特表2015-519577(P2015-519577A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2015-519577容器および/または容器の内容物の欠陥のX線検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2015-519577(P2015-519577A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(54)【発明の名称】容器および/または容器の内容物の欠陥のX線検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20060101AFI20150612BHJP
   G01N 23/18 20060101ALI20150612BHJP
【FI】
   G01N23/04
   G01N23/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-516481(P2015-516481)
(86)(22)【出願日】2012年6月13日
(85)【翻訳文提出日】2015年2月4日
(86)【国際出願番号】EP2012061211
(87)【国際公開番号】WO2013185816
(87)【国際公開日】20131219
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA
(71)【出願人】
【識別番号】513032334
【氏名又は名称】ヴィルコ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マーチン・レーマン
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA02
2G001DA09
2G001GA01
2G001HA07
2G001HA14
2G001JA08
2G001KA03
2G001LA05
2G001LA06
2G001PA03
2G001PA11
2G001QA01
(57)【要約】
容器(1)または容器の内容物の欠陥のX線検出のための方法およびシステムであり、容器は、X線発生源(7)が容器の基部の平面(11)の下方において据え付けられた中心の軸線(3)の周りの円形の経路(2b)で搬送される。X線発生源(7)は、X線放射を、容器(1)を通過させて複数の撮像X線検出器(4a〜4f)へと斜め上方に発する。これらのX線検出器(4a〜4f)によって提供される画像の分析は、容器またはその内容物の欠陥の存在を判定し、排除機構(R)に当の容器を排除するように命令するために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器および/または容器の内容物の欠陥を検出するためのシステムであって、
− 容器を移送するための移送試験経路を含む移送構成部であって、前記移送試験経路は、軸線の周りに円弧形とされ、かつ、前記容器の基部の外側面の移動に関して前記軸線に対して直交する平面を定める移送構成部と、
− 前記軸線上に配置されたX線発生源と、
− 前記軸線の周りに配置され、各々が感知面を備える複数の撮像X線検出器と
を備え、
− 前記平面、前記X線発生源、および前記感知面は、前記X線発生源およびそれぞれの感知面と交差するそれぞれの直線が前記平面と交差するように互いに配置され、その結果、前記X線発生源から前記平面への前記線に沿った距離が前記平面から前記それぞれの感知面への前記線に沿った距離より短くなり、前記システムは、
− 前記撮像X線検出器の出力部に操作可能に接続された入力部、および、前記検出器によるX線撮像に依存する信号のための出力部を備える処理装置と、
− 前記移送構成部に操作可能に接続され、前記処理装置の前記出力部に操作可能に接続された制御入力部を備える排除機構と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記直線は、それぞれの前記撮像X線検出器の前記感知面に垂直である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記X線発生源は、X線を単一のアークで放つように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記単一のアークは、前記平面を考慮して、少なくとも180°、または少なくとも220°、または少なくとも270°、または360°のアーク角度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記X線発生源から前記平面への前記線に沿った距離は、前記平面からそれぞれの前記感知面への前記線に沿った距離の最大で80%、または最大で60%、または最大で40%、または最大で20%である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記移送構成部は、容器の基部と前記容器の前記基部の面積の最大で50%にわたって接触するように各々配置された複数の容器支持部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記移送構成部は、容器の最上部を保持するように各々配置された複数の容器支持部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記容器支持部のうちの少なくとも一部は、前記軸線と平行な方向に移動可能である、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記容器支持部のうちの少なくとも一部は、前記軸線と平行な支持軸線の周りに回転可能である、請求項6から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
容器および/または容器の内容物の欠陥を検出する方法であって、
− 容器を移送試験経路に沿って移送するステップであって、前記移送試験経路が、軸線の周りに円弧形とされ、かつ、前記容器の基部の外側面の移動に関して前記軸線に対して直角な平面を定める、ステップと、
− 前記軸線上に配置されたX線発生源からX線放射を放つステップと、
− 前記軸線の周りに配置され、各々が感知面を備える複数の撮像X線検出器において前記放たれたX線放射を受けるステップであって、前記平面、前記X線発生源、および前記感知面は、前記X線発生源およびそれぞれの感知面と交差するそれぞれの直線が前記平面と交差するように互いに配置され、その結果、前記X線発生源から前記平面への前記線に沿った距離が前記平面から前記それぞれの感知面への前記線に沿った距離より短くなるステップと、
− 容器および/または容器の内容物の1つまたは複数の欠陥の存在または非存在を判定するために、前記撮像X線検出器によって受けた画像を処理し、それぞれの前記容器に対してその結果を割り当てるステップと、
− 容器または容器の内容物に1つまたは複数の欠陥があるとして判定された容器を排除するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記直線は、それぞれの前記撮像X線検出器の前記感知面に垂直である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記X線放射を単一のアークで放つステップを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記単一のアークは、前記平面を考慮して、少なくとも180°、または少なくとも220°、または少なくとも270°、または360°のアーク角度を有する、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記X線発生源から前記平面への前記線に沿った距離は、前記平面からそれぞれの前記感知面への前記線に沿った距離の最大で80%、または最大で60%、または最大で40%、または最大で20%で選択される、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
容器の基部と前記容器の前記基部の面積の最大で50%にわたって接触するように各々配置された複数の容器支持部を備える移送構成部によって、前記容器を移送するステップを含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
容器の最上部を保持するように各々配置された複数の容器支持部を備える移送構成部によって、前記容器を移送するステップを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記容器は、前記移送試験経路の周りに、連続する速度で、または、段階的な手法で移送される、請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記容器を、前記移送試験経路に沿って移送させつつ、前記軸線と平行な支持部の周りに、一定の角速度または段階的のいずれかで回転するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
欠陥のない容器または内容物に欠陥のない容器を製造する方法であって、
− 試験されていない充填または未充填の容器を製造するステップと、
− 請求項10から18のいずれか一項に記載の方法によって前記容器を試験するステップと、
− 自身に、または、自身の内容物に欠陥があるとして特定されなかった容器を、欠陥なしとして受け入れるステップと、
− 自身に、または、自身の内容物に欠陥があるとして検出された容器を排除するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線放射撮像によって、容器および/または容器の内容物の欠陥を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の製造および/または充填の最中、様々な欠陥が発生し得る。例えば、ガラスのバイアルなどのガラス容器の場合、欠損や亀裂が容器自体に発生する可能性があり、これらの欠損または亀裂が、容器の内部に含まれるガラスの小片またはガラスの破片となる可能性がある。プラスチックの容器の場合、分割、折り曲げ、または他の不連続部が、容器の型成形の間に発生する可能性がある。他の欠陥があらゆる種類の容器の内容物に発生する可能性もあり、異物が製造不良のために含まれてしまうことがあり、食料品を含む容器の場合、バクテリアまたは菌性物の凝集が微生物汚染のために発生する可能性がある。容器の内容物のこのような欠陥の他の例は、充填される注射器の曲がった針または壊れた針である。このような欠陥は、閉じた容器または開いた容器において、充填されていようがいなかろうが、検出できる。
【0003】
本明細書の目的のために、用語「欠陥のある容器」は、容器自体が欠陥を含む場合、または、容器の内容物が欠陥を含む場合、または、それら両方の場合を含むとして理解されることに留意されたい。
【0004】
潜在的に有害な欠陥のある製品、または、危険ですらある欠陥のある製品が消費者に届くのを防止するために、このような欠陥を生産ラインで検出できることは重要である。
【0005】
目視検査または視覚的に基づいた方法は、透明な容器に適しているだけであり、容器の内部の底の隅の検査は、視覚的な歪み、および、材料によって引き起こされる屈折、および、容器の形によって、より困難とされる。容器の底は、典型的には、厚くて非平面で非一定の断面となっている。それにもかかわらず、ここは、異物が典型的に堆積するため、検査される最も重要な部分となる。したがって、長い間、このような欠陥を検出するための多くの異なる手法が、ガラスおよびプラスチックをその可視スペクトル域における光学的特性にかかわらず浸透するX線を用いて、開発されてきた。ほとんどの材料は、X線にある程度の不透明性を有しており、不連続部などを含む欠陥をX線透過撮像に写すことができる。例えば、亀裂のあるガラスのバイアルの場合、亀裂によって生じさせられた不連続部は、X線放射を反射および/または屈折させることになり、そのため検出できる。同様に、プラスチック容器の薄い区域は、より厚い区域よりもX線放射をより吸収せず、そのため検出可能となる。さらに、容器内容物の異物は、X線を反射および/または屈折および/または吸収することになり、同様に検出可能となる。
【0006】
いくつかの先行技術のX線を用いた容器用の欠陥を検出する方法およびシステムを、以下に詳述する。
【0007】
特許文献1は、X線発生源と、変換スクリーンおよびカメラから成る単一の検出器との間の円形行路を通過させられる対象物のX線分析の方法を示している。この方法は、対象物の処理能力が低く、分解能が悪いという結果をもたらすことが明らかになる。さらに、行路の縁が対象物の基部と重なるため、対象物の基部の撮像が不十分である。
【0008】
特許文献2は、容器のラインに対して45°に配置された直角を成す2つのX線発生源(これは、2つの分離したビームを放つ単一の発生源によって構成され得る)を組み込み、容器がX線発生源とそれぞれの検出器との間で搬送されている容器のX線分析の方法を示している。したがって、各々の容器の2つの画像が、互いから90°の回転において撮られる。しかしながら、X線発生源は、容器の基部の良好な適用範囲をもたらさないコンベヤベルトの高さに配置されている。
【0009】
特許文献3は、容器の基部の内部の改善された撮像を実現するために、X線発生源をコンベヤの平面の上方に位置付けることで特許文献2の方法に対する改良を提示している。
【0010】
特許文献4は、異物の存在のために容器の基部の内部をより良く撮像するために、直線状のコンベヤベルトに提供された容器の基部の平面の上方および/または下方から発する斜めに放たれるX線を利用することで、上記のものに改善を施している。しかしながら、X線の一部はコンベヤベルトを通過しなければならず、これが撮像品質を低下させてしまう。
【0011】
最後に、特許文献5は、容器の動的コンピュータ断層撮影X線画像を作り出すためのCATスキャナを示している。一実施形態では、容器は、円形通路において、その円形通路の幾何学的中心にあるX線発生源とセンサとの間で通過させられ、加えて、容器は自身の軸線回りに回転させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0604302号明細書
【特許文献2】米国特許第6,005,912号明細書
【特許文献3】米国特許第7,164,750号明細書
【特許文献4】米国特許第7,106,827号明細書
【特許文献5】米国特許第4,989,225号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、先行技術の上記の不利な点のうちの少なくとも1つを克服することであり、それによって、改良された検出およびより高い処理能力を可能にする容器および/または容器の内容物の欠陥を検出するためのシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、容器の欠陥および/または容器の内容物の欠陥を検出するためのシステムによって達成され、このシステムは、容器を移送するための移送試験経路を含む移送構成部であって、移送試験経路は、軸線の周りに円弧形とされ、かつ、容器の基部の外側面の移動のために、この軸線に対して直角な平面を定める移送構成部を備え、言い換えれば、使用中に、容器の基部の外側面がこの平面に沿って移動することになる。X線発生源が上記の軸線上に配置され、また、各々が感知面を有する複数の撮像X線検出器、つまり、受けたX線放射に基づいた画像を形成できるX線検出器が、軸線の周りに配置される。「感知面」によって、我々は、X線放射を、信号(半導体式直接X線検出器の場合など)へと、または、自身で検出される他の種類の放射(デジタルカメラまたは同様物によって検出される可視光へとX線放射を変換するシンチレータプレートの場合など)へと変換する検出器の表面を理解する。複数の検出器は、容器の良好な適用範囲を得るために、および、処理能力の良好な速さを達成するために、様々な角度で試験される容器の撮像を可能にする。平面、X線発生源、および感知面は、各々のX線検出器を考慮するとき、X線発生源および当のX線検出器と交差するそれぞれの直線が平面と交差するように配置され、その結果、X線発生源から平面への線に沿った距離が平面から当のX線検出器の感知面への線に沿った距離より短くなる。この線は平面と交差するため、X線発生源および撮像X線検出器は平面の両側に位置付けられる。この幾何学的配置は、撮像X線検出器における容器の拡大の良好な度合いをもたらすため、検出器における良好な撮像を確保する。さらに、システムは、撮像X線検出器の出力部に操作可能に接続された入力部、および、撮像X線検出器によるX線撮像に依存する信号のための出力部を備える処理装置を備える。この出力部は、容器自身または容器の内容物に欠陥があるとして検出された容器を排除するための排除機構の制御入力部に、操作可能に接続される。特徴のこの組合せは、良好な速さの処理能力を伴う容器の正確な試験を可能にする。
【0015】
矛盾がない場合に任意で後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、上記で指定された直線は、それぞれの撮像X線検出器の感知面に垂直である。前述のように描かれる1つの可能な直線をこのように配置することで、撮像X線検出器での歪みが最小限にされる。
【0016】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、X線発生源は、X線を単一のアークで、つまり、連続したアークで放つように調整される。これは、複数のX線発生源についての要件、または、X線発生源の複雑で潜在的に脆弱なシャッター開閉についての要件を解消し、したがって、システムの複雑性を低下し、システムの堅牢性を増加する。
【0017】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、単一のアークは、前述した平面を考慮して、少なくとも180°、または少なくとも220°、または少なくとも270°、または360°の開角度を有する。これは、放射を検出器に向かって幅広なアークにわたって放つことができ、多数の検出器の単一の発生源と協働した使用を可能にする。
【0018】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、X線発生源から平面への前述の線に沿った距離は、平面からそれぞれの感知面へのその線に沿った距離の最大で80%、または最大で60%、または最大で40%、または最大で20%である。これによって、拡大と画像の鮮明さとの間の最良の妥協を達成するために、当業者は配置を調整できる。
【0019】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、移送構成部は、容器の基部と容器の基部の面積の最大で50%にわたって接触するように各々配置された複数の容器支持部を備える。これは、基部の縁が容器支持部と干渉されないように自由に保たれることを確保し、したがって、特には容器の内部の底の隅の撮像の正確性を最大限にする。
【0020】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、移送構成部は、容器の最上部を保持するように各々配置された複数の容器支持部を備え、容器支持部は、一方で、例えば支持部が吊り支持部である場合、それらだけで使われるときは、容器の基部を完全に自由に保つことが可能であり、または一方で、容器基部と接触している支持部との組合せで使われるとき、容器にとって非常に安定した支持構成を可能にする。
【0021】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、容器支持部のうちの少なくとも一部は、指定された軸線と平行な方向に、つまり、上下に移動可能である。これは、容器が移送構成部の移送試験経路に沿って移送できるように、移送構成部が、例えば移送構成部の入口区域から、容器を持ち上げることができる1つの機構を提供する。
【0022】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定される実施形態と組み合わせられ得る実施形態では、容器支持部のうちの少なくとも一部は、例えば自身の中心軸線の周りといった、指定された軸線と平行な支持軸線の周りに回転可能である。これは、できるだけ容器の多くを撮像するために、容器を異なる角度で検出器に提示することができる。
【0023】
さらに、本発明の目的は、容器および/または容器の内容物の欠陥を検出する方法によって解決され、その方法は、容器を移送試験経路に沿って移送するステップであって、移送試験経路は、軸線の周りに円弧形とされ、かつ、前記容器の基部の外側面に関して前記軸線に対して直角な平面を定めるステップを含む。つまり、平面は、容器が移動するときの容器の基部の外側面の通り道によって定められる。X線放射は、指定された軸線上に配置されたX線発生源から放たれ、放たれたX線放射は、前記軸線の周りに配置されてそれぞれの感知面を有する複数の撮像X線検出器(つまり、受けたX線放射に基づいた画像を形成することができるX線検出器)で受ける。複数の検出器は、容器の良好な適用範囲を得るために、および、処理能力の良好な速さを達成するために、様々な角度で試験される容器の撮像を可能にする。指定された平面、X線発生源、および感知面は、X線発生源およびそれぞれの感知面と交差するそれぞれの直線が平面と交差するように互いに配置され、その結果、前記X線発生源から平面への線に沿った距離が平面からそれぞれの感知面への線に沿った距離より短くなる。つまり、X線発生源およびX線検出器は平面の両側に配置される。容器および/または容器の内容物の1つのまたは1つを超える欠陥の存在または非存在を判定するために、撮像X線検出器によって受けた画像が処理され、その結果が、それぞれの容器に対して割り当てられる。容器または容器の内容物に1つまたは複数の欠陥があるとして判定された容器は、排除される。この方法は、良好な速さの処理能力を伴う容器の正確な試験を可能にする。
【0024】
矛盾がない場合に任意で後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、X線放射は単一のアークで放たれる。これは、複数のX線発生源についての要件、または、X線発生源の複雑で潜在的に脆弱なシャッター開閉についての要件を解消し、したがって、システムの複雑性を低下し、システムの堅牢性を増加する。
【0025】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、単一のアークは、前述した平面を考慮して、少なくとも180°、または少なくとも220°、または少なくとも270°、または360°の開角度を有する。これは、放射を検出器に向かって幅広なアークにわたって放つことができ、多数の検出器および単一の発生源の使用を可能にする。
【0026】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、X線発生源から平面への前述の線に沿った距離は、平面からそれぞれの感知面への線に沿った距離の最大で80%、または最大で60%、または最大で40%、または最大で20%である。これによって、特定の用途に依存して、拡大と画像の鮮明さとの間の最良の妥協を達成するために、当業者は配置を調整できる。
【0027】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、容器は、容器の基部と容器の基部の面積の最大で50%にわたって接触するように各々配置された複数の支持部を備える移送構成部によって移送される。それによって、基部の縁が容器支持部と干渉されないように自由に保たれ得るので、容器の内部の底の隅の撮像の正確性を最大限にする。
【0028】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、容器は、容器の最上部を保持するように各々配置された複数の容器支持部を備える移送構成部によって移送され、容器支持部は、一方で、例えば、支持部が例えば吊り支持部である場合、それらだけで使われるときは、容器の基部を完全に自由に保つことが可能であり、または一方で、容器基部と接触している支持部との組合せで使われるとき、容器にとって非常に安定した支持構成を可能にする。
【0029】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、容器は、移送試験経路の周りに、連続する速度で、または、段階的な手法で移送される。これは様々な運転の可能性を提示しており、段階的な移送は、特に、容器が静止しているときに撮像できるため、鮮明な撮像を可能にする。
【0030】
矛盾がない場合に任意で先にまたは後に指定されるこの方法の実施形態と組み合わせられ得るこの方法の実施形態では、容器はその軸線周りに回転される。これは、容器が移送試験経路に沿って移送されつつ、一定の角速度または段階的のいずれかとされ得る。これは、容器の良好な適用範囲を得るために、および、欠陥の非検出の危険性を低減するために、複数の配向で複数の角度からの容器の撮像を可能にし、また、容器の断層三次元撮像も可能にする。
【0031】
最後に、本発明は、欠陥のない容器、つまり、容器自体または容器の内容物に検出可能な欠陥のない容器を製造する方法に関し、その方法は、この製造がおそらく容器の充填も含むことになるため、試験されていない充填または未充填の容器を製造するステップと、次に、前述の欠陥を検出する方法のいずれかによって容器を試験するステップとを含む。自身に、または、自身の内容物に欠陥があるとして検出されなかった容器は、欠陥なしの容器を製造したとして受け入れられる。自身に、または、自身の内容物に欠陥があるとして検出された容器は、排除される。これは、欠陥のない容器の信頼できる製造を可能にする。
【0032】
ここで、本発明は、添付の図面に示されるような例示の実施形態を用いて説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の方法を行う本発明によるシステムの一部の鉛直断面におけるX線発生源および検出器の配置の概略図である。
図2】本発明の方法を行う本発明によるシステムの実施形態の概略的な平面の断面図である。
図3図2の線A−Aに沿った概略断面図である。
図3a】容器支持部の様々な実施形態の概略断面図である。
図3b】容器支持部の様々な実施形態の概略断面図である。
図3c】容器支持部の様々な実施形態の概略断面図である。
図4】X線発生源と、さらなる容器支持部を伴う容器との配置の拡大図である。
図5】本発明による欠陥のない容器を製造するためのシステムの概略的な機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、鉛直な軸線3上に位置付けられた、実質的に点発生源のX線発生源7を示している。容器1についての移送試験経路Pは、容器1が例えば方向Vにある円の円弧に従って移動するときに容器1によって通過される体積によって定義され、本明細書では、点線で単一の容器の断面によって表されている。平面11は、それに沿って容器1の基部1bの外面がシステムの運転中に移動し、図1に示すように、移送試験経路Pの下方端によって、つまり、X線発生源7に最も近い試験経路Pの面によって、定義される。この平面11は軸線3と直角である。X線発生源7は、平面11の下方で軸線3上に位置付けられている。平面11のX線発生源7に対する反対側には、X線発生源7を向く感知面4sを有するそれぞれの撮像X線検出器4がある。配置を示すために、X線発生源7から始まって撮像X線検出器4の感知面4sで途切れる複数の線ABC、ADE、およびAFGが描かれている。ABCおよびAFGは、撮像X線検出器4の感知面4sの端と交差する線であり、一方、ADEは、感知面4sのより中央寄りの任意の点で感知面4sと交差している。これらの線は、それぞれ、B、D、およびFで平面11と交わっている。X線発生源7から平面11への現在の場合の各々の線において、三角形A−G−C内の線のうちの少なくとも1つに沿う長さ、つまり、線AB、AD、およびAFの長さは、平面11から撮像X線検出器4の感知面4sへの線の長さ、すなわち、線BC、DE、およびFGの長さより、それぞれ短い。示した例では、ABの長さはBCの長さのおおよそ60%であり、ADの長さはDEの長さのおおよそ25%であり、AFの長さはFGの長さのおおよそ15%である。
【0035】
今日実施されている実施形態では、ABはBCのおおよそ13%であり、線ADE(実施されているとして、撮像X線検出器4の感知面4sは線ADEに直角である)に沿ったAから容器1の中心線1c1との交点までの距離は、容器1の中心線1c1との交点からEまでの距離のおおよそ28%である。
【0036】
この配置は、容器1の画像を、撮像X線検出器4の感知面4sにおいて大幅に拡大させることができる。
【0037】
実施において必要とされる正確な配置は、X線発生源と撮像X線検出器4との間の距離と、X線発生源7と容器1との間の距離との間のより大きな比率を表す撮像X線検出器4の感知面4sにおける拡大と、容器の特徴部の周りでのX線放射の回折のため、容器がX線発生源7により近いと低減する画像の鮮明さとの間の妥協点となる。さらに、特にはX線発生源7(つまり、その平面11の下方における距離)および検出器4の具体的な位置決めにおいて、試験される容器の大きさおよび形が考慮されなければならない。
【0038】
図2は、本発明によるシステムの概略的な上方からの平面図を示している。複数の容器1は、移送経路10に沿って移動する。この移送は、入口区域2aと、軸線3の周りの円の円弧に沿う試験区域2bと、出口区域2cとを含む移送構成部によってもたらされている。入口区域2aは移送入口経路を定め、試験区域2bは移送試験経路を定め、出口区域2cは移送出口経路を定めている。入口区域2aおよび出口区域2cは直線状のコンベヤとして示されているが、弓形、回転式、または、都合がよいとしてウォーム駆動されるなど、任意の公知の都合のよい構成が可能である。試験区域2bは、星形車など、任意の都合のよい公知の手段によって容器を移送できるが、しかしながら、良好な実施形態が、図3との関連で、以下においてより詳細に説明される。
【0039】
X線発生源7は、移送試験経路の下方において、つまり、システムが運転しているときに試験区域2bにある容器の基部の通過によって定められる平面11(図のPを参照)の下方において、軸線3上に配置されている。X線発生源7は単一の連続したアークを発するように構成され、アーク角度αが、上記の平面11と平行と見なされる少なくとも180°であって、図示した実施形態ではおおよそ300°となっている。これを実現するために、X線発生源は、遮蔽が設けられた全方向性のX線発生源であってもよいし、または、指向性のαビームX線発生源であってもよい。放射遮蔽構成(図示せず)は、例えば、鉛シートまたはコンクリートブロックまたは同様のX線吸収材料を備え、システムから漏れるX線を妨げるために提供され得る。
【0040】
複数の撮像X線検出器4a〜4f(4として総称される)が、軸線3を取り囲んで配置されており、X線発生源7からのX線放射を受けるように配置されている。ここでは6つの検出器が図示されているが、任意の都合のよい数が使用できる。これらの検出器は、各々、X線発生源7を向くように配置された感知面4s(図1参照)を備えており、直接半導体検出器(X線放射を直に感知する)、シンチレータプレートに基づいたフラットパネル検出器、および半導体検出器(シンチレータがX線放射を可視光に変換し、そして、電荷結合素子検出器などの従来の半導体検出器が、この可視光を検出する)、または任意の他の公知の種類の撮像X線検出器など、任意の公知の種類のものである。さらに、各々の検出器4a〜4fは、都合のよいように配置された複数の個々の検出器から構成されてもよい。撮像X線検出器4a〜4fの出力部4a〜4fは処理装置5の入力部5に接続されている。入力部5は、複数の個別で並列な入力部を表してもよいし、または、各々の撮像X線検出器4a〜4fについての1つは、すべての撮像X線検出器4a〜4fに共通の多重化された単一の入力部であってもよい。
【0041】
処理装置5は、容器1または容器1の内容物の欠陥を特定するために、撮像X線検出器4a〜4fから撮られた画像データを分析する。必要とされる画像処理は当業者には公知である。処理装置5は、画像データを分析することに基づいて欠陥を検出したとき、移送構成部制御装置6によって提供される情報に基づいて、この結果を関連する容器へと割り当てる。この情報は、コンベヤ速度、容器の数などに関してもよく、移送構成部制御装置6によってその出力部6で出力され、入力部5において処理装置5へと入力される。例えば適切なセンサから生じた、速度情報または容器の数の情報などの情報は、6において移送構成部制御装置6に入力される。処理装置5および移送構成部制御装置6は同じユニットで実施されてもよいし、および/または、センサ情報は、移送構成部制御装置6を介してではなく、処理装置5へと直に入力されてもよい。
【0042】
結果が欠陥のある容器に割り当てられると、処理装置5はその結果を5において出力し、それを排除機構Rへとその入力部Rにおいて入力して、排除機構Rを正しい時点で作動して欠陥のある容器を排除する。
【0043】
図3は、図2の線A−Aに沿った概略断面図である。この図において、移送試験経路を定める移送構成部の一部は、下方移送構成部8aおよび上方移送構成部8bによって構成されている。これらの構成部の各々は、軸線3の周りの円形の経路上を移動可能であって、自身の軸線1axの周りに選択的に回転可能な複数のロッド9a、9bを備えている。少なくとも下方ロッド9aは、自身の軸線に沿ってd方向に、つまり、図3において上下に移動可能である。ロッド9a、9bは、都合のよいように、カム、モータ、油圧、または空気圧の任意の組合せによって制御できる。各々のロッド9aおよび/または9bの自由端には、各々の容器の最上部または底部をそれぞれ適切に支持するための支持部10a、10bがある。図示した実施形態では、支持部10a、10bは、容器1をやさしく締め付けるために、天然ゴム、シリコンゴム、または同様物など、摩擦係数の高い柔らかい材料のパッドから作られている。したがって、図2に示すような完全なシステムの意味において見るとき、例えば、下方移送構成部8aの下方ロッド9aは、下方支持部10aと上方支持部10bとの間で容器1を締め付けるために延長でき、それによって、容器1を入口区域2aから受け取る。ロッド9a、9bの反対方向への適切な移動は、容器1を出口区域2cにおいて置くために実行される。上方ロッド9b、は延長可能であってもよいし、または、都合のよいように固定した長さのものであってもよい。代替で、上方ロッド9bが延長可能で、下方ロッド9aが固定されてもよい。
【0044】
容器1を支持するための他の代替の実施形態が、図3a〜図3cに示されている。
【0045】
図3aでは、下方移送構成部8aは省略されてもよく、上方移送構成部8bのロッド9bには、各々の容器をその上方端のみにおいて保持するために、容器が吊り下がる把持部を備えた支持部10bが設けられている。代替で、把持部10bは、吸着カップ構成であってもよい。
【0046】
図3bでは、上方移送構成部8bが省略され、下方移送構成部は、ロッド9aの自由端においてカップ式の容器保持器10aから構成されている。代替として、このカップ式の容器保持器が締め付けるかまたは把持する構成を備えてもよい。
【0047】
図3cでは、下方支持部10aは、星形車10dと、周囲の縁10eを備えた対応する固定部10cとから成る。星形車は軸線3の周りに回転するように構成されており、容器1は星形車10dの歯同士の間の間隙に受け入れられる。
【0048】
さらなる代替として、前述の実施形態は組み合わされてもよく、例えば、下方支持部10aはパッドによって構成されてもよく、上方支持部10bは吸着カップもしくは把持部によって構成されてもよく、または、カップ式の下方支持部10aは、吸着カップ、把持部、もしくはパッド式の上方支持部10bと組み合わされてもよい。
【0049】
前述のように、X線発生源7は、容器1の基部によって取られる経路によって定められた平面11の下方において、中心の軸線3上に配置されている。撮像X線検出器4a〜4f(図2)および4b、4f(図3)は、平面11の上方に位置付けられている。図3によれば、線12bおよび12fは、撮像X線検出器4bおよび4fの感知面とそれぞれ交差し、また、移送経路およびX線発生源とも交差する。図示した実施形態では、これらの線12bおよび12fは、撮像X線検出器4bおよび4fの感知面にそれぞれ直角であるが、しかしながら、これは必ずしもそうとは限らない。全体にわたってX線放射が放たれる鉛直面(つまり、軸線3を含んでいる)におけるアーク角度θは、遮蔽または同様物によって制限され得る。
【0050】
図4においてより明確に示されているように、図示された配置は、例えば移送構成部の下方支持部10aによって引き起こされる干渉なしで、容器1の内部の底の隅cをX線によって調査させることができる。図4では、容器1は、凹んだ基部を持っているとして示されており、内部の底の隅cにおいて異物が発見されやすくなっており、そのため、調査される必要のある容器1の最も重要な部分となっている。そのために、下方支持部10aは、容器の基部の面積のわずかに50%にわたって広がっており、容器の基部の周辺を、潜在的な干渉があることで下方支持部10aによって画像の品質が損なわれることなく、X線によって自由に調査されるようにしている。
【0051】
ここで、前述のシステムの運転の方法が、図2および図3を参照しつつ詳細に説明される。
【0052】
試験される容器1は、移送構成部の入口区域2aに沿って導入される。容器1は、入口区域2aの端に到達するとき、移送構成部8によって持ち上げられ、試験区域2bに入る。そして、容器1は、試験区域2bに沿って、撮像X線検出器4a〜4fとX線発生源7との間をさらに移送される。これは、以下の方式のうちの1つに従って実行できる。
【0053】
a.容器1は、実質的に一定の速度で試験区域2bの周りに移送される。
b.容器1は、実質的に一定の速度で試験区域2bの周りに移送され、同時に、実質的に一定の角速度で自身の軸線の周りに回転される。
c.容器1は、試験区域2bの周りに段階的に移送され、各々の段階で、容器はそれぞれの撮像X線検出器4a〜4fに対して提示されることになる。
d.容器1は、試験区域2bの周りに段階的に移送され、各々の段階で、容器はそれぞれの撮像X線検出器4a〜4fに対して提示されることになるとともに、各々の容器は、各々の撮像X線検出器に提示される間に自身の軸線の周りで段階的な角度で回転させられる。
e.容器1は、撮像X線検出器4a〜4fの数に等しい数の集まり(つまり、図示の実施形態の場合では6つの集まり)で試験区域2bに投入され、試験され、そして同じ集まりで出口区域2cへと出力される。
f.容器1は、撮像X線検出器4a〜4fの数に等しい数の集まり(つまり、図示の実施形態の場合では6つの集まり)で試験区域2bに投入され、容器は、複数の角度で各々の容器の画像を形成するために、各々の位置で一定の角速度または段階的のいずれかで回転され、そして同じ集まりで出口区域2cへと出力される。
【0054】
上記の計画によって得られた画像は、二次元画像として処理されてもよいし、または、各々の容器の三次元X線画像を作り出すために、断層的に処理されてもよい。
【0055】
試験が完了すると、移送構成部は容器1をその出口区域2cへと移動し、そこで容器は排除機構Rを通過する。排除機構Rは、欠陥があるとして検出された容器を排除するために前述のように処理装置5の出力に基づいて作動される、任意の公知の種類のものであればよい。
【0056】
図5は、欠陥のない容器を製造するためのシステムを概略的および一般的に示している。ブロックMでは、容器が製造され、選択的に充填され、試験されていない容器1uを製作する。そして、これらの試験されていない容器1uは、ブロックTへと送られ、そこで前述のシステムのいずれかで前述の方法のいずれかによって試験される。欠陥のある容器1fは、Tにおける検出システム出力部の出力に基づいて、排除機構Rによって排除される。また、排除機構RはブロックTに組み込まれてもよい。欠陥検出試験に合格した欠陥のない容器1pは、したがって、製造されたと見なされ、次に、必要であればさらなる充填、ラベルの貼り付け、箱詰め、顧客への出荷など、さらなる工程に向けて送り出される。
【0057】
様々な具体的な実施形態を用いて本発明を説明するために、完全な試みが行われたが、これらは、本発明の範囲を限定するとして解釈されることはなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。特に、すべての実施形態は、結果が矛盾しない限り、組み合わせることができることに留意されたい。
【符号の説明】
【0058】
1 容器
1ax 軸線
1b 基部
c1 中心線
1f 欠陥のある容器
1p 欠陥のない容器
1u 試験されていない容器
2a 入口区域
2b 試験区域
2c 出口区域
3 軸線
4 撮像X線検出器
4a 撮像X線検出器
4a 出力部
4b 撮像X線検出器
4b 出力部
4c 撮像X線検出器
4c 出力部
4d 撮像X線検出器
4d 出力部
4e 撮像X線検出器
4e 出力部
4f 撮像X線検出器
4f 出力部
4s 感知面
5 処理装置
入力部
入力部
6 移送構成部制御装置
出力部
7 X線発生源
8 移送構成部
8a 下方移送構成部
8b 上方移送構成部
9a 下方ロッド
9b 上方ロッド
10 移送経路
10a 下方支持部、容器保持器
10b 上方支持部、把持部
10c 固定部
10d 星形車
10e 縁
11 平面
c 隅
M ブロック
P 移送試験経路
R 排除機構
Ri 入力部
T ブロック
V 方向
図1
図2
図3
図3a
図3b
図3c
図4
図5
【国際調査報告】