(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-516907(P2015-516907A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(54)【発明の名称】航空機モニュメントの取付デバイス
(51)【国際特許分類】
B64D 11/00 20060101AFI20150522BHJP
F16B 9/02 20060101ALI20150522BHJP
【FI】
B64D11/00
F16B9/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-501935(P2015-501935)
(86)(22)【出願日】2013年3月22日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】US2013033534
(87)【国際公開番号】WO2013142805
(87)【国際公開日】20130926
(31)【優先権主張番号】61/614,742
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/848,633
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】バード、ピーター ジョン レスリー
【テーマコード(参考)】
3J023
【Fターム(参考)】
3J023AA01
3J023BA01
3J023BB01
3J023CA02
3J023CA11
3J023DA02
(57)【要約】
【解決手段】上にモニュメントパネル(30)を支持するように構成されたレール(20)を有する航空機モニュメント取付システムが開示される。レール(20)は、下方からアタッチメントデバイスを受け入れる凹部を有する。アタッチメントデバイスは、ポペットなどのネジ付き締結具(62)と、偏心ワッシャ(68)と、サムホイール(66)と、を備える。サムホイール(66)の回転により、偏心ワッシャ(68)が横方向にパネル(30)を動かし、ロックナットがパネル(30)を上下させて、航空機構造への取付点を破壊することなくパネル(30)の位置決めに関して柔軟性を与える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上にパネルを支持するように構成されたレールであって、下方からアタッチメントデバイスを受け入れ幅がWである凹部と、前記アタッチメントデバイスにアクセスするための前記レールの下部に沿ったスロットと、を有するレールと、
前記レールを取り付けるアタッチメントデバイスであって、溝付き部よりも幅の広い基部を有するネジ付き締結具と、前記レールを上昇させるネジ付き支持部と、前記レールの凹部内に偏心ワッシャを適合させるような距離だけ離して配置された平行な側面を有しその移動を制御する偏心ワッシャと、前記ネジ付き締結具の周りに前記偏心ワッシャを回転させる機構と、を有するアタッチメントデバイスと、
を備える航空機モニュメント取付システム。
【請求項2】
前記ネジ付き締結具はポペットであることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項3】
前記偏心ワッシャを回転させる機構はサムホイールであることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項4】
前記サムホイールは、前記レール上の前記スロットを通して手動でアクセスされることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項5】
前記サムホイールを隠すために前記スロット上に保護カバーをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項6】
前記レールは、前記パネルの製造プロセスの間に該パネルとともに形成されるスパインを有することを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項7】
前記レールから床まで延在し前記アタッチメントデバイスを隠すベローズ床シールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項8】
前記パネルは、前記レールの上部に沿った開口部内に着座することを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項9】
前記レールは前記パネルに接着されることを特徴とする請求項8に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項10】
前記ネジ付き支持部は、前記偏心ワッシャを回転させる前記機構の下方に配置されたロックナットであることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項11】
前記ネジ付き支持部は、前記偏心ワッシャを回転させる前記機構の下方に配置されたロッキングラチェットであることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項12】
前記パネルと前記レールの間にUDカーボン層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項13】
前記パネルはくさび形の下面で終わり、前記レールは、内部に前記パネルを受け入れるくさび形の凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【請求項14】
前記パネルは、前記レールと前記パネルを通した締結具を用いて前記レールに固定されることを特徴とする請求項1に記載の航空機モニュメント取付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2012年3月23日に出願された米国仮特許出願第61/614,742号、および2013年3月21日に出願された米国非仮出願第13/848,633号の優先権を要求し、その全体が参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
航空機の内部空間は、ギャレー、乗務員室、ストウェッジ、クローゼット、化粧室、乗務員休憩室、および他の設備や貯蔵モニュメント(monument)などの様々な区画で構成される。典型的にパーティションまたは構造ユニットによって形成されるこれらの区画は、互いに別の区画である。航空機の機体構造にそれらを固定するためには、ギャレーアタッチメントまたは接続デバイスなどの区画を保持するための商用の旅客機上の飛行に適した要件を使用しなければならない。普通、これらは二つの形態をとる。一つ目はモニュメントの下部を床に固定するタイプ、二つ目はモニュメントの上部を天井に固定するタイプである。一般的な方法は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンの組み合わせからこれらの部品を製造することである。これらのアタッチメントは、最終的に、胴体(または機体)(シートトラック、交差ブレース、床ビーム、および構造の他の補助部分であってもよい)にモニュメントを固定する。
【0003】
床アタッチメントは通常、客室内の固定の場所、または「強化点(hard points)」に接続する。トラックの向きに応じてトラックに沿った前後移動または横移動を可能にするシートトラック取付部を使用しない限り、これらの取付具ではモニュメントを新しい場所に再配置することはできない。しかしながら、航空機内でのモニュメント取付のために、フルレンジの移動は通常利用できない。床アタッチメント、または低負荷負担床アタッチメント用のフラッタポイント(flutter point)は通常、二次プロセスとしてモニュメントに接着材で接着されるか、および/またはボルト留めされる。その後、モニュメントの構造複合材パネルが製造される。このようなアセンブリは、典型的に粘性液体接着材を使用し、基本モニュメント構造の部分を形成する。モニュメントの外殻を越えて限られた突出のみが許されるという事実のために、床取付具は通常、モニュメントの内部にオフセットされており、設計に応じて、多かれ少なかれ複合材パネルの表面上にまたはパネルを通して取り付けられる。モニュメントの位置あるいは強化点アタッチメントまたはシートトラックの位置に変動が存在する場合、製造中にその特定の場所に床取付具を据え付ける必要があり、再配置または再位置決めは限られており、モニュメント位置におけるあらゆる向き、変更、またはフットプリントサイズの変更は、構造の一部としての床アタッチメントの新たな位置を必要とする。
【0004】
既存のモニュメント取付デザインは、複合材パネルの一つのスキンへのバイアス応力荷重につながる。これは構造内への負荷経路を最適化しないことが多く、モニュメントを通したより効率的な応力展開および応力集中の回避を助けるために、金属プレートまたは「ダブラー(doubler)」の形態の追加の強化が必要になる。不幸なことに、これは航空機の重量を増すだけでなく、負荷を分配する非効率的な手段である。より最近の床取付設計は、Z方向における調節を必要とすると同時に、航空機への据付中の位置合わせの目的でX平面およびY平面での調節を必要とする。これは内向きの突起を増加させる。
【0005】
ギャレーなどのモニュメント上で、サービスカートまたはトロリーの車輪が床取付具の内向きの突起と接触することを避けるために、区画の幅の変動を生じさせる。取り得る最も幅の広い寸法を除きカートベイドアの標準化を可能にしない。これは、冷却区画内のカートの周りの空気循環の効率にも影響を与え、標準ガイド、または異なるオフセットを相殺するラブ(rub)ストリップ/バンプストリップなどの保護部品の幅の変動を生じさせる。
【0006】
加えて、冷却または冷蔵ギャレーの場合、カートベイ壁を通して突出するかなり大きな金属部品が存在すると、熱抵抗の観点から冷却区画の完全性を損ないうる望ましくない冷橋が発生する。この結果、通常の航空機オペレーション中に腐敗しやすい食料を維持するために特定の区画の温度を維持することに失敗する。
【0007】
特に古い航空機における床取付具に関する他の共通問題は、異種金属のガルバニック作用、および、湿気、クリーニングケミカル、航空機でのケータリングサービス中に周期的に配膳されるフルーツジュース、紅茶、コーヒー、ソーダ、アルコール飲料などのこぼした飲料との接触に起因する金属部品の腐食である。この環境は、湿気の存在および乱流中に飲料をこぼす機会、およびフライトの間に航空機内で生じる掃除の量の結果、腐食を招く。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、主要な製造プロセス中にモニュメントの構造壁パネルの基部に統合可能であるか、または既存システムに追加可能であり柔軟性と機動性とを改善する、改善された床取付システムである。改善された床取付システムは、床アタッチメントの飛行に適した要件を維持する一方、従来技術の問題の一部を取り除く。改善された床アタッチメントは、ポペットまたは締結具によって支持されたパネルの底面に沿ったレールを使用する。このレールは、偏心ワッシャ、およびサムホイールなどのアクチュエータ上に着座する。これらは、ロックナットまたは二方向ロッキングラチェット上に着座する。ワッシャの偏心性を使用して、サムホイールを介したワッシャの回転を通してレールを横方向に移動することができ、ロックナットまたはロッキングラチェットを用いてレールを上昇させることができる。このようにして、取付点を壊すことなく、モニュメントを上昇または下降させたり横方向に移動させたりすることができる。
【0009】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の作用を例示として図解する添付の図面とともに、好適な実施形態についての以下の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態を使用して取り付けられた航空機モニュメントパネルの側面図である。
【
図4】フラッタポイントに適したレールの代替実施形態である。
【
図6】航空機モニュメント取付レールの代替実施形態である。
【
図11】取付部品とともに用いるロッキングラチェット要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、従来のシステムの欠点を克服する、コンパートメントの仕切板、パーティション、航空機の壁を固定する取付システムである。
図1−4に示す第1実施形態では、モニュメント用のパーティションを形成するパネル30の構造内に、予め硬化された複合材レール20が埋め込まれている。レール20は、製造プロセスの間にパネル30内に組み込まれることが好ましい。レール20は、パネル30を支持するアンカーを形成し、パネル内部の中に延びるスパイン35を有する。スパイン35はカーボン層40で充填されてもよい。スパイン35は、取付要素を受け入れる底面に沿って複数の細長スロット50を備える基部45で終わる。後述するように、スロットにより第1直線方向の調節が可能になる一方、アタッチメント要素により、他の二つの直交方向におけるさらなる調節が可能になる。
【0012】
図2は、CFRCパネル用の第1の好適な床取付システムと、パネル30およびカーボンファイバー連続レール20の断面図である。第1の好適な実施形態のレール20は、主要な製造プロセス中に、モニュメントの構造壁パネル30の基部内に統合される。床アタッチメント60を持つレール20は、製造中にパネル30内に接着されてもよく、パネル30内にCo硬化されたカーボンファイバーレールスパイン35を有する。カーボンファイバーレールスパイン35は、UDカーボン層40の上に形成されたCFRC構造パネル30を用いて、追加のUDカーボン層40によって囲まれている。
図4に詳細に示すように、パネル30の位置調節を可能にするアタッチメント部品60にレール20が取り付けられる。アタッチメント部品60は、床シール取付点70にロッキングナット64を用いるネジ付きポペット62を備える。パネル30は、偏心サムホイール66および偏心フローティングワッシャ68を使用して位置決めされてもよい。これらは、回転されると、レール20を介してパネル30をポペット62の軸へ接近するようにまたは軸からさらに離すように駆動する(
図5参照)。サムホイール66は、レール20の最下部でスロット75を通して突出する。これによりギャレー壁によって画成される通路の内外にパネル30が移動可能になる。偏心フローティングワッシャ68は、スロット50内のレール20の基部の内壁に係合する六角形凸部69を備える。ワッシャ68がスロット50内に捕捉され、その偏心に起因してワッシャ68の径方向移動が同じ距離だけパネル30を変位させる。このようにして、航空機構造のモニュメントの取付を妨げることなく、パネル30を横方向に移動させることができる。さらに、ロックナット64の選択的な位置決めによってパネル30を上昇または下降させることができる。これがパネル30の高さを決定する。
【0013】
図3は、サムホイール66が一方の極から別の極へと回転されるとき、アタッチメント部品60によって実現可能である横方向の調節範囲を示す。偏心サムホイール66およびワッシャ68は、内側レールエッジを越えたアタッチメント部品60の突出をわずか3ミリメートル(3mm)だけに制限する。
図2に示すようにサムホイール66が突出するスロット75を越えてパネル30の上に載るプラスチックカバー78またはクリップによって、サムホイール66が保護または覆われている。美的対策および保護対策のために、パネルの基部およびアタッチメント部品60を、ベローズ型の床シール82により覆って保護することができる。
【0014】
図4は、フラッタポイント(すなわち、モニュメントを適所に固定しないが、その自由度を制限する支持場所)用の取付具を示す。パネル30は、内部にパネル30を受け入れるための上側凹部と、上述のようなアタッチメント部品60を受け入れるレール20のスロット50に類似のスロット94と、を有するアタッチメントレール90を用いて取り付けられる。この構成により、アタッチメント部品を再配置することなく、パネルを移動したり上昇/下降させたりすることができ、また複合材レール20を用いてパネルを製造する必要がなくなる。むしろ、その間にパネル30を挟む一組の側面91を有するアタッチメントレール90の上にパネル30が形成される。アタッチメントレール90は、上記のように、偏心サムホイール66と偏心ワッシャ68とを用いてポペット62上に取り付けられ、
図2のカーボンファイバーレール上に形成されるパネルに対して上述と同様の方法で動作する。
【0015】
図6、7は、接着材による接着と機械取付の両方を使用してプレハブのパネル30aにレールを取り付ける標準の熱可塑性パネル30aを取付および設置する代替的な設計を示す。
図7に示すように、熱可塑性パネル30aは、その下面に沿って混合された熱可塑性ダブラー110を備える。ダブラー110は、二つの略平行な板112a、112bを備える。第1の板112aは、底部に沿って第2の板112bと合流し、くさび型構造114を形成する。くさび型構造114は、非対称のカーボンファイバーレール116内に挿入される。図示のように、第1の板112aは、レールの垂直部120との合流部の上で面一になる。カーボンファイバーレール116は、上述のように、ロッキングナット64、偏心サムホイール66および偏心フローティングワッシャ68を持つポペット62を受け入れるスロット122を備える。そのため、サムホイール66を回転させることによって、レール116とパネルをポペット62から離して配置することができる。カーボンレール116は、パネルのくさび型部114を受け入れるギャップを形成する一組の突起130を持つ、略長方形のベース126を有する。
図6に示すように、パネル30aはレール116上に取付され、レール116はロッキングナット64を用いてポペット62上に取付される。レール116上のスロット140は、本明細書に記載のサムホイールに加えて、所望の方向にパネルの位置を移動させることができるカム、レバーおよび他の機械装置などの、他のタイプの制御調節を可能にする。
【0016】
図8では、一辺が開かれた(第2突起130が除去されている)図示のレールとパネルの二つの板112a、112bが、くさびに合流する代わりに底縁まで平行に下っている。この実施形態では、パネル130aは、レールの一端148に着座し、ボス固定点154で締結具152によって固定されている。レール20は、上述のようにポペット62上に取付される。その結果、偏心サムホイール66を回転させてポペット62の軸から離してまたは軸に向けてパネル30aを移動させることによって、パネル30aの位置を変更することができる。
【0017】
図9および
図10は、レールのさらに他の代替実施形態を示す。
図9では、偏心レール160が、それぞれの突起によって形成されるギャップ内で着座する接着されたパネル30aを受け入れる。
図10では、対称レール170が、接着されたパネル30aを受け入れる。
【0018】
これら上述のアタッチメントシステムは、従来の床取付具に対していくつかの利点を提供する。例えば、
図1−2に示したように、床取付目的のモニュメントの構造壁と同時に硬化された連続区画として、カーボンファイバーレールを組み込むことができる。代替的に、
図4に見られるように、フラッタポイントなどの軽量の負荷を負担するアタッチメント向けに、パネルをレール内に接着してもよい。加えて、レール内に組み込まれているスロットの数および頻度に応じて、複数の場所または増加したX/Y調節のスパンを持つ特定の場所に、床取付具を配置することができる。
【0019】
本発明の利点の別の例は、主要製造プロセス中に、アタッチメント部品60をモニュメント構造内に完全に統合させることができる点である。さらに、内向きの突起、すなわちモニュメントの平面の内側のレールのその部分が大きく削減され、カートコンパートメントドアおよび標準ガイド/保護部品の標準化を可能にしている。本明細書で説明した取付具は、複合材パネルに負荷応力を直接伝達する役割を持ち、これによって負荷経路の有効性を改善する。追加の局所的な硬化が必要となる場合、UD(単一方向)カーボンファイバーの余分なパイルを、パネル自体の統合部分としてサンドイッチ複合材に追加することができる。
【0020】
レール自体は、計算された強度要件および/または材料の性能の発展に応じて、カーボンファイバーであってもよいし、積層されてもよいし、プレス成形されてもよい。レールは、ウェットフィッティング用のベローズ床シール82を負担するように設計されることが好ましい。このベローズシール82は、パネルの高さ変化を調節し、取付部から湿気を遠ざけ、取付部から来る湿気と腐食液体を削減することによって取付部の寿命を延ばす。
【0021】
上述した取付具は、内向きの床取付突起を顕著に増大させることなく、モニュメント設置部におけるX、Y、Z方向の調節を可能にする。一部の航空機では、これは最大12mmに制限されている。さらに、ギャレーエンベロープの外側に外部突起が存在しない。これは、カートまたは乗客が突起などに引っかかることを防止する点で好ましい。ラブストリップは交換可能であり、それらの存在は、レールスロット用のカバーとして、およびカート用の車輪ガイドとしても機能する。
【0022】
本発明の他の利点は、全ての取付部品および調節部品を標準化できるという点である。取付具はさらに、追加の工具なしにX/Y/Z位置の調節を可能にし、好ましくは
図11に示すように安全ロッキングデバイスを提供する。
図11は、従来のロックナット64を置換するリバーシブルラチェットロック200を示す。リバーシブルラチェットロックにより、工具なしの据付および調節が可能になる。これは、方向セレクタの位置に応じて時計方向および反時計方向で作動するラチェット構造を有する環状要素を備える。内径にはネジ付きロックナット205が配置され、ラチェット本体210は、円筒形の外側ケース215によって囲まれている。リバーシブルラチェットロック200は、方向セレクタ220と、いずれかの方向にラチェットロックを移動させるサムバー225と、を備える。ラチェットロック200の構造は、従来のロッキングナットを締め付けるのに必要とされるレンチまたは他の工具の必要性を排除する。
【0023】
使用時に、本発明によってギャレー壁などの航空機モニュメントを据え付けることが可能になり、また航空機の強化点またはシートトラックとのより大きな不整合性を提供し、さらに大きな強度と負荷負担能力を提供する。調節構造は、取付部でのパネルまたはモニュメントのX/Y/Z位置の微調整を可能とし、工具の必要性をなくす一方、床取付のモニュメント部品内への嵌入を減らす。後者の点は、コンパートメントドア、ラブストリップおよびバンプストリップなどの標準化を可能にする。また、従来の取付具に車輪が接触するのを避けるようにオフセットさせることなしに、ギャレー冷却カートの据付を可能にする。加えて、調節取付具は、冷却ギャレーの場合に顕著な冷橋を除去し、金属取付具の腐食に起因する長期間の問題を事実上排除する。本発明は、新規のおよび既存の航空機タイプまたはその変形の両方に対して、あらゆるタイプの本体が狭いまたは広い民間航空機の組み込むことができる。
【0024】
上記の説明および添付の図面は例示を目的としたものであり、本発明の範囲を制限するものではない。当業者であれば、本発明の精神を逸脱することなく、様々な部品の変更および代替を直ちに認識および理解することであろう。本発明の範囲は、このような変更および代替の全てを包含するように意図されている。したがって、本発明の範囲は、本開示の観点から通常かつ慣習的な意味の単語を使用する添付の請求項の単語によってのみ適切に限定される。
【国際調査報告】