(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
少なくとも1つのトランシーバの組のための伝送方式。各トランシーバの組は第一のトランシーバおよび第二のトランシーバを含み、各トランシーバは送信機および受信機を含む。少なくとも1つのトランシーバの組が、第一のトランシーバの送信機と第二のトランシーバの受信機との間のダウンリンクを規定し、さらに、第二のトランシーバの送信機と第一のトランシーバの受信機との間のアップリンクを規定する。各トランシーバの組は、データ伝送フレームを通じてデータを伝送する。伝送方式は、少なくとも1つのトランシーバの組の各々のそれぞれのアクティブセットを決定することを含む。アクティブセットは、選択された論理割当ユニットの組み合わせを含む。各論理割当ユニットは、タイムスロットと周波数バンドとの固有の組み合わせとして規定される。各選択された論理割当ユニットは、ダウンリンクのみおよびアップリンクの少なくとも1つに関連する
少なくとも1つのトランシーバの組のための伝送方式であって、各トランシーバの組が第一のトランシーバおよび第二のトランシーバを含み、各トランシーバが送信機および受信機を含み、前記少なくとも1つのトランシーバの組が、第一のトランシーバの前記送信機と第二のトランシーバの前記受信機との間のダウンリンクを規定し、さらに、前記第二のトランシーバの前記送信機と前記第一のトランシーバの前記受信機との間のアップリンクを規定し、各トランシーバの組がデータ伝送フレームを通じてデータを伝送し、前記伝送方式が、
前記少なくとも1つのトランシーバの組の各々についてのそれぞれのアクティブセットを決定することを含み、前記アクティブセットが、選択された論理割当ユニットの組み合わせを含み、各前記論理割当ユニットがタイムスロットと周波数バンドとの固有の組み合わせとして規定され、各選択された論理割当ユニットが、前記ダウンリンクのみおよび前記アップリンクの少なくとも1つに関連する、伝送方式。
複数の前記トランシーバの組において、各々の前記それぞれのアクティブセットが、前記トランシーバの伝送間のクロストークを回避する方に方向づけられるように決定された、請求項1に記載の伝送方式。
前記第一のトランシーバの前記少なくとも1つの前記送信機がそれぞれの伝送中断時間においてその伝送を終了するように、前記アクティブセットが決定された、請求項2に記載の伝送方式。
前記少なくとも1つのトランシーバの組の前記送信機の1つのグループが同じそれぞれの伝送中断時間に関連するように、前記アクティブセットが決定された、請求項2に記載の伝送方式。
与えられたフレームにおける前記少なくとも1つのトランシーバの組の少なくとも1つによって伝送されるアップリンクデータおよびダウンリンクデータの少なくとも1つの前記データ量が、相当に小さく、少なくともダウンリンクLAUおよびアップリンクLUAのいずれかが、前記トランシーバの組に割り当てられない、請求項1に記載の伝送方式。
少なくとも1つの分配点トランシーバであって、前記少なくとも1つのトランシーバの各々がそれぞれの分配点送信機およびそれぞれの分配点受信機を含み、前記分配点送信機がデータ通信フレームを通じてデータを伝送する、分配点トランシーバ、
前記複数の分配点トランシーバに連結されており、伝送方式を動的に決定する動的帯域幅アロケータ、および
前記少なくとも1つの分配点トランシーバの各々、および前記動的帯域幅アロケータに連結された分配点コントローラであって、前記分配点トランシーバおよび前記動的帯域幅アロケータに、それらに関する外因性パラメータを提供し、前記外因性パラメータが各ユーザに定められた保証ビットレートを少なくとも含む、分配点コントローラを少なくとも含む、分配点と、
加入者宅内機器送信機および加入者宅内機器受信機を含み、前記加入者宅内機器送信機が前記データ通信フレームを通じてデータを伝送する、加入者宅内機器トランシーバ、および
前記加入者宅内機器トランシーバに連結された加入者宅内機器コントローラであって、前記加入者宅内機器トランシーバに、その動作に関する外因性パラメータを提供し、前記外因性パラメータがそれぞれの加入者宅内機器に関連する保証アップリンクデータ転送速度を少なくとも含む、加入者宅内機器コントローラを少なくとも含む少なくとも1つの加入者宅内機器と、を備えており、
前記分配点トランシーバの前記送信機、および前記加入者宅内機器トランシーバの前記受信機が、ダウンリンクを規定し、
前記加入者宅内機器トランシーバの前記送信機、および前記分配点トランシーバの前記受信機が、アップリンクを規定する、通信システム。
前記伝送方式が、前記少なくとも1つのトランシーバの組の各々のそれぞれのアクティブセットを決定することを含み、前記アクティブセットが、選択された論理割当ユニットの組み合わせを含み、各前記論理割当ユニットがタイムスロットと周波数バンドとの固有の組み合わせとして規定され、各々の選択された論理割当ユニットが、前記ダウンリンクのみおよび前記アップリンクの少なくとも1つに使用される、請求項17に記載のシステム。
前記伝送方式が、タイム内の前記フレームを3つの相互排他的なタイムゾーンに区分することを含み、前記タイムゾーンが、ダウンリンクゾーン、それに続くダウンリンク/アップリンクゾーン、それに続くアップリンクゾーンを含み、
前記ダウンリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によってダウンリンク伝送されるゾーンであり、
前記アップリンクゾーンが、前記第二のトランシーバの前記送信機によってアップリンク伝送されるゾーンであり、
前記ダウンリンク/アップリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によるダウンリンク伝送、および前記第二のトランシーバの前記送信機によるアップリンク伝送の少なくともいずれかのためのゾーンである、請求項17に記載のシステム。
少なくとも1つのトランシーバの組間の伝送方式を決定する方法であって、各トランシーバの組が第一のトランシーバおよび第二のトランシーバを含み、各トランシーバが送信機および受信機を含み、前記少なくとも1つのトランシーバの組が、第一のトランシーバの前記送信機と第二のトランシーバの前記受信機との間のダウンリンクを規定し、さらに、前記第二のトランシーバの前記送信機と前記第一のトランシーバの前記受信機との間のアップリンクを規定し、各トランシーバの組がデータ通信フレームを通じてデータを伝送し、前記データ通信フレームがデータシンボルを伝送するための複数のタイムスロットを含み、前記方法が、
ダウンリンクおよびアップリンク両方の伝送のための組み合わせた有効帯域幅を決定する手順と、
ダウンリンク伝送に必要なデータ量を決定する手順と、
前記少なくとも1つの第二のトランシーバの各々からのアップリンク伝送リクエストを受信する手順と、
前記少なくとも1つの第二のトランシーバの各々についての帯域幅割当パラメータを決定する手順と、
以前に割り当てられたダウンリンクおよびアップリンク伝送機会を検索する手順と、
少なくとも次の伝送フレームにおいて前記少なくとも1つの第一のトランシーバおよび前記少なくとも1つの第二のトランシーバによって使用される伝送方式を決定する手順と、を含む、方法。
前記伝送方式が、前記少なくとも1つのトランシーバの組の各々のそれぞれのアクティブセットを決定することを含み、前記アクティブセットが、選択された論理割当ユニットの組み合わせを含み、各前記論理割当ユニットがタイムスロットと周波数バンドとの固有の組み合わせとして規定され、各々の選択された論理割当ユニットが、前記ダウンリンクのみおよび前記アップリンクの少なくとも1つに使用される、請求項24に記載の方法。
前記伝送方式が、タイム内の前記フレームを3つの相互排他的なタイムゾーンに区分することを含み、前記タイムゾーンが、ダウンリンクゾーン、それに続くダウンリンク/アップリンクゾーン、それに続くアップリンクゾーンを含み、
前記ダウンリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によってダウンリンク伝送されるゾーンであり、
前記アップリンクゾーンが、前記第二のトランシーバの前記送信機によってアップリンク伝送されるゾーンであり、
前記ダウンリンク/アップリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によるダウンリンク伝送、および前記第二のトランシーバの前記送信機によるアップリンク伝送の少なくともいずれかのためのゾーンである、請求項24に記載の方法。
少なくとも1つのトランシーバの組間の伝送方式であって、各トランシーバの組が第一のトランシーバおよび第二のトランシーバを含み、各トランシーバが送信機および受信機を含み、前記少なくとも1つのトランシーバの組が、第一のトランシーバの前記送信機と第二のトランシーバの前記受信機との間のダウンリンクを規定し、さらに、前記第二のトランシーバの前記送信機と前記第一のトランシーバの前記受信機との間のアップリンクを規定し、各トランシーバの組がデータ伝送フレームを通じてデータを伝送し、前記データ通信フレームがデータシンボルを伝送するための複数のタイムスロットを含み、前記伝送方式が、
タイム内の前記フレームを3つの相互排他的なタイムゾーンに区分することを含み、前記タイムゾーンが、ダウンリンクゾーン、それに続くダウンリンク/アップリンクゾーン、それに続くアップリンクゾーンを含み、
前記ダウンリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によってダウンリンク伝送されるゾーンであり、
前記アップリンクゾーンが、前記第二のトランシーバの前記送信機によってアップリンク伝送されるゾーンであり、
前記ダウンリンク/アップリンクゾーンが、前記第一のトランシーバの前記送信機によるダウンリンク伝送、および前記第二のトランシーバの前記送信機によるアップリンク伝送の少なくともいずれかのためのゾーンである、伝送方式。
少なくとも1つのトランシーバの組間のプロービング信号方式であって、各トランシーバの組が第一のトランシーバおよび第二のトランシーバを含み、各トランシーバが送信機および受信機を含み、前記少なくとも1つのトランシーバの組が、第一のトランシーバの前記送信機と第二のトランシーバの前記受信機との間のダウンリンクを規定し、さらに、前記第二のトランシーバの前記送信機と前記第一のトランシーバの前記受信機との間のアップリンクを規定し、各トランシーバの組がデータ伝送フレームを通じてデータを伝送し、前記データ伝送フレームがデータシンボルを伝送するための複数のタイムスロットを含み、
前記プロービング信号方式が、それぞれのプロービング信号を各チャネルに割り振ることを含み、各々のプロービング信号が、それぞれの循環シフトによってシフトされた基準プロービング信号の循環的にシフトされたバージョンであり、前記循環シフトの数が、前記データ伝送フレームにおける前記タイムスロットの持続時間を前記トランシーバの組の数で割った数未満である、プロービング信号方式。
【発明を実施するための形態】
【0016】
開示した技術は、データ伝送方式を動的に決定するための方法およびシステムを提供することによって、先行技術の不都合を克服する。1つの伝送方式によれば、通信フレームは、通信システムにおいてダウンリンクおよびアップリンク期間に区分される。それに応じて、各フレームは、それぞれのダウンリンク期間およびそれぞれのアップリンク期間に分割される。ダウンリンク期間およびアップリンク期間の持続時間は、フレームごとに変化させることができ、すなわちスーパーフレーム内の全てのフレームについて決定できる。あるいは、別の伝送方式によれば、各フレームは3つの期間に分割される。すなわち、ダウンリンクのみの伝送期間、アップリンクのみの伝送期間、およびダウンリンクまたはアップリンク伝送のいずれかに使用される第三の期間。この第三の期間は、通常、フレームにおいて未使用のまたは割り当てられていないシンボルに対応する。これらのシンボルは、ダウンリンクまたはアップリンクにデータの不測のバーストが伝送される万一の場合に使用される特別な割当を生成する必要なく、ダウンリンクまたはアップリンク伝送のいずれかに利用可能である。アップリンクのみの伝送期間をダウンリンクのみの伝送期間と同期して、これらの伝送間のクロストークを軽減する。
【0017】
開示した技術に従うなおも別の伝送方式によれば、フレームにおける各シンボルの伝送帯域幅は、複数のサブバンドにさらに分割される。フレームにおけるシンボルの持続時間(すなわち、タイムスロット)は、サブバンドとともに、論理割当ユニット(LAU)を規定する。それ故に、各フレームは、LAUの二次元配列とみなすことができる。各ユーザは、伝送(すなわち、ダウンリンク伝送およびアップリンク伝送)に使用できるそれぞれのLAUのセットに割り当てられる。このLAUのセットは、伝送に使用される「アクティブセット」を規定する。アクティブセットは、フレームごとまたはスーパーフレームごとに決定される。換言すると、アクティブセットは、フレームまたはスーパーフレームごとに変化してもよいし、変化しなくてもよい。LAUのアクティブセットの割り振りは、電力管理および二重方式の実施を可能にする付加的な自由度を促進する。
【0018】
以下の記述では、ツイストペア線を通じて複数のCPEと通信する分配点について言及する。しかしながら、開示した技術が、複数のコンピュータ装置と通信する、ルータなどのあらゆる種類の通信システム(すなわち、有線または無線)を指すことに留意されたい。さらに、本明細書における「伝送機会」という用語は、アクティブセットにおけるタイムスロットまたはLAUのいずれかを指す。さらに、「伝送方式」という用語は、本明細書においてDPおよびCPEとの伝送(すなわち、ダウンリンクまたはアップリンクのいずれか)機会の割当を指す。しかしながら、DPまたはCPEが、必ずしもこれらに割り当てられた伝送機会を全て使用する必要はないことに留意されたい。
【0019】
ここで
図3を参照する。この図は全体を100で参照する、開示した技術の実施形態に従い構成され動作する通信システムの概略図である。システム100は、分配点(DP)102および複数の加入者宅内機器(CPE)104
1、104
2、104
3〜104
mを含む。DP102は、DPネットワークアクセスコントローラ106、DP動的帯域幅アロケータ108、DPタイミングコントローラ110、DPコントローラ112、DPベクトルコントローラ110、およびDPトランシーバブロック116を含む。DPトランシーバブロック116は、複数のDPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mを含む。DP動的帯域幅アロケータ108は、出力コントローラ118を含む。CPE104
1などの各CPEすなわちCPE104
1、104
2、104
3〜104
mは、それぞれのCPEトランシーバ120、それぞれのCPEネットワークアクセスコントローラ122、それぞれのCPEタイミングコントローラ124、およびそれぞれのCPEコントローラを含む。DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々、および個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mのCPEトランシーバ120は、送信機(図示せず)および受信機(これも図示せず)を含む。
【0020】
DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々は、トランシーバの組を規定するCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のそれぞれのCPEトランシーバ120に連結される。DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの送信機、およびそれらと連結された個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各CPEトランシーバ120のそれぞれの受信機が、ダウンリンクを規定する。さらに、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの受信機、およびそれらと連結された個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各CPEトランシーバ120のそれぞれの送信機が、アップリンクを規定する。従って、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々が、それぞれのチャネル105
1、105
2、105
3〜105
mを通じてCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のそれぞれのCPEトランシーバ120とのそれぞれのリンクを形成する。「リンク」という用語は、本明細書において互いに通信する(すなわち、データを互いに伝送し、データを互いから受信する)2つの装置を関係づける。
【0021】
DPコントローラ112は、DPネットワークアクセスコントローラ104、DP動的帯域幅アロケータ108、DPタイミングコントローラ110、DPベクトルコントローラ114、およびトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々と連結する。さらに、DP動的帯域幅アロケータ108は、ネットワークアクセスコントローラ106、およびトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々と連結する。さらに、DPタイミングコントローラ110は、ネットワークアクセスコントローラ106、およびトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々と連結する。さらに、DPベクトルコントローラ114は、ネットワークアクセスコントローラ106、およびトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々と連結する。さらに、ネットワークアクセスコントローラ106は、ネットワーク(例えば、共に図示しないPOTSまたはインターネット)と連結する。
【0022】
CPEコントローラ124は、CPEトランシーバ120、CPEネットワークアクセスコントローラ122、およびCPEタイミングコントローラ124と連結する。さらに、CPEタイミングコントローラ124は、CPEネットワークアクセスコントローラ122、およびCPEトランシーバ120と連結する。さらに、CPEネットワークアクセスコントローラは、CPEトランシーバ120、および加入者宅内ネットワーク(図示せず)と連結する。
【0023】
DPコントローラ112は、DPネットワークアクセスコントローラ106、DP動的帯域幅アロケータ108、DPタイミングコントローラ110、DPベクトルコントローラ114、およびDPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々に、DP102の動作に関する外因性パラメータを提供する。DPコントローラ112は、ネットワークからネットワークアクセスコントローラ106またはユーズインターフェース(図示せず)のいずれかを介してこれらの外因性パラメータに関する最新情報を受信できる。「外因性パラメータ」という用語は、本明細書においてDP102が決定しないパラメータに関連する。例えば、DPコントローラ112は、動的帯域幅アロケータ104に、CPE116
1、116
2、116
3〜116
mに関連する各ユーザの契約において定められた最大データ転送速度または保証データ転送速度を提供する。動的帯域幅アロケータ104は、CPE116
1、116
2、116
3〜116
mの各々についての割り当てられた伝送機会を決定するときにこの情報を使用できる。DPコントローラ112は、動的帯域幅アロケータ108に、DP102もしくはそのコンポーネントに要求される運転温度、または周囲温度の閾値およびコンポーネント温度の閾値も提供できる。これにより出力コントローラ118は、決定された温度閾値未満の温度に維持するために、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々に要求される電力散逸を決定できる。
【0024】
DP動的帯域幅アロケータ108は、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々についての伝送方式を動的に決定する。これらの伝送方式は、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々のダウンストリーム伝送機会、およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mのCPEトランシーバ120の各々についてのアップストリーム伝送機会を規定する。先に述べたように、これらの伝送機会は、フレームにおけるタイムスロットまたはアクティブセットにおけるLAUでもよい。そのために、DP動的帯域幅アロケータ108は、帯域幅レポートを受信する。これらの帯域幅レポートは、ダウンリンクのためにDP102によって、およびアップリンクのためにCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々によって以前に使用された伝送機会に関する情報を含む。これらの帯域幅レポートは、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々によって伝送されるデータの必要量に関する情報も含むことができる。伝送されるデータの必要量に関する情報は、ダウンリンクおよびアップリンクの両方におけるさまざまなリンクに関する、さまざまなデータストリームのデータ待ち行列の状態に基づくものでもよい。そのために、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、そのアップリンクデータ待ち行列の状態を、周期的にまたはDP動的帯域幅アロケータ108からのリクエストに応じてDP102に伝送できる。帯域幅レポートは、伝送に必要なDP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のデータの最小量(すなわち、伝送されるデータの保存量よりも少なくても多くてもよい量)に関する情報も含むことができる。「データ量」という用語は、本明細書において情報のユニット(例えば、ビット、バイトまたはシンボル)の数に関する。
【0025】
DP動的帯域幅アロケータ108は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々に伝送するのに必要なデータ量に少なくとも従いダウンストリーム伝送機会を決定する。DP動的帯域幅アロケータ108は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々によって伝送されるデータの必要量に少なくとも従いCPEトランシーバ120の各々についてのアップストリーム伝送機会を決定する。DP動的帯域幅アロケータ108は、さらに、帯域幅レポートに含まれる他の情報およびサービスパラメータに従い、ダウンリンクおよびアップリンク伝送機会を決定できる。このサービスパラメータは、例えば、保証ビットレート(例えば、各CPEのサービス契約に従うレート)、サービスの質、優先権(例えば、DP動的帯域幅アロケータ108が特定のCPEに伝送機会を割り当てなかったときに、そのCPEは他のCPEよりも優先的に受信するものとする)、および最大許容ビットレートが挙げられる。動的帯域幅アロケータ108がCPE104
1、104
2、104
3〜104
mに伝送機会を割り当てる(すなわち、伝送機会の割当は、リンクごとではなくDP102において行われる)ため、全てのリンクにおいて利用可能な伝送機会(すなわち、タイムスロットまたはLAUのいずれか)の総数を、DP102の共有リソースと見なすことができることに留意されたい。さまざまなリンクへのこの共有リソースの割当は、前述の情報入力に基づく最適化プロセスの結果である。以下にさらに説明するように、アクティブなアクティブセットの使用が、DP102の消費電力または温度の制御または管理を促進することにさらに留意されたい。
【0026】
動的帯域幅アロケータ108は、DP102内部のさまざまなセンサ(図示せず)から、DP102またはDP102内のコンポーネント(例えば、チップ)の周囲温度に関する情報を受信する。さらに、動的帯域幅アロケータ108は、(例えば、共に図示しない電流および電位センサからの)DP102の実際の消費電力に関する付加的な情報を受信できる。動的帯域幅アロケータ108は、さらに、DP102もしくはそのコンポーネントに要求される運転温度、または周囲温度の閾値およびコンポーネント温度の閾値に関する情報を受信できる。代替的にまたは選択的に、動的帯域幅アロケータ108は、さらに、DP102の必要エネルギーまたは電力散逸に関する情報を受信できる。出力コントローラ118は、この情報を使用してトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々の電力散逸を、電力散逸要件、温度要件、またはその両方を満たすように制御する。例えば、これらの温度要件は、DP102の温度(すなわち、DP102内部の温度またはDP102のコンポーネントの温度のいずれか)を決定された温度閾値未満に維持することを含む。電力要件は、例えば、DP102の電力散逸閾値でもよい。
【0027】
DPタイミングコントローラ110は、DPネットワークアクセスコントローラ106からネットワークタイミング情報(例えば、SyncEもしくはIEEE1588または両方)を受信し、このネットワークタイミング情報をDPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mに提供する。DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mは、このネットワークタイミング情報を使用してデータの伝送および受信を調整する。ネットワークタイミング情報は、例えば、時刻およびネットワークタイミング基準である。DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mは、それらが伝送するスーパーフレームおよびフレームを、時刻およびネットワークタイミング基準に合わせ、そしてそれぞれのトランシーバクロック(図示せず)を、時刻情報、ネットワークタイミング基準、またはそれらの両方に同期できる。
【0028】
DPベクトルコントローラ114は、ネットワークアクセスコントローラ106からバックチャネル情報を受信し、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々のプレコーダ(図示せず)の行列係数(すなわち、プレコーディング行列)を、クロストーク干渉を軽減するように決定する。バックチャネル情報は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々から受信した、チャネル105
1、105
2、105
3〜105
mの各々のそれぞれのパラメータに関する情報を含む。これらのパラメータは、例えば、ダウンリンクFEXT測定値に関する。パラメータは、DPベクトルコントローラ114によってトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々を介して個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mに伝送されたプロービング信号に従い、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々によって決定される。DPベクトルコントローラ114は、チャネル105
1、105
2、105
3〜105
mに関する全てのパラメータを使用してチャネル応答行列を決定する。
【0029】
DPネットワークアクセスコントローラ106は、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々に、個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mを宛先とするそれぞれのダウンストリームデータを提供する。ネットワークアクセスコントローラ106は、さらに、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々から、個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mが提供するアップストリームデータを受信する。DPネットワークアクセスコントローラ106は、受信するデータの速度が伝送データの速度を越えたときに、ダウンストリームおよびアップストリームデータを一時的に保存するためのバッファ(図示せず)を含むことができる。
【0030】
DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々は、個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mのCPEトランシーバ120にデータを伝送する。ダウンストリームデータを伝送するときに、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々は、変調、プレコーディング、および順方向誤り訂正(FEC)符号化などの伝送動作を実行する。アップストリームデータを受信するときに、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々は、復調、フィルタリング、FEC復号などの受信動作を実行する。全てのトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mは、同じ時に伝送を開始し、伝送周波数レンジにわたってデータフレームを同時に伝送する。
【0031】
CPEコントローラ126は、CPEネットワークアクセスコントローラ122、CPEタイミングコントローラ124、CPEトランシーバ120に、CPE104の動作に関する外因性パラメータを提供する。DPコントローラ112は、ネットワークからネットワークアクセスコントローラ106またはユーズインターフェース(図示せず)のいずれかを介してこれらの外因性パラメータに関する最新情報を受信できる。これらの外因性パラメータは、例えば、それぞれのCPEの保証および最大アップリンクデータ転送速度である。
【0032】
CPEタイミングコントローラ124は、CPEトランシーバ120からネットワークタイミング情報を受信し、この情報をネットワークアクセスコントローラ122に提供する。CPEトランシーバ120は、このネットワークタイミング情報を使用してデータの伝送および受信を調整する。先に述べたように、ネットワークおよび周波数タイミング情報は、例えば、時刻およびネットワークタイミング基準である。CPEトランシーバ120は、トランシーバクロック(図示せず)を、時刻情報、ネットワークタイミング基準、またはそれらの両方に同期できる。
【0033】
CPEネットワークアクセスコントローラ122は、1つまたは複数のユーザ装置(例えば、全て図示しないコンピュータ、ルータ、スマートフォン)からアップストリームデータを受信し、このアップストリームデータをトランシーバ120に提供する。CPEネットワークアクセスコントローラ122は、トランシーバ120からダウンストリームデータを受信し、このダウンストリームデータを1つまたは複数のユーザ装置に提供する。CPEネットワークアクセスコントローラ106は、受信するデータの速度が(すなわち、DPまたはネットワークのいずれかに送られる)伝送データの速度を越えたときにダウンストリームおよびアップストリームデータを一時的に保存するためのバッファ(図示せず)を含むことができる。
【0034】
アップストリームデータを伝送するときに、トランシーバ120は、変調、プレコーディング、およびFEC符号化などの伝送動作を実行する。ダウンストリームデータを受信するときに、トランシーバ120は、復調、フィルタリング、FEC復号などの受信動作を実行する。
【0035】
通常、システム100は、伝送帯域幅が複数のサブチャネルに分割される離散マルチトーン(DMT)伝送を使用する。各サブチャネルは、それぞれの副搬送波に関連付けられる。伝送帯域幅の不均一な周波数応答を原因として、各サブチャネルは、さらに、例えば64直交振幅変調(QAM)、256QAMなどのそれぞれの変調型に関連付けられる。各サブチャネルのそれぞれの変調型は、そのサブチャネルの周波数応答、要求されるビットレート、および電力制限に従い決定される。さらに、各サブチャネルのそれぞれの変調型は、伝送帯域幅の周波数応答の変化に応じて動的に変化する。システム100では、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
M、およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のそれぞれのトランシーバ120は、通常、全てのサブチャネルを通じて伝送し、かつ伝送されたものを受信する。
【0036】
図3を参照して先に述べたように、DP動的帯域幅アロケータ108は、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々のダウンストリーム伝送機会、およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mのCPEトランシーバ120の各々についてのアップストリーム伝送機会を動的に決定する。
図4A、
図4B、
図5および
図6に関連する以下の記述は、DP動的帯域幅アロケータ108がダウンストリームおよびアップストリーム伝送機会を動的に割り当てるさまざまな実施形態に関する。
【0037】
開示した技術の別の実施形態によれば、各フレームは、ダウンリンク伝送期間およびアップリンク伝送期間に動的に分割される。これらの伝送期間は、本明細書では「ゾーン」とも呼ぶ。ここで
図4Aおよび
図4Bを参照する。これらの図はそれぞれが全体を150および160で参照する、開示した技術の別の実施形態に従う、通信システムにおける2つの異なる伝送方式の概略図である。伝送方式150および160に従い、フレーム151および151の各々は、それぞれのダウンリンク期間およびそれぞれのアップリンク期間に区分される。
図4Aにおいて、フレーム151は、スーパーフレーム内のi番目のフレームを表す。期間152は、フレーム151の持続時間である。期間152のうち、期間154がダウンリンク伝送に指定され、期間156がアップリンク伝送に指定される。フレーム151では、CPE1が、ダウンリンク期間154全体の間伝送する。CPE2、CPE3およびCPEMが、ダウンリンク期間154のそれぞれの一部の間、ペイロードを伝送する。CPE2、CPE3およびCPEMは、残りの部分の間、例えばクロストーク除去に使用されるアイドルデータを伝送する。CPEMは、アップリンク期間156全体の間伝送する。CPE1、CPE2およびCPE3は、アップリンク期間156のそれぞれの一部の間、ペイロードデータを伝送する。CPE1、CPE2およびCPE3は、残りの部分の間、アイドルデータを伝送する。
【0038】
図4Bにおいて、フレーム161は、スーパーフレーム内のj番目のフレームを表す。期間162は、フレーム161の持続時間である。期間162は期間152(
図4A)と等しい。期間162のうち、期間164がダウンリンク伝送に指定され、期間166がアップリンク伝送に指定される。フレーム100とフレーム120とを比較すると、ダウンリンク期間164(
図4B)がダウンリンク期間154(
図4A)よりも長い。CPE1、CPE2、CPE3およびCPEMは、ダウンリンク期間164のそれぞれの一部の間、ペイロードを伝送する。CPE1、CPE2、CPE3およびCPEMは、残りの部分の間、アイドルデータを伝送する。CPE2は、アップリンク期間166全体の間ペイロードを伝送する。CPE1、CPE3およびCPE4は、アップリンク期間166のそれぞれの一部の間、ペイロードを伝送する。CPE1、CPE3およびCPE4は、残りの部分の間、アイドルデータを伝送する。従って、アップリンク期間166(
図4B)は、ダウンリンク期間156(
図3A)よりも短い。ダウンリンクおよびアップリンク期間は、フレーム基準に従いフレームに、またはスーパーフレーム基準に従いスーパーフレームに割り当てられる。
【0039】
開示した技術のさらなる実施形態によれば、DP動的帯域幅アロケータ108(
図3)は、各フレームを3つの期間(すなわち、ゾーン)に動的に分割する。すなわち、ダウンリンク伝送期間、アップリンク伝送期間、およびダウンリンク/アップリンク伝送期間に分割する。ここで
図5を参照する。この図は全体を180で参照する、開示した技術のさらなる実施形態に従う、トランシーバの組間の伝送方式の概略図である。伝送方式180によれば、フレーム181は、スーパーフレーム内のi番目のフレームであり、3つの相互排他的なゾーンに区分される。フレーム181の期間182のうち、期間184がダウンリンクのみの伝送に指定され、期間186がアップリンクのみの伝送に指定され、期間188がアップリンクまたはダウンリンク伝送のいずれかのために指定される(
図4の省略形DL/UL)。各DPおよびCPEは、特別な割当がなくても期間188を使用できる。例えば、DPは、CPEのいずれかに送信するのに必要なデータ量が、割り当てられたダウンストリーム期間184において伝送するデータ量を越えた場合に、ダウンリンク伝送のために期間188を使用できる。同様に、CPEは、DPのいずれかに送信するのに必要なデータ量が、割り当てられたダウンストリーム期間186において伝送するデータ量を越えた場合に、アップリンク伝送のために期間188を使用できる。
【0040】
これらの3つの期間へのフレームの区分は、全てのリンクにわたって同期される。換言すると、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々のフレームの各々は、同じ様に3つの期間に分割される。それ故に、ダウンリンクのみの伝送期間(すなわち、ゾーン)、およびアップリンクのみの伝送期間内のFEXTを原因とするノイズを、(例えば、プレコーディングまたはクロストーク除去とともに)大幅に低く、または制御できる。DP動的帯域幅アロケータ108は、前述の帯域幅レポートに従い3つの期間の各々の持続時間を動的に構成する。
【0041】
フレーム181では、ダウンリンク伝送がフレームの最初に合わせられ、その一方で、アップリンク伝送がフレームの最後に合わせられる。換言すると、DP動的帯域幅アロケータ108(
図3)が各ユーザのダウンリンク伝送機会を割り当てる場合には、DP動的帯域幅アロケータ108は、フレーム180の最初から伝送機会を割り当てる。DP動的帯域幅アロケータ108が各ユーザのアップリンク伝送機会を割り当てる場合には、DP動的帯域幅アロケータ108は、フレーム180の最後から伝送機会の割り当てを開始する。
【0042】
図5では、CPE1は、アップリンクおよびダウンリンク伝送の標準持続時間を示し、CPE2は、ダウンリンク伝送の長期の持続時間(すなわち、比較的多量のデータが伝送される)を示し、CPE3は、アップリンク伝送の長期の持続時間を示し、CPE4は、アップリンク伝送の長期の持続時間かつダウンリンク伝送の長期の持続時間を示す。リンクの各々の実際のアップリンクおよびダウンリンク伝送持続時間は、フレームごとに変化できる。ダウンリンク伝送持続時間がダウンリンクのみの期間184に限定され、アップリンク伝送持続時間がアップリンクのみの期間186に限定される場合には、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、それらの伝送を調整する必要はない。しかしながら、ダウンリンク要件およびアップリンク要件によってそれぞれの割り当てられた期間を入れ替える場合には、ダウンリンクおよびアップリンク伝送の同時発生、例えば、DP102がCPE3のアップリンク伝送と同時にCPE2にダウンリンクを伝送する期間190に生じる同時発生は、回避されるべきである。アップリンクおよびダウンリンク伝送の同時発生の事象は、かかる状況に生じるクロストークを原因として受信したメッセージに(すなわち、DPまたは適切なCPEのいずれかによって生じる)エラーが生じる確率を増大する。故に、一般に、2つのオプションがある。第一のオプションは、かかる事象は一般的にまれであるが、ダウンリンクおよびアップリンク伝送の同時発生の事象にはいくつかのエラーが生じるという事実を受け入れることである。第二のオプションは、そのような同時伝送が起こらないように、DL/ULゾーン内の伝送機会の割当を管理することである。そのために、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々が、それらの伝送を調整する。例えば、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、ダウンリンク伝送待ち行列に従いそれらの伝送を調整できる。例えば、DP動的帯域幅アロケータ108が、組み合わせのダウンリンクおよび一緒にされたDL/UL期間を越えないようにダウンリンク伝送を制限する。CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のトランシーバ120が、DP102の伝送の最後を検出し、CPEタイミングコントローラ124が、アップリンク伝送をフレームの最後に合わせつつ、その伝送がダウンリンクと重複しないように計画する。それ故に、調整メッセージの伝送に起因するオーバーヘッドがないことが要求される。しかしながら、処理待ち時間が、ダウンリンク伝送期間とアップリンク伝送期間との間の相当な移行期間をもたらす場合がある。
【0043】
DP102とCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々との間の伝送調整の別の例によれば、DP102が伝送シンボル(すなわち、フレーム内の所定の1つまたは複数のシンボル)の最後を組み込む。この伝送シンボルは、ダウンリンク伝送の実際の最後の前のフレームにおける既知の位置において、ダウンリンク伝送の最後をマークする。CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々のタイミングコントローラ124が、この伝送シンボルの最後に従い、ダウンリンク伝送の最後の前に伝送を開始する時を決定する。このようにして、ダウンリンク伝送の最後とアップリンク伝送の開始との間の待ち時間を短縮する。DP102とCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々との間の伝送調整のなおも別の例では、DP102が、同じダウンリンクフレームの一部としてメッセージ(例えば、MAP)を伝送する。このメッセージは、ダウンリンクの持続時間、最大許容アップリンクサイズ、または両方に関する情報を含む。この情報は、指定されたメッセージに含み、またはアップリンクのみのゾーン(UL)に関して前述したアップリンク長メッセージの一部に含んで送信できる。
【0044】
開示した技術の別の実施形態によれば、フレームにおける各タイムスロットの伝送帯域幅は、複数のサブバンドにさらに分割される。フレームにおけるタイムスロットの持続時間は、サブバンドとともに、論理割当ユニット(LAU)を規定する。それ故に、各フレームは、LAUの二次元配列とみなすことができる。LAUのCPEへの割り振りは、電力管理および二重方式の実施を可能にする付加的な自由度を促進する。ここで
図6を参照する。この図は全体を200で参照する、開示した技術の別の実施形態に従う、周波数ドメイン、時間ドメイン伝送方式の概略図である。伝送方式200によれば、フレーム201は、スーパーフレーム内のi番目のフレームであり、D
1、D
2、D
3、D
4〜D
sで指定された複数のタイムスロットに分割される。伝送帯域幅は、B
1、B
2、B
3、B
4〜B
kで指定された複数のタイムスロットに分割される。LAUは、タイムスロットおよびサブバンドのそれぞれの組み合わせによって規定される。例えば、LAU202は、フレーム200内の第三のタイムスロットD
3および第四のサブバンドB
4によって規定され、D
3B
4と指定される。別の例では、LAU204は、フレーム200内の第四のタイムスロットD
4および第二のサブバンドB
2によって規定され、D
4B
2と指定される。
図4A、
図4Bおよび
図4を参照して前述した例に加えて、アクティブセットに関する
図6にも関連する本明細書の記述においても、伝送機会の割当が、ペイロードデータのための伝送機会の割当、またはペイロードデータおよびクロストーク除去のために使用されるアイドルデータの両方のための伝送機会の割当のいずれかに関することに留意されたい。
【0045】
フレームのダウンリンクゾーン、アップリンクゾーンおよびDL/ULゾーンへの区分と同様に、LAUも3つのグループ(すなわち、ダウンリンクグループ、アップリンクグループおよびDL/ULグループ)に区分できる。DP動的帯域幅アロケータ108は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々にそれぞれのアクティブセットを割り当てる。アクティブセットは、LAUのセットとして規定され、(すなわち、ダウンリンクアクティブセットにおいてDP102によって、またはアップリンクアクティブセットにおいてCPE104
1、104
2、104
3〜104
mによって)伝送に使用できる。アクティブセットは、選択されたLAUの組み合わせを含む。選択されたLAUの一部はダウンリンク伝送に関連し、別の部分はアップリンク伝送に関連する。3つのグループが使用される場合には、選択されたLAUのなおも別の一部が、ダウンリンク/アップリンク伝送に関連する。先に述べたように、LAUは伝送機会である。これは、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mおよびアクティブセットに関連するCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々が、必ずしもアクティブセット内の全てのLAUを使用する必要はないことを意味する。
【0046】
CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々に関連するアクティブセットは、相互排他的である。あるいは、アクティブセットは、時間、周波数、またはそれらの両方を重複してもよい(すなわち、少なくとも2つのCPE104
1、104
2、104
3〜104
mが、少なくとも1つの共有LAUに割り当てられる)。
図6に説明する例では、LAU202などの斜線のLAUがダウンリンクLAUであり、LAU206などの斜交線のLAUがアップリンクLAUである。白地のLAUは、DL/ULのLAUまたは割り当てられたLAUである。アクティブセットは、フレームごともしくはスーパーフレームごとまたは時間に応じて(例えば、DP102の電力散逸もしくは温度の変化、またはデータトラフィック要件の変化に従い)変化できる。以下にさらに説明するように、LAUのアクティブセットの割当は、DPおよびCPE両方の消費電力の制御を促進する。LAUのアクティブセットの割当は、遠端クロストーク(FEXT)およびベクトル化要件の減少、ならびに多重化動作も促進する。DP動的帯域幅アロケータ108は、前述の帯域幅レポートに含まれる情報の少なくとも一部(すなわち、伝送されるデータの必要量、進行中のアクティブセット、割当パラメータなど)、および「フレーム充填」ルールに従い、アクティブセットを割り当てる。
【0047】
「フレーム充填」ルールは、周波数最重要ルール、時間最重要ルール、または同期ルールを含む。周波数最重要充填ルールに従えば、最初のシンボル持続時間のLAU(すなわち、第一のタイムスロット)が最初に割り当てられ、第二のシンボル持続時間のLAUが次に割り当てられ、以降も同様である。
図6を参照すれば、LAU D
1B
1〜D
1B
kが最初に割り当てられ、次にLAU D
2B
1〜D
2B
kが割り当てられ、以降も同様である。時間最重要充填ルールに従えば、第一のサブバンドのLAUが最初に割り当てられ、第二のサブバンドのLAUが次に割り当てられ、以降も同様である。
図6を参照すれば、LAU D
1B
1〜D
SB
1が最初に割り当てられ、次にLAU D
1B
2〜D
sB
2が割り当てられ、以降も同様である。同期ルールに従えば、DPおよびCPEがそれらの間のLAUの割当を調整する。それでもなお、アクティブセットにおける選択されたLAUが、互いに隣接する必要はないことに留意されたい。
【0048】
図4A、
図4B、
図5および
図6に関連して前述したフレーム構造は、データ伝送リクエストに従い、ダウンリンクおよびアップリンク持続時間(すなわち、伝送されるデータ量)のアップデートを促進する。長期のアップデートは、ダウンリンクおよびアップリンク持続時間を、長期のデータ伝送特性(例えば、ビデオチャネルまたは大きなファイルの転送)にアップデートすることに関する。かかる状況では、アップリンクおよびダウンリンク持続時間のアップデートは、一以上のスーパーフレームに1回実行される。長期のアップデートは、アクティブセットの変化、ゾーン境界(
図5)の変化、または両方を含むことができる。ダウンリンクまたはアップリンク持続時間をアップデートする制御メッセージは、動的オンライン再構成チャネル(DOLRC)において伝送される。DOLRCは、トランシーバを再同期することなく、伝送パラメータ(例えば、アップリンクおよびダウンリンク持続時間、ビットローディングテーブルなど)をアップデートできる、フレーム内の指定された制御伝送機会である。ダウンリンクおよびアップリンク持続時間のアップデートは、リンクを使用した現在実行中のサービス(例えば、ビデオストリーマまたはウェブブラウザ)のデータ伝送要件もしくは集められたデータ伝送の統計値、または両方に関する情報に基づいて行うことができる。しかしながら、そのようなアップデートされた速度では、データの不測のバーストが伝送されたダウンリンクまたはアップリンク持続時間のアップデートは促進しない。
【0049】
短期のアップデートは、ダウンリンクおよびアップリンク持続時間を、最小限の待ち時間またはバッファリング要件で伝送されたデータの不測のバーストに対応するようにアップデートすることに関する。短期のアップデートは、
図5に関連して前述した「3つのゾーン」、とりわけDL/ULゾーンまたはグループに基づくものである。DL/ULゾーンの間、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの両方は、必要に応じて(すなわち、それぞれ、ダウンリンク伝送またはアップリンク伝送のいずれかにおいて)伝送する。しかしながら、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの少なくとも1つの両方がDL/ULゾーンにおいて同時に伝送できるため、DL/ULゾーンまたはグループにおけるノイズレベルは、DLのみまたはULのみのゾーンにおけるノイズとは異なるであろう。DL/ULゾーンにおけるノイズおよび干渉は、全く伝送しないときと比較して低いはずである。ノイズは、DP102、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの少なくとも1つ、または両方が伝送するときには、(すなわち、FEXTまたはNEXTの発生を原因として)変動するであろう。しかしながら、DL/ULゾーンにおけるロバスト伝送を促進するために、各ゾーンに関連するそれぞれのビットローディングテーブルとともに、速い再伝送方式が使用される(すなわち、ゾーンの各々においてビットレートが異なり得る)。
【0050】
前に提示した動的帯域幅割当方式は、二段階の手法を使用する。第一の段階において、トランシーバ(すなわち、DPおよびCPEのトランシーバ)が、TDDタイミングに関して調整される。この段階では、帯域幅割当は、通常、比較的遅い速度で変化する。この遅い速度の原因には、データ伝送ニーズのために長期にわたり蓄積された情報を受けた、帯域幅割当パラメータの所定の設定または粗調整のいずれかがある。両方の状況において、帯域幅割当の変化に対する応答時間の変化、および帯域幅割当パラメータ設定間の移行が、いくつかのフレーム、さらにはスーパーフレームにわたって起こり得る。かかるタイミング制約は、新規の帯域幅割当設定へのDPおよびCPEの移行を管理するためのロバスト制御プロトコルの実施を促進する。新規の帯域幅割当設定への移行は、DPとCPEとを完全に同期する必要がある。かかる移行のための標準的な同期点は、スーパーフレーム境界である。さらに、この段階で為される帯域幅割当設定は、「デフォルト帯域幅割当設定」と呼ばれる。
【0051】
次の段階の帯域幅割当制御は、実際のデータトラフィックの帯域幅割当要件によって決定される。「リアルワールド」データ伝送トラフィックでは、実際のビットレートが経時的に変化するため、実際の帯域幅割当要件も経時的に変化する。必要な帯域幅割当の遅延が、待ち時間の増大およびネットワーク全域にわたるいらいらを生じさせる。さらに、データビットレートにばらつきが生じ、その結果として帯域幅要件がフレームごとに変化することがある。フレームの持続時間が(〜1ms)であれば、DPとCPEとの間の完全に調整された帯域幅割当プロトコルの達成は困難であろう。
【0052】
前述を考慮して、完全に動的な「フレームごとの」帯域幅割当方式は、以下の要件を満たすはずである。
n DPとCPEとの間のUL帯域幅割当の調整が要求されない。
n リンク間のUL伝送とDL伝送との重複が許可されない。
n CPEは、同じフレーム内においてDPからの帯域幅割当命令に対処できるはずである。
n CPEとDPとの間のアップストリーム方向における通信レベルは、フレームにおけるダウンリンクおよびアップリンク帯域幅割当命令を損失したとしても保証される。
【0053】
動的帯域幅割当に対する二段階の手法は、保証ビットレートまたは認定情報速度(CIR)および最大ビットレートまたはピーク情報速度(PIR)の観点から規定された「サービスレベル」の概念に準拠する。この概念に基づいて、デフォルト帯域幅割当設定は、通常、CIR要件を満たすサービスレベルを提供するように規定されるであろう。他方では、利用可能な帯域幅(すなわち、伝送機会)および実際のトラフィック要件が、CIRを満たすように割り当てられたデフォルト帯域幅リソースを越えた場合には、フレームごとの動的帯域幅割当方式に、PIRを満たすのに必要な付加的な伝送機会割当を提供することを考慮できる。
【0054】
メディアアクセスプラン(MAP)が、DPとCPEの各々との間で動的伝送パラメータを通信するために、各TDDフレームのダウンストリーム伝送において送信される。MAPデータは、ダウンリンク伝送とアップリンク伝送との間の、現在のフレームにおける「境界点」をCPEが決定できる帯域幅割当情報を含有する。例えば、MAP内の最大ダウンリンク伝送時間を使用して、CPEは、アップリンク伝送に割り当てられるフレームの一部を決定できる。
【0055】
DPは、MAP内の最大ダウンリンク伝送期間を設定する責任がある。CPEは、それに応じてアップリンク伝送の最早開始時刻を導き出す。リンクにわたるアップリンクおよびダウンリンク伝送の重複により引き起こされるクロストークを回避するために、DP内の全てのトランシーバは、最大ダウンリンク伝送期間に対して調整されるはずである。DPが、全てのリンクについてMAPによりダウンリンク伝送とアップリンク伝送との間の同じ境界点を定め、CPEがそれに応じてアップリンク伝送を導くため、リンクにわたるアップリンク伝送とダウンリンク伝送との間の重複は実質的にはない。それ故に、MAPの損失がなければ、帯域幅を、前に概説した最初の3つの要件を保証できるようにフレームごとに動的に割り当てることができる。しかしながら、完全なMAPがCPEの1つ以上によって損失した場合でさえも、なおも全ての要件が保証されるべきである。
【0056】
MAPを完全に損失すると、MAPを受信しなかったCPEは、アップリンク伝送が開始された時刻を知ることができない。かかる状況では、CPEは、アップリンク伝送がデフォルトアップリンク伝送機会設定よりも遅く開始されたと想定し、DPは、MAPにおいて定められたアップリンク/ダウンリンク境界点が、このデフォルト設定を決して交差しないことを保証する。それ故に、完全なMAPを損失した場合には、CPEは、アップリンク伝送に利用可能ないくつかの伝送機会を有することを保証される。この帯域幅は、第一段階の伝送機会割当プロトコルによって各フレームにおいて保証され、割り当てられたアップリンク伝送機会は、あらゆる他のCPEのダウンリンク伝送と重複しないことが保証される。これにより、前述の中点で概説した第二および第四の要件が保証される。
【0057】
また、DPは、CPEが現在のMAPを首尾よく復号し、それぞれのアップリンク伝送の時間内の予期された開始点の位置を復号することを確定するべきである。それ故に、DPは、MAPにおいて指定されたアップリンク伝送の開始時にアップリンク伝送を受信することをまず試みる。かかる伝送が見つからない場合には、DPは、デフォルトアップリンク伝送時間の開始時にアップリンク伝送を受信することを試みる。さまざまな方法を使用して、伝送が特定の位置に存在するか否かを検出できる。例えば、CRCチェック、前文またはパイロットシーケンスに基づく検出、周波数イコライザ(FEQ)が出力するQAM型のエラーなどが挙げられる。
【0058】
ここで
図7を参照する。この図は開示した技術のさらなる実施形態に従い動作する、DPとCPEとの間の多くのリンクにわたる3つの連続的なフレームの概略図である。
図7は、リンクにわたるDS伝送の同期を示し、ダウンリンクおよびアップリンクの両方におけるフレームごとの動的帯域幅割当を図示する。
図7は、さらに、CPE
MがフレームN+1に関するMAPメッセージを受信しなかった事象を図示する。
図7に図示するように、CPE
Mは、デフォルト境界の後のみにそのそれぞれのアップリンクデータを伝送する。先に述べたように、デフォルト境界は、そのダウンリンク伝送または他のCPEのダウンリンク伝送と重複せずに、CPE
Mがアップリンク伝送機会を割り当てることを保証する。
【0059】
電力管理
先に述べたように、フレーム分割(
図4A、
図4Bおよび
図5)およびアクティブセット(
図6)の使用は、DP102における消費電力の制御を促進する。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108内の出力コントローラ118が、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
Mの電力散逸を制御する。動的帯域幅アロケータ108は、両方の電力散逸要件、温度散逸要件のいずれかを満たすようにアクティブセットを決定する。先に述べたように、これらの温度要件は、例えば、DP102の温度(すなわち、DP102内部の温度またはDP102のコンポーネントの温度のいずれか)を決定された温度閾値未満に維持することを含む。電力要件は、DP102の電力散逸を電力散逸閾値未満に維持することを含む。
【0060】
アクティブセットを使用する場合には、各LAUは、(すなわち、電力散逸が周波数に応じて決まるため)電力散逸値またはエネルギー散逸の値に関連する。従って、DP動的帯域幅アロケータは、それぞれの電力散逸値またはエネルギー散逸の値の累積量がそれぞれの閾値(すなわち、電力閾値またはエネルギー閾値のいずれか)を越えないように、アクティブセットを決定する。
【0061】
一例によれば、DP動的帯域幅アロケータ108は、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの少なくとも1つの伝送がそれぞれの伝送中断時間において中断されるようにアクティブセットを決定する。あるいは、DP動的帯域幅アロケータ108は、選択されたトランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mのグループの伝送がそれぞれの伝送中断時間において中断される(すなわち、グループ内の全てのトランシーバが同じ中断時間に関連する)ようにアクティブセットを決定する。なおも別の代替案によれば、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの各々は、それぞれの伝送中断時間に関連できる。例えば、出力コントローラ118は、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの適切な1つの伝送を、データが利用可能なときのみに伝送するように制限する。出力コントローラ118は、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mに割り当てられた伝送機会を、DP102の温度が決定された温度閾値未満に維持されるようにも制限できる。また、出力コントローラ118は、ダウンリンクトランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの少なくとも1つ、またはその選択された1つもしくは複数のグループの伝送を制限できる。別の例によれば、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの1つによってダウンリンクにおいて伝送されるデータ量が現在のフレームにおいて比較的低い場合(例えば、データが、ダウンリンク伝送シンボルの10パーセント未満しか占有しない場合)には、出力コントローラ118は、個々のトランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mに、ダウンリンク伝送を次のフレームで行うように異ならせることを指示する。
【0062】
ここで
図8Aおよび
図8Bを参照する。この図は全体を220、240および260で参照する、開示した技術の別の実施形態に従う、例示的な出力制御方式の概略図である。
図8Aを参照すると、出力制御方式220において、フレーム221は、スーパーフレーム内のi番目のフレームである。フレーム221は、ダウンリンク期間およびそれぞれのアップリンク期間に区分される。期間222がダウンリンク伝送に指定され、期間224がアップリンク伝送に指定される。出力制御方式220によれば、出力コントローラ118が、トランシーバの2つのグループについての伝送中断時間を決定する。フレーム221では、出力コントローラ118(
図3)が、CPE1に関連するトランシーバ116
1のダウンリンク伝送およびCPE2に関連するトランシーバ116
2のダウンリンク伝送を期間228よりも短くなるように制限する。出力コントローラ118は、CPE3に関連するトランシーバ116
3のダウンリンク伝送、CPEMに関連するトランシーバ116
mのダウンリンク伝送を期間230よりも短くなるように制限する。換言すると、出力コントローラ118は、トランシーバ116
1およびトランシーバ116
2からなるグループについてのそれぞれの伝送中断時間、およびトランシーバ116
3〜116
mからなるグループについてのそれぞれの伝送中断時間を決定する。期間230は、期間228よりも短い。出力コントローラ118は、それぞれのCPE104
1、104
4、104
3〜104
mの各々に伝送されるデータ量に従いダウンリンク伝送中断を決定する。
【0063】
図8Bを参照すると、出力制御方式240において、フレーム241は、スーパーフレーム内のi番目のフレームである。フレーム241は、ダウンリンク期間およびそれぞれのアップリンク期間に区分される。期間242がダウンリンク伝送に指定され、期間244がアップリンク伝送に指定される。出力制御方式240によれば、出力コントローラ118が、トランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mの1つについての伝送中断を決定する。フレーム241では、CPE3に関連するトランシーバ116
3が、ダウンリンク伝送期間242の間にペイロードデータ248を伝送することになっていた。しかしながら、ダウンリンクにおいて伝送されるべきデータ量が低かった(例えば、ダウンリンク伝送シンボルの10パーセント未満)ため、出力コントローラ118は、トランシーバ116
3に、フレーム241の間のその伝送を後回しにし、次のフレームのダウンリンク伝送期間の間にペイロードデータ248を伝送することを指示する。従って、動的帯域幅アロケータ108は、フレーム241においてCPE3にダウンリンク伝送機会を割り当てなくてもよい。換言すると、出力コントローラ118は、フレーム241におけるCPE3の伝送をキャンセルする。同様に、アップリンクにおいて伝送されるデータ量が低い場合には、動的帯域幅アロケータ108は、適切なCPEにアップリンク伝送機会を割り当てなくてもよい。
【0064】
アップリンク伝送の間のCPEの消費電力の減少は、CPEの伝送機会の数を減らすことによっても達成できる。しかしながら、
図5に関連して先に記載したように、フレームを3つの期間に区分し、アップリンク伝送の開始をフレームの最後に合わせる場合には、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mは、(すなわち、アップリンク伝送の開始時刻が未知であるため、個々のCPE104
1、104
2、104
3〜104
mが伝送しているか否かの検出を続ける。アップリンク伝送の間の消費電力をさらに減少するために、各アップリンク伝送の最後に、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、(例えば、バッファに保存された)データ伝送待ち行列の状態(すなわち、伝送要件)に従い、再伝送を除く次のフレームのアップリンク期間においてCPEが送信することが予期されるデータ量を送信する。場合により、伝送要件は、低遅延を要求するデータ(例えば、フレームの伝送の開始の直前にCPEにおいて受信される緊急のデータまたはサービス要件の質)に必要な帯域幅を含むべきである。DP動的帯域幅アロケータ108は、チャネル伝送速度、リクエストされた再伝送、およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mによって送信されたデータとともにダウンリンク伝送期間の間に伝送されるデータ量に関する情報に従い、次のフレームに必要なアップリンクアクティブセットを推定する。さらなる例として、出力コントローラ118は、フレームまたはスーパーフレームの間に全てのCPEにおいて(すなわち、ダウンリンク、アップリンク、またはアップリンク/ダウンリンクのいずれかの)伝送に割り当てられたシンボルまたはLAUの数を制限することによって消費電力を制御する。換言すると、各フレームまたはスーパーフレームは、伝送機会(すなわち、具体的なリンクまたは全てのリンクにおけるシンボルまたはLAUのいずれか)のプールに関連する。割り当てられる伝送機会の数は、プール内の伝送機会の総数を上回らない。プール内の伝送機会は、フレームまたはスーパーフレーム内の伝送機会の総数よりも少ない。
【0065】
前述したプロセスには、DP102とCPE104
1、104
2、104
3〜104
mとの間の伝送調整が必要である。この調整は、DP動的帯域幅アロケータ108に提供された情報からアップストリームサイズを決定する方法を標準化することによって達成できる。換言すると、DP動的帯域幅アロケータ108、およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、同じ入力パラメータを有する同じプロセスを実行して、ダウンリンクおよびアップリンク伝送期間の開始および持続時間を決定するはずである。あるいは、伝送調整は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mに最大アップストリーム伝送持続時間を伝送することによってダウンリンク伝送期間の間達成できる。この最大伝送持続時間は、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの伝送要件を組み込む。それ故に、DP動的帯域幅アロケータ108は、最大ダウンリンク伝送期間(すなわち、またはその一部)を決定し、それから最大アップリンク伝送期間を導き出す。DP動的帯域幅アロケータ108は、導き出した最大アップリンク伝送期間を、DPトランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mを介してCPE104
1、104
2、104
3〜104
mに伝送する。最大アップリンク伝送期間を送信するための1つの可能な方法は、再伝送リクエストメッセージに関連し、再伝送リクエストが生成される時までに、DP102は、要求されるアップリンク持続時間を決定するのに必要な情報を有するはずである。あるいは、最大アップリンク伝送期間は、制御メッセージ(例えば、MAP)の一部として、または指定されたメッセージ内において送信できる。
【0066】
ここで
図9を参照する。この図は開示した技術のさらなる実施形態に従う、伝送方式を決定する方法である。手順280において、DPおよびCPEによって使用されるダウンリンクおよびアップリンク両方の伝送のための組み合わせた有効帯域幅を決定する。組み合わせた有効帯域幅は、ビットローディングテーブル(BLT)に従い決定される。これらのBLTは、各副搬送波の各シンボルに割り振られるビット数を定める。BTLは、チャネルプロービングが実行された後に、各サブチャネルにおいて確定されたクロストークおよび干渉に従い決定される。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、ダウンリンクおよびアップリンク両方の伝送のための組み合わせた有効帯域幅を決定する。手順200後、方法は手順290に進む。
【0067】
手順282において、ダウンリンク伝送に必要なデータ量を決定する。この必要なデータ量は、DP内部のダウンリンク伝送バッファに保存されたデータ量に従い決定される。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、ダウンリンクにおいて伝送されるデータ量を決定する。手順202後、方法は手順290に進む。
【0068】
手順284において、アップリンク伝送リクエストをCPEの各々から受信する。これらのアップリンク伝送リクエストは、アップリンク伝送の間にCPEの各々によって伝送されるデータ量を含む。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々を介して、CPE106
1、106
2、106
3〜106
mの各々からアップリンク伝送リクエストを受信する。手順204後、方法は手順290に進む。
【0069】
手順286において、帯域幅割当パラメータを決定する。これらの帯域幅割当パラメータは、例えば、各CPEの保証ビットレート、伝送されるデータの優先度、または各CPEの最大許容ビットレートである。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、帯域幅割当パラメータを決定する。手順206後、方法は手順290に進む。
【0070】
手順288において、以前に割り当てられたダウンリンクおよびアップリンク伝送方式を検索する。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、以前に割り当てられたダウンリンクおよびアップリンク伝送機会を決定する。手順288後、方法は手順290に進む。
【0071】
手順290において、DPおよびCPEの各々が少なくとも次の伝送フレームにおいて使用する伝送方式を決定する。伝送方式は、(すなわち、
図4Aおよび
図4Bを参照して先に記載したような)少なくともダウンリンク伝送機会およびアップリンク伝送機会を含む。伝送方式は、(すなわち、
図4Aおよび
図4Bを参照して先に記載したような)アップリンク/ダウンリンク伝送機会をさらに含むことができる。先に述べたように、伝送機会は、フレームにおけるタイムスロットまたはLAUのいずれかでもよい。DP内の各トランシーバが、決定されたダウンリンク伝送機会の少なくとも一部にわたって伝送する(すなわち、DPトランシーバは、伝送されるデータ量に従い、割り当てられたダウンリンク伝送機会の一部のみを使用できる)。各CPEは、決定されたアップリンク伝送機会の少なくとも一部にわたって伝送できる(すなわち、CPEトランシーバは、伝送されるデータ量に従い、割り当てられたアップリンク伝送機会の一部のみを使用できる)。さらに、伝送方式は、電力散逸要件、温度散逸要件、または両方を満たすように決定される。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、全てのCPEに関するダウンリンク伝送機会およびアップリンク伝送機会を決定する。手順290後、方法は手順292に進む。
【0072】
手順292において、決定された伝送方式に関する情報をCPEの全てに伝送する。この情報は、ダウンリンクおよびアップリンク伝送機会の明示的なリストでもよい。決定された伝送機会に関する情報は、あるいは、ダウンリンク伝送機会の最後に伝送された伝送メッセージの最後のものでもよい。この情報は、ダウンリンク伝送の最後のシンボルを示すポインタでもよい(すなわち、CPEがDPと同期され、それ故に、フレームの最初のシンボルおよび最後のシンボルがCPEに既知となるため)。また、決定された伝送機会に関する情報は、最大ダウンリンク伝送時間でもよい。
図3を参照するように、DP動的帯域幅アロケータ108が、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々を介して、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々に、決定された伝送機会およびアップリンク伝送機会に関する情報を伝送する。
【0073】
プロービング
プロービングにより、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々が、それぞれのチャネル105
1、105
2、105
3〜105
mに関するさまざまなパラメータ(例えば、チャネルインパルス応答、チャネル周波数応答、ノイズフロア、FEXTなど)を決定する。それ故に、各リンクを通じて伝送および受信され得るデータスループット(すなわち、データ量)を最大化する。換言すると、プロービングにより、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、チャネル推定を実行できる。DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、各フレームまたは各スーパーフレーム内に専用のプロービングシンボルにおいてそれぞれのプロービング信号を伝送する。
【0074】
開示した技術によれば、プロービング信号を使用してチャネル応答(すなわち、インパルスまたは周波数応答)およびクロストークを推定し、ノイズおよび干渉、あるいは信号対干渉ノイズ比(SINR)の測定値を概算する。クロストークを推定する場合には、プレコーディングせずにプロービング信号が伝送される。ノイズおよび干渉またはSINRを推定する場合には、プロービング信号が、伝送される前にプレコーディングされる。
【0075】
チャネルインパルス応答およびクロストークを推定する場合には、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々が、そのそれぞれのプロービング信号を、スーパーフレームの最初のフレーム内のLAUの固定セットに伝送する。チャネルインパルス応答およびクロストーク推定のためのプロービング信号は、通常、ビットのランダムシーケンスである。このビットのランダムシーケンスは、明示的に定めることができる。あるいは、ビットのランダムシーケンスは、疑似ランダムビット発生器によっても生成できる。それ故に、発生器のマスクおよびシードのみが定められる。なおも別の代替案によれば、ランダムビットシーケンスは、既定のシーケンスのセットから選択できる。
【0076】
チャネル105
1、105
2、105
3〜105
mの各々の応答、およびそれらの間のクロストークを同時に測定できるため、チャネル105
1、105
2、105
3〜105
mの各々に割り振られたプロービング信号は、互いにほぼ直交する。それ故に、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mにおける各測定のエラー確率が減少する。さらに、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々および120は、種々のプロービング信号をそれぞれ識別できるはずである。そのために、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、プロービング信号のそれぞれのサブチャネルの排他的なセットにおける各プロービング信号を調節し、それ故に、サブチャネルの直交性を利用する。しかしながら、サブチャネルのサブセットにおける伝送では、全信号出力の一部のみしか伝送されないため、達成可能な測定ノイズ抑圧が減少する。それ故に、SNR測定が不正確となることがある。
【0077】
ほぼ直交するプロービング信号を生成する1つの代替案によれば、DPベクトルコントローラ114は、チャネルインパルス応答持続時間が、通常、フレームにおけるタイムスロットの持続時間よりも短く、一般に、各々の伝送されたDMTシンボル間の保護ギャップ(例えば、周期的なプレフィックス)よりも短いという事実を利用する。DPベクトルコントローラ114は、第一のプロービング(すなわち、基準)ビットシーケンスを取り、複数の種々のバージョンの信号Dを生成することによって、ほぼ直交するプロービング信号のセットを生成する。DPベクトルコントローラ114は、(d−1).Δの循環シフトを第一のプロービングビットシーケンスに関するビットシーケンスのサンプルに適用することによって、d
thバージョンを生成する。ここで、Δは、循環シフトを表す。循環的にシフトされたプロービング信号は、以下の条件を満足する限り、それぞれの直交性を維持する。
●D≦SL/△。ここで、SLは、DMT保護ギャップを除くシンボル長(すなわち、サンプルの数)である。
●△≦CEL≦CPL。ここで、CELは、(すなわち、タイミング曖昧さを含む)チャネル有効インパルス応答であり、CPLは、DMT保護ギャップである。
【0078】
DPベクトルコントローラ114は、プロービング信号をリンク(すなわち、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々、またはCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの1つのいずれかに割り振る。この割り振りは、生成されたセットにおいて割り振られた信号のそれぞれの指数を定める、または所望の遅延を明示的に示すことにより行われる。
【0079】
リンクの数が周期的遅延の数よりも大きい場合には、2つのリンクを同じプロービングビットシーケンスに割り振ることができる。それ故に、これらの2つのリンクのプロービング信号は、互いに直交しないはずであり、トランシーバにおいて解析されないはずである。かかる状況では、プロービング信号同士の直交性を、プロービングシンボル(例えば、2つ)のシーケンスを使用して施すことができる。1つの代替案によれば、同じプロービングビットシーケンスに割り振られた2つのトランシーバが、そのそれぞれのプロービングシンボルを、割り当てられたプロービングシンボルのサブセットにわたって伝送する(例えば、各トランシーバは、プロービングシンボルシーケンスが2つのシンボルを含む場合には、1つのシンボルにわたってプロービング信号を伝送する)。別の代替案によれば、プロービング信号は、解析できないリンク同士を区別できるように修正される。例えば、2つのリンクのそれぞれのプロービング信号が、同じ周期的遅延または解析できない遅延のいずれかを示す場合には、1つのプロービング信号に1を乗じ、他の信号に−1を乗じ、そしてその信号と他の信号を加算または減算することにより信号を解析できる。
【0080】
プロービングシンボルシーケンス間の遅延は、固定または(すなわち、プロービング信号が種々のシンボルに伝送される場合に)スーパーフレームごと、もしくはシンボルごとに既知のパターンにおいて変化する。プロービングシンボルシーケンス間の遅延の変化によって、プロービング信号同士の不完全な直交性に起因するバイアスが減少する。
【0081】
SINRを推定する場合には、DPトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々は、ダウンリンク伝送の間に使用されるプレコーディング行列を使用してSINRプロービング信号を伝送する。さらに、フレーム内のSINRプロービング信号の位置は、先に述べたように、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々の予期される伝送時間、それ故に、チャネル105
1、105
2、105
3〜105
m間の予期されるクロストークを反映するはずである。そのために、スーパーフレームの最初のフレームにおけるシンボルの選択されたグループが、SINRプロービング信号に割り当てられる。これらのSINRプロービング信号にはプレコーディングが適用されるため、リンク間の直交性を維持する必要はなく、種々のSINRプロービング信号をリンクごとに選択できる。各フレームにおけるシンボルごとの種々のSINRプロービング信号の決定によっては、SINR推定をさらに改善できる。
【0082】
通常、プロービング信号は、種々のリンク状況に応じて利用される。これらのリンク状況は、リンクの初期設定、リンクの再同期、およびリンク追跡である。リンクの初期設定が要求される場合には、DP102は、各々のDPトランシーバ116
1、116
4、116
3〜116
mと、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mのそれぞれのCPEトランシーバ120との間のリンクを構築する。リンクの再同期が要求される場合には、リンクの少なくとも1つが同期を損失しているため、(すなわち、データの損失を最小限にするために)再同期する必要がある。リンク追跡が要求される場合には、リンクを構築する。しかしながら、リンクの各々のチャネルパラメータの変化を追跡する必要がある。
【0083】
ポイントツーポイントリンクでは、3つの異なるプロービング信号をリンク状況ごとに規定できる。しかしながら、
図3を参照して先に記載したような通信システム(例えば、G.fast)における高レベルのFEXTによって、プロービング信号を、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々の予測された伝送期間に従い伝送する必要がある。例えば、トランシーバ116
1がトランシーバ116
3と同時に伝送すると予測される場合には、その結果、トランシーバ116
1および116
3によって伝送されるプロービング信号も同時に伝送されるはずである。それ故に、伝送されたプロービング信号は、クロストークにおける予測される変化、またはプレコーダ行列の制約(例えば、サイズ)の結果として生じる非最適クロストーク除去のいずれかを反映する。そのために、プロービング信号の伝送時間がリンクにわたって同期され、FEXTおよびノイズの推定が可能になる。さらに、1つのリンクにおけるプロービング信号を他のリンクのプロービング信号と区別でき、初期化または再同期されたリンクは、同期されたリンクに干渉しないはずである。
【0084】
前述の要件を満たすために、DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、そのそれぞれのプロービング信号を、スーパーフレーム内のそれぞれの既定のシンボル位置に配置する(すなわち、DP102が、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mの全てと同期すると仮定する)。チャネル推定が新規のスーパーフレーム期間のトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々の伝送期間を反映できるように、プロービング信号がスーパーフレームの最初のフレームに位置付けられる。DP102またはCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの1つのいずれかによって伝送されるプロービング信号は、静的プロービング信号、半静的プロービング信号、(例えば、新規のCPEが加入し、それぞれのチャネルを推定する必要がある)リクエスト駆動型プロービング信号、またはアクティブセット変化駆動型プロービング信号である。それ故に、フレーム内のプロービング信号の位置付けに柔軟性が与えられる。DP102またはCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの1つは、各スーパーフレームにおけるシンボルの既定のセットにわたって静的プロービング信号を伝送する。DP102またはCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの1つは、(例えば、プロービング信号の伝送によって引き起こされる伝送におけるオーバーヘッドを原因として)DP102によって指示されない限り、シンボルの既定のセットにわたって半静的プロービング信号を伝送する。リクエスト駆動型プロービング信号は、DP102によるリクエストに応じて一以上のスーパーフレームに伝送される。アクティブセット変化駆動型プロービング信号は、アクティブセットが変化した後に(例えば、CPE104
1、104
2、104
3〜104
mのいずれかによる必要な帯域幅の変化に続いて)伝送される。DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、そのそれぞれのプロービング信号を、新規のアクティブセットを使用してスーパーフレームの最初のフレームに伝送する。プロービング信号は、この場合にはアクティブセット変化確認応答信号として使用できる。プロービング信号は、アクティブセットが変化する前にも送信できる。かかる状況では、プロービング信号を使用して伝送パラメータ(例えば、BLT)を予測し、新規のアクティブセットの最適な選択を促進する。
【0085】
プロービング信号は、フレームの最初のシンボル、(すなわち、プロービング信号がフレームの全てを占有する場合)フレームの全てのシンボル、または伝送リクエストの一部として定められたLAUのセットに伝送できる。DP102およびCPE104
1、104
2、104
3〜104
mの各々は、全てのサブチャネルまたはサブチャネルのサブセットにわたって、そのそれぞれのプロービング信号を伝送できる。プロービング信号を含まないサブチャネルは、データを含むことができる。
【0086】
実際のリンク状況(すなわち、通常SINR)は、(すなわち、先に述べたように、トランシーバが同時に伝送するのに)使用されるアクティブセットに応じて決めることができる。各CPEが1つのみのアクティブセットに関連し、アクティブセットの動的な再割り振りがない場合には、2つのシナリオが存在する。1つ目のシナリオによれば、アクティブセットは、概してリンクのサブセットと共用され、いかなる他のリンクとの部分的な重複もない。かかる状況では、適切なビットローディングを決定するための1つの共有のSINR推定シンボルを設定すれば十分である。別のシナリオによれば、アップリンクおよびダウンリンクアクティブセットの部分的重複が存在することがある。かかる状況では、実際の回線状態がフレーム間で変化し得(すなわち、重複が、フレームではなくシンボルにわたると仮定される)、多数のプロービングシンボルが、フレームに存在する種々のチャネルの状態を反映するように割り振られる。さらに、BLTは、変化した回線状態にわたるエラーフリー動作を可能にするように計算できる。他の実行オプションは、例えば、使用されるアクティブセットを動的に変化するものでもよい。これはさらに、ベクトル化グループとの動的接続、電力管理の考慮または動的干渉の管理の結果としてアクティブセットを変化させる場合に使用できる。
【0087】
アクティブセットの動的変化は、多数のプロービングシンボルを使用する。例えば、リンクに関連する種々のベクトル化グループ、または現在および将来のアクティブセットを表すために、種々のプロービングシンボルを使用できる。将来のアクティブセットを表すSINRプロービングシンボルを使用して、この新規のアクティブセットがアクティブになる時間の間の伝送パラメータ、またはこの新規のアクティブセットを全く使用しないべきかを決定する。
【0088】
さらに、受信機が、種々のBLTを種々のプロービングシンボルに割り振ることができる。プロービングシンボルの種々のBLTへの割り振りは、そのプロービングシンボルがそのBLTに関連しているという明示的な表示、またはそのBLTがその特定のプロービングシンボルに関連しているという表示によって達成できる。
【0089】
開示した技術の別の実施形態によれば、有効なプロービング信号は、近端および遠端クロストーク(FEXT)チャネル推定を概算できるように決定される。信号は、非制限的な推定を実行し、(すなわち、既定の推定エラー内の)チャネルの推定に必要な時間の短縮を促進できるように設計される。以下の記述では、開示した技術を実証するのに8つのチャネルを使用する。しかしながら、任意の数のプロービング信号をこの方法に適用できる。
【0090】
効率的なプロービングは、直交信号に基づくはずである。直交シーケンスを生成する最も簡単な方法は、時間中、相互排他的にプロービング信号を伝送することである(すなわち、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mの各々が、そのそれぞれのプロービング信号を順々に伝送する)。リンクに割り振られたプロービングシーケンスのベクトルとしてSを示す。S={s
1〜s
8}。ここで、s
jは、j番目のリンクに使用されるプロービングシンボルである。トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
mによって伝送されたプロービングシーケンスとしてTSを示す。TS={ts
1〜ts
8}。ここで、ts
jは、j番目に伝送されたプロービングシンボルである。TSは、以下のように決定される。
【数1】
ここで、TMは、伝送行列を表す。
【0091】
1つの可能な伝送行列は、以下の式(2)によって表される。
【数2】
【0092】
式(2)に提示する行列は直交であるが、ノイズ抑圧は得られない。式(2)に提示する行列は、ノイズ抑圧指数として1を示す。このノイズ抑圧指数は、信号対雑音比を決定する場合に使用される(例えば、平均の)信号の数に関連する。
【0093】
しかしながら、伝送行列は、以下の式(3)に提示するウォルシュアダマール行列でもよい。
【数3】
行列Gは、以下の式(3)および(4)に提示する以下の再帰プロセスを使用して生成できる。
【数4】
【数5】
それ故に、出力が2である任意のサイズの任意のウォルシュアダマール行列を、式(4)および(5)を使用して決定できる。
【0094】
Gのi番目の列とj番目の列との間の全ての列を含むサブ行列としてG
ijを示す。Gの以下の特性に留意されたい。
【数6】
式(6)によれば、Gのノイズ抑圧指数は8である(すなわち、全てで8つの信号が合計されるため)。式(3)に提示するウォルシュアダマール行列の別の特徴を以下の式(7)および(8)に提示する。
【数7】
【数8】
以下の行列乗算G
3:4T×G
3:4、G
5:6T×G
5:6、G
7:8T×G
7:8、G
3:6T×G
3:6およびG
5:8T×G
5:8によっても同様の結果を達成できる。
【0095】
プロービング信号Sのセットに伝送行列としてウォルシュアダマール行列を使用する場合には、伝送行列Gは、8つの伝送において完全な直交性を達成し、ノイズ除去指数として8を示すように規定される。同じ信号の周期的に遅延したバージョンである前述のプロービング信号を使用する場合には、プロービング信号s
jの遅延は、以下の式によって与えられる。
【数9】
ここで、T
symbolは、シンボルの持続時間を表す。Gに適用する前にかかるプロービング信号のセットを用いて、(すなわち、例のように、8つのプロービング信号を使用すると仮定すると)チャネル応答がシンボル持続時間の1/8よりも短い限り、種々のチャネル応答を推定できる。
【0096】
GをプロービングシーケンスSに適用した後、G
1:2T×G
1:2および類似するG
3:4T×G
3:4及びG
5:6T×G
5:6に関する前述の結果を使用して、チャネル応答持続時間がシンボル持続時間の1/4である場合に、ノイズ除去指数として8および完全な直交性が、第一および第二、第三および第四、第五および第六、ならびに第七および第八の信号それぞれについて達成される。チャネル応答持続時間がシンボル持続時間の1/2である場合に、G
1:4T×G
1:4ならびに類似するG
3:6T×G
3:6およびG
5:8T×G
5:8に関する結果を使用して、ノイズ除去比として8および完全な直交性が、第一および第四、第三および第六、ならびに第五および第八の信号それぞれについて達成される。シンボルシーケンスにおけるランダム位置において開始を試みる場合に、1/4シンボル、1/2シンボル、または完全なシンボルの直交性が、多くても3、6または8つのシンボルについて対応して到達できることも留意されたい。それ故に、選択された信号の組を分離できる。
【0097】
以下は、ウォルシュアダマール行列を使用する前述のチャネル推定方法と、プロービング信号の時間排他的な伝送を使用するチャネル推定方法とのチャネル推定に関する比較である。必要なチャネルインパルス応答持続時間を推定するために、前述のプロービング信号を使用する際の推定エラーを決定する必要がある。ここで
図10Aおよび
図10Bを参照する。この図は開示した技術の別の実施形態に従うグラフの概略図である。
図10Aは、最後の引込線(D1−USA)と構内配線(H1−USA)との組み合わせにおける窓長の関数として、デシベル(dB)単位において窓内の窓外に対する出力の比をプロットしたグラフの概略図である。本明細書において「窓」という用語は、フレームにおける各タイムスロット内の測定時間スパンに関する。
図10Bは、200メートルループにおける窓長の関数として、窓内の窓外に対する出力(dB)の分配をプロットしたグラフの概略図である。さらに、4MHz未満の信号は全く伝送されず、通常、信号は80〜90MHzで伝送されると想定される。
【0098】
第一の状況では、完全なチャネルの取得が要求される(すなわち、チャネルに関する先験的情報がない)。チャネル105
1(
図3)は、全ての他のチャネルによって誘発されるFEXTを含むと推定される。さらに、伝送されるプロービング信号に起因するノイズは、その1dB多くはないべきであり、FEXT除去は30dBであるべきである。これらの目的を達成するために、合計ノイズは、背景ノイズよりも低い−6dBであるべきである。8つのチャネルを使用する場合に、推定ノイズに起因するエラーは、8つの原因となるもの(それ自体および7つのFEXT)を含む。ノイズバジェットの半分が、推定されるチャネル(すなわち、
図3の105
1)に関し、他の半分がFEXTチャネル推定に関連すると想定される。これにより、推定されたチャネルに9dBのノイズ抑圧が生じ、FEXTチャネルの各々に17.6dBが生じる。
【0099】
前述のノイズバジェットを満たすために、8つの完全なチャネルの測定値を平均する必要がある。一度の方法で単一伝送を使用する場合には、チャネル105
1を推定するためにプロービング信号を64回伝送することが要求される。前述のプロービング信号方式を使用すると、チャネル105
1の推定に要求されるプロービング信号の伝送は8回のみである。チャネル105
1のFEXTを推定する場合には30dBのFEXT除去を達成するために、前述のグラフに従い、シンボルの1/8のチャネル応答持続時間が要求される。それ故に、一度の単一伝送を使用する場合には、FEXT除去を達成するためにプロービング信号を56回伝送することが要求される。一方で、前述のプロービング方法を利用すると、要求される伝送は7回のみである。それ故に、新しく出たプロービング信号は、同期を達成するために1/8未満の時間(あるいは、BW)が必要となる。
【0100】
同様に、実質的なFEXTディスターバに対する反応時間を推定、あるいは、新規のディスターバを導入する場合には、FEXTチャネル応答を推定するために、プロービング信号を8回伝送することが要求される。先に記載したように、単一測定では、FEXTチャネルの推定に約6dBのノイズ抑圧が生じる。それ故に、単一測定の後にほぼ最適な実行を達成できる。前述の出されたプロービング信号の使用では、所望の推定を達成するために、(すなわち、それ自体およびFEXTチャネルが既知であるため)プロービング信号の1回の伝送で十分であり、推定速度の指数として8が得られる。
【0101】
メッセージをCPEからDPに伝送する場合には、チャネルおよびFEXT干渉を克服する必要があるため、これらのメッセージの伝送に要求される信号のダイナミックレンジは高い。しかしながら、測定メッセージの伝送に要求される帯域幅を減少するために、ディファレンシャル伝送を利用できる。ディファレンシャル伝送を用いる場合には、メッセージ測定サンプルを、G行列内の自己チャネルに対応する入力と乗じる。その結果、以前の測定との差異のみが送信される。したがって、FEXTチャネルのダイナミックレンジを表す測定のみが必要となる。測定サンプルのダイナミックレンジのさらなる減少が必要な場合には、伝送された信号をプレコーディングできる。あるいは、(すなわち、全てのトランシーバの組に関する)全ての受信したプロービング信号の測定サンプル間の差異のみを伝送する(すなわち、全ての8つの受信したプロービングシーケンスの保存が必要となる)。
【0102】
初期段階において、DPが新規のCPEとの通信を開始する場合には、ベクトル化プレコーディングも、アクティブセットの割り振りも既知ではない。アクティブCPEにおける初期化プロセスの効果を最小限にするために、初期化プロセスは、準備段階において干渉を回避するべきである。
【0103】
ここで
図11Aおよび
図11Bを参照する。この図は開示した技術のさらなる実施形態に従う、新規のCPEの初期化および同期方法の概略図である。
図11Aは、DPにおける方法を例示し、
図11Bは、新規のCPEにおける方法を例示する。
【0104】
図11Aを参照すると、手順300において、チャネル応答およびFEXTプロービング信号をCPEに伝送する。これらのチャネル応答およびFEXTプロービング信号は、プレコーディングせずに伝送される。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
Mを介して、チャネル応答およびFEXTプロービング信号を伝送する。手順300後、方法は手順302、304および306に進む。
【0105】
手順302において、(すなわち、新規のCPEを除く)アクティブCPEの各々からダウンリンクFEXT推定を受信する。これらのダウンリンクFEXT推定は、アクティブCPEの各々によって推定された(すなわち、新規のCPEを含む)他のCPEに関するFEXTに関する。
図3を参照するように、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
Mの各々が、アクティブCPEの各々からダウンリンクFEXT推定を受信して、これらの推定をDPベクトルコントローラ114に提供する。手順302後、方法は手順316に進む。
【0106】
手順304において、新規のCPEに関連するチャネルのチャネル応答、およびアクティブCPEに関連するチャネルからのFEXTを、伝送および受信したプロービング信号に従い決定する。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、新規のCPEに関連するチャネルのチャネル応答、およびアクティブCPEに関連するチャネルからのFEXTを、伝送および受信したプロービング信号に従い決定する。手順304後、方法は手順308に進む。
【0107】
手順306において、CPEの各々からアップリンクFEXTプロービング信号を受信する。これらのプロービング信号を使用して、アップリンクFEXTおよびアップリンクベクトル係数を決定する。
図3を参照するように、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
Mの各々が、アップリンクFEXTプロービング信号を受信して、これらの信号をDPベクトルコントローラ114に提供する。
【0108】
手順308において、進行中のアクティブセットを使用するアクティブCPEに関するアップリンクベクトル係数およびダウンリンクプレコーディング行列を決定する。これらのベクトル係数およびダウンリンクプレコーディング行列は、ダウンリンク伝送を新規のCPEに組み込む。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、進行中のアクティブセットを使用するアクティブCPEに関するアップリンクベクトル係数およびダウンリンクプレコーディング行列を決定する。手順308後、方法は手順310および312に進む。
【0109】
手順310において、SINR推定プロービング信号、およびCPE SINRプロービング信号割当を伝送する。これらの伝送されたSINR推定プロービング信号は、伝送前にプレコーディングされる。新規のCPE SINRプロービング信号割当は、新規のCPEに、そのSINRプロービング信号を伝送するためのフレーム内の割当を提供する。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、トランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
Mを介して、SINR推定プロービング信号およびCPE SINRプロービング信号割当を伝送する。手順310後、方法は手順314に進む。
【0110】
手順312において、新規のCPEからダウンリンクFEXT推定を受信する。
図3を参照するように、新規のCPEに関連する個々のトランシーバ116
1、116
2、116
3〜116
Mが、それぞれのSINR推定を受信して、これらの推定をDPベクトルコントローラ114に提供する。手順312後、方法は手順316に進む。
【0111】
手順314において、アップリンクSINRを決定する。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、アップリンクSINRを決定する。手順314後、方法は手順318に進む。
【0112】
手順316において、ダウンリンクプレコーディング行列を決定する。このプレコーディング行列は、(すなわち、新規のCPEを含む)全てのCPEのダウンリンクFEXT推定に従い決定される。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、ダウンリンクプレコーディング行列を決定する。手順316後、方法は手順320に進む。
【0113】
手順318において、ビットローディングテーブルを決定してCPEに伝送する。
図3を参照するように、動的帯域幅アロケータ108が、ビットローディングテーブルを決定する。
【0114】
手順320において、決定したプレコーディング行列の起動を指示する。
図3を参照するように、DPベクトルコントローラ114が、プレコーディング行列をアクティブにする指示を出す。
【0115】
図11Bを参照すると、手順340において、ダウンリンクチャネル応答およびFEXTプロービング信号を受信してそこにロックする。
図3を参照するように、トランシーバ120が、チャネル推定プロービング信号を受信して、これらの受信した信号をロックする。手順340後、方法は手順342および348に進む。
【0116】
手順342において、アップリンクFEXTプロービング信号を伝送する。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、トランシーバ120を介してアップリンクFEXTプロービング信号を伝送する。
【0117】
手順344において、アップリンクSINRプロービング信号を伝送する。アップリンクSINRプロービング信号は、DPからのリクエストに応答して伝送される。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、送信機120を介してSINRプロービング信号を伝送する。
【0118】
手順346において、分配点からダウンリンクビットローディングテーブルを受信する。
図3を参照するように、トランシーバ120が、ダウンリンクビットローディングテーブルを受信する。
【0119】
手順348において、受信したプロービング信号に従いダウンリンクFEXTを推定する。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、ダウンリンクFEXTを推定する。
【0120】
手順350において、DPからのリクエストに応答してダウンリンクFEXT推定をDPに伝送する。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、送信機120を介してダウンリンクFEXT推定を伝送する。
【0121】
手順352において、ダウンリンクSINRプロービング信号を受信して、分配点から受信した指示に応答してダウンリンクSINRを推定する。DPは、SINRプロービング信号を伝送しようとしているという指示を伝送する。CPEは、この指示を受信するとすぐに、ダウンリンクSINRプロービング信号を受信し、ダウンリンクSINRを推定する。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、ダウンリンクSINRを推定する。
【0122】
手順354において、アップリンクビットローディングテーブルを決定して、DPに伝送する。
図3を参照するように、CPEコントローラ126が、ビットローディングテーブルを決定して、これらのビットローディングテーブルを、トランシーバ120を介してDP102に伝送する。
【0123】
開示した技術が、特に示し、前述したものに限定されないことを当業者は認識する。むしろ、開示した技術の範囲は、以下の請求項によってのみ定義される。