【課題を解決するための手段】
【0014】
タバコ材料の第1のシートと、この第1のシートと共にギャザー加工されてラッパーに取り巻かれた、タバコ材料の少なくとも1つのさらなる連続要素とを含むロッドを提供することができ、このロッドは、第1のタバコ材料の第1のシートと、第1のタバコ材料とは化学的に異なる第2のタバコ材料の連続要素とを含む。連続要素は、第1のシートに比べて異なるブレンドのタバコ又は異なる種類のタバコを含むことができる。連続要素は、第1のシートに比べて異なるエアロゾル形成体を含むことができる。連続要素は、第1のシートに比べて異なる割合のエアロゾル形成体を含むことができる。タバコ材料の連続要素は、リボン、ストリップ、ヤーン、テープ、フィラメント、スレッド又はその他の細長い要素の形をとることができる。タバコ材料の連続要素は、タバコ材料の第2のシートとすることができる。
【0015】
共にギャザー加工されて紙ラッパーに取り巻かれた少なくとも2つの均質化タバコ材料シートを含むロッドを提供することもでき、このロッドは、第1のタバコ材料の第1のシートと、この第1のタバコ材料の第1のシートとは物理的又は化学的に異なる第2のタバコ材料の第2のシートとを含む。
【0016】
非限定的な例として、これらの2つのシートは、異なる物理的寸法、異なる表面組織、異なる形態、異なる密度又は異なる多孔率を有する場合に物理的に異なることができる。シートは、皺寄せすることによってテクスチャ加工することができ、一方のシートの皺寄せの程度は、他方のシートと皺寄せの程度と異なることができる。例えば、一方のシートを他方のシートに比べて異なる深さに皺寄せすることができ、或いは一方のシートが、他方のシートに比べて異なる皺寄せ密度、すなわち異なる数の単位距離当たり皺寄せ線を有することもできる。当業者であれば、2つのタバコ材料シートを特徴付けることができる他の物理的相違を認識するであろう。
【0017】
非限定的な例として、これらの2つのシートは、異なる化学成分を含んでいる場合、例えば異なるタバコブレンド、異なるタイプのエアロゾル形成体、異なるタイプの可塑剤、異なる香味料又は異なる割合のいずれかの要素を含んでいる場合に化学的に異なることができる。例えば、一方のシートは、他方のシートに比べて異なる割合のバージニアタバコを含むことができ、或いは一方のシートは、他方のシートに比べて異なる割合のグリセリンなどのエアロゾル形成体を含むことができる。
【0018】
第1のシート及び第2のシートは、ロッドの形にギャザー加工されると、ギャザー加工シートと呼ぶことができる。ギャザー加工した材料シートは、ロッドのほぼ全長に沿って、ロッドの横断面積のほぼ全体にわたって延びることが好ましい。
【0019】
この少なくとも2つのシートを形成するタバコ材料は、再構成タバコ又は均質化タバコであることが好ましい。タバコ材料は、エアロゾル形成体を含むことができる。
【0020】
本明細書で使用する「ロッド」という用語は、断面が実質的に円形、長円形又は楕円形である一般に円筒形の要素を意味する。
【0021】
本明細書で使用する「シート」という用語は、幅と長さが厚みよりも実質的に大きな層状要素を意味する。シートの幅は、10mmよりも大きく、20mm又は30mmよりも大きいことが好ましい。
【0022】
本明細書で使用する「ロッド長」という用語は、本明細書で説明するロッドの円筒軸方向の寸法を意味する。
【0023】
本明細書で使用する「均質化タバコ」という用語は、粒子状タバコを塊にすることによって形成された材料を意味する。
【0024】
本明細書で使用する「ギャザー加工」という用語は、タバコ材料のシートを、ロッドの円筒軸に対して実質的に横方向に巻き込み、折り重ね、或いは別様に圧縮又は収縮することを意味する。
【0025】
本明細書で使用する「上流」及び「下流」という用語は、本明細書で説明するようなロッドを含むエアロゾル発生物品の構成要素又は構成要素の一部の、エアロゾル発生物品の使用時に物品を通じて吸い込まれる空気の方向に対する相対位置を示すものである。
【0026】
本明細書で説明するロッドにギャザー加工した均質化タバコ材料のシートを含めることにより、タバコ材料の細断片を含むロッドに比べて、緩んだ端部のリスクが大幅に低下するという利点が得られる。
【0027】
少なくとも2つのタバコ材料シートを含むロッドには、タバコ材料の細断片を含むロッドよりも大幅に低い重量標準偏差を示すという利点がある。特定のロッド長のロッドの重量は、ロッドを形成するためにギャザー加工されるタバコ材料シートの密度、幅及び厚みによって決まる。従って、特定のロッド長のロッドの重量は、個々のタバコ材料シートの密度及び寸法を制御することによって調整することができる。これにより、同じ寸法のロッド間の重量の不一致が低減され、従って重量が選択許容範囲から外れたロッドの不良品発生率が低下する。
【0028】
本明細書で説明するタバコ材料のシートを備えるロッドには、タバコ材料の細断片を備えるロッドよりも密度がより均一になる利点がある。
【0029】
均質化タバコシート材料などのタバコシート材料は、異なる種類のタバコを用いて生産することができる。例えば、タバコシート材料は、多くの異なる種類のタバコから得られたタバコ、或いはタバコ植物の葉又は茎などの異なる領域から得られたタバコを用いて形成することができる。シートは、処理後には一貫した特性及び均質化された香味を有するようになる。1つの均質化タバコ材料シートは、特定の香味を有するように生産することができる。香味の異なる製品を生産するには、異なるタバコ材料を生産する必要がある。従来のシガレットにおいて数多くの異なる細断タバコをブレンドすることによって生産された香味の中には、単一の均質化タバコシートで再現するのが困難と思われるものもある。例えば、バージニアタバコ及びバーレータバコは、これらの個々の香味を最適化するために異なる方法で処理することが必要な場合がある。単一の均質化タバコ材料シートでは、バージニアタバコとバーレータバコの特定のブレンドを再現できないこともある。
【0030】
第1のタバコ材料のシートと、この第1のタバコ材料とは化学的に異なる第2のタバコ材料のシートとを含むロッドを提供することもできる。これらのタバコ材料シートを共にギャザー加工してロッドを形成する。2つの異なるタバコ材料シートを1つのロッド内で組み合わせることにより、単一のタバコ材料シートでは生産できなかった新たなブレンドを生み出すことができる。この概念については、以下の非限定的な例によって例示する。
【0031】
第1のタバコ材料は、バージニアタバコを主体とし、第2のタバコ材料は、バーレータバコを主体とすることができる。
【0032】
第1のタバコ材料は、バージニアタバコを主体とし、第2のタバコ材料は、オリエンタルタバコを主体とすることもできる。
【0033】
第1のタバコ材料は、バージニアタバコを主体とし、第2のタバコ材料は、ペリックタバコを含むこともできる。
【0034】
第1のタバコ材料は、主に葉タバコから形成し、第2のタバコ材料は、主に茎タバコから得ることもできる。
【0035】
第1のタバコ材料は、第2のタバコ材料と化学的に異なるように、第2のタバコ材料とは異なる方法で処理、熟成、加工又は硬化することができる。
【0036】
均質化タバコは、グリセリン及びプロピレングリコールなどのエアロゾル形成化合物を含むことができる。このことは、均質化タバコを加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材として使用すべき場合に特に有利となり得る。
【0037】
第1のタバコ材料は、第1のエアロゾル形成化合物を含み、第2のタバコ材料は、第1のエアロゾル形成化合物とは異なる第2のエアロゾル形成化合物を含むことができる。例えば、第1のタバコ材料シートのエアロゾル形成化合物としてグリセリンを使用し、第2のタバコ材料シートのエアロゾル形成化合物としてトリエチレングリコールを使用することが好ましい。
【0038】
本明細書で説明するロッドは、凝縮して吸入可能なエアロゾルを形成する揮発性物質を発生するように加熱することができる。エアロゾルが形成される温度及びロッドが消費される速度は、ロッド内に存在するエアロゾル形成化合物の性質にある程度まで依存することができる。エアロゾルが発生する温度及び速度を制御することによって消費者体験を修正又は改善することが望ましいと思われる。ロッドは、各々が加熱プロファイルに応じて異なるエアロゾルの発生を実現する2つの異なるタバコ材料シートを含むことが望ましいと考えられる。
【0039】
第1のタバコ材料は、第2のタバコ材料とは異なる量のエアロゾル形成化合物を含むことができる。例えば、第1のタバコ材料は5重量%のグリセリンを含み、第2のタバコ材料は10重量%のグリセリンを含むことができる。
【0040】
第1のタバコ材料は、第2のタバコ材料のエアロゾル形成化合物よりも低い温度でエアロゾルを形成するエアロゾル形成化合物を含むことができる。
【0041】
均質化タバコ材料は、保湿剤、可塑剤、香味料、充填剤、バインダ及び溶剤などの他の様々な添加物を含むこともできる。添加剤によっては、別の種類のタバコ材料と使用するよりも1つの種類のタバコ材料と使用するのに適しているものもある。
【0042】
第1のタバコ材料は、第2のタバコ材料とは異なる添加剤を含むことができる。
【0043】
第1のタバコ材料は、第2のタバコ材料に比べて異なる割合の添加剤を含むことができる。
【0044】
第1のタバコ材料の第1のシートと、この第1のシートとは物理的又は形態的に異なる第2のタバコ材料の第2のシートとを含むロッドを提供することもできる。これらのタバコ材料シートの一方は、テクスチャ加工した材料シートとすることができる。少なくとも1つのテクスチャ加工した材料シートを使用することにより、ロッドを形成するためにシートを容易にギャザー加工できるという利点が得られる。ロッド内の両方又は全てのタバコ材料シートをテクスチャ加工した材料シートとすることもできる。
【0045】
本明細書で使用する「テクスチャ加工シート」という用語は、皺寄せ、エンボス加工、デボス加工、穿孔又は別の方法で変形させたシートを意味する。皺寄せは、好ましい形のテクスチャ加工である。テクスチャ加工した材料シートは、複数の離間した窪み、突起、穿孔又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0046】
第1のシートをテクスチャ加工したタバコ材料シートとし、第2のシートをテクスチャ加工しないこともできる。
【0047】
第1及び第2のシートの両方をテクスチャ加工したタバコ材料シートとすることもできる。
【0048】
第1のシートは、タバコ材料の第2のシートとは異なる方法でテクスチャ加工した、タバコ材料のテクスチャ加工シートとすることができる。例えば、第1のシートを皺寄せし、第2のシートに穿孔することもできる。
【0049】
第1のシート及び第2のシートは、いずれも互いに形態学的に異なる皺寄せシートとすることができる。例えば、第2のシートは、第1のシートと異なる単位シート幅当たりの皺の数で皺寄せすることができる。
【0050】
質感の異なる少なくとも2つのタバコ材料シートを共にギャザー加工することにより、ロッドの物理的特性を制御することができる。例えば、質感の異なる少なくとも2つのタバコ材料シートをギャザー加工することにより、ロッドの密度を制御することができる。
【0051】
本明細書で使用する「皺寄せシート」という用語は、「クレープ紙」という用語と同義であることを意図しており、複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有するシートを意味する。例えば均質化タバコ材料の皺寄せシートなどの、タバコ材料の皺寄せシートは、ロッドの円筒軸に対して実質的に平行な複数の隆起部又は皺を有することが好ましい。これにより、ロッドを形成するためのタバコ材料の皺寄せシートのギャザー加工が容易になるという利点が得られる。しかしながら、これとは別に、又はこれに加えて、本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料の皺寄せシートは、ロッドの円筒軸に対して鋭角又は鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することもできると理解されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドで使用するための材料シートを、実質的に材料シートの表面全体にわたって実質的に均一にテクスチャ加工することができる。例えば、本明細書で説明するロッドで使用するための皺寄せ材料シートは、シートの幅にわたって実質的に均一に離間した複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することができる。
【0053】
ロッドを形成するように共にギャザー加工される少なくとも2つのシートは、異なる物理的寸法を有することができる。これらのシートはエンドレスシートであり、ウェブとして製造肯定に供給されることが効果的である。しかしながら、シートの幅及び厚みは様々であってよい。
【0054】
各々が異なる厚み又は異なる幅を有する2つのシートを共にギャザー加工することが好ましいと思われる。これにより、ロッドの物理的特性を変化させることができる。これにより、化学成分の異なるタバコ材料のシートからブレンドタバコロッドを容易に形成できるようになる。
【0055】
第1のシートは、第1の厚みを有し、第2のシートは、例えば、第1の厚みの2分の1、3分の1又は4分の1などの、第1の厚みの一定のパーセンテージ又は割合の第2の厚みを有することができる。
【0056】
第1のシートは、第1の幅を有し、第2のシートは、第1の幅とは異なる第2の幅を有することができる。
【0057】
第1のタバコ材料の第1のシート及び第2のタバコ材料の第2のシートは、共にギャザー加工する前に、又は共にギャザー加工される地点において重ね合って配置することができる。これらのシートは、同じ幅及び厚みを有することができる。これらのシートは、異なる厚みを有することもできる。これらのシートは、異なる幅を有することもできる。これらのシートは、異なる質感とすることができる。
【0058】
第1のシート及び第2のシートの両方をテクスチャ加工することが望ましい場合、これらのシートは、ギャザー加工する前に同時にテクスチャ加工することができる。例えば、これらのシートを重ね合わせてから一対の皺寄せローラなどのテクスチャ加工手段に通すことができる。
【0059】
或いは、各シートを別個にテクスチャ加工した後にギャザー加工してロッドにすることもできる。例えば、2つのシートが異なる厚みを有する場合には、第1のシートを第2のシートと異なる方法で皺寄せすることが望ましい。
【0060】
ロッドは、ロッドを形成するために第1のシート及び第2のシートと共にギャザー加工した1又はそれ以上のさらなる材料シートを含むことができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれもギャザー加工する前に、例えば皺寄せなどのテクスチャ加工を施すことができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれも均質化タバコの1又はそれ以上のさらなるシートなどのさらなるエアロゾル形成材料を含むことができる。
【0061】
本明細書で説明するロッドは、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用することができる。
【0062】
本明細書で説明するロッドを含むエアロゾル発生物品を提供することができる。
【0063】
本明細書で説明するロッドは、着火式喫煙物品内の可燃性喫煙可能材料のロッドとして使用することができる。1つの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、可燃性喫煙可能材料のロッドと、この可燃性喫煙材料のロッドの下流にあるフィルタとを含む着火式シガレット内の可燃性喫煙材料のロッドとして使用することができる。
【0064】
1つの実施形態では、本明細書で説明するロッドが、例えば加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材などの、加熱式エアロゾル発生物品の構成要素として特に有利となり得る。
【0065】
加熱式エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基材を加熱することにより、基材の材料からエアロゾルを発生させるように動作する。この結果、消費者はエアロゾルを吸入することができる。
【0066】
当業では、エアロゾル形成基材を燃焼させるのではなく加熱するエアロゾル発生物品が数多く提案されている。通常、加熱式エアロゾル発生物品では、例えば化学的熱源、電気的熱源又は可燃性熱源などの熱源から、この熱源の内部、周囲又は下流に位置することができる物理的に離れたエアロゾル形成基材に熱が伝達されることによってエアロゾルが発生する。
【0067】
本明細書で使用する「エアロゾル形成基材」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生することができるエアロゾル形成材料で構成された、又はこのエアロゾル形成材料を含む基材を意味する。本明細書では、タバコ材料のシートがエアロゾル形成基材である。
【0068】
本明細書で説明するロッドは、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材としての使用に特に適している。通常、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材のロッド長は、従来の着火式喫煙物品内の可燃性喫煙材料のロッドよりも大幅に短い。上述したように、タバコ材料の細断片を含むロッドが示す緩んだ端部、高い重量標準偏差及び不均一な密度は、ロッド長の短いエアロゾル発生材料のロッドにおいて特に望ましくない。本明細書で説明する短いロッドを加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用すると、タバコ材料の細断片を含む短いロッドの使用に関連する上述した1又はそれ以上の不利点が有利に最小化又は回避される。
【0069】
1つの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、可燃性熱源と、この可燃性熱源の下流のエアロゾル発生基材とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用することができる。
【0070】
例えば、本明細書で説明するロッドは、国際公開第2009/022232号に開示されているタイプの、可燃性炭素系熱源と、この熱源の下流のエアロゾル発生基材と、可燃性炭素系熱源の後部及び隣接するエアロゾル発生基材の前部の周囲に存在してこれらと接触する熱伝導要素とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。しかしながら、本明細書で説明するロッドは、他の構成を有する可燃性熱源を含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできると理解されたい。
【0071】
別の実施形態では、本明細書で説明するロッドを、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材を電気的熱源によって加熱する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできる。
【0072】
例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第0822670号に開示されているタイプの加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。
【0073】
電気作動式エアロゾル発生装置と、この装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品とを含むシステムを提供することができる。このエアロゾル発生物品は、本明細書で説明するロッド又はエアロゾル形成基材を含む。
【0074】
例えば電気加熱式エアロゾル発生システムなどの電気作動式エアロゾル発生システムに対し、タバコ材料の細断片を含むロッドを備えた加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去を行うと、ロッドからタバコ材料の細断片が脱落する傾向にある。これにより、脱落した細断片を除去するために、電気作動式エアロゾル発生システムの電気的熱源及びその他の部品をより頻繁に清掃する必要性が生じ得るという不利点がある。
【0075】
対照的に、本明細書で説明するロッドを備えたエアロゾル発生基材を含む加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去では、タバコ材料が脱落する可能性が低い。
【0076】
本明細書で説明するロッドを含むエアロゾル発生物品用のフィルタを提供することもできる。ロッドは、従来の喫煙物品などの着火式エアロゾル発生物品と加熱式エアロゾル発生物品の両方のフィルタ内で使用することができる。本明細書で説明するロッドは、単一のフィルタセグメントを含むフィルタ内で使用することができる。本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のフィルタセグメントを含む多要素フィルタ内で使用することもできる。
【0077】
当業では、タバコ含有フィルタセグメントを含むフィルタが知られている。例えば、欧州特許第1889550号には、唇側端部セグメントと、この唇側端部セグメントの上流の、タバコ又はその他の植物葉を含む第1の香味放出セグメントと、第1の香味放出セグメントの上流の、フィルタ材料及び香味料を含む第2の香味放出セグメントとを有する喫煙物品用多要素フィルタが開示されている。第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、第1の香味放出セグメントの吸引抵抗よりも大きく、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、唇側端部セグメントの吸引抵抗よりも大きい。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、単要素又は多要素フィルタ内のタバコ含有フィルタセグメントとして使用することができる。例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第1889550号に開示されているタイプの多要素フィルタ内の第1の香味放出セグメントとして使用することができる。
【0079】
本明細書で説明するロッドを含むフィルタは、粒子成分、気体成分又はこれらの組み合わせを除去するための1又はそれ以上のフィルタ材料をさらに含むことができる。当業では、好適なフィルタ材料が知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばセルロースアセテートトウ及び紙などの繊維状フィルタ材料、例えば活性アルミナ、ゼオライト、分子篩及びシリカゲルなどの吸着剤、例えばポリ乳酸(PLA)、Mater−Bi(登録商標)及びバイオプラスチックを含む生分解性ポリマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0080】
これとは別に、又はこれに加えて、本明細書で説明するロッドを含むフィルタは、1種類又はそれ以上の煙改質剤又はエアロゾル改質剤をさらに含むことができる。当業では、好適な煙改質剤及びエアロゾル改質剤が知られており、限定ではないが、例えばメントールなどの香味料が挙げられる。
【0081】
本明細書によるロッドは、断面が実質的に均一であることが好ましい。
【0082】
本明細書によるロッドは、用途に応じて異なる寸法で生産することができる。
【0083】
例えば、本明細書によるロッドは、用途に応じて約5mm〜約10mmの直径を有することができる。
【0084】
例えば、本明細書で説明するロッドは、用途に応じて約5mm〜約150mmのロッド長を有することができる。
【0085】
好ましい実施形態では、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用する本明細書によるロッドが、約5mm〜約20mm又は約30mmのロッド長を有することができる。
【0086】
さらなる実施形態では、従来の着火式喫煙物品及び加熱式エアロゾル発生物品用のフィルタ内で使用する本明細書によるロッドが、約5mm〜約30mmのロッド長を有することができる。
【0087】
本明細書によるロッドは、倍数単位のロッド長のロッドを形成した後に、この倍数単位のロッド長のロッドを所望の単位のロッド長の複数のロッドに切断又は別様に分割することにより、所望の単位のロッド長で生産することができる。
【0088】
例えば、約150mmのロッド長を有するロッドを形成した後に、この細長いロッドを約15mmのロッド長の10本のロッドに切断することにより、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するための約15mmのロッド長を有するロッドを生産することができる。
【0089】
好ましい実施形態は、均質化タバコ材料のシートを含む。均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身とタバコ葉の茎の一方又は両方をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを塊にすることによって形成することができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、例えばタバコの処理、取り扱い及び出荷中に副産物として形成されるタバコくず、タバコ粉末及びその他の粒子状タバコのうちの1つ又はそれ以上を含むこともできる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、ロッドを形成するために使用する均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを含むことが好ましい。
【0090】
いくつかの実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、少なくとも約40乾燥重量%、又は少なくとも50乾燥重量%のタバコ含有量を有することができる。他の実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、約70乾燥重量%又はそれ以上のタバコ含有量を有することができる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、タバコ含有量の高い均質化タバコ材料のシートを使用することにより、タバコ香味が強化されたエアロゾルが有利に発生する。
【0091】
均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコを塊にする支援となるように、タバコの内部を発生源とする1又はそれ以上の内因性バインダ、タバコの外部を発生源とする1又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、以下に限定されるわけではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル形成体、保湿剤、可塑剤、香味料、充填剤、水性及び非水性溶媒、並びにこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むこともできる。
【0092】
当業では、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した外因性バインダが知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばグアーガム、キサンタンゴム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系バインダ、例えばでんぷんなどの多糖類、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基、寒天及びペクチン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0093】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した非タバコ繊維が知られており、以下に限定されるわけではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維及びこれらの組み合わせが挙げられる。非タバコ繊維は、均質化タバコ材料のシートに含める前に、以下に限定されるわけではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化及びこれらの組み合わせを含む当業で周知の好適な処理を施すことができる。
【0094】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、ロッドを形成するためのギャザー加工に耐え抜くほど十分に高い引張強度を有するべきである。いくつかの実施形態では、適切な引張強度を達成するために、均質化タバコ材料のシートに非タバコ繊維を含めることができる。
【0095】
例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料シートは、約1乾燥重量%〜約5乾燥重量%の非タバコ繊維を含むことができる。
【0096】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適したエアロゾル形成体及び保湿剤が知られており、以下に限定されるわけではないが、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール及びグリセリンなどの多価アルコール、モノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなどの多価アルコールのエステル、及びドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなどのモノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられる。
【0097】
例えば、本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、約5乾燥重量%〜約30乾燥重量%のエアロゾル形成体含有量を有することができる。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドは、約5%〜約30%よりも多くのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドでは、エアロゾル形成体がグリセリンであることが好ましい。
【0098】
均質化タバコ材料のシートの組成は、規制上の要件に適合するように設計することができると理解されるであろう。
【0099】
当業では、均質化タバコ材料のシートを生産するための再構成法が数多く知られている。これらの方法としては、以下に限定されるわけではないが、例えば米国特許第3,860,012号に記載されているタイプの製紙法、例えば米国特許第5,724,998号に記載されているタイプの成形法又は「成形葉」法、例えば米国特許第3,894,544号に記載されているタイプの生地再構成法、及び、例えば英国特許第983,928号に記載されているタイプの押し出し法が挙げられる。通常、押し出し法及び生地再構成法によって生産される均質化タバコ材料のシートの密度は、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートの密度よりも高い。
【0100】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、一般に粒子状タバコ及び1種類又はそれ以上のバインダを含むスラリーをコンベアベルト又はその他の支持面上に成形するステップと、この成形したスラリーを乾燥させて均質化タバコ材料のシートを形成するステップと、支持面から均質化タバコ材料のシートを取り除くステップとを含むタイプの成形法によって生産されることが好ましい。
【0101】
例えば、いくつかの実施形態では、粒子状タバコ、グアーガム、セルロース繊維及びグリセリンを含むスラリーから成形法によって均質化タバコ材料のシートを生産することができる。
【0102】
均質化タバコ材料のシートは、フィルタトウ、紙及びその他の材料をテクスチャ加工するための既知の好適な機械を用いてテクスチャ加工することができる。
【0103】
例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料のシートは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、一対の回転式皺寄せローラを含む皺寄せユニットを用いて皺寄せすることができる。しかしながら、均質化タバコ材料のシートは、均質化タバコ材料のシートに変形又は穿孔を行う他の好適な機械及び処理を用いてテクスチャ加工することもできると理解されるであろう。
【0104】
本明細書によるロッドは、ロッドの用途に応じて寸法範囲が異なる均質化タバコ材料のシートから生産することができる。均質化タバコ材料のシートは、本明細書で説明するロッドを形成するためにギャザー加工できるほど幅が十分なことが必要である。
【0105】
本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料シートは、少なくとも約25mmの幅を有することが好ましい。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料シートが、約25mm〜約300mmの幅を有することができる。
【0107】
本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料のシートは、約50μm〜約100μmの組み合わせ厚を有することが好ましい。組み合わせ厚とは、ロッドを構成する全てのシートを合計した厚みのことを意味する。例えば、2つのシートからロッドを形成する場合、組み合わせ厚は、各個々のシートの厚みの合計である。本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料のシートは、約25μm〜約100μmの個々の厚みを有することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドで使用するためのタバコ材料のシートが、10μm〜約300μmの厚みを有することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドの形成で使用するための均質化タバコ材料のシートが、100g/m
2及び約300g/m
2の坪量を有することができる。
【0110】
本明細書で説明するロッドは、多孔性ラッパー又は無孔性ラッパーによって取り巻かれた均質化タバコ材料のギャザー加工シートを含むことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドが、共にギャザー加工されて紙ラッパーに取り巻かれた少なくとも2つの均質化タバコ材料シートを含むことができる。
【0112】
当業では、本発明の特定の実施形態で使用するのに適した紙ラッパーが知られており、限定ではないが、シガレットペーパ及びフィルタプラグラップが挙げられる。
【0113】
他の実施形態では、本明細書で説明するロッドが、非紙ラッパーを含むことができる。
【0114】
当業では、本明細書で説明するロッドの形成において使用するのに適した非紙ラッパーが知られており、限定ではないが、均質化タバコ材料が挙げられる。
【0115】
本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のシートを同時にギャザー加工できるようになっている従来のシガレット製造機及びシガレットフィルタ製造機を用いて生産することができる。
【0116】
例えば、均質化タバコ材料の第1及び第2の皺寄せシートを含むロッドは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、ギャザー加工した皺寄せペーパーシートを含むフィルタロッドを形成するための機械を適合させて生産することができる。この機械は、2つの材料シートに皺寄せしてギャザー加工できるように適合させることができる。
【0117】
ロッドの形成方法であって、タバコ材料の第1の連続シートを準備するステップと、タバコ材料の第2の連続シートを準備するステップと、このタバコ材料の第1の連続シート及び第2の連続シートをその長手方向軸に対して横方向に同時にギャザー加工するステップと、ギャザー加工したタバコ材料のシートをラッパーで取り巻いて連続ロッドを形成するステップと、連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するステップとを含み、タバコ材料の第1の連続シートがタバコ材料の第2の連続シートと物理的又は化学的に異なる方法も提供する。
【0118】
この方法は、第1の連続シートをテクスチャ加工するステップをさらに含むことができる。例えば、この方法は、第1の連続シートを第2の連続シートと共にギャザー加工する前に、第1の連続シートに皺寄せ、エンボス加工、穿孔又はその他のテクスチャ加工を施すステップを含むことができる。
【0119】
この方法は、第1の連続シートを皺寄せするステップをさらに含むことが好ましい。
【0120】
第1の連続シート及び第2の連続シートには、いずれも例えば皺寄せなどのテクスチャ加工を施すことができる。タバコ材料の第1の連続シート及び第2の連続シートは、いずれもギャザー加工する前に皺寄せすることができる。
【0121】
添付図面を参照しながら、特定の実施形態をほんの一例として詳細に説明する。