、共に真空封止された光透過バルブと請求項1乃至9のいずれか一項に記載のLED発光柱とを備え、各LEDランプチューブは、それぞれLED発光柱の電気的引き出し線を有し、
前記LEDドライバのケースのトップに、前記LEDランプチューブが固定実装され、前記LEDドライバの出力端が、前記LED発光柱の電気的引き出し線と電気的に接続され、前記LEDドライバの入力端が、外部電源に接続するための電気的コネクタに電気的に接続されることによって、外部電源を投入すると、LED発光源を点灯することができることを特徴とする複数のLEDランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項20】
各前記LEDランプチューブにおける光透過バルブは、バルブ筺体と、排気管、電極引き出し線及びブラケットを持つコアコラムとが高温で溶融されて封止されたものであり、これによって真空封止のLEDランプチューブを形成することを特徴とする請求項19に記載の複数のLEDランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項21】
各前記LEDランプチューブの間に、相互固定装置が設けられ、
各ランプチューブのトップには、ソフトゲル層が設けられることを特徴とする請求項19に記載の複数のLEDランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項22】
前記LEDドライバは、各LEDランプチューブに定電流の駆動電圧を提供するための定電流電源であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の複数のLEDランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項23】
少なくとも一つのU型又はH型のランプチューブと、
外部電源に接続するための電気的コネクタと、
LEDドライバおよびそのケースとを備え、
前記U型又はH型のランプチューブの開口された両端が、それぞれ二つのコアコラムと高温で溶融されて封止されることで、真空封止のU型又はH型のランプチューブを構成し、
前記ドライバのケースは、U型又はH型のランプチューブと電気的コネクタとを相互に接続してランプ全体を形成し、前記U型又はH型のランプチューブの電気的引き出し線が、コアコラムの電気的引き出し線を経由してLEDドライバの出力端に接続され、LEDドライバの入力端が、電気的コネクタに電気的に接続されることによって、外部電源を投入すると、LEDランプを点灯することができ、
前記U型又はH型のランプチューブの両端には、それぞれ請求項1乃至9のいずれか一項に記載のLED発光柱及びそれに対応する電極引き出し線が設けられることを特徴とするU型又はH型のランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項24】
前記U型又はH型のランプチューブの両端における少なくとも一つの前記コアコラムに、真空化し熱伝導ガスと保護ガスを充填するための排気管が設けられることを特徴とする請求項23に記載のU型又はH型のランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項25】
前記LEDドライバは、U型又はH型のランプチューブに定電流の駆動電圧を提供するための定電流電源であることを特徴とする請求項23又は24に記載のU型又はH型のランプチューブを有するLEDランプ。
【請求項26】
複数のU型のランプチューブは、同一の平面に配置されて平面LEDランプを構成することを特徴とする請求項23乃至25のいずれか一項に記載のU型又はH型のランプチューブを有するLEDランプ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2012年3月12日に提出した、出願番号が201210063705.9で、発明の名称が「LED電球」である特許出願、2012年4月26日に提出した、出願番号が201220184752.4で、発明の名称が「4π発光のLED電球」である特許出願、2012年6月21日に提出した、出願番号が201210211538.8で、発明の名称が「高光束のLED照明電球」である特許出願、2012年11月5日に提出した、出願番号が201220578926.5で、発明の名称が「セラミックチューブのLEDランプ」である特許出願、2012年12月6日に提出した、出願番号が201220678171.6で、発明の名称が「LEDチップ4π発光の高効率LED反射ランプ」である特許出願、2012年12月28日に提出した、出願番号が201210591074.8で、発明の名称が「U型のランプチューブのLED省エネランプ」である特許出願、2013年1月11日に提出した、出願番号が201320016905.9で、発明の名称が「全方位発光のLED電球」である特許出願、2013年2月27日に提出した、出願番号が201320089879.2で、発明の名称が「全方位発光のLED照明灯」である特許出願という中国特許出願の優先権を主張する。それらの内容は、全部ここで本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、LEDランプに関する。特に、直接白熱灯及び省エネ蛍光灯(CFL)に代わって照明に使用可能な、発光源がLED発光柱であるLEDランプに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、直接白熱灯及び省エネ蛍光灯に代わるLEDランプの通常の製造方法は、以下のとおりである。まず、一つ又は複数のパワー型のLEDを金属の回路基板(MPCB)又はセラミックの回路基板に実装する。そして、それを金属又はセラミックの放熱器に実装し、或いは、ヒートパイプを介して放熱器に伝熱させる。LEDランプは、LEDの前段に光透過のバルブを設け、放熱器の内部に電気的にコネクタに接続されるLEDドライバを設けることで、構成される。具体的な内容は、中国特許201010148141.X、201110242939.5、201210262510.7及び201220259885.3、米国特許7303932,8138512,8167468,8297797などを参照することができる。
【0004】
現在、このようなLEDランプの発光効率や使用寿命などは、省エネ蛍光灯以上になっており、有害の水銀を含まず、大多数の白熱灯及び省エネ蛍光灯に代わって照明に適用することができる。
【0005】
しかし、このようなLEDランプは、全て重い金属の放熱器を必要とし、ランプのパワーが大きいほど、放熱器のサイズが大きく及び/又は重くなる。その他、このようなLEDランプは、以下のような不足も有している。発光効率が一般的に低く、色温度が暖色であって、CRI(演色指数)が83程度であるLEDランプの発光効率が50−80lm/Wであるため、省エネ蛍光灯と同じ程度になっている。また、このようなLEDランプのコストは高すぎ、同じ光束の省エネ蛍光灯の3−6倍程度である。これらは、現在、LEDランプが迅速に進められない要因の一つである。
【0006】
また、従来のパワー型のLEDパッケージ技術を用いて、複数のLEDチップを金属又はセラミックの回路基板に実装することができる。前記パッケージ技術は、COB (Chip On Board)技術であり、具体的には、中国特許200910036911.9,02248875.8及び米国特許8022626,8283868などを参照することができる。このようなパッケージ技術を用いて封止されるハイパワーのLEDは、LED素子として量産されており、適切な放熱器を増設した前述したLED素子は、街灯などの照明に用いられている。しかしながら、それらは依然として重い金属放熱器を必要としている。
【0007】
なお、特許EP2292970、US2011050073に記載のように、ソフトPCBのLEDバーを、湾曲のランプチューブ(例えば、ジグザグ形のチューブ)内に設けて、見かけが省エネ蛍光灯に似ているLEDランプを形成する。例えば、中国特許200920247122.5, 201110326614.5などは、LEDを実装したPCBが設けられるU型のランプチューブを開示している。このようなLEDランプは、LED素子がソフトPCBに実装されたり、ドライバのシェルの放熱に依存したりするので、放熱性に限界がある。そして、高光束の照明灯を製造することが困難である。
【0008】
中国特許201110032325.6は、LEDランプカップを開示している。LEDチップは、ランプカップ外の放熱器に接続されて放熱する熱伝導管に接続される透明なセラミックに実装され、ランプカップ内は真空化され或いは不活性ガスが充填される。このようなLEDチップが真空バルブを介して外部の放熱器に接続されるヒートパイプに亘る構成において、ヒートパイプは、ガラスバルブと真空で封止されなければならない。この状態は、プロセス上で実現しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような欠点を克服するために、本出願の発明者は、LEDチップ4π発光のLED発光バーと、真空封止され、低粘性係数及び高熱伝導率を有するガスが充填される真空封止のバルブとを備える全方位発光のLEDランプを開発した。具体的には、例えば、中国特許201010278760.0と201010610092.7を参照することができる。このようなランプの発光効率は180lm/Wで、非常に高く、CRIも97で非常に高く、金属放熱器を必要しないため、軽くて白熱灯に近い。そのため、直接白熱灯と省エネ蛍光灯に代わる100−800lmのLEDランプの製造に用いられることができる。
【0010】
しかしながら、このようなLED発光バーを有するLEDランプのLEDチップは、熱伝導率が0.3W/m・Kである二層のシリカゲルと発光粉層に囲まれ、チップの放熱が難しい。現在、出力光束が800lmより大きい高光束のランプを製造することが困難である。
【0011】
以上のことに鑑みて、放熱器を必要とせず、比較的に高い光束を出力可能なLEDランプ及びそれに関するLED発光源を提供する必要がある。
【0012】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記問題及び欠陥の少なくとも一つを解決することである。
【0013】
本発明は、光束が高くて、出力光束が800−5000 lm以上になるLEDランプの製造に適用でき、直接ハイパワーの白熱灯及び省エネ蛍光灯に代わることができ、照明に用いられることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの形態によれば、前記高光束のLEDランプの光源として用いられるLED発光柱を提供する。前記LED発光柱は、高熱伝導率管と、前記高熱伝導率管の外面に設けられる少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ、又は少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップを設けた少なくとも一本のLED発光バーと、少なくとも一列のLEDチップ又は少なくとも一本のLED発光バーの、駆動電圧を接続するための電気的引き出し線とを備え、前記少なくとも一列のLEDチップ又は少なくとも一本のLED発光バーは、互いに直列又は直並列に接続され、電源を投入すると、前記LED発光柱を点灯することができる。
【0015】
前記高熱伝導率管は、透明なセラミック、AlN(Aluminum nitride)セラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなり、その形状は、円柱形、多角形、円錐形又は多角錐形又は他の形であってもよい。
【0016】
前記高熱伝導率管の外面に、LEDチップ又はLED発光バーを固定するための少なくとも一つの平面部が設けられる。
【0017】
金属からなる高熱伝導率管は、例えば高光反射率層を持つ円柱形、多角形、円錐形、多角錐形管のいずれか一つであり、或いは、複数の高熱伝導率板からなる多角形、多角錐形管のいずれか一つであり、前記金属は、例えば、アルミニウム、銅、銀、又は他の高熱伝導率金属のいずれか一つである。
【0018】
前記LEDチップは、青色の光を発するチップ、紫外光を発するチップ、赤色の光を発するチップのいずれか一つ又はそれらの組み合わせたものであってもよい。前記LEDチップに、第1の発光粉層が設けられる。前記第1の発光粉層は、透明ゲルと発光粉体とを混合してなるランプ用発光粉のゲル、発光粉管又は半柱面発光粉管のいずれか一つである。
【0019】
前記LEDチップは、赤、青、緑の三つの原色の光を発するチップ又は複数の原色の光を発するチップのいずれか一つであってもよい。
【0020】
前記LEDチップの各々は、一つ又は複数のp-n接合を有するチップである。
【0021】
前記LEDチップは、チップ基板が透明で反射膜を持つチップ、又は、不透明なチップである。
【0022】
本発明の他の一つの形態によれば、前記LED発光柱は、高熱伝導率管に設けられる少なくとも一本のLED発光バーであり、前記LED発光バーは、高熱伝導率基板と、高熱伝導率基板の第1の表面に設けられる少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップとを備え、前記LEDチップに第1の発光粉層が覆われている。前記LED発光バーの高熱伝導率基板は、サファイア、透明なセラミック、AlNセラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなる。前記LED発光バー基板の他の面(第1の表面に対向する第2の表面)は、透明なゲル、熱伝導のゲル又は銀ペーストによって高熱伝導率管に粘着されて固定される。
【0023】
前記LED発光バー及び高熱伝導率管の外面に、第2の発光粉層を塗布してもよい。
【0024】
前記LED発光柱の高熱伝導率管は、LEDチップの面積よりもはるかに大きい表面積を有する。LEDチップは、直接又は高熱伝導率基板を介して前記高熱伝導率管に実装され、LEDチップのp-n接合から高熱伝導率管への熱抵抗は小さいので、LEDチップが動作するとき発生する熱は、高熱伝導率管を経由して容易に放熱される。これによって、出力の高い光束を有しかつ効率がより高いLED発光素子を製造することができる。
【0025】
前記高熱伝導率基板及び高熱伝導率管は、熱伝導率の高い材料からなるので、非常に高い熱伝導率を有する。たとえば、サファイアの熱伝導率は46W/m・Kであり、AlNセラミックの熱伝導率は170W/m・Kであり、アルミニウムや銅の熱伝導率は200−400W/m・Kである。
【0026】
前記金属からなる高熱伝導率管は、例えば、高光反射率層を持つアルミニウム又は他の高熱伝導率金属のいずれか一つであってもよい。
【0027】
本発明の他の一つの形態によれば、上記LED発光柱を用いてLEDランプを製造する方法が提供される。LEDランプの光透過バルブは、バルブ筺体と、排気管、電気的引き出し線、ブラケットを持つコアコラムとが高温で溶融されて封止されてなるものである。前記光透過バルブ内に、低粘度で高熱伝導率の熱伝導ガス及び保護ガスが設置される。前記ガスは、排気管によって前記光透過バルブを真空化した後充填される。そして、排気管が溶融されて封止され、放熱ガス及び保護ガスを前記バルブ内に封止する。
【0028】
前記LED発光柱は、前記バルブのコアコラムの電気的引き出し線及びブラケットに設置固定される。
【0029】
前記LED発光柱は、コアコラムに固定され、例えば、前記LED発光柱のコアコラムに近接する一端におけるLEDチップの両端の電気的引き出し線は、コアコラムの電気的引き出し線と互いに溶接により固定され、他端はコアコラムブラケットのバネによって固定される。前記コアコラムブラケットは、ガラス管又はガラス柱、或いは粗いワイヤであってもよい。
【0030】
前記LEDランプでは、熱伝導率の高い材料を用いてLED発光柱を製造する。LEDチップのp-n接合から高熱伝導率管への熱抵抗が小さく、高熱伝導率管の表面積が大きいため、LEDチップが動作するとき発生する熱は、面積の大きい高熱伝導率管を経由してバルブ内の熱伝導ガスに容易に伝達されて、熱伝導ガスの対流及び伝導によって、バルブを経由して容易に放熱される。したがって、出力の高い光束かつ高効率のLEDランプを製造することができる。
【0031】
前記光透過バルブの形状は、現有の共有の白熱灯及び省エネ蛍光灯バルブの形状のうちの一つであり、例えば、A型、BR型、C型、G型、S型、T型、R型、PAR型のいずれか一つであってもよい。
【0032】
前記電気的コネクタの形状は、現有の共有の白熱灯及び省エネ蛍光灯の形状のうちの一つであり、例えば、E型、GU型、GX型、GZ型又はB型のいずれか一つであってもよい。
【0033】
本発明の他の一つの形態によれば、前記LED発光柱を使用して製造した複数のランプチューブを有するLEDランプを提供する。当該LEDランプは、それぞれ1つのLED発光柱を有する少なくとも二つのT型LEDランプチューブと、LEDドライバ及びそのケースとを備え、各前記ランプチューブは、それぞれ真空封止され、各LEDランプチューブはLED発光柱の電気的引き出し線を有し、前記少なくとも二つのLEDランプチューブは、ドライバのケースのトップに固定されて実装され、前記LEDドライバの出力端が、前記少なくとも二つのLEDランプチューブの電気的引き出し線に電気的に接続され、前記LEDドライバの入力端が、外部電源に接続するための電気的コネクタに電気的に接続されることによって、外部電源を投入すると、各LED発光ランプチューブを点灯することができ、前記少なくとも二つのLEDランプチューブは、互いに離れており、各LEDランプチューブの周囲には、自在に流通できる空気があるので、LEDが動作するとき発する熱を取り出して放熱させることができる。
【0034】
前記LEDドライバは、各LEDランプチューブに定電流の駆動電圧を提供するための定電流電源である。
【0035】
本発明の他の一つの形態によれば、前記LED発光柱を使用して製造したU型又はH型のランプチューブを有するLEDランプを提供する。当該LEDランプは、少なくとも一つのU型又はH型のランプチューブと、LEDドライバおよびそのケースと、外部電源に接続するための電気的コネクタとを備え、前記U型又はH型のランプチューブの両端が、それぞれコアコラムと高温で溶融されて封止されることで、真空封止のU型又はH型のランプチューブを構成し、ランプチューブ両端のコアコラムにおける少なくとも一つは、真空化すると共に熱伝導ガス及び保護ガスを充填するための排気管を持ち、前記U型又はH型のランプチューブの両端に、それぞれLED発光柱及びそれらの電気的引き出し線が設けられ、前記LEDドライバのケースは、少なくとも一つのU型又はH型のランプチューブ及び電気的コネクタを相互に接続してランプ全体を構成し、前記U型又はH型のランプチューブの電気的引き出し線が、コアコラムの電気的引き出し線を経由してLEDドライバの出力端に接続され、LEDドライバの入力端が、電気的コネクタに電気的に接続されることによって、外部電源を投入すると、LEDランプを点灯することができる。
【0036】
前記LEDドライバは、各LED発光柱に定電流の駆動電圧を提供するための定電流電源である。
【0037】
本発明の他の一つの形態によれば、前記LED発光柱を使用して製造した複数のU型のランプチューブからなる平面LEDランプを提供する。
【0038】
本発明のLED発光柱及びそれを用いて製造したLEDランプは、放熱性が良く、出力光束が高く、効率が高く、製造プロセスが簡単で、コストが低いという利点を含み、直接に白熱灯及び省エネ蛍光灯に代わって照明に用いられることができる。
【0039】
本発明の上記及び他の面及び利点は、以下に図面を参照しながら記述する好ましい実施例の記載に基づいて明らかになり、容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一つの実施例によるLED発光柱を設けたLEDランプの構成を示す模式図である。
図2】本発明の一つの実施例による図1の線A−Aに沿って切断したLED発光柱の断面の構成を示す模式図である。
図3】本発明の他の一つの実施例による図1の線A−Aに沿って切断したLED発光柱の断面構成を示す模式図である。
図4】本発明の一つの実施例によるLED発光柱のLED発光バーの断面構成を示す模式図である。
図5】本発明の他の一つの実施例によるLED発光柱のLED発光バーの断面構成を示す模式図である。
図6】本発明の他の一つの実施例による複数のランプチューブを有するLEDランプの構成を示す模式図である。
図7】本発明の他の一つの実施例によるLEDランプの構成を示す模式図である。
図8】本発明の他の一つの実施例によるLEDランプの構成を示す模式図である。
図9】本発明の他の一つの実施例によるH型のランプチューブを有するLEDランプの構成を示す模式図である。
図10】本発明の他の一つの実施例によるU型のランプチューブを有するLEDランプの構成の模式図である。
図11】本発明の他の一つの実施例による複数のランプチューブを有する平面LEDランプの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、実施例によって、図面を参照しながら、本発明の技術案に対して具体的に説明する。明細書で、同じ又は類似する符号は、同じ又は類似する部品を表す。以下、附図を参照しながら本発明の実施形態を記述したものは、本発明の要旨を解釈するもので、本発明に対する限定ではない。
【0042】
図1は、本発明の一つの実施例によるLED発光柱1を設けたLEDランプ2の構成を示す模式図である。当該LEDランプ2は、少なくとも一つのLED発光柱1と、光透過又は透明なバルブ3と、LEDドライバ4及びそのケース5と、電気的コネクタ6と、を含む。LEDドライバのケース5は、LED発光柱1を封止した光透過バルブ3と、LEDドライバ4と、電気的コネクタ6とを、互いにランプ全体を形成するように接続している。具体的に、LED発光柱1の電極引き出し線13は、コアコラム8の電気的引き出し線8dを介してLEDドライバ4の出力端に接続される。当該LEDドライバ4の入力端は、電気的コネクタ6に電気的に接続される。そのため、外部の電源(図示なし)をオンする又は動作電圧が印加されると、LED発光柱1を点灯することができる。
【0043】
前記光透過バルブ3は、バルブ筺体7と、ブラケット8a、ラッパ管8b、排気管8c及び電気的引き出し線8dを持つコアコラム8とが、高温で溶融封止されてなるものであるので、真空封止の光透過バルブ3になる。前記バルブ3は、排気管8cによって真空化された後、低粘度で高熱伝導率の熱伝導・保護ガス9を充填する。
【0044】
本実施例においては、前記LED発光柱1は、コアコラム8の電気的引き出し線8d及びブラケット8aに実装固定される。前記LED発光柱1は、外面に少なくとも一列の発光色の同じ或いは異なるLEDチップ11が実装された高熱伝導率管10を備え、前記LEDチップ11は、電気接続線12によって互いに直列又は直並列に接続される。前記LEDチップ11の合計駆動電圧は、ドライバ4の出力電圧に等しいか、又は近い。前記LEDチップ11の間の電気接続は、いずれも高熱伝導率管10の上でなされ、電気的引き出し線13とコアコラム8の電気的引き出し線8dとの接続のみが、溶接によってなされる。そのため、本発明のLEDランプ2は、プロセスが簡単で、量産に適合し、安定性が高く、コストが低いという利点を有する。
【0045】
図1に示すように、LED発光柱1の両端にそれぞれ電気的引き出し線13が設けられ、各前記電気的引き出し線13とコアコラム8の電気的引き出し線8dは互いに接続される。電気的引き出し線13は、電気的引き出し線13の固定装置13aを介して高熱伝導率管10上に固定される(本実施例において、高熱伝導率管10の下端に固定される)。
【0046】
コアコラム8の電気的引き出し線8dは、LEDドライバ4の出力端に接続され、LEDドライバ4の入力端は、電気接続線14を介して電気的コネクタ6に接続され、前記電気的コネクタ6は、外部のAC又はDC電源と接続するためのものであり、外部電源を投入すると、LED発光柱1を点灯することができる。
【0047】
本発明の透明バルブ3は、バルブ筺体7とコアコラム8とを真空封止することで構成され、バルブ筺体7とコアコラム8の両者がともに同じガラスで製造される。上記のように、前記コアコラム8は、ブラケット8a、ラッパ管8b、排気管8c及び電気的引き出し線8dからなり、ラッパ管8bとバルブ筺体7は、高温で溶融封止される。溶融封止された後、排気管8cによって、透明なバルブ3から空気を抽出して真空化した後、さらに排気管8cを介して低粘度で高熱伝導率のガス9を充填する。そして、排気管8cを溶融封止してから、充填された高熱伝導率ガス9を透明なバルブ3内に封止する。低粘度で高熱伝導率のガス9は、ヘリウムガス、水素ガス、ヘリウム水素混合ガス、窒素ガス又は他のガスのいずれかであればよい。
【0048】
前記LEDチップ11は、青色光、赤色光や紫外光を発するチップであり、前記LEDチップ11の周辺に、LEDチップ11の発した光を所望の白光又は他色の光に変換するための第1の発光粉層15が設けられている。所望の色温度および演色指数を得るために、LEDチップ11に、他の色を発するLEDチップが増設されてもよい。前記LEDチップ11は、R、G、Bの三つの原色のチップ或いは複数の原色のチップであってもよい。数の異なる各色のチップによって、色の異なる光を出力することができる。前記LEDチップ11は、基板が透明で反射膜を持つチップ、又は不透明なチップである。前記LEDチップ11は、チップごとに一つのp-n接合又は複数のp-n接合を有するチップである。
【0049】
前記LED発光柱1の高熱伝導率管10は、高熱伝導率の材料、例えば、透明なセラミック、AlNセラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなる。前記金属は、例えば、高光反射率を有するアルミニウム、銅又は他の高熱伝導率の金属のいずれかであればよい。これにより、低粘度で高熱伝導率のガスとの接触面積を大きくすることができる。即ち、LEDチップ11と放熱ガス9との熱抵抗を低減することで、LEDの放熱効果を向上させることができる。前記高熱伝導率管10の形状は、円柱形、多角形、円錐形、多角錐形又は他の形のいずれかであればよい。図1は、一例として、円柱形の高熱伝導率管10を例としている。
【0050】
図1に示すように、高熱伝導率管10は、コアコラム8のブラケット8a上に実装され、前記ブラケット8aは、コアコラム8におけるガラスチューブである。図1に示す円柱形の高熱伝導率管10は、内径をコアコラム8上のブラケット8aの外径(例えば4−40mm)に合わせるように設けることで、ブラケット8a上にスリーブ接続される。高熱伝導率管10とブラケット8aとの間に、上記の高熱伝導率管10とブラケット8a固定する固定ゲル17が設けられる。前記ブラケット8aは、排気管8cに近接する端に、高熱伝導率管10のガスを流通させて放熱するための少なくとも一つのスルーホール16が設けられている。これによって、パワーがより高く、光束がより高いLEDランプ2を製造することができる。
【0051】
図2及び図3から理解できるように、前記LEDチップ11は、直接又は高熱伝導率基板19を介して前記高熱伝導率管10に実装される。高熱伝導率管10は、熱伝導率が高くて表面積が大きいので、LEDチップ11が動作するとき発生する熱は、高熱伝導率管10に伝達しやすく、大きい放熱表面を経由してバルブ3内の熱伝導ガス9に伝達されてから、熱伝導ガス9の対流及び熱伝導によってバルブ3に伝達され、バルブ3周囲の空気によって放熱される。
【0052】
前記LEDチップ11は、高熱伝導率管10に直接又は高熱伝導率基板19を介して実装されるので、LEDチップ11と高熱伝導率管10との熱抵抗が小さく、高熱伝導率管10の表面積が大きく、熱伝導ガス9との接触面積が大きい。そのため、LEDチップが動作するとき発生する熱は、容易に放熱される。これによって、パワーがより高い又はより多くのLEDチップ11を用いて、出力光束がより高く、発光効率がより高いLEDランプを製造することができる。
【0053】
前記光透過バルブ3の形状は、現有の共有の白熱灯や省エネ蛍光灯のバルブ形状で、例えば、A型、BR型、C型、G型、S型、T型、R型、PAR型、茸型、梨型のいずれか一つであり、図1に示す光透過バルブ3の形状に限られない。
【0054】
前記電気的コネクタ6の形状は、現有の共有の白熱灯及び省エネ蛍光灯の形状で、例えば、E型、GU型、GX型、GZ型又はB型のいずれか一つであり、図1に示す電気的コネクタ6の形に限られない。
【0055】
図2は、本発明の一つの実施例による図1の線A−Aに沿って切断したLED発光柱1の断面構成を示す模式図である。図2に示すように、本発明のLED発光柱1は、高熱伝導率管10と、高熱伝導率基板19の第1の表面上に(例えば粘着ゲル18で)固定され、かつ第1の発光粉層15が設けられる、少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11と、を備え、前記高熱伝導率基板19の第2の表面(第1の表面に対向する)は、粘着ゲル20によって高熱伝導率管10上に固定される。本実施例において、高熱伝導率管10は、ブラケット8a上にスリーブ接続される。
【0056】
前記高熱伝導率基板19は、サファイア、AlNセラミック、透明なセラミック、ガラス、金属又はプラスチックからなる。前記粘着ゲル18及び20は、薄いシリカゲル、銀ペースト、熱伝導ゲル及び半田などである。
【0057】
前記高熱伝導率管10は、円柱形である。高熱伝導率管10の表面に、LEDチップ11又はLEDチップ11を有する高熱伝導率基板19を実装するための少なくとも一つの平面部21が配置される。図2は、平面部21にLEDチップ11を有する高熱伝導率基板19が実装された一例である。
【0058】
図2及び下記の各図面の記述から理解できるように、特に説明がない限り、同じ符号は同じ部件又は同じ構成を表す。
【0059】
図3は、本発明の他の一つの実施例による図1の線A−Aに沿って切断したLED発光柱1の断面構成を示す模式図である。本実施例のLED発光柱1において、LEDチップ11は、粘着ゲル18によって直接に高熱伝導率管10上に粘着されて固定される。LEDチップ11に、第1の発光粉層15が設けられる。前記第1の発光粉層15及び高熱伝導率管10の外面に、第2の発光粉層22が設けられる。
【0060】
図4は、本発明の一つの実施例による本発明のLEDランプ2のLED発光柱1として用いられるLEDバー23の断面構成を示す模式図である。
【0061】
図4に示すように、全方位発光のLED照明灯のLED発光バー23は、サファイア、透明なセラミック、又は、AlNセラミックの基板19aと、粘着ゲル又は透明ゲル18によって基板19a上に固定される少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11と、前記少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11の周辺に設けられ、透明ゲルと発光粉体を混合してなる第1の発光粉層15と、を備え、前記少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11における各LEDチップは、透明な基板チップ又は反射層を持つ基板チップである。図1は、透明チップ基板の一例を示している。LEDチップ11から発した光は、チップ11の正面から第1の発光粉層15を介して射出し、或いは、図4の符号25に示すように発光バー23の基板19aを介して射出する。基板19aが光透過基板であるため、発光バー23の周りは全て発光することができる。即ち、4π発光である。前記少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11は、互いに直列又は直並列に接続される。図4における符号12は、LEDチップ間の電気接続線を示す。また、前記発光粉層15とLEDチップ11との間に、透明ゲル18aを設けることができる。
【0062】
図5は、本発明の他の一つの実施例による本発明のLEDランプ2のLED発光柱1として用いられるLEDバー23aの断面構成を示す模式図である。図5に示すように、前記高熱伝導率基板19bは、高熱伝導率金属からなり、LEDチップ11が設けられた面に、高光反射率層26が設けられている。前記LEDチップ11は、透明チップ又は光反射層24を持つチップである。図5は、光反射層24を持つチップの一例である。LEDチップ11の上を、透明なゲル層27で覆う。LEDチップ11上の発光粉層は、透明ゲルと発光粉体を混合してなる半円柱形の発光粉管15aであり、透明ゲル27によって高熱伝導率基板19bの高光反射率層26に固定されている。LEDチップ11と発光粉管15aとの間に、透明ゲル27を充填してもよく、透明ゲルがLEDチップ11のみを覆い発光粉管15aを固定してもよい。図5は、LEDチップ11のみを覆う発光粉管15aの一例を示す。LEDチップ11から発した光は、発光粉層15aを介して直接射出されてもよく、図5の光線25に示すように、高光反射率層24又は26に反射されて射出されてもよい。
【0063】
図6は、本発明の一つの実施例による複数のランプチューブを有するLEDランプの構成を示す模式図である。図6に示すように、前記LEDランプは、少なくとも二つのそれぞれ真空封止されたLEDランプチューブ28を備え、前記LEDランプチューブ28がT型で、各LEDランプチューブ28にはそれぞれ上述した本発明のLED発光柱1が実装される。前記少なくとも二つのLEDランプチューブ28は、LEDドライバ4のケース5のトップに実装される。各LEDランプチューブ28の間の隙間を、自在に流通できる空気が流れることによって、各LEDランプチューブ28が動作するとき発生する熱を取り出して放熱させることができる。前記LEDランプチューブ28の実装されたLEDドライバのケース5のトップは、突出したテーパ状29である。具体的に、前記テーパ状のトップでのフルテーパ角は、例えば、空気流30を速く流すことができて、LEDランプチューブ28の熱を取り出して放熱するように、120°未満に設定している。
【0064】
前記LED発光柱1の電気的引き出し線13は、コアコラム8の電気的引き出し線8dに接続されて固定される。前記LED発光柱1の高熱伝導率管10の上端は、バネ31によってランプチューブのバルブ3aと互いに固定されている。
【0065】
前記LEDランプチューブ28の発光粉層15bは、LEDランプチューブ28の内壁に塗布される。
【0066】
LEDランプの機械強度を増加させるために、各LEDランプチューブ28の間に、固定装置32が設けられても良い。各ランプチューブのトップには、バルブ3aを保護してランプチューブ28を落としたとき壊れてしまうことを防止するように、強度を増加させるために用いられる、例えば、シリカゲルなどの透明なソフトゲル33が設けられても良い。
【0067】
図7は、本発明のLEDランプの他の一つの実施例の構成を示す模式図である。
【0068】
図7に示すように、前記LED発光柱1の高熱伝導率管10は、円錐形又は多角錐形のチューブであり、例えば、外面に反射率の高い層であるアルミニウム、銅又は他の高熱伝導率の金属を塗布したチューブであってもよく、複数の高熱伝導率板で構成する多角柱形、多角錐形柱であってもよい。前記高熱伝導率管10の上端は、バネ31aによってコアコラムのブラケット8aに固定される。前記ブラケット8aは、ガラス管又はガラス柱であり、その下端は電気的引き出し線13により溶接で固定される。高熱伝導率管10の固定強度を増加させるために、コアコラム8上に固定のための少なくとも一つのワイヤ34が設けられても良い。ワイヤ34は、高熱伝導率管10に接続されて固定される。前記バルブ筺体7は、一部に反射層35を有するR型バルブである。前記テーパ状の高熱伝導率管10の傾斜面の傾斜角39は、ドライバのケース5を大体被覆することができ、図5中の38に示すように、LED発光柱1からドライバのケース5への光を遮断して、LED発光柱1から発した光がドライバ4及びそのケース5の方向に射出する光ロスを低減して、発光効率を向上している。
【0069】
前記高熱伝導率管10の上に、本発明の図4又は5に示すような少なくとも一本のLED発光バー23又は23aが設けられる。前記LED発光バー23又は23aは、粘着ゲル20によって高熱伝導率管10に固定され、互いに直列又は直並列に接続されている。その両端の電極引き出し線13は、互いにコアコラム8の電気的引き出し線8dに接続されて固定されている。符号37は固定接続装置である。
【0070】
図8は、本発明のLEDランプの他の一つの実施例の構成を示す模式図である。
【0071】
その主要な構成は、図7に示すLEDランプと同じであり、異なるところは、前記真空封止バルブ3がA型バルブである点にある。
【0072】
図9は、本発明によるH型のランプチューブを有するU型のLEDランプの構成を示す模式図である。図9に示すように、前記ランプチューブ28は、H型のランプチューブであり、前記H型のランプチューブ28は、上端がH型をなすU型のランプチューブである。前記H型のランプチューブ28の両端のLED発光柱は、それぞれLED発光柱1である。各前記LED発光柱1は、透明管10を備え、当該透明管10の外面に、少なくとも一列の同じ又は異なる色の光を発光するLEDチップ11が実装される。当該LEDチップ11の両端の電極は、固定装置13aにより透明管10上に固定された電気的引き出し線13を介して、引き出されている。前記透明管10は、透明なセラミック管、ガラス管又はプラスチック管のいずれかである。前記チップ11及び透明管10に、発光粉層15及び22が設けられる。前記LED発光柱1のコアコラム8に近接する一端は、電気的引き出し線13及びコアコラム8の電気的引き出し線8dにより、互いに接続されて固定される。LED発光柱1の上端は、バネ31aによってランプチューブ28の壁に固定される。
【0073】
図10は、本発明の他の一つの実施例によるU型のランプチューブを含むLEDランプの構成を示す模式図である。
【0074】
図10に示すように、前記LEDランプのバルブ3は、少なくとも一つのU型のランプチューブであり、前記U型のランプチューブの両端には、それぞれ、当該両端を真空封止するためのコアコラム8が設けられている。前記U型のランプチューブの両端には、それぞれ、コアコラム8の電気的引き出し線8d及びコアコラムブラケット8aのバネ31aに固定されたLED発光柱1が設けられている。
【0075】
図11は、本発明のLEDランプの他の一つの実施例の構成を示す模式図である。図11に示すように、前記LEDランプは、複数のU型のランプチューブ36を有する平面LEDランプであり、前記各U型のランプチューブは、同じ平面に配列されている。
【0076】
以上は、本発明の総体構想を示す一部の実施例を示し説明してきたが、当業者にとって、本発明の総体構想の原則及びその思想に違反しない限り、これらの実施例に対して変更を行ってもよいことは勿論である。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその同等物によって限定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】