特表2015-517818(P2015-517818A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-517818エアロゾル発生物品で使用するための香味付きロッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-517818(P2015-517818A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品で使用するための香味付きロッド
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20150529BHJP
   A24F 47/00 20060101ALI20150529BHJP
【FI】
   A24B3/14
   A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-514512(P2015-514512)
(86)(22)【出願日】2013年5月30日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月28日
(86)【国際出願番号】EP2013061209
(87)【国際公開番号】WO2013178767
(87)【国際公開日】20131205
(31)【優先権主張番号】12170358.1
(32)【優先日】2012年5月31日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】メトランゴロ アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンドラ ピエール−イヴ
(72)【発明者】
【氏名】フォークナー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】シャーラー ジャン−ピエール
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー ジャン−クロード
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB13
4B043BC02
4B043BC03
(57)【要約】
共にギャザー加工されてラッパー(12)に取り巻かれた、タバコ材料を含む第1のシート(2)及び非タバコ香味料を含む第2のシート(3)からロッドを形成する。このロッドは、エアロゾル発生物品の構成部品として使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共にギャザー加工されてラッパー(12)に取り巻かれた、タバコ材料を含む第1のシート(2)と、非タバコ香味料を含む第2のシート(3)とを含む、
ことを特徴とするロッド。
【請求項2】
前記第1のシートは、均質化タバコ材料のシートである、
ことを特徴とする請求項1に記載のロッド。
【請求項3】
前記第2のシートは、前記非タバコ香味料で被覆された高分子シート又は紙シートである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロッド。
【請求項4】
前記第2のシートは、前記非タバコ香味料を含浸させた高分子シート又は紙シートである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロッド。
【請求項5】
前記第2のシートは、例えばポリ乳酸などの生分解性ポリマーを含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のロッド。
【請求項6】
前記第1のシート及び前記第2のシートの少なくとも一方は皺寄せされる、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のロッド。
【請求項7】
前記非タバコ香味料はメントールを含む、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のロッド。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載のロッドを含む、
ことを特徴とする喫煙物品。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載のロッドを含む、
ことを特徴とする、加熱式エアロゾル発生物品のためのエアロゾル形成基材。
【請求項10】
電気作動式エアロゾルゾル発生装置と、該装置と共に使用するための、請求項9に記載のエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品とを備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
可燃性熱源と、該可燃性熱源の下流に位置する請求項9に記載のエアロゾル形成基材とを含む、
ことを特徴とする加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項12】
請求項9に記載のエアロゾル形成基材を含む、
ことを特徴とする、電気作動式エアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項13】
ロッドの形成方法であって、
タバコ材料を含む第1の連続シート(2)を準備するステップと、
非タバコ香味料を含む第2の連続シート(3)を準備するステップと、
前記第1及び第2の連続シートを、該両シートの長手方向軸に対して横方向に同時にギャザー加工するステップと、
前記ギャザー加工したシートをラッパー(12)で取り巻いて連続ロッドを形成するステップと、
前記連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記第1の連続シートは、ギャザー加工される前に皺寄せされる、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の連続シートは、ギャザー加工される前に皺寄せされる、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル発生物品で使用するためのロッドを形成するように共にギャザー加工された、タバコ材料を含むシートと非タバコ香味料を含む材料のシートとを有するロッドに関する。本発明は、このようなロッドを含むエアロゾル発生物品、及びこのようなロッドの形成方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
当業界では、タバコ材料の細断片、ストランド又はストリップを生産するための方法及び装置が知られている。通常、このようなタバコ材料の細断片、ストランド及びストリップの幅は、約3mm又はそれ以下である。
【0003】
例えば、米国特許第4,000,748号には、再構成タバコのシートをストリップに細断し、結果として得られたストリップをほぼ同時作業で皺寄せするための方法及び装置が開示されている。タバコ材料のシートは、回転して噛み合う一対の重なり合ったディスク間を移動し、これらのディスクが、シートを約0.65mm〜1.55mm幅の複数のストリップに細断する。結果として得られたストリップの前方への動きが、隣接するディスクの対向面との係合によって減速され、ストリップが縮れた形状に屈曲するようになる。皺寄せストリップは、高い充填値をもたらすことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4000748号明細書
【特許文献2】欧州特許第2062484号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/022232号
【特許文献4】欧州特許第0822670号明細書
【特許文献5】欧州特許第1889550号明細書
【特許文献6】米国特許第3860012号明細書
【特許文献7】米国特許第5724998号明細書
【特許文献8】米国特許第3894544号明細書
【特許文献9】英国特許第0983928号明細書
【特許文献10】スイス国特許第691156号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皺寄せした又はしていないタバコ材料の細断片を含むエアロゾル発生物品用ロッドの形成には、後述するものを含む多くの不利点がある。
【0006】
第1に、タバコ材料を細断することにより、望ましくないタバコ粉末及びその他のくずが生じる。
【0007】
第2に、タバコ材料の細断片を含むロッドは、「緩んだ端部」を示す。すなわち、ロッドの端部からタバコ材料の細断片が失われる。これは、ロッド形成中にタバコ材料の細断片が破損することによって悪化する。緩んだ端部は、美学的に望ましくないだけでなく、製造設備及びエアロゾル発生装置をより頻繁に清掃する必要性が生じ得るという不利点もある。エアロゾル発生物品では、エアロゾル発生基材のロッド長が従来のシガレットに比べて短い傾向にあり、従って端部近くの基材材料の割合が高いので、この緩んだ端部の問題が特に悪化する。
【0008】
第3に、タバコ材料の細断片を含むロッドは、高い重量標準偏差を示す。すなわち、同じ寸法のロッドでも重量が一定しない傾向にある。この原因は、1つには上述したような緩んだ端部を示すというロッドの性質にある。タバコ材料の細断片を含むロッドの重量標準偏差が高いと、重量が選択許容範囲から外れたロッドの不良品発生率が高くなるので望ましくない。さらに、タバコ材料の細断片を含むロッドは、不均一な密度を示す。すなわち、ロッド長に沿った密度が一定しない傾向にある。この原因は、ロッド沿いの異なる場所におけるタバコ材料の量のばらつきにより、タバコ材料の量が少ない領域である「空隙」、及びタバコ材料の量が多い領域である「パッド」が生じることにある。タバコ材料の細断片を含むロッドの密度が不均一であると、ロッドの吸引抵抗(RTD)に悪影響が及ぶ場合があるので望ましくない。また、タバコ材料の細断片を含むロッドの密度が不均一であると、ロッドの端部に空隙が存在する時に緩んだ端部が生じることもある。
【0009】
タバコ材料の細断片を含むロッドが示す、緩んだ端部、高い重量標準偏差及び不均一な密度は、ロッド長の短いロッドにおいて特に問題となり望ましくない。ロッド長の短いロッドはプラグと呼ばれることがある。
【0010】
欧州特許第2062484号には、経口消費用無煙タバコ物品の形成方法が開示されている。再構成タバコのシートをギャザー加工してロッドを形成し、包装して、経口消費に適した小片に切断する。
【0011】
エアロゾル発生物品で使用するための、タバコ材料を含むロッドを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
共にギャザー加工してラッパーで取り巻いた、タバコ材料を含む第1のシートと、非タバコ香味料を含む第2のシートとを有するロッドを提供する。
【0013】
このギャザー加工した材料シートは、ロッドのほぼ全長に沿って、ロッドの横断面積のほぼ全体にわたって延びることが好ましい。
【0014】
タバコ材料を含む第1のシートは、好ましくは一定割合のエアロゾル形成体を含む再構成タバコ又は均質化タバコのシートとすることができる。
【0015】
非タバコ香味料を含む第2のシートは、高分子シート、紙シート又は金属シートなどの非タバコシートとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のシートが、金属ホイル、高分子シート、及び実質的に無孔性の紙又は厚紙を含む群から選択した材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のシートが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、でんぷんベースのコポリエステル及びアルミニウムホイルから成る群から選択した材料を含むことができる。
【0016】
第2のシートは、非タバコ香味料で被覆することができる。第2のシートは、非タバコ香味料を含浸させることもできる。
【0017】
第2のシートは、香味料を混和させたゲル又はヒドロゲルなどの材料から形成することができる。第2のシートは、加熱時に揮発して香味料を放出することができる。第2のシートは、生分解性ポリマーを含むことができ、例えば、第2のシートは、香味料を被覆又は含浸させたポリ乳酸(PLA)のシートとすることができる。
【0018】
香味料は、揮発性香味成分を含むことができる。香味料はメントールを含むことができる。本明細書で使用する「メントール」という用語は、あらゆる異性体の形の2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールという化合物を意味する。香味料は、メントール、レモン、バニラ、オレンジ、ウィンターグリーン、チェリー及びシナモンから成る群から選択した香味を提供することができる。
【0019】
非タバコ香味料を含む第2のシートは、グリセリンなどのエアロゾル形成体をさらに含むことができる。エアロゾル形成体は、エアロゾル内に香味成分を運び込むことができる。
【0020】
従来のシガレットの主流煙の香味を改質するために、メントールなどの香味料を含む単一セグメント又はマルチセグメントマウスピースフィルタを設けることが知られている。メントールは、好適な液体キャリアを用いて、シガレットのフィルタ、包装タバコロッド又はエアロゾル発生基材に液体形態で混和させることができる。液体形態のメントールは揮発性であり、従って保管中から移行又は蒸発してシガレット内のタバコに香味を与える傾向にある。これとは別に、メントール又はその他の香味料をストリップ、ビード又はその他の手段としてシガレットに混和させることもできる。
【0021】
従来のシガレットの消費中には、燃焼ラインがシガレットに沿って進む。燃焼ラインが進むにつれ、タバコに移行したメントールが放出される。対照的に、通常、加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材からの揮発物質の蒸留によって機能する。基材の大部分が同時に加熱されて揮発物質が発生する。メントールなどの香味添加物は揮発性が高いので、基材内のその他の要素よりも早く発生して消費される傾向にある。物品内のメントール又は香味充填量が高くないと、物品が消費されるにつれて香味が急速に消失する。
【0022】
従来のシガレットにメントールを含ませることは良く知られているが、エアロゾル発生物品にメントール又はその他の香味を与えることはそれほど容易でない場合もある。エアロゾル発生物品で一般に使用されるフィルタは、従来のシガレットで使用されるフィルタよりも短い。また、エアロゾル発生物品内のタバコの量は、従来のシガレット内のタバコの量よりも少ない。このため、メントールの最大可能充填量が、従来のシガレットに比べて低くなる場合がある。
【0023】
通常、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材は、グリセリンなどのエアロゾル形成体を含む処理基材である。例えば、エアロゾル発生物品用のエアロゾル形成基材は、成形葉タバコ又は再構成タバコで構成された折り曲げたタバコプラグから形成することができる。エアロゾル形成基材には、メントールなどの香味料を混和させることができる。しかしながら、この混和の結果、エアロゾル形成基材の構造が損なわれることがある。例えば、成形タバコ内にメントールを装入すると、成形葉タバコの密度及び強度が低下して、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材としての使用に適しにくくなる場合がある。例えば、シート内に香味料が存在することに起因して強度が不十分な成形タバコシートからプラグを形成することは困難になり得る。
【0024】
タバコのシートと、非タバコ香味料を含む別個のシートとを含むロッドは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材として使用するのに特に有利となり得る。香味料がタバコとは別のシートに含まれるので、タバコシートの構造的完全性が損なわれることがない。
【0025】
第1のシート及び第2のシートは同様の寸法であり、例えば同様又は同一の幅であることが好ましい。第1のシート及び第2のシートは、ロッドにギャザー加工される前に重なり合って配置されることが好ましい。従って、ロッドに充填される香味料が比較的多い。香味料及びタバコはロッド全体を通じて均等に分散する。ロッドの長さに沿った任意の箇所で切り取った断面では、第1のシートと第2のシートの割合が同じである。
【0026】
本明細書で説明するロッドの形成は、さらなる利点を有することができる。同じ製造ライン上で香味料シートを交換して異なる香味の製品を生産することが容易である。香味料とタバコが別個のシート内に存在するので、特定の香味付き製品を短期間で経済的に生産することが可能である。
【0027】
本明細書で使用する「ロッド」という用語は、断面が実質的に円形、長円形又は楕円形である一般に円筒形の要素を意味する。
【0028】
本明細書で使用する「シート」という用語は、幅と長さが厚みよりも実質的に大きな層状要素を意味する。シートの幅は、10mmよりも大きく、20mm又は30mmよりも大きいことが好ましい。
【0029】
本明細書で使用する「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させることができる材料を意味する。タバコは、エアロゾル形成体、特にエアロゾル形成体を含む均質化タバコのシートと見なすことができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル形成材料を含み、又はエアロゾル形成材料で構成することができる。
【0030】
本明細書で使用する「ロッド長」という用語は、本明細書で説明するロッドの円筒軸方向の寸法を意味する。
【0031】
本明細書で使用する「均質化タバコ材料」という用語は、粒子状タバコを塊にすることによって形成された材料を意味する。
【0032】
本明細書で使用する「ギャザー加工」という用語は、タバコ材料のシートを、ロッドの円筒軸に対して実質的に横方向に巻き込み、折り重ね、或いは別様に圧縮又は収縮することを意味する。
【0033】
本明細書で使用する「上流」及び「下流」という用語は、本明細書で説明するようなロッドを含むエアロゾル発生物品の構成要素又は構成要素の一部の、エアロゾル発生物品の使用時に物品を通じて吸い込まれる空気の方向に対する相対位置を示すものである。
【0034】
エアロゾル発生物品、特に加熱式エアロゾル発生物品の構成要素としては、タバコ材料を含むギャザー加工シート及び非タバコ香味料を含む第2のシートから形成されたロッドが特に有益である。
【0035】
加熱式エアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基材を加熱することにより、基材の材料からエアロゾルを発生させるように動作する。この結果、消費者はエアロゾルを吸入することができる。本明細書で説明するように形成したロッドを含む基材を加熱すると、タバコ材料のシートからタバコ香味が発生し、非タバコ香味料を含むシートから非タバコ香味が発生する。基材を加熱することによって形成される吸引可能なエアロゾルは、タバコシートから生じる一定割合のエアロゾル成分と、非タバコ香味料を含むシートから生じる一定割合のエアロゾル成分とを含む。
【0036】
タバコ材料を含む第1のシートは、テクスチャ加工されたシート材料とすることができる。テクスチャ加工された材料シートを使用すると、本明細書で説明するロッドを形成するためのシートのギャザー加工を容易にすることができるという利点がある。非タバコ香味料を含む第2のシートも、テクスチャ加工されたシート材料とすることができる。第1の材料シートと第2の材料シートの両方を、テクスチャ加工された材料シートとすることもできる。
【0037】
本明細書で使用する「テクスチャ加工シート」という用語は、皺寄せ、エンボス加工、デボス加工、穿孔又は別の方法で変形させたシートを意味する。本明細書で説明するロッドを形成する際に使用する均質化タバコなどのテクスチャ加工した材料シートは、複数の離間した窪み、突起、穿孔又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0038】
特に好ましい実施形態によれば、共にギャザー加工してラッパーで取り巻いた、均質化タバコ材料の皺寄せシートと、非タバコ香味料を含む材料の皺寄せシートとを含むロッドが提供される。
【0039】
本明細書で使用する「皺寄せシート」という用語は、「クレープ紙」という用語と同義であることを意図しており、複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有するシートを意味する。例えば均質化タバコ材料の皺寄せシートなどの、エアロゾル形成材料の皺寄せシートは、本明細書で説明するロッドの円筒軸に対して実質的に平行な複数の隆起部又は皺を有することが好ましい。これにより、ロッドを形成するためのエアロゾル形成材料の皺寄せシートのギャザー加工が容易になるという利点が得られる。しかしながら、これとは別に、又はこれに加えて、本明細書で説明するロッドで使用するためのエアロゾル形成材料の皺寄せシートは、ロッドの円筒軸に対して鋭角又は鈍角で配置された複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することもできると理解されたい。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドの形成において使用するための材料シートを、実質的にその表面全体にわたって実質的に均一にテクスチャ加工することができる。例えば、本明細書で説明するロッドの形成において使用するための皺寄せ材料シートは、シートの幅にわたって実質的に均一に離間した複数の実質的に平行な隆起部又は皺を有することができる。
【0041】
本明細書で説明するロッドは、ロッドを形成するために第1のシート及び第2のシートと共にギャザー加工した1又はそれ以上のさらなる材料シートを含むことができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれもギャザー加工する前に皺寄せすることができる。さらなる1又は複数のシートは、いずれも均質化タバコの1又はそれ以上のさらなるシートなどのさらなるエアロゾル形成材料を含むことができる。
【0042】
本明細書では、本明細書で説明するロッドの、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材としての使用をさらに提供する。
【0043】
本明細書では、本明細書で説明するロッドを含むエアロゾル発生物品も提供する。
【0044】
当業では、エアロゾル形成基材を燃焼させるのではなく加熱するエアロゾル発生物品が数多く提案されている。通常、加熱式エアロゾル発生物品では、例えば化学的熱源、電気的熱源又は可燃性熱源などの熱源から、この熱源の内部、周囲又は下流に位置することができる物理的に離れたエアロゾル発生基材に熱が伝達されることによってエアロゾルが発生する。
【0045】
本明細書で使用する「エアロゾル発生基材」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生することができるエアロゾル形成材料で形成された、又はこのエアロゾル形成材料を含む基材を意味する。
【0046】
本明細書で説明するロッドは、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材としての使用に特に適している。通常、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材のロッド長は、従来の着火式喫煙物品内の可燃性喫煙材料のロッドよりも大幅に短い。上述したように、タバコ材料の細断片を含むロッドが示す緩んだ端部、高い重量標準偏差及び不均一な密度は、ロッド長の短いエアロゾル発生材料のロッドにおいて特に望ましくない。本明細書で説明する短いロッドを加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用すると、タバコ材料の細断片を含む短いロッドの使用に関連する上述した1又はそれ以上の不利点が有利に最小化又は回避される。
【0047】
1つの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、可燃性熱源と、この可燃性熱源の下流のエアロゾル発生基材とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。
【0048】
例えば、本明細書で説明するロッドは、国際公開第2009/022232号に開示されているタイプの、可燃性炭素系熱源と、この熱源の下流のエアロゾル発生基材と、可燃性炭素系熱源の後部及び隣接するエアロゾル発生基材の前部の周囲に存在してこれらと接触する熱伝導要素とを含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。しかしながら、本明細書で説明するロッドは、他の構成を有する可燃性熱源を含む加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできると理解されたい。
【0049】
別の実施形態では、本明細書で説明するロッドを、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材を電気的熱源によって加熱する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することもできる。
【0050】
例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第0822670号に開示されているタイプの加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基材として使用することができる。
【0051】
電気作動式エアロゾル発生装置と、この装置と共に使用するためのエアロゾル発生物品とを含むシステムを提供することができる。このエアロゾル発生物品は、本明細書で説明するロッド又はエアロゾル形成基材を含む。
【0052】
例えば電気加熱式エアロゾル発生システムなどの電気作動式エアロゾル発生システムに対し、タバコ材料の細断片を含むロッドを備えた加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去を行うと、ロッドからタバコ材料の細断片が脱落する傾向にある。これにより、脱落した細断片を除去するために、電気作動式エアロゾル発生システムの電気的熱源及びその他の部品をより頻繁に清掃する必要性が生じ得るという不利点がある。
【0053】
対照的に、本明細書で説明するロッドを備えたエアロゾル発生基材を含む加熱式エアロゾル発生物品の挿入及び除去では、タバコ材料が脱落する可能性が低い。本明細書では、本明細書で説明するロッドを含む、喫煙物品又はエアロゾル発生物品のためのフィルタをさらに提供する。本明細書で説明するロッドは、着火式喫煙物品及び加熱式エアロゾル発生物品の両方のフィルタで使用することができる。本明細書で説明するロッドは、単一のフィルタセグメントを含むフィルタ内で使用することができる。本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のフィルタセグメントを含む多要素フィルタ内で使用することもできる。
【0054】
当業では、タバコ含有フィルタセグメントを含むフィルタが知られている。例えば、欧州特許第1889550号には、唇側端部セグメントと、この唇側端部セグメントの上流の、タバコ又はその他の植物葉を含む第1の香味放出セグメントと、第1の香味放出セグメントの上流の、フィルタ材料及び香味料を含む第2の香味放出セグメントとを有する喫煙物品用多要素フィルタが開示されている。第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、第1の香味放出セグメントの吸引抵抗よりも大きく、第2の香味放出セグメントの吸引抵抗は、唇側端部セグメントの吸引抵抗よりも大きい。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドを、単要素又は多要素フィルタ内のタバコ含有フィルタセグメントとして使用することができる。例えば、本明細書で説明するロッドは、欧州特許第1889550号に開示されているタイプの多要素フィルタ内の第1の香味放出セグメントとして使用することができる。
【0056】
本明細書で説明するロッドを含むフィルタは、粒子成分、気体成分又はこれらの組み合わせを除去するための1又はそれ以上のフィルタ材料をさらに含むことができる。当業では、好適なフィルタ材料が知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばセルロースアセテートトウ及び紙などの繊維状フィルタ材料、例えば活性アルミナ、ゼオライト、分子篩及びシリカゲルなどの吸着剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
本明細書で説明するロッドは、横断面が実質的に均一であることが好ましい。
【0058】
本明細書で説明するロッドは、用途に応じて異なる寸法で生産することができる。
【0059】
例えば、本明細書で説明するロッドは、用途に応じて約5mm〜約10mmの直径を有することができる。
【0060】
例えば、本明細書で説明するロッドは、用途に応じて約5mm〜約150mmのロッド長を有することができる。
【0061】
好ましい実施形態では、本明細書で説明する、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのロッドが、約5mm〜約20mm又は約30mmのロッド長を有することができる。
【0062】
さらなる実施形態では、本明細書で説明する、従来の着火端部式喫煙物品及び加熱式エアロゾル発生物品用のフィルタで使用するためのロッドが、約5mm〜約30mmのロッド長を有することができる。
【0063】
本明細書によるロッドは、倍数単位のロッド長のロッドを形成した後に、この倍数単位のロッド長のロッドを所望の単位のロッド長の複数のロッドに切断又は別様に分割することにより、所望の単位のロッド長で生産することができる。
【0064】
例えば、約150mmのロッド長を有するロッドを形成した後に、この細長いロッドを約15mmのロッド長の10本のロッドに切断することにより、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するための約15mmのロッド長を有するロッドを生産することができる。
【0065】
好ましい実施形態は、均質化タバコ材料のシートを含む。均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身とタバコ葉の茎の一方又は両方をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを塊にすることによって形成することができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、例えばタバコの処理、取り扱い及び出荷中に副産物として形成されるタバコくず、タバコ粉末及びその他の粒子状タバコのうちの1つ又はそれ以上を含むこともできる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、ロッドを形成するために使用する均質化タバコ材料のシートは、タバコ葉の葉身をすり潰し又は別様に粉砕することによって得られる粒子状タバコを含むことが好ましい。
【0066】
いくつかの実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、少なくとも約40乾燥重量%、又は少なくとも50乾燥重量%のタバコ含有量を有することができる。他の実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、約70乾燥重量%又はそれ以上のタバコ含有量を有することができる。本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、タバコ含有量の高い均質化タバコ材料のシートを使用することにより、タバコ香味が強化されたエアロゾルが有利に発生する。
【0067】
均質化タバコ材料のシートは、粒子状タバコを塊にする支援となるように、タバコの内部を発生源とする1又はそれ以上の内因性バインダ、タバコの外部を発生源とする1又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。これとは別に、又はこれに加えて、均質化タバコ材料のシートは、以下に限定されるわけではないが、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル形成体、保湿剤、可塑剤、香味料、充填剤、水性及び非水性溶媒、並びにこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むこともできる。
【0068】
当業では、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した外因性バインダが知られており、以下に限定されるわけではないが、例えばグアーガム、キサンタンゴム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系バインダ、例えばでんぷんなどの多糖類、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基、寒天及びペクチン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適した非タバコ繊維が知られており、以下に限定されるわけではないが、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維及びこれらの組み合わせが挙げられる。非タバコ繊維は、均質化タバコ材料のシートに含める前に、以下に限定されるわけではないが、機械的パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化及びこれらの組み合わせを含む当業で周知の好適な処理を施すことができる。
【0070】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、ロッドを形成するためのギャザー加工に耐え抜くほど十分に高い引張強度を有するべきである。いくつかの実施形態では、適切な引張強度を達成するために、均質化タバコ材料のシートに非タバコ繊維を含めることができる。例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料シートは、約1乾燥重量%〜約5乾燥重量%の非タバコ繊維を含むことができる。
【0071】
当業では、均質化タバコ材料のシートに含めるのに適したエアロゾル形成体及び保湿剤が知られており、以下に限定されるわけではないが、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール及びグリセリンなどの多価アルコール、モノアセテート、ジアセテート、トリアセテートなどの多価アルコールのエステル、及びドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなどのモノカルボン酸、ジカルボン酸又はポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられる。このようなエアロゾル形成体及び保湿剤は、非タバコ香味料を含む第2のシートの成分として適することもできる。
【0072】
例えば、本明細書によるロッドが、加熱式エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基材として使用するためのものである場合、本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、約5乾燥重量%〜約30乾燥重量%のエアロゾル形成体含有量を有することができる。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドは、約5%〜約30%よりも多くのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。加熱要素を有する電気作動式エアロゾル発生システムで使用するためのロッドでは、エアロゾル形成体がグリセリンであることが好ましい。
【0073】
均質化タバコ材料のシートの組成は、規制上の要件に適合するように設計することができると理解されるであろう。
【0074】
当業では、均質化タバコ材料のシートを生産するための再構成法が数多く知られている。これらの方法としては、以下に限定されるわけではないが、例えば米国特許第3,860,012号に記載されているタイプの製紙法、例えば米国特許第5,724,998号に記載されているタイプの成形法又は「成形葉」法、例えば米国特許第3,894,544号に記載されているタイプの生地再構成法、及び、例えば英国特許第983,928号に記載されているタイプの押し出し法が挙げられる。通常、押し出し法及び生地再構成法によって生産される均質化タバコ材料のシートの密度は、成形法で生産される均質化タバコ材料のシートの密度よりも高い。
【0075】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する均質化タバコ材料のシートは、一般に粒子状タバコ及び1種類又はそれ以上のバインダを含むスラリーをコンベアベルト又はその他の支持面上に成形するステップと、この成形したスラリーを乾燥させて均質化タバコ材料のシートを形成するステップと、支持面から均質化タバコ材料のシートを取り除くステップとを含むタイプの成形法によって生産されることが好ましい。
【0076】
例えば、いくつかの実施形態では、粒子状タバコ、グアーガム、セルロース繊維及びグリセリンを含むスラリーから成形法によって均質化タバコ材料のシートを生産することができる。
【0077】
均質化タバコ材料のシートは、フィルタトウ、紙及びその他の材料をテクスチャ加工するための既知の好適な機械を用いてテクスチャ加工することができる。
【0078】
例えば、本明細書で説明するロッドを形成するための均質化タバコ材料のシートは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、一対の回転式皺寄せローラを含む皺寄せユニットを用いて皺寄せすることができる。しかしながら、均質化タバコ材料のシートは、均質化タバコ材料のシートに変形又は穿孔を行う他の好適な機械及び処理を用いてテクスチャ加工することもできると理解されるであろう。
【0079】
本明細書で説明するロッドは、用途に応じて寸法が異なる均質化タバコ材料のシート及び非タバコ香味料を含むシートから生産することができる。本明細書で説明するロッドの形成において使用するための均質化タバコ材料のシート及び非タバコ香味料を含むシートは、本明細書で説明するロッドを形成するようにギャザー加工するのに十分な幅を有するべきである。
【0080】
本明細書で説明するロッドの形成において使用する材料シートは、少なくとも約25mmの幅を有することが好ましい。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドにおいて使用する材料シートが、約25mm〜約300mmの幅を有することができる。
【0082】
ロッドを構成する材料シートは、少なくとも約50μm〜約300μmの組み合わせ厚を有することが好ましい。
【0083】
いくつかの実施形態では、個々の材料シートが、約10μm〜約250μmの厚みを有することができる。アルミニウムホイルのシートなどの熱伝導性シートは、エアロゾル形成材料のシートよりも薄い厚みを有することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、均質化タバコ材料のシートが、100g/m2及び約300g/m2の坪量を有することができる。
【0085】
本明細書で説明するロッドは、多孔性ラッパー又は無孔性ラッパーによって取り巻かれた均質化タバコ材料のギャザー加工シートを含むことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するロッドが、共にギャザー加工されて紙ラッパーに取り巻かれた均質化タバコ材料のシートと、非タバコ香味料を含むシートとを含むことができる。
【0087】
当業では、好適な紙ラッパーが知られており、限定ではないが、シガレットペーパ及びフィルタプラグラップが挙げられる。
【0088】
他の実施形態では、本明細書で説明するロッドが、非紙ラッパーを含むことができる。
【0089】
当業では、好適な非紙ラッパーが知られており、限定ではないが、均質化タバコ材料が挙げられる。
【0090】
本明細書で説明するロッドは、2又はそれ以上のシートを同時にギャザー加工できるようになっている従来のシガレット製造機及びシガレットフィルタ製造機を用いて生産することができる。
【0091】
例えば、均質化タバコ材料の皺寄せシート及び非タバコ香味料を含むシートを含むロッドは、スイス国特許第691156号に記載されているタイプの、ギャザー加工した皺寄せペーパーシートを含むフィルタロッドを形成するための機械を適合させて生産することができる。この機械は、非タバコ香味料を含むシートを皺寄せタバコシートと共にギャザー加工できるように適合させることができる。
【0092】
本明細書では、本明細書で説明するロッドの形成方法であって、タバコ材料を含む第1の連続シートを準備するステップと、非タバコ香味料を含む第2の連続シートを準備するステップと、第1及び第2の連続シートを、これらの長手方向軸に対して横方向に同時にギャザー加工するステップと、ギャザー加工したシートをラッパーで取り巻いて連続ロッドを形成するステップと、連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するステップとを含む方法も提供する。タバコ材料は、均質化タバコであることが好ましい。非タバコ香味料を含むシートは、上述したいずれのこのようなシートであってもよく、非タバコ香味料を含む紙又は高分子シートであることが好ましい。
【0093】
この方法は、第1の連続シートをテクスチャ加工するステップをさらに含むことができる。例えば、この方法は、第1の連続シートを第2の連続シートと共にギャザー加工する前に、第1の連続シートに皺寄せ、エンボス加工、穿孔又はその他のテクスチャ加工を施すステップを含むことができる。
【0094】
この方法は、第1の連続シートを皺寄せするステップをさらに含むことが好ましい。
【0095】
第1の連続シート及び第2の連続シートには、いずれも例えば皺寄せなどのテクスチャ加工を施すことができる。
【0096】
添付図面を参照しながら、特定の実施形態をほんの一例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】特定の実施形態による、ロッドを形成するための装置の概略断面図である。
図2】特定の実施形態による、ロッドを形成するための装置の概略断面図である。
図3】本明細書の説明通りに形成したロッドを組み込んだエアロゾル発生装置の実施形態を示す図である。
図4図3に示す電気作動式エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
図1に示す装置は、一般に、均質化タバコ材料の連続シートを準備するための供給手段と、メントール香味料を被覆させたポリ乳酸(PLA)材料の連続シートを準備するための供給手段と、均質化タバコ材料の連続シートを皺寄せするための皺寄せ手段と、均質化タバコ材料の連続皺寄せシートとPLAの連続シートをギャザー加工し、ギャザー加工した材料をラッパーで取り巻いて連続ロッドを形成するためのロッド形成手段と、連続ロッドを複数の個別ロッドに切断するための切断手段とを備える。この装置は、均質化タバコ材料の連続シートを、供給手段から皺寄せ手段を通じてロッド形成手段へと装置内を下流に搬送するための搬送手段も備える。
【0099】
図1に示すように、均質化タバコ材料の連続シートを準備するための供給手段は、第1のボビン4に取り付けられた均質化タバコ材料の連続シート2を含む。PLAの連続シートを準備するための供給手段は、第2のボビン5に取り付けられたPLAの連続シート3を含む。皺寄せ手段は、一対の回転式皺寄せローラ6を含む。使用時には、第1のボビン4から均質化タバコ材料の連続シート2が引き出され、搬送機構により、一連のガイドローラ及び張力ローラを介して一対の皺寄せローラ6へと下流に搬送される。均質化タバコ材料の連続シート2が一対の皺寄せローラ6間に供給されると、この皺寄せローラは、均質化タバコ材料の連続シート2に係合して皺寄せし、装置内を通る均質化タバコ材料のシートの長手方向軸に実質的に平行な複数の離間した隆起部又は皺を有する均質化タバコ材料の連続皺寄せシート8を形成する。
【0100】
均質化タバコ材料の連続皺寄せシート8は、一対の皺寄せローラ6からロッド形成手段に向けて下流に搬送される。第2のボビン5からは、ロッド形成手段に向けてPLAの連続シート3が搬送される。PLAの連続シート3及び皺寄せした均質化タバコ材料の連続シート8は、いずれも収束漏斗又はホーン10を通じて同時に給送される。収束漏斗10は、材料の連続シート8、3を、シートの長手方向軸に対して横方向にギャザー加工する。材料の連続シート8、3は、収束漏斗10を通過する際に実質的に円筒形状になる。
【0101】
ギャザー加工した均質化タバコ材料及びメントール被覆したPLAのシートは、収束漏斗10から出ると包装材料の連続シート12に包まれる。包装材料の連続シートは、エンドレスベルトコンベヤ又はガーニチャによってボビン14から供給され、ギャザー加工した均質化タバコ材料の連続皺寄せシートの周囲を包み込む。図1に示すように、ロッド形成手段は、包装材料の連続シートの一方の長手方向端部に接着剤を塗布する接着剤塗布手段16を含み、これにより包装材料の連続シートの長手方向両端部が接触した時に、互いに接着し合って連続ロッドを形成するようになる。
【0102】
ロッド形成手段は、使用時に連続ロッドがロッド形成手段から切断手段へと下流に搬送される際に連続ロッドの継ぎ目に塗布された接着剤を乾燥させる、接着剤塗布手段16の下流の乾燥手段18をさらに含む。
【0103】
切断手段は、連続ロッドを単位ロッド長又は倍数単位のロッド長の複数の個別ロッドに切断する回転カッター20を含む。
【0104】
2つの連続する材料シートは、一方が他方の上に重なって収束漏斗内に供給されるので、ロッドではタバコシートとメントール被覆したPLAの分布が均一になる。
【0105】
図2に示す別の構成では、メントール被覆したPLAの連続シート3が、一対の皺寄せローラ6の上流に均質化タバコ材料の連続シート2と重なり合って位置する。この装置は、その他の点については実質的に図1に関連して説明した通りである。
【0106】
連続する両方の材料シート2、3は、一対の皺寄せローラ6を重なり合った状態で通過し、同時に皺寄せされる。皺寄せされた一対の連続シート9は、皺寄せローラ6から出て下流の収束漏斗10に入り込み、ロッドに形成される。
【0107】
図3に、本明細書で説明したロッドを含むエアロゾル発生物品1000の実施形態を示す。物品1000は、エアロゾル形成基材1020、中空セルロースアセテート管1030、スペーサ要素1040及びマウスピースフィルタ1050という4つの構成要素を含む。これらの4つの構成要素は順番に同軸上に整列して配置され、シガレットペーパ1060によって組み立てられてエアロゾル発生物品1000を形成する。物品1000は、使用中にユーザが口に挿入する唇側端部1012と、物品の唇側端部1012とは反対側に位置する遠位端部1013とを有する。図3に示すエアロゾル発生物品の実施形態は、エアロゾル発生基材を加熱するためのヒータを含む電気作動式エアロゾル発生装置との使用に特に適している。
【0108】
物品1000は、組み立てると、長さが約45mm、外径が約7.2mm、内径が約6.9mmである。
【0109】
エアロゾル形成基材1020は、皺寄せした成型葉タバコの第1のシート及びメントール被覆したPLAの第2のシートから形成された、フィルタ紙(図示せず)に包まれてプラグを形成するロッドを構成する。
【0110】
図3に示すエアロゾル発生物品1000は、消費されるためにエアロゾル発生装置に係合するように設計される。このようなエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材1020をエアロゾルの形成に十分な温度に加熱するための手段を含む。通常、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基材1020に隣接してエアロゾル発生物品1000を取り囲む加熱要素、又はエアロゾル形成基材1020に挿入された加熱要素を含むことができる。
【0111】
エアロゾル発生装置と係合すると、ユーザはエアロゾル発生物品1000の唇側端部1012を吸引し、エアロゾル形成基材1020は摂氏約375度に加熱される。この温度になると、エアロゾル形成基材1020の成形葉タバコのシートから揮発性化合物が発生する。これらの化合物は凝縮してエアロゾルを形成する。このエアロゾルは、フィルタ1050を通じてユーザの口に吸い込まれる。PLAからのメントールはエアロゾルに混和する。
【0112】
図4に、加熱ブレード2100を利用してエアロゾル発生物品1000のエアロゾル形成基材1020を加熱する電気作動式エアロゾル発生システム2000の一部を示す。この加熱ブレードは、電気作動式エアロゾル発生装置2010のエアロゾル物品収容チャンバ内に取り付けられる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品1000に空気が流れるようにするための複数の空気穴2050を定める。図4では、空気流を矢印で示している。このエアロゾル発生装置は、図4には示していない電源及び電子部品を含む。図4のエアロゾル発生物品1000については、図3に関連して説明した通りである。
【実施例1】
【0113】
メントールを含浸させた紙の皺寄せシートと共にギャザー加工した均質化タバコ材料の皺寄せシートを含み、紙ラッパーで取り巻かれた、12mmのロッド長及び6.9mm〜7.2mmの直径を有する特定の実施形態によるロッドを、図1に示すタイプの装置を用いて約20m/分〜25m/分の速度で生産した。
【0114】
110mm〜134mmの幅、120μm〜260μmの厚み、167g/m2〜201g/m2の坪量及び5%〜12%の湿度含有量を有する均質化タバコ材料の連続シートを成形法によって生産した。
【0115】
紙の連続シートは、均質化タバコと実質的に同じ幅、及び約80μmの厚みを有する。
【符号の説明】
【0116】
2 均質化タバコ材料の連続シート
3 PLAの連続シート
4 第1のボビン
5 第2のボビン
6 皺寄せローラ
8 均質化タバコ材料の連続皺寄せシート
10 収束漏斗
12 包装材料の連続シート
14 ボビン
16 接着剤塗布手段
18 乾燥手段
20 回転カッター
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】