(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-518269(P2015-518269A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】無線電力伝送システムの巻線配置
(51)【国際特許分類】
H01F 38/14 20060101AFI20150529BHJP
H02J 17/00 20060101ALI20150529BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20150529BHJP
B60L 11/18 20060101ALN20150529BHJP
B60L 5/00 20060101ALN20150529BHJP
B60M 7/00 20060101ALN20150529BHJP
【FI】
H01F23/00 B
H02J17/00 B
H01F27/28 K
B60L11/18 C
B60L5/00 B
B60M7/00 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-501612(P2015-501612)
(86)(22)【出願日】2013年3月20日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】NZ2013000046
(87)【国際公開番号】WO2013141718
(87)【国際公開日】20130926
(31)【優先権主張番号】61/613,420
(32)【優先日】2012年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】504448092
【氏名又は名称】オークランド ユニサービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AUCKLAND UNISERVICES LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】514152141
【氏名又は名称】コビック,グラント,アンソニー
【氏名又は名称原語表記】COVIC,Grant,Anthony
(71)【出願人】
【識別番号】514152152
【氏名又は名称】ボーイズ,ジョン,タルボット
【氏名又は名称原語表記】BOYS,John,Talbot
(71)【出願人】
【識別番号】514240862
【氏名又は名称】キーリング,ニコラス アソール
【氏名又は名称原語表記】KEELING,Nicholas Athol
(71)【出願人】
【識別番号】514240840
【氏名又は名称】ヴァン ボヒーメン,エドワード
【氏名又は名称原語表記】VAN BOHEEMEN,Edward
(71)【出願人】
【識別番号】514240851
【氏名又は名称】キッシン,マイケル ルガレ
【氏名又は名称原語表記】KISSIN,Michael Le Gallais
(71)【出願人】
【識別番号】514240873
【氏名又は名称】ビーバー,ジョナサン
【氏名又は名称原語表記】BEAVER,Jonathan
(71)【出願人】
【識別番号】514240909
【氏名又は名称】ブディア,マイケル バイピン
【氏名又は名称原語表記】BUDHIA,Mickel Bipin
(71)【出願人】
【識別番号】514240910
【氏名又は名称】ハン,チャン−ユ
【氏名又は名称原語表記】HUANG,Chang−Yu
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 正威
(72)【発明者】
【氏名】コビック,グラント アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ボーイズ,ジョン タルボット
(72)【発明者】
【氏名】キーリング,ニコラス アソール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボヒーメン,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】キッシン,マイケル ルガレ
(72)【発明者】
【氏名】ビーバー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ブディア,マイケル バイピン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チャン−ユ
【テーマコード(参考)】
5E043
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC07
5H105CC19
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125FF15
(57)【要約】
無線電力伝送、特に電気車両などの遠隔システムへの無線電力伝送のためのシステム、方法、および装置が開示される。一つの態様において、1本以上の導電性材料から形成される複数の実質的に同一平面上のコイルを備える誘導コイルが提供され、それぞれの導電性材料が、それぞれの端部で電源またはバッテリに電気的に接続可能であり、導電性材料のうちの少なくとも1本は、コイルのうちの2つ以上に連続的に巻かれる。別の態様において、かかる誘導コイルを形成するための方法が提供される。さらに別の態様において、切り替えデバイスは、コイルの構成を、例えば別の誘導コイルまたはこれに結合されるデバイスの検知された特性に応じて変更するように動作可能である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力を送信または受信するための装置であって、
複数の実質的に同一平面上のコイルを備え、
前記複数のコイルが、1本以上の導電性材料を備え、それぞれの導電性材料がそれぞれの端部で電源またはバッテリに電気的に接続可能であり、
前記複数のコイルが、前記導電性材料の中の電流が、隣接するコイルの隣接する部分において同一の方向に流れるように巻かれ、
前記コイルのうちの2つ以上が、前記導電性材料のうちの同一の少なくとも1本から構成される、装置。
【請求項2】
それぞれのコイルが、前記導電性材料のそれぞれのらせん巻きを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
それぞれの導電性材料が、前記コイルのすべてを構成するように連続的に巻かれる、請求項1または2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
それぞれの導電性材料が、
前記コイルのうちの1つの最内部の巻きを形成する、第1の端部と、
前記コイルのうちの別のものの最内部の巻きを形成する、第2の端部と、を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
それぞれの導電性材料が、
前記コイルのうちの1つの最内部の巻きを形成する、第1の端部と、
前記コイルのうちの別のものの最外部の巻きを形成する、第2の端部と、を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
それぞれの導電性材料が、
前記コイルのうちの1つの最外部の巻きを形成する、第1の端部と、
前記コイルのうちの別のものの最外部の巻きを形成する、第2の端部と、を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のコイルは、2本以上の導電性材料を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記2本以上の導電性材料は、平行配列に配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記2本以上の導電性材料のうちの任意の数の導電性材料を、前記電源またはバッテリに並列に接続するように動作可能な切り替えデバイスをさらに備える、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記2本以上の導電性材料のうちの任意の数の導電性材料を、一緒に直列に接続するように動作可能な切り替えデバイスをさらに備える、請求項7または8に記載の装置。
【請求項11】
前記切り替えデバイスと通信する受信機であって、信号を受信し、かつ前記受信された信号に基づいて前記切り替えデバイスを動作させるように動作可能な、受信機をさらに備える、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数のコイルと磁気的に関連付けられる1つ以上の透磁性部材をさらに備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記導電性材料のうちの1本以上がリッツ線を備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
無線電力を送信または受信するための装置を形成するための方法であって、
1本以上の導電性材料を、連続パス中で巻くことにより、複数の実質的に同一平面上のコイルを形成するとともに、前記コイルのうちの2つ以上が、前記導電性材料のうちの同一の少なくとも1本から構成されるようにすることを含む、方法。
【請求項15】
前記方法が、前記最内部の巻きから前記最外部の巻きへ第1のコイルを巻くことと、
前記最外部の巻きから前記最内部の巻きへ第2のコイルを巻くことと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法が、前記最内部の巻きから前記最外部の巻きへ第1のコイルを巻くことと、
前記最内部の巻きから前記最外部の巻きへ第2のコイルを巻くことと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記最外部の巻きから前記最内部の巻きへ第1のコイルを巻くことと、
前記最内部の巻きから前記最外部の巻きへ第2のコイルを巻くことと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記コイルと磁気的に関連付けられる1つ以上の透磁性部材を提供することをさらに含む、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
無線電力伝送システムにおいて第1の誘導コイルを動作させるための方法であって、
前記第1の誘導コイルが電力伝送を一緒に行うことができる第2の誘導コイルから、前記第2の誘導コイルまたは前記第2の誘導コイルが取り付けられるデバイスの特性を備える信号を受信することと、
前記第2の誘導コイルの前記特性と、前記第1の誘導コイルと第2の誘導コイルとの間の所望の電力伝送とに基づいて前記第1の誘導コイルの構成を選択することと、
前記第1の誘導コイルの前記構成を、前記選択された構成に基づいて変更することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記第1の誘導コイルの構成を変更するステップは、前記第1の誘導コイルの2本以上の導電性材料を、互いと、電源と、および/または、バッテリと、並列および/または直列に接続すること、を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は概して無線電力伝送に関し、より具体的には、バッテリを含む車両などの遠隔システムへの無線電力伝送に関連するデバイス、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、無線電力伝送システム、特に誘導電力伝送(IPT)システムにおいて用いられる誘導コイルのための巻線配置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリなどのエネルギー貯蔵デバイスから受け取られた電気に由来する移動動力を含む車両などの遠隔システムが導入されてきた。例えば、車両のブレーキからの動力および従来のモータを用いて車両を充電する搭載型充電器を含むハイブリッド電気車両である。電力のみで動く車両は、バッテリを充電するための電力を概して他の供給源から受け取る。バッテリ電気車両(電気車両)にはしばしば、家庭用または業務用AC供給源などの一種の有線交流電流(AC)を通じて充電することが提案される。有線充電接続は、電源に物理的に接続されるケーブルまたは他の類似のコネクタを必要とする。ケーブルおよび類似のコネクタは、時々不便または煩雑であり得、また他の欠点を有する。電気車両を充電するために用いられる、自由空間(例えば、無線フィールドを介して)において電力を伝送する能力を持つ無線充電システムは、有線充電の解決策の欠陥のうちのいくつかを克服し得る。そのため、電気車両を充電するために、電力を効率的かつ安全に伝送する無線充電システムおよび方法が望ましい。
【0003】
無線電力伝送の1つのシステムが誘導電力伝送(IPT)である。IPTにおいて、電力は1次電力デバイスから2次(または「ピックアップ」)電力デバイスへと伝送される。典型的に、それぞれのデバイスが一般的にコイルと称される線などの1つ以上の電流搬送媒体を含む。
【0004】
WO 2008/140333は、1次および2次デバイスが円形または楕円形の形状である一重のコイルを備えるIPTシステムを開示する。この配置の不利益は、シールディングが用いられた場合でさえも、コイルからの磁束の漏れと、それゆえの電力伝送効率の低さ、およびコイル間の電力伝送の大幅な減少が観察される前の、1次コイルと2次コイルとの間の最適な整列から離れた耐性不足を含む。電気車両の操作性は、ピックアップコイルと1次コイルとの間の高度な整列の達成のしやすさを制限する場合があり、よってより大きい耐性が所望される。
【0005】
WO 2011/016736は、電気車両に電力を供給するためのIPTシステムであって、典型的に地上に位置付けられるベース(通常は1次)コイルは、フェライトなどの高透磁率材料から形成される磁心の上部に位置付けられる2つの別個の同一平面上のコイルから成るシステムを開示する。この配置において、コイルを貫通する磁心を通る直線パスは存在しない。そのため、コイルはコイルの上方の「磁束パイプ」つまり高磁束集中域の形で、これらの間の磁束アークの極領域および極線としての機能を果たす。好都合なことに、この配置は磁心側のコイルの下方の磁束漏れを少なくすることにつながる。しかしながら、2つの別個のコイルを用いることによる1つの問題は、それぞれのコイルのインダクタンスが、ピックアップコイルの異なる位置とともに、もう一方に関連して変化する場合があることである。2つのベースコイルが並列に駆動するとき、これは不均衡な電流分布をもたらす場合があり、これは電力供給プロファイルおよび磁場に悪影響を及ぼす。2つのベースコイル間のシステムおよび相互インダクタンスの誤同調の増加により非効率性も起こり得る。
【0006】
概してIPTシステムについて、1次コイルが低インダクタンスを有することが望ましい。高インダクタンスを持つコイルは、コイル端子にわたり大きい電圧が必要とされるため、高周波数で駆動することが難しい。加えて、低インダクタンスを持つ、十分に大きい物理的面積を有する誘導コイルを、同時に誘導コイルを物理的に細く保ちながら、電気車両を充電する能力を持つように形成することは難しい。物理的に細いコイルは、目立たず、ベースまたは1次コイルが地表に位置付けられ、ピックアップ誘導コイルをベースコイルの上に位置付けることによって車両が充電される電気車両のための無線電力伝送システムにおいて好都合である。これは、他のものが地表面に埋設される場合がある一方で、いくつかのベースコイルは地表面の上に位置付けられる場合があるからである。これらの2つの状況において、ベースコイルが細いほど、ベースコイルとピックアップコイルとの間の空隙の相対的差異が小さくなる。ベースコイルインダクタンスは、最適な充電のために、予測されるコイル分離距離に同調され得る。その結果、細いベースコイルは、地上と比較してベースコイルの異なる設置に対するより大きい耐性を意味する。
【0007】
典型的なベースコイルは、相補的特徴とともに設計されたピックアップコイルに接続されるバッテリの最適な充電を確実にするために、特定のインダクタンスで、および規定の周波数およびコイル電流で動作するように設計される。ベースコイルと次最適に適合するピックアップコイルを充電しようと試みることは、遅い充電時間、エネルギー浪費、または構成要素の加熱につながる場合がある。しかしながら、異なる種類またはモデルの車両は、異なるピックアップコイルまたはバッテリを有し得る。そのため、無線充電システムのベース充電器が、異なる特徴の車両を効率の低下を最小限に抑えて充電することができるということが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
添付の特許請求の範囲内のシステム、方法、およびデバイスの種々の実施例はそれぞれ、いくつもの態様を有し、そのいずれも本明細書に記載の望ましい特質について全責任を負うものではない。添付の特許請求の範囲を制限することなく、いくつかの顕著な特徴が本明細書に記載される。
【0009】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実装の詳細が、添付の図面および以下の記述に記載される。他の特徴、態様、および長所は、記述、図面、および特許請求の範囲から明白となるであろう。下記の図は正確な縮尺率で描画されているとは限らないことに留意されたい。
【0010】
本開示の一態様は、無線電力を送信または受信するための装置を提供する。本装置は、複数の実質的に同一平面上のコイルを備え得る。複数のコイルは、1本以上の導電性材料から形成され得、それぞれの導電性材料は、それぞれの端部で電源またはバッテリに電気的に接続可能であり、コイルのうちの2つ以上が、導電性材料のうちの同一の少なくとも1本を備え得る。
【0011】
関連する態様において、本開示は、無線電力を送信または受信するための装置を形成するための方法を提供する。本方法は、1本以上の導電性材料を、複数の実質的に同一平面上のコイルを形成するために、連続パスに巻くことであって、1本以上の導電性材料のうちの少なくとも1つが2つ以上のコイルに連続的に巻かれる、巻くことを備え得る。
【0012】
本開示の別の態様は、無線電力伝送システムにおいて第1の誘導コイルを動作させる方法を提供する。本方法は、第2の誘導コイルであって、これにより第1の誘導コイルが電力を伝送する、第2の誘導コイルから信号を受信することを含み得、信号は、第2の誘導コイルまたは第2の誘導コイルが取り付けられるデバイスの特性を備える。本方法は、第2の誘導コイルの特性および第1の誘導コイルと第2の誘導コイルとの間に所望される電力伝送に基づいて、第1の誘導コイルの構成を選択することをさらに含み得る。本方法はまた、第1の誘導コイルの構成を、それに応じて変更することをも含み得る。
【0013】
全てが新規の態様と考慮されるべき本発明のさらなる態様が、以下の記述から明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の例示的実施形態に従う、電気車両を充電するための例示的な無線電力伝送システムの図である。
【0015】
【
図2】
図1の無線電力伝送システムの例示的な中核的構成要素の概略図である。
【0016】
【
図3】本発明の一実施形態に従う、誘導コイルにおいて用いられる、1本の導電性材料の巻線配置の略図である。
【0017】
【
図4】本発明の別の実施形態に従う、誘導コイルにおいて用いられる、1本の導電性材料の巻線配置の略図である。
【0018】
【
図5】本発明のまた別の実施形態に従う、誘導コイルにおいて用いられる、1本の導電性材料の巻線配置の略図である。
【0019】
【
図6】本発明のさらなる実施形態に従う、2本の線の巻線配置の略図である。
【0020】
【
図7】本発明のさらなる実施形態に従う、3本の線の巻線配置の略図である。
【0021】
【
図8】本発明の一実施形態に従う、誘導コイルの例示的な構成要素の略図である。
【0022】
【
図9】本発明の別の実施形態に従う、3本の導電性材料の巻線配置の略図である。
【0023】
図面に図示される種々の特徴は、正確な縮尺率で描画されているとは限らない。したがって、種々の特徴の寸法は、明確にするために適宜拡大または縮小されている場合がある。加えて、図面のうちのいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを描写しているとは限らない。最後に、本明細書および図面の全体にわたり、類似する機能を表すために類似する参照番号が用いられ得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面と合わせて以下に記載される詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の説明として意図されるものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示すように意図されるものではない。本明細書の全体にわたり用いられる「例示的な」という用語は、「例、事例、または実例としての役割を果たす」という意味であり、必ずしもいかなる他の実施形態よりも好ましいまたは好都合であると解釈されるとは限らない。詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の十分な理解を提供するという目的のために、特定の詳細を含む。いくつかの事例において、いくつかのデバイスがブロック図の形式で示される。
【0025】
電力を無線で伝送することは、物理的な導電体を使用することなく(例えば、電力が自由空間を通じて伝送され得る)電場、磁場、電磁場に関連付けられる、または別様に送信機から受信機への任意の形式のエネルギーを伝送することに関連し得る。無線フィールド(例えば、磁場)への電力出力は、電力伝送を達成するための「アンテナ」または「コイル」などの受信用電力伝送構造によって受信され、捕捉され、または結合され得る。「コイル」という用語は、別の「コイル」に結合するためのエネルギーを無線で出力または受信し得る構成要素を指すことが意図される。コイルはまた、電力を無線で出力または受信するように構成される種類の「アンテナ」とも称され得る。ループ(例えば、マルチターンループ)アンテナは、空心またはフェライト磁心などの物理的磁心を含むように構成され得る。空心ループアンテナは、他の構成要素を磁心エリア内に設置することを可能にし得る。強磁性体または強磁性体材料を含む物理的磁心アンテナは、より強い電磁場および改善された結合の開発を可能にし得る。
【0026】
「コイル」という用語は、電気的に導電性である材料の任意の巻線配置の意味、および一重の中心点の周りを回るいくつものターンの導電性材料を有する局在の巻線配置の意味の両方の意味で用いられ得る。本明細書に記載の「コイル」は、一重のコイルまたはいくつもの「コイル」を備え得る。
【0027】
本明細書において、電気車両は、遠隔システムを説明するために用いられ、その例は、その移動能力の一部として、充電可能なエネルギー貯蔵デバイス(例えば、1つ以上の再充電可能な電気化学セルまたは他の種類のバッテリ)に由来する電気出力を含む車両である。非制限例として、いくつかの電気車両は、電力モータの他に、直接移動のため、または車両のバッテリを充電するために、従来の燃焼機関を含むハイブリッド電気車両であり得る。他の電気車両は、すべての移動能力を電気出力から引き出し得る。電気車両は自動車に制限されず、オートバイ、カート、スクーター、および同等物を含み得る。制限ではなく例を目的として、電気車両(EV)の形式の遠隔システムが本明細書に記載される。その上、充電可能なエネルギー貯蔵デバイスを用いて少なくとも部分的に電力供給され得る他の遠隔システムもまた企図される(例えば、パーソナルコンピューティングデバイスおよび同等物などの電子デバイス)。
【0028】
図1は、本発明の例示的実施形態に従う電気車両112を充電するための例示的な無線電力伝送システム100の図である。無線電力伝送システム100は、電気車両112がベース無線充電システム102aの近くに駐車されている間の電気車両112の充電を可能にする。2つの電気車両の間隔は、対応するベース無線充電システム102aおよび102bの上に駐車される駐車場の中に図示されている。いくつかの実施形態において、ローカル分配センター130が電力基幹132に接続され、かつ電力リンク110を通じてベース無線充電システム102aへと交流電流(AC)または直流(DC)の供給を提供するように構成され得る。ベース無線充電システム102aはまた、電力を無線で伝送または受信するためのベースシステム誘導コイル104aを含む。電気車両112は、バッテリユニット118、電気車両誘導コイル116、および電気車両無線充電システム114を含み得る。電気車両誘導コイル116は、例えば、ベースシステム誘導コイル104aによって生成される電磁場の領域を介してベースシステム誘導コイル104aとやりとりし得る。
【0029】
いくつかの例示的実施形態において、電気車両誘導コイル116は、電気車両誘導コイル116がベースシステム誘導コイル104aによって産生されるエネルギー場に位置するときに、電力を受信し得る。この場は、ベースシステム誘導コイル104aによるエネルギー出力が電気車両誘導コイル116によって捕捉され得る領域に相当する。いくつかの場合、この場は、ベースシステム誘導コイル104aの「近接場」に相当し得る。近接場は、ベースシステム誘導コイル104aから離して電力を放射しないベースシステム誘導コイル104aにおける電流および電荷に起因する、強い反応場が存在する領域に相当し得る。いくつかの場合、以下にさらに記載されるように、近接場は、約1/2π内の波長のベースシステム誘導コイル104a(および電気車両誘導コイル116についてはその逆)の領域に相当し得る。
【0030】
ローカル分配130は、通信バックホール134を介して外部供給源(例えば、送電網)と、および通信リンク108を介してベース無線充電システム102aと通信するように構成され得る。
【0031】
ベース無線充電システム102aは、種々の場所に位置し得る。非制限例として、いくつかの適切な場所は、電気車両112の所有者の自宅の駐車区域、石油をベースとする給油所にならって作られる電気車両無線充電のために留保される駐車区域、並びにショッピングセンターおよび勤務先などの他の場所の駐車場を含む。
【0032】
電気車両を無線で充電することは、多数の利益を提供し得る。例えば、運転者の介在および操作を事実上要さずに充電が自動的に実施され得、よってユーザに対する利便性を向上する。露出した電気接点および機械の摩耗がないことも可能であり得るため、無線電力伝送システム100の信頼性を向上する。ケーブルおよびコネクタによる操作が回避されることができ、また屋外環境において湿気または水に曝露し得るケーブル、プラグ、またはソケットの存在がなくなり得、よって安全性が向上する。目に見える、または接近できるソケット、ケーブル、またはプラグもまたなくなり得、よって電力充電デバイスの潜在的な破壊行為が低減される。さらに、電気車両112は送電網を安定化させるための分散ストレージデバイスとして用いられ得るため、車両のビークルツーグリッド(V2G)運用についての能力を増大させるために、グリッドへのドッキングという解決法が用いられ得る。
【0033】
無線電力伝送システム100は、
図1を参照して記載されるように、審美的および非妨害的な利点をも提供し得る。例えば、車両および/または歩行者にとって妨害となり得る充電用の柱およびケーブルが存在しない場合があり得る。
【0034】
ビークルツーグリッド能力のさらなる説明として、無線電力送受信能力は、例えば、エネルギー不足の時に、ベース無線充電システム102aが電気車両112に電力を伝送し、電気車両112がベース無線充電システム102aに電力を伝送するように、互恵的であるように構成され得る。この能力は、需要過多または再生可能なエネルギー生産不足(例えば、風力または太陽光)に起因するエネルギー不足の場合に、電気車両が全体の分配システムに電力を供することを可能にすることにより、電力分配グリッドを安定化させるために有用であり得る。
【0035】
図2は、
図1の無線電力伝送システム100の例示的な主要な構成要素の回路図である。
図2に示されるように、無線電力伝送システム200は、インダクタンスL
1を有するベースシステム誘導コイル204を含むベースシステム送信回路206を含み得る。無線電力伝送システム200は、インダクタンスL
2を有する電気車両誘導コイル216を含む電気車両受信回路222をさらに含む。本明細書に記載の実施形態は、一次および二次の両方が共通の共振周波数に同調されている場合、一次構造(送信機)から二次構造(受信機)へのエネルギーを、近傍磁界または近傍電磁界を介して効率的に結合する共振構造を形成する、容量的に装荷されたワイヤループ(すなわち、マルチターンコイル)を用い得る。
【0036】
共振周波数は、上述のように、誘導コイル(例えば、ベースシステム誘導コイル204)を含む送信回路のインダクタンスおよびキャパシタンスに基づき得る。
図2に示されるように、インダクタンスは概して、誘導コイルのインダクタンスであり得、一方、キャパシタンスは誘導コイルに追加されて所望される共振周波数で共振構造を作り得る。非制限的な例として、
図2に示されるように、電磁場を生成する共振回路(例えば、ベースシステム送信回路206)を作るために、コンデンサが誘導コイルと直列に追加され得、これは直列同調共振回路と称され得る。したがって、より大きい直径の誘導コイルについて、共振を誘発するためのキャパシタンスの値は、コイルの直径またはインダクタンスが増大するにつれて低下し得る。インダクタンスはまた、誘導コイルのターンの数に依存し得る。その上、誘導コイルの直径が大きくなるにつれて、近似場の効率的エネルギー伝送領域が大きくなり得る。他の共振回路が可能である。別の非制限的な例として、誘導コイル(例えば、代替的に並列同調共振回路と称される並列共振回路)の2つの端子間にコンデンサが設置され得る。その上、誘導コイルは、誘導コイルの共振を向上させるために、高い線質(Q)係数を有するように設計され得る。
【0037】
電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204にはコイルが用いられ得る。エネルギーの結合に共振構造を用いることは、「磁気結合共振」、「電磁結合共振」、および/または「共振誘導」と称され得る。無線電力伝送システム200の動作は、ベース無線電力充電システム202から電気車両112への電力伝送に基づいて記載されるが、これに制限されない。例えば、上述したように、電気車両112はベース無線充電システム102aに電力を伝送し得る。
【0038】
図2を参照して、電源208(例えば、ACまたはDC)は、電気車両112にエネルギーを伝送するために、電力P
SDCをベース無線電力充電システム202に供給する。ベース無線電力充電システム202は、ベース充電システム電力変換器236を含む。ベース充電システム電力変換器236は、標準的な主AC電力からの電力を適切な電圧レベルでDC電力に変換するように構成されるAC/DC変換器、およびDC電力を動作周波数で無線高電力伝送に適した電力に変換するように構成されるDC/低周波(LF)変換器などの回路を含み得る。ベース充電システム電力変換器236は、所望される周波数で電磁場を放出するためのベースシステム誘導コイル204を持つ、直列または並列構成またはそれらの組み合わせのリアクタンス性同調構成要素から成り得るベース充電システム同調回路205を含むベースシステム送信回路206に電力P
1を供給する。一実施形態において、コンデンサは、所望される周波数で共振するベースシステム誘導コイル204を持つ共振回路を形成するために提供され得る。
【0039】
ベースシステム誘導コイル204を含むベースシステム送信回路206、および電気車両誘導コイル216を含む電気車両受信回路222は、実質的に同一の周波数に同調され得、かつベースシステム誘導コイル204および電気車両誘導コイル216のうちの1つによって送信される電磁場の近接場内に位置付けられ得る。この場合、ベースシステム誘導コイル204および電気車両誘導コイル216は、電気車両充電システム同調回路221および電気車両誘導コイル216を含む電気車両受信回路222に電力が送信され得るように、互いに結合され得る。電気車両充電システム同調回路221は、所望される周波数で共振する電気車両誘導コイル216に共振回路を形成するために提供され得る。コイル分離で生じる相互結合係数は、略図の中においてk(d)で表される。等価抵抗R
eq,1およびR
eq,2は、誘導コイル204および216に固有であり得る損失およびいくつかの実施形態においてベース充電システム同調回路205および電気車両充電システム同調回路221に各々提供され得る任意の非リアクタンスコンデンサを表す。電気車両誘導コイル216および電気車両充電システム同調回路221を含む電気車両受信回路222は、電力P
2を受信し、この電力P
2を電気車両充電システム214の電気車両電力変換器238に提供する。
【0040】
電気車両電力変換器238は、動作周波数での電力を電気車両バッテリユニット218の電圧レベルに一致された電圧レベルでのDC電力に戻して変換するように構成されるLF/DC変換器をとりわけ含み得る。電気車両電力変換器238は、電気車両バッテリユニット218を充電するための変換された電力P
LDCを提供し得る。電源208、ベース充電システム電力変換器236、およびベースシステム誘導コイル204は固定であり得、上述したように種々の場所に設置され得る。バッテリユニット218、電気車両電力変換器238、および電気車両誘導コイル216が、電気車両112の一部、またはバッテリパック(図示せず)の一部である電気車両充電システム214に含まれ得る。電気車両充電システム214はまた、電力をグリッドに返すように、電気車両誘導コイル216を通じてベース無線電力充電システム202に電力を無線で提供するように構成され得る。電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204のそれぞれは、動作モードに基づいて、送信または受信誘導コイルとして機能し得る。
【0041】
さらに、電気車両充電システム214は、電気車両誘導コイル216を電気車両電力変換器238に選択的に接続および接続解除するためのスイッチング回路(図示せず)を含み得る。電気車両誘導コイル216を接続解除することは、充電を一時中断し得、また「負荷」をベース無線充電システム102a(送信機として動作する)によって「見られた」ように調整し得、これは電気車両充電システム214(受信機として動作する)をベース無線充電システム202から接続解除するために用いられ得る。負荷変動は、送信機が負荷検出回路を含む場合に検知され得る。したがって、ベース無線充電システム202などの送信機は、電気車両充電システム114などの受信機がいつベースシステム誘導コイル204の近接場に存在するのかを判断するための機構を有し得る。
【0042】
上述したように、動作中、エネルギー伝送が車両またはバッテリへと向かうと仮定すると、ベースシステム誘導コイル204がエネルギー伝送を供給するための場を生成するように、入力電力が電源208から供給される。電気車両誘導コイル216は、放射された場に結合し、電気車両112による貯蔵または消費のための出力電力を生成する。上述したように、いくつかの実施形態において、ベースシステム誘導コイル204および電気車両誘導コイル116は、電気車両誘導コイル216の共振周波数およびベースシステム誘導コイル204の共振周波数が非常に近いかまたは実質的に同一であるように、相互共振関係に従って構成される。ベース無線電力充電システム202と電気車両充電システム214との間の伝送損失は、電気車両誘導コイル216がベースシステム誘導コイル204の近接場に位置する場合減少されることができる。
【0043】
述べたように、効率的なエネルギー伝送は、電磁波におけるほとんどのエネルギーを非近接場に伝播させるよりはむしろ、送信誘導コイルの近接場におけるエネルギーの大部分を受信誘導コイルに結合させることによって起きる。近接場において、結合モードは送信誘導コイルと受信誘導コイルとの間に確立され得る。この近接場結合が起き得る誘導コイル周辺地帯は、本明細書において近接場結合モード領域と称される。
【0044】
開示される実施形態の全体において記載されるような電気車両誘導コイル216およびベースシステム誘導コイル204は、「ループ」アンテナ、より具体的にはマルチターンループアンテナと称されるか、またはそのように構成され得る。誘導コイル204および216もまた、本明細書において「磁気」アンテナと称されるか、またはそのように構成され得る。「コイル」という用語は、別の「コイル」と結合するために、エネルギーを無線で出力または受信し得る構成要素を示すことを意図する。コイルはまた、無線で電力を出力または受信するように構成される種類の「アンテナ」とも称され得る。ループ(例えば、マルチターンループ)アンテナは、フェライト磁心などの空心または物理的磁心を含むように構成され得る。空心ループアンテナは、磁心区域内に他の構成要素を設置することを可能にし得る。強磁性体または強磁性体材料を含む物理的磁心アンテナは、より強い電磁場および改善された結合の開発を可能にし得る。
【0045】
上述したように、送信機と受信機との間のエネルギーの効率的な伝送は、送信機と受信機との間の一致するまたはほぼ一致する共振の間に起きる。しかしながら、送信機と受信機との間の共振が一致していないときでさえも、エネルギーはより低い効率で伝送され得る。エネルギーの伝送は、送信誘導コイルの近接場からのエネルギーを、送信誘導コイルから自由空間へと伝播させるよりはむしろ、この近接場が確立される領域(例えば、共振周波数の既定の周波数範囲内、または近接場領域の既定の距離内)の中に存在する受信誘導コイルに結合することによって起きる。
【0046】
図1を参照して、上述の充電システムは、電気車両112を充電するための、または電力を送電網に伝送し返すためのさまざまな場所で用いられ得る。例えば、電力の伝送は、駐車場環境において起こり得る。「駐車区域」は本明細書において「駐車場所」とも称され得ることに留意されたい。車両無線電力伝送システム100の効率を高めるため、電気車両112は電気車両112内の電気車両誘導コイル116が関連付けられる駐車区域内のベース無線充電システム102aと適切に整列することを可能にするため、X方向およびY方向に沿って整列され得る。
【0047】
上述のように、電気車両充電システム114は、ベース無線充電システム102aから電力を送受信するために、電気車両112の下側に設置され得る。例えば、電気車両誘導コイル116が車両の中心位置近くの車体下部の中に統合され得、EM曝露について最大の安全距離を提供し、かつ電気車両の前向きおよび後ろ向きの駐車を可能にする。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態に従い、誘導コイルは、複数の個別のコイルに巻かれた複数の導電性材料を備える。例えば、
図3は、本発明の一実施形態に従う誘導コイルにおいて用いられる、1本の導電性材料301の巻線配置300の略図である。導電性材料301は、電気的に導電性である媒体から形成される任意の適切な材料であり得、線および同等物を含み得る。一実施形態において、導電性材料301は、交流電流を通すときに表皮効果および近接効果を低減する好都合な特性のためにリッツ線を備える。「1本の導電性材料」は、より長い長さが単一の長さの導電性材料としての機能を果たすような方途で一緒に接続される、1つ以上のより短い長さの導電性材料から形成される。例えば、複数の線は、巻かれ、結ばれ、差し込まれ、溶解され、はんだ付けされ、または同等にされ、一緒により長い線を形成し得る。
【0049】
巻線配置300において、1本の導電性材料301は、互いにほぼ隣接して位置付けられる、2つの実質的に同一平面上のコイル302および303を含む配列に巻かれる。1本の導電性材料301は、らせん状の配置、つまり、1本の導電性材料がそれぞれのコイル内で自身と交差しない、それぞれのコイル302および303が増大する半径のループのらせんから形成されるような配置に巻かれる。導電性材料301の端部は、端子304および305を形成し、これらは用いられると、無線電力伝送システム内の電源またはバッテリに電気的に接続される。
【0050】
コイル302および303は、一方が時計回りに巻かれ、他方が反時計回りに巻かれるように、反対に巻かれる。こうして、コイル302および302は、複数の導電性材料を通る電流が2つのコイルの隣接する部分において同一の方向に流れるように巻かれる。さらに、誘導コイルにおいて用いられる場合、2つのコイル302および303は、1つ以上の透磁性部材と磁気的に関連付けられるように位置付けられ得る。例えば、コイルは、いくつもの並列のフェライト棒で形成される磁心の上に位置付けられ得る。その結果、交流電流が誘導コイルを通過したとき、コイル302および303は、コイルの上方の「磁束パイプ」つまり高磁束集中域の形で、これらの間の磁束アークの極領域および極線としての機能を果たす。無線、またはより具体的には誘導性の電力伝送を達成するために、ピックアップコイルが磁束パイプ内に位置付けられることができる。好都合なことに、この配置はコイル下方の磁心側面の磁束の漏れの少なさをもたらす。
【0051】
2つのコイル302および303は、連続してコイルに巻かれた同一の導電性材料から形成される。
図3〜
図5に示される実施形態、および以下に提供される実施形態は、種々の配置であって、これにより単一の導電性材料が2つのコイルに巻かれることができ、その中で2つのコイルが反対に巻かれ、かつそれぞれのコイル内で1本の導電性材料が自身と交差しない配置を提供する。
図3〜
図5の配置は、1本の導電性材料のそれぞれの端部がどのように形成されるか、またはそれぞれのコイルの最内部の巻きまたは最外部の巻きにどのように直接接続するかという点において異なる。
【0052】
図3の巻線配置300において、1本の導電性材料の一方の端部は、コイル302の最内部の巻きを形成し、他方の端部は、コイル303の最内部の巻きを形成する。
図4の巻線配置400において、1本の導電性材料の一方の端部は、コイル402の最内部の巻きを形成し、他方の端部は、コイル403の最外部の巻きを形成する。
図5の巻線配置500において、1本の導電性材料の一方の端部は、コイル502の最外部の巻きを形成し、他方の端部は、コイル503の最外部の巻きを形成する。
【0053】
前述の巻線配置のすべてが異なる本発明の実施形態によって取り上げられているが、異なる無線電力伝送の状況についてどの配置が用いられるかの選択に影響を及ぼし得る3つの配置には差異が存在する。
【0054】
巻線配置400において、両方のコイルが、最内部の巻きから最外部の巻きへの連続するパスに1本の導電性材料を巻くことよって形成されることができる。対照的に、それぞれの巻線配置300および500が、1本の導電性材料を外側から内側に巻くことによって形成される1つのコイルを有する。これは、材料がそれぞれのコイルの内側の中央に位置付けられたオブジェクトに巻かれることができ、それぞれの材料のループが前のループのすぐ外側に設置されることができるため、導電性材料を手動で並べる場合に、巻線配置400を生産することを最も容易にする。外側から内側に巻く場合、材料を所望のコイル配置に手動で並べて置くことはより難しい。
【0055】
巻線配置300は、互いに隣接するコイル302およびコイル303内の1本の導電性材料の部分の間に最も小さい電圧差を有する。これは、コイル302の最外部の巻きがコイル303の最外部の巻きに直接接続しているからである。対照的に、巻線配置400および500は、互いに隣接する、または実際には互いに交差する2つのコイルの間の複数の導電性材料の間により大きい電圧差を有する。著しい電圧差が存在する場合、隣接または交差する線の間には放電のリスクが存在し、これはシステムの故障または火災の原因となるスパークを引き起こす場合がある。このリスクを低減するため、追加的な絶縁が必要とされ、これは誘導コイルを製造する複雑性および/または費用を増大させ、また追加的な構成要素を加える。
【0056】
図3〜
図5に開示される3つの巻線配置を比較すると、他の検討事項が考慮されるが、これはコイル間の線のルーティングおよび入口点ならびに出口点、線を交差する点でそれ自身の上または下に通すこと、および線を一定の長さにあらかじめ切断することである。これらの検討事項は、製造の複雑性にさらに追加され得る。
【0057】
上述の差異および検討事項は、異なる想定において用いられ、異なる手法で製造される誘導コイルについて、異なる程度の重要性を有し得るということが理解されよう。例えば、誘導コイルが手動で組み立てられる場合に重要な検討事項は、大量生産環境においてはそれほど重大でない場合がある。本発明は、上述の配置のいかなるものにも制限されない。
【0058】
いくつかの実施形態において、自動または半自動の製造環境について、例えば、
図3に示されるコイル配置が用いられ得る。この配置において、線はコイル間で自身と交差せず、隣接する複数の線の間の最小限の電圧差が、追加的な絶縁の必要性を回避する。線のコイルを外側から中心に手動で巻くことの難しさは、自動化が用いられれば軽減され得る。
図4に示されるコイル配置は、両方のコイルが中心から外側へ巻かれるため、手動生産に適すると見なされ得る。
図5は、上述の対応する環境について、
図3および
図4の構成に比べてあまり適さないと見なされ得る構成を含む。
【0059】
図3〜
図5に関連して記載される本発明の実施形態は、2つのコイルに巻かれる線などの単一の導電性材料を備える誘導コイルを対象とする。他の実施形態において、導電性材料の他の数のコイルは、誘導コイル全体を備え得る。例えば、誘導コイルは、正方形のようなパターンに配置された、並んだ4つのコイルを備え得る。一実施形態において、4つのコイルのすべてを形成するように、単一の線が連続して巻かれ得る。しかしながら、2つのコイルをそれぞれ形成するように、2本の線が連続して巻かれ得る。コイルは、電流がコイルの周りを同一の方向に互いにはす向かいに、かつ隣接するコイルに対して逆方向に流れるように配置され得る。
【0060】
より一般的に、
図6〜
図9の実施形態図は、単一の導電性材料または何本かの導電性材料の連続する巻きから形成される複数のコイルを備える誘導コイルに関し、複数の長さの導電性材料のうちの少なくとも1つが少なくとも2つのコイルを形成する。
【0061】
他の本発明の実施形態において、導線のうちの2本以上が、複数のコイルに平行配列に配置される。一例が
図6に示されており、これは本発明の一実施形態に従う2本のリッツ線601および604の巻線配置600の略図である。それぞれのリッツ線601および604が、連続的に巻かれて2つのコイル602および603を形成し、両方の線のそれぞれの末端で電源またはバッテリに電気的に接続可能である。
【0062】
本発明のさらなる実施形態が
図7に示され、3本のリッツ線701、704、および705が平行配列に配置されて2つのコイル702および703を形成する巻線配置700が提供される。平行配列に配置されて任意の数のコイルを形成する、他の本数の導電性材料を含む他の実施形態が想定される。
【0063】
図6および
図7に示される本実施形態のリッツ線は、電源またはバッテリに並列に接続され得る。より多くの線に誘導コイルが並列に接続されるほどそのインダクタンスは低くなり、それ以外は等しい。そのため、誘導コイルのコイル内に配置される線の数を選択することは、コイルのインダクタンスを用いられる状況の要件に合わせる方途として用いられることができる。充電される異なる車両が、異なるインダクタンスのベース誘導コイルと最良に機能し得る。コイルのインダクタンスを選択することは、ピックアップコイルに対するベースコイルの物理的位置付けに依存して望ましい。2つのコイル間の物理的分離がより大きいまたは小さいと、最適な結合のためのベースコイル内のインダクタンスは当然より大きくまたは小さくなる。
【0064】
例えば、いくつかのベースコイルについて、いくつかの理由により、地表の上に置かれるのではなく、地表に埋設されることが望ましい場合がある(例えば、ベースコイルが地面から突き出ていることが危険の原因となる場合)。この場合、所与の車両内のベースコイルとピックアップコイルとの間の距離は、地面の上に望ましく据え置かれ得る他のベースコイルと異なることがある(例えば、地表を掘ることが難しいか、または許可されない場合)。用いられる状況に従ってベースコイルのインダクタンスを多様とすることができることは、好都合であり得る。
【0065】
図6および
図7に示される実施形態におけるリッツ線の長さは、何本の線が平行配列に配置されるかに関わらず、すべて同一の長さを有するということに留意されたい。電流がコイルを通ったときに磁束パイプが作られるように、個別のコイルが互いに反対に巻かれるという方途により、1つのコイルの最外部の線は他のコイルの最内部の線であり、逆もまた同様である。これは、すべての線にわたる電圧が実質的に同一であり、それぞれの線の自己インダクタンスもまた実質的に同一であることを意味する。同じく、これはコイルの周りに均等な電流分布が存在することを意味する。この特性によって生じる結論は、本発明の実施形態に従って並列に配置および接続される複数の線は、別個の複数の線がそれぞれのコイルを備える一重または二重のコイルなどの先行技術の配置を上回る利点を提供することができるということである。これらの配置において、並列に配置および接続される線は、それぞれの線が異なるパス長を有し、よって異なるインダクタンスを有するという結果となり得る。その結果、本発明の実施形態を使用して得られるものと比較すると、より質の悪い結合がもたらされ得る。
【0066】
図6および
図7に関連して検討される本発明の実施形態のさらなる利点は、誘導コイルが等価インダクタンスの円形コイルよりも物理的に細く構成されることができるということである。これは、線が記載の本発明の実施形態において隣り合わせに配置されるからである。円形コイルにおいて、コイルのインダクタンスを低減するためにより太い線が求められ得、それ以外は等しい(円形コイルに並列線を用いることは上述の不利益を有するため)。物理的に細いコイルは、地面の上に設置される誘導コイルを地中に埋設されるものと比較した場合、誘導コイルが細いほどベースコイルとピックアップコイルとの間の距離の相対差異が小さくなるために有利である。距離における相対差異がより小さいことは、結合係数における差異がより小さいということにつながる。よって、本発明に従うベースコイルは、異なる場所または位置への据え付けに適するように、より順応性がある。
【0067】
本発明の特定の実施形態において、誘導コイルは、いろいろな様式でコイルを備える複数の導電性材料を接続するように動作可能な1つ以上のスイッチを備える切り替え手段を備える。例示的な実施形態が
図8に図示されており、これは本発明の一実施形態に従う誘導コイル800の略図である。誘導コイル800は、互いに平行配列の2本のリッツ線803および804の連続する巻きから形成される2つのコイル801および802を備える。複数のリッツ線は、それ自体が無線電力伝送システムの端子806および807を介して電源またはバッテリに使用中に接続される切り替えデバイス805に電気的に接続される。
【0068】
使用中、切り替えデバイス805は、線803および804を端子806および807に選択的に接続するように動作可能である。
図8に示される実施形態において、以下の接続の組み合わせが可能である。
【0069】
A)線803のみが端子間で接続される。
【0070】
B)線804のみが端子間で接続される。
【0071】
C)両方の線が端子間で並列に接続される。
【0072】
D)両方の線が端子間で直列に接続される。
【0073】
E)どちらの線も端子に接続されない。
【0074】
異なる配置である上記のA)〜E)のそれぞれが、異なるインダクタンスを有する誘導コイル800をもたらす。そのため、切り替えデバイス805は、例えばピックアップコイルの最良の充電を確実にするために、所与の充電状況の要件に適合するように誘導コイル800のインダクタンスを選択的に変えるように動作する。
【0075】
他の実施形態において、切り替えデバイスは、誘導コイル内に配置された任意の数の線の間の接続を切り替えるように動作可能であり得る。それぞれのコイル内により多くの線があるほど、線の異なる接続配置を用いて利用可能なインダクタンス値の範囲は大きくなる。利用可能なインダクタンス値が大きいとは、異なる充電要件に適合するために、誘導コイルの順応性が高まることを意味する。
【0076】
切り替えデバイス808は、所望される構成で誘導コイルの線を端子に接続する能力を持つ、任意の組み合わせのスイッチを備え得る。切り替えデバイスは、使用中のスイッチの動作を制御するプロセッサを備え得る。
【0077】
任意選択で、誘導コイルは、切り替えデバイスが受信された信号に応じて動作する場合があるように、信号を受信し、かつ切り替えデバイスに接続されるように適合される受信機808を備え得る。信号は、電気車両またはそのピックアップコイルなどの充電されるデバイスから送られ、また信号は、充電されるデバイス(電気車両またはバッテリ)またはピックアップコイルの種類または特徴を表すデータを備え得る。受信機808は、受信された信号に基づいてベース誘導コイルについて所望されるインダクタンス、例えばピックアップコイルを用いた充電を最適化するインダクタンスを算出し、かつコイルに所望されるインダクタンスと同一または類似のインダクタンスを与えるようにベース誘導コイルの線を接続するために、対応する信号を切り替えデバイスに送ることができる。
【0078】
充電されるデバイスについての詳細を含む信号は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、セルラー等を含む任意の適切な通信手段によって送られ得る。
【0079】
いくつかの本発明の実施形態において、切り替えデバイス805および受信機808は、誘導コイル801および802と同一の物理的筐体内に格納される。他の実施形態において、切り替えデバイス805および受信機808は、誘導コイル801および802を含む筐体から遠隔であるが、この筐体に電気的に接続される。
【0080】
より一般的に、誘導コイルは、充電されるコイルもしくはデバイス、または充電を受けるコイルまたはデバイスの特性を示す、別のコイルまたはデバイスから受信された信号に応じて誘導コイルの構成を変更するように動作可能な任意の手段を備え得る。誘導コイルは、受信した信号に基づいて誘導コイルの構成を選択する方法も含み得る。例えば、ピックアップコイルからの信号が、ピックアップコイルの最適な充電にはベースコイルが一定のインダクタンスを有することを要するということを示す場合、誘導コイルは、例えば最適な充電のために所望されるインダクタンスに最も近いインダクタンスを与える構成などの、誘導コイルの適した構成を選択することができるプロセッサまたは他の適切なデバイスを含み得る。
【0081】
図9は、本発明の別の実施形態に従う、3本の導電性材料の巻線配置900の略図である。巻線配置900は、2つの実質的に同一平面上のコイル904および905から形成される誘導コイル内に3つのリッツ線901、902、および903を備える。線901および903は、明確さのみを目的として、
図9において点線で示される。線901は、線902の一部がコイル904を形成する並列配置で巻かれる。線903は、線902の別の一部がコイル905を形成する並列配置で巻かれる。その結果、両方のコイルが1本の線、すなわち両方のコイルに共通する線902を含む。
【0082】
図9の巻線配置900は、線がどのように接続されるかにより、いくつもの状況において誘導コイルとして有用であり得る。線901および903は直列に接続され、例えば、
図6の巻線配置600に類似する巻線配置が作成される。代替的な実施形態では、線901および903は逆位相に接続され、線901および903のコイルは、線902のコイルから分離して同調され、整流器の後に結合される。かかる実施形態は、巻線配置900が、電気車両誘導コイルの中でピックアップコイルとして用いられた場合に、上述の巻線配置と比較して、流束ベクトルの追加的な空間次元をピックアップすることを可能にし得る。
【0083】
それぞれの線901、902、および903の端子を所望される手法で一緒に接続するための適切な接続手段が提供され得る。
【0084】
図3〜
図9に示される実施形態は、無線エネルギー伝送システムにおけるベース誘導コイルでの使用に関連して、概して説明を目的として検討された。検討の利点がこの方途における使用に適しており有用である場合に、これらの本発明の実施形態がピックアップまたは電気車両誘導コイルにおいても用いられることができるということもまた理解されよう。
【0085】
上記に記載の方法の種々の動作は、種々のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素(複数可)、回路、および/またはモジュール(複数可)などの動作を実施する能力を持つ、任意の適切な手段によって実施され得る。概して、図面に図示される任意の動作は、その動作を実施する能力を持つ対応する機能的手段によって実施され得る。
【0086】
情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法の任意のものを用いて表され得る。例えば、上記の記載の全体において言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはこれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0087】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される、種々の説明のための論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に図示するために、種々の例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してこれらの機能性について上記に記載された。かかる機能性がハードウェアとして、またはソフトウェアとして実装されるかどうかは、全体のシステムに課される特定の用途および設計制約に依存する。記載の機能性は、それぞれの特定の用途について異なる方途において実装され得るが、しかしかかる実装の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を招くものとして解釈されるべきでない。
【0088】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される種々の説明のためのブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲートまたはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、または本明細書に記載の機能を実施するように設計される任意の組み合わせによって実装または実施され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、しかし代替において、プロセッサは、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のかかる構成としても実装され得る。
【0089】
方法またはアルゴリズムのステップ、および本明細書に開示される実施形態に関連して記載される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つの組み合わせにおいて直接具現化され得る。ソフトウェアの中に実装された場合、機能は有形の非一持性コンピュータ可読媒体上に保存されるか、または1つ以上の命令またはコードとしてこれに送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能なディスク、CD ROM、または当技術分野で既知の任意の他の形式の記憶媒体の中に存在し得る。記憶媒体は、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み出すこと、およびこの記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替において、記憶媒体は、プロセッサに統合され得る。本明細書において使用される場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生するが、ディスク(disc)はレーザによってデータを光学的に再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在し得る。ASICはユーザ端末内に存在し得る。代替において、プロセッサおよび記憶媒体は、別個の構成要素としてユーザ端末内に存在し得る。
【0090】
本開示を要約することを目的として、本発明の一定の態様、利点、および新規の機能が本明細書に記載された。すべてのかかる利点が任意の特定の本発明の実施形態に従って達成され得るものでは必ずしもないということが理解されよう。ゆえに、本発明は、1つの利点または利点群を達成または最適化するような方途において、本明細書において教示または示唆され得るように他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるように具現化または実行され得る。
【0091】
上記に記載の実施形態の種々の変形は容易に明白となり、また本明細書に画定される総称的主題は、本発明の精神または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。ゆえに、本発明は、本明細書に記載の実施形態に制限されることではなく、本明細書に開示される主題および新規の機能と一致する最も広範な範囲を認められることを意図している。
【0092】
文脈が明確に別様であることを要求しない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたり、「〜を含む」、「〜を備える」という用語および同等物は、排他的または網羅的意味とは対照的に、包括的意味において解釈されるものとする。つまり、「含むが制限されない」という意味ということである。
【0093】
本明細書の全体にわたる先行技術のあらゆる検討は、かかる先行技術が広く既知である、または当技術分野における一般的な常識の一部を形成するということを、いかなる意味においても承認すると解釈されるべきでない。
【国際調査報告】