特表2015-519558(P2015-519558A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-519558(P2015-519558A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(54)【発明の名称】センサエレメントの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/06 20060101AFI20150612BHJP
【FI】
   G01N15/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-510741(P2015-510741)
(86)(22)【出願日】2013年5月2日
(85)【翻訳文提出日】2014年11月6日
(86)【国際出願番号】EP2013059090
(87)【国際公開番号】WO2013167443
(87)【国際公開日】20131114
(31)【優先権主張番号】102012207761.8
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス アンテ
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヘルマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス オット
(72)【発明者】
【氏名】ヴィリバルト ライトマイアー
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ヴァイグル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヴィルトゲン
(57)【要約】
ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントであって、
セラミック製の支持体と、前記支持体の上に配置された、前記ガス流に曝される剥き出しの測定電極とを有する、
センサエレメントにおいて、
前記測定電極(2)は、前記支持体(5)の上に配置されたセラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層と、前記ベース層の上に配置された焼結プラチナからなるカバー層とを有する、
ことを特徴とするセンサエレメント。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントであって、
前記センサエレメントは、セラミック製の支持体と、前記支持体の上に配置された、前記ガス流に曝される剥き出しの測定電極とを有する
センサエレメントにおいて、
前記測定電極(2)は、前記支持体(5)の上に配置されたセラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層と、前記ベース層の上に配置された焼結プラチナからなるカバー層とを有する、
ことを特徴とするセンサエレメント。
【請求項2】
前記ベース層は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されている、
ことを特徴とする請求項1記載のセンサエレメント。
【請求項3】
前記測定電極(2)は、サーメット・ベースプリント(6)と、プラチナ・アッパープリント(7)とから形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のセンサエレメント。
【請求項4】
前記測定電極(2)は、インターデジタル型電極として形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のセンサエレメント。
【請求項5】
前記測定電極(2)は、交流電圧を印加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のセンサエレメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントであって、セラミック製の支持体と、前記支持体の上に配置された、ガス流に曝される剥き出しの測定電極とを有するセンサエレメントに関する。
【0002】
このようなセンサエレメントは公知であり、例えばDE102010044308A1に記載されている。このようなセンサエレメントは、特にディーゼルエンジンの排ガスシステム内の煤センサとして使用されている。測定電極を用いて例えば抵抗、キャパシタンス、又は、インピーダンスを測定することにより、排ガス流に含まれる煤粒子の成分が検出され、電気信号の形態で内燃機関の制御装置に供給される。
【0003】
この場合の測定電極は、ガス流に曝される剥き出しの電極として形成されており、例えばインターデジタル型電極(櫛形電極)の形態をしている。測定電極は、セラミック製の支持体の上に被着された、特にプリントされた、微細な導体路からなる。支持体は、有利には板状の縦長の部材として形成されており、上述したように、アルミニウム酸化物のようなセラミック材料からなる。測定電極の導体路構造には、対応する導体路端子が設けられており、この導体路端子は、対応する端子コンタクトに接続されている。
【0004】
ガス流に曝された電極の上にはガス流に含まれる粒子が堆積され、この堆積物は測定期間が進行するにつれて増加する。このような電極を周期的に浄化できるようにするために、このような粒子センサのセンサエレメントにはさらに加熱装置が設けられている。測定電極が加熱されることにより、堆積された粒子が焼却され、これによって堆積された粒子が測定電極から除去される。
【0005】
しかしながら測定期間が増加するにつれて、この剥き出しの測定電極の上には焼却不可能な固形の無機の排ガス成分も堆積してしまう。これによってこの剥き出しの測定電極は非導電性の物質によって覆われるので、測定したい粒子の進入(煤の進入)に対して電気的にも機械的にも絶縁されてしまう。これによって測定電極の測定機能は失われる。エンジンテストベンチにおけるテストでは、2000〜3000時間の稼働後に、測定電極が完全に覆われてしまうことが判明した。
【0006】
このようなセンサエレメントにおけるさらなる課題は、セラミック材料からなる支持体と測定電極との確実かつ持続的な接着力を提供することにある。例えば測定電極が純プラチナからなる場合、望ましくない焼却不可能な排ガス成分は、比較的長い期間(3000時間の稼働まで)に亘って測定電極に堆積しないか、又は、堆積量が低減されている。しかしながら、純プラチナからなる測定電極は、セラミック製の支持体との持続的な接着力は有さない。このことは特に、純Ptの厚膜プリント(ガラス及びセラミック成分を有さない焼結されたプラチナ)に当てはまる。
【0007】
本発明の基礎となる課題は、冒頭に述べた形式のセンサエレメントにおいて、センサエレメントの測定電極が、望ましくない堆積を回避すると共に、支持体との特に良好に接着力を有することを特徴とするセンサエレメントを提供することである。
【0008】
本発明によればこの課題は、冒頭に述べた形式のセンサエレメントにおいて、測定電極が、支持体の上に配置されたセラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層と、ベース層の上に配置された焼結プラチナからなるカバー層とを有することによって解決される。
【0009】
本発明に即してサーメット・ベース層とプラチナ・カバー層とを組み合わせることによって、セラミック製の支持体との接着力と、堆積物からの保護とに対する最適条件が達成される。サーメット層は、セラミック製の支持体との非常に良好な接着力を有することが判明している。しかしながらこのような層は、排ガス粒子(灰、硫黄、金属酸化物など)が堆積する傾向が非常に強いので、カバー層乃至ガス流とのコンタクト層としてはあまり適さない。実験によって、2000時間の稼働後には著しい堆積物が生じることが判明している。
【0010】
これに対してカバー層乃至コンタクト層としては、純プラチナからなる層が適当である。このような層は、望ましくない堆積物から良好に保護する。
【0011】
サーメット又は金属セラミックは、特に硬度や融点といった所定の特性において互いに異なっている2つの別個の相(金属成分とセラミック成分からなる)を有する材料の群を意味する。セラミック・プラチナ・サーメットの例として、MoSi−Pt−サーメットのようなシリサイド系のようなものが挙げられる。
【0012】
有利には、ベース層(接着補助層)は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されている。さらに有利には、測定電極は、サーメット・ベースプリントと、プラチナ・アッパープリントとから形成されている。従って本発明によれば有利には、測定電極は、組み合わされた技術によって製造される。これによって、セラミック製の支持体と測定電極との接着力を改善し、測定電極上の望ましくない堆積物を減少させることができる。
【0013】
本発明に基づいて構成されたセンサエレメントは特に、剥き出しのセンサコンタクト材料を有する全てのセンサにおいて、有利には煤センサ(Soot Sensor)において、使用される。測定電極は、有利にはインターデジタル型電極(櫛形電極)として形成されている。
【0014】
本発明の発展形態においては、測定電極は、交流電圧を印加するように構成されている。測定電極の動作中に交流電圧を印加することによって、望ましくない堆積物をさらに減少させることができる。
【0015】
択一的に、ベース層として、ガラス結合されたプラチナペーストを使用することもできる。
【0016】
以下、本発明を、図面に関連した実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】インターデジタル型センサのセンサエレメントの概略平面図である。
図2図1のセンサエレメントの部分図である。
【0018】
図1は、例えば煤センサのようなインターデジタル型センサのセンサエレメント1の概略平面図を示す。このセンサエレメントにおいては、測定電極2は、インターデジタル型電極又は櫛形電極として形成されている。測定電極2は、所属するセンサエレメントの支持体5の端部に形成されている。測定電極2の相応の導体路は、絶縁体が設けられた領域3を超えてコンタクト領域4の中まで延在している。
【0019】
測定電極2は、例えばディーゼルエンジンの排気システムのガス流に曝される剥き出しの電極として形成されている。相応の導体路は、図2に図示する支持体5の上に被着されている。詳細には、測定電極2は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されたサーメット・ベースプリント6と、プラチナ・アッパープリント7とから組み合わされている。つまり測定電極2は、組み合わされたプリント技術によって製造されている。サーメット・ベースプリントによれば、セラミック製の支持体と測定電極との接着力が向上し、その一方でプラチナ・アッパープリントによれば、測定電極上の望ましくない堆積物が減少される。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2014年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントであって、セラミック製の支持体と、前記支持体の上に配置された、ガス流に曝される剥き出しの測定電極とを有するセンサエレメントに関する。
【0002】
このようなセンサエレメントは公知であり、例えばDE102010044308A1に記載されている。このようなセンサエレメントは、特にディーゼルエンジンの排ガスシステム内の煤センサとして使用されている。測定電極を用いて例えば抵抗、キャパシタンス、又は、インピーダンスを測定することにより、排ガス流に含まれる煤粒子の成分が検出され、電気信号の形態で内燃機関の制御装置に供給される。
【0003】
この場合の測定電極は、ガス流に曝される剥き出しの電極として形成されており、例えばインターデジタル型電極(櫛形電極)の形態をしている。測定電極は、セラミック製の支持体の上に被着された、特にプリントされた、微細な導体路からなる。支持体は、有利には板状の縦長の部材として形成されており、上述したように、アルミニウム酸化物のようなセラミック材料からなる。測定電極の導体路構造には、対応する導体路端子が設けられており、この導体路端子は、対応する端子コンタクトに接続されている。
【0004】
ガス流に曝された電極の上にはガス流に含まれる粒子が堆積され、この堆積物は測定期間が進行するにつれて増加する。このような電極を周期的に浄化できるようにするために、このような粒子センサのセンサエレメントにはさらに加熱装置が設けられている。測定電極が加熱されることにより、堆積された粒子が焼却され、これによって堆積された粒子が測定電極から除去される。
【0005】
しかしながら測定期間が増加するにつれて、この剥き出しの測定電極の上には焼却不可能な固形の無機の排ガス成分も堆積してしまう。これによってこの剥き出しの測定電極は非導電性の物質によって覆われるので、測定したい粒子の進入(煤の進入)に対して電気的にも機械的にも絶縁されてしまう。これによって測定電極の測定機能は失われる。エンジンテストベンチにおけるテストでは、2000〜3000時間の稼働後に、測定電極が完全に覆われてしまうことが判明した。
【0006】
このようなセンサエレメントにおけるさらなる課題は、セラミック材料からなる支持体と測定電極との確実かつ持続的な接着力を提供することにある。例えば測定電極が純プラチナからなる場合、望ましくない焼却不可能な排ガス成分は、比較的長い期間(3000時間の稼働まで)に亘って測定電極に堆積しないか、又は、堆積量が低減されている。しかしながら、純プラチナからなる測定電極は、セラミック製の支持体との持続的な接着力は有さない。このことは特に、純Ptの厚膜プリント(ガラス及びセラミック成分を有さない焼結されたプラチナ)に当てはまる。
【0007】
US5698267Aから、冒頭に述べた形式のセンサエレメントが公知である。このエレメントは、セラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層を有し、このベース層の上にはプラチナ・カバー層が設けられている。このカバー層は、ベース層を液状のプラチナ化合物に含浸させ、溶剤を蒸発させ、化合物を分解して純金属を得るための熱処理を行うことによって堆積される。
【0008】
GB2081905Aからは、多孔性の保護層が設けられた測定電極を有するセンサエレメントが公知である。測定電極は、セラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層と、プラチナ・カバー層とから組み合わされており、カバー層は、スパッタリング、イオンめっき、又は、真空蒸着のような蒸着技術によって堆積されている。
【0009】
本発明の基礎となる課題は、冒頭に述べた形式のセンサエレメントにおいて、センサエレメントの測定電極が、望ましくない堆積を回避すると共に、支持体との特に良好に接着力を有することを特徴とするセンサエレメントを提供することである。
【0010】
本発明によればこの課題は、請求項1に記載のセンサエレメントによって解決される。
【0011】
本発明に即してサーメット・ベース層とプラチナ・カバー層とを組み合わせることによって、セラミック製の支持体との接着力と、堆積物からの保護とに対する最適条件が達成される。サーメット層は、セラミック製の支持体との非常に良好な接着力を有することが判明している。しかしながらこのような層は、排ガス粒子(灰、硫黄、金属酸化物など)が堆積する傾向が非常に強いので、カバー層乃至ガス流とのコンタクト層としてはあまり適さない。実験によって、2000時間の稼働後には著しい堆積物が生じることが判明している。
【0012】
これに対してカバー層乃至コンタクト層としては、純プラチナからなる層が適当である。このような層は、望ましくない堆積物から良好に保護する。
【0013】
サーメット又は金属セラミックは、特に硬度や融点といった所定の特性において互いに異なっている2つの別個の相(金属成分とセラミック成分からなる)を有する材料の群を意味する。セラミック・プラチナ・サーメットの例として、MoSi−Pt−サーメットのようなシリサイド系のようなものが挙げられる。
【0014】
測定電極は、サーメット・ベースプリントと、プラチナ・アッパープリントとから形成されている。従って本発明によれば有利には、測定電極は、組み合わされた技術によって製造される。これによって、セラミック製の支持体と測定電極との接着力を改善し、測定電極上の望ましくない堆積物を減少させることができる。
【0015】
有利には、ベース層(接着補助層)は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されている。
【0016】
本発明に基づいて構成されたセンサエレメントは特に、剥き出しのセンサコンタクト材料を有する全てのセンサにおいて、有利には煤センサ(Soot Sensor)において、使用される。測定電極は、有利にはインターデジタル型電極(櫛形電極)として形成されている。
【0017】
本発明の発展形態においては、測定電極は、交流電圧を印加するように構成されている。測定電極の動作中に交流電圧を印加することによって、望ましくない堆積物をさらに減少させることができる。
【0018】
択一的に、ベース層として、ガラス結合されたプラチナペーストを使用することもできる。
【0019】
以下、本発明を、図面に関連した実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】インターデジタル型センサのセンサエレメントの概略平面図である。
図2図1のセンサエレメントの部分図である。
【0021】
図1は、例えば煤センサのようなインターデジタル型センサのセンサエレメント1の概略平面図を示す。このセンサエレメントにおいては、測定電極2は、インターデジタル型電極又は櫛形電極として形成されている。測定電極2は、所属するセンサエレメントの支持体5の端部に形成されている。測定電極2の相応の導体路は、絶縁体が設けられた領域3を超えてコンタクト領域4の中まで延在している。
【0022】
測定電極2は、例えばディーゼルエンジンの排気システムのガス流に曝される剥き出しの電極として形成されている。相応の導体路は、図2に図示する支持体5の上に被着されている。詳細には、測定電極2は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されたサーメット・ベースプリント6と、プラチナ・アッパープリント7とから組み合わされている。つまり測定電極2は、組み合わされたプリント技術によって製造されている。サーメット・ベースプリントによれば、セラミック製の支持体と測定電極との接着力が向上し、その一方でプラチナ・アッパープリントによれば、測定電極上の望ましくない堆積物が減少される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントにおいて、
前記センサエレメントは、セラミック製の支持体(5)と、前記支持体(5)の上に配置された、前記ガス流に曝される剥き出しの測定電極(2)とを有し、
前記測定電極(2)は、サーメット・ベースプリント(6)として、前記支持体(5)の上に配置されたセラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層を有しプラチナ・アッパープリント(7)として、前記ベース層の上に配置された焼結プラチナからなるカバー層有する
ことを特徴とするセンサエレメント。
【請求項2】
前記ベース層は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されている、
ことを特徴とする請求項1記載のセンサエレメント。
【請求項3】
前記測定電極(2)は、インターデジタル型電極として形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項記載のセンサエレメント。
【請求項4】
前記測定電極(2)は、交流電圧を印加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載のセンサエレメント。
【手続補正書】
【提出日】2014年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントの製造方法において、
前記センサエレメントは、セラミック製の支持体(5)と、前記支持体(5)の上に配置された、前記ガス流に曝される剥き出しの測定電極(2)とを有し、
前記剥き出しの測定電極(2)を、前記支持体(5)の上に配置されたセラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層のためのサーメット・ベースプリント(6)と、前記ベース層の上に配置された焼結プラチナからなるカバー層のためのプラチナ・アッパープリント(7)とを組み合わせたプリント技術によって製造する、
ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記ベース層、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造する、
ことを特徴とする請求項1記載の製造方法
【請求項3】
前記測定電極(2)、インターデジタル型電極として製造する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項記載の製造方法
【請求項4】
前記測定電極(2)、交流電圧を印加するように製造する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流に含まれる物質、特に内燃機関の排ガス中の煤粒子を検出するセンサのためのセンサエレメントの製造方法であって、前記センサエレメントは、セラミック製の支持体と、前記支持体の上に配置された、ガス流に曝される剥き出しの測定電極とを有する、製造方法に関する。
【0002】
このようなセンサエレメントは公知であり、例えばDE102010044308A1に記載されている。このようなセンサエレメントは、特にディーゼルエンジンの排ガスシステム内の煤センサとして使用されている。測定電極を用いて例えば抵抗、キャパシタンス、又は、インピーダンスを測定することにより、排ガス流に含まれる煤粒子の成分が検出され、電気信号の形態で内燃機関の制御装置に供給される。
【0003】
この場合の測定電極は、ガス流に曝される剥き出しの電極として形成されており、例えばインターデジタル型電極(櫛形電極)の形態をしている。測定電極は、セラミック製の支持体の上に被着された、特にプリントされた、微細な導体路からなる。支持体は、有利には板状の縦長の部材として形成されており、上述したように、アルミニウム酸化物のようなセラミック材料からなる。測定電極の導体路構造には、対応する導体路端子が設けられており、この導体路端子は、対応する端子コンタクトに接続されている。
【0004】
ガス流に曝された電極の上にはガス流に含まれる粒子が堆積され、この堆積物は測定期間が進行するにつれて増加する。このような電極を周期的に浄化できるようにするために、このような粒子センサのセンサエレメントにはさらに加熱装置が設けられている。測定電極が加熱されることにより、堆積された粒子が焼却され、これによって堆積された粒子が測定電極から除去される。
【0005】
しかしながら測定期間が増加するにつれて、この剥き出しの測定電極の上には焼却不可能な固形の無機の排ガス成分も堆積してしまう。これによってこの剥き出しの測定電極は非導電性の物質によって覆われるので、測定したい粒子の進入(煤の進入)に対して電気的にも機械的にも絶縁されてしまう。これによって測定電極の測定機能は失われる。エンジンテストベンチにおけるテストでは、2000〜3000時間の稼働後に、測定電極が完全に覆われてしまうことが判明した。
【0006】
このようなセンサエレメントにおけるさらなる課題は、セラミック材料からなる支持体と測定電極との確実かつ持続的な接着力を提供することにある。例えば測定電極が純プラチナからなる場合、望ましくない焼却不可能な排ガス成分は、比較的長い期間(3000時間の稼働まで)に亘って測定電極に堆積しないか、又は、堆積量が低減されている。しかしながら、純プラチナからなる測定電極は、セラミック製の支持体との持続的な接着力は有さない。このことは特に、純Ptの厚膜プリント(ガラス及びセラミック成分を有さない焼結されたプラチナ)に当てはまる。
【0007】
US5698267Aから、冒頭に述べた形式のセンサエレメントが公知である。このエレメントは、セラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層を有し、このベース層の上にはプラチナ・カバー層が設けられている。このカバー層は、ベース層を液状のプラチナ化合物に含浸させ、溶剤を蒸発させ、化合物を分解して純金属を得るための熱処理を行うことによって堆積される。
【0008】
GB2081905Aからは、多孔性の保護層が設けられた測定電極を有するセンサエレメントが公知である。測定電極は、セラミック・プラチナ・サーメットからなるベース層と、プラチナ・カバー層とから組み合わされており、カバー層は、スパッタリング、イオンめっき、又は、真空蒸着のような蒸着技術によって堆積されている。
【0009】
本発明の基礎となる課題は、冒頭に述べた形式のセンサエレメントにおいて、センサエレメントの測定電極が、望ましくない堆積を回避すると共に、支持体との特に良好に接着力を有することを特徴とするセンサエレメントを提供することである。
【0010】
本発明によればこの課題は、請求項1に記載のセンサエレメントによって解決される。
【0011】
本発明に即してサーメット・ベース層とプラチナ・カバー層とを組み合わせることによって、セラミック製の支持体との接着力と、堆積物からの保護とに対する最適条件が達成される。サーメット層は、セラミック製の支持体との非常に良好な接着力を有することが判明している。しかしながらこのような層は、排ガス粒子(灰、硫黄、金属酸化物など)が堆積する傾向が非常に強いので、カバー層乃至ガス流とのコンタクト層としてはあまり適さない。実験によって、2000時間の稼働後には著しい堆積物が生じることが判明している。
【0012】
これに対してカバー層乃至コンタクト層としては、純プラチナからなる層が適当である。このような層は、望ましくない堆積物から良好に保護する。
【0013】
サーメット又は金属セラミックは、特に硬度や融点といった所定の特性において互いに異なっている2つの別個の相(金属成分とセラミック成分からなる)を有する材料の群を意味する。セラミック・プラチナ・サーメットの例として、MoSi−Pt−サーメットのようなシリサイド系のようなものが挙げられる。
【0014】
測定電極は、サーメット・ベースプリントと、プラチナ・アッパープリントとから形成されている。従って本発明によれば有利には、測定電極は、組み合わされた技術によって製造される。これによって、セラミック製の支持体と測定電極との接着力を改善し、測定電極上の望ましくない堆積物を減少させることができる。
【0015】
有利には、ベース層(接着補助層)は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されている。
【0016】
本発明に基づいて構成されたセンサエレメントは特に、剥き出しのセンサコンタクト材料を有する全てのセンサにおいて、有利には煤センサ(Soot Sensor)において、使用される。測定電極は、有利にはインターデジタル型電極(櫛形電極)として形成されている。
【0017】
本発明の発展形態においては、測定電極は、交流電圧を印加するように構成されている。測定電極の動作中に交流電圧を印加することによって、望ましくない堆積物をさらに減少させることができる。
【0018】
択一的に、ベース層として、ガラス結合されたプラチナペーストを使用することもできる。
【0019】
以下、本発明を、図面に関連した実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】インターデジタル型センサのセンサエレメントの概略平面図である。
図2図1のセンサエレメントの部分図である。
【0021】
図1は、例えば煤センサのようなインターデジタル型センサのセンサエレメント1の概略平面図を示す。このセンサエレメントにおいては、測定電極2は、インターデジタル型電極又は櫛形電極として形成されている。測定電極2は、所属するセンサエレメントの支持体5の端部に形成されている。測定電極2の相応の導体路は、絶縁体が設けられた領域3を超えてコンタクト領域4の中まで延在している。
【0022】
測定電極2は、例えばディーゼルエンジンの排気システムのガス流に曝される剥き出しの電極として形成されている。相応の導体路は、図2に図示する支持体5の上に被着されている。詳細には、測定電極2は、セラミック・プラチナ・プリントペーストから製造されたサーメット・ベースプリント6と、プラチナ・アッパープリント7とから組み合わされている。つまり測定電極2は、組み合わされたプリント技術によって製造されている。サーメット・ベースプリントによれば、セラミック製の支持体と測定電極との接着力が向上し、その一方でプラチナ・アッパープリントによれば、測定電極上の望ましくない堆積物が減少される。
【国際調査報告】