特表2015-517821(P2015-517821A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-517821(P2015-517821A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】喫煙品用フィルター
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20150529BHJP
   A24D 3/10 20060101ALI20150529BHJP
【FI】
   A24D3/04
   A24D3/10
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-514581(P2015-514581)
(86)(22)【出願日】2013年5月24日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月9日
(86)【国際出願番号】GB2013051392
(87)【国際公開番号】WO2013179009
(87)【国際公開日】20131205
(31)【優先権主張番号】1209589.9
(32)【優先日】2012年5月30日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA08
4B045BB01
4B045BC05
4B045BC16
(57)【要約】
本発明は、喫煙品用フィルター、その製造方法、喫煙品および喫煙品用のフィルターを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための装置に関する。本発明は、特に少なくとも実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域内に配された第1の繊維性フィルター材からなる領域を含む喫煙品用フィルター、そのようなフィルターを含む喫煙品およびそのフィルターを製造するための方法および装置に関するが、これらに限定されない。第1の繊維性フィルター材は、いくつかの実施態様ではフィルターセグメントの総容量の10容量%超を構成し、またいくつかの実施態様では第1繊維性フィルター材は、PLA繊維を含み、第2の繊維性フィルター材は、CA繊維を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品用のフィルターセグメントであって、このフィルターセグメントは、第1の繊維性フィルター材からなる領域を含み、この領域は少なくとも実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域内に配され、第1の繊維性フィルター材はフィルターセグメントの総容量の5容量%超を構成する。
【請求項2】
第1の繊維性フィルター材は、前記フィルターセグメントからなる複数の領域に配されていることを特徴とする請求項1記載のフィルターセグメント。
【請求項3】
前記複数の領域は、それぞれフィルターセグメントの総容量の3%超を構成することを特徴とする請求項2記載のフィルターセグメント。
【請求項4】
第2の繊維性フィルター材は可塑化されたフィルター材であり、第1の繊維性フィルター材は非可塑化フィルター材であることを特徴とする請求項1、2または3記載のフィルターセグメント。
【請求項5】
第1および第2繊維性フィルター材はしわ付けされた繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項6】
第1の繊維性フィルター材は、ポリラクチド(PLA)繊維を含み、および/または第2の繊維性フィルター材はセルロースアセテート繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項7】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の5〜60容量%を構成することを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項8】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の10〜60容量%を構成することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項9】
第1の繊維性フィルター材は、フィラメント当たり2〜10デニールの繊維を200〜10,000本含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項10】
第1の繊維性フィルター材からなる領域は、第2の繊維性フィルター材からなる領域を通って長手方向に延びた領域であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項11】
喫煙品用のフィルターセグメントであって、このフィルターセグメントは、第1の繊維材からなる領域を含み、これは第2の繊維材からなる領域内に少なくとも実質的に配され、第1の繊維材はポリラクチド(PLA)繊維を含む喫煙品用フィルターセグメント。
【請求項12】
第2の繊維材はセルロースアセテート(CA)繊維を含むことを特徴とする請求項11記載のフィルターセグメント。
【請求項13】
請求項1乃至12いずれか1項記載のフィルターセグメントを含む喫煙品。
【請求項14】
喫煙品用のフィルターセグメントの製造方法であって、この方法は、
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給して請求項1乃至12いずれか1項記載のフィルターセグメントを形成することを含む方法。
【請求項15】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第2の繊維性フィルター材に可塑剤を塗布することをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第1および第2の繊維性フィルター材にしわ付けすることをさらに含むことを特徴とする請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成することおよび第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成しながら第2の繊維性フィルター材内に第1の繊維性フィルター材を供給することを含むことを特徴とする請求項14、15または16記載の方法。
【請求項18】
第1の繊維性フィルター材がフィルター製造装置の舌状セクション内で第2の繊維性フィルター材に供給されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
第1の繊維性フィルター材は、第1繊維性フィルター材からなる糸を含むことを特徴とする請求項14乃至18いずれか1項記載の方法。
【請求項20】
喫煙品用フィルターの製造方法であって、この方法は、
流体流を発生させること、および
この流体流を使用して移送経路に沿って第2の繊維性フィルター材の流れの中に第1の繊維性材を移送することを含む方法。
【請求項21】
流体流を空気圧を使用して発生させることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
第1の繊維性フィルター材がフィルター製造機の舌部またはスタッフジェットセクション中で第2繊維性フィルター材の流れに移送されることを特徴とする請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に導入して喫煙品用のフィルター製造するための装置であって、この装置は前記第1の繊維性フィルター材を移送経路に沿って第2の繊維性フィルター材の流れに移送するための流体流を発生させるための圧力発生器を含む装置。
【請求項24】
添付図面を参照して本明細書中で説明される喫煙品用フィルター。
【請求項25】
添付図面を参照して本明細書中で説明される喫煙品。
【請求項26】
添付図面を参照して本明細書中で説明される繊維性材料挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品用フィルター、その製造方法、喫煙品および第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に導入して喫煙品用のフィルター製造するための装置に関する。特に本発明は、少なくとも実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域内に配された第1の繊維性フィルター材からなる領域を含む喫煙品用フィルター、そのようなフィルターを含む喫煙品およびそのフィルターを製造するための方法および装置に関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
トリアセチンなどの添加剤で可塑化されたセルロースアセテート繊維を紙巻きタバコ用フィルターに使用することが知られている。またセルロースアセテートの代わりに特定の他の繊維性材料、例えばコットンまたは紙をベースにした材料を紙巻きタバコ用フィルターに使用することも知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの態様において、喫煙品用のフィルターセグメントが提供され、このフィルターセグメントは、第1の繊維性フィルター材からなる領域を含み、この領域は少なくとも実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域内に配され、第1の繊維性フィルター材はフィルターセグメントの総容量の5容量%超を構成する。
【0004】
第1の繊維性フィルター材は、このフィルターセグメントからなる複数の領域に配されてもよい。この複数の領域は、それぞれフィルターセグメントの総容量の3%超を構成してもよい。
【0005】
第2の繊維性フィルター材は可塑化されたフィルター材であってもよく、第1の繊維性フィルター材は非可塑化フィルター材であってもよい。
【0006】
第1および第2繊維性フィルター材はしわ付けされた繊維を含んでもよい。
【0007】
第1の繊維性フィルター材は、ポリラクチド(PLA)繊維を含んでもよく、および/または第2の繊維性フィルター材はセルロースアセテート繊維を含んでもよい。
【0008】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の5〜60容量%を構成してもよい。
【0009】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の10〜20容量%を構成してもよい。
【0010】
第1の繊維性フィルター材は、フィラメント当たり2〜10デニールの繊維を200〜10,000本含んでもよい。
【0011】
第1の繊維性フィルター材からなる領域は、第2の繊維性フィルター材からなる領域を長手方向に延びた領域であってもよい。
【0012】
本発明のいくつかの態様において、喫煙品用のフィルターセグメントが提供され、このフィルターセグメントは、第1の繊維材からなる領域を含み、これは第2の繊維材からなる領域内に少なくとも実質的に配され、第1の繊維材はポリラクチド(PLA)繊維を含む。
【0013】
第2の繊維材はセルロースアセテート(CA)繊維を含んでもよい。
【0014】
本発明のいくつかの態様において、上述したようなフィルターセグメントを含む喫煙品も提供される。
【0015】
本発明のいくつかの態様において、喫煙品用のフィルターセグメントの製造方法が提供され、この方法は第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給して上述のようなフィルターセグメントを形成することを含む。
【0016】
さらに本発明の方法は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第2の繊維性フィルター材に可塑剤を塗布することを含んでもよい。
【0017】
さらに本発明の方法は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第1および第2の繊維性フィルター材にしわ付けすることを含んでもよい。
【0018】
さらに本発明の方法は、第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成することおよび第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成しながら第2の繊維性フィルター材内に第1の繊維性フィルター材を供給することを含んでもよい。
【0019】
第1の繊維性フィルター材をフィルター製造装置の舌状セクション内で第2の繊維性フィルター材に供給してもよい。第1の繊維性フィルター材は、第1繊維性フィルター材からなる糸を含んでもよい。
【0020】
本発明のいくつかの態様において、喫煙品用フィルターの製造方法が提供され、この方法は、流体流を発生させること、この流体流を使用して移送経路に沿って第2の繊維性フィルター材の流れの中に第1の繊維性材を移送することを含む。
【0021】
流体流は空気圧を使用して発生させてもよい。
【0022】
第1の繊維性フィルター材をフィルター製造機の舌部またはスタッフジェットセクション中で第2繊維性フィルター材の流れに移送してもよい。
【0023】
本発明のいくつかの態様において、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に導入して喫煙品用のフィルター製造するための装置がさらに提供され、この装置は上記第1の繊維性材を移送経路に沿って第2の繊維性フィルター材の流れに移送するための流体流を発生させるための圧力発生器を含む。
【0024】
本発明のいくつかの態様において、添付図面を参照して本明細書中で説明される喫煙品用フィルターが提供される。
【0025】
本発明のいくつかの態様において、添付図面を参照して本明細書中で説明される喫煙品が提供される。
【0026】
本発明のいくつかの態様において、添付図面を参照して本明細書中で説明される繊維性材料挿入装置が提供される。
【0027】
本発明の実施態様をあくまで例示を目的として添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1(a)】本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
図1(b)】本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
図1(c)】本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
図1(d)】本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
図1(e)】本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
図2図1(a)から1(d)に例示した喫煙品のフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための第1の装置の略図である。
図3図2の装置の1つのセクションの略式側面図である。
図4図2の装置の1つのセクションの略式背面図である。
図5図1(a)から1(d)に例示した喫煙品のフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための第2の装置の略図である。
図6図5の装置の1つのセクションの略式側面図である。
図7図5の装置の1つのセクション略式背面図である。
図8図1(a)に例示した喫煙品のフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための本発明の実施態様による第3の装置の略図である。
図9図8の装置の略式断面図である。
図10図8および9に示したベンチュリ装置の断面図である。
図11図8、9および10のベンチュリ装置の操作を示す略図である。
図12図1(a)に例示した喫煙品のフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための本発明のさらなる実施態様による第4の装置の略式断面図である。
図13図1(a)から1(d)に例示した喫煙品のフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための本発明のさらなる実施態様による第5の装置の略図である。
図14図1(e)に例示したフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するために第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入するための本発明のさらなる実施態様による第6の装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1(a)〜1(e)は、本発明のいくつかの実施態様によるフィルターセグメントを含む喫煙品の略図である。
【0030】
本明細書中で使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品を含む。
【0031】
図1(a)を参照すると、第1の喫煙品1は第1の繊維性フィルター材3からなる領域を有するフィルターセグメント2を含み、この領域は実質的に第2の繊維性フィルター材4からなる領域内に配されている。第1の喫煙品1において、フィルターセグメント2は全体的に円筒形状の単一のフィルターを形成し、第1の繊維性フィルター材3がフィルターセグメント2の外方の中空の円筒形状の領域を形成する第2の繊維性フィルター材4からなる実質的に円筒形状の芯領域内に配されている。第1の繊維性フィルター材3は、従って第2の繊維性フィルター材4の長さを介して軸方向に延びており、本例では単一のフィルター各端部でのみ露出している。
【0032】
第1喫煙品1のフィルターセグメント2は、プラグラッパー材5に包まれており、チッピング材7を使用してタバコロッド6に接続され、第1の喫煙品1、本例では紙巻きタバコを形成する。
【0033】
図1(b)を参照すると、第2の喫煙品11は第1の繊維性フィルター材13a、13bからなる第1および第2の領域を有するフィルターセグメント12を含み、これらの領域は実質的に第2の繊維性フィルター材14からなる領域内に配されている。第2の喫煙品11において、フィルターセグメント12は全体的に円筒形状の単一のフィルターを形成し、第1の繊維性フィルター材13a、13bが第2の繊維性フィルター材14の第1および第2の領域内に配されている。第1および第2の領域は、第2の繊維性フィルター材14の長さを介して長手方向に延びており、この例では単一のフィルターの各端部でのみ第2の繊維性フィルター材14から露出している。第1の繊維性フィルター材13a、13bの第1および第2の領域は、実質的に円筒形状である。本例では第1の繊維性フィルター材13a、13bの第1および第2の領域は、互いにおよび第2繊維性フィルター材14の外方の長手方向に延びた外周から直径方向に間隔をおいて配されている。
【0034】
第2の喫煙品11の第2のフィルターセグメント12は、プラグラッパー材15に包まれており、チッピング材17を使用してタバコロッド16に接続され、第2の喫煙品11、本例では紙巻きタバコを形成している。
【0035】
図1(c)を参照すると第3の喫煙品21は、第1の繊維性フィルター材からなる複数の領域23a〜23dおよび第2の繊維性フィルター材24を有するフィルターセグメント22を含み、これら複数の領域は実質的に第2の繊維性フィルター材24内に配されている。第3の喫煙品21において、フィルターセグメント22は全体的に円筒形状の単一のフィルターを形成し、第1の繊維性フィルター材23a〜23dが第1〜第4の領域内に配されている。第1繊維性フィルター材23a〜23dからなる4つの領域のそれぞれは第2の繊維性フィルター材24の長さを介して長手方向に延び、この例では単一のフィルターの各端部でのみ第2の繊維性フィルター材24から露出している。第1の繊維性フィルター材23a〜23dの領域は、実質的に円筒形状である。本例では第1の繊維性フィルター材23a〜23dの領域は、第2のフィルター材24内に環状に配されており、かつ、互いに90°の間隔を置いて、そして第2の繊維性フィルター材24の外方の長手方向に延びた外周から離れて配されている。
【0036】
第3の喫煙品21のフィルターセグメント22は、プラグラッパー材25に包まれており、チッピング材27を使用してタバコロッド26に接続され、第3の喫煙品21、この場合紙巻きタバコを形成する。
【0037】
図1(d)を参照すると、第4の喫煙品31は、第1の繊維性フィルター材33a〜33eからなる複数の領域および第2の繊維性フィルター材34からなる領域を有するフィルターセグメント32を含み、これら複数の領域は実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域34内に配されている。図1(d)の例では、フィルターセグメント32は全体的に円筒形状の単一のフィルターを形成し、第1の繊維性フィルター材33a〜23eが第1〜第5の領域内に配されている。第1の繊維性フィルター材33a〜33eからなる5つの領域は、それぞれ第2のフィルター材34の長さを介して長手方向に延びており、この例では単一のフィルターの各端部でのみ第2の繊維性フィルター材34から露出している。第1の繊維性フィルター材33a〜33eからなる領域は、実質的に円筒形状である。本例では第1の繊維性フィルター材33a〜33dからなる第1〜第4の領域は、第2のフィルター材34内に環状に配され、かつ、互いに90°の間隔を置いてそして第2繊維性フィルター材34の外方の長手方向に延びた外周から離れて配されている。第1の繊維性フィルター材33eからなる第5の領域は、第2繊維性フィルター材34の実質的に円筒形状のコア内に配されている。
【0038】
フィルターセグメント32は、プラグラッパー材35に包まれており、チッピング材37を使用してタバコロッド36に接続され、第3の喫煙品31、この場合紙巻きタバコを形成する。
【0039】
図1(e)を参照すると、第5の喫煙品61は第1の繊維性フィルター材163a〜163bからなる複数の領域および第2の繊維性フィルター材からなる領域164を有するフィルターセグメント162を含み、これら複数の領域は実質的に第2の繊維性フィルター材164からなる領域内に配されている。図1(e)の例ではフィルターセグメント162は、全体的に円筒形状の単一のフィルターを形成し、第1の繊維性フィルター材163a〜163bが第1および第2の領域内に配されている。第1の繊維性フィルター材163a、163bからなる第1および第2の領域は、それぞれ円筒状のフィルターの長尺の扇形状を形成し、第2のフィルター材164の長さを介して長手方向に延び、この例では単一のフィルターの各端部および円筒状フィルターセグメント162の長手方向の面の第1および第2の外方部分165a、165bの長さに沿って第2の繊維性フィルター材164から露出している。
【0040】
第1の繊維性フィルター材163a〜163bからなる領域は、この例では実質的に長尺の扇型形状を有する。また第1の繊維性フィルター材163a、163bの第1および第2の領域は、互いに180°の間隔をおいて第2フィルター材164内に配されている。しかしながら、これとは別に第1の繊維性フィルター材163からなる1つの領域だけを使用することができ、あるいは第1の繊維性フィルター材163からなる3つ以上の領域をフィルターセグメント162の周囲に均等にまたは不均等に間隔をおいて配して使用してもよい。第1の繊維性フィルター材からなる領域の形状は、それが1つ、2つまたは3つ以上の領域であっても長尺の扇形状に限定されず、実質的に矩形および/または楕円形などの長尺の四辺形形状を有するように実質的に形成することが可能である。
【0041】
フィルターセグメント162は、プラグラッパー材166に包まれており、チッピング材168を使用してタバコロッド167に接続され、第5の喫煙品161、この場合紙巻きタバコを形成している。
【0042】
第1〜第5の喫煙品1、11、21、31、161において、第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163は、非可塑化フィルター材、本例においてはポリラクチド(ポリ乳酸またはPLAとも言う)繊維を含む。このような繊維は、例えば米国所在のNatureworks LLCまたは日本の三井化学株式会社などの会社から市販されてい。好適な繊維は、当業者に知られているような電界紡糸などの方法で形成することが可能である。第2の繊維性フィルター材4、14、24、34、164は、可塑化されたフィルター材、本例の場合トリアセチン(グリセリントリアセタートとも言う)を使用して可塑化されたセルロースアセテート(以下「CA」)繊維を含む。
【0043】
1つのフィルターセグメントに第1および第2繊維性フィルター材の両方を使用することによって、その喫煙品フィルターは両方の材料の特徴による利点を得ることができる。例えば、第1および第2フィルター材は、他の材料より特定の煙成分のろ過におけるより大きな選択性を有してもよい。第1および第2フィルター材のどちらかが安く製造できる、または他のフィルター材より耐久性のある基材を含むものであってもよい。例えば、PLAは、一般にCAより耐久性のあるフィルター材であると考えられているが、可塑化されたCAは、PLA、例えばフェノール類より特定の煙成分に対して高いろ過選択性を持つことが可能である。
【0044】
PLA繊維および他の非セルロースアセテート系繊維材料の限界事項は、繊維が比較的軟らかく、通常CAフィルターの硬度を高めるために使用されるトリアセチン、ポリエチレングリコール(PEG)およびクエン酸トリエチル(TEC)などの特定のCAフィルター可塑剤が非セルロースアセテート材または非セルロースアセテート材とCAの混合物の硬度を高めるのに充分効果的でないということである。従って、このようなフィルターには、喫煙品フィルターにまたは喫煙品フィルターとして使用するのに適した剛性および/または硬度が付与されてなくてもよい。図1(a)〜1(e)の第1〜第4の喫煙品1、11、21、31、161および本発明の他の態様において設けられているこのフィルターセグメント構造は、PLA繊維などの第1のフィルター材がCA繊維などの第2フィルター材の構造内に実質的に保持されるようにすることによってこのような限界事項を克服することができる。CA繊維などの第2フィルター材は、例えば、可塑化して、フィルターセグメント2、12、22、32、162全体に適した剛性および/または硬度を付与してもよい。
【0045】
第1の繊維性フィルター材に好適な他の材料としては、紙または紙系材料、ポリビニルアルコール(PVOH)またはPVOH系材料、スターチ系材料、再生タバコ材、押し出し材または他の繊維性フィルター材、例えばセルロースアセテート可塑剤によって容易に可塑化できない材料などが挙げられる(しかしながら本発明はこのような材料の使用に限定されない)。
【0046】
第2の繊維性フィルター材に好適な他の材料としては、紙または紙系材料、ポリビニルアルコール(PVOH)またはPVOH系材料、スターチ系材料、再生タバコ材、押し出し材または他の繊維性フィルター材などが挙げられる。
【0047】
第1および/または第2の繊維性フィルター材は、着色してもよく、および/または 風味剤、例えばメンソールまたはコーヒーなどの添加剤(このような風味剤の使用が許可されている地域において)または活性炭粒子またはイオン交換樹脂などの吸着剤を含んでもよく、これによりフィルターセグメントに独自の風味またはろ過特性、および/または独自の外観を供することができる。
【0048】
実質的に第2の繊維性フィルター材内の1つ以上の領域に第1の繊維性フィルター材を含有させることによって、製造工程中、例えば可塑剤が第2フィルター材に塗布された後にその1つ以上の領域内に挿入された第1の繊維性フィルター材で第2の繊維性フィルター材を可塑化または硬化させることができる。こにより第1のフィルター材を第2のフィルター材内の所望の位置に配置しやすくなり、フィルターの最終的な外観を向上させるという利点が付随する。
【0049】
図1(a)〜1(e)に例示した第1〜第5の喫煙品1、11、21、31、161それぞれにおいて、第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163は、例えば、フィルターセグメントの総容量の5%〜70%を構成してもよい。第1フィルター材の繊維、本例ではPLA繊維は、例えば、2〜10、特に2〜7のフィラメントデニールを有してもよく、かつ、例えば、繊維が配置されている領域当たり200〜10,000本の繊維を使用して形成してもよい。第2のフィルターセグメントの繊維、この例ではCA繊維は、2〜10、特に2〜7のフィラメントデニールを有してもよく、かつ、例えば5,000〜20,000本の繊維を使用して、フィルターを形成してもよい。第1および第2フィルター材それぞれに適した繊維デニールおよびフィラメントの数は、これらの材料の一方または両方に加えられるしわ、これら材料の所望の容量比、フィルターに対する所望の総デニール、フィルターに対する所望の圧力降下および/または硬度、装置の能力および装置の所望の作動速度などの種々のファクターによって選択することができる。第2の繊維性フィルター材は、トリアセチンまたは別の可塑剤で可塑化することができ、その使用量は、可塑化された繊維の例えば、5%〜12%重量である。
【0050】
図1(a)のフィルターセグメント2は、第1の繊維性フィルター材3、この例ではPLAを10容量%および可塑化されたCAを90容量%含み、その内、トリアセチンがCAの8重量%を構成する。
【0051】
図1(b)に例示した第2の喫煙品11の第2のフィルターセグメント12は、第1の繊維性フィルター材13、この例ではPLAを12容量%および第2繊維性フィルター材14、この場合可塑化されたCAを88容量%含み、その内トリアセチンがCAの8重量%を構成する。第1の繊維性フィルター材13からなる各領域は、フィルターセグメントの総容量の6%を構成する。
【0052】
図1(c)に例示した第3の喫煙品21のフィルターセグメント22は、第1の繊維性フィルター材23、この例ではPLAを16容量%および第2繊維性フィルター材24、この例では可塑化されたCAを84容量%含み、その内トリアセチンがCAの8重量%を構成する。第1の繊維性フィルター材からなる4つの領域それぞれは、フィルターセグメントの総容量の4%を構成する。
【0053】
図1(d)に例示した第4の喫煙品31のフィルターセグメント32は、第1の繊維性フィルター材33、この例ではPLAを20容量%および第2繊維性フィルター材34、この例では可塑化されたCAを80容量%含み、その内トリアセチンがCAの8重量%を構成する。第1の繊維性フィルター材33からなる5つの領域それぞれは、フィルターセグメントの総容量の4%を構成する。
【0054】
図1(e)に例示した第5の喫煙品161のフィルターセグメント162は、第1の繊維性フィルター材163、この例ではPLAを40容量%および第2繊維性フィルター材164、この例では 可塑化されたCAを60容量%含み、その内トリアセチンがCAの8重量%を構成する。第1の繊維性フィルター材163からなる第1および第2の領域163a、163bそれぞれはフィルターセグメントの総容量の20%を構成する。
【0055】
第1および第2繊維性フィルター材をこれとは別の相対容量で使用することができ、その相対容量は、選択された材料、その繊維の繊維デニール、使用されるフィラメントの数および各材料に加えられるしわの量に依存する。第1繊維性材の容量は、例えば、フィルターセグメントの総容量の20、25、30、35、40、45、50、55、60、65または70%を構成してもよい。第1の繊維性材料は、それより少ない容量、例えばフィルターセグメントの総容量の15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5または1%の量で使用してもよい。従って、第1の繊維性材料の容量は、フィルターセグメントの総容量の15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5または1%の内の1つからフィルターセグメントの総容量の20、25、30、35、40、45、50、55、60、65または70%の内の1つの範囲内に入り、特にフィルターセグメントの総容量の10%〜70%である。
【0056】
第1の繊維性フィルター材の各領域は、フィルターセグメントの総容量の2%超、2.5%超、3%超、3.5%超、4%超または5%超、例えばフィルターセグメントの総容量の2%、3%、4%または5%〜20%、25%または30%を構成してもよい。
【0057】
第1〜第4の喫煙品の第1の繊維性フィルター材3、13、23、33は、第2繊維性フィルター材4、14、24、34の外方の長手方向に延びた円周部から離れた1つ以上の領域に配され、これにより第1の繊維性フィルター材3、13、23、33は、フィルターセグメントの各端部でのみ第1および第2フィルター材によって形成された筒(または他の形状)の外面に存在する。しかしながら、これとは別に第1〜第4の喫煙品の第1の繊維性フィルター材3、13、23、33を第1および第2フィルター材によって形成されたフィルターセグメントの外周と共存する境界の一部の領域に配して、第1の繊維性フィルター材がフィルターセグメントの各端部および/またはフィルターセグメントの外方の長手方向に延びた円周部の1つ以上の部分のフィルターセグメントの外面に存在するようにしてもよい(本例では後者の面はプラグラッパーと接触する)。
【0058】
第1〜第5の喫煙品の第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163は、それらがフィルターセグメントの各端部で対応するフィルターセグメント2、12、22、32、162の外方の境界に位置するように配置される。しかしながら、これとは別に第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163は、対応するフィルターセグメントのいずれかの端部で第2繊維性フィルター材4、14、24、34、164の外方の境界に位置しない、またはフィルターセグメントの一端でしかし両端ではないで、フィルターセグメントの外方の境界に位置する少なくとも1つの領域に配置することができる。
【0059】
第1〜第5の喫煙品の第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163は、最大で5つの個別の領域に配される。しかしながら第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163を6、7、8、9、10、11または12個の領域などの5つを超える領域に配して、フィルターセグメント2、12、22、32、162内に所望の容量または重量の第1の繊維性フィルター材3、13、23、33、163を設けてもよい。
【0060】
本明細書中で使用するフィルターセグメントなる用語は、個別に喫煙品に取り付けられる単独の不連続のフィルター部材を意味する。第1〜第5の喫煙品1、11、21、31、161に使用されるフィルターセグメント2、12、22、32、162は、このような喫煙品1、11、21、31、161用のフィルター全体を構成する単一のフィルターセグメントである。しかしながら、これとは別にフィルターセグメント2、12、22、32、162を他のフィルター構造、例えば2重、2重ダルメシアンまたはキャビティフィルターの吸い口端、タバコ端または両方のセグメントまたは3重または4重フィルターの吸い口端、中間部およびタバコ端セグメントの1つ以上に使用することも可能である。フィルターの1つ以上のセグメントは、非包装アセテート(NWA)セグメントを含んでもよい。
【0061】
第1および/または第2の繊維性フィルター材3、4、13、14、23、24、33、34、163、164は、異なる材料からなる混合物であってもよく、例えば複数の材料からなる繊維の混合物であってもよく、または繊維自体が複数の材料のブレンドまたは複合体から形成されてもよい。
【0062】
図2〜4は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入して図1(a)〜1(d)に例示した喫煙品のフィルターセグメントのようなフィルターセグメントを製造するための第1の装置40の略図である。このような装置は、国際特許公報WO2010/108739に詳しく説明されており、その内容を明示的に参照として引用し、以下に説明する方法で本発明によるフィルターセグメントを製造での使用に適合させることができる。
【0063】
使用時に第1の装置40は、ドイツ所在のHauni Maschinenbau AG社製造のKDF 2装置のようなフィルター製造装置に接続され、第2の繊維性フィルター材から形成されたフィルターの断面を介して延びた第1の繊維性フィルター材からなる最大で5つの個別の領域を有するフィルターロッドを製造することが可能である。第1の装置40は、広い入り口開口部41bおよび狭い出口開口部41aを有する舌部41、漏斗42およびスタッフジェット43を含む。フィルター製造装置は、ここには示していないガーニチャー、フィルターラッパー紙およびラッパー紙スプール並びに他のセクションを含む。また第1の装置40は、符号44で示す材料の複数の領域を位置決めするユニットを含む。複数の材料領域を位置決めするユニット44は、支持ブロック45を含み、これは舌部41から垂直に上方に延びた支持フィン41cに取り付けられている。支持ブロック45は、ボルト、溶接などの公知の接合手段によって舌部41のフィン41cの所定の位置に固定されている。
【0064】
支持ブロック45は、その中を延びる5つの開口部46a〜46eを含む。第1開口部46aは、支持ブロック45の上部中央から舌部41へと下方に延び、第2および第3開口部46b、46cは、支持ブロック45の上部の第1開口部46から舌部41aへと下方に延びている。さらに第4および第5開口部46d、46eは、それぞれ支持ブロック45の左および右側から支持ブロック45を介して舌部41へと横方向に延びている。各開口部46a〜eは、図2および3に示したように舌部41の中央軸に対して直角にならないようにそして出口開口部41aの方向をわずかに指すような角度で傾斜している。舌部41は、その側壁に舌部41の貫通孔孔を介して延びた複数の開口部47a〜47eを含み、これら各開口部47a〜eは、支持ブロック45の開口部46a〜eの1つと位置合わせされており、支持ブロック45および舌部41の横壁を介して舌部41の中央の孔へと延びた複数の連続した経路を設けている。
【0065】
5本の針48a〜eが1本ずつ支持ブロック45の開口部46a〜eそれぞれに設けられており、舌部41の対応する開口部47a〜eを介して延びている。従って、各針48a〜eは支持ブロック45の外側から支持ブロック45および舌部41の壁を介して舌部41の貫通孔まで延びている。これらの針は本発明のフィルターセグメントに使用される第1のフィルター材からなる領域を形成するために使用される繊維を移送するのに適した直径の内部経路を有する。
【0066】
支持ブロック45の開口部46a〜eそれぞれの外方部分は、舌部41に近い内方部分より大きな直径を有し、ねじ切りされており、同じようにねじ切りされた係止シャフト 49a〜eを収容する。係止シャフト49a〜eは、それぞれ中空の貫通孔(図示せず)を含み、使用時にそれを介して対応する針48a〜eが延び、係止シャフト49a〜eは、その下方端部に第1の連続するセクションをそしてその上方端部に第2指部状セクション(図示せず)を含む。指部状セクションは、係止シャフト49a〜eの上端部から下方に切り込まれた複数の半径方向に延びたスロットによって形成され、内方の貫通孔から延びる係止シャフト49a〜eの外側までずっと延びている。この「指部」の残りのねじ山が設けられたセクションは、これによりこれらスロットの間で画定され、係止シャフト49a〜eの半径方向に撓むことができる。
【0067】
また図2〜4には係止ナット50a〜eが示されており、これらは係止シャフト49a〜eの外方のねじ山に対応する内方のねじ山を含み、僅かに内方にテーパーした形状を有し、各係止ナット50a〜eが各係止シャフト49a〜eの指部状セクションにねじ止めされると、その指部は係止シャフト49a〜eの内方の貫通孔内へと内方に撓まされる。係止シャフトの内方の貫通孔は、支持ブロック45を介して延びている開口部46a〜eの内方部分および舌部41の横壁に形成された開口部47a〜eの内方部分と同じ直径を有し、これにより針48a〜eは、係止シャフト49a〜eの対応する貫通孔内にしっかりと嵌る。従って当然のことながら係止ナット50a〜eが対応する係止シャフト49a〜eにねじ止めされ、締められると、それらは指部を内方に撓ませ、従って針48a〜eが係止シャフト49a〜eの内方の貫通孔に配されると、係止ナット50a〜eを締めることによって指部を針48a〜eに接するように付勢させ、これにより針48a〜eを選択された位置に固定する。
【0068】
当然のことながら、係止シャフトの上部が舌部41の方向に僅かにテーパーした指部を含む場合、一定のねじ直径を有するテーパーしていない係止ナットでも同じ効果が得られる。これにより係止ナットがさらに係止シャフトにねじ止めされると、指部は内方に変形することになり、針48a〜eに固着し、係止ナットを係止シャフトおよびその結果舌部41に対して所定の位置に固定する。
【0069】
使用時、第2の繊維性フィルター材、例えばしわ付けされたCAフィルタートウ材の連続した繊維は、舌部41の貫通孔を介して移送され、最大で5つの個別の第1の繊維性フィルター材、例えば連続したしわ付けされた繊維性PLAまたは糸状またはストランド状の他の材料が、針48a〜eを介して供給され、第2の繊維性フィルター材が舌部41を通過する際に針48a〜eを介して引き込まれながら第2の繊維性フィルター材の流れに取り込まれる。第1の繊維性フィルター材の針48a〜eへの供給は、第1繊維材を連続して供給するように構成された供給ローラー、供給コンベア、溝付き供給ドラムまたはスクリューフィーダー(図示せず)などの機械的または電気機械的搬送装置を使用して行うことができる。このような機械的または電気機械的搬送装置は、その速度を調節して、第2の繊維性フィルター材内に第1繊維材に供給する量を適した割合で、例えば第2繊維性フィルター材の舌部41を通過する速度に応じて計量することができる。舌部41の狭い出口開口部41aから出たフィルターロッドは従って圧縮されており、その中にその軸方向に延びたフィルター材からなる最大で5つの別個の連続した領域を有する。
【0070】
得られたフィルターロッドの断面内の第1の繊維性フィルター材からなる領域の正確な位置は、フィルターロッドの断面における第1繊維領域の位置が針48a〜eの端部が終了する舌部41内の地点によって決定されるので、正確に決めることができ、調節することができる。このことは、得られるフィルターロッド内に多岐に亘るパターンを設けるために独立して調節可能である各針48a〜eによって上述のように変更することが可能である。従って装置40は、第2の繊維性材料の長さに沿って第1繊維材からなる領域を最大で5つ含むフィルターロッドを製造するために使用することができる。5つ未満の第1繊維材の領域を内部に有するフィルターロッドは、針48a〜eの1つ以上から第1繊維材を供給しないことによって製造することが可能である。
【0071】
図5〜7は、第2の繊維性フィルター材内に第1の繊維性フィルター材を挿入して、図1(a)〜1(d)に例示したフィルターセグメントのようなフィルターセグメントを製造する第2の装置60の略図である。
【0072】
図5〜7の第2の装置60は、図2〜4の第1の装置40と類似している。第2の装置60は、使用時、ドイツ所在のHauni Maschinenbau AG社製造のKDF 2装置のようなフィルター製造装置に接続され、第2の繊維性フィルター材から形成されたフィルターの断面を介して延びた第1の繊維性フィルター材からなる最大で5つの個別の領域を有するフィルターロッドを製造することが可能である。第2の装置60は、広い入り口開口部61bおよび狭い出口開口部61aを有する舌部61、漏斗62およびスタッフジェット63を含む。フィルター製造装置は、ここには示していないガーニチャー、フィルターラッパー紙およびラッパー紙スプール並びに他のセクションを含む。第2の装置60は、符号64で示す材料の複数の領域を位置決めするユニットを含む。複数の材料領域を位置決めするユニット64は、支持ブロック65を含み、これは舌部61から垂直に上方に延びた支持フィン61cに取り付けられている。支持ブロック65は、ボルト、溶接などの公知の接合手段によって舌部61のフィン61cの所定の位置に固定されている。
【0073】
支持ブロック65は、その内部を延びる第1の装置の支持ブロック45の開口部46a〜eに類似した5つの開口部66a〜66eを含む。また舌部61は、その側壁に舌部61の貫通孔孔を介して延びた複数の開口部67a〜67eを含み、これら開口部67a〜eは、それぞれ支持ブロック65の開口部66a〜eの1つと位置合わせされており、支持ブロック65および舌部61の横壁を介して舌部61の中央の孔へと延びた複数の連続した経路を設けている。
【0074】
5本の針68a〜eが1本ずつ支持ブロック65の開口部66a〜eそれぞれに設けられており、舌部61の対応する開口部67a〜eを介して延びている。従って、各針68a〜eは支持ブロック65の外側から支持ブロック65および舌部61の壁を介して舌部61の貫通孔まで延びている。第1の装置40と同じようにこれらの針68a〜eは本発明のフィルターセグメントに使用される第1のフィルター材からなる領域を形成するために使用される繊維を移送するのに適した直径の内部経路を有する。
【0075】
支持ブロック65の開口部66a〜eそれぞれの外方部分は、舌部61に近い内方部分より大きな直径を有し、ねじ切りされて同じようにねじ切りされた係止シャフト69a〜eを収容する。係止シャフト69a〜eは、それぞれ中空の貫通孔(図示せず)を含み、使用時にそれを介して対応する針48a〜eが延びている。係止シャフト69a〜eは、装置40の係止シャフトと類似している。
【0076】
また図5〜7には装置40の係止ナット50a〜eと類似し、かつ、同じように作動する係止ナット70a〜eが示されている。
【0077】
第2の装置60は、第1の装置40と支持ブロックに形成された第1、第2および第3開口部66a〜cの向き、よって支持ブロック65および舌部61の横壁を介して舌部61の中央の貫通孔へと延びる複数の連続した経路の向きが異なる。従って、第1〜第3開口部66a〜cそれぞれに配された針68a〜cは、これに対応して向きが異なる。
【0078】
図7から明らかなように第1、第2および第3の針68a〜cは、軸が互いに平行にすべて配されている装置40の第1、第2および第3の針48a〜cとは反対に舌部61の中央軸に対して放射状に配されている。第1、第2および第3の針68a〜cのこの異なる向きによって、フィルターロッド内に得られる第1繊維性材領域の位置を異なる範囲で供することができ、特にこれら3つの第1繊維性材領域を互いに、そして第4および第5の針68d、eからの2つの第1繊維性材領域に近接して配置することができる。これは第1〜第3の針68a〜cが放射状に向いているということが、それらが内方に調節されたとき、針68a〜cの端部が舌部61の断面を横断する水平線に対して互いに等間隔のままでなく、舌部61の貫通孔の中央軸の方へと先細りしていることを意味することによる。
【0079】
使用時、第2の装置60は上述の第1装置40と同じように作動する。第2の繊維性フィルター材、例えばしわ付けされたCAフィルタートウ材の連続した繊維は、舌部61の貫通孔を介して移送され、最大で5つの個別の第1の繊維性フィルター材、例えば連続したしわ付けされた繊維性PLAまたは糸状またはストランド状の他の材料が、針68a〜eを介して供給され、第2の繊維性フィルター材が舌部61を通過する際に針68a〜eを介して引き込まれながら第2の繊維性フィルター材の流れに取り込まれる。第1の繊維性フィルター材の針68a〜eへの供給は、第1繊維材を連続して供給するように構成された供給ローラー、供給コンベア、溝付き供給ドラムまたはスクリューフィーダー(図示せず)などの機械的または電気機械的搬送装置を使用して行うことができる。このような機械的または電気機械的搬送装置は、その速度を調節して、第2の繊維性フィルター材内に第1繊維材に供給する量を適した割合で、例えば第2繊維性フィルター材の舌部61を通過する速度に応じて計量することができる。舌部61の狭い出口開口部61aから出たフィルターロッドは従って圧縮されており、その中にその軸方向に延びたフィルター材からなる最大で5つの別個の連続した領域を有する。
【0080】
図8および9は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入して図1(a)に例示したフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するための本発明の実施態様による第3の装置80の略図である。
【0081】
図8は繊維挿入セクション81を含む装置80の一部を示している。第3の装置の作動中、本例ではセルロースアセテートトウの形状の第2の繊維性フィルター材82は、一組の搬送ローラー(図示せず)を介して引き込まれ、スタッフジェット(図示せず)およびフィルター材がプラグラッパー85に包まれ、その後カッター(図示せず)によってセグメントに切断されて、フィルターロッドを形成するガーニチャー84の舌部83を通って圧縮される。
【0082】
図9は第3の装置80の断面を示している。繊維挿入セクション81は繊維供給管86、ベンチュリ挿入装置87および挿入管88を含む。挿入管88は、この例ではベンチュリ挿入装置87から舌部83への繊維移送経路を形成し、フィルターロッド材82が舌部83に移送される方向と長手方向に位置合わせできるように曲げられてもよい。挿入管88の位置は図8に示す挿入管調節ホイール88aを使用して調節してもよい。これにより繊維の流れを第2のフィルター材84の長手方向軸に沿って、またはこれとは別に中心を外れるが長手方向軸と平行になるように位置させることができる。また繊維挿入セクション81は第1、第2および第3の空気噴射口89a〜cを含む。
【0083】
供給管86は第2の繊維性フィルター材内に挿入するための第1の繊維性フィルター材の繊維を受けるように構成されており、第1繊維材は、例えば、第1繊維材の糸またはストランド形状で供給される。第1の繊維性フィルター材の供給管86への供給は、第1繊維材を連続して供給するように構成された供給ローラー、供給コンベア、溝付き供給ドラムまたはスクリューフィーダー(図示せず)などの機械的または電気機械的搬送装置を使用して行うことができる。このような機械的または電気機械的搬送装置は、その速度を調節して、第2の繊維性フィルター材内に第1繊維材に供給する量を適した割合で、例えば第2繊維性フィルター材の舌部83を通過する速度に応じて計量することができる。舌部83から圧縮されて出たフィルターロッドは、その中にその軸方向に延びた第1のフィルター材からなる連続した領域を有する。
【0084】
図10図8に示したベンチュリ装置87の拡大断面図である。ベンチュリ装置87は、軸方向に延びた貫通孔91を有する通常円錐形のブロック90を含み、この貫通孔は、供給管86から供給される繊維93を受ける入り口92および挿入管88内に繊維93を供給する出口94を有する。
【0085】
円錐状ブロック90は、一般的な円筒状のハウジング95内に収容され、このハウジングは、ブロック90から離れて位置する円錐形の端部を有し、貫通孔91の出口94の領域の挿入管88内に開口した先細りした空気経路96を画定している。
【0086】
空気供給通路96には3つの空気噴射口89a〜cから圧縮空気が供給され、その内の第1の空気噴射口89aを図10に示す。空気噴射口89a〜cは圧縮空気または他の気体源(図示せず)に連結され、先細りした空気供給経路96内に接続した対応する長手方向に延びた貫通孔97a、b内に供給する。第1、第2および第3の噴射入り口89a〜cには空気が供給されるが、他の流体、例えばヘリウムまたは窒素を採用することも可能である。
【0087】
繊維93は供給管86で受けられ、軸方向に延びた貫通孔91内に案内される。第1の入り口89aからの圧縮空気は、長手方向に延びた貫通孔97に沿って、軸方向に延びた貫通孔91と長手方向に延びた貫通孔97が合流する領域94の方へと案内される。第2および第3の入り口89b、89cからの圧縮空気もまたそれらの入り口用のそれぞれの対応する長手方向に延びた貫通孔(図示せず)に沿って、軸方向に延びた貫通孔91と長手方向に延びた貫通孔が合流する領域94の方へと案内される。
【0088】
ベンチュリ装置87の作動中、ベンチュリ効果が活用され、繊維93をフィルターロッド材92の方へとそれがフィルターロッドに形成される際に押し進める。
【0089】
図11は繊維挿入セクション81の作動中のベンチュリ装置87内の空気の流れを略式に示している。空気が第1および第2噴射源89a、89bから長手方向に延びた貫通孔97a、97bを介して挿入管88内へ押し進められると、低圧力の領域が領域94および挿入管88内に発生する。繊維93は最初はこの低圧力領域94に対して高い圧力の領域を占領している。繊維93に作用する気圧傾度力が発生し、繊維をもしそれらが重力だけによる力に作用させた場合より速い速度で挿入管88内に押し進める。これにより高密度の繊維93が第2の繊維性フィルターロッド材内に挿入される。挿入管88は、第3の装置の舌部83内に延び、第2繊維性フィルター材料内に直接繊維を挿入する。
【0090】
挿入管88の位置を製造時にフィルターロッドの長手方向軸に対して調節してもよい。図9では挿入管88は曲げられているが、他の実施態様では挿入管88は真っ直ぐでもよい。繊維はフィルターロッドの長手方向軸に沿って中央に位置してもよく、または図8に示した挿入管調節ホイール88aを使用して実質的に長手方向軸と平行であるが、これから外れるようにしてもよい。
【0091】
図12は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材内に挿入して図1(a)に例示したフィルターセグメントのようなフィルターセグメントを製造するための本発明のさらなる実施態様による第4の装置100の略式断面図である。図12に示した第4の装置100は図8に示した第3の装置に類似している。しかしながら、図12に示した第4の装置100は、図8に示したベンチュリ挿入装置87の代わりに高速流真空ポンプ101を含む。また第4の装置100は、繊維供給管102および出口管103を含む。
【0092】
高速流真空ポンプ101は、KVPDF高速流真空ポンプまたは米国所在のVaccon Company、Inc社より供給されるDF Series ポンプなどの真空ポンプなどの材料移送用の当業界で知られている種類のものであってもよい。圧縮空気が空気入り口104を介して真空ポンプ101に入り、ポンプ101の中央管105を介してサイクロンのように流れる。圧縮空気のサイクロン流は、真空を発生され、繊維を供給管102から中央管105を介して出口管103を引き込み、ガーニチャーの舌部106(図8に示すような)と合流する。
【0093】
圧縮空気は空気入り口104に10〜60Psi、例えば10〜40Psi、または好ましくは約30Psiで供給することができる。
【0094】
供給管102は第2の繊維性フィルター材内に挿入するための第1の繊維性フィルター材の繊維を受けるように構成されており、第1繊維性材は、例えば、第1繊維性材の糸またはストランド形状で供給される。第1の繊維性フィルター材の供給管102への供給は、第1繊維性材を連続して供給するように構成された供給ローラー、供給コンベア、溝付き供給ドラムまたはスクリューフィーダー(図示せず)などの機械的または電気機械的搬送装置を使用して行うことができる。このような機械的または電気機械的搬送装置は、その速度を調節して、第2の繊維性フィルター材内に第1繊維材に供給する量を適した割合で、例えば第2繊維性フィルター材の舌部106を通過する速度に応じて計量することができる。舌部106から圧縮されて出たフィルターロッドは、その中にその軸方向に延びた第1のフィルター材からなる連続した領域を有する。
【0095】
図13は第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に挿入して図1(a)〜1(d)に例示した喫煙品のフィルターセグメントのようなフィルターセグメントを製造するための本発明のさらなる態様による第5の装置110の略図である。
【0096】
図13の第5の装置110は、図5〜7の第2の装置60と類似の部材を含む。第5の装置110は使用時にドイツ所在のHauni Maschinenbau AG社製造のKDF 2装置のようなフィルター製造装置に接続され、第2の繊維性フィルター材から形成されたフィルターの断面を介して延びた第1の繊維性フィルター材からなる最大で5つの個別の領域を有するフィルターロッドを製造することが可能である。
【0097】
第5の装置110は、広い入り口開口部111bおよび狭い出口開口部111aを有する舌部111、漏斗112およびスタッフジェット113を含む。第5の装置110が使用されるフィルター製造装置は、ここには示していないガーニチャー、フィルターラッパー紙およびラッパー紙スプール並びに他のセクションを含む。第5の装置110は、符号114で示す材料の領域を位置決めするユニットを含む。複数の材料領域を位置決めするユニット114は、支持ブロック115を含み、これは舌部111から垂直に上方に延びた支持フィン111cに取り付けられている。支持ブロック115は、ボルト、溶接などの公知の接合手段によって舌部111のフィン111cの所定の位置に固定されている。
【0098】
支持ブロック115は、その内部を延びる第2の装置の支持ブロック65の開口部66a〜eと類似する5つの開口部116a〜116eを含む。また舌部111は、その側壁に舌部111の貫通孔を介して延びた複数の開口部(図示せず)を含み、これら各開口部は、支持ブロック115の開口部116a〜eの1つと位置合わせされており、支持ブロック115および舌部111の横壁を介して舌部111の中央の孔へと延びた複数の連続した経路を設けている。
【0099】
5本の針118a〜eが1本ずつ支持ブロック115の開口部116a〜eそれぞれに設けられており、舌部111の対応する開口部を介して延びている。従って、各針118a〜eは支持ブロック115の外側から支持ブロック115および舌部111の壁を介して舌部111の貫通孔まで延びている。第2の装置60と同じようにこれらの針118a〜eは本発明のフィルターセグメントに使用される第1のフィルター材からなる領域を形成するために使用される繊維を移送するのに適した直径の内部経路を有する。
【0100】
また第5の装置は、第1および第2の装置40、60と類似のおよびと同じように作動する係止シャフト119a〜eおよび係止ナット120a〜eを含む。
【0101】
第5の装置110は、第2の装置60と繊維挿入セクションが針118a〜eに接続されているという点で異なる(図13では第4の針118dについてのみ例示しているが)。繊維挿入セクションは、図8および9の繊維挿入セクション81に対応する。第4の針118dに接続されている繊維挿入セクション130は、繊維供給管131およびベンチュリ挿入装置132を含む。各ベンチュリ装置132は、軸方向に延びた貫通孔を有する通常円錐形のブロックを含み、この貫通孔は、供給管131から供給される繊維93を受ける入り口および針118内に繊維を供給する出口を有する。ベンチュリ装置132内の空気供給経路には3つの空気噴射口133a〜cから圧縮空気が供給される。ベンチュリ挿入装置132は、第4の針118dに接続されている繊維流出口を有する。第4の針118dは、この例ではベンチュリ挿入装置132から舌部111への繊維移送経路を形成している。第1、第2、第3および第4の針118a、b、c、eに接続されている繊維挿入セクション(図示せず)は、第4の針118dに接続されている繊維挿入セクション130の特徴と対応する特徴を含む。
【0102】
使用時、繊維挿入セクションは図8および9の繊維挿入セクション81と同じように作動し、各セクションのベンチュリ装置は、図10および11を参照して説明したベンチュリ装置87と同じように作動する。従って、第5の装置110の作動中、本例ではセルロースアセテートトウの形状の第2の繊維性フィルター材は、一組の搬送ローラー(図示せず)を介して引き込まれ、スタッフジェット113および第2の繊維性フィルター材がプラグラッパーで包まれ、その後カッター(図示せず)でセグメントに切断してフィルターロッドを形成するガーニチャーの舌部111を介して圧縮される。同時に各繊維挿入セクションのベンチュリ装置は、圧縮空気を10〜60Psi、例えば10〜40Psi、または好ましくは約30Psiで空気入り口133a〜cに供給することによって作動し、これによりベンチュリ効果が発生し、第1のフィルター材の繊維をそれがフィルターロッドに形成される際に第2のフィルター材の領域内に推し進められる。
【0103】
図14は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材内に挿入して図1(e)に例示したフィルターセグメントなどのフィルターセグメントを製造するための本発明のさらなる態様による第6の装置140の略図である。
【0104】
図14の第6の装置140は、使用時にドイツ所在のHauni Maschinenbau AG社製造のKDF 2装置のようなフィルター製造装置に接続され、第2の繊維性フィルター材から形成されたフィルターの断面を介して延びた第1の繊維性フィルター材からなる領域を有するフィルターロッドを製造することが可能である。
【0105】
第6の装置140は、舌部141、漏斗142およびスタッフジェット143を含む。第6の装置140が使用されるフィルター製造装置は、ここには示していないガーニチャー、フィルターラッパー紙およびラッパー紙スプール並びに他のセクションを含む。
【0106】
また第6の装置140は、第1の繊維性フィルター材をスタッフジェット143内に供給するために使用される繊維挿入ユニット144を含む。1つの繊維挿入ユニット144だけを示しているが、2つまたは3つ以上の繊維挿入ユニット144を同時に使用することができる。繊維挿入ユニット144は、本例では米国所在のVaccon Company、Inc社より供給されるDF Series 真空ポンプを含む。繊維挿入ユニット144は、第1のフィルター材をスタッフジェット143を通過する第2の繊維性フィルター材の流れ146を供給するために使用される繊維挿入管145を含む。繊維挿入ユニット144は調節可能な支持部材(図示せず)に取り付けられ、これはスタッフジェット143に対して管145の出口の位置を正確に設定することができる。繊維挿入ユニット144は、さらに供給される第1の繊維材を受けるための繊維入り口147および例えば10〜60Psiの間、例えば10〜40Psiまたは約30Psiで供給される圧縮空気を受けるための圧縮空気入り口148を含む。
【0107】
使用時、繊維挿入ユニット144には圧縮空気が供給され、上述のようにスタッフジェット143内に第1の繊維性フィルター材に強制的に供給する内部真空を発生させる。従って、第6の装置140の作動中、本例ではセルロースアセテートトウの形状の第2の繊維性フィルター材は、一組の搬送ローラー(図示せず)を介して引き込まれ、スタッフジェット143および第2の繊維性フィルター材がプラグラッパーで包まれ、その後カッター(図示せず)でセグメントに切断してフィルターロッドを形成するガーニチャーの舌部141を介して圧縮される。同時に繊維挿入ユニット144は、第1のフィルター材の繊維がそれがフィルターロッドに形成される際に第2のフィルター材の領域内に移送されるように作動する。
【0108】
第6の装置140は、第2 フィルター材が比較的圧縮されていない舌部141の上流ポイントで第1のフィルター材が第2のフィルター材内に挿入されるという利点を有する。これにより第2の繊維性フィルター材内に挿入される図1(e)を参照して説明した長尺のセクションなどの形状に形成される第1のフィルター材の領域を多様化することが可能である。
【0109】
図14に示した例では1つの繊維挿入ユニット144だけが使用されているが、複数の繊維挿入ユニット144をスタッフジェット内に、例えば対応する調節可能な支持部材を各々有する2、3、4、5または6つの個別の管内に挿入することが可能である。
【0110】
ベンチュリ装置132が図13の第5の装置110で使用されているが、これとは別に図12および14を参照して説明したような高速流真空ポンプを1つ以上のベンチュリ装置132(即ち図13の第5の装置110の第1〜第5のベンチュリ装置それぞれ)の所定の位置で使用してもよい。
【0111】
流体流を使用して第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材内に挿入する図8〜14の実施態様は、第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材の流速より速い速度で挿入することができる。このような供給は、供給過剰と呼ばれ、例えば第2繊維性フィルター材の速度:第1の繊維性フィルター材の速度の比が1:1.1〜1:2の範囲、より好ましくは1:1.1〜1:1.5の範囲内になるように第1の繊維性フィルター材を挿入することができる。
【0112】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたフィルター、を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2015年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙品用のフィルターセグメントであって、このフィルターセグメントは、第1の繊維性フィルター材からなる領域を含み、この領域は少なくとも実質的に第2の繊維性フィルター材からなる領域内に配され、第1の繊維性フィルター材はフィルターセグメントの総容量の5容量%超を構成し、第2の繊維性フィルター材は可塑化されたフィルター材であり、第1の繊維性フィルター材は非可塑化フィルター材であるフィルターセグメント。
【請求項2】
第1の繊維性フィルター材は、前記フィルターセグメントからなる複数の領域に配されていることを特徴とする請求項1記載のフィルターセグメント。
【請求項3】
前記複数の領域は、それぞれフィルターセグメントの総容量の3%超を構成することを特徴とする請求項2記載のフィルターセグメント。
【請求項4】
第1および第2繊維性フィルター材はしわ付けされた繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項5】
第1の繊維性フィルター材は、ポリラクチド(PLA)繊維を含み、および/または第2の繊維性フィルター材はセルロースアセテート繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項6】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の5〜60容量%を構成することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項7】
第1の繊維性フィルター材は総フィルターセグメント容量の10〜60容量%を構成することを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項8】
第1の繊維性フィルター材は、フィラメント当たり2〜10デニールの繊維を200〜10,000本含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項9】
第1の繊維性フィルター材からなる領域は、第2の繊維性フィルター材からなる領域を通って長手方向に延びた領域であることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のフィルターセグメント。
【請求項10】
喫煙品用のフィルターセグメントであって、このフィルターセグメントは、第1の繊維材からなる領域を含み、これは第2の繊維材からなる領域内に少なくとも実質的に配され、第1の繊維材はポリラクチド(PLA)繊維を含む喫煙品用フィルターセグメント。
【請求項11】
第2の繊維材はセルロースアセテート(CA)繊維を含むことを特徴とする請求項1記載のフィルターセグメント。
【請求項12】
請求項1乃至1いずれか1項記載のフィルターセグメントを含む喫煙品。
【請求項13】
喫煙品用のフィルターセグメントの製造方法であって、この方法は、
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給して請求項1乃至1いずれか1項記載のフィルターセグメントを形成することを含む方法。
【請求項14】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第2の繊維性フィルター材に可塑剤を塗布することをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に供給する前に第1および第2の繊維性フィルター材にしわ付けすることをさらに含むことを特徴とする請求項1または1記載の方法。
【請求項16】
第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成することおよび第2繊維性フィルター材を圧縮してフィルターロッドに形成しながら第2の繊維性フィルター材内に第1の繊維性フィルター材を供給することを含むことを特徴とする請求項1、1または1記載の方法。
【請求項17】
第1の繊維性フィルター材がフィルター製造装置の舌状セクション内で第2の繊維性フィルター材に供給されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
第1の繊維性フィルター材は、第1繊維性フィルター材からなる糸を含むことを特徴とする請求項1乃至1いずれか1項記載の方法。
【請求項19】
喫煙品用フィルターの製造方法であって、この方法は、
流体流を発生させること、および
この流体流を介して移送経路に沿って第1の繊維材を移送し、その後、第2の繊維性フィルター材の流れの中に移送することを含む方法。
【請求項20】
流体流を空気圧を使用して発生させることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
第1の繊維性フィルター材がフィルター製造機の舌部またはスタッフジェットセクション中で第2繊維性フィルター材の流れに移送されることを特徴とする請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
第1の繊維性フィルター材を第2の繊維性フィルター材に導入して喫煙品用のフィルターを製造するための装置であって、この装置は流体流を発生させるための圧力発生器を含み、前記第1の繊維性材がこの圧力発生器によって発生する前記流体流を介して移送経路に沿って移送され、その後、第2の繊維性フィルター材の流れに移送される装置。
【国際調査報告】