特表2015-518087(P2015-518087A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイケイ・スチール・プロパティーズ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2015-518087費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼
<>
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000007
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000008
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000009
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000010
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000011
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000012
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000013
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000014
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000015
  • 特表2015518087-費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-518087(P2015-518087A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼
(51)【国際特許分類】
   C22C 38/00 20060101AFI20150529BHJP
   C22C 38/28 20060101ALI20150529BHJP
   C22C 38/50 20060101ALI20150529BHJP
   C21D 9/46 20060101ALN20150529BHJP
【FI】
   C22C38/00 302Z
   C22C38/28
   C22C38/50
   C21D9/46 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-504675(P2015-504675)
(86)(22)【出願日】2013年4月2日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月21日
(86)【国際出願番号】US2013034940
(87)【国際公開番号】WO2013151992
(87)【国際公開日】20131010
(31)【優先権主張番号】61/619,048
(32)【優先日】2012年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】511117048
【氏名又は名称】エイケイ・スチール・プロパティーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AK Steel Properties, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ドーセット・ジョセフ・エイ
(72)【発明者】
【氏名】クレイクラフト・シャノン・ケイ
【テーマコード(参考)】
4K037
【Fターム(参考)】
4K037EA01
4K037EA04
4K037EA05
4K037EA12
4K037EA13
4K037EA15
4K037EA17
4K037EA18
4K037EA19
4K037EA20
4K037EA23
4K037EA25
4K037EA27
4K037EA31
4K037FA02
4K037FA03
4K037FB00
4K037FC03
4K037FC04
4K037FE01
4K037FE02
4K037FE03
4K037FF03
4K037FG00
4K037FH00
(57)【要約】
費用対効果が高いフェライト系ステンレス鋼は、304L型鋼で観察されるものに匹敵する、改善された耐腐食性を示す。フェライト系ステンレス鋼は、実質的にニッケルを含まず、チタンおよびコロンビウムにより二重安定化され、クロム、銅、およびモリブデンを含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライト系ステンレス鋼において、
約0.020重量%以下の炭素と、
約20.0〜23.0重量%のクロムと、
約0.020重量%以下の窒素と、
約0.40〜0.80重量%の銅と、
約0.20〜0.60重量%のモリブデンと、
約0.10〜0.25重量%のチタンと、
約0.20〜0.30重量%のコロンビウムと、
を含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項2】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記クロムは、約21.5〜22重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項3】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記銅は、約0.45〜0.75重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項4】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記モリブデンは、約0.30〜0.50重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項5】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記チタンは、約0.17〜0.25重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項6】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記クロムは、約21.75重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項7】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記銅は、約0.60重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項8】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記モリブデンは、約0.40重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項9】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記チタンは、約0.21重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項10】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記コロンビウムは、約0.25重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項11】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.40重量%以下のマンガンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項12】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.030重量%以下のリンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項13】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.30〜0.50重量%のケイ素をさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項14】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.40重量%以下のニッケルをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項15】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.30〜0.50重量%のマンガンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項16】
請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.10重量%以下のアルミニウムをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【請求項17】
フェライト系ステンレス鋼を製造する方法において、
クロム、銅、モリブデン、チタン、コロンビウム、および炭素を含む、フェライト鋼溶融物を提供する工程と、
式1および2を満たすようにクロム、銅、およびモリブデンの濃度を決定する工程であって、
式1は20.5≦Cr+3.3Mo、であり、
式中、Crは、重量パーセントによるクロムの濃度であり、Moは、重量パーセントによるモリブデンの濃度であり、
式2は、Cu最大<0.80の場合に0.6≦Cu+Mo≦1.4、であり、
式中、Cuは、重量パーセントによる銅の濃度であり、Moは、重量パーセントによるモリブデンの濃度であり、Cu最大は、重量パーセントによる銅の最大量である、工程と、
以下の式3、4、5を用いてチタン、コロンビウム、および炭素の濃度を決定する工程であって、
式3は、Ti最大=0.0044(N-1.027)、であり、
式中、Ti最大は、重量パーセントによるチタンの最大濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度であり、
式4は、Ti最小=0.0025/N、であり、
式中、Ti最小は、重量パーセントによるチタンの最小濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度であり、
式5は、Ti+Cb最小=0.2%+4(C+N)、であり、
式中、Tiは、重量パーセントによるチタンの量であり、Cb最小は、重量パーセントによるコロンビウムの最小量であり、Cは、重量パーセントによる炭素の量であり、Nは、重量パーセントによる窒素の量である、工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本出願は、「21% Cr Ferritic Stainless Steel」の名称で2012年4月2日に出願された仮特許出願第61/619,048号の優先権を主張する、非仮特許出願である。この第61/619,048号の出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔概要〕
ASTM 304型ステンレス鋼の耐腐食性に匹敵する耐腐食性を有するが、実質的にニッケルを含まず、チタンおよびコロンビウムで二重安定化されて(dual stabilized)粒間腐食からの保護をもたらし、かつクロム、銅、およびモリブデンを含有して、応力腐食割れ抵抗を犠牲にすることなく孔食抵抗を提供する、フェライト系ステンレス鋼を製造することが望ましい。このような鋼は、市販用の台所用品(commercial kitchen applications)、建築部品、ならびに商用車および乗用車の排ガスおよび選択的接触還元(SCR)部品を含むがこれらに制限されない自動車用品(automotive applications)に一般に見られる、商品鋼板に特に有用である。
【0003】
〔詳細な説明〕
フェライト系ステンレス鋼では、チタン、コロンビウム、炭素、および窒素の相互関係および量が、下位平衡表面品質(subequilibrium surface quality)、実質的に等軸の鋳造粒状物構造、および粒間腐食に対する実質的に完全な安定を達成するように、制御される。さらに、クロム、銅、およびモリブデンの相互関係が、耐腐食性を最適にするように制御される。
【0004】
下位平衡溶融物(Subequilibrium melts)は、典型的には、チタンおよび窒素が合金溶融物中に窒化チタンを形成しないようにチタンおよび窒素レベルが十分低い組成物として、定義される。そのような沈殿物は、熱間圧延または冷間圧延中、表面ストリンガーの欠陥または積層(surface stringer defects or laminations)などの欠陥を形成する場合がある。このような欠陥は、可塑性、耐腐食性、および外観を損なう場合がある。図1は、フェライト系ステンレス鋼の実施形態で、液相温度でのチタンおよび窒素の元素について熱力学モデリングを用いて作成された、例示的な位相図から得られたものである。窒化チタンを実質的に含まないため、また、下位平衡とみなされるためには、フェライト系ステンレス鋼中のチタンおよび窒素レベルは、図1に示す溶解度曲線の左側または下方部分まで低下しなければならない。窒化チタンの溶解度曲線は、図1に示すように、数学的には以下のように表わすことができ:
式1:Ti最大=0.0044(N−1.027
式中、Ti最大は、重量パーセントによるチタンの最大濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度である。本明細書中のすべての濃度は、特に明らかな断りのない限り、重量パーセントで報告される。
【0005】
式1を用いると、ある実施形態で窒素レベルが0.020%以下に保たれた場合、その実施形態でのチタン濃度は、0.25%以下に保たれなければならない。チタン濃度が0.25%を超えるのを許容すると、溶融合金における窒化チタン沈殿物の形成につながる恐れがある。しかしながら、図1は、窒素レベルが0.02%未満の場合に、0.25%超のチタンレベルが許容され得ることも示している。
【0006】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、等軸鋳造され圧延され焼きなまされた粒組織を呈し、圧延薄板中のスラブまたは縞状の粒の中に、大きな柱状粒子はない。この精錬された粒組織は、可塑性および硬度を改善し得る。この粒組織を達成するには、凝固しているスラブに播種(seed)し、かつ等軸の粒がイニシエートする部位を提供するのに十分なチタン、窒素および酸素レベルが存在しなければならない。このような実施形態では、最小のチタンおよび窒素レベルが図1に示されており、以下の式:
式2:Ti最小=0.0025/N
により表わされ、
式中、Ti最小は、重量パーセントによるチタンの最小濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度である。
【0007】
式2を用いると、ある実施形態で窒素レベルが0.02%以下に保たれた場合、最小チタン濃度は0.125%である。図1に描かれた放物曲線は、チタンの総濃度が低下する場合に、等軸の粒組織が0.02%窒素を超える窒素レベルで達成され得ることを示している。等軸の粒組織は、プロットされた式2の右手または上の、チタンおよび窒素レベルで予期される。等軸の粒組織を生じた、下位平衡とチタンおよび窒素レベルとのこの関係は、図1に示され、図1では、最小チタン式(式2)が、図1の液相図(liquidus phase diagram)上にプロットされる。2本の放物線間のエリアは、これらの実施形態におけるチタンおよび窒素レベルの範囲である。
【0008】
フェライト系ステンレス鋼の十分安定化された溶融物は、鋼中に存在する可溶の炭素および窒素と組み合わせられるよう、十分なチタンおよびコロンビウムを有していなければならない。これは、炭化クロムおよび窒化物(chromium carbide and nitrides)が形成されること、ならびに粒間耐腐食性が低下すること、を妨げるのに役立つ。十分な安定化をもたらすのに必要な最小のチタンおよび炭素は、以下の式によって最もよく表わされ:
式3:Ti+Cb最小=0.2%+4(C+N)
式中、Tiは、重量パーセントによるチタンの量であり、
Cb最小は、重量パーセントによるコロンビウムの最小量であり、
Cは、重量パーセントによる炭素の量であり、
Nは、重量パーセントによる窒素の量である。
【0009】
前述した実施形態では、等軸の粒組織および下位平衡条件のために必要なチタンレベルは、最大窒素レベルが0.02%であったときに定められた。前述のとおり、それぞれの式1および2は、0.125%の最小チタンおよび0.25%の最大チタンをもたらした。このような実施形態では、最大で0.025%の炭素を用い、式3を適用することは、最小および最大のチタンレベルについてそれぞれ0.25%および0.13%の最小コロンビウム含有量を必要とする。このようないくつかの実施形態では、コロンビウム濃度の目標は、0.25%である。
【0010】
ある実施形態では、約21%のCrおよび0.25%のMoからなるマトリックス中で0.40〜0.80%の銅レベルを維持して、市販の304L型で見られるものまで改善されていないとしても、匹敵したものである全体的な耐腐食性を達成できる。1つの例外は、強酸性の還元塩化物様塩酸(strongly acidic reducing chloride like hydrochloric acid)の存在下であり得る。銅添加合金は、硫酸中において改善された性能を示す。銅レベルが0.4〜0.8%に維持されると、アノード溶解速度が低下し、電気化学的破壊電位(electrochemical breakdown potential)が、中性の塩化物環境中で最大化される。いくつかの実施形態では、Cr、Mo、およびCuの、重量パーセントでの最適なレベルは、以下の2つの式を満たす:
式4:20.5≦Cr+3.3Mo
式5:Cu最大<0.80の場合、0.6≦Cu+Mo≦1.4
【0011】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.020重量%以下の量で炭素を含有し得る。
【0012】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.40重量%以下の量でマンガンを含有し得る。
【0013】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.030重量%以下の量でリンを含有し得る。
【0014】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.010重量%以下の量で硫黄を含有し得る。
【0015】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.30〜0.50重量%の量でケイ素を含有し得る。いくつかの実施形態は、約0.40%のケイ素を含有し得る。
【0016】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約20.0〜23.0重量%の量でクロムを含有し得る。いくつかの実施形態は、約21.5〜22重量%のクロムを含有してよく、いくつかの実施形態は、約21.75%のクロムを含有してよい。
【0017】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.40重量%以下の量でニッケルを含有し得る。
【0018】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.020重量%以下の量で窒素を含有し得る。
【0019】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.40〜0.80重量%の量で銅を含有し得る。いくつかの実施形態は、約0.45〜0.75重量%の銅を含有でき、いくつかの実施形態は、約0.60%の銅を含有し得る。
【0020】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.20〜0.60重量%の量でモリブデンを含有し得る。いくつかの実施形態は、約0.30〜0.5重量%のモリブデンを含有でき、いくつかの実施形態は、約0.40%のモリブデンを含有し得る。
【0021】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.10〜0.25重量%の量でチタンを含有し得る。いくつかの実施形態は、約0.17〜0.25重量%のチタンを含有でき、いくつかの実施形態は、約0.21%のチタンを含有し得る。
【0022】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.20〜0.30重量%の量でコロンビウムを含有し得る。いくつかの実施形態は、約0.25%のコロンビウムを含有し得る。
【0023】
フェライト系ステンレス鋼の実施形態は、約0.010重量%以下の量でアルミニウムを含有し得る。
【0024】
フェライト系ステンレス鋼は、米国特許第6,855,213号および5,868,875号に記載されるプロセスなど、フェライト系ステンレス鋼の製造に使用される当技術分野で既知のプロセス条件を用いて、製造される。
【0025】
いくつかの実施形態では、フェライト系ステンレス鋼は、熟考された付加物(deliberate additions)として作られるか、または残留元素、すなわち製鋼プロセスによる不純物、として存在することができる、製鋼分野で既知の他の元素を含むこともできる。
【0026】
フェライト系ステンレス鋼のための鉄溶融物(ferrous melt)が、アーク炉などの溶融炉内に提供される。この鉄溶融物は、固体鉄を含むスクラップ(solid iron bearing scrap)、炭素鋼スクラップ、ステンレス鋼スクラップ、酸化鉄、炭化鉄、直接還元鉄、ホットブリケット鉄(hot briquetted iron)を含む固体鉄含有材料から、溶融炉内で形成され得るか、または、溶融物は、鉄溶融物をもたらすことができる溶鉱炉または任意の他の鉄溶錬ユニットにおいて、溶融炉の上流で製造され得る。鉄溶融物は、次に、溶融炉内で精錬されるか、または、精錬容器、例えばアルゴン‐酸素‐脱炭容器もしくは真空‐酸素‐脱炭容器などに移され、その後に、とりべ冶金炉などのトリムステーションまたはワイヤ送りステーションなどが続く。
【0027】
いくつかの実施形態では、鋼は、十分なチタンおよび窒素を含有するが、鋳放しの等軸の粒組織を形成するための必要な核を提供するため小さな酸化チタン介在物を形成するための制御された量のアルミニウムを含有する、溶融物から鋳造され、この鋼から産生された、焼きなましされたシートも、強化されたリッジング特徴を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、チタンは、鋳造前に脱酸素するために溶融物に添加される。チタンによる溶融物の脱酸素により、小さな酸化チタン介在物が形成され、この介在物は、鋳放しの等軸の微細な粒組織をもたらす核を提供する。アルミナ介在物、すなわち酸化アルミニウム Alの形成を最小に抑えるために、アルミニウムは、脱酸素剤として、この精錬された溶融物に添加されなくてもよい。いくつかの実施形態では、チタンおよび窒素は、鋳造前に溶融物中に存在してよく、残留アルミニウムにより分割されるチタンおよび窒素の生成物の割合は、少なくとも約0.14である。
【0029】
鋼が安定化される場合、脱酸素に必要とされるよりも多い、十分な量のチタンが、溶融物内で炭素および窒素と組み合わせられるように添加され得るが、好ましくは、窒素での飽和に必要とされる量よりも少なく、すなわち下位平衡量(sub-equilibrium amount)であり、これにより、凝固前に大きな窒化チタン介在物が沈殿するのを回避するか、または少なくとも最小限に抑える。
【0030】
鋳鋼は、熱間加工されてシートになる。この開示では、用語「シート」は、連続したストリップ、または連続したストリップから形成された切断長さを含むよう意図されており、用語「熱間加工される(hot processed)」は、鋳放しの鋼が必要に応じて再加熱され、その後、熱間圧延などにより所定の厚さへと精錬されることを意味する。熱間圧延される場合、鋼スラブは、2000°F〜2350°F(1093℃〜1288℃)まで再加熱され、1500〜1800°F(816〜982℃)の仕上温度を用いて熱間圧延され、1000〜1400°F(538〜760℃)の温度で巻かれる。熱間圧延されたシートは、「ホットバンド」としても知られる。いくつかの実施形態では、ホットバンドは、1700〜2100°F(926〜1149℃)のピーク金属温度で焼きなましされ得る。いくつかの実施形態では、ホットバンドは、さび落としされ、少なくとも40%冷間圧下されて(cold reduced)、所望の最終シート厚さにすることができる。他の実施形態では、ホットバンドは、さび落としされ、少なくとも50%冷間圧下されて、所望の最終シート厚さにすることができる。その後、冷間圧下されたシートは、1700〜2100°F(927〜1149℃)のピーク金属温度で、最終焼きなましされ得る。
【0031】
フェライト系ステンレス鋼は、いくつかの方法で作られた熱間加工シートから、産生され得る。このシートは、2000°F〜2350°F(1093℃〜1288℃)まで再加熱され、その後、1〜7mm厚さの最初の熱間加工シートを提供するために熱間圧延される、50〜200mmの厚さの、鋳塊から形成されたスラブまたは連続鋳造スラブから産生されることができ、あるいは、このシートは、2〜26mmの厚さになるように連続的に鋳造されたストリップから熱間加工されてもよい。このプロセスは、連続鋳造スラブもしくは鋳塊から産生されたスラブが、かなりの再加熱の有無にかかわらず熱間圧延機に直接供給される方法により産生されたシート、またはさらなる再加熱の有無にかかわらずシートへと熱間圧延されるよう十分な温度のスラブに熱間圧下される鋳塊に適用可能である。
【0032】
〔実施例1〕
304L型オーステナイト系ステンレス鋼に匹敵する全体的な耐腐食性をもたらすフェライト系ステンレス鋼組成物を準備するため、一連の研究室の熱処理金属(laboratory heats)が、溶解され、局部腐食性に対する抵抗について分析された。
【0033】
第1組の熱処理金属は、空気溶融能力(air melt capabilities)を用いて、研究室で溶融された(laboratory melted)。この一連の空気溶融物の目的は、フェライト系マトリックスにおけるクロム、モリブデン、および銅の役割と、組成物の変化が304L型鋼の腐食挙動と比べてどうかということと、をよりよく理解することであった。この研究では、調査した空気溶融物に使用される実施形態の組成物が、以下のとおり表1に記載されている:
【表1】
【0034】
塩化第二鉄の浸漬および電気化学的評価の双方が、表1中の前述した化学物質(chemistries)すべてについて行われ、304L型鋼の性能と比較された。
【0035】
ASTM G48 Ferric Chloride Pitting Test Method Aに記載された方法に従って、検体が、50℃で6%の塩化第二鉄溶液に24時間曝露された後の、質量損失について評価された。この試験曝露は、酸性で強力に酸化する塩化物環境に曝露される間の、孔食に対する基本的な抵抗(basic resistance)を評価するものである。
【0036】
スクリーニング試験では、少ない銅添加を有する、高クロム含有フェライト系合金(higher chromium bearing ferritic alloys)が、一連のものの中で最も耐腐食性の組成物をもたらしたことが、示唆された。1%の最高銅含量を有する組成物は、その他の化学物質と同じようには機能しなかった。しかしながら、この挙動は、溶融プロセスによる、理想的とはいえない表面品質(less than ideal surface quality)の結果としてのものであってよい。
【0037】
不動態膜強度(passive film strength)および再不動態化挙動のより厳密な調査が、脱気され希薄な中性塩化物環境内における腐食挙動図(CBD)およびサイクル分極化の双方を含む電気化学的技術を用いて研究された。この組の空気溶融物で観察された電気化学的挙動は、約0.5%のCuおよび少量のMo添加の存在下にある間の、約21%のCrの組み合わせが、304L型鋼に対し、3つの主な改善を達成したことを示した。第一に、銅添加は、表面における初期アノード溶解速度を遅くするようであり、第二に、21%のCr化学物質中の銅および少量のモリブデンの存在が、強力な不動態膜形成を助けており、第三に、モリブデン、および高クロム含量が、再不動態化挙動の改善を支援していた。21Cr+残りのMo溶融化学物質中の銅のレベルは、1%のCuを加えることで、リターンの減少(diminished return)がもたらされる点で、「最適な」レベルを有しているようであった。これにより、塩化第二鉄孔食試験で観察された挙動が確認される。追加の溶融化学物質は、最良の全体的耐腐食性を達成するために、より純粋な鋼検体を作り出し、かつ最適な銅添加を決定することを期待して、真空溶融を受けた。
【0038】
〔実施例2〕
表2に記載する第2組の溶融化学物質は、真空溶融プロセスを受けた。この研究における組成物を以下に示す:
【表2】
【0039】
前述した熱処理金属は、主に、銅含量が変化した。表3に記載した組成物の、追加の真空熱処理金属(Additional vacuum heats)も、比較目的で溶融された。比較に使用された304L型鋼は、市販のシートであった。
【表3】
【0040】
表3の化学物質は、真空溶融されて鋳塊になり、2250°F(1232℃)で熱間圧延され、さび落としされて、60%冷間圧下された。冷間圧下された材料は、1825°F(996℃)で最終焼きなましされ、その後、最終さび落としされた。
【0041】
〔実施例3〕
(ID番号で識別される)実施例2の前述した真空溶融物に対して行われた比較研究は、塩酸、硫酸、次亜塩素酸ナトリウム、および酢酸中で、化学的浸漬試験された。
【0042】
1%の塩酸。図2に示すように、化学的浸漬の評価では、塩酸など、還元酸性塩化物環境におけるニッケルの有益な効果が示された。304L型鋼は、この環境内で研究されたすべての化学物質より性能が優れていた。クロムを添加した結果、全体的な腐食率が低下し、銅およびモリブデンの存在は、腐食率のさらなる低下を示しているが、銅のみの効果は、図2にFe21CrXCu0.25Moとして識別される線のグラフにより示されるように、最小であった。この挙動は、以下に記載するもののような使用条件について、ニッケル添加の恩恵を裏付ける。
【0043】
5%の硫酸。図3に示すように、硫酸塩が豊富な還元酸(reducing acid)からなる浸漬試験では、18〜21%のクロムレベルの合金が、同様の挙動であった。モリブデンおよび銅の添加により、全体的な腐食率が著しく低下した。(図3にFe21CrXCu0.25Moとして識別される線のグラフで示されるように)腐食率に対する銅単独の効果を評価すると、銅が多くなるほど腐食率が下がるという点で直接的な関係があるかのように見えた。0.75%の銅レベルでは、全体的な腐食率は、横ばいになり始め、304L鋼の2mm/yr以内であった。0.25%のレベルのモリブデンは、硫酸中の腐食率において、大きな役割を果たす傾向がある。しかしながら、腐食率の劇的な低下は、銅の存在によるものでもあった。実施例2の合金の腐食率は、304L型鋼より低くはなかったが、還元硫酸条件下では、改善された同等の耐腐食性を示した。
【0044】
酢酸および次亜塩素酸ナトリウム。酢酸および5%の次亜塩素酸ナトリウムからなる酸浸漬では、腐食挙動は、304L型鋼の腐食挙動に匹敵するものであった。腐食率は非常に低く、銅添加における適正な傾向(true trend)は、腐食挙動において観察されなかった。20%超のクロムレベルを有する実施例2の調査された全化学物質は、304L型鋼の1mm/yr以内であった。
【0045】
〔実施例4〕
腐食挙動図(CBD)および周期分極研究を含む電気化学的評価が行われ、304L型鋼の挙動と比較された。
【0046】
腐食挙動図は、3.5%の塩化ナトリウム中の実施例2の真空熱化学物質(vacuum heat chemistries)および市販の304L型について集められ、アノード溶解挙動に対する銅の影響が調べられた。アノード先端(anodic nose)は、不動態に到達する前に材料の表面において生じる電気化学的溶解を表わす。図4に示すように、少なくとも0.25%のモリブデンと最低でも約0.40%の銅との添加により、アノード溶解中の電流密度が、304L型鋼の測定値より下に低下する。アノード電流密度を304L型鋼で測定されたものより低く維持させる、最大限の銅添加は、図4にFe21CrXCu.25Moとして識別された線のグラフにより示すように、およそ0.85%になることも注目される。このことは、21%のCrおよび0.25%のモリブデンの存在下での、少量の制御された銅添加は、希薄塩化物中のアノード溶解速度を落とさないが、304L型鋼で示されるよりも遅い速度を維持するための最適量があることを示している。
【0047】
周期分極スキャンは、3.5%の塩化ナトリウム溶液中の実施例2の実験化学物質および市販の304L型鋼について集められた。これらの分極スキャンは、活性アノード溶解、不動態の領域、過不動態挙動の領域、および不動態の崩壊を通じたフェライト系ステンレス鋼のアノード挙動を示している。さらに、これらの分極スキャンの逆(reverse)は、再不動態化電位を識別する。
【0048】
前述した周期分極スキャンに表わされた破壊電位は、図5および図6に示すように文書化され、銅添加の影響があれば、それを測定するように評価される。破壊電位は、電流が崩壊した不動態層を通って一貫して流れ始め、かつ活発な穴模倣(active pit imitation)が起こっている電位であると判定された。
【0049】
アノード溶解速度と同様に、銅添加は、図5および図6にFe21CrXCu.25Moとして識別された線のグラフにより示されるように、不動態層を強化しているようであり、また、孔食発生に対する銅の恩恵を最大化するのに必要とされる最適量があることを示している。最大不動態層強度の範囲は、0.25%のモリブデンおよび21%のCrの存在下で、銅0.5〜0.75%であることが分かった。この挙動における傾向は、前述したアノード溶解の研究中に収集されたCBDから確認されたが、スキャン速度の差により、値は低くなった。
【0050】
実施例2の真空溶解された化学物質の再不動態化挙動を評価すると、21%のクロムレベル、および少しのモリブデン添加により、再不動態化反応が最大化され得ることが示された。図7および図8にFe21CrXCu.25Moとして識別される線のグラフにより示されるように、再不動態化電位に対する銅の関係は、銅レベルが増加すると不利益になるようであった。クロムレベルが約21%であり、少量のモリブデンが存在する限り、実施例の検査された化学物質は、図7および図8に示すように、304L型鋼より高い再不動態化電位を達成することができた。
【0051】
〔実施例5〕
表4で以下に記載する組成のフェライト系ステンレス鋼(ID92、実施例2)が、表4に記載する組成の304L型鋼と比較された:
【表4】
【0052】
2つの材料は、ASTM標準検査に従って検査されると、表5に記載した以下の機械的特性を示した:
【表5】
【0053】
実施例2の材料、ID92は、図9および図10に示すように、比較された304L型鋼よりも、高い電気化学抵抗、高い破壊電位、および高い再不動態化電位を示した。
【0054】
本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、さまざまな改変が本発明に対してなされ得ることが、理解されるであろう。したがって、本発明の制限は、請求項から判断されるべきである。
【0055】
〔実施の態様〕
(1) フェライト系ステンレス鋼において、
約0.020重量%以下の炭素と、
約20.0〜23.0重量%のクロムと、
約0.020重量%以下の窒素と、
約0.40〜0.80重量%の銅と、
約0.20〜0.60重量%のモリブデンと、
約0.10〜0.25重量%のチタンと、
約0.20〜0.30重量%のコロンビウムと、
を含む、フェライト系ステンレス鋼。
(2) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記クロムは、約21.5〜22重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(3) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記銅は、約0.45〜0.75重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(4) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記モリブデンは、約0.30〜0.50重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(5) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記チタンは、約0.17〜0.25重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【0056】
(6) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記クロムは、約21.75重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(7) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記銅は、約0.60重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(8) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記モリブデンは、約0.40重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(9) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記チタンは、約0.21重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
(10) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
前記コロンビウムは、約0.25重量%の量で存在する、フェライト系ステンレス鋼。
【0057】
(11) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.40重量%以下のマンガンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
(12) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.030重量%以下のリンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
(13) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.30〜0.50重量%のケイ素をさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
(14) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.40重量%以下のニッケルをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
(15) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.30〜0.50重量%のマンガンをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
【0058】
(16) 実施態様1に記載のフェライト系ステンレス鋼において、
約0.10重量%以下のアルミニウムをさらに含む、フェライト系ステンレス鋼。
(17) フェライト系ステンレス鋼を製造する方法において、
クロム、銅、モリブデン、チタン、コロンビウム、および炭素を含む、フェライト鋼溶融物を提供する工程と、
式1および2を満たすようにクロム、銅、およびモリブデンの濃度を決定する工程であって、
式1は20.5≦Cr+3.3Mo、であり、
式中、Crは、重量パーセントによるクロムの濃度であり、Moは、重量パーセントによるモリブデンの濃度であり、
式2は、Cu最大<0.80の場合に0.6≦Cu+Mo≦1.4、であり、
式中、Cuは、重量パーセントによる銅の濃度であり、Moは、重量パーセントによるモリブデンの濃度であり、Cu最大は、重量パーセントによる銅の最大量である、工程と、
以下の式3、4、5を用いてチタン、コロンビウム、および炭素の濃度を決定する工程であって、
式3は、Ti最大=0.0044(N-1.027)、であり、
式中、Ti最大は、重量パーセントによるチタンの最大濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度であり、
式4は、Ti最小=0.0025/N、であり、
式中、Ti最小は、重量パーセントによるチタンの最小濃度であり、Nは、重量パーセントによる窒素の濃度であり、
式5は、Ti+Cb最小=0.2%+4(C+N)、であり、
式中、Tiは、重量パーセントによるチタンの量であり、Cb最小は、重量パーセントによるコロンビウムの最小量であり、Cは、重量パーセントによる炭素の量であり、Nは、重量パーセントによる窒素の量である、工程と、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】等温のチタンおよび窒素の位相図である。
図2】1%の塩酸を50℃で24時間浸漬した結果を表わすグラフである。
図3】5%の硫酸を50℃で24時間浸漬した結果を表わすグラフである。
図4】アノード溶解中の電流密度を示すグラフである。
図5】周期分極スキャンに表わされた破壊電位をグラフ化したものである。
図6】周期分極スキャンに表わされた破壊電位をグラフ化したものである。
図7】再不動態化電位のグラフである。
図8】再不動態化電位のグラフである。
図9】3.5%の塩化ナトリウム中の定電位挙動を表わすグラフである。
図10】3.5%の塩化ナトリウム中の動電位挙動を表わすグラフである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】