【課題を解決するための手段】
【0012】
共にギャザー加工してラッパーで取り巻いた、タバコ材料を含む第1のシートと、非タバコ香味料を含む第2のシートとを有するロッドを提供する。
【0013】
このギャザー加工した材料シートは、ロッドのほぼ全長に沿って、ロッドの横断面積のほぼ全体にわたって延びることが好ましい。
【0014】
タバコ材料を含む第1のシートは、好ましくは一定割合のエアロゾル形成体を含む再構成タバコ又は均質化タバコのシートとすることができる。
【0015】
非タバコ香味料を含む第2のシートは、高分子シート、紙シート又は金属シートなどの非タバコシートとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のシートが、金属ホイル、高分子シート、及び実質的に無孔性の紙又は厚紙を含む群から選択した材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のシートが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、でんぷんベースのコポリエステル及びアルミニウムホイルから成る群から選択した材料を含むことができる。
【0016】
第2のシートは、非タバコ香味料で被覆することができる。第2のシートは、非タバコ香味料を含浸させることもできる。
【0017】
第2のシートは、香味料を混和させたゲル又はヒドロゲルなどの材料から形成することができる。第2のシートは、加熱時に揮発して香味料を放出することができる。第2のシートは、生分解性ポリマーを含むことができ、例えば、第2のシートは、香味料を被覆又は含浸させたポリ乳酸(PLA)のシートとすることができる。
【0018】
香味料は、揮発性香味成分を含むことができる。香味料はメントールを含むことができる。本明細書で使用する「メントール」という用語は、あらゆる異性体の形の2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールという化合物を意味する。香味料は、メントール、レモン、バニラ、オレンジ、ウィンターグリーン、チェリー及びシナモンから成る群から選択した香味を提供することができる。
【0019】
非タバコ香味料を含む第2のシートは、グリセリンなどのエアロゾル形成体をさらに含むことができる。エアロゾル形成体は、エアロゾル内に香味成分を運び込むことができる。
【0020】
従来のシガレットの主流煙の香味を改質するために、メントールなどの香味料を含む単一セグメント又はマルチセグメントマウスピースフィルタを設けることが知られている。メントールは、好適な液体キャリアを用いて、シガレットのフィルタ、包装タバコロッド又はエアロゾル発生基材に液体形態で混和させることができる。液体形態のメントールは揮発性であり、従って保管中から移行又は蒸発してシガレット内のタバコに香味を与える傾向にある。これとは別に、メントール又はその他の香味料をストリップ、ビード又はその他の手段としてシガレットに混和させることもできる。
【0021】
従来のシガレットの消費中には、燃焼ラインがシガレットに沿って進む。燃焼ラインが進むにつれ、タバコに移行したメントールが放出される。対照的に、通常、加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材からの揮発物質の蒸留によって機能する。基材の大部分が同時に加熱されて揮発物質が発生する。メントールなどの香味添加物は揮発性が高いので、基材内のその他の要素よりも早く発生して消費される傾向にある。物品内のメントール又は香味充填量が高くないと、物品が消費されるにつれて香味が急速に消失する。
【0022】
従来のシガレットにメントールを含ませることは良く知られているが、エアロゾル発生物品にメントール又はその他の香味を与えることはそれほど容易でない場合もある。エアロゾル発生物品で一般に使用されるフィルタは、従来のシガレットで使用されるフィルタよりも短い。また、エアロゾル発生物品内のタバコの量は、従来のシガレット内のタバコの量よりも少ない。このため、メントールの最大可能充填量が、従来のシガレットに比べて低くなる場合がある。
【0023】
通常、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材は、グリセリンなどのエアロゾル形成体を含む処理基材である。例えば、エアロゾル発生物品用のエアロゾル形成基材は、成形葉タバコ又は再構成タバコで構成された折り曲げたタバコプラグから形成することができる。エアロゾル形成基材には、メントールなどの香味料を混和させることができる。しかしながら、この混和の結果、エアロゾル形成基材の構造が損なわれることがある。例えば、成形タバコ内にメントールを装入すると、成形葉タバコの密度及び強度が低下して、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材としての使用に適しにくくなる場合がある。例えば、シート内に香味料が存在することに起因して強度が不十分な成形タバコシートからプラグを形成することは困難になり得る。
【0024】
タバコのシートと、非タバコ香味料を含む別個のシートとを含むロッドは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材として使用するのに特に有利となり得る。香味料がタバコとは別のシートに含まれるので、タバコシートの構造的完全性が損なわれることがない。
【0025】
第1のシート及び第2のシートは同様の寸法であり、例えば同様又は同一の幅であることが好ましい。第1のシート及び第2のシートは、ロッドにギャザー加工される前に重なり合って配置されることが好ましい。従って、ロッドに充填される香味料が比較的多い。香味料及びタバコはロッド全体を通じて均等に分散する。ロッドの長さに沿った任意の箇所で切り取った断面では、第1のシートと第2のシートの割合が同じである。
【0026】
本明細書で説明するロッドの形成は、さらなる利点を有することができる。同じ製造ライン上で香味料シートを交換して異なる香味の製品を生産することが容易である。香味料とタバコが別個のシート内に存在するので、特定の香味付き製品を短期間で経済的に生産することが可能である。
【0027】
本明細書で使用する「ロッド」という用語は、断面が実質的に円形、長円形又は楕円形である一般に円筒形の要素を意味する。
【0028】
本明細書で使用する「シート」という用語は、幅と長さが厚みよりも実質的に大きな層状要素を意味する。シートの幅は、10mmよりも大きく、20mm又は30mmよりも大きいことが好ましい。
【0029】
本明細書で使用する「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させることができる材料を意味する。タバコは、エアロゾル形成体、特にエアロゾル形成体を含む均質化タバコのシートと見なすことができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル形成材料を含み、又はエアロゾル形成材料で構成することができる。
【0030】
本明細書で使用する「ロッド長」という用語は、本明細書で説明するロッドの円筒軸方向の寸法を意味する。
【0031】
本明細書で使用する「均質化タバコ材料」という用語は、粒子状タバコを塊にすることによって形成された材料を意味する。
【0032】
本明細書で使用する「ギャザー加工」という用語は、タバコ材料のシートを、ロッドの円筒軸に対して実質的に横方向に巻き込み、折り重ね、或いは別様に圧縮又は収縮することを意味する。
【0033】
本明細書で使用する「上流」及び「下流」という用語は、本明細書で説明するようなロッドを含むエアロゾル発生物品の構成要素又は構成要素の一部の、エアロゾル発生物品の使用時に物品を通じて吸い込まれる空気の方向に対する相対位置を示すものである。
【0034】
エアロゾル発生物品、特に加熱式エアロゾル発生物品の構成要素としては、タバコ材料を含むギャザー加工シート及び非タバコ香味料を含む第2のシートから形成されたロッドが特に有益である。
【0035】
加熱式エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基材を加熱することにより、基材の材料からエアロゾルを発生させるように動作する。この結果、消費者はエアロゾルを吸入することができる。本明細書で説明するように形成したロッドを含む基材を加熱すると、タバコ材料のシートからタバコ香味が発生し、非タバコ香味料を含むシートから非タバコ香味が発生する。基材を加熱することによって形成される吸引可能なエアロゾルは、タバコシートから生じる一定割合のエアロゾル成分と、非タバコ香味料を含むシートから生じる一定割合のエアロゾル成分とを含む。
【0036】
タバコ材料を含む第1のシートは、テクスチャ加工されたシート材料とすることができる。テクスチャ加工された材料シートを使用すると、本明細書で説明するロッドを形成するためのシートのギャザー加工を容易にすることができるという利点がある。非タバコ香味料を含む第2のシートも、テクスチャ加工されたシート材料とすることができる。第1の材料シートと第2の材料シートの両方を、テクスチャ加工された材料シートとすることもできる。
【0037】
本明細書で使用する「テクスチャ加工シート」という用語は、皺寄せ、エンボス加工、デボス加工、穿孔又は別の方法で変形させたシートを意味する。本明細書で説明するロッドを形成する際に使用する均質化タバコなどのテクスチャ加工した材料シートは、複数の離間した窪み、突起、穿孔又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
特に好ましい実施形態によれば、共にギャザー加工してラッパーで取り巻いた、均質化タバコ材料の皺寄せシートと、非タバコ香味料を含む材料の皺寄せシートとを含むロッドが提供される。
【0039】
本明細書で使用する「皺寄せシート」という用語は、「クレープ紙」という用語と同義であることを意図しており、複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有するシートを意味する。例えば均質化タバコ材料の皺寄せシートなどの、エアロゾル形成材料の皺寄せシートは、本明細書で説明するロッドの円筒軸に対して実質的に平行な複数の隆起部又は皺を有することが好ましい。これにより、ロッドを形成するためのエアロゾル形成材料の皺寄せシートのギャザー加工が容易になるという利点が得られる。しかしながら、これとは別に、又はこれに加えて、本明細書で説明するロッドで使用するためのエアロゾル形成材料の皺寄せシートは、ロッドの円筒軸に対して鋭角又は鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することもできると理解されたい。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドの形成において使用するための材料シートを、実質的にその表面全体にわたって実質的に均一にテクスチャ加工することができる。例えば、本明細書で説明するロッドの形成において使用するための皺寄せ材料シートは、シートの幅にわたって実質的に均一に離間した複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することができる。
【0041】
本明細書で説明するロッドは、ロッドを形成するために第1のシート及び第2のシートと共にギャザー加工した1又はそれ以上のさらなる材料シートを含むことができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれもギャザー加工する前に皺寄せすることができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれも均質化タバコの1又はそれ以上のさらなるシートなどのさらなるエアロゾル形成材料を含むことができる。
【0042】
本明細書では、本明細書で説明するロッドの、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材としての使用をさらに提供する。
【0043】
本明細書では、本明細書で説明するロッドを含むエアロゾル発生物品も提供する。
【0044】
当業では、エアロゾル形成基材を燃焼させるのではなく加熱するエアロゾル発生物品が数多く提案されている。通常、加熱式エアロゾル発生物品では、例えば化学的熱源、電気的熱源又は可燃性熱源などの熱源から、この熱源の内部、周囲又は下流に位置することができる物理的に離れたエアロゾル発生基材に熱が伝達されることによってエアロゾルが発生する。
【0045】
本明細書で使用する「エアロゾル発生基材」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生することができるエアロゾル形成材料で形成された、又はこのエアロゾル形成材料を含む基材を意味する。
【0046】
本明細書で説明するロッドは、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材としての使用に特に適している。通常、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材のロッド長は、従来の着火式喫煙物品内の可燃性喫煙材料のロッドよりも大幅に短い。上述したように、タバコ材料の細断片を含むロッドが示す緩んだ端部、高い重量標準偏差及び不均一な密度は、ロッド長の短いエアロゾル発生材料のロッドにおいて特に望ましくない。本明細書で説明する短いロッドを加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用すると、タバコ材料の細断片を含む短いロッドの使用に関連する上述した1又はそれ以上の不利点が有利に最小化又は回避される。
【0047】
1つの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、可燃性熱源と、この可燃性熱源の下流のエアロゾル発生基材とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。
【0048】
例えば、本明細書で説明するロッドは、国際公開第2009/022232号に開示されているタイプの、可燃性炭素系熱源と、この熱源の下流のエアロゾル発生基材と、可燃性炭素系熱源の後部及び隣接するエアロゾル発生基材の前部の周囲に存在してこれらと接触する熱伝導要素とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。しかしながら、本明細書で説明するロッドは、他の構成を有する可燃性熱源を含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできると理解されたい。
【0049】
別の実施形態では、本明細書で説明するロッドを、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材を電気的熱源によって加熱する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできる。
【0050】
例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第0822670号に開示されているタイプの加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。
【0051】
電気作動式エアロゾル発生装置と、この装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品とを含むシステムを提供することができる。このエアロゾル発生物品は、本明細書で説明するロッド又はエアロゾル形成基材を含む。
【0052】
例えば電気加熱式エアロゾル発生システムなどの電気作動式エアロゾル発生システムに対し、タバコ材料の細断片を含むロッドを備えた加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去を行うと、ロッドからタバコ材料の細断片が脱落する傾向にある。これにより、脱落した細断片を除去するために、電気作動式エアロゾル発生システムの電気的熱源及びその他の部品をより頻繁に清掃する必要性が生じ得るという不利点がある。
【0053】
対照的に、本明細書で説明するロッドを備えたエアロゾル発生基材を含む加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去では、タバコ材料が脱落する可能性が低い。本明細書では、本明細書で説明するロッドを含む、喫煙物品又はエアロゾル発生物品のためのフィルタをさらに提供する。本明細書で説明するロッドは、着火式喫煙物品及び加熱式エアロゾル発生物品の両方のフィルタで使用することができる。本明細書で説明するロッドは、単一のフィルタセグメントを含むフィルタ内で使用することができる。本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のフィルタセグメントを含む多要素フィルタ内で使用することもできる。
【0054】
当業では、タバコ含有フィルタセグメントを含むフィルタが知られている。例えば、欧州特許第1889550号には、唇側端部セグメントと、この唇側端部セグメントの上流の、タバコ又はその他の植物葉を含む第1の香味放出セグメントと、第1の香味放出セグメントの上流の、フィルタ材料及び香味料を含む第2の香味放出セグメントとを有する喫煙物品用多要素フィルタが開示されている。第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、第1の香味放出セグメントの吸引抵抗よりも大きく、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、唇側端部セグメントの吸引抵抗よりも大きい。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、単要素又は多要素フィルタ内のタバコ含有フィルタセグメントとして使用することができる。例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第1889550号に開示されているタイプの多要素フィルタ内の第1の香味放出セグメントとして使用することができる。
【0056】
本明細書で説明するロッドを含むフィルタは、粒子成分、気体成分又はこれらの組み合わせを除去するための1又はそれ以上のフィルタ材料をさらに含むことができる。当業では、好適なフィルタ材料が知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばセルロースアセテートトウ及び紙などの繊維状フィルタ材料、例えば活性アルミナ、ゼオライト、分子篩及びシリカゲルなどの吸着剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
本明細書で説明するロッドは、横断面が実質的に均一であることが好ましい。
【0058】
本明細書で説明するロッドは、用途に応じて異なる寸法で生産することができる。
【0059】
例えば、本明細書で説明するロッドは、用途に応じて約5mm〜約10mmの直径を有することができる。
【0060】
例えば、本明細書で説明するロッドは、用途に応じて約5mm〜約150mmのロッド長を有することができる。
【0061】
好ましい実施形態では、本明細書で説明する、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのロッドが、約5mm〜約20mm又は約30mmのロッド長を有することができる。
【0062】
さらなる実施形態では、本明細書で説明する、従来の着火端部式喫煙物品及び加熱式エアロゾル発生物品用のフィルタで使用するためのロッドが、約5mm〜約30mmのロッド長を有することができる。
【0063】
本明細書によるロッドは、倍数単位のロッド長のロッドを形成した後に、この倍数単位のロッド長のロッドを所望の単位のロッド長の複数のロッドに切断又は別様に分割することにより、所望の単位のロッド長で生産することができる。
【0064】
例えば、約150mmのロッド長を有するロッドを形成した後に、この細長いロッドを約15mmのロッド長の10本のロッドに切断することにより、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するための約15mmのロッド長を有するロッドを生産することができる。
【0065】
好ましい実施形態は、均質化タバコ材料のシートを含む。均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身とタバコ葉の茎の一方又は両方をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを塊にすることによって形成することができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、例えばタバコの処理、取り扱い及び出荷中に副産物として形成されるタバコくず、タバコ粉末及びその他の粒子状タバコのうちの1つ又はそれ以上を含むこともできる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、ロッドを形成するために使用する均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを含むことが好ましい。
【0066】
いくつかの実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、少なくとも約40乾燥重量%、又は少なくとも50乾燥重量%のタバコ含有量を有することができる。他の実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、約70乾燥重量%又はそれ以上のタバコ含有量を有することができる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、タバコ含有量の高い均質化タバコ材料のシートを使用することにより、タバコ香味が強化されたエアロゾルが有利に発生する。
【0067】
均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコを塊にする支援となるように、タバコの内部を発生源とする1又はそれ以上の内因性バインダ、タバコの外部を発生源とする1又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、以下に限定されるわけではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル形成体、保湿剤、可塑剤、香味料、充填剤、水性及び非水性溶媒、並びにこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むこともできる。
【0068】
当業では、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した外因性バインダが知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばグアーガム、キサンタンゴム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系バインダ、例えばでんぷんなどの多糖類、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基、寒天及びペクチン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した非タバコ繊維が知られており、以下に限定されるわけではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維及びこれらの組み合わせが挙げられる。非タバコ繊維は、均質化タバコ材料のシートに含める前に、以下に限定されるわけではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化及びこれらの組み合わせを含む当業で周知の好適な処理を施すことができる。
【0070】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、ロッドを形成するためのギャザー加工に耐え抜くほど十分に高い引張強度を有するべきである。いくつかの実施形態では、適切な引張強度を達成するために、均質化タバコ材料のシートに非タバコ繊維を含めることができる。例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料シートは、約1乾燥重量%〜約5乾燥重量%の非タバコ繊維を含むことができる。
【0071】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適したエアロゾル形成体及び保湿剤が知られており、以下に限定されるわけではないが、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール及びグリセリンなどの多価アルコール、モノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなどの多価アルコールのエステル、及びドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなどのモノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられる。このようなエアロゾル形成体及び保湿剤は、非タバコ香味料を含む第2のシートの成分として適することもできる。
【0072】
例えば、本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、約5乾燥重量%〜約30乾燥重量%のエアロゾル形成体含有量を有することができる。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドは、約5%〜約30%よりも多くのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドでは、エアロゾル形成体がグリセリンであることが好ましい。
【0073】
均質化タバコ材料のシートの組成は、規制上の要件に適合するように設計することができると理解されるであろう。
【0074】
当業では、均質化タバコ材料のシートを生産するための再構成法が数多く知られている。これらの方法としては、以下に限定されるわけではないが、例えば米国特許第3,860,012号に記載されているタイプの製紙法、例えば米国特許第5,724,998号に記載されているタイプの成形法又は「成形葉」法、例えば米国特許第3,894,544号に記載されているタイプの生地再構成法、及び、例えば英国特許第983,928号に記載されているタイプの押し出し法が挙げられる。通常、押し出し法及び生地再構成法によって生産される均質化タバコ材料のシートの密度は、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートの密度よりも高い。
【0075】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、一般に粒子状タバコ及び1種類又はそれ以上のバインダを含むスラリーをコンベアベルト又はその他の支持面上に成形するステップと、この成形したスラリーを乾燥させて均質化タバコ材料のシートを形成するステップと、支持面から均質化タバコ材料のシートを取り除くステップとを含むタイプの成形法によって生産されることが好ましい。
【0076】
例えば、いくつかの実施形態では、粒子状タバコ、グアーガム、セルロース繊維及びグリセリンを含むスラリーから成形法によって均質化タバコ材料のシートを生産することができる。
【0077】
均質化タバコ材料のシートは、フィルタトウ、紙及びその他の材料をテクスチャ加工するための既知の好適な機械を用いてテクスチャ加工することができる。
【0078】
例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料のシートは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、一対の回転式皺寄せローラを含む皺寄せユニットを用いて皺寄せすることができる。しかしながら、均質化タバコ材料のシートは、均質化タバコ材料のシートに変形又は穿孔を行う他の好適な機械及び処理を用いてテクスチャ加工することもできると理解されるであろう。
【0079】
本明細書で説明するロッドは、用途に応じて寸法が異なる均質化タバコ材料のシート及び非タバコ香味料を含むシートから生産することができる。本明細書で説明するロッドの形成において使用するための均質化タバコ材料のシート及び非タバコ香味料を含むシートは、本明細書で説明するロッドを形成するようにギャザー加工するのに十分な幅を有するべきである。
【0080】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する材料シートは、少なくとも約25mmの幅を有することが好ましい。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドにおいて使用する材料シートが、約25mm〜約300mmの幅を有することができる。
【0082】
ロッドを構成する材料シートは、少なくとも約50μm〜約300μmの組み合わせ厚を有することが好ましい。
【0083】
いくつかの実施形態では、個々の材料シートが、約10μm〜約250μmの厚みを有することができる。アルミニウムホイルのシートなどの熱伝導性シートは、エアロゾル形成材料のシートよりも薄い厚みを有することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、100g/m
2及び約300g/m
2の坪量を有することができる。
【0085】
本明細書で説明するロッドは、多孔性ラッパー又は無孔性ラッパーによって取り巻かれた均質化タバコ材料のギャザー加工シートを含むことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドが、共にギャザー加工されて紙ラッパーに取り巻かれた均質化タバコ材料のシートと、非タバコ香味料を含むシートとを含むことができる。
【0087】
当業では、好適な紙ラッパーが知られており、限定ではないが、シガレットペーパ及びフィルタプラグラップが挙げられる。
【0088】
他の実施形態では、本明細書で説明するロッドが、非紙ラッパーを含むことができる。
【0089】
当業では、好適な非紙ラッパーが知られており、限定ではないが、均質化タバコ材料が挙げられる。
【0090】
本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のシートを同時にギャザー加工できるようになっている従来のシガレット製造機及びシガレットフィルタ製造機を用いて生産することができる。
【0091】
例えば、均質化タバコ材料の皺寄せシート及び非タバコ香味料を含むシートを含むロッドは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、ギャザー加工した皺寄せペーパーシートを含むフィルタロッドを形成するための機械を適合させて生産することができる。この機械は、非タバコ香味料を含むシートを皺寄せタバコシートと共にギャザー加工できるように適合させることができる。
【0092】
本明細書では、本明細書で説明するロッドの形成方法であって、タバコ材料を含む第1の連続シートを準備するステップと、非タバコ香味料を含む第2の連続シートを準備するステップと、第1及び第2の連続シートを、これらの長手方向軸に対して横方向に同時にギャザー加工するステップと、ギャザー加工したシートをラッパーで取り巻いて連続ロッドを形成するステップと、連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するステップとを含む方法も提供する。タバコ材料は、均質化タバコであることが好ましい。非タバコ香味料を含むシートは、上述したいずれのこのようなシートであってもよく、非タバコ香味料を含む紙又は高分子シートであることが好ましい。
【0093】
この方法は、第1の連続シートをテクスチャ加工するステップをさらに含むことができる。例えば、この方法は、第1の連続シートを第2の連続シートと共にギャザー加工する前に、第1の連続シートに皺寄せ、エンボス加工、穿孔又はその他のテクスチャ加工を施すステップを含むことができる。
【0094】
この方法は、第1の連続シートを皺寄せするステップをさらに含むことが好ましい。
【0095】
第1の連続シート及び第2の連続シートには、いずれも例えば皺寄せなどのテクスチャ加工を施すことができる。
【0096】
添付図面を参照しながら、特定の実施形態をほんの一例として詳細に説明する。